JP2628029B2 - 過負荷溶断形抵抗器 - Google Patents

過負荷溶断形抵抗器

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JP2628029B2
JP2628029B2 JP11616895A JP11616895A JP2628029B2 JP 2628029 B2 JP2628029 B2 JP 2628029B2 JP 11616895 A JP11616895 A JP 11616895A JP 11616895 A JP11616895 A JP 11616895A JP 2628029 B2 JP2628029 B2 JP 2628029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は民生用機器、産業用機器
等に広く使われている過負荷溶断形抵抗器に関するもの
で、その目的は過電流が流れた時に抵抗皮膜自体の自己
発熱により速やかに溶断するものを提供することにあ
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】近年、装置の小形化、低電
力化の要請に伴い、過負荷溶断形抵抗器には、異状時に
おける印加電力が定格電力に対し低倍率であつても、電
流を遮断できることが要求されている。
【0003】従来、この種の過負荷溶断形抵抗器には、
(1)金属皮膜、金属酸化物皮膜またはカーボン皮膜等
の一般抵抗皮膜上に低融点ガラスペーストを塗布したも
の、(2)抵抗皮膜とそれを支持或いは保護している材
料の熱膨脹係数の差を利用したもの、(3)部分的に電
流通路を狭くして熱集中化を起こし溶断させるもの、
(4)溶断形抵抗皮膜を使用するもの等がある。
【0004】しかし、これらの従来の抵抗器にあつて
は、定格電力の例えば4〜5倍程度の低倍率で溶断させ
ることは一般に困難である。このため、上記(4)のタ
イプの抵抗器において改良が試みられており、定格電力
の4〜5倍の低倍率の印加電力で溶断するものも開発さ
れているが、抵抗皮膜材料の溶断温度が低くなりすぎ、
はんだ付、取付時等の外部からの熱により溶断すること
があるという問題点を有する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これら問題
点を解消すべく、定格電力の4〜5倍程度の印加電力に
より安定かつ正確に溶断して電流を遮断できると共に、
外部からの熱の作用を受け難い過負荷溶断形抵抗器を開
発すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、絶縁基体表面
に、Cuを6〜20wt%の範囲で含むSn−Pb−C
u合金皮膜層を備え、抵抗皮膜の一部分または全体を覆
うように熱軟化性樹脂層が形成され、かつ全体が熱収縮
チユーブ等の絶縁物で覆われた構造を有する過負荷溶断
形抵抗器は、定格電力の4〜5倍程度の低倍率の電力で
溶断すると共に、上記Sn−Pb−Cu合金皮膜層の存
在により外部からの熱影響に耐え、例えばはんだデイツ
プ時の熱等によつても溶断することがないことを見出
し、本発明を完成するに至つた。
【0006】即ち、本発明は、絶縁基体表面に、第1層
としてSn層、Ag層またはPd層からなる活性化処理
、第2層として電気抵抗値が0.1〜15Ω・cmの
範囲となる厚さのAg層またはSn層、あるいはそれら
の混合体層またはそれらの積層体層からなる下地層及び
第3層としてCuを6〜20wt%の範囲で含むSn−
Pb−Cu合金皮膜層を備え、抵抗皮膜の一部分または
全体を覆うように熱軟化性樹脂層が形成され、かつ全体
が熱収縮チューブ等の絶縁物で覆われた過負荷溶断形抵
抗器を提供するものである。
【0007】本発明は、絶縁基体表面に、第1層として
Sn層、Ag層またはPd層からなる活性化処理層、第
2層として電気抵抗値が0.1〜15Ω・cmの範囲と
なる厚さのAg層またはSn層、あるいはそれらの混合
体層またはそれらの積層体層からなる下地層及び第3層
としてCuを6〜20wt%の範囲で含むSn−Pb−
Cu合金皮膜層を設け、これらを熱処理してなる合金抵
抗皮膜を備え、該合金皮膜の一部分または全体を覆うよ
うに熱軟化性樹脂層が形成され、かつ全体が熱収縮チュ
ーブ等の絶縁物で覆われた過負荷溶断形抵抗器を提供す
るものである。
【0008】以下、本発明の実施態様を示す添付図面を
参照しつつ、本発明を説明する。図1は、本発明の実施
態様に係る抵抗器の一部を示す断面図である。まず、図
1において、(1)は、絶縁基体であつて、これは、こ
の分野で通常使用されている磁器等の材料から成る。そ
の寸法、形状は、目的とする抵抗器の定格電力等により
適宜決定されるが、典型的には、例えば、直径1.7〜
4.5mm、長さ5.5〜14.0mmの円柱状磁器が
例示される。かかる絶縁基体は、常法に従い、粗化、脱
脂等の通常行なわれる処理を施して使用する。
【0009】本発明の一実施態様においては、前記Sn
−Pb−Cu合金皮膜層を設けるに当り、まず、Sn、
Ag又はPdからなる活性化処理層(2)を設け、次い
で第2層としてAg又はSn層、これらの混合体層又は
これらの積層体層(3)を下地層として設け、この下地
層(3)上に前記Sn−Pb−Cu合金皮膜層を電気メ
ツキ法により設ける。
【0010】上記第1層たるSn、Ag又はPbからな
る活性化処理層(2)は、絶縁基体(1)上に上記下地
層(3)を施すために前処理として施されるものであ
る。尚、乾式法により下地層(3)を形成させる場合に
は、活性化処理層(2)の形成は必ずしも必要ではな
い。該活性化処理層(2)は、例えば、上記粗化、脱脂
等の処理を行なつた絶縁基体(1)を塩化第1錫溶液に
浸漬して感受性を付与し活性化することにより形成する
か、又は、このような湿式法の代りに蒸着法、スパツタ
リング法等の乾式法による活性化処理によつて、Sn
層、Ag層又はPd層を形成することも可能である。か
かる活性化処理層(2)の厚さないし金属付着量は、下
地層(3)形成のための活性化に足る厚さないし量とす
ればよい。
【0011】かかる活性化処理層(2)により活性化
後、Ag又はSn層又はそれらの混合体層又はこれらの
積層体層が下地層(3)として形成される。該下地層
(3)は、次の如き条件を満足するものである。
【0012】a)電気不導体である絶縁基体(1)の表
面に電気伝導性を与えて、後のSn−Pb−Cu合金め
つきの際の陰極としてめつき被着を可能ならしめるこ
と、そして、そのためには好ましくは、15Ω・cm以
下の電気抵抗値であること。
【0013】b)過熱によりSn−Pb−Cu合金皮膜
が溶融する際に、初期の導通を失い、抵抗値が無限大に
なること、そして、そのためには下地層の厚さは薄いこ
と(1μm厚以下)。
【0014】c)Sn−Pb−Cu合金皮膜層に拡散、
混合し易いか表面のなじみが良好であること。つまり、
絶縁基体(1)との密着性が実用上支障ない程度に維持
されるが、Sn−Pb−Cu合金皮膜が溶融時、凝集す
ることを妨げない程度であること。
【0015】本発明において、下地層(3)の厚さは、
抵抗値で0.1〜15Ω・cm程度、好ましくは0.7
〜7Ω・cm程度とされる。下地金属としては、膜厚が
薄くなければならないという条件を考慮すると、Ag層
が好ましい。
【0016】下地層(3)は、銀鏡法、無電解めつき法
等の湿式法又は気相めつき法、イオンめつき法、スパツ
タリング法、蒸着法等の乾式法により形成される。これ
らのうちでも、合金化後の皮膜特性の観点から銀鏡法が
最も好ましい。銀鏡法は、Agイオンを含むI液と還元
剤を含むII液とを用い、絶縁基体(1)の表面上でI
液とII液とが混合接触するようにI液とII液とを別
個のノズルから同時にスプレーする方法、スプレーする
直前にI液とII液とを混合して1本のノズルからスプ
レーする方法、I液とII液を混合した溶液に絶縁基体
(1)を浸漬する方法等により行なわれる。I液とII
液の組成は、いずれも公知のものが使用でき、例えば、
下記表1に示すものを挙げることができるが、適宜組成
を変更したり、還元剤を変更することもできる。又、場
合によつては、下記表2、表3に示すように、3種又は
4種の保存液を事前に混合することもできる。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】また、AgとSnの混合体の層を形成する
には、AgとSnとの合金めつきを被着させればよく、
また、これらの積層体の層を被着させるには、上記の銀
鏡法と無電解めつき法を任意の順序で連続して繰返せば
よい。
【0021】こうして得られた下地層(3)の上には、
第3層のSn−Pb−Cu合金皮膜層(4)が形成され
る。該Sn−Pb−Cu合金皮膜層(4)は、該Sn−
Pb−Cu合金皮膜重量に対しCuを6〜20wt%程
度含有しており、残部Sn及びPbからなるものであっ
て、SnとPbとの割合は、Sn98〜10wt%に対
しPb2〜90wt%、好ましくはSn80〜40wt
%に対しPb20〜60wt%、より好ましくはSn6
5〜55wt%に対しPb35〜45wt%である。上
記Cu含量がwt%を下回る場合は、Sn−Pb−C
u合金皮膜層の溶断温度を上昇させ、外部からの熱に対
する耐性を向上させるのに充分ではない場合が多く、一
方、Cu含量を20wt%以上とすることは、通常、条
件的に安定性に欠ける点で好ましくない。該Sn−Pb
−Cu合金皮膜層(4)の厚さは、目的とする抵抗器の
形状、定格電力等によっても変わり得るが、通常は、抵
抗値で10〜120mΩ程度の範囲とすればよい。
【0022】上記Sn−Pb−Cu合金皮膜層(4)
は、通常、前記下地層(3)を酸により処理し、次いで
下地層(3)を備えた基体(1)を陰極として、Sn−
Pb−Cu合金めつき浴中で電解めつきを施すことによ
り形成される。上記酸としては、例えば、硫酸又はアル
カノールスルホン酸、アルカンスルホン酸等の有機スル
ホン酸等の有機酸又はホウフツ化水素酸が特に好まし
く、例えば硫酸100g/l程度の水溶液、又はホウフ
ツ化水素酸(30〜50%)の30ml/l〜200m
l/l程度の水溶液に短時間浸漬することにより酸処理
を行なえばよい。
【0023】上記Sn−Pb−Cu合金めつき浴の浴組
成としては、例えば、Sn2+2〜25g/l程度、Pb
2+2〜27g/l程度、Cu2+0.2〜3g/l程度、
+80〜130g/l程度及び有機添加剤4〜30g
/l程度を含有するものが使用できる。特に、Sn2+
Pb2+、Cu2+はホウフツ化水素酸塩又は有機酸塩の形
態であるのが好ましい。Sn2+、Pb2+、Cu2+がホウ
フツ化水素酸塩の形態である場合、H+ がホウフツ化水
素酸であり、有機添加剤としてはペプトン、ゼラチン、
にかわ等を用いるのが好ましい。Sn2+、Pb2+、Cu
2+が有機酸塩の形態である場合、H+ が同じ有機酸であ
り、有機添加剤としてはホルマリン等を用いるのが好ま
しい。上記有機酸としては、各種のものが使用できる
が、アルカノールスルホン酸、アルカンスルホン酸等の
有機スルホン酸が特に好ましく使用できる。上記S
2+、Pb2+、Cu2+の濃度は、所望のSn−Pb−C
u合金の組成に応じて適宜調整すればよい。めつき方式
としては、通常、バレル回転浴を用いるのが有利であ
り、その条件としては、例えば、次の如き条件を採用で
きる。
【0024】 バレル回転速度 6〜8rpm 陰極電流密度 0.1〜0.3A/dm2 浴 温 15〜25℃ 電 圧 1〜3V かくして、第1層の活性化処理層(2)、第2層の下地
層(3)及び第3層のSn−Pb−Cu合金皮膜層
(4)が、絶縁基体(1)の上に形成される。
【0025】本発明者の研究によれば、上記第1層、第
2層及び第3層からなる抵抗皮膜は、各層が独立したま
ま使用してもよいが、更に、該抵抗皮膜を熱処理により
合金化した場合にも所望の効果が発揮されることを見出
した。しかも、この合金化を行なうことにより、本抵抗
器製造工程における加熱等に対する抵抗値変化が少なく
なるという効果も発揮される。上記合金化を行なう場合
は、得られる合金がSn−Pb−Cu−Ag合金となる
ように、下地層(3)をAg層とするのが好ましい。上
記熱処理は、温度140〜200℃程度で3〜24時間
程度を要して行なわれる。こうして図2に示す如く、絶
縁基体(1)上に、熱処理により形成された合金層
(5)が設けられた構造が得られる。
【0026】以上のようにして得られた3層構造の皮膜
又は熱処理による合金皮膜には、必要に応じ、抵抗値修
正用の溝切りが行なわれる。
【0027】次に、本発明では、軟化性樹脂層を、溝切
りを施し又は施さない抵抗膜の一部の範囲又は全範囲に
形成する。図3及び図4は、夫々、図1の3層構造皮膜
及び図2の合金皮膜(5)上に、熱軟化性樹脂層(6)
が形成されている状態を示すものである。図5は、図2
の合金層(5)からなる抵抗皮膜上に、絶縁基体(1)
の両端において、キヤツプ(9)を圧入し、これにリー
ド線(10)を溶接したもので、上記合金層(5)の周
面には、溝切りにより形成された溝切り部(8)が設け
られている。その溝切り中央部(即ち、溝切りを施され
た部分の中央部)の一部分に、前記熱軟化性樹脂層
(6)が設けられている。
【0028】上記熱軟化性樹脂層(6)は、過負荷時の
発熱により軟化し、粘度の低下及びフラツクス作用によ
り、溶融した抵抗皮膜の溶断を助長するものであり、例
えば、ロジン、オレフイン系、スチレン系、ナイロン
系、フエノール系、キシレン系の樹脂及びこれらの変性
品等の熱軟化性樹脂が例示できる。これら熱軟化樹脂
は、抵抗皮膜の溶断時の温度付近(一般に90〜260
℃程度)にて軟化し、粘度が低下するものが好ましく、
特に、溶融した抵抗皮膜が表面張力により球状化するこ
とを助ける作用を有するものがより好ましい。熱軟化性
樹脂層(6)の厚さは、使用する樹脂の種類等によつて
も変わり得るが、一般に2〜20μm程度、好ましくは
5〜15μm程度とすればよい。かかる熱軟化性樹脂層
(6)は、熱軟化性樹脂の溶液又は融解物を筆状のもの
で塗布するか、浸漬法又は印刷方式で形成される。
【0029】最後に、図6に示すように、抵抗器全体
を、この分野で慣用されている絶縁物からなる保護層
(11)、例えば熱収縮チユーブ等で覆うことにより、
過負荷溶断形抵抗器が完成する。
【0030】
【発明の効果】本発明のそれぞれの過負荷溶断形抵抗器
は、いずれも、定格電力の4〜5倍程度の低電力倍率
で、安定かつ信頼性高く溶断し、電流を遮断するもので
ある。その溶断機構は、未だ完全に解消されていない
が、おそらく、本発明の抵抗皮膜、特に3層構造の場合
の第3層のSn−Pb−Cu合金皮膜層(4)又は熱処
理により形成された合金皮膜層(5)(殊にSn−Pb
−Cu−Ag合金皮膜層)は比較的低融点であり、抵抗
皮膜の温度が過負荷時の発熱でその融点に達すると、上
記抵抗皮膜が融解し、また同時に熱軟化性樹脂層(6)
の熱軟化による粘度の低下及びフラツクス作用が相俟つ
て、融解した抵抗皮膜は表面張力により球状化し、こう
して溶断が達成されるものと推察される。
【0031】本発明の抵抗器は、定格動作時には、一般
の抵抗器と同等の性能、信頼性を有する過負荷溶断形抵
抗器となる。
【0032】また、本発明抵抗器の抵抗皮膜は、はんだ
取付時等のリード線からの熱伝導等の外部からの熱に対
しては安定した耐性を示す。
【0033】しかも、抵抗皮膜硬度が高いので、製造工
程における設備との接触等の外力による傷がつきにくい
という利点もある。
【0034】加えて、抵抗皮膜上に熱軟化性樹脂層が形
成されているので、溶断特性が高く、溶断後の耐電圧も
大きいものである。
【0035】また、従来の皮膜抵抗器の製造工程をその
まま活用できるため、製造コストも低く、有利である。
【0036】
【実施例】以下、実施例を掲げて、本発明を更に詳しく
説明する。
【0037】実施例1 径1.7mm、長さ5.5mmの碍子1万個に以下の如
くめつきを施し、抵抗値50mΩの過負荷溶断形抵抗器
を得た。
【0038】粗化液として67%稀硝酸20ml/l及
び55%フツ化水素酸10ml/lの混酸を用い、上記
碍子を室温にしてバレル回転速度8rpmの条件下で1
5分間粗化を行なつた。次いで水洗し、約5%塩酸溶液
で酸処理を2分間行ない、次いで水洗を行なつた。これ
を前処理とする。
【0039】第1層としてPd層を形成するべく、塩化
第1錫2水和物15g/l及び塩酸10ml/lを含有
した溶液で2分間処理した後、塩化パラジウム0.7g
/l及び塩酸1.5ml/lを含有した溶液で2分間処
理した。
【0040】第2層として、硝酸銀20g、アンモニア
水20ml、水酸化カリウム5g及び水400mlを成
分とするI液と砂糖90g、硝酸4ml及び水1lを成
分とするII液を用いてAg層を抵抗値0.3〜0.6
Ωとなるまで形成させた。
【0041】第3層としてのSn−Pb−Cu層を形成
するに当り、5%のアルカノールスルホン酸を含有する
溶液で1分間酸処理した後、Sn2+20g/l、Pd2+
8g/l、Cu2+0.8g/l、H+ 100g/l及び
ペプトン5g/lを含有した溶液(各金属イオンはいず
れもホウフツ化水素酸塩の形態であり、H+ はホウフツ
化水素酸である)中に浸漬し、電流密度0.3A/dm
2 、電圧2V、通電時間27分、バレル回転速度8rp
mで50mΩの抵抗体を得た。なおこの皮膜中に含まれ
る銅は15.7重量%であつた。
【0042】該皮膜の鉛筆硬度を熱処理前及び170
℃、3時間の熱処理後において測定したところ、熱処理
前は4H相当で、熱処理後の従来品にほぼ相当するのに
対し、熱処理後は6H相当であつた。
【0043】尚、鉛筆硬度の測定方法は、次の通りであ
る。即ち、抵抗体表面に対し40〜50°の角度で、規
定の硬度を有する鉛筆(H〜9H)で抵抗体表面をこす
り、傷の有無を観察し、傷がなく単に鉛筆の跡のみが残
る最高の鉛筆硬度でもつて皮膜の硬度を評価する。
【0044】上記実施例1で得られた本発明の過負荷溶
断形抵抗器の溶断特性を試験した。試験方法は、次のと
おりである。図7に示す回路にて試験を行ない、電源は
定電圧電源を使用するものとする。図7において、R1
は供試抵抗器である。R2 は高電力・安定抵抗器であ
り、その抵抗値はR1 の30〜50倍とし、R1 にシリ
ーズ接続しておく。あらかじめ、試験抵抗器R1 の代わ
りに高電力ダミー抵抗器を使用し、溶断特性仕様に定め
られた条件になるように電源の電圧をあわせておく。次
に、ダミー抵抗の代わりに試験する抵抗器を取り付けス
イツチSを入れる。スイツチを入れてから規定の電流が
流れているか電流計で確認し、規定の電流になつていな
い場合、すみやかに(1秒以内)微調整を行なう。ただ
し、それ以降は電源の調整は行なわない。スイツチを入
れてから断線するまでの時間を測定する。抵抗器の断線
状態に至つたことの判定は、電流値が最初の試験電流の
1/50以下になつた状態をもつて行なう。結果を図8
に示す。
【0045】また、上記実施例1で得られた本発明抵抗
器の外部からの熱に対する耐性を試験した。即ち、抵抗
器をシリコンオイルに浸漬し、徐々に温度を上昇させて
いつた場合の抵抗値変化率を測定した。また、第3層と
してSn−Pb層を形成した他は、実施例1で得られた
過負荷溶断形抵抗器と同様にして得られた抵抗器(比較
例1)について、同様にして抵抗変化率を測定した。結
果を第9図に示す。
【0046】なお、比較例1の第3層は以下の手順に従
って形成した。すなわち、第2層を形成させた後、5%
のアルカノールスルホン酸を含有する溶液で1分間酸処
理した後、Sn2+13.5g/ 、Pd2+30g/ 、
+ 350g/ 及びペプトン3.75g/ を含有し
た溶液(各金属イオンはいずれもホウフツ化水素酸塩の
形態であり、H+ はホウフツ化水素酸である)中に浸漬
し、電流密度2.7A/dm2 、電圧3V、通電時間2
7分、バレル回転速度6rpmで30mΩの抵抗体を得
た。結果を図9に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る抵抗器の一部を示す
断面図である。
【図2】本発明の他の実施態様に係る合金化抵抗皮膜を
備えた抵抗器の一部を示す断面図である。
【図3】図1の抵抗皮膜上に熱軟化性樹脂層を形成後の
断面図である。
【図4】図2の抵抗皮膜上に熱軟化性樹脂層を形成後の
断面図である。
【図5】本発明抵抗器の完成直前の要部側面図である。
【図6】絶縁物で被覆し完成した本発明抵抗器の要部断
面図である。
【図7】溶断特性測定用の回路図である。
【図8】図7の溶断特性測定用の回路を用いて測定され
た実施例1の抵抗体の溶断特性図である。
【図9】実施例1及び比較例1の抵抗体の外部温度上昇
に伴う抵抗値変化率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 絶縁基体 2 Sn、Ag又はPdの活性化処理層 3 Ag又はSnの下地層 4 Sn−Pb−Cu合金皮膜層 5 熱処理により形成された合金抵抗皮膜 6 熱軟化性樹脂層 8 溝切り部 9 キヤツプ 10 リード線 11 絶縁物
フロントページの続き (72)発明者 細川 善右エ門 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 進藤 泰宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−188029(JP,A) 特開 昭50−144067(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基体表面に、第1層としてSn層、
    Ag層またはPd層からなる活性化処理層、第2層とし
    て電気抵抗値が0.1〜15Ω・cmの範囲となる厚さ
    のAg層またはSn層、あるいはそれらの混合体層また
    はそれらの積層体層からなる下地層及び第3層としてC
    uを6〜20wt%の範囲で含むSn−Pb−Cu合金
    皮膜層を備え、抵抗皮膜の一部分または全体を覆うよう
    に熱軟化性樹脂層が形成され、かつ全体が熱収縮チュー
    ブ等の絶縁物で覆われた過負荷溶断形抵抗器。
  2. 【請求項2】 絶縁基体表面に、第1層としてSn層、
    Ag層またはPd層からなる活性化処理層、第2層とし
    て電気抵抗値が0.1〜15Ω・cmの範囲となる厚さ
    のAg層またはSn層、あるいはそれらの混合体層また
    はそれらの積層体層からなる下地層及び第3層としてC
    uを6〜20wt%の範囲で含むSn−Pb−Cu合金
    皮膜層を備え、抵抗値修正用の溝切り中央部を含む抵抗
    皮膜の一部分または全体を覆うように熱軟化性樹脂層が
    形成され、かつ全体が熱収縮チューブ等の絶縁物で覆わ
    れた過負荷溶断形抵抗器。
  3. 【請求項3】 絶縁基体表面に、第1層としてSn層、
    Ag層またはPd層からなる活性化処理層、第2層とし
    て電気抵抗値が0.1〜15Ω・cmの範囲となる厚さ
    のAg層またはSn層、あるいはそれらの混合体層また
    はそれらの積層体層からなる下地層及び第3層としてC
    uを6〜20wt%の範囲で含むSn−Pb−Cu合金
    皮膜層を設け、これらを熱処理してなる合金抵抗皮膜を
    備え、該合金抵抗皮膜の一部分または全体を覆うように
    熱軟化性樹脂層が形成され、かつ全体が熱収縮チューブ
    等で覆われた過負荷溶断形抵抗器。
  4. 【請求項4】 絶縁基体表面に、第1層としてSn層、
    Ag層またはPd層からなる活性化処理層、第2層とし
    て電気抵抗値が0.1〜15Ω・cmの範囲となる厚さ
    のAg層またはSn層、あるいはそれらの混合体層また
    はそれらの積層体層からなる下地層及び第3層としてC
    uを6〜20wt%の範囲で含むSn−Pb−Cu合金
    皮膜層を設け、これらを熱処理してなる合金抵抗被膜を
    備え、抵抗値修正用の薄切り中央部を含む抵抗皮膜の一
    部分または全体を覆うように熱軟化性樹脂層が形成さ
    れ、かつ全体が熱収縮チューブ等の絶縁物で覆われた過
    負荷溶断形抵抗器。
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