JP2623930B2 - 車両の水平面挙動制御装置 - Google Patents

車両の水平面挙動制御装置

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JP2623930B2 JP2182806A JP18280690A JP2623930B2 JP 2623930 B2 JP2623930 B2 JP 2623930B2 JP 2182806 A JP2182806 A JP 2182806A JP 18280690 A JP18280690 A JP 18280690A JP 2623930 B2 JP2623930 B2 JP 2623930B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両の特性変化や外乱があってもこれらに
左右されることなく車両水平面運動を狙い通りのものに
する挙動制御装置に関するものである。
(従来の技術) この種車両の水平面挙動制御装置として本願出願人は
先に特願平2−115272号等により、運転状態から当然得
られるべき車両水平面運動を推定し、これと実測の車両
水平面運動との偏差を求め、この偏差をなくすよう前輪
又は後輪を補助操舵する技術を提案済である。
又その他の挙動制御装置としては、制動中の操舵時左
右輪間に制動力差を与えて、上記の車両水平面運動偏差
をなくすようにした技術をも本願出願人は提案中であ
る。
(発明が解決しようとする課題) しかし、かかるフィードバック制御系において上記の
偏差をデジタル演算する場合、フィードバックすべき実
測の車両水平面運動に対応したアナログ信号をデジタル
信号に変換するA/D変換器が必要で、又その前段に高周
波ノイズを除去するアナログ式のローパスフィルタを設
けるのが一般的である。
このローパスフィルタはカットオフ周波数を、上記A/
D変換器のサンプリング周期に応じ決定され、カットオ
フ周波数を或る程度を越えて低くせざるおえない場合、
車両水平面挙動制御の性能及び安定性に少なからず悪影
響が及ぶ。
第5図は、前記先願の技術により後輪を補助操舵する
挙動制御装置を搭載した車両に、同図(a)の如くステ
ップ状の操舵角θ(主操舵量)を与えた時のシミュレー
ション図で、このシミュレーションは前記の高周波ノイ
ズがない状態で行ったものである。このように高周波ノ
イズがない場合、これを除去する前記ローパスフィルタ
は不要であり、このローパスフィルタを省略した場合同
図(b)にY1で示す如くに後輪舵角目標値δが求めら
れてヨーレート を同図(c)にY2で示す如くほぼ運転者が規範モデルに
より与えた通りのものにし、規範モデルとのヨーレート
偏差eが同図(d)にY3で示す如くに小さくなる。
しかして、ローパスフィルタを設置した場合第5図
(b)にZ1で示す如く後輪舵角目標値δがハンチング
を生じ、ヨーレート も同図(c)にZ2で示す如く規範モデルで狙った通りの
ものからずれて両者間の偏差eが同図(d)にZ3で示す
如くに大きくなり、水平面挙動制御の性能及び安定性を
悪化させる。かと言って、実際には、前記の高周波ノイ
ズが不可避であり、これを除去するためのローパスフィ
ルタを省略することができず、上述の問題を生ずる。
本発明はローパスフィルタはそのままにして上述の問
題を解消することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この目的のための本発明は、制御入力に応動して車両
のヨーイング運動又は横運動を制御するアクチュエータ
と、ステアリングホイールによる主操舵量を検出する主
操舵量検出手段と、この主操舵量及び前記制御入力から
車両固有の主操舵量に対する車両のヨーイング運動又は
横運動の発生具合を表す伝達特性と、制御入力に対する
車両のヨーイング運動又は横運動の発生具合を表す伝達
特性とに基づき、車両のヨーイング運動又は横運動をデ
ジタル処理により推定する車両のヨーイング運動又は横
運動推定手段と、車両の実際のヨーイング運動又は横運
動をアナログ信号として検出する車両のヨーイング運動
又は横運動検出手段と、このアナログ信号に含まれる高
周波ノイズ成分を除去するアナログ式ローパスフィルタ
と、該ローパスフィルタからの信号をデジタル信号に変
換するA/D変換器と、該A/D変換器からの信号及び前記車
両のヨーイング運動又は横運動推定手段からの信号間に
おける差から車両のヨーイング運動又は横運動の偏差を
求めるヨーイング運動又は横運動偏差演算手段と、この
偏差をなくすための制御入力を演算して前記アクチュエ
ータに指令する制御入力演算手段とを具えた車両のヨー
イング運動又は横運動制御装置において、前記車両のヨ
ーイング運動又は横運動推定手段から前記ヨーイング運
動又は横運動偏差演算手段への車両のヨーイング運動又
は横運動推定信号をフィルタ処理するデジタルフィルタ
を設けたものである。
(作 用) アクチュエータは以下の如くに決定された制御入力に
応動して車両の水平面挙動を制御する。
即ち、車両のヨーイング運動又は横運動推定手段は主
操舵量検出手段が検出したステアリングホイールによる
主操舵量及び情報アクチュエータへの制御入力から、車
両固有の主操舵量に対する車両のヨーイング運動又は横
運動の発生具合を表す伝達特性と、制御入力に対する車
両のヨーイング運動又は横運動の発生具合を表す伝達特
性とに基づき、当然得られるべき車両のヨーイング運動
又は横運動をデジタル処理により推定する。デジタルフ
ィルタは、この車両のヨーイング運動又は横運動の推定
値をフィルタ処理してヨーイング運動又は横運動偏差演
算手段に供給する。一方、車両のヨーイング運動又は横
運動検出手段は車両のヨーイング運動又は横運動をアナ
ログ信号として検出し、アナログ式ローパスフィルタは
この信号から高周波ノイズを除去し、A/D変換器はその
後における信号をデジタル信号に変換してヨーイング運
動又は横運動偏差演算手段に供給する。このヨーイング
運動又は横運動偏差演算手段は、上記デジタルフィルタ
により処理された後の車両のヨーイング運動又は横運動
の推定値、及び上記A/D変換器によりデジタル信号に変
換された後の車両のヨーイング運動又は横運動検出値と
の偏差を求め、制御入力演算手段はこの車両のヨーイン
グ運動又は横運動偏差をなくすよう前記の制御入力を演
算して前記アクチュエータに指令する。
よって、車両はヨーイング運動又は横運動を特性変化
や外乱があってもこれらに左右されることなく狙い通り
のものとなすよう制御される。ところで、車両のヨーイ
ング運動又は横運動のフィードバック系に高周波ノイズ
除去用のローパスフィルタが不可欠であるといえども、
車両のヨーイング運動又は横運動推定値もデジタルフィ
ルタによりフィルタ処理するため、ローパスフィルタと
デジタルフィルタのフィルタ特性を例えば同様のものと
する等してローパスフィルタによる車両のヨーイング運
動又は横運動制御の性能低下やハンチングの発生を防止
することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基き詳細に説明する。
第1図乃至第3図は本発明補助操舵装置の一実施例
で、第1図はハードウェア構成図、第2図は伝達特性モ
デル図、第3図はコントローラの制御プログラムを夫々
示す。
先ず第1図のハードウェアを説明するに、1はステア
リングホイール、2はステアリングギヤ、3は車両を示
し、車両3はステアリングホイール1の操舵角に応じス
テアリングギヤ2を介して前輪を主操舵されるものとす
る。そしてこの車両は後輪をアクチュエータ4により補
助操舵することとし、後輪補助舵角δ(制御入力)を
コントローラ5により制御する。コントローラ5はマイ
クロコンピュータを可とする後輪補助舵角演算回路5a
と、アクチュエータ駆動回路5bと、回路5aから回路5bへ
の信号をアナログ信号に変換するD/A変換器5cとを具
え、後輪舵角演算回路5aはステアリングホイール1の操
舵角θをパレス信号(デジタル信号)として検出する操
舵角センサ(主操舵量検出手段)6からの信号、車速V
を同じくデジタル信号として検出する車速センサ7から
の信号、及び車両のヨーレート をアナログ信号(電圧)として検出するヨーレートセン
サ(車両水平挙動検出手段)8からの信号をそれぞれ入
力される。しかして、ヨーレートセンサ8からの信号は
アナログ信号故にこれをデジタル信号に変換するA/D変
換器5dを必要とし、又、その前段に高周波ノイズを除去
するアナログ式ローパスフィルタ5eを必要とし、これら
をコントローラ5に付加する。後輪補助舵角演算回路5
はこれら入力情報θ,V, を基に目標後輪舵角δを演算し、対応する信号をアナ
ログ信号に変換するA/D変換器5cからの信号を受けて駆
動回路5bはこの目標後輪舵角δが生ずるようアクチュ
エータ4をストロークさせる。
次に第2図の伝達特性モデルを説明するに、車両3は
自車の操舵角−ヨーレート 伝達特性GF及び後輪実舵角−ヨーレート 伝達特性GRにより決まる操舵角θ及び後輪舵角δRrに応
じたヨーレートの和値に相当するヨーレート を生ずるが、このヨーレート は伝達特性GF,GRの変化、及び横風や、路面の凹凸等の
外乱dによって変化する。ここで瞬時(t)毎における
車両全体の動的なヨーレート伝達特性は で表わされ、式中Sは微分演算子、Vは車速で、これら
の関数としてGF,GRは決まる。
そして、車両3に後輪舵角δRrを与えるアクチュエー
タ4を含む後輪補助舵角制御系9では、車両水平挙動
(ヨーレート)推定手段10において車両固有の操舵角−
ヨーレート伝達特性GF3及び制御舵角制御入力(δ
−ヨーレート伝達特性GR3を用い、操舵角θ及び後輪舵
角制御入力δに応じた目標ヨーレートを夫々に求め、
これらの和値を車両全体の目標とすべきヨーレート推定
とする。この は前記(1)式に照らして と表すことができる。なお、以後(S,V)と、動特性で
あることを示す(t)とを簡便のためと省略して記述す
る。
一方、ヨーレートセンサ8(第1図参照)で検出され
たヨーレートの信号はローパスフィルタ5eにおいてその
動特性FAにより高周波ノイズを除去されてヨーイング運
動又は横運動偏差演算手段としてのヨーレート偏差演算
手段11に供給される。ここでローパスフィルタ特性FA
ついて考察するに、ヨーレート検出信号(フィードバッ
ク信号)のサンプリング周期を5msecとすると、検出可
能な周波数はサンプリングの定理より100kHz以下とな
る。FAを2次のローパスフィルタで構成し、100Hzにお
いて20dB減衰させるとすると、ローパスフィルタのカッ
トオフ周波数は30Hzに設定する必要があることから、FA
を次式の特性で与えるのが良い。
他方、前記のヨーレート推定値 もヨーレート偏差演算手段11に供給するが、これに先立
ちヨーレート推定値信号をデジタルフィルタ12によりフ
ィルタ処理する。ここでデジタルフィルタ12の動特性を
考察するに、ローパスフィルタ5eの動特性FAが前式によ
り表されるようなものである場合、Z=eST(Zはシフ
トオペレータ、Tはサンプリング周期)になるS−Z変
換を用いると、デジタルフィルタ12のパルス伝達関数FD
(Z)は で与えるのが良い。この場合、サンプリング周期T秒毎
のデジタルフィルタ出力 で表される。
ヨーレート偏差演算手段11は両フィルタ5e,12を通過
した実測ヨーレート信号と推定ヨーレート信号との偏差
eを求める。
第2制御入力演算手段としての第2後輪舵角演算部13
では、ヨーレート偏差 から、車両固有の後輪舵角制御入力−ヨーレート伝達特
性GR3の逆系1/GR3と、分母次数及び分子次数間の差をモ
デルシステムの出力のそれと同じか、若しくは分母次数
の方が大きくなるようにするための伝達特性(フィル
タ)Fとに基づき、第2後輪舵角δR2により決定する。なお上記フィルタ特性Fについては、
車両の特性をよく知られたヨー及び横移動の平面2自由
度線形近似モデルを用いて数式化した場合、GR3が1次/
2次となるので純微分を必要としない制御系を組むため
に、フィルター特性Fを (τ:時定数) のように与える。
第1制御入力演算手段としての第1後輪舵角演算手段
14はフィードフォワード補償を行うための第1後輪舵角
δR1を決定するもので、例えば計測自動制御学会論文集
Vol.23,No.8「四輪操舵車の新しい制御法」中「3.1ヨー
レートのモデル適合制御」に記載された制御を行って第
1後輪舵角δR1を求める。即ち、操舵角θに対しいかな
るヨーレートを生じさせたいかを規定した設計者が任意
に与え得る規範モデルGMを基に操舵角θに対応した第1
後輪舵角δR1により求める。制御入力演算手段としての後輪舵角演算
手段15はこの第1後輪舵角δR1と上記第2後輪舵角δR2
との和値を後輪舵角制御入力δとしてアクチュエータ
4に入力し、アクチュエータ4はその伝達関数GAに応じ
た後輪舵角γRr=GA・δを車両3に与える。
第2図のように後輪操舵制御系を構成した場合、操舵
角θと後輪舵角δRrを入力とした車両のヨーレート伝達
特性は、便宜上δRr=δ(即ちGA=1)とした場合、 (1)式に対応して であり、又(2)式に対応して である。従って、 となる。更に規範モデルGMに応じた操舵角θに対する所
望のヨーレート応答 特性は で表される。なお、ここでも以後(S,V)と(t)とを
簡便のため省略して記述する。
一方、後輪舵角制御入力δであり、これに(5)式を代入して整理すると である。この式(3)式に代入して整理すると、 になる。ここでGF,GRが夫々目標特性GF3,GR3に対しΔ
GF,ΔGRだけずれてGF=GF3+ΔGF、GR=GR3+ΔGRとな
り、フィルタ特性がΔF=1−Fだけずれたとすると、
(9)式は次のように書き直される。
この式から明らかなように、本例の構成を適用する場
合、以下の作用効果が得られる。
(1)パラメータ変動時の効果(d=0と仮定) (10)式中右辺第1項から、ΔFが小さくてFが1に
近ければ がGMθとなり、パラメータGF,GRに関係がなくなるた
め、これらパラメータの変動によっても がその影響を受けることがなく、常に規範モデルGMで規
定する狙い通りの安定した操縦性能を何等のチューニン
グも要せずに達成することができる。
(2)外乱抑止効果(θ=0と仮定) (10)式中右辺第2項から、ΔGF=0(GF=GF3)、
ΔGR=0(GR=GR3)であれば となり、ここでΔFが十分小さければ、外乱dの影響を
ほとんどなくすことができ、外乱dによって操縦性能が
狙ったものからずれるのを防止することができる。又、
ΔGF≠0、ΔGR≠0でもΔFが小さければ を0に近付けることができ、同様の作用効果を奏し得
る。
次に第1図及び第2図のコントローラ5が実行する具
体的な後輪舵角制御プログラムを第3図により説明する
に、これは一定時間T毎に割り込み処理され、先ずロー
パスフィルタ5aのヨーレート実測値 をA/D変換して読み込む。なお、操舵角θ及び車速Vは
別のバックグランドルーチンで読み込む。次に第1後輪
舵角演算部14での処理に対応する処理を行うため、規範
モデルGM(時定数τの一次遅れ系に基づき操舵角θに
対応した狙いとするヨード角加速度 を求めると共に、 を求める。この積分に当たっては で近似させる。
次に、よく知られた車両の運動方程式に基づき以下の
如く第1後輪舵角δR1を演算する。即ち、後述の如くに
求めた前回の横加速度y1の積分(Vy1=Vy1+T・y1
により近似させる)により横速度Vy1を求め、これと、
前輪・重心間距離LFと、車速Vとから前輪横すべり角β
F1により求め、これと、前輪等価コーナリングパワーeKF
とから前輪コーナリングフォースCF1を次式により演算
する。
CF1=eKF・βF1 これらは前輪が補正分でどれだけのコーナリングフォ
ースを生じさせているかを推定するもので、かかる前輪
コーナリングフォースが出ている時に、前記の前記目標
ヨー角加速度 を出すために必要な後輪コーナリングフォースCR1 により演算する。そして、以後逆演算によりこのコーナ
リングフォースCR1を得るための後輪横すべり角βR1を βR1=CR1/KR (KR:後輪タイヤコーナリングパワー) により求め、このすべり角βR1を基に第1後輪舵角δR1
を次式により演算する。
次いで、次回に前記の通りに使用する横加速度y1により求める。
次に、第2図中車両水平挙動推定手段10での演算の一
部分10−1として、推定ヨーレート 及び推定横速度Vy3を夫々後述の如くに求めた前回の推
定ヨー角加速度 及び推定横加速度y3の積分により求める。なお、デジ
タル演算の場合、積分が不可能故に Vy3=Vy3+T・y3 で近似させる。
その後、デジタルフィルタ12に相当する処理により推
定ヨーレート のフィルタリングを以下により行う。即ち、今回のヨー
レート推定値 にセットし、又現在の にセットすると共に、現にセットしているデジタルフィ
ルタ処理値 を夫々 にセットし、これらセット値をもとに前記した式 により推定ヨーレート のデジタルフィルタ出力値 にセットする。
第3図中次のステップでは、第2図中第2後輪舵角演
算部13に相当する演算処理を行うが、それに先立ち上記
の如くに求めたヨーレート推定値 と実測ヨーレート を求める。そして、このヨーレート偏差eに対するフィ
ルタ処理を =(e−ef)/τ により行って、前記したフィルタFにおける に相当する演算を行う。
次によく知られた車両の運動方程式に基づき以下の通
りにして第2後輪舵角δR2を演算する。即ち、後述の如
くに求めた前回の横加速度y2の積分により横速度Vy2
を求め、これと、前輪・重心間距離LFと、上記efと、車
速Vとから前輪横すべり角βF2を βF2=−(Vy2+LF・ef)/V により求め、これと、前輪等価コーナリングパワーeKF
とから前輪コーナリングフォースCF2を次式により演算
する。
CF2=eKF・βF2 これらは前輪が補正分でどれだけのコーナリングフォ
ースを生じさせているかを推定するもので、かかる前輪
のコーナリングフォースが出ている時に、前記の
出すために必要な後輪コーナリングフォースCR2を CR2=(LF・CF2−Izf/2)/LR により演算する。そして、以後逆演算によりこのコーナ
リングフォースCR2を得るための後輪横すべり角βR2を βR2=CR2/KR (KR:後輪タイヤコーナリングパワー) により求め、この横すべり角βR2を基に第2後輪舵角δ
R2を次式により演算する。
δR2=βR2+(Vy2−LR・ef)/V 次いで、次回に前記の通りに使用する横加速度y2y2 =(2CF2+2CR2)/M−V・ef (M:車両質量) により求める。
そして目標後輪舵角演算手段15での処理δ=δR1
δR2により目標後輪舵角δを演算する。
次いで、第2図中車両水平挙動推定手段10での演算の
残部10−2として、次回車両水平挙動推定手段10−1で
の演算に使用する推定ヨー角加速度 及び目標横速度y3を求める。つまり、前輪の目標(推
定)横すべり角βF3、及び後輪の目標(推定)横滑り角
βR3 により求め、これらを基に目標(推定)前輪コーナリン
グフォースCF3及び後輪コーナリングフォースCR3を夫々 CF3=eKF+βF3 CR3=KR・βR3 により演算する。そして最終的に、次回推定手段10−1
で使用する目標ヨー角加速度 及び目標横速度y3を夫々 により演算しておく。
次のステップでは以上の如くに演算した目標後輪舵角
δを第1図及び第2図におけるアクチュエータ4に出
力し、このアクチュエータにより後輪を演算舵角に向け
補助操舵する。
かかる補助操舵によれば、前記(10)式により証明し
た通り、パラメータCF,CRの変動によってもヨーレート がその影響を受けることがなく、常に規範モデルGMで与
えた通りの操縦性能を何等のチューニングも要せずに安
定して達成することができ、又、外乱によっても操縦性
能が狙ったものからずれることがなく、外乱抑止効果を
達成することができる。
そして、第1図及び第2図に示す如く実測ヨーレート のフィードバック系にローパスフィルタ5eが不可欠でそ
の動特性FAが本来なら第5図につき前述した通り水平面
挙動制御に悪影響を及ぼすところながら、デジタルフィ
ルタ12の設置によりヨーレート推定値 をフィルタ処理するようになしたため、その動特性FD
例えば前述したようにローパスフィルタ5eの動特性FA
同様のものとすることで、FAによる悪影響を排除するこ
とができる。即ち、第4図は同図(a)の如くにステッ
プ状の操舵角θを与えた時のシミュレーション図であ
る。前記した先願の技術によればローパスフィルタ5e
動特性による悪影響で後輪舵角目標値δ、ヨーレート 及び規範モデルGMとのヨーレート偏差eが同図(b),
(c),(d)にW1,W2,W3で示す如くなる。これに対し
本例の如くデジタルフィルタ12を付加する場合、後輪舵
角目標値δが同図(b)にX1で示す如くハンチングを
小さくされ、ヨーレート も同図(c)にX2で示す如くほぼ規範モデルで狙ったも
のとなって、両者間の偏差eを同図(d)にX3で示す如
くに小さくすることができる。
なお図示例では、フィードバック制御により後輪を補
助操舵する装置に対して本発明の着想を適用したが、前
輪の補助操舵や、左右制動力差により車両の水平面運動
をフィードバック制御する装置に対しても本発明の着想
は同様に適用することができる。又制御すべき水平面運
動は図示例のヨーレートに限らず、横速度や、これらの
組合わせであってもよいことは言うまでもない。
(発明の効果) かくして本発明車両水平面挙動制御装置は上述の如
く、ヨーイング運動又は横運動フィードバック系に高周
波ノイズ除去用のローパスフィルタが存在する場合、こ
れに対応させてヨーイング運動又は横運動推定系にデジ
タルフィルタを設ける構成としたから、ローパスフィル
タの動特性による影響をデジタルフィルタの動特性によ
り減ずることができ、制御の精度及び安定性を向上させ
得る。
なお、請求項2の如くデジタルフィルタの動特性をロ
ーパスフィルタのそれに一致させれば、上記の作用効果
が一層顕著となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による車両水平面挙動制御装置の一実施
例を示すハードウェア構成図、 第2図は同例における伝達特性モデル図、 第3図は同例の制御プログラムを示すフローチャート、 第4図は同例の動作特性を示すシミュレーション図、 第5図は従来装置の動作特性を示すシミュレーション図
である。 1……ステアリングホイール 2……ステアリングギヤ 3……車両 4……後輪操舵アクチュエータ 5……コントローラ 5a……後輪補助舵角演算回路 5b……駆動回路、5c……D/A変換器 5d……A/D変換器、5e……ローパスフィルタ 6……操舵角センサ(主操舵量検出手段) 7……車速センサ 8……ヨーレートセンサ(車両水平挙動検出手段) 10……車両水平挙動推定手段 11……ヨーレート偏差演算手段(挙動偏差演算手段) 12……デジタルフィルタ 13……第2後輪舵角演算部(第2制御入力演算部) 14……第1後輪舵角演算部(第1制御入力演算部) 15……後輪舵角演算手段(制御入力演算手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御入力に応動して車両のヨーイング運動
    又は横運動を制御するアクチュエータと、 ステアリングホイールによる主操舵量を検出する主操舵
    量検出手段と、 この主操舵量及び前記制御入力から車両固有の主操舵量
    に対する車両のヨーイング運動又は横運動の発生具合を
    表す伝達特性と、制御入力に対する車両のヨーイング運
    動又は横運動の発生具合を表す伝達特性とに基づき、車
    両のヨーイング運動又は横運動をデジタル処理により推
    定する車両のヨーイング運動又は横運動推定手段と、 車両の実際のヨーイング運動又は横運動をアナログ信号
    として検出する車両のヨーイング運動又は横運動検出手
    段と、 このアナログ信号に含まれる高周波ノイズ成分を除去す
    るアナログ式ローパスフィルタと、 該ローパスフィルタからの信号をデジタル信号に変換す
    るA/D変換器と、 該A/D変換器からの信号及び前記車両のヨーイング運動
    又は横運動推定手段からの信号間における差から車両の
    ヨーイング運動又は横運動の偏差を求めるヨーイング運
    動又は横運動偏差演算手段と、 この偏差をなくすための制御入力を演算して前記アクチ
    ュエータに指令する制御入力演算手段とを具えた車両の
    水平面挙動制御装置において、 前記車両のヨーイング運動又は横運動推定手段から前記
    ヨーイング運動又は横運動偏差演算手段への車両のヨー
    イング運動又は横運動推定信号をフィルタ処理するデジ
    タルフィルタを設けたことを特徴とする車両の水平面挙
    動制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記デジタルフィルタ
    は前記アナログ式ローパスフィルタと同様のフィルタ特
    性を持つように構成した車両の水平面挙動制御装置。
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