JP2910791B2 - 液晶組成物 - Google Patents

液晶組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶組成物に係り、更に
詳しくは液晶ディスプレイなどに使用するのに好適な液
晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィスオートメーションの進展に伴
い、ディスプレイデバイスのフラットパネル化が望ま
れ、液晶ディスプレイ(LCD)が広く用いられるよう
になっている。従来の液晶ディスプレイは主としてラッ
プトップパーソナルコンピュータやノート型コンピュー
タ等の比較的表示容量の小さなものが多く、最も一般的
な液晶ディスプレイは 640×400 ドット (国内) 又は 6
40×480 ドット (外国) の表示容量のものである。
【0003】しかしながら、オフィスオートメーション
の進展やノート型コンピュータのハードウェア及びソフ
トウェア技術の高度化に伴い、ディスプレイデバイスに
もより高機能化、特に表示容量の拡大、応答速度の増
大、コントラスト(見やすさ)比の向上、表示画面(表
示面積)の拡大及び視角依存性の低減などが望まれてい
る。これらのうち、見やすさの向上及び応答速度の増大
については、従来の液晶ディスプレイであるスーパーツ
イステッドネマティック(STN)型表示から薄膜トラ
ンジスタを各絵素ごとに組み込むTFTアクティブマト
リクスパネルLCDにより達成できる。しかし、表示容
量及び表示面積の拡大に関しては、TFT−LCDはそ
の製造性の点で実用上困難、もしくは極めてむずかしい
状況にある。また、視角依存性の低減についても従来の
TFT−LCDでは不十分である。
【0004】これに対し、表面安定化による強誘電性液
晶(SSFLC)を用いた液晶ディスプレイは、原理的
に大容量、大面積、広視野角、高コントラスト比及び高
速応答が可能なため、その実用化が盛んに検討されてい
る。ところが、従来の強誘電性液晶は、均一な液晶分子
配向が得られず、ジグザグ状の配向欠陥(ジグザグ欠
陥)が発生するため、コントラスト比が低く、高速応答
が得られないという問題があり、また、メモリー状態が
不安定なため、大容量表示が行えないなどの実用上致命
的な問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は前記
した従来技術の問題点を解決して、高コントラスト比、
速い応答速度及び安定なメモリー特性を有する表面安定
化による強誘電性液晶表示素子に適した液晶組成物を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、式
(I),(II)及び (III):
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R1 は炭素数6〜14の直鎖アルキ
ル基、R2 は炭素数4〜8の少なくとも一つの不斉炭素
原子を含むアルキル基、R3 は炭素数6〜14の直鎖アル
キル基、R4 は炭素数4〜14の直鎖アルキル基、R5
炭素数6〜14の直鎖アルキル基、R6 は炭素数4〜8の
少なくとも一つの不斉炭素を含むアルキル基、Xはフッ
素原子又は水素原子を示し、nは0〜5である)で表わ
される液晶化合物(I),(II)及び (III)を、それぞ
れ、少なくとも一種類含んでなる液晶組成物、特に相転
移系列が等方相−スメクティックA相−カイラルスメク
ティックC相−結晶相であって、スメクティックA相を
示す温度範囲が20℃以上である液晶組成物が提供され
る。
【0011】強誘電性液晶を用いた液晶ディスプレイ
は、液晶が持つ自発分極を、外部から印加する電界によ
って反転させ、これに伴って発生する複屈折を可視化す
ることにより表示するものである。従って、基本的に2
値表示であり、双安定状態を利用したメモリー駆動型の
デバイスである。そこで、まず前提として、双安定状態
が十分安定でなければならないことが明白である。一般
に、双安定状態を安定化するには、まず、液晶分子配向
を均一にする必要がある。即ち、分子配向が均一でなけ
れば、個々の液晶分子の持つ永久双極子モーメントの向
きがそろわず、永久双極子モーメントの向きがそろわな
いと、液晶全体としての自発分極が小さくなってしまう
のみならず、外部から電界を印加する際、各分子によっ
て動く方向がまちまちとなってしまうため、高いコント
ラスト比の見やすい表示が得られなくなる。特に、従来
の強誘電性液晶は、ジグザグ欠陥が発生し、この欠陥の
まわりの液晶分子は分極反転時に位相をそろえて反転で
きないため、低コントラス比及び応答速度の低下などの
現象を招き、液晶ディスプレイとして実用化できなかっ
たのである。
【0012】従って、強誘電性液晶を実用的な液晶ディ
スプレイとするためには、ジグザグ欠陥を発生しない、
均一な分子配向を可能とする液晶材料の開発が必要であ
る。本発明者らは、かかる観点から検討した結果、一般
に、液晶材料の相転移系列が等方相(I)−スメクティ
ックA相(SA ) −カイラルスメクティックC相(S C
* ) であり、かつ、SA 相の温度範囲が20℃以上と広い
時、強誘電体相であるSC * 相の分子配向が均一になる
ことを見出した。SA 相の温度範囲とSC * 相の分子配
向の関係については、まだ十分に解明されていないが、
A −SC * 相転移に伴うエンタルピー変化がSC *
の分子配向に関与しているものと想定する。
【0013】トラン系液晶として本発明の効果がある液
晶の具体例は、前記一般式(I)及び(II)の化合物で
ある。一般式(I)及び(II)で示されるトラン系液晶
及び前記一般式 (III)で示されるエステル系液晶を、そ
れぞれ、例えば以下の表1及び表3−1〜3−3に示す
ような組成で混合して用いることにより、表2に示した
ような従来の液晶では得られない優れた電気−光学特性
を示す液晶組成物を得ることができる。
【0014】式 (I), (II) 及び (III)の化合物の混合
組成比としては、好ましくは、一般式(I)で示される
光学活性なトラン系液晶を、組成物全体に対して25〜90
重量%、より好ましくは35〜75重量%、一般式(II)で
示される光学不活性なトラン系液晶を5〜70重量%、よ
り好ましくは15〜30重量%、また一般式 (III)で示され
るエステル系液晶を5〜40重量%、より好ましくは10〜
30重量%配合するのが有効である。
【0015】
【作用】前記想定に基づき、本発明者らは、種々の強誘
電性液晶について検討した結果、前記式(I)で示され
るトラン系液晶を主成分とする液晶混合物はI−SA
C * −Cr の相転移系列を示し、また、SA 相の温度
範囲も20℃以上と広いことを見出した。この液晶材料を
用いて液晶ディスプレイを作製し、分子配向を観測した
結果、ジグザグ欠陥のないきれいな均一配向が得られる
ことを見出した。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明を以下の実施例に限定するものでないこと
はいうまでもない。
【0017】直径20mmの丸ベタ透明電極を設けた50×60
× 1.1(厚)mmのガラス基板に、スピンコーターを用い
て3重量%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液を 2
500rpmで塗布した後、 150℃で2時間焼成した。この基
板を2枚用い、一方の基板の表面に平均粒径 1.8μm の
シリカビーズをフレオンに分散した溶液をスプレー法に
より塗布し、スペーサ材を分散させた。この後、2枚の
基板をシリカビーズをスペーサとして貼り合わせた。な
お、この基板表面上のPVAは貼り合せ前、予め互いに
逆平行となるようにラビングを3回行った。このパネル
の中に、表1に示すトラン系液晶を主成分とする混合強
誘電性液晶を注入し、一度I相にした後、2℃/分の割
合で降温し室温とした。
【0018】
【表1】
【0019】この液晶パネルについて、偏光顕微鏡を用
いて分子配向状態を観測した結果、ジグザグ欠陥をはじ
めとする欠陥が何もない均一な配向が得られた。次に、
この液晶パネルの電気−光学応答特性を測定するため
に、波高値15V、パルス幅 300μs の双極性パルスを印
加した。なお、+15Vと−15Vのパルスの間隔は 0.5s
とした。15Vのパルス電圧印加に対し、この液晶パネル
は透過率変化10〜90%に要する時間、即ち応答時間が5
1.0μs であり、電圧印加時 (パルス電圧印加時)と電圧
無印加時の透過率比は35:1であった。また、パルス電
圧印加後 0.5s後のメモリー状態での透過率比(図1参
照)は30:1であった。これらの特性値を、従来、最も
一般的に用いられている強誘電性液晶である式(IV):
【0020】
【化7】
【0021】フェニルピリミジン系混合液晶パネルと比
較した結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2脚注 応答時コントラスト比 パルス電圧印加時の透過
率/電圧無印加時(印加前)の透過率 メモリー時コントラスト比 電圧印加後 0.5s後の透
過率/電圧無印加時(印加前)の透過率 応答時間 透過率10〜90%変化に要
する時間 印加電圧 波高値15V、パルス幅 300μs ジグザグ欠陥の有無 偏光顕微鏡観察 メモリー安定性 電圧印加後のメモリー状
態の再現性 再現性ある場合 メモリーは安定 ない場合 メモリーは不安定 SA 相温度範囲 等方相まで昇温後2℃/
分の割合で降温した時のSA 相温度範囲 偏光顕微鏡及びDSCによる測定
【0024】表2で明らかなように、本発明のトラン系
液晶を主成分とする混合液晶組成物を用いた液晶ディス
プレイは、従来の液晶に比べ、高コントラスト比、高速
応答及びメモリー状態での高コントラスト比が得られ
る。特に、メモリー状態での高コントラスト比は、双安
定性がより高く安定であることを意味しており、メモリ
ー駆動を行う強誘電性液晶の液晶ディスプレイ(SSF
LC−LCD)にとっては極めて本質的な特性である。
【0025】一方、前記したような優れた特性を示す液
晶ディスプレイの液晶材料としての特性を調べた結果、
本発明に係る液晶混合組成物は、相転移系列がI−SA
−S C * −Cr であり、かつSA 相を示す温度範囲が78
℃から50.5℃と、27.5℃にわたる広いものであることが
わかる。これに対し、従来の強誘電性液晶は、一般に相
転移系列がI−N* −SA −SC * −Cr であって、か
つSA 相温度範囲は高々10℃で、ほとんどの場合5℃程
度と狭い。なお、ここでN* はコレステリック相を示
す。以上の測定を表3−1、3−2及び3−3に示す他
のトラン系液晶組成物についても同様に行った。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】それぞれ結果は、表2に示すように、従来
の液晶に比べ明らかに優れた電気−光学応答特性を示
す。
【0030】次に比較例として前記式(I)〜 (III)の
いずれか一成分が欠けた下記表4−1及び表4−2に示
す液晶組成物E及びFについて上記測定を行った。
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】組成物E及びFの結果はいずれもSC *
を示さず二成分系のみではSC * 相が発現しないことを
確認した。従ってSC * 相を得るためにも本発明の三成
分系が必須であることは明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明に従った式 (I), (II) 及び (II
I)の化合物を主成分とする液晶組成物を用いることによ
り、従来の液晶組成物では、ジグザグ欠陥等の配向欠陥
を伴うために、低コントラスト化、遅い応答及び不安定
なメモリー特性しか得られなかった、表面安定化による
強誘電性液晶表示素子を、高コントラスト化(従来の4
倍以上)、速い応答及び安定なメモリー特性とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の液晶組成物(組成A)の液晶
パネルの電気−光学応答特性の測定のためのグラフ図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 19/42 C09K 19/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I),(II)及び (III): 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、R1 は炭素数6〜14の直鎖アルキル基、R2
    炭素数4〜8の少なくとも一つの不斉炭素原子を含むア
    ルキル基、R3 は炭素数6〜14の直鎖アルキル基、R4
    は炭素数4〜14の直鎖アルキル基、R5 は炭素数6〜14
    の直鎖アルキル基、R6 は炭素数4〜8の少なくとも一
    つの不斉炭素を含むアルキル基、Xはフッ素原子又は水
    素原子を示し、nは0〜5である)で表わされる液晶化
    合物(I),(II)及び (III)を、それぞれ、少なくとも
    一種類含んでなる液晶組成物。
  2. 【請求項2】 相転移系列が等方相−スメクティックA
    相−カイラルスメクティックC相であって、スメクティ
    ックA相を示す温度範囲が20℃以上である請求項1記載
    の液晶組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103184053A (zh) * 2011-12-29 2013-07-03 苏州汉朗光电有限公司 高散射态近晶相液晶材料及其显示器件

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103184053A (zh) * 2011-12-29 2013-07-03 苏州汉朗光电有限公司 高散射态近晶相液晶材料及其显示器件
CN103184053B (zh) * 2011-12-29 2015-03-11 苏州汉朗光电有限公司 高散射态近晶相液晶材料及其显示器件

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