JP2623756B2 - ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン化合物 - Google Patents

ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン化合物

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JP2623756B2
JP2623756B2 JP63221015A JP22101588A JP2623756B2 JP 2623756 B2 JP2623756 B2 JP 2623756B2 JP 63221015 A JP63221015 A JP 63221015A JP 22101588 A JP22101588 A JP 22101588A JP 2623756 B2 JP2623756 B2 JP 2623756B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗不安薬などの医薬として有用なベンゾチエ
ピノ〔5,4−c〕ピリダジン化合物に関する。
〔従来の技術〕
現在、神経症、うつ病や各種疾患における不安、緊張
などの疾病を改善、治療するための抗不安薬としてジア
ゼパムなどのベンゾジアゼピン係化合物が用いられてい
る。しかしながら、このベンゾジアゼピン化合物はさら
に、鎮静作用、筋弛緩作用、抗痙攣作用、アルコール増
強作用、麻酔増強作用などの薬理作用を有することか
ら、眠気、ふらつき、注意力・集中力・反射運動能力な
どの低下などが副作用として問題になることが多い。
このことから近年これら副作用が弱いか、またはな
い、より選択的な抗不安薬の開発が進んでいる。
このような抗不安薬の研究において、脳内ベンゾジア
ゼピン受容体に親和性を示す非ベンゾジアゼピン系化合
物(特開昭61−40285号など)が提供されてきている
が、依然として作用の選択性が不十分であるとか、安全
性が低いなどの解決すべき課題がある。
ところで、縮合ピリダジン化合物が種々の薬理作用を
有していることは公知である。特に国際出願WO86/01506
には抗不安作用を有する9−クロロ−2−フェニル−4,
4a,5,6−テトラヒドロベンゾ〔h〕シンノリン−3(2
H)−オンなどの化合物が、ヨーロッパ特許出願公開第1
24314号明細書および米国特許第4,602,019号明細書には
強心作用および抗高血圧作用を有する2,4,4a,5−テトラ
ヒドロ−7−(1H−イミダゾール−1−イル)−3H−イ
ンデノ〔1,2−c〕ピリダジン−3−オンなどの化合物
が、またヨーロッパ特許出願公開第169443号明細書およ
び米国特許第4,692,447号明細書には降圧作用、血管拡
張作用、抗凝集作用、抗血栓作用および細胞防御作用を
有する8−アミノ−2−n−ブチル−2,4,4a,5,6,7−ヘ
キサヒドロ−3H−ベンゾ〔6,7〕シクロヘプテン〔1,2−
c〕−ピリダジン−3−オンなどの化合物が開示されて
いる。
さらに、国際出願WO87/04162には抗不安作用を有する
2−(4−クロロフェニル)−2,3,4,4a−テトラヒドロ
−5H−(1)ベンゾチオピラノ〔4,3−c〕ピリダジン
−3−オンなどの化合物が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは選択的かつ安全性の高い非ベンゾジアゼ
ピン系抗不安薬を開発することを目的として、鋭意研究
を続けてきた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らの研究により、選択的で、かつすぐれた抗
不安作用を有し、さらに低毒性のベンゾチエピノ〔5,4
−c〕ピリダジン化合物を見出すに至った。
本発明は一般式 〔式中、R1,R2は同一または異なって水素、ハロゲン、
トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シ
アノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシまたはC2-5アルカ
ノイルアミノを、R3は水素、C1-8アルキル、ヒドロキシ
−C1-4アルキル、C2-5アルカノイルオキシ−C1-4アルキ
ル、アリール、アリール−C1-4アルキル、ヘテロアリー
ルまたは芳香環上にハロゲン、トリフルオロメチル、ヒ
ドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-4アルキル、C
1-4アルコキシおよびC2-5アルカノイルアミノから選ば
れる置換基を1〜3個有するアリール、アリール−C1-4
アルキルもしくはヘテロアリールを、R4は水素またはハ
ロゲンを、R5,R6は同一または異なって水素、ハロゲ
ン、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、アシ
ルオキシを示す(ただし、R5、R6は同時に水素ではな
い)か、R5は5位の炭素原子と、R6は6位の炭素原子と
ともに二重結合を形成する酸素原子を示すか、あるいは
R5,R6は酸素原子を介して結合し、エポキシを形成し、
nは0,1または2を、 で表わされる結合は単結合または二重結合を示す。〕 で表わされるベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン化
合物に関する。
一般式(I)の記号を定義により説明すると、ハロゲ
ンとはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を、C1-4アルキルと
はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
イソブチル、第3級ブチルなどを、C1-4アルコキシとは
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、イソブトキシ、第3級ブトキシなどを、C2-5
ルカノイルアミノとはアセチルアミノ、プロピオニルア
ミノ、ブチリルアミノ、ピバロイルアミノなどを、ヒド
ロキシ−C1-4アルキルとはヒドロキシメチル、ヒドロキ
シエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなど
を、C2-5アルカノイルオキシ−C1-4アルキルとはアセト
キシメチル、アセトキシエチル、アセトキシプロピル、
アセトキシブチル、プロピオニルオキシメチル、プロピ
オニルオキシエチル、プロピオニルオキシプロピル、プ
ロピオニルオキシブチルなどを、C1-8アルキルとは直鎖
または分枝鎖状で、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、2−エチルヘキシルなどを、アリール−
C1-4アルキルとはベンジル、フェニルエチル、フェニル
プロピル、フェニルブチル、ナフチルメチル、ナフチル
エチル、ナフチルプロピル、ナフチルブチルなどを、ア
リールとはフェニル、ナフチルなどを、ヘテロアリール
とは2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−
チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリルなど
を、芳香環上にハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロ
キシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4
ルコキシおよびC2-5アルカノイルアミノから選ばれる置
基を1〜3個有するアリール、アリール−C1-4アルキル
もしくはヘテロアリールとは2−クロロフェニル、3−
クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロ
フェニル、4−ブロモフェニル、4−フルオロフェニ
ル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−ヒドロキシ
フェニル、4−アミノフェニル、4−シアノフェニル、
4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−アセ
チルアミノフェニル、4−プロピオニルアミノフェニ
ル、3,4,5−トリメトキシフェニル、4−クロロベンジ
ル、4−メチルベンジル、2,3−ジクロロベンジル、4
−メトキシベンジル、4−ヒドロキシベンジル、3,4,5
−トリメトキシベンジル、2−(4−クロロフェニル)
エチル、4−(4−クロロフェニル)ブチル、5−クロ
ロ−2−ピリジル、4,5−ジクロロ−2−ピリジル、5
−メチル−2−チエニル、5−メチル−3−チエニル、
5−クロロ−2−チエニル、5−クロロ−2−フリルな
どを、アシルオキシとはアセトキシ、プロピオニルオキ
シ、ブチリルオキシ、ベンゾイルオキシなどを示す。
本発明の化合物(I)が不斉炭素原子を有する場合に
はラセミ体混合物または光学異性体の形で得ることがで
き、さらに化合物(I)が少なくとも2個の不斉原子を
有する場合には、個々のジアステレオマーまたはそれら
の混合物として得られる。本発明はこれらの混合物およ
び個々の異性体をも包含する。また、本発明は立体異性
体をも包含する。
本発明方法において、一般式(I)の化合物はたとえ
ば以下に示す方法によって合成することができる。
1) 一般式 (式中、各記号は前記と同義である。) で表わされる化合物にN−ブロモサクシンイミド、N−
クロロサクシンイミド、チオニルクロライド、メタンス
ルホニルクロライド、p−トルエンスルホニルクロライ
ドなどのハロゲン化剤を作用させることによって、一般
(式中、R4は水素またはハロゲンを、Xはハロゲンを示
し、他の各記号は前記と同義である。) で表わされる化合物が得られる。
反応は、たとえばN,N−ジメチルホルムアミドを溶媒
に用いてN−クロロサクシンイミドなどのハロゲン化剤
に加え、室温に数時間保つことにより好適に進行する。
ただし、4−4a結合が単結合の場合、4位にハロゲンが
導入される。
2) 一般式 (式中、各記号は前記と同義である。) で表わされるスルホキシド体に酸無水物または酸ハライ
ドを作用させ、α−転位(いわゆるPummerer転位反応)
を起こさせることによって、一般式 (式中、R7はメチル、エチル、プロピルなどのアルキル
またはトリフルオロメチルなどを示し、他の各記号は前
記と同義である。) で表わされるα−アシルオキシ体およびそれが脱離した
一般式 (式中、各記号は前記と同義である。) で表わされる化合物が得られる。
反応は、たとえば無水酢酸中、5〜12時間程度加熱還
流すると一般式(I−b)の化合物が優先的に得られ、
さらに長時間反応させることにより一般式(I−c)の
化合物が優先的に得られる。
3) 前記一般式(I−a)の化合物を、たとえば希塩
酸中50〜70℃に数時間保つことによって、あるいは前記
一般式(I−b)の化合物を、たとえば希水酸化アルカ
リ水溶液、炭酸カリウム水溶液などで加水分解すること
によって、一般式 (式中、各記号は前記と同義である。) で表わされる化合物が得られる。
4) 前記一般式(I−c)の5−6位二重結合に臭素
を付加することによって一般式 (式中、各記号は前記と同義である。) で表わされるジブロモ体が得られ、これに塩基、たとえ
ば酢酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを作用させること
によって一般式 (式中、各記号は前記と同義である。) で表わされるモノブロモ体が得られる。
5) 一般式(I−f)の化合物にナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラートなどのアルコラートを作用さ
せることによって一般式 (式中、R8はメチル、エチルなどのアルキルを示し、他
の各記号は前記と同義である。) で表わされるアルコキシ体が得られ、これを希塩酸など
の酸により処理することによって一般式 (式中、各記号は前記と同義である。) で表わされるケトン体が得られ、これをさらに、たとえ
ば、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元することによ
って一般式 (式中、各記号は前記と同義である。) で表わされる5−ヒドロキシ体を得ることができる。
6) 一般式(I)の化合物中、n=0の化合物を酸化
反応に付すことにより一般式(I)中、n=1またはn
=2の化合物、すなわちスルホキシドまたはスルホン化
合物が得られる。
反応は適当な溶媒、たとえば酢酸中に、酸化剤(m−
クロロ過安息香酸、過酸化水素など)を作用させること
によって進行する。
このようにして得られる本発明化合物は再結晶法、カ
ラムクロマト法などの常法により単離精製することがで
きる。
得られる生成物がラセミ体であるときは、たとえば光
学活性な担体を充填したカラムを通すことにより所望の
光学異性体に分割することができる。また、スルホキシ
ド化合物(一般式(I)中、n=1の化合物)のラセミ
体は、光学分割剤である(−)または(+)−1,6−ビ
ス(2−クロロフェニル)−1,6−ジフェニルヘキサ−
2,4−ジイン−1,6−ジオール(商品名:キラルホストエ
ース、特開昭61−189260号公報)あるいは(R)−
(+)−ビス−β−ナフトール〔Fumio Toda et al.Tet
rahedron Letters,第25巻、4929頁(1984年);Fumio To
da et al.Chemistry Letters,2085頁(1984年);F.Tod
a,Tetrahedron Letters,第29巻、1807頁(1988年)〕な
どを用いて包接化合物を形成させることによって分割す
ることができる。個々のジアステレオマーは分別結晶
化、クロマトグラフィーなどの手段によって分離するこ
とができる。これらは光学活性な原料化合物などを用い
ることによっても得られる。また、立体異性体は再結晶
法、カラムクロマト法などにより単離することができ
る。
〔作用〕
一般式(I)の化合物は、ビククリン、ペンチレンテ
トラゾールなどの化学的痙攣誘発剤に対する拮抗作用を
有し、ベンゾジアゼピン受容体に対して10-8〜10-9Mの
高い親和性を示す反面、筋弛緩作用などの体性機能に対
する影響が少ないことから、抗不安薬として有用であ
る。また、ジアゼパムなどの既存抗不安薬の過量投与あ
るいは中毒に対する中和剤としても有用である。さら
に、本発明化合物は白血球貪食能亢進作用、マクロファ
ージの貪食能亢進作用および感染防御作用などの薬理作
用を有し、免疫調整剤としても用いうる。
本発明化合物を医薬として用いる場合には、製薬上許
容される適宜の賦形剤、担体、希釈剤などの添加剤と混
合し、錠剤、カプセル剤、顆粒、シロップ剤、注射剤、
坐剤または散剤などの形態で投与できる。投与量は、た
とえば経口投与の場合、通常成人1日当り5〜500mg程
度であり、これを1回または数回に分けて投与すること
ができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1 2−(4−クロロフェニル)−5,6−ジヒドロ−
〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2
H)−オン・7−オキシド200gを無水酢酸1に加え、9
6時間加熱還流する。反応終了後、溶媒を留去し、析出
する結晶にエタノールを加えて濾取すると、淡黄色結晶
186gを得る。得られた結晶をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー〔溶出溶媒;ベンゼン:酢酸エチル=8:1〕
に付し、第一溶出部より得られる結晶を50%含水ジメチ
ルホルムアミドから再結晶すると、融点167〜169℃の白
色結晶である2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベン
ゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン40g
を得る。
さらに、第二溶出部より得られる結晶を50%含水ジメ
チルホルムアミドから再結晶すると、融点200〜202℃の
白色綿状結晶である6−アセトキシ−2−(4−クロロ
フェニル)−5,6−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ
〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン80gを得る。
実施例2 2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベンゾチエピノ
〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン4.3gを酢酸100
mlに溶解し、35%過酸化水素3.7gを加える。室温で10時
間撹拌後、反応液を過剰の水に注ぐ。析出する結晶を50
%含水ジメチルホルムアミドから再結晶後、さらに50%
酢酸水から再結晶すると、融点218℃(分解)の白色粉
末状結晶である2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベ
ンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン
・7−オキシド1.9gを得る。
実施例3 2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベンゾチエピノ
〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン・7オキシド
0.9gを酢酸50mlに溶解し、35%過酸化水素5gを加える。
次に40〜60℃で8時間加熱撹拌後、反応液を過剰の水に
注ぐ。析出する結晶を50%含水ジメチルホルムアミドか
ら再結晶すると、融点315〜316℃(分解)の白色粉末状
結晶である2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベンゾ
チエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン・7,7
−ジオキシド0.68gを得る。
実施例4 6−アセトキシ−2−(4−クロロフェニル)−5,6
−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダ
ジン−3(2H)−オン4.2gを酢酸100mlに溶解し、35%
過酸化水素20.4gを加える。室温で8時間撹拌後、反応
液を過剰の水に注ぐ。析出する結晶を濾取し、乾燥後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、得られる
結晶を50%酢酸水から再結晶すると、融点218℃(分
解)の白色綿状結晶である6−アセトキシ−2−(4−
クロロフェニル)−5,6−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエ
ピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン・7−オ
キシド2.4gを得る。
実施例5 6−アセトキシ−2−(4−クロロフェニル)−5,6
−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダ
ジン−3(2H)−オン・7−オキシド5gを酢酸50mlに溶
解し、35%過酸化水素23.4gを加える。60〜70℃で7時
間加熱撹拌後、反応液を過剰の水に注ぐ。析出する結晶
を濾取し、50%酢酸水から再結晶すると、融点247〜248
℃(分解)の白色綿状結晶である6−アセトキシ−2−
(4−クロロフェニル)−5,6−ジヒドロ−〔1〕ベン
ゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン・
7,7−ジオキシド3.6gを得る。
実施例6 6−アセトキシ−2−(4−クロロフェニル)−5,6
−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダ
ジン−3(2H)−オン・7,7−ジオキシド1.9gにメタノ
ール100mlを加え、撹拌しながら10℃以下で水20mlに溶
解した炭酸カリウム0.6gの溶液を滴下する。さらに室温
で4時間撹拌後、溶媒を留去する。残査に水を加えて溶
解後、濃塩酸を加えて酸性とし、析出する結晶を濾取
し、乾燥後、クロロホルム−イソプロピルエーテル混合
溶媒から再結晶すると、融点255〜258℃(分解)の白色
粉末状結晶である6−ヒドロキシ−2−(4−クロロフ
ェニル)−5,6−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4
−c〕ピリダジン−3(2H)−オン・7,7−ジオキシド
を得る。
実施例7 6−アセトキシ−2−(4−クロロフェニル)−5,6
−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダ
ジン−3(2H)−オン5gをメタノール150mlに溶解し、
次に水20mlに炭酸カリウム1.7gを溶解した溶液を室温で
撹拌しながら滴下する。さらに3時間撹拌後、溶媒を留
去して析出結晶を濾取し、乾燥後、エタノールから再結
晶すると、融点217〜219℃(分解)の白色粉末状結晶で
ある2−(4−クロロフェニル)−6−ヒドロキシ−5,
6−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダ
ジン−3(2H)−オン2.4gを得る。
実施例8 2−(4−クロロフェニル)−5,6−ジヒドロ−
〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2
H)−オン・7−オキシド7gおよびジメチルホルムアミ
ド100mlの混合物へN−クロロサクシンイミド2.8gを加
える。室温で2時間撹拌後、反応液に水500mlを加え、
析出する結晶を濾取する。これをジメチルホルムアミド
−水から再結晶すると、融点240〜241℃(分解)の微黄
色である6−クロロ−2−(4−クロロフェニル)−5,
6−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダ
ジン−3(2H)−オン・7−オキシド4.5gを得る。
実施例9 2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベンゾチエピノ
〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン34.0gを酢酸17
0mlに溶解し、撹拌下30〜40℃にて臭素24gを10分間で滴
下する。滴下終了後、反応液に水を加え酢酸エチル300m
lにて3回抽出する。水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧濃縮する。残査にイソプロピルエーテル100ml
を加え、析出する結晶を濾取すると、融点174〜175℃
(分解)の淡黄色結晶として2−(4−クロロフェニ
ル)−5,6−ジブロモ−5,6−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチ
エピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン22.0gを
得る。
実施例10 2−(4−クロロフェニル)−5,6−ジブロモ−5,6−
ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジ
ン−3(2H)−オン22gおよびジメチルホルムアミド110
mlの混合物に酢酸ナトリウム5.4gを加え、40〜50℃で2
時間撹拌する。反後液に水300mlを加え、析出する淡黄
色結晶を濾取し、エタノールから再結晶すると、融点19
5〜197℃の5−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−
〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2
H)−オン17gを得る。
実施例11 5−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベ
ンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン2
5.0gをメタノール300mlに懸濁し、室温にて撹拌下、ナ
トリウムメトキシド4.4gを加える。反応液を40分間加熱
還流し、冷後、減圧濃縮する。残査に水を加え、クロロ
ホルム300mlで2回抽出する。飽和食塩水にて洗浄後、
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮する。残査をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム
にて溶出すると、融点181.5〜183.0℃の淡黄色結晶とし
て2−(4−クロロフェニル)−5−メトキシ−〔1〕
ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オ
ン16.0gを得る。
実施例12 2−(4−クロロフェニル)−5−メトキシ〔1〕ベ
ンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン1
6g、48%臭化水素水80ml、クロロホルム80mlおよびメタ
ノール160mlの混合物を激しく撹拌しながら8時間加熱
還流する。減圧下に溶媒を留去し、残査に水を加え、析
出する結晶を濾取する。結晶をクロロホルム300mlに溶
解し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下に
溶媒を留去し、残査にエタノールを加え、結晶を濾取す
ると、融点176〜177℃の白色結晶として2−(4−クロ
ロフェニル)−2,3,5,6−テトラヒドロ−〔1〕ベンゾ
チエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3,5−ジオン12gを得
る。
実施例13 2−(4−クロロフェニル)−2,3,5,6−テトラヒド
ロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3,5
−ジオン11.0gをメタノール100mlに懸濁し、5〜10℃に
て撹拌下、水素化ホウ素ナトリウム1.2gを30分間で加え
る。反応液を水500ml中に注ぎ、析出する結晶を濾取す
る。この粗結晶11.0gをクロロホルムに溶解し、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、得られる結晶を
アセトニトリル−イソプロピルエーテル混合溶媒から再
結晶すると、融点175〜177℃の白色結晶として2−(4
−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ
−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2
H)−オン3.9gを得る。
実施例14 2−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5,6
−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリタ
ジン−3(2H)−オン300mgと酢酸10mlの混合物に30%
過酸化水素水0.5mlを加え、室温下2日間撹拌する。析
出する結晶を濾取し、クロロホルム−メタノール混合溶
媒から再結晶すると、融点282〜284℃の白色結晶である
2−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−5,6−
ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジ
ン−3(2H)−オン・7,7−ジオキシド150mgを得る。
実施例15 2−(4−クロロフェニル)−4,4a,5,6−テトラヒド
ロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3
(2H)−オン・7−オキシドを無水酢酸中で一夜加熱還
流し、実施例1と同様に反応・処理すると、融点154〜1
56℃の6−アセトキシ−2−(4−クロロフェニル)−
4,4a,5,6−テトラヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4
−c〕ピリダジン−3(2H)−オンを得る。
上記実施例と同様にして、次表に示す化合物が得られ
る。
〔発明の効果〕 以下に本発明化合物の有用性を説明するために、薬理
作用を実験方法とともに示す。
実験例1:ベンゾジアゼピン受容体に対する置換能 特異的ベンゾジアゼピン受容体結合力試験をライフ・
サイエンス(Life Science)第20巻、2101頁(1977年)
の方法に準じて行なった。
9〜10週令のウイスター系雄性ラットの大脳皮質より
粗シナプトソーム画分を分離し、120mM塩化ナトリウム
および5mM塩化カリウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液
(pH7.4)に懸濁して実験に用いた。次にシナプトソー
ム懸濁液に数種類の濃度の試験化合物とトリチウム化ジ
アゼパム(最終濃度2nM)を加え、0℃で20分間反応さ
せた。その後、この懸濁液をホワットマン(Whatman)G
F/Bグラスファイバーフィルターで濾過し、上記緩衝液
でフィルターを洗った後、フィルター上に残った放射能
活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。
特異的結合量は、総結合量から10-6Mの非放射性ジア
ゼパムの存在下で得られた結合量を差し引いた値とし
た。試験化合物のベンゾジアゼピン受容体に対する親和
力は、トリチウム化ジアゼパムをその結合部位から置換
する能力によって評価されるものであり、Ki値で表わさ
れる。
試験に用いた化合物は次の通りである。
化合物A:2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベンゾチ
エピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン 化合物B:6−アセトキシ−2−(4−クロロフェニル)
−5,6−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピ
リダジン−3(2H)−オン 化合物C:2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベンゾチ
エピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン・7−
オキシド 化合物D:2−(4−クロロフェニル)−〔1〕ベンゾチ
エピノ〔5,4−c〕ピリダジン−3(2H)−オン・7,7−
ジオキシド 化合物E:6−ヒドロキシ−2−(4−クロロフェニル)
−5,6−ジヒドロ−〔1〕ベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピ
リダジン−3(2H)−オン 第1表に試験結果を示す。
以上の結果から、本発明の化合物は抗不安薬として有
用であることが明らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1、R2は同一または異なって水素、ハロゲン、
    トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シ
    アノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシまたはC2-5アルカ
    ノイルアミノを、R3は水素、C1-8アルキル、ヒドロキシ
    −C1-4アルキル、C2-5アルカノイルオキシ−C1-4アルキ
    ル、アリール、アリール−C1-4アルキル、ヘテロアリー
    ルまたは芳香環上にハロゲン、トリフルオロメチル、ヒ
    ドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-4アルキル、C
    1-4アルコキシおよびC2-5アルカノイルアミノから選ば
    れる置換基を1〜3個有するアリール、アリール−C1-4
    アルキルもしくはヘテロアリールを、R4は水素またはハ
    ロゲンを、R5、R6は同一または異なって水素、ハロゲ
    ン、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、アシ
    ルオキシを示す(ただし、R5、R6は同時に水素ではな
    い)か、R5は5位の炭素原子と、R6は6位の炭素原子と
    ともに二重結合を形成する酸素原子を示すか、あるいは
    R5、R6は酸素原子を介して結合し、エポキシを形成し、
    nは0、1または2を、 で表される結合は単結合または二重結合を示す。〕 で表されるベンゾチエピノ〔5,4−c〕ピリダジン化合
    物。
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