JP2625484B2 - フッ素樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂成形体及びその製造方法

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JP2625484B2 JP6343588A JP6343588A JP2625484B2 JP 2625484 B2 JP2625484 B2 JP 2625484B2 JP 6343588 A JP6343588 A JP 6343588A JP 6343588 A JP6343588 A JP 6343588A JP 2625484 B2 JP2625484 B2 JP 2625484B2
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紀夫 清水
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池袋琺瑯工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は化学工業、医薬品工業、食品工業等において
使用する金属製配管類の内張りとして使用することがで
きるフッ素樹脂成形体及びその製造方法に関する。
[従来の技術・課題] 従来のフッ素樹脂成形体はフッ素樹脂材料中にカーボ
ンブラック、珪石粉等の微粒子を添加したものと、無添
加のフッ素樹脂のみとがある。
例えばフッ素樹脂成形体はフッ素樹脂例えばテトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体(以下、PFAと記載する)を原料とし、該PFA原
料を金型に充填した後、電気炉に入れた350℃で2時間
位加熱し、熱溶融状態にした後、40〜50kg/cm2の圧力で
押出成形し、冷却することにより得られるが、高い溶融
粘性のためにPFA樹脂の成形性や再結晶組織に問題があ
り、降伏応力、破断応力値が不充分であり、熱物性とし
ての熱膨張性は組織の界面構造がゆるいために、55〜10
0℃付近で熱収縮転移現象を生ずる欠点がある。
このようなPFA樹脂成形体は白色であり、成形体の継
ぎ目や湾曲部の歪み等が目立つために、カーボンブラッ
ク等の添加材を配合して着色していた。しかし、カーボ
ンブラック等は鋭角な角を有し、PFA樹脂に添加・配合
してPFA樹脂成形体を製造すると、組織内にカーボンブ
ラックの鋭角な角に起因する間隙が生じてPFA樹脂のみ
の成形体よりも更に強度的に劣る。
従って、本発明の目的はフッ素樹脂成形体特有の白色
ではない色調を有し且つ強度的にもフッ素樹脂のみから
なる成形体より優れた強度を有する成形体を提供するに
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはフッ素樹脂の熱溶融・成形前に、フッ素
樹脂原料に球状カーボン微粒子とウイスカー繊維を添加
・混合し、その後に加熱成形を施すことによりフッ素樹
脂複合体の成形性と組織構造が改善され、降伏応力値、
破断応力値が1.4〜2倍位向上し、熱的物性も55〜100℃
付近での熱収縮転移現象が無くなることを発見し、本発
明を完成するに至った。
すなわち、本発明はフッ素樹脂100重量部、直径10μ
m以下の球状カーボン微粒子0.05〜2重量部及び直径5
μm以下、長さ30μm以下のウイスカー繊維0.5〜10重
量部よりなるフッ素樹脂成形体に係る。
更に、本発明はフッ素樹脂原料100重量部に直径10μ
m以下の球状カーボン微粒子を0.05〜2重量部と直径5
μm以下、長さ30μm以下のウイスカー繊維を0.5〜10
重量部を添加・混合して原料複合体を得、次に、該原料
複合体を加熱・溶融し、所定の形状に成形し、最後に冷
却することを特徴とするフッ素樹脂成形体の製造方法に
係る。
[作 用] 本発明に係るフッ素樹脂成形体を製造する際に使用す
るフッ素樹脂原料としてはPFA樹脂を使用することが好
ましい。PFA樹脂原料は球状形態、粉末形態等で入手す
ることができる。
本発明のフッ素樹脂成形体は上述のPFA樹脂原料に球
状カーボン微粒子及びウイスカー繊維を添加・配合し、
得られた原料複合体を慣用の方法により溶融、成形して
冷却することにより製造することができる。
本発明方法に使用する球状カーボン微粒子は成形助剤
として作用するもので、直径10μm以下であることが好
ましい。球状カーボン微粒子の直径が10μmを超える
と、成形性が悪化したり、得られる成形体の降伏応力及
び破断応力の低下を招くことがあるので好ましくない。
球状カーボン微粒子の添加量はフッ素樹脂100重量部当
たり0.05〜2重量部である。球状カーボン微粒子の添加
量が0.05重量部未満であると、その添加効果がなく、ま
た、該添加量が2重量部を超えると、部分的に偏りがで
き、得られる成形体の表面に凹凸が生ずるために好まし
くない。
本発明方法に使用するウイスカー繊維はフッ素樹脂の
降伏応力、破断応力等を強化するために作用する。ウイ
スカー繊維としてはチタン酸カリウムウイスカー、炭化
珪素ウイスカー、酸化アルミニウムウイスカー等を使用
することができる。また、これらのウイスカー繊維はそ
の表面に銀、ニッケル、コバルト等の金属をメッキ処理
したものを使用しても良い。なお、これらの金属のメッ
キ処理法は特に限定されるものではなく、ウイスカー繊
維に金属メッキを施すことができれば任意の方法を使用
することができる。ウイスカー繊維の寸法は直径5μm
以下、長さ30μm以下であることが好ましい。ウイスカ
ー繊維の寸法を上記範囲外であると、フッ素樹脂原料、
球状カーボン微粒子及びウイスカー繊維よりなる複合体
を加熱・溶融時にウイスカー繊維が塊状となり、均一な
溶融物を得られない場合があるために好ましくない。ウ
イスカー繊維の添加量はフッ素樹脂100重量部当たり0.5
〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。ウイス
カー繊維の添加量が0.5重量部未満であると、その添加
効果がなく、また、該添加量が10重量部を超えると、溶
融物が成形できなくなり、また、部分的に偏りができ、
補強効果が乏しくなるために好ましくない。
上述の配合をもつ原料複合体は慣用の方法により加熱
・溶融及び成形して成形体とすることができる。例え
ば、該原料複合体を金型に充填した後、電気炉に入れて
340〜370℃で2〜3時間位加熱して熱溶融状態にした
後、該溶融物を40〜50kg/cm2の圧力で所望の形状に押出
成形し、冷却することにより本発明のフッ素樹脂成形体
を得ることができる。
本発明のフッ素樹脂成形体は化学工業、医薬品工業、
食品工業等において使用する金属製配管類の内張りとし
て好適に使用することができ、また、成形体単体として
各種用途に使用することができる。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する。
実施例 以下の第1表に記載する配合割当をもつPFA樹脂原料
複合体を調合し、得られた原料複合体500gを内径85mm
φ、長さ150mmの金型に充填した後、電気炉に入れて350
℃で2時間加熱し、熱溶融状態にした後40〜50kg/cm2
圧力で50/40のレデューサーの内側に押出成形し、冷却
後に金型を離形して押出成形性を検討した。結果を第2
表に示す。
第 2 表 実験番号 押出成形性 1 ○ 2 ○ 3 △ 4 ○ 5 × 6 ○ 7 ○ 8 △ 9 × 10 ○ 11 × 12 × 13 △ ○:均一に押出成形ができ、PFA樹脂成形体の表面外観
が平滑で良好である。
△:押出成形はできるが、PFA樹脂成形体の表面に少し
凹凸が観察される。
×:押出成形が不完全で、カーボン粒子あるいはチタン
酸カリウムウイスカーが過剰のために成形体の表面に凹
凸が多く、成形性は不可である。
第2表から球状カーボン及びチタン酸カリウムウイス
カーを併用する場合には、PFA樹脂原料100重量部当たり
球状カーボン0.05〜2重量部及びチタン酸カリウムウイ
スカー0.5〜10重量部までの範囲内で許容できる成形性
が得られることが判明した。
次に、成形したPFA樹脂成形体の引張強度を米倉製作
所(株)製CATY−200WR形電子式万能試験機を用いて押
出成形することができた実験番号1、2、3、4、6、
10及び12について、ASTM D1708に従って第1図に記載
する形状に切り出し、降伏応力と破断応力値を室温(20
℃)で測定した。得られた結果を以下の第3表に記載す
る。
本発明品である実験番号1、2、3及び4の供試体は
比較品である実験番号6、10及び13の供試体と比べて降
伏応力値で1.1〜2.5倍、破断応力値で1.08〜1.6倍の値
を示し、球状カーボンとチタン酸カリウムウイスカーの
併用効果が引張強度の向上に顕著であることが認められ
た。
次に、熱物性試験を行なうために、熱膨張性を成瀬科
学(株)製熱膨張測定装置(KD−6型)にて、実験番号
4と13で得られた成形体を幅5mm×長さ50mm×厚さ3mmの
寸法に切り出し、20℃から330℃まで3℃/分の昇温速
度で熱膨張を測定し、結果を第2図のグラフに記載す
る。
PFA樹脂のみからなる成形体である実験番号13の供試
体はPFA樹脂成形体特有の55〜100℃付近の温度での熱収
縮現象を示したが、本発明品である実験番号4の供試体
は熱収縮現象を示さずに、熱的に安定であることが判っ
た。
次に、実験番号4の成形体(本発明品)及び実験番号
10の成形体(比較品)の樹脂の粒子構造を日本電子
(株)製JSM−T200電子顕微鏡で倍率200倍にて2次電子
像で観察した結果、それぞれ第3図A(本発明品)及び
第3図B(比較品)の電子顕微鏡写真が得られた。第3
図A及び第3図Bより本発明品は比較品に比べて緻密で
あることが認められる。
[発明の効果] フッ素樹脂例えばPFA樹脂に球状カーボン及びウイス
カー樹脂を添加することにより、得られるフッ素樹脂成
形体の物理的特性及び熱的特性が向上させることができ
る。また、本発明の成形体は灰色ないし黒色を有してお
り、フッ素樹脂単独の成形体のような外観上の欠点もな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は引張強度試験に使用する供試体を示す図であ
り、第2図は実験番号4及び10で得られた成形体の熱膨
張試験の結果を示すグラフであり、第3図Aは実験番号
4で得られた成形体の樹脂の粒子構造を示す電子顕微鏡
写真であり、第3図Bは実験番号10で得られた成形体の
樹脂の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂100重量部、直径10μm以下の
    球状カーボン微粒子0.05〜2重量部及び直径5μm以
    下、長さ30μm以下のウイスカー繊維0.5〜10重量部よ
    りなるフッ素樹脂成形体。
  2. 【請求項2】フッ素樹脂原料100重量部に直径10μm以
    下の球状カーボン微粒子を0.05〜2重量部と直径5μm
    以下、長さ30μm以下のウイスカー繊維を0.5〜10重量
    部を添加・混合して原料複合体を得、次に、該原料複合
    体を加熱・溶融し、所定の形状に成形し、最後に冷却す
    ることを特徴とするフッ素樹脂成形体の製造方法。
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