JP2628731B2 - 可撓性ポリマー混合物 - Google Patents

可撓性ポリマー混合物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、皮革様外観を有するシートの製造に適した
カレンダ加工(圧延)及び深絞成型によって加工可能
な、可撓性の軟質ポリマー混合物に関する。
皮革様外観を有するシートは今日、例えば自動車車両
内装用に非常に重要である。これらは一般に、未仕上げ
シートをカレンダ加工し、続いて深絞加工して製造す
る。使用されるポリマー材料は多くの場合、種々のビニ
ルポリマー及び可塑剤との混合物であるポリ塩化ビニル
である。これらのシートは、高温での老化に対する抵抗
性が非常に限られており、移行し易い揮発性の成分並び
にハロゲンを含んでいる。これらの欠点は、主としてポ
リ塩化ビニルに因るものである。この為、ポリ塩化ビニ
ルを含まない、そして皮革様シートの製造に適したプラ
スチック材料が求められている。
アクリレートゴムにアクリロニトリルをグラフトした
特定のグラフトポリマー、アクリレートゴムにメタアク
リル酸メチルをグラフトした特定のグラフトポリマー、
特定のアクリル酸アルキルゴム、及び随時ある種の樹脂
様共重合体からなるポリマー混合物が、もし必要ならば
エンボス加工をして皮革様外観を与え、更に深絞出来る
シートを製造するのに極めて適している事が発見され
た。得られるシートは、老化(温度老化)に対して抵抗
性があり、ポリ塩化ビニル系より優れている。工業規模
での加工に際しては、ポリ塩化ビニルを基材とした公知
の材料と比較して、必要とする補助剤(例えば安定剤、
潤滑剤、離型剤、その他)の量が極く少量で十分であ
る。
それ故本発明は、 a)30ないし70重量部の、粒状の高度に架橋したアクリ
ル酸アルキルゴムに、25ないし40重量部のアクリロニト
リルと75ないし60重量部のスチレン、α−メチルスチレ
ン、メタアクリル酸アルキル、又はそれらの混合物との
混合物をグラフト重合して得られた平均粒径(d50)が
0.1ないし0.8μm、合計ゴム含量が20ないし55重量%
で、グラフト収率が25重量%以上、好ましくは40重量%
以上のグラフトポリマー、 b)60ないし5重量部の、 (b1) メタアクリル酸メチル、又は少なくとも70重量
%のメタアクリル酸メチルと30重量%以下のスチレン、
アクリロニトリル、アクリル酸アルキル、もしくはそれ
らの混合物との混合物、或いは (b2)20ないし40重量%のアクリロニトリルと、80ない
し60重量%のスチレン、α−メチルスチレン、メタアク
リル酸アルキル又はそれらの混合物との混合物を、 粒状の高度に架橋したアクリル酸アルキルゴムにグラ
フトさせた、平均粒径(d50)が0.1ないし0.8μmそし
て合計ゴム含量が65ないし90重量%のグラフトポリマ
ー、及び c)10ないし40重量部の、5ないし40重量%のアクリロ
ニトリル、スチレン、メタアクリル酸メチル、又はそれ
らの混合物と、95ないし60重量%のアクリル酸アルキル
からなる、部分的に架橋したゴム状の、ゲル含量が20な
いし99重量%、ジメチルホルムアミド中、23℃で測定し
た膨潤指数が10以上の共重合体、及び d)随時、成分a、b及びcの合計量に対して6重量%
以下の、少なくとも60重量%のスチレン、α−メチルス
チレン又はメタアクリル酸アルキルと、40重量%以下の
アクリロニトリル又はメタアクリロニトリルからなる、
ジメチルホルムアミド中、25℃で測定した固有粘度
[η]が2ないし10dl/gである樹脂状ポリマー からなる軟質可撓性ポリマー混合物に関する。
本発明におけるグラフトポリマーa)は、粒子状の、
少なくとも部分的に架橋したアクリル酸アルキルゴム
(グラフト基材)、特にアクリル酸C2−C8−アルキルを
基材としたゴムに、ビニルモノマーをグラフトしたもの
である。好ましいアクリレートゴムは、2重量%以下の
多官能性ビニル及び/又はアリルモノマー、例えば、ジ
ビニルベンゼン、グリコール−ビス−アクリレート、ビ
スアクリルアミド、燐酸トリアリルエステル、くえん酸
トリアリルエステル、トリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート、アクリル酸又はメタアクリル酸
のアリルエステル、特にトリアリルシアヌレート及びト
リアリルイソシアヌレートとアクリル酸アルキルを架橋
共重合して得られる。グラフト基材として使用されるア
クリレートゴムは好ましくは、小さな粒子の形をしてお
り、好ましくは二つのモードがある平均粒径分布を有す
る。厳密に言えば、同ゴムは2種類のゴム粒子、即ち一
方の平均粒径(d50)が0.15ないし0.25μmで、他方が
0.4ないし0.6μmであるゴム粒子の混合物である。微少
粒子ゴムの粗粒子ゴムに対する重量比は1:2ないし2:1で
ある。化学的に同一でもあるいは異なっていても良い2
種類のゴムの混合物で、平均粒径分布曲線が2つの極大
値を有する。
特に適した粗粒子ゴムは、いわゆる芯/鞘構造を有す
るゴムである[西ドイツ国特許公開明細書(DE−OS)第
3,006,804号参照]。
本発明の成分a)製造の為の特に好ましいゴム基体
は、従って芯/鞘構造を有する(大粒径)ゴム粒子と芯
/鞘構造を持たない(小粒径)ゴム粒子との混合物であ
る。グラフト重合に使用するゴム粒子は好ましくは、部
分的に架橋しており、ゲル含量は50ないし98重量%であ
る。
成分a)を製造するには、ビニルモノマーを上述した
アクリレートゴムのエマルジョンにエマルジヨングラフ
ト重合する。ゴム及びビニルモノマーは就中、20ないし
55重量%のゴム及び80ないし45重量%のビニルモノマー
の比で使用する事が出来る。ビニルモノマーは就中、25
ないし40重量部、特に30ないし35重量部のアクリロニト
リルと、75ないし60重量部、特に70ないし65重量部のス
チレン、α−メチルスチレン、又はC1−C6−メタアクリ
ル酸アルキルからの混合物、特にスチレンとアクリロニ
トリルとの混合物である事が出来る。ビニルモノマー
は、好ましくはグラフト収率が40重量%以上、特に50重
量%以上になる様な条件下にアクリレートゴム上に重合
させる、即ちビニルモノマーの大部分はゴムに化学的に
(共有結合で)結合しなければならない。アクリレート
ゴムはジエンゴムと比較して反応性二重結合が非常に少
ないので、普通には中程度のグラフト収率しか得られな
い。高いグラフト収率を得るには、公知の方法でレドッ
クス系重合開始剤、好ましくはハイドロペルオキシドと
アスコルビン酸との組み合わせに、随時重金属カチオン
を加えたものを使用する。
本発明におけるグラフトポリマーb)は、35ないし10
重量部のメタアクリル酸メチルの、あるいは随時それ
と、30重量%以下のスチレン、アクリロニトリル及び/
又はアクリル酸アルキル、特にアクリル酸C3−C8−アル
キル、好ましくはアクリル酸ブチルとの組み合わせのポ
リマーのグラフト鞘部を有するグラフト生成物である
か、又は35ないし10重量部の、20ないし35重量部のアク
リロニトリルと65ないし80重量部のスチレン、α−メチ
ルスチレン、又はメタアクリル酸C1−C6−アルキル、特
にスチレン又はアクリロニトリルとの混合物のグラフト
ポリマーである。
グラフト基体は、65ないし90重量部の粒子状で部分的
に架橋している。平均粒径(d50)の0.1ないし0.8μ
m、好ましくは0.35ないし0.5μmであるアクリル酸ア
ルキルゴムからなる。
成分b)及び成分a)の両方共、その共重合体は好ま
しくは、アクリル酸C3−C8−アルキルと、3重量%以下
の、好ましくは2重量%以下の多官能性モノマー、例れ
ばトリアリルシアヌレートからなる。成分b)のグラフ
ト基体は、成分a)の場合と同様に、2メディアン型の
粒径分布を持つ事が出来る。グラフトポリマーb)は、
60ないし90℃の温度で、ゴムラテックスの存在下、水溶
性重合開始剤、例えば過酸化二硫酸塩を使用するビニル
モノマーのラジカルエマルジョングラフト重合の常法に
より製造することが出来、又(成分a)と同様に)特定
のレドックス系重合開始剤、好ましくはハイドロペルオ
キシドとアスコルビン酸との組み合わせを用いて製造す
る事が出来る。
本発明におけるポリマーc)は、部分的に架橋したゴ
ム状の、5ないし40重量部のアクリロニトリル、スチレ
ン、メタアクリル酸C1−C6−アルキル(特にメタアクリ
ル酸C1−C3−アルキル)、又はそれらの混合物、特にア
クリロニトリル及び/又はメタアクリル酸メチル(C
1)、95ないし60重量のアクリル酸アルキル、特にアク
リル酸C3−C8−アルキル(C2)及びC1+C2の合計量に対
して0.05ないし5重量%の多官能性、共重合性のポリビ
ニル又はアリル化合物、好ましくはトリアリルシアヌレ
ート、トリアリルイソシアヌレート、ポリオールのビニ
ルエーテル、多官能性カルボン酸のビニル、又はアリル
エステル、及びジアミンのビスアクリルアミドからの三
元共重合体である。ポリマーc)は、ゲル含量が20ない
し99重量%、好ましくは40重量%以上、平均粒径
(d50)が0.15ないし0.4μmである。
ポリマーC)は、公知の方法で、アニオン性表面活性
物質の存在下のラジカル水性エマルジョン重合によって
製造する事が出来る。
本発明の目的の樹脂状ポリマーd)は、100ないし60
重量%のスチレン、α−メチルスチレン、又はメタアク
リル酸アルキル(特にメタアクリル酸C1−C3−アルキ
ル)と、0ないし40重量%のアクリロニトリル又はメタ
アクリロニトリルからの共重合体である。同ポリマー
は、高分子量であるが有機溶媒に溶解し、架橋していな
い。好ましいポリマーd)は、ポリメタアクリル酸アル
キル及びそのアクリロニトリルとの共重合体である。ポ
リマーd)は(分子量の尺度として、ジメチルホルムア
ミド中、25℃で測定して)、2ないし10dl/g、好ましく
は2.5ないし6dl/gの固有粘度を有する。同ポリマーは、
好ましくは、水中ラジカルエマルジョン重合によって製
造する。
本発明のポリマー混合物は、例えば以下の様にして製
造する事が出来る。即ち、もし各成分のポリマーが水性
分散液として得られるならば、それらの分散液を固体含
量の必要な割合で混合し、次いでそれらを後処理して粉
末化し、例えば続いて通常の補助剤と共に圧縮して粒状
にする事が出来る。さもなければ、個々のポリマーを別
々に後処理し、それから、例えばスクリュー、ニーダー
又はパウダーミキサー中で合体して本発明の混合物を形
成する事が出来る。第一の後処理法が好ましい。もし必
要ならば、ポリマーa)ないしd)の中の2種類、又は
3種類を分散液混合物として後処理し、そしてもし必要
ならば、続いてまだ入っていない成分を添加して本発明
の組成物にすることが出来る。特に分散液の全成分を混
合し、それからその混合物を後処理する、特に電解質で
凝固させるか、又はスプレー乾燥するのが好ましい。
ゲル含量及び膨潤指数は、ジメチルホルムアミド中、
25℃で測定した[M.Hoffmann et al,Polymeranalytik
(ポリマー分析)II、Georg Thime Verlag社(Stuttgar
t)1977年発行、参照]。粒径は、平均粒径d50である
[Ultrazentrifugenmessungen(超遠心測定法)W.Schol
tan et al,Kolloidz.u.z.Polymere 250(1972)783−79
6参照]。グラフト収率は、分別作用を有する溶媒を使
用して分画を行って測定した[R.Kuhn,Makromol.Chem.1
77,1525(1976)参照]。グラフト収率は、グラフト重
合して樹脂を形成したモノマーの、使用した樹脂を形成
するモノマー全量に対する割合である。
実施例 1.グラフト基体としてのアクリレートゴム 1.1 10,300重量部の水及び5重量部のC14−C18−アルキル
スルホン酸ナトリウム塩を反応器に導入する。反応器内
を窒素で30分間フラッシュ置換し、窒素を少しづつ流し
ながら70℃迄加熱する。次いで100重量部の水に溶解し
た30重量部のペルオキシ二硫酸カリウムを添加し、そし
て 溶液1:9,950重量部のアクリル酸n−ブチル、 50重量部のトリスアリルシアヌレート 溶液2:200重量部のC14−C18−アルキルスルホン酸ナト
リウム塩 7,000重量部の水、 を一定速度で5時間かけて添加する。得られた反応混合
物は70℃で4時間重合させる。固体含量35%のエマルジ
ョンが得られる。ラテックスの平均粒径(d50)は160n
m、ポリマーのゲル含量は91%である。
1.217,232重量部の水及び588重量部の、固体含量が42重
量%、平均粒径(d50)が140nmのポリブタジエンラテッ
クスを反応器に導入する。反応混合物を63℃に加熱して
から49.2重量部のペルオキシ二硫酸カリウムと1152重量
部の水との溶液を添加する。次いで 溶液1:36,000重量部のアクリル酸n−ブチル、81.6重量
部のトリスアリルシアヌレート、 溶液2:40,800重量部の水、384重量部のC14−C18−アル
キルスルホン酸ナトリウム塩、 を同時に、63℃で5時間かけて反応器に導入する。反応
混合物は次いで63℃で4時間重合させる。ポリマー固体
含量37重量%のエマルジョンが得られる。平均ラテック
ス粒径(d50)は480nmで、ゲル含量は93重量%である。
2.ポリマー混合物の成分 成分a1: 2,000重量部の水、833重量部のラテックス1.1及び800
重量部のラテックス1.2を反応器に導入する。反応器の
内部を30分間窒素でフラッシュ置換して61℃に加熱す
る。以下の2種類の溶液、即ち 溶液1:80重量部の水、 16重量部のキュメンハイドロペルオキシド、 1.3重量部のC14−C18−のアルキルスルホン酸ナトリ
ウム塩、 溶液2:80重量部の水、 0.9重量部のアスコルビン酸 を攪拌しながら添加する。次いで下記の溶液3ないし5
を61℃に保った反応器に、7時間以内に同時に導入す
る。
溶液3:1,160重量部のスチレン、 600重量部のアクリロニトリル、 溶液4:800重量部の水、 18重量部のC14−C18−アルキルスルホン酸ナトリウム
塩 溶液5:1,100重量部の水、 5.6重量部のアスコルビン酸、 反応混合物は61℃で4時間重合させる。ポリマー固体
含量31.3重量%のエマルジョンが得られる。得られたポ
リマーのゴム含量は31.3重量%、そしてグラフト収率は
60%である。
成分a2: 1,190重量部の水、800重量部のラテックス1.1及び760
重量部のラテックス1.2を反応器に導入する。反応器は
窒素で30分間フラッシュ置換して、内容物を61℃に加熱
する。次いで 溶液1:48重量部の水、 8重量部のキュメンハイドロペルオキシド、 0.8重量部のC14−C18−アルキルスルホン酸ナトリウ
ム塩 溶液2:48重量部の水、 0.5重量部のアスコルビン酸 を攪拌しながら添加する。更に下記の溶液3ないし5を
61℃に保った反応機に、7時間以内に同時に添加する。
溶液3:554重量部のスチレン、 286重量部のアクリロニトリル、 溶液4:260重量部の水、 10.8重量部のC14−C18−アルキルスルホン酸ナトリウ
ム塩 溶液5:310重量部の水、 3.4重量部のアスコルビン酸。
反応混合物は61℃で4時間重合させる。ポリマー固体
含量32.7%のエマルジョンが得られる。ポリマーのゴム
含量は40重量%、グラフト収率は55%である。
成分b1: 1,080重量部の水、2,617重量部のラテックス1.1及び
2,476重量部のラテックス1.2を反応器に導入する。反応
器を窒素で30分間フラッシュし、内容物を61℃に加熱す
る。
溶液1:90重量部の水、 10重量部のキュメンハイドロペルオキシド、 1.5重量部のC14−C18−アルキルスルホン酸ナトリウ
ム塩 溶液2:90重量部の水、 0.6重量部のアスコルビン酸、 の2種類の溶液を攪拌しながら添加する。更に下記の溶
液3ないし5を同時に61℃に保った反応器に7時間以内
に添加する。
溶液3:518重量部のスチレン、 267重量部のアクリロニトリル、 溶液4:400重量部の水、 10重量部のC14−C18−アルキルスルホン酸ナトリウム
塩 溶液5:400重量部の水、 4重量部のアスコルビン酸。
反応混合物は61℃で5時間重合させる。ポリマー固体
含量が33重量%のエマルジョンが得られる。ポリマーの
ゴム含量は70重量%、グラフト収率は55%である。
成分b2 140重量部の水及び5,765重量部のラテックス1.2を反
応器に導入する。反応器は窒素で30分間フラッシュし、
内容物を70℃に加熱する。下記溶液を攪拌しながら添加
する。
溶液1:131重量部の水、 3.3重量部のペルオキシ二硫酸カリウム 次いで下記溶液2及び3を同時に70℃に保った反応器
に4時間以内に添加する。
溶液2:552重量部のメタアクリル酸メチル 溶液3:772重量部の水、 8.2重量部のC14−C18−のアルキルスルホン酸ナトリ
ウム塩。
反応混合物は70℃で4時間重合させる。ポリマー含量
37.3重量%のエマルジョンが得られる。ポリマーのゴム
含量は80重量%である。
成分c: 2.5重量部のC14−C18−アルキルスルホン酸ナトリウ
ム塩と750重量部の水との溶液を反応器に導入する。反
応混合物を70℃に加熱してから、70重量部の下記モノマ
ー溶液A)を添加、そして3.5重量部のベルオキシ二硫
酸カリウムを50重量部の水に溶かした溶液を添加して重
合を開始する。残りの溶液A)及び下記溶液B)を一定
速度で、70℃で6時間に亙って導入し、混合物は4時間
重合させる。ポリマー固体含量38重量%、平均粒径(d
50)180nm、そしてゲル含量(ジメチルホルムアミド中2
5℃で測定)98重量%のラテックスが得られる。
溶液A:1,105重量部のアクリル酸n−ブチル、 7重量部のトリアリルシアヌレート、 474重量部のアクリロニトリル、 溶液B:30重量部のC14−C18−アルキルスルホン酸ナトリ
ウム塩、 1,790重量部の水。
成分d: 66重量%のメタアクリル酸メチルと34重量%のアクリ
ロニトリルからなり、固有粘度[η](ジメチルホルム
アミド中、25℃で測定)が5.4dl/gであるエマルジョン
ポリマー。
3.ポリマー混合物の製造及び性質 表1に記載した組成、そして表2に述べた性質を有す
るポリマー混合物を、必要量の各成分エマルジョンを混
合、1重量%(固体含量基準)のフェノール系安定剤で
添加、そして硫酸マグネシウム水溶液で凝固させて製造
した。得られた粉末を初めに過、洗浄、そして60℃で
乾燥した。乾燥粉末は、ミキシングローラー上で、0.5
重量%のエステルワックスを添加してから、200℃で10
分間均一化し、次いで190℃で圧縮成型して、試験片を
製造した。試験片の性質を表2に示す。
試験法 引張強度:DIN53 455 伸度:DIN53 455 引裂強さ:DIN53 515 ショアー硬度:DIN53 505/TYPE D ビカット温度:方法A 低温強さ:DIN53 372 深絞試験 ローラー上で製造したシート(長さ:300mm、幅:300m
m、厚さ:1mm)を、深絞用金型に止め、表面温度が160な
いし175℃になるまで加熱した(表面温度は、溶融塩を
用いて測定した)。真空下、図1に示した様な円錐台状
の型をシートに深さ21cm迄押し込んだ。
評価 +:円錐台の形をした壁厚さが一定の中空体が、表面温
度160ないし175℃で得られる。
−:シートが裂ける。
表2の試験データは本発明のポリマー混合物、3.1な
いし3.5が、PVCを含む従来のシートと比較して均衡の取
れた優れた性質を有している事を示している。皮革様外
観及び感触を有するエンボス加工製品が、これら混合物
から深絞加工によって製造する事が出来る。皮革混合物
3.6*ないし3.10*の性質は、これらの条件下では激し
く劣化し、使用に適した深絞用シートを得る事は出来な
かった。
4.本発明のポリマー混合物、3.1ないし3.5の対老化性
の、公知のポリ塩化ビニル含有深絞成型用組成物のそれ
との比較 それぞれの材料からなるシートを130ないし150℃で21
日間保管した。ポリ塩化ビニルを含むシートは暗褐色か
ら黒色に変色したが、本発明のシートは実質的には変色
しなかった。
本発明の主なる特徴及び態様は下記の通りである。
1.下記成分、即ち a)30ないし70重量部の、粒状の高度に架橋したアクリ
ル酸アルキルゴムに、25ないし40重量部のアクリロニト
リルと75ないし60重量部のスチレン、α−メチルスチレ
ン、メタアクリル酸アルキル、又はそれらの混合物との
混合物をグラフト重合して得られた平均粒径(d50)が
0.1ないし0.8μm、合計ゴム含量が20ないし55重量%
で、グラフト収率が25重量%以上のグラフトポリマー、 b)60ないし5重量部の、 (b1) メタアクリル酸メチル、又は少なくとも70重量
%のメタアクリル酸メチルと30重量%以下のスチレン、
アクリロニトリル、アクリル酸アルキル、もしくはそれ
らの混合物との混合物、或いは (b2)20ないし40重量%のアクリロニトリルと、80ない
し60重量%のスチレン、α−メチルスチレン、メタアク
リル酸アルキル又はそれらの混合物との混合物を、 粒状の、高度に架橋したアクリル酸アルキルゴムにグ
ラフトさせた、平均粒径(d50)が0.1ないし0.8μmそ
して合計ゴム含量が65ないし90重量%のグラフトポリマ
ー、及び c)10ないし40重量部の、5ないし40重量%のアクリロ
ニトリル、スチレン、メタアクリル酸メチル又はそれら
の混合物と、95ないし60重量%のアクリル酸アルキルか
らなる、部分的に架橋したゴム状の、ゲル含量が20ない
し99重量%、ジメチルホルムアミド中、23℃で測定した
膨潤指数が10以上の共重合体、及び d)随時、成分a、b及びcの合成量に対して6重量%
以下の、少なくとも60重量%のスチレン、α−メチルス
チレン又はメタアクリル酸アルキルと、40重量%以下の
アクリロニトリル又はメタアクリロニトリルからなる、
ジメチルホルムアミド中、25℃で測定した固有粘度
[η]が2ないし10dl/gである樹脂状ポリマー からなる軟質可撓性ポリマー混合物。
2.グラフトポリマーa)が30ないし40重量部のアクリロ
ニトリルと70ないし60重量部のスチレン、α−メチルス
チレン、メタアクリル酸メチル又はそれらの混合物かな
る上記1のポリマー混合物。
3.グラフトポリマーa)のグラフ収率が40重量%である
上記1又は2のポリマー混合物。
4.1ないし5重量%の樹脂状ポリマーd)と40重量%以
下のアクリロニトリル又はメタアクリロニトリルからな
る固有粘度[η]が2.5ないし6dl/gである上記1ないし
3のポリマー混合物。
5.上記1に定義したポリマー全てを分散液として混合
し、そして得られた混合物を加工する軟質可撓性ポリマ
ー混合物の製造法。
6.各ポリマーを別々に加工し、そして混合する、上記5
の製造法。
7.各ポリマーが水性分散液として得られる上記5又は6
の製造法。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例の深絞試験に使用した円錐台状の型の
側面図(表示の数値は、cm単位)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロルフ・クベンス ドイツ連邦共和国デー5068オーデンター ル・カルル‐レーフエルクス‐シユトラ ーセ 1 (72)発明者 カルル−ハインツ・オツト ドイツ連邦共和国デー5090レーフエルク ーゼン・パウル‐クレー‐シユトラーセ 54 (56)参考文献 特開 平1−207347(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分、即ち a) 30ないし70重量部の、粒状の高度に架橋したアク
    リル酸アルキルゴムに、25ないし40重量部のアクリロニ
    トリルと75ないし60重量部のスチレン、α−メチルスチ
    レン、メタアクリル酸アルキル、又はそれらの混合物と
    の混合物をグラフト重合して得られた平均粒径(d50
    が0.1ないし0.8μm、合計ゴム含量が20ないし55重量%
    で、グラフト収率が25重量%以上のグラフトポリマー、 b) 60ないし5重量部の、 (b1) メタアクリル酸メチル、又は少なくとも70重量
    %のメタアクリル酸メチルと30重量%以下のスチレン、
    アクリロニトリル、アクリル酸アルキル、もしくはそれ
    らの混合物との混合物、或いは (b2) 20ないし40重量%のアクリロニトリルと、80な
    いし60重量%のスチレン、α−メチルスチレン、メタア
    クリル酸アルキル又はそれらの混合物との混合物を、 粒状の、高度に架橋したアクリル酸アルキルゴムにグラ
    フトさせた、平均粒径(d50)が0.1ないし0.8μmそし
    て合計ゴム含量が65ないし90重量%のグラフトポリマ
    ー、そして c) 10ないし40重量部の、5ないし40重量%のアクリ
    ロニトリル、スチレン、メタアクリル酸メチル、又はそ
    れらの混合物と、95ないし60重量%のアクリル酸アルキ
    ルからなる、部分的に架橋したゴム状の、ゲル含量が20
    ないし99重量%、ジメチルホルムアミド中、23℃で測定
    した膨潤指数が10以上の共重合体 からなる軟質可撓性ポリマー混合物。
  2. 【請求項2】下記成分、即ち a) 30ないし70重量部の、粒状の高度に架橋したアク
    リル酸アルキルゴムに、25ないし40重量部のアクリロニ
    トリルと75ないし60重量部のスチレン、α−メチルスチ
    レン、メタアクリル酸アルキル、又はそれらの混合物と
    の混合物をグラフト重合して得られた平均粒径(d50
    が0.1ないし0.8μm、合計ゴム含量が20ないし55重量%
    で、グラフト収率が25重量%以上のグラフトポリマー、 b) 60ないし5重量部の、 (b1) メタアクリル酸メチル、又は少なくとも70重量
    %のメタアクリル酸メチルと30重量%以下のスチレン、
    アクリロニトリル、アクリル酸アルキル、もしくはそれ
    らの混合物との混合物、或いは (b2) 20ないし40重量%のアクリロニトリルと、80な
    いし60重量%のスチレン、α−メチルスチレン、メタア
    クリル酸アルキル又はそれらの混合物との混合物を、 粒状の、高度に架橋したアクリル酸アルキルゴムにグラ
    フトさせた、平均粒径(d50)が0.1ないし0.8μmそし
    て合計ゴム含量が65ないし90重量%のグラフトポリマ
    ー、そして c) 10ないし40重量部の、5ないし40重量%のアクリ
    ロニトリル、スチレン、メタアクリル酸メチル、又はそ
    れらの混合物と、95ないし60重量%のアクリル酸アルキ
    ルからなる、部分的に架橋したゴム状の、ゲル含量が20
    ないし99重量%、ジメチルホルムアミド中、23℃で測定
    した膨潤指数が10以上の共重合体、そして d) 成分a、b及びcの合計量に対して6重量%以下
    の、少なくとも60重量%のスチレン、α−メチルスチレ
    ン又はメタアクリル酸アルキルと、40重量%以下のアク
    リロニトリル又はメタアクリロニトリルからなる、ジメ
    チルホルムアミド中、25℃で測定した固有粘度[η]が
    2ないし10dl/gである樹脂状ポリマー からなる軟質可撓性ポリマー混合物。
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