JP2625027B2 - 強誘電性液晶組成物の調製方法 - Google Patents

強誘電性液晶組成物の調製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は強誘電性液晶組成物の調製方法に関する。
〔従来の技術〕
現在の液晶表示素子は、主にネマチック液晶組成物を
用いたTN(Twisted Nematic)型である。このTN型の液
晶表示素子は、製造工程が簡便で、消費電力が低いなど
の長所を有するので、時計、電卓、テレビ、ワードプロ
セッサ、ラップトップコンピュータなどに幅広く用いら
れている。しかし、このネマチック液晶組成物を用いた
TN型液晶表示素子には、画像表示の応答速度が遅い、表
示容量に限界があるなどの問題があり、これを解決する
ために高速応答性、メモリ性などのネマチック液晶材料
にはない性質を有する強誘電性液晶材料を用いた液晶表
示素子の開発が盛んに行なわれている(エヌ・エー・ク
ラーク(N.A.Clark)ら、アプライド・フィジクス・レ
ターズ(Appl.Phys.lett.),36,899(1980)参照)。
強誘電性液晶材料の液晶相は、一般にスメクチックC
(Sc)相またはスメクチックH(SH )相とよば
れ、層構造を有し、かつらせん構造を示す液晶であり、
液晶分子の長軸が層の法線に対して傾きをもっており、
この傾きの方向がらせんを描くように各層間で規則的に
異なっている。第8図は強誘電性液晶材料の分子配向の
説明図である。第8図において(6)は液晶分子、
(7)は自発分極、(θ)は層の法線に対して液晶分子
のなす角(チルト角)θ、(8)は層間のらせんの一周
期に相当する長さ(らせんピッチ)、(9)は層境界面
を示す。分子長軸の垂直方向、すなわち層に平行なある
方向に一定のしきい値以上の電圧を印加すると、液晶分
子(6)は層法線と一定角θを保ちながらコーン型の側
面に沿って回転し、自発分極(7)の方向が電界の方向
を向くように配列する。実際に表示素子として用いるば
あいには、透明電極を有し、その上に配向処理を施した
ガラス基板間に強誘電性液晶材料を挟持し、その液晶パ
ネルのセルギャップをらせんピッチ以下にすることによ
り、らせん構造を解いて液晶分子を一定方向に向けた状
態で用いられる。
この表示素子に用いる強誘電性液晶材料には以下のよ
うな特性が要求される。
室温を含む広い温度範囲でSc相などの強誘電性液晶
相を示すこと。
強誘電性液晶材料の電界に対する応答時間τが τ=η/Ps・E (η:粘度、Ps:自発分極、E:電界)で表わされるの
で、大きな自発分極をもち、かつ低粘度であること。
なお、自発分極が大きくなると粘度も高くなる傾向が
みられ、自発分極、粘度の両者を満足させるためには、
自発分極が約10nC/cm2であるのが一般に適当であると考
えられている。ただし、自発分極の値の最適値はセル条
件、配向条件などに左右される。
高コントラストをうるために、22.5゜のチルト角を有
すること。
良好な配向を実現するために、強誘電性液晶相がSc
相のばあいには、好ましくは I→Ch→SA→Sc (I:等方性相、Ch:コレステリック相、SA:スメクチック
A相、Sc:スネクチックC相)の相系列であるこ
と。
液晶パネル内でらせんピッチを解いて良好な配向をう
るため、Ch相、Sc相において充分に長いらせんピッチ
をもつこと。
しかし、以上の条件を満たす単体の強誘電性液晶材料
は皆無に等しいので、種々の特性をもつ液晶材料を混合
することにより目標とする特性を達成しようとしてい
る。つまり、自発分極の極性の異なる化合物同士を混合
して自発分極の大きさを調節し、らせんピッチのねじれ
方向の異なる化合物同士を混合してらせんピッチを大き
くするなどの手法により、前記5つの条件を達成しよう
としている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、分子構造が異なり、自発分極の極性、
らせんピッチのねじれ方向が各々逆の強誘電性液晶化合
物の相溶性を満足させながら混合していくとき、一般に
自発分極の大きさには加成性が成り立ち、組成比に対応
して自発分極の大きさは直線的に変化する。一方、らせ
んピッチの長さは双方の強誘電性液晶化合物のねじり力
のつり合った組成において無限大に発散する傾向がみら
れる。具体例として後述する比較例1に示した2種の強
誘電性液晶化合物(化合物(II)−Sおよび化合物(II
I))を混合したばあいの関係を第6図に示す。
化合物(II)−Sは(自発分極(+)、らせんピッチ
(LH))、化合物(III)は(自発分極(−)、らせん
ピッチ(RH))であり、これを混合したときの自発分極
の大きさまたはらせんピッチの長さと組成との関係を表
わす第6図からわかるように、自発分極が一般的にいわ
れる最適値の約10nC/cm2となる組成(化合物(II)−S/
化合物(III)=20/80(重量比、以下同様))と、らせ
んピッチが無限大に発散する組成(化合物(II)−S/化
合物(III)=40/60)とは一致していない。
そこで、さらに分子構造、自発分極の極性、らせんピ
ッチのねじれ方向が異なり、かつ相溶性も満足する第3
の強誘電性液晶化合物(組成物)を添加して、自発分極
が最適値(約10nC/cm2)を示す組成とらせんピッチが最
適値(無限大に発散)を示す組成とを一致させなければ
ならず、そのような第3の強誘電性液晶化合物(組成
物)を見つけ出すことは非常に困難であるという問題が
ある。
また、強誘電性液晶組成物を調製していく際、高速応
答性をうるために低粘度を目指す必要があり、低粘度化
が可能で、同時に自発分極の大きさ、らせんピッチの長
さを最適化できるような強誘電性液晶化合物(組成物)
の組合わせを見出すことはさらに困難であるという問題
がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、前記問題を解決するためになされたもので
あり、分子構造の異なる強誘電性液晶化合物を混合して
特性を調整した強誘電性液晶組成物を調製する際に、用
いる強誘電性液晶化合物の少なくとも一種について、自
発分極の大きさ・極性、らせんピッチの長さ・ねじれ方
向の調整を行なうためにあらかじめ光学純度の調整を行
なうことを特徴とする強誘電性液晶組成物に関する。
〔作 用〕
本発明では、同一の分子構造を有し、旋光方向のみが
異なり、互に光学異性体の関係にある強誘電性液晶化合
物同士を混合する、または強誘電性液晶化合物とその化
合物と同一の分子構造を有するが光学活性を示さない化
合物、つまりラセミ体とを混合することにより、あらか
じめ単一の分子構造を有する強誘電性液晶化合物の自発
分極の大きさ・極性、らせんピッチの長さ・ねじれ方向
を任意の値に調整し、そののち、分子構造の異なる強誘
電性液晶化合物との混合を行なうことにより、自発分極
を約10nC/cm2にする組成とらせんピッチを無限大に発散
する組成とを容易に一致させることができる。このた
め、光学異性体またはラセミ体を混合して調整した強誘
電性液晶化合物の自発分極の大きさ・極性、らせんピッ
チの長さ・ねじれ方向を考慮に入れることなく、分子構
造の異なる強誘電性液晶化合物間の混合を行なうことが
でき、混合の対象となる液晶材料の選択範囲が広がる。
この結果、強誘電性液晶相を広い温度範囲で示し、らせ
んピッチが長いために配向性に優れ、自発分極を最適化
でき、高速応答が可能な強誘電性液晶組成物をうること
ができる。
〔実施例〕
本発明における強誘電性液晶組成物には、分子構造が
同一であり、互に光学異性体である強誘電性液晶化合物
の両者を含む単一の分子構造を有する強誘電性液晶化合
物が含有される。
前記強誘電性液晶化合物の具体例としては、たとえば
一般式(I): (式中、RはS体またはR体の不斉炭素を有する光学活
性な分枝アルキル基、R1は炭素数1〜20のアルキル基ま
たはアルコキシ基、Q1は−OCO−、−O−または直接結
合、Q2、Q3はそれぞれ−COO−、−OCO−、エチレン基ま
たはエチニレン基、Aは Xは水素原子またはハロゲン原子を示し、*はそのアル
キル基が光学活性であることを示す)で表わされる強誘
電性液晶化合物(化合物(I))があげられる。
前記一般式(I)におけるRは、好ましくは炭素数4
〜20の不斉炭素を有する分枝アルキル基であり、その具
体例としては、たとえば などがあげられる。
前記一般式(I)における炭素数1〜20のアルキル基
またはアルコキシ基であるR1の具体例としては、たとえ
ばC6H13−、C7H15−、C8H17−、C9H20−、C10 H21−、
C11 H23−、C12 H25−、C8H17O−、C10 H21O−など
があげられる。
前記一般式(I)で表わされる化合物の具体例として
は、たとえば などがあげられる。
前記強誘電性液晶化合物として化合物(I)を用いる
ばあい、液晶化合物の低粘度にする結合基として知られ
ているエチレン基またはエチニレン基を分子骨格中に含
むため好ましい。
本発明における組成物には、前記化合物(I)で代表
される強誘電性液晶化合物(以下、化合物(I)につい
て説明する)が、この化合物の光学異性体とともに、え
られる組成物が光学活性を示す割合になるように含有せ
しめられている。この際の化合物(I)とその光学異性
体の混合割合は、混合により液晶化合物の諸特性の変化
がえられる範囲で併用する他の化合物に合わせて最適の
諸特性を有する組成物がえられるように調整されるが、
通常、化合物(I)/化合物(I)異性体が重量比で5/
95〜95/5の範囲である。
前記混合において、化合物(I)とその光学異性体と
を混合して目的の割合にしてもよく、ラセミ体と多くし
たい方の光学異性体とを混合して目的の割合にしてもよ
い。
前記混合物は単独で用いてもよいが、Sc相を示す温度
範囲を広くするという点からは2種以上併用するのが好
ましい。
前記のごとく、化合物(I)と同一の分子構造を有す
る、旋光方向のみ異なる光学異性体である化合物とを混
合することにより、または化合物(I)と同一の分子構
造を有するが光学活性を示さない化合物、つまりラセミ
体とを混合することにより、単一の分子構造を有する化
合物のみで自発分極の大きさ・極性、らせんピッチの長
さ、ねじれ方向を任意の値に調整することができる。そ
ののち、分子構造の異なる強誘電性液晶化合物間の混合
を行なうことにより、混合時の自発分極の大きさを約10
nC/cm2とする組成とらせんピッチを無限大に発散させる
組成とを容易に一致させることができる。このため、化
合物(I)とその光学異性体との混合物である化合物の
自発分極の大きさ・極性、らせんピッチの長さ・ねじれ
方向を考慮に入れることなく強誘電性液晶化合物間の混
合を行なうことができ、混合の対象とする液晶化合物の
選択範囲を広げることができる。その結果、強誘電性液
晶相を広い温度範囲で示し、らせんピッチが長いために
配向性に優れ、自発分極を最適化でき、低粘度であるた
めに高速応答の可能な強誘電性液晶組成物を容易にうる
ことができる。
本発明における液晶組成物には、通常前記化合物
(I)とその光学異性体またはラセミ体との混合物以外
に、自発分極、らせんピッチ、チルト角、強誘電性液晶
相温度範囲などの最適化を目的として、これと分子構造
の異なる強誘電性液晶化合物、非カイラルSc相液晶化合
物、非カイラルSc相液晶組成物などが含有される。
本発明における組成物は、前述のごとき各成分を、た
えば化合物(I)とその光学異性体またはラセミ体の混
合物35%(重量%、以下同様)、これと分子構造の異な
る強誘電性液晶化合物15%、非カイラルSc相液晶化合物
50%のごとき割合で配合することにより調製される。
このようにして調製された本発明における組成物は、
たとえば有機高分子膜、無機物蒸着膜などを配向層とす
る液晶表示素子として好適に使用されうる。
以下、本発明の強誘電性液晶組成物の調製方法を実施
例に基づき詳細に説明する。
まず、実施例における強誘電性液晶組成物の特性測定
条件について説明する。
第7図に液晶セルの構成を示す。ここで、(1)は偏
光板、(2)はガラス基板、(3)は透明電極、(4)
はラビング処理を施したポリイミド配向膜、(5)は強
誘電性液晶組成物を示しており、セルギャップは2μm
とした。このセルに強誘電性液晶組成物を注入し、応答
速度、自発分極を測定した。らせんピッチはセルギャッ
プ100μmの液晶セルにおいて測定した。相転移温度、
相判定は偏光顕微鏡観察、DSC(示差走査熱量計)によ
り行なった。
実施例1 本発明に用いる強誘電性液晶化合物(化合物(I)に
あたる化合物)として下記式(II): で示される化合物(II)を用い、化合物(II)と相分離
を起こすことなく相溶する分子構造の異なる強誘電性液
晶化合物として式(III): で示される化合物(III)を用いた。
化合物(II)は光学活性基の立体配置がS体(化合物
(II)−S)のとき、自発分極の極性は(+)、らせん
ピッチのねじれ方向は(LH)を示し、R体(化合物(I
I)−R)のときは逆に自発分極の極性は(−)、らせ
んピッチのねじれ方向は(RH)を示す。また化合物(II
I)は光学活性基の立体配置がS体であり、このとき自
発分極の極性が(−)、らせんピッチのねじれ方向が
(RH)を示す。
化合物(II)と化合物(III)の混合を行なったとき
の相の関係を第1図に示す。
第1図より、化合物(II)/化合物(III)=70/30の
組成にしたとき、Sc相の温度範囲が広く、アイソトロ
ピック相(等方性流動相)への転移温度も比較的低温で
あることがわかる。
一方、化合物(II)についてR体とS体との混合を行
ない、自発分極の大きさ、らせんピッチの長さの調整を
行なった。化合物(II)のR体とS体とを混合したばあ
いの混合割合と自発分極またはCh相のらせんピッチとの
関係を第2図に示す。
第2図から化合物(II)のR体/S体=40/60の組成比
において自発分極約15nC/cm2、らせんピッチ約25μm
(LH)とすることができることがわかる(以下、この化
合物(II)のR体/S体=40/60の混合物を化合物(II 40
/60ともいう)。
前記化合物(II 40/60)と化合物(III)とを混合
し、このときの混合割合と自発分極またはらせんピッチ
との関係をしらべた。結果を第3図に示す。
この系において、第1図の相の関係を示す図よりえら
れる最もSc相の温度範囲が広がる組成、すなわち化合
物(II 40/60)/化合物(III)=70/30に調整するこ
とにより、以下の特性を持った強誘電性液晶組成物をえ
た。
Ps=+9.5nC/cm2 らせんピッチ>50μm この強誘電性液晶組成物は自発分極が目標値の10nC/c
m2に近く、らせんピッチも充分に長いため、配向性が良
好で、応答速度も速かった。また、強誘電性液晶温度範
囲もかなり広く、要求特性を満足させるものであった。
実施例2 化合物(II)−Sおよび化合物(II)と同一の分子構
造を有するラセミ体(化合物(II′))の混合割合と自
発分極またはCh相のらせんピッチとの関係をしらべた。
結果を第4図に示す。
第4図に示したように、化合物(II)−S/化合物(I
I′)=40/60のとき、自発分極約+30nC/cm2、らせんピ
ッチ約40μm(LH)の組成物がえられた(以下、この化
合物(II)−Sと化合物(II′)との40/60の混合物を
化合物(II−S/II′=40/60)ともいう)。
化合物(II−S/II′=40/60)と実施例1で用いた化
合物(III)とを混合し、そのときの自発分極とCh相の
らせんピッチの組成依存性をしらべた。結果を第5図に
示す。
第5図から、第1図より求められた強誘電性液晶相を
最も広い温度範囲で示す組成(化合物(II)/化合物
(III)=70/30)にあたる組成において、自発分極約15
nC/cm2、Ch相のらせんピッチ無限大に発散という特性の
組成物がえられることがわかる。
以上のように化合物(II−S/II′=40/60)と化合物
(III)とを70/30の組成比で混合することによって、相
転移温度は実施例1で最終的にえられた強誘電性液晶組
成物とほぼ同じで、自発分極14.0nC/cm2、らせんピッチ
>50μmの強誘電性液晶組成物をうることができた。こ
の組成物は自発分極が目標値の10nC/cm2に近く、らせん
ピッチも充分に大きいため、配向性が良好で高速応答を
示し、また強誘電性液晶温度範囲も広く、要求特性を満
足するものであった。
比較例1 化合物(II)−Sおよび化合物(III)の混合割合と
自発分極またはコレステリック相(Ch相)におけるらせ
んピッチの変化との関係を第6図に示す。
ここで、化合物(II)はコレステリック相を持たない
ので、以下に示した非カイラルスメクチックC液晶組成
物(組成物(IV))に30〜80%添加してコレステリック
相を誘起させ、グラフの直線部分を化合物(II)100%
の外挿したときのコレステリックピッチの値を用いた。
非カイラルホストスメクチックC液晶組成物 化合物(II)−Sと化合物(III)とを、第1図より
えられる最もSc相の温度範囲の広がる組成比(化合物
(II)−S/化合物(III)=70/30)に調製すると、自発
分極は約+50nC/cm2、らせんピッチは約15μm(LH)と
なり(第6図)、目標値をうることはできなかった。
[発明の効果] 以上のように本発明では、同一の分子構造を有し、旋
光方向のみが異なり、互に光学異性体の関係にある強誘
電性液晶化合物同士を混合する、または強誘電性液晶化
合物とその化合物と同一の分子構造を有するが光学活性
を示さない化合物、つまりラセミ体とを混合することに
より、あらかじめ単一の分子構造を有する強誘電性液晶
化合物の自発分極の大きさ・極性、らせんピッチの長さ
・ねじれ方向の任意の値に調整し、そののち、分子構造
の異なる強誘電性液晶化合物間の混合を行なうことによ
り、分子構造の異なる強誘電性液晶化合物の混合物の自
発分極を約10nC/cm2とする組成とらせんピッチを無限大
に発散する組成とを容易に一致させることができる。こ
のため、化合物(I)で代表される強誘電性液晶化合物
の自発分極の大きさ・極性、らせんピッチの長さ・ねじ
れ方向を考慮に入れることなく分子構造の異なる強誘電
性液晶化合物間の混合を行なうことができ、混合の対象
とする強誘電性液晶化合物の選択範囲が広がる。その結
果、強誘電性液晶相を広い温度範囲で示し、らせんピッ
チが長いため配向性に優れ、さらに自発分極を最適化で
き、高速応答の可能な強誘電性液晶組成物を容易にうる
ことができる。また、強誘電性液晶化合物として一般式
(I)で表わされるエチニレン基またはエチレン基を含
み低粘度を示す化合物(I)を用いるばあいには、さら
に低粘度で、高速応答が可能な強誘電性液晶組成物を容
易にうることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1、2における化合物(II)と化合物
(III)との混合系の相の関係を示すグラフ、第2図は
本発明の実施例1における化合物(II)のS体とR体と
の混合系の自発分極とCh相らせんピッチの組成依存性を
示すグラフ、第3図は実施例1における化合物(II 40/
60)と化合物(III)との混合系の自発分極とらせんピ
ッチの組成依存性を示すグラフ、第4図は実施例2にお
ける化合物(II)のS体とラセミ体との混合系の自発分
極とらせんピッチの組成依存性を示すグラフ、第5図は
実施例2における化合物(II−S/II′=40/60)と化合
物(III)との混合系の自発分極とらせんピッチの組成
依存性を示すグラフ、第6図は比較例1における化合物
(II)−Sと化合物(III)との混合系の自発分極とら
せんピッチの組成依存性を示すグラフ、第7図は強誘電
性液晶セルの説明図、第8図は強誘電性液晶材料の模式
図である。 (図面の主要符号) (5):強誘電性液晶組成物
フロントページの続き (72)発明者 田畑 伸 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社材料研究所内 (72)発明者 加峯 茂行 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社材料研究所内 (72)発明者 増見 達生 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社材料研究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子構造の異なる強誘電性液晶化合物を混
    合して特性を調整した強誘電性液晶組成物を調製する際
    に、用いる強誘電性液晶化合物の少なくとも一種につい
    て、自発分極の大きさ・極性、らせんピッチの長さ・ね
    じれ方向の調整を行なうためにあらかじめ光学純度の調
    整を行なうことを特徴とする強誘電性液晶組成物の調製
    方法。
  2. 【請求項2】光学純度の調整が、用いる強誘電性液晶化
    合物と分子構造が同一で互いに光学異性体である強誘電
    性液晶化合物を、その混合物がラセミ体とならない比率
    で混合した特許請求の範囲第(1)項記載の調製方法。
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