JP2625568B2 - 電磁調理器用容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電磁調理器を用いて食品等を加熱するため
の容器に関する。

（従来の技術） 電磁調理器は、直接炎を当てない加熱方式（電磁誘導
加熱）で安全性が高く、また熱効率がよいため、利用が
拡大している。しかし、電磁調理器の加熱によると、容
器の底面が加熱されるので、内容物は底面と接触した部
分で局部的に加熱されやすい。また、電磁調理器のプレ
ートには加熱コイルが環状に設置され、プレートにおけ
る加熱コイルの環状の内側に相当する部分では加熱不足
が生じやすい。つまり、電磁調理器を用い、通常の鍋で
ケーキ等を焼く場合は、ケーキ底面の外周部分だけが焦
げ、上部と中心部は未加熱の状態となって、不均一に調
理される。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、上記の加熱特性をもつ電磁調理器を用い
て、食品等を均一に加熱するための容器の提供を目的と
する。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、容器を中空筒状にして、電磁調理器の
プレートにおける加熱されない部分に上記容器の中空部
を位置させ、この部分に内容物を置かず、かつプレート
の加熱部分に位置する容器底部に特定の磁性体を配設す
ると共に、内容物を特定の高さで収容して加熱するよう
にした容器によって、上記の目的が達成されるとの知見
を得た。即ち、本発明は、環状の底壁、外周壁及び内周
壁からなる中空筒状の容器であり、該底壁は環状の内径
が36mm以上で、厚み0.1mm以上の磁性体からなる平らな
底面を備え、かつ該両周壁を内容物が容器底面より55mm
以下の高さで収容されるように構成したことを特徴とす
る電磁調理器用容器、にある。

以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。

第１図は本発明の容器の一実施例を示す平面図、第２
図は第１図A1−A2方向の断面図である。

容器１は環状の底壁２、外周壁３及び内周壁４からな
る中空筒状の容器である。底壁２は環状の内径D1が36mm
以上、好ましくは40〜50mmで、厚み0.1mm以上の磁性体
からなる平らな底面を備える。上記磁性体の厚みは、加
熱に対する耐性を得る上で0.4mm以上にするのがよく、
また、内容物をより均一に加熱する上で1.0mm以上にす
るのがよい。磁性体は、通常外径が200mm以下、厚み5.5
mm以下で設ければよい。底壁２は、全体を磁性体で形成
してもよく、或いは非磁性体で形成し、その底面、上面
若しくは内部に前記の大きさの磁性体を設けて構成して
もよい。底壁２の上面若しくは内部に磁性体を設ける場
合は、磁性体と電磁調理器のプレートとの距離が4mm以
下となるようにして設ける。以上の態様で厚みが0.1mm
以上の磁性体で底壁２を設けることにより、電磁調理器
で内容物を十分に加熱することができる。磁性体として
は、鉄、スチール、18クロムステンレス、ほうろう等を
用いることができる。

外周壁３及び内周壁４は、内容物が容器底面より55mm
以下、好ましくは35mm以下の高さで収容されるように構
成される。つまり、内容物を上記の高さで容器１に収容
して加熱すれば、前記の磁性体を有した底壁２からの加
熱で、内容物を上部まで均一に加熱することができる。
この場合、周壁３、４を前記の高さで設けてもよく、こ
れらを前記の高さを越えて設ける場合は、周壁３、４に
おける前記の高さの位置に内容物の収容高さを示す目印
５を付ければよい。尚、ホットケーキ等を焼成する場合
は、特に内容物が容器底面より25mm以下の高さで収容さ
れるようにするのが、内容物を均一に焼成する上で好ま
しい。

周壁３、４は、熱伝導の高いアルミニウム、銅、銀等
の非磁性体で形成するのが、内容物の均一加熱効果を得
る上で望ましく、他に合成樹脂で形成してもよい。ま
た、周壁３、４は、水平面に対する傾斜角θ１、θ２が
各々45〜90度となるように設けるのがよい。これによっ
て、均一加熱効果と、容器に内容物を容易に出入できる
効果を達成できる。

容器１をスチールによって一体成型することができ
る。この場合は、容器壁の厚みを0.1〜2.0mmとするのが
よい。これにより、均一加熱効果が高く、製造の容易な
容器を達成できる。

容器１は図示の中空円筒状の他に、中空角柱状とする
こともできる。また、加熱後に内容物を取り出しやすく
するために、容器１の内壁面にフッ素樹脂、テフロン或
いはサランコーティング等を施すことが有効である。

本発明の容器は、以上の構成からなり、内容物を前記
の高さで収容し、電磁調理器のプレート上の中央部に置
いて加熱して使用する。この容器は、流動性がわるく加
熱が不均一になりやすい内容物、具体的には、ケーキ、
ホットケーキ、クレープ、お好み焼き、ポッコーン等の
膨化菓子（これらの原料、ドウを加熱調理する場合）、
粘性の高いカレー、スープ等の加熱調理に好適に使用し
得る。

（発明の効果） 本発明の容器によると、底壁が電磁調理器のプレート
における加熱部分で確実に加熱され、ここから内容物の
上部まで加熱して、内容物を均一に加熱することができ
る。したがって、電磁調理器でケーキを焼いたり、カレ
ー等の流動性のわるい食品を調理する等に好適に使用で
き、電磁調理器の利用性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の容器の一実施例を示す平面図、第２図
は第１図A1−A2方向の断面図である。 １……容器、２……底壁、３……外周壁、４……内周
壁、５……目印。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】環状の底壁、外周壁及び内周壁からなる中
   空筒状の容器であり、該底壁は環状の内径が36mm以上
   で、厚み0.1mm以上の磁性体からなる平らな底面を備
   え、かつ該両周壁を内容物が容器底面より55mm以下の高
   さで収容されるように構成したことを特徴とする電磁調
   理器用容器。
2. 【請求項２】容器がスチールによって一体的に形成され
   たものである請求項１記載の容器。
3. 【請求項３】容器壁の厚みが0.1〜2.0mmである請求項２
   記載の容器。