JP2631056B2 - コンクリート地中梁で補強された盛土構造 - Google Patents

コンクリート地中梁で補強された盛土構造

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【発明の詳細な説明】
【0001】この発明はコンクリート地中梁で補強され
た急勾配の盛土構造に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】最近ジオグリッド材を用いた5
分勾配ないし垂直の急勾配の補強盛土が多用されてい
る。この補強盛土の表面材としては、(1)コンクリー
ト製ブロックを積み上げ、背面でジオグリッド材と緊結
する方法、(2)表面に土嚢を積み上げ、土嚢をジオグ
リッド材の延長部で巻き込む方法、(3)表面に金網を
貼り、背面でジオグリッド材と緊結する方法などが多用
されている。(1)のコンクリートブロック積みは、本
格的な建造物と見なされるので安心感はあるが、反面、
重量が大きいので地盤の沈下の恐れがある。背面の
盛土に粘性土を用い、これが圧密沈下するような場合に
はブロックが破壊される危険がある。重量物なので作業
性が悪い。などの問題がある。(2)の土嚢積み方法、
(3)の金網貼り工法は、比較的簡便で施工性もよく、
法面緑化も可能である反面、燃える、錆びる、耐久性が
ない。余程盛土の土を選ばないと盛土の沈下が避けられ
ない、何となく信頼感に乏しい、などの問題があり、本
格的な工法と見なされない面がある。
【0003】
【問題点を解決する手段】上記の問題点を解決するため
に、この発明は、ジオグリッド材などのアンカー材を層
状に敷設した急勾配補強盛土の、盛土表面から所定間隔
中に入った盛土内に、補強コンクリートからなる複数本
の上下方向の地中梁、ないし、これらを横梁で連結した
格子梁を設置して盛土を補強するものである。
【0004】
【作用】この発明は、表面には簡便で緑化も可能な材料
を用いながら、地中梁で補強することにより、安定した
本格的盛土を形成することが可能となる。
【0005】
【実施例1】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。鉄筋補強のプレキャクトコンクリート製の
型枠を形成する。型枠は図2に示すような筒状型枠11
と図3に示すような溝状型枠12とで構成する。筒状型
枠11は上下が開口された筒状で、法面の5分勾配に合
わせて側面を挟角63度の平行四辺形としたやや斜めの
筒に形成する。肉厚は5cm、外寸はは一辺30cm、
高さ30cmである。前面と背面には接続などに用いる
為の埋め込みナット13を付設しておく。両側面には打
ち抜いて簡単に窓が形成できるように打抜凹部14を設
けておく。溝状型枠12は断面が上面が開口した半筒状
で、肉厚・サイズは筒状型枠と同じである。前面と背面
に埋め込みナット13を設ける点も同じである。
【0006】施工する場合には、図1に示すように、基
礎地盤2の法尻線21の内側約2mの箇所に、3mの間
隔を置いて鉄筋コンクリートのフーチング30を形成す
る。又、基礎地盤2に埋め込んだ状態で、フーチング3
0を横断的に連結する鉄筋コンクリート製の基礎梁31
を形成する。フーチング30の上面にはコンクリート打
ち継ぎ用の鉤状アンカー抗32を突出させておく。
【0007】引張強度の大きい合成繊維からなる網状の
ジオグリッド材4をアンカー材として基礎地盤2に法尻
線21と直交方向に敷き詰める。ジオグリッド材は法尻
線よりも3m程長く余裕を持たせておく。フーチング3
0に当たる箇所ではジオグリッド材を切り欠いて、形成
する地中梁を貫通できるようにしておく。
【0008】土を詰めた植生用の土嚢袋5を、法尻線2
1に沿ってジオグリッド材4の上に30cmの高さ迄積
み上げる。土嚢袋の表面は5分勾配となるようにややセ
ットバックして積み上げる。一方、フーチング30の上
には高さ1mの鉄筋籠15を立設する。鉄筋籠は底部で
フーチングの上面に突出している鉤状アンカー杭32と
しっかり緊結する。次に、筒状型枠11を鉄筋籠の上か
ら被せてフーチング30の上に設置する。筒状型枠は止
め金具を介してフーチングに固定する。筒状型枠11と
周囲のジオグリッド材4とは連結金具などを用いて緊結
する。
【0009】このように準備した上で、土嚢袋5の背面
に厚さ30cmの盛土6を行う。盛土形成にはタンパー
・ローラーなどを用いて充分に締め固める。土を盛る段
階で筒状型枠の中に土砂が入らないように、筒状型枠の
上はシートなどでカバーしておく。第一段の盛土6が完
了した段階で、第二段の土嚢袋5を法尻に沿って積み上
げる。もう一段筒状型枠11を鉄筋籠の上から被せて積
み重ねる。上下の筒状型枠同士は連結金具で連結する。
前回同様に盛土を行い、更にもう一段同様の作業を繰り
返して筒状型枠3段分高さにして90cmの盛土6を完
成する。
【0010】図4に示すように、この段階で筒状型枠1
1の中にコンクリートを打設して上下方向の地中縦粱3
3を形成する。地中縦粱の上面には鉄筋籠の上端フック
部16と、多数の鉤状アンカー抗32を突出した状態で
埋め込んでおく。筒状型枠内に打設したコンクリートの
硬化を早めるために早強セメントを使用することもでき
る。第一層の盛土6が完成した段階で、法尻線21で余
っているジオグリッド材4を土嚢袋5の表面に沿って上
方に巻き上げ、土嚢袋の上端で盛土内側に折り返してお
く。
【0011】第一層の盛土6の上にジオグリッド材4を
敷設して上記と同様な作業により第二層の盛土6、更に
その上に第三層の盛土6を行い、トータル約3m高の盛
土を完成する。層を重ねる場合に、上下方向の筒状型枠
11内の鉄筋籠同士は充分に連結することが肝要であ
る。
【0012】図5に示すように、第三層の最後の段の盛
土を行う前に、地中縦梁33の上に設置された前段の筒
状型枠11の上に、鉄筋籠15に被せるようにして新た
に筒状型枠11を設置する。新たに設置した筒状型枠1
1と筒状型枠11の間、前段の盛土6の上に溝状型枠1
2を並列して連続した溝を形成する。筒状型枠11の側
面の打抜凹部を打ち抜いて窓を開けて隣接する溝状型枠
12と内部で連絡する。この窓を通し、筒状型枠11と
溝状型枠12とを横断的に連続された鉄筋籠15を設置
する。横断方向の鉄筋籠15と筒状型枠内の縦方向の鉄
筋籠15とはしっかりと緊結する。図6に示すように、
敷設した筒状型枠と溝状型枠の周囲に盛土6を形成して
から、筒状型枠11と溝状型枠12にコンクリートを打
設し、地中縦梁33と連結された地中横梁34を構築す
る。地中横梁34の上面には多数の鉤状アンカー杭32
を突出させておき、この上に敷設される次層のジオグリ
ッド材4の網目に挿入して、ジオグリッド材と地中横梁
とをしっかり緊結する。
【0013】上記に説明した施工を繰り返し、図7に示
すように、1m高毎にジオグリッド材4が層状に敷設さ
れた盛土6が形成される。盛土6の表面から少し内側に
は、鉄筋コンクリートの地中縦梁33と地中横梁34と
からなる地中格子梁35が構築される。各層のジオグリ
ッド材4と地中格子梁35とはしっかりと緊結されてい
るので、地中格子梁35は盛土6と一体となる。
【0014】尚、この発明を用いるアンカー材としては
実施例の網状のジオグリッド材が一般的であるが、これ
に限定されることなく、帯状であったり線状であったり
してもよい。盛土表面の形成も土嚢袋に限らず、L字状
に屈折された金網状体などを用いることも可能である。
又、コンクリート擁壁であってもよい。これらの表面板
はいずれもアンカー材と連結されており、アンカー材を
介して間接的に地中梁とも連結されている。更に、表面
材を引張強度の大きな緊結材を用いて直接に地中梁と連
結することも表面材の安定上有効である。地中梁と盛土
との摩擦を大きくして密着をよくするために、地中梁の
表面を祖にしあげておくことも可能である。
【0015】地中梁は実施例ではコンクリート製型枠を
用いて鉄筋コンクリートを打設して形成したが、型枠の
種類も合板製とか鋼製などであってもよい。地中梁は表
面には出ないので、コンクリートの強度は重要だが、そ
の外観はあまり問題にならない。その意味では使い捨て
型枠を用いることもできる。又、地中梁構築には現場打
ちコンクリートではなく、プレキャストの鉄筋コンクリ
ート製品を使用することもできる。この場合、製品同志
の連結には充分の配慮が必要である。コンクリートとし
ては鉄筋補強のものの他、スチールファイバーコンクリ
ートやカーボンファイバーコンクリートなどの繊維補強
コンクリートを用いることも可能である。
【0016】地中梁は実施例のように盛土の勾配と同じ
ように勾配を持たせてもよいし、鉛直に構築してもよ
い。更に、地中梁は単に上下方向の縦梁を多数構築して
構成してもよいし、実施例のように格子状に構成しても
よい。実施例では盛土内に一重の地中格子梁35を構築
した例を説明したが、図8に示すように、地中格子梁3
5を盛土内の前後に3mとか5mとか所定間隔をおいて
多重に構築することも可能である。この場合は、多重の
地中格子梁35を基礎地盤内では前後の基礎梁31、各
地中横梁に見合う箇所では水平梁36で前後の地中格子
粱を連結し連結して立体格子粱3とすることも可能で、
非常に強固な補強コンクリート構造体が構築できる。こ
の地中梁の構築には盛土の上に型枠を設置して、順次コ
ンクリートを打設する方法を繰り返せばよいので、型枠
の建設など施工は非常に簡便である。
【発明の効果】この発明はこのように構成されているの
で、次のよな特長を有する。 (1)盛土表面は従来工法と同様であり、アンカー材に
より安定した盛土が形成される。施工性はよいし、緑化
も可能である。 (2)盛土表面の少し奥にはアンカー材と緊結された地
中梁が骨格として構築されているので、盛土は急勾配で
あっても非常に安定する。 (3)盛土の表面材はアンカー材を介して間接的に地中
梁と連結されているので、非常に安定的であるが、更に
表面材を直接に地中梁と緊結すれば、安定度はより向上
する。 (4)地中梁のために、盛土は沈下が抑制される。盛土
沈下のために使用条件が難しいテールアルメ工法などと
併用することにょり、テールアルメ工法などの用途を拡
大することができる。 (5)地中梁を二重・三重に重ねて立体格子状に構成す
ると、その補強効果はきわめて大きい。 (6)地中粱は表面に出ないため、その外観は問題にな
らないので、型枠の材質・種類の選択が自由で、安価な
ものが選べる。使い捨て型枠の使用も可能である。 (7)地中梁、特に格子梁や立体格子梁のような、構造
体を空間に構築しようとすると、全体構造を保持するた
めに非常に大規模な型枠が必要で、非常にコストの高い
ものになってしまう。しかし、この発明では型枠は盛土
の上に設置するだけでよいし、打設時のコンクリート圧
や全体の重量は周囲の盛土が分担してくれるので、型枠
の建て込みが楽で、コストが安く済む。 (8)法面表面全体にコンクリート擁壁を構築する場合
には、全面を覆うので擁壁の重量が大きく、大規模な基
礎が必要である。この地中梁の場合は枠構造で軽量であ
るから、基礎なども軽微なもので済む。 (9)地中梁の間に充分の隙間が開いており、盛土表面
側の土と奥の土とは連続されているので、表面の土が隔
離されて別個の動きをする懸念もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一層盛土の形成状況を示す側断面図であ
る。
【図2】 筒状型枠の側断面図である。
【図3】 溝状型枠の側断面図である。
【図4】 地中縦梁が構築された第一層盛土を示す側断
面図である。
【図5】 溝状型枠の設置状況を示す平面図である。
【図6】 地中横梁と地中縦梁の形成状況を示す正面透
視図である。
【図7】 地中格子梁を示す正面透視図である。
【図8】 立体格子粱を示す側断面図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジオグリッド材などのアンカー材を層状
    に敷設してなる急勾配の補強盛土において、盛土表面か
    ら所定間隔内側に入った盛土内に、補強コンクリートか
    らなる複数本の上下方向の地中梁を構築したことを特徴
    とした、コンクリート地中梁で補強された盛土構造。
  2. 【請求項2】 上下方向の地中粱と、補強コンクリート
    からなる横方向の地中梁とを所定間隔をおいて連結して
    格子梁としたことを特徴とした、請求項1記載の、コン
    クリート地中梁で補強された盛土構造。
  3. 【請求項3】 地中梁は、盛土内の前後に所定間隔をお
    いて二重以上構築されたことを特徴とした、請求項1な
    いし請求項2記載の、コンクリート地中粱で補強された
    盛土構造。
  4. 【請求項4】 地中梁は、アンカー材と緊結されたこと
    を特徴とした、請求項1ないし請求項3記載の、コンク
    リート地中粱で補強された盛土構造。
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