JP2629874B2 - 楽音パラメータ制御装置 - Google Patents

楽音パラメータ制御装置

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JP2629874B2 JP63220011A JP22001188A JP2629874B2 JP 2629874 B2 JP2629874 B2 JP 2629874B2 JP 63220011 A JP63220011 A JP 63220011A JP 22001188 A JP22001188 A JP 22001188A JP 2629874 B2 JP2629874 B2 JP 2629874B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、演奏場内の楽器位置に応じた音場を再現
するために使用される楽音パラメータ制御装置に関し、
特に楽器位置指定部の改良に関するものである。
[発明の概要] この発明は、タッチパネルでのタッチ位置に対応して
楽器位置情報を発生さると共にこの楽器位置情報を音場
再現用の複数の楽音パラメータ制御情報に変換すること
により簡単な操作で所望の楽器位置に応じた音場を再現
可能としたものである。
[従来の技術] 従来、電子楽器の音響効果付与技術としては、予め
「コンサートホール」、「ジャズクラブ」等の演奏場毎
に特有の音響効果(例えばリバーブ効果)を得るための
効果制御情報をプリセットしておき、所望の演奏場を選
択すると、それに対応するプリセット情報に基づいて楽
音信号に選択した演奏場特有の音響効果を付与するよう
にしたものが知られている。
[発明が解決しようとする課題] 上記した従来技術によると、所望の演奏場に特有の音
響効果を再現して演奏を楽しむことができるが、演奏場
内の楽器位置に応じた音場を再現することができず、臨
場感不足を免れなかった。すなわち、実際の演奏場にあ
っては、使用する楽器の種類や配置等により音場感(例
えば音像定位、楽音の周波数成分、音響効果の大きさ
等)が異なり、上記した従来技術では、このような音場
感を模擬した演奏を楽しむことができなかった。
一方、複数のスピーカをそなえた電子楽器としては、
パネル面に設けたボリューム、スイッチ等の操作子を適
宜操作することにより演奏音の音像定位や音響効果を設
定して演奏を行なえるようにしたものが知られている。
このような電子楽器にあっては、所望の音場感が得ら
れるように多数の操作子を操作するのが面倒であり、特
に所望の演奏場内の楽器位置を想定してその楽器位置に
応じた音場を再現すべく各種操作子を操作するのは容易
でない。また、操作子の設定状態からは楽器位置を確認
するのが容易でない。
この発明の目的は、簡単な操作で所望の楽器位置に応
じた音場を再現可能とし、さらには楽器位置の確認をも
容易にすることにある。
[課題を解決するための手段] この発明に係る楽音パラメータ制御装置は、 複数の演奏場のうち任意の1つを指定する指定手段で
あって、指定した演奏場に対応する残響特性設定情報を
発生するもの(第1図20、第2図HSS、第9図112、第10
図122)と、 パネル面内においてタッチ位置を検出可能なタッチパ
ネル(第1,3図34B)と、 前記パネル面内におけるタッチ位置を検出する検出手
段であって、前記指定手段で指定した演奏場内の楽器位
置を検出に係るタッチ位置に対応して表わす楽器位置情
報を送出するもの(第1図28、第11図140,146,152、第1
2図170)と、 前記検出手段からの楽器位置情報を残響特性制御情報
及び音像定位制御情報に変換する変換手段であって、前
記残響特性制御情報としては前記検出手段からの楽器位
置情報が表わす演奏場内の楽器位置が該演奏場内の後方
になるほど残響効果が大きくなるように残響特性を設定
する情報を送出すると共に前記音像定位制御情報として
は前記検出手段からの楽器位置情報が表わす演奏場内の
楽器位置に対応した音像定位を設定する情報を送出する
もの(第1,5図18、第12図172)と、 前記変換手段からの音像定位制御情報に応じて楽音信
号の音像定位に制御することにより該楽音信号の音像を
前記検出手段で検出されたタッチ位置に対応して定位さ
せると共に、前記指定手段からの残響特性設定情報と前
記変換手段からの残響特性制御情報とに応じて前記楽音
信号の残響特性を制御することにより前記楽音信号に前
記指定手段で指定された演奏場と前記検出手段で検出さ
れたタッチ位置とに対応した残響特性を付与する制御手
段であって、前記検出手段で検出されたタッチ位置に対
応する演奏場内の楽器位置が該演奏場内の後方になるほ
ど残響効果が大きくなるように前記変換手段からの残響
特性制御情報に応じて前記楽音信号の残響特性を制御す
るもの(第1,6図44)と を備えたものである。
[作用] この発明の構成によれば、指定手段で所望の演奏場を
指定すると共にタッチパネルで所望の楽器位置を指定す
ると、指定手段からは指定した演奏場に対応する残響特
性設定情報が発生されると共に変換手段からはタッチパ
ネルで指定された楽器位置に対応した残響特性及び音像
定位をそれぞれ設定する残響特性制御情報及び音像定位
制御情報が送出される。そして、制御手段では、楽音信
号の音像が音像定位制御情報に応じて指定に係る楽器位
置に対応した位置に定位すべく制御されると共に該楽音
信号に対して残響特性設定情報と残響特性制御情報とに
応じて指定に係る演奏場と指定に係る楽器位置とに対応
した残響特性が付与される。このとき、楽音信号の残響
特性は、演奏場内の楽器位置が演奏場内の後方になるほ
ど残響効果が大きくなるように残響特性制御情報に応じ
て制御される。
従って、所望の演奏場内の楽器位置をタッチパネル上
でタッチ位置として指定するだけの簡単な操作で所望の
楽器位置に応じた音像定位及び残響特性を有する音場を
再現することができると共に、演奏場内で楽器位置が後
方になるほど残響効果が大きくなる現象を模倣すること
ができる。また、楽器位置情報を残響特性制御情報と音
像定位制御情報とに変換するようにしたので、残響特性
制御情報に応じて音像定位とは独立に所望の残響特性を
設定することができる。
また、検出手段からの楽器位置情報に基づいて演奏場
内の楽器位置を表示する表示手段を設けると、楽器位置
の確認が容易となり、楽器位置に十分配慮して演奏を行
えるようになる。この場合、タッチパネルを透明性のも
のとし、表示手段では、タッチパネルの裏側に配置した
表示パネルで演奏場内の楽器位置を表示すると、タッチ
位置と楽器位置との対応関係が明瞭となって楽器位置の
確認が一層容易になると共に、表示パネル及びタッチパ
ネルの設置スペースをほぼ1パネル分に節約することが
できる。
[実施例] 第1図は、この発明の一実施例による電子楽器の回路
構成を示すもので、この電子楽器は、楽音発生がマイク
ロコンピュータによって制御されるようになっている。
電子楽器の構成(第1図) 第1図において、バス10には、鍵盤回路12、操作子群
14、中央処理装置(CPU)16、ROM(リード・オンリィ・
メモリ)18、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)20、
レジスタ群22、フロッピーディスク装置24、表示パネル
インターフェース26、タッチパネルインターフェース2
8、音源インターフェース30、外部入力インターフェー
ス32等が接続されている。
鍵盤回路12は、一例として上鍵盤、下鍵盤及びペダル
鍵盤を有するもので、各々鍵盤の各鍵毎に鍵操作情報が
検出されるようになっている。
操作子群14は、楽器パネルに設けられた楽音制御用乃
至演奏制御用の各種操作子を含むもので、各操作子毎に
操作情報が検出されるようになっている。この発明の実
施に関係する操作子については第2図を参照して後述す
る。
CPU16は、ROM18にストアされたプログラムに従って楽
音発生のための各種処理を実行するもので、これらの処
理については第8図乃至第12図を参照して後述する。RO
M18には、プログラムの他に、第5図について後述する
ような楽音パラメータ制御情報もストアされている。
RAM20は、フロッピーディスク装置24から読出した1
演奏場分の表示・制御データをストアするためのもので
ある。
レジスタ群22は、CPU16による各種処理に際して利用
される多数のレジスタを含むもので、これらのレジスタ
のうち、この発明の実施に関係するものについては後述
する。
フロッピーディスク装置24は、複数の演奏場について
各演奏場毎に表示・制御データが記録されたフロッピー
ディスクを有するもので、このフロッピーディスクから
RAM20へのデータ書込みについては第4図を参照して後
述する。
表示パネルインターフェース26及びタッチパネルイン
ターフェース28は、楽器位置設定装置34を構成する表示
パネル34A及びタッチパネル34Bにそれぞれ接続されたも
ので、インターフェース26は表示パネル34Aに表示デー
タDSを供給し、インターフェース28は、タッチパネル34
Bからタッチ位置を検出し、そのタッチ位置に応じた楽
器位置データPSを受取るようになっている。なお、楽器
位置設定装置34については、第3図を参照して後述す
る。
音源インターフェース30は、割当回路36に音源制御情
報TSを供給するもので、音源制御情報TSとしては、鍵盤
操作に基づくキーオン信号、キーオフ信号、押鍵対応の
キーデータ(音高データ)等の演奏情報と、ROM18から
読出した楽音パラメータ制御情報と、RAM20から読出し
た音色指定データ及びリバーブ制御データとを供給可能
である。
外部入力インターフェース32は、他の電子楽器からの
鍵盤操作に基づく演奏情報又は記憶(記録)装置から読
出した演奏情報を入力するためのもので、入力された演
奏情報は、鍵盤回路12からの演奏情報と共に又はその代
りに音源インターフェース30を介して割当回路36に供給
可能である。
割当回路36は、供給される音源制御情報TSを第1の音
源(TG1)38、第2の音源(TG2)40、第3の音源(TG
3)42又はパラメータ制御回路44に割当てて供給するも
ので、TG1(38)〜TG3(42)はいずれもディジタル楽音
信号を発生可能なものである。TG1(38)には、第1音
源制御情報S1として、上鍵盤操作に基づく演奏情報及び
楽器1(例えばピアノ)に対応する音色指定データが供
給され、TG2(40)には、第2音源制御情報S2として、
下鍵盤操作に基づく演奏情報及び楽器2(例えばバイオ
リン)に対応した音色指定データが供給され、TG3(4
2)には、第3音源制御情報S3として、ペダル鍵盤操作
に基づく演奏情報及び楽器3(例えばバス)に対応した
音色指定データが供給され、パラメータ制御回路44に
は、楽音パラメータ制御情報PD及びリバーブ制御データ
RVDが供給される。この場合、上鍵盤、下鍵盤及びペダ
ル鍵盤のうちの任意の鍵盤の操作に基づく演奏情報に代
えて外部入力インターフェース32からの演奏情報を供給
することもでき、このようにすれば、他の電子楽器又は
自動演奏機との合奏が可能となる。
パラメータ制御回路44は、TG1(38)からのディジタ
ル楽音信号S11、TG2(40)からのディジタル楽音信号S1
2、TG3(42)からのディジタル楽音信号S13についてそ
れぞれ楽音パラメータ制御情報PDに基づいて楽音パラメ
ータを制御したり、リバーブ制御データRVDに基づいて
リバーブ効果を付与したりするもので、このような制御
を受けた楽音信号を左右のチャンネル別にD/A(ディジ
タル/アナログ)変換して右チャンネル用アナログ楽音
信号AS(R)及び左チャンネル用アナログ楽音信号AS
(L)を送出する。パラメータ制御回路44の具体例につ
いては第6図及び第7図を参照して後述する。
楽音信号AS(R)は、出力アンプ46Rを介して右スピ
ーカ48Rに供給され、楽音として発音される。また、楽
音信号AS(L)は、出力アンプ46Lを介して左スピーカ4
8Lに供給され、楽音として発音される。
操作子配置(第2図) 第2図は、操作子群14に属する操作子のうち、この発
明の実施に関係する操作子の配置れいを示したものであ
る。
演奏モードスイッチPMSは、ノーマル演奏モードを指
定するためのもので、これをオンすると、その近傍の発
光素子PMLが点灯し、演奏場の音場の再現を伴わない通
常のマニアル演奏(又は自動演奏)が可能となる。
演奏場選択スイッチHSSとしては、N個のスイッチが
並設されており、各スイッチ毎にその近傍に発光素子HS
Lが設けられている。所望の演奏場に対応するスイッチH
SSをオンすると、その近傍の発光素子HSLが点灯し、オ
ンしたスイッチに対応する演奏場の音場を再現した状態
でマニアル演奏(又は自動演奏)が可能となる。そし
て、発光素子HSLが点灯中であるスイッチHSSをオンする
と、発光素子HSLが消灯すると共に発光素子PMLが点灯
し、ノーマル演奏モードに戻る。
楽器位置設定装置(第3図) 第3図は、楽器位置設定装置34を上面から見た図であ
り、この装置34は、スイッチマトリクスを有する透明性
のタッチパネル34Bの裏面に表示パネル34Aを配置した構
成になっている。
表示パンル34Aには、例えばコンサートホール等の演
奏場のシンボルHSYと、「HALL1」等の演奏場名HNMと、
楽器表示忰FLMと、楽器シンボルISYと、楽器名INMとが
表示される。この場合、楽器表示忰FLMは、タッチパネ
ル34Bに対応した長方形領域内に表示可能であり、楽器
シンボルISY及び楽器名INMは、各楽器表示枠FLM内に1
組ずつ表示される。一例として、最も左の楽器表示忰FL
M内には、楽器シンボルISYとしてピアノのシンボルが表
示されると共に楽器名INMとして「PIANO」の文字が表示
され、同様にして右寄りの楽器表示枠FLM内にはバイオ
リンのシンボル及び「VIOLIN」の文字が、最も右の表示
枠FLM内にはバスのシンボル及び「BASS」の文字がそれ
ぞれ表示される。
タッチパネル34Bの前後方向の一辺の長さをHとし、
左右方向の一辺の長さをWとすると、Hは演奏場の奥行
きに対応し、Wは演奏場の幅(又は間口)に対応する。
タッチパネル34Bの左奥端部を原点P0(0,0)とし、前後
方向をy軸、左右方向をx軸とすると、ピアノの位置は
xy座標を用いてPp(x1,y1)として表わされ、同様にし
てバイオリンの位置はPv(x2,y2)、バスの位置はP
B(x3,y3)として表わされる。
第3図の楽器位置設置装置34では、例えばピアノが表
示された楽器表示枠FLMに対応するタッチパネル34Bの一
部に指等でタッチし、このタッチ状態のまま前後左右に
移動すると、この移動につれて楽器表示枠FLMも楽器名I
NM及び楽器シンボルISYと共に移動し、移動及びタッチ
を止めた位置が最終的にピアノの表示位置となる。この
ことは、バイオリン及びバスを表示した他の楽器表示枠
FLMについても同様である。従って、3種類の楽器につ
いて各楽器毎に演奏場内の楽器位置をタッチ操作のみで
簡単に且つ任意に設定可能である。
表示・制御データ(第4図) 第4図は、表示・制御データのフォーマットを示すも
ので、前述したフロッピーディスクには、演奏場1(例
えば小ホール)、演奏場2(例えば大ホール)、演奏場
3(例えば野外ステージ)…演奏場N(例えばジャズク
ラブ)にそれぞれ対応するN演奏場分の表示・制御デー
タが記録されている。
第2図に示した演奏場選択スイッチHSSの操作により
所望の演奏場を選択すると、選択された演奏場に関する
表示・制御データがフロッピーディスク装置24からRAM2
0に転送され、第4図で演奏場1について例示するよう
なフォーマットでRAM20に書込まれる。
1演奏場分のデータは、先頭の識別データIDに続けて
演奏場関連データ及び3楽器分の楽器関連データを配列
したものである。演奏場関連データは、演奏場名データ
HNMDのバイト数K0を表わすデータ、演奏場シンボルデー
タHSYDのバイト数L0を表わすデータ、リバーブ制御デー
タRVDのバイト数M0を表わすデータ、演奏場名を表示す
るための演奏場名データHNMD、演奏場シンボルを表示す
るための演奏場シンボルデータHSYD、リバーブ効果を制
御するためのリバーブ制御データRVDからなっている。H
AD0は、演奏場関連データをRAM20に書込んだ際の先頭ア
ドレスであり、これと各データのバイト数K0、L0、M0
を用いてRAM20からのデータHNMD、HSYD、RVDの読出しが
制御される。
楽器関連データは、楽器1(例えばピアノ)、楽器2
(例えばバイオリン)及び楽器3(例えばバス)にそれ
ぞれ関連した表示・制御データからなるものである。こ
こで、3楽器分のデータフォーマットは互いに同様であ
るので、代表として楽器1について述べる。
楽器1関連データは、楽器名データINMDのバイト数K1
を表わすデータ、楽器シンボルデータISYDのバイト数L1
を表わすデータ、音色指定データTSDのバイト数M1を表
わすデータ、楽器名を表示するための楽器名データINM
D、楽器シンボルを表示するための楽器シンボルデータI
SYD、楽器対応の音色(例えばピアノ音色)を指定する
ための音色指定データTSD、x方向の楽器位置(x1)を
表わすデータ、y方向の楽器位置(y1)を表わすデータ
からなっている。HAD1は、楽器1関連データをRAM20に
書込んだ際の先頭アドレスであり、これと各データのバ
イト数K1、L1、M1とを用いてRAM20からのデータINMD、I
SYD、TSD及び楽器位置データ(x1,y1)の読出しが制御
される。なお、この後の説明の便宜上、RAM20内で、x1
を表わすデータの記憶領域をX1とし、y1を表わすデータ
の記憶領域をY1とする。
楽器2及び楽器3に関連するデータについても、それ
ぞれ先頭アドレスHAD2、HAD3が読出制御に用いられる。
また、X1に対応する記憶領域X2、X3と、Y1に対応する記
憶領域Y2、Y3とが存在するが、これらの図示は省略して
ある。
ROM18の記憶情報(第5図) 第5図(A)〜(D)は、ROM18に記憶された5種類
の楽音パラメータ制御情報を示すものである。
ROM18において、第5図(A)に対応する記憶部に
は、楽器のy座標の各正規化値Py毎に第一の乗算係数MP
Iが記憶されている。第1の乗算係数MP1は、演奏場の前
後方向の音像定位を決定するもので、Py=1のときMP1
=1とすることにより演奏場最前部の楽器位置に対応し
た音像を再現可能にしている。
第5図(B)に対応する記憶部には、楽器のy座標の
各正規化値Py毎に第4の乗算係数MP4が記憶されてい
る。第4の乗算係数MP4は、演奏場の前後方向のリバー
ブ効果の大きさを決定するもので、Py=0のときMP4=
1とすることにより演奏場最後部の楽器位置に対応した
大きなリバーブ効果の付与を可能にしている。
第5図(C)に対応する記憶部には、楽器のy座標の
各正規化値Py毎にフィルタ定数CFが記憶されている。フ
ィルタ定数CFは、後述するローパスフィルタのカットオ
フ周波数を決定するもので、Py=1のときfs/2(fsはデ
ィジタル楽音信号のサンプリング周波数)とすることに
より演奏場最前部の楽器位置に対応して音域が高音側に
広がるのを可能にしている。
第5図(D)に対応する記憶部には、楽器のx座標の
各正規化値Px毎に第2及び第3の乗算係数MP2及びMP3が
記憶されており、ラインL2及びL3はそれぞれMP2及びMP3
の値変化を示している。これらの乗算係数MP2及びMP3
は、演奏場の左右方向の音像定位を決定するもので、Px
=1でMP2=1、MP3=0とすることにより演奏場最右部
の楽器位置に対応した音像を再現可能にすると共に、Px
=0でMP2=0、MP3=1とすることにより演奏場最左部
の楽器に対応した音像の再現を可能にしている。
なお、楽器のy座標の正規化値Py及びx座標の正規化
値Pxは、RAM20から読出した楽器位置データ(例えば
x1,y1を表わすデータ)又は楽器位置設定装置34からの
楽器位置データPSに応じて定められるものである。
パラメータ制御回路(第6図及び第7図) 第6図は、パラメータ制御回路44の一構成例を示すも
ので、この回路44は、TG1、TG2、TG3からのディジタル
楽音信号S11、S12、S13をそれぞれ入力とする3つのパ
ラメータ制御部CN1、CN2、CN3を含んでいる。これらの
パラメータ制御部CN1〜CN3は互いに同様の構成であるの
で、代用としてCN1について説明する。
TG1からのディジタル楽音信号S11は、乗算器50に供給
され、第1の乗算係数MP1と乗算される。乗算器50から
の乗算出力は、ローパスフィルタ52に供給され、フィル
タ定数CFに応じて周波数特性が制御される。
ローパスフィルタ52からの出力は、乗算器54に供給さ
れて第2の乗算係数MP2と乗算されると共に、乗算器56
に供給されて第3の乗算係数MP3と乗算され、さらに乗
算器58に供給されて第4の乗算係数MP4と乗算される。
乗算器54及び56の乗算出力は、それぞれ加算器60及び
62に供給される一方、乗算器58の乗算出力は、リバーブ
回路64に供給される。
リバーブ回路64は、一例として第7図に示す構成のも
のを用いることができる。第7図の回路では、入力デー
タINを加算器ADDを介して遅延回路DLに供給すると共
に、この遅延回路DLの出力を乗算器MPLを介して加算器A
DDに供給し、リバーブ制御データRVDのうちの遅延制御
データRVD1に応じて遅延回路DLの遅延時間を設定し、デ
ータRVDのうちの乗算係数データRVD2を乗算器MPLに供給
して遅延回路DLの出力に乗算し、遅延回路DLからリバー
ブ効果の付与された出力データOUTを取出すようになっ
ている。
リバーブ回路64の出力は、加算器60及び62に供給さ
れ、それぞれ乗算器54及び56の出力と加算される。
加算器60の出力は、右チャンネル用のディジタル楽音
信号SR1であり、加算器66に供給される。また、加算器6
2の出力は、左チャンネル用のディジタル楽音信号SL1
あり、加算器70に供給される。
加算器66には、パラメータ制御部CN2及びCN3から右チ
ャンネル用ディジタル楽音信号SR2及びSR3が供給され、
信号SR1と加算される。また、加算器70には、パラメー
タ制御部CN2及びCN3から左チャンネル用ディジタル楽音
信号SL2及びSL3が供給され、信号SL1と加算される。
加算器66の加算出力は、D/A変換器68により右チャン
ネル用アナログ楽音信号AS(R)に変換される。また、
加算器70の加算出力は、D/A変換器72により左チャンネ
ル用アナログ楽音信号AS(L)に変換される。
第6図の回路構成によれば、乗算器50において、第1
の乗算係数MP1を第5図(A)に示すように楽器のy座
標正規化値Pyに応じて変化させることにより演奏場の前
後方向の音像移動が可能となる。ローパスフィルタ52に
おいて、カットオフ周波数を決定するフィルタ定数CFを
第5図(C)に示すように楽器のy座標正規化値Pyに応
じて変化させることにより演奏場の前後方向の楽器位置
に応じた微妙な音色変化を模擬できる。乗算器54及び56
において、第2及び第3の乗算係数MP2及びMP3を第5図
(D)に示すように楽器のx座標正規化値Pxに応じて変
化させることにより演奏場の左右方向の音像移動が可能
となる。乗算器58において、第4の乗算係数MP4を第5
図(B)に示すように楽器のy座標正規化値Pyに応じて
変化させることにより演奏場の前後方向の楽器位置に応
じたリバーブ効果の大きさ変化を模擬できる。
この実施例では、加算器60、62、66、70を設けて制御
済みの楽音信号を電気的に混合した後2つのスピーカで
放音するようにしているが、更に多くのスピーカを設け
て制御済みの楽音信号を空間的に混合するようにしても
よく、このようにすれば混合用の加算器は適宜省略でき
る。
レジスタ群22 レジスタ群22に属するレジスタのうち、この発明の実
施に関係するものを列挙すると、次の通りである。
(1)モードレジスタMOD…これは、0〜2のいずれか
の値がセットされるもので、0ならばノーマル演算モー
ド、1ならば楽器位置設定モード、2ならば演奏場の音
場の再現を伴う演奏モード(以下では単に再現演奏モー
ドを称する)をそれぞれ表わす。
(2)スイッチナンバレジスタSNO…これは、演奏場選
択スイッチHSSのうち、オンされたスイッチのナンバn
(1〜Nのいずれか)がセットされるものである。
(3)スイッチフラグSFL1〜SFLN…これらのフラグは、
それぞれ第1〜第Nの演奏場選択スイッチHSSに対応し
たもので、オンされたスイッチに対応するフラグに1が
セットされる。
(4)先頭アドレスレジスタADR0〜ADR3…これらのレジ
スタは、それぞれ第4図の先頭アドレスHAD0〜HAD3がセ
ットされるものである。
(5)x座標レジスタPx…これは、x座標正規化値Px
セットされるものである。
(6)y座標レジスタPy…これは、y座標正規化値Py
セットされるものである。
(7)制御変数レジスタi…これは、制御変数iがセッ
トされるものである。
メインルーチン(第8図) 第8図は、メインルーチンの処理の流れを示すもの
で、このルーチンは電源投入等に応じてスタートする。
まず、ステップ80では、イニシャライズルーチンを実
行し、各種レジスタを初期セットする。そして、ステッ
プ82に移る。
ステップ82では、MODに0をセットし、ノーマル演算
モードとする。また、MOD=0に基づいて発光素子PMLを
点灯させる。
次に、ステップ84では、MODの値が0又は2か(演奏
モードか)判定し、この判定結果が肯定的(Y)であれ
ば、ステップ86に移る。
ステップ86では、鍵盤回路12においていずれかの鍵盤
にキーオンイベントありか判定し、この判定結果が肯定
的(Y)であればステップ88に移り、発音処理を行な
う。すなわち、キーオンイベントのあった鍵盤に対応す
る音源に対し、キーオン信号及び押鍵対応のキーデータ
を供給し、押された鍵に対応する楽音を発生させる。
ステップ88の処理が終わったとき又はステップ86の判
定結果が否定的(N)であったときは、ステップ90に移
り、いずれかの鍵盤にキーオフイベントありか判定す
る。この判定結果が肯定的(Y)であればステップ92に
移り、消音処理を行なう。すなわち、キーオフイベント
のあった鍵盤に対応する音源に対し、キーオフ信号及び
離鍵対応のキーデータを供給し、離された鍵に対応する
楽音を減衰開始させる。
ステップ92の処理が終わったときあるいはステップ84
又は90の判定結果が否定的(N)であったときは、ステ
ップ94に移り、演奏場選択スイッチHSSのいずれかにオ
ンイベントありか判定する。この判定結果が肯定的
(Y)であればステップ96に移り、第9図について後述
するようにHSSオンのサブルーチンを実行する。
ステップ96の処理が終わったとき又はステップ94の判
定結果が否定的(N)であったときは、ステップ98に移
り、その他の処理(例えば音色、音量等の設定操作に応
じた処理)を行なう。
この後は、ステップ84に戻り、これ以降の処理を上記
したと同様に繰返す。
HSSオンのサブルーチン(第9図) 第9図は、HSSオンのサブルーチンを示すもので、ス
テップ100では、オンされたスイッチHSSのナンバnをSN
Oにセットする。そして、ステップ102に移る。
ステップ102では、MODの値が2か(再現演奏モード
か)判定し、この判定結果が肯定的(Y)であればステ
ップ104に移る。ステップ104では、SNOにセットされた
ナンバnに対応するフラグSFLnが1か(ナンバn対応の
演奏場の音場再現中か)判定する。この判定結果が肯定
的(Y)であればステップ106に移る。
ステップ106では、MODに0をセットすると共にPMLを
点灯する。また、SFL1〜SFLNにいずれも0をセットし、
すべてのHSLを照灯し、この後第8図のルーチンにリタ
ーンする。これは、ナンバn対応の演奏場の音場を再現
中にナンバnのスイッチHSSがオンされた場合であり、
この場合には、再現演奏モードをキャンセルしてノーマ
ル演奏モードに戻る。
ステップ102又は104の判定結果が否定的(N)であっ
たときは、ステップ108に移り、MODに1をセットすると
共にPMLを消灯する。この結果、ステップ102からステッ
プ108に来た場合にはノーマル演奏モードから楽器位置
設定モードに移ることになり、ステップ104からステッ
プ108に来た場合には再現演奏モードから楽器位置設定
モードに移ることになる。
次に、ステップ110では、SFLnに位置をセットすると
共に、それに対応する発光素子HSLを消灯する。また、S
FLn以外のフラグSFLに0をセットし、それぞれに対応す
る発光素子HSLを消灯する。この結果、オンされたスイ
ッチHSSに対応する演奏場が選択されたことがナンバn
対応の発光素子の点灯により表示される。この後、ステ
ップ112に移る。
ステップ112では、ナンバnの対応の演奏場に関する
表示・制御データをフロッピーディスク装置24からRAM2
0に転送して書込む。そして、ステップ114に移り、第4
図に示したような先頭アドレスHAD0〜HAD3をそれぞれAD
R0〜ADR3にセットする。そして、ステップ116に移る。
ステップ116では、表示パネル34Aに初期表示を行な
う。すなわち、RAM20からナンバn対応の演奏場関連デ
ータのうち演奏場名データHNMD及び演奏場シンボルデー
タHSYDを読出し、これらのデータに基づいて表示パネル
34Aの所定位置に演奏場名HNM及び演奏場シンボルHSYを
表示する。ここで、データHNMDの読出しにあたっては、
ADR0にセットされた先頭アドレスHAD0に3を加えること
でHNMDの先頭アドレスが指定され、HNMDのバイト数K0
の読出しが行なわれる。また、データHSYDの読出しにあ
たっては、[HAD0+3]にK0に加えることでHSYDの先頭
アドレスが指定され、HSYDのバイト数L0分の読出しが行
なわれる。
HNM及びHSYの表示に続いて、RAM20からナンバn対応
の楽器関連データのうち3楽器分の楽器名データINMD、
楽器シンボルデータISYD及び楽器位置データ(x1,y1
を表わすデータ)を読出し、これらのデータに基づいて
表示パネル34Aに楽器位置毎に楽器名INM及び楽器シンボ
ルISYを楽器表示忰FLMで囲むようにして表示する。ここ
で、各楽器毎のデータ読出しを代表として楽器1につい
て述べると、ADR1にセットされた先頭アドレスHAD1に3
を加えることでINMDの先頭アドレスが指定され、INMDの
バイト数K1分の読出しが行なわれる。また、[HAD1
3]にK1を加えることでISYDの先頭アドレスが指定さ
れ、ISYDのバイト数L1分の読出しが行なわれる。さら
に、[HAD1+3+K1]にL1及びM1を加えることで楽器位
置データの先頭アドレスが指定され、x1及びy1を表わす
データが順次に読出される。
この後は、ステップ118で第10図について後述するよ
うに音像初期化のサブルーチンを実行する。そして、ス
テップ120で第11図について後述するように音像移動の
サブルーチンを実行した後、第8図のルーチンにリター
ンする。
音像初期化のサブルーチン(第10図) 第10図は、音像初期化のサブルーチンを示すもので、
ステップ122では、RAM20からリバーブ制御データRVDを
読出してリバーブ回路64にセットする。データRVDの読
出しにあたっては、[HAD0+3+K0]にHSYDのバイト数
L0を加えることでRVDの先頭アドレスが指定され、RVDの
バイト数M0分の読出しを行なう。
次に、ステップ124では、制御変数iを1とする。そ
して、ステップ126に移り、i>3か判定する。この判
定結果が否定的(N)であればステップ128に移る。
ステップ128では、RAM20から楽器iの音色指定データ
TSDを読出し、i番目の音源TGiにセットする。データTS
Dの読出しにあたっては、[HAD1+3+K1]にISYDのバ
イト数L1を加えることでTSDの先頭アドレスが指定さ
れ、TSDのバイト数M1分の読出しを行なう。ステップ128
の後は、ステップ130に移る。
ステップ130では、第12図について後述するように特
性設定のサブルーチンを実行する。そして、ステップ13
2でiの値を1アップしてから、ステップ126に戻り、こ
れ以降の処理をi>3となるまで繰返す。
i>3となると、3楽器分の音色設定処理及び特性設
定処理が終わったことになり、ステップ126の判定結果
が肯定的(Y)になるのに応じて第9図のルーチンにリ
ターンする。
音像移動のサブルーチン(第11図) 第11図は、音像移動のサブルーチンを示すもので、ス
テップ140では、タッチパネル34Bから楽音位置データ
(座標値x,y)ありか判定し、この判定結果が肯定的
(Y)であればステップ位置142に移る。
ステップ142では、制御変数iを1とする。そして、
ステップ144に移り、座標値x,yが楽器iの楽器表示枠FL
M内にあるか判定する。この判定結果が肯定的(Y)で
あればステップ146に移る。
ステップ164では、RAM20の記憶領域Xi,Yiにそれぞれ
座標値x,yを書込む。そして、ステップ148に移り、表示
パネル34Aにおける楽器iの表示位置をXi,Yiの座標値に
応じて変更する。
この後、ステップ150で第12図について後述するよう
に特性設定のサブルーチンを実行してから、ステップ15
2に移り、ステップ140と同様にしてパネル34Bからのデ
ータありか判定する。この判定結果が肯定的(Y)であ
ればステップ146に戻り、これ以降の処理を上記したと
同様に繰返す。この結果、パネル34Bにタッチしたまま
タッチ位置を変更すると、そのタッチ位置の変更に追従
してXi,Yiの内容が書換えられると共にパネル34A上の楽
器iの表示位置も変更される。
ステップ152の判定結果が否定的(N)であったとき
は、ステップ140に戻り、これ以降の処理を上記したと
同様に繰返す。
例えば、上記のようにして楽器1の位置を設定した
後、楽器2について位置設定を行なうべくパネル34Bに
タッチすると、ステップ140及び142を経てステップ144
にくるが、このときのステップ144の判定結果は、楽器
2の楽器表示枠FLM内にx,yがあるので、否定的(N)と
なり、ステップ154に移る。
ステップ154では、iの値を1アップする。そして、
ステップ156に移り、i>3か判定する。この例では、
i=2であるので、ステップ156の判定結果が否定的
(N)となり、ステップ144に戻る。
ステップ144では、x,yが楽器2のFLM内にあるので、
判定結果が肯定的(Y)となる。この後、ステップ146
以下の処理を上記したと同様に行なうことにより楽器2
について位置変更が可能となる。
この後、楽器3について位置設定を行なうべくパネル
34Bにタッチすると、ステップ140及び142を経てステッ
プ144にきた後ステップ154及び156を2回通るとステッ
プ144の判定結果が肯定的(Y)となる。そして、ステ
ップ146以下の処理を上記したと同様に行なうことによ
り楽器3について位置変更が可能となる。
パネル34Bにおいて、いずれの楽器表示枠FLMにも該当
しない個所にタッチした場合には、ステップ154を3回
通るとステップ156の判定結果が肯定的(Y)となり、
ステップ140に戻る。また、パネル36Bにタッチしなかっ
たときは、ステップ140の判定結果が否定的(N)とな
り、ステップ158に移る。ステップ158では、演奏モード
スイッチPMSにオンイベントありか判定し、ない(N)
ならばステップ140に戻る。
上記のようにして楽器1〜3のうち1つ以上の楽器に
ついて位置設定を行なった後又はこのような位置設定を
行なう前にスイッチPMSをオンすると、ステップ158の判
定結果が肯定的(Y)となり、ステップ160に移る。
ステップ160では、MODに2をセットすると共に、発光
素子PMLを点灯する。そして、第9図のルーチンにリタ
ーンする。この結果、楽器位置設定モードから再現演奏
モードに移ることになり、選択した演奏場の音場の再現
を伴ってマニアル演奏(又は自動演奏)を行なえるよう
になる。
なお、ステップ146〜152で新たに設定した楽器位置
(Xi,Yiの書換え後の内容)は装置24内のフロッピーデ
ィスクに転送して保存するようにしてもよい。
特性設定のサブルーチン(第12図) 第12図は、特性設定のサブルーチンを示すもので、ス
テップ170では、Xiに記憶されている座標xを第3図に
示した長さWで割って得た正規化値PxをPxにセットする
と共に、Yiに記憶されている座標値yを第3図に示した
長さHで割って得た正規か値PyをPYにセットする。
次に、ステップ172では、ROM18を用いてPX及びPYの内
容(Px及びPy)を第5図で述べたように5種類の楽音パ
ラメータ制御情報PD(第1〜第4の乗算係数MP1〜MP4及
びフィルタ定数CF)に変換し、これらの情報を第6図に
示すようにパラメータ制御回路44の被制御部にそぞれセ
ットする。
この結果、第10図の場合には、選択した演奏場の音場
がRAM20からの読出データに基づいて再現されるように
なり、第11図の場合には、選択した演奏場の音場が楽器
位置設定装置34での位置設定に基づいて再現されるよう
になる。
ステップ172の後は、元のルーチン(第10図又は第11
図)にリターンする。
なお、上記実施例では、演奏場と楽器の組合せを選択
するようにしたが、演奏場と楽器を別々に選択可能とし
てもよい。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、ワンタッチ式に非
常に簡単に所望の楽器位置に応じた音像定位及び残響特
性を有する音場を再現可能であると共に、演奏場内で楽
器位置が後方になるほど残響効果が大きくなる現象を模
倣可能であり、臨場感に富んだ演奏を手軽に楽しめる効
果が得られるものである。また、残響特性制御情報に応
じて、音像定位とは独立に所望の残響特性を設定可能で
あり、残響特性設定の自由度が向上する効果もある。そ
の上、楽器位置表示手段を設けることで楽器位置を確認
して演奏を行なえるようになり、さらに透明性タッチパ
ネルの裏側に楽器位置表示パネルを設けることで楽器位
置の確認が一層用意となり且つ設置スペースの節約が可
能となるなどの付加的効果も得られるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例による電子楽器の構成を
示すブロック図、 第2図は、操作子配置を示す平面図、 第3図は、楽器位置設定装置34の上面図、 第4図は、表示・制御データのフォーマットを示す図、 第5図(A)〜(D)は、ROM18の記憶情報を示す図、 第6図は、パラメータ制御回路44の回路図、 第7図は、リバーブ回路64の回路図、 第8図は、メインルーチンを示すフローチャート、 第9図は、演奏場選択スイッチHSSオンのサブルーチン
を示すフローチャート、 第10図は、音像初期化のサブルーチンを示すフローチャ
ート、 第11図は、音像移動のサブルーチンを示すフローチャー
ト、 第12図は、特性設定のサブルーチンを示すフローチャー
トである。 10……バス、12……鍵盤回路、14……操作子群、16……
中央処理装置、18……リード・オンリィ・メモリ、20…
…ランダム・アクセス・メモリ、22……レジスタ群、24
……フロッピィディスク装置、26……表示パネルインタ
ーフェース、28……タッチパネルインターフェース、30
……音源インタフェース、32……外部入力インターフェ
ース、34……楽器位置設定装置、34A……表示パネル、3
4B……タッチパネル、36……割当回路、38,40,42……第
1〜第3の音源、44……パラメータ制御回路、46R,46L
……出力アンプ、48R,48L……スピーカ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の演奏場のうち任意の1つを指定する
    指定手段であって、指定した演奏場に対応する残響特性
    設定情報を発生するものと、 パネル面内においてタッチ位置を検出可能なタッチパネ
    ルと、 前記パネル面内におけるタッチ位置を検出する検出手段
    であって、前記指定手段で指定した演奏場内の楽器位置
    を検出に係るタッチ位置に対応して表わす楽器位置情報
    を送出するものと、 前記検出手段からの楽器位置情報を残響特性制御情報及
    び音像定位制御情報に変換する変換手段であって、前記
    残響特性制御情報としては前記検出手段からの楽器位置
    情報が表わす演奏場内の楽器位置が該演奏場内の後方に
    なるほど残響効果が大きくなるように残響特性を設定す
    る情報を送出すると共に前記音像定位制御情報としては
    前記検出手段からの楽器位置情報が表わす演奏場内の楽
    器位置に対応した音像定位を設定する情報を送出するも
    のと、 前記変換手段からの音像定位制御情報に応じて楽音信号
    の音像定位を制御することにより該楽音信号の音像を前
    記検出手段で検出されたタッチ位置に対応して定位させ
    ると共に、前記指定手段からの残響特性設定情報と前記
    変換手段からの残響特性制御情報とに応じて前記楽音信
    号の残響特性を制御することにより前記楽音信号に前記
    指定手段で指定された演奏場と前記検出手段で検出され
    たタッチ位置とに対応した残響特性を付与する制御手段
    であって、前記検出手段で検出されたタッチ位置に対応
    する演奏場内の楽器位置が該演奏場内の後方になるほど
    残響効果が大きくなるように前記変換手段からの残響特
    性制御情報に応じて前記楽音信号の残響特性を制御する
    ものと を備えた楽音パラメータ制御装置。
  2. 【請求項2】前記指定手段で指定した演奏場内の楽器位
    置を前記検出手段からの楽器位置情報に基づいて表示す
    る表示手段を更に設けた請求項1記載の楽音パラメータ
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記タッチパネルを透明性のものとし、前
    記表示手段は前記指定手段で指定した演奏場内の楽器位
    置を前記タッチパネルの裏側に配置した表示パネルで表
    示するように構成されている請求項2記載の楽音パラメ
    ータ制御装置。
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