JP2623289B2 - 油圧制御弁 - Google Patents

油圧制御弁

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JP2623289B2 JP9003588A JP9003588A JP2623289B2 JP 2623289 B2 JP2623289 B2 JP 2623289B2 JP 9003588 A JP9003588 A JP 9003588A JP 9003588 A JP9003588 A JP 9003588A JP 2623289 B2 JP2623289 B2 JP 2623289B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は回転式の油圧制御弁に関し、特に油圧式の動
力舵取装置(パワーステアリング)に適用するのに好適
な油圧制御弁に関する。
〔従来の技術〕
油圧式の動力舵取装置は、舵輪操作に要する力を、舵
取機構中に配設した油圧シリンダが発生する油圧力によ
り補助するものであり、舵輪に連なり、舵輪操作に伴っ
て軸心回りに回動する入力軸と、舵取機構に連なり、そ
の軸心回りの回動に応じて舵取りがなされるようにした
出力軸とを、トーションバーを介して同軸に連結し、舵
輪に操舵トルクが加えられた場合に、前記入力軸と出力
軸との間に、トーションバーの捩れに伴う相対角変位を
生ぜしめる一方、両軸の連結部分に回転式の油圧制御弁
を構成し、該油圧制御弁の動作により、前記相対角変位
の方向、即ち舵輪に加えられる操舵トルクの方向に応じ
て、前記油圧シリンダへの圧油の送給方向を切換え、該
油圧シリンダに操舵補助力を発生させるものである。
この油圧制御弁は、前記入力軸又は出力軸のいずれか
一方の連結側端部近傍を弁体となし、その外周面に、軸
長方向に延びる長溝を周方向に等配をなして複数本形成
すると共に、その内周面に、前記長溝と同数の軸長方向
の長溝を周方向に等配をなして形成してなる円筒状のケ
ーシングを、他方の連結側端部に同軸的に固設し、該ケ
ーシングに前記弁体を内嵌せしめ、夫々の長溝が千鳥配
置され、各長溝の幅方向両側に、相隣する長溝との等面
積の連通部が生じるように相互に位置決めし、更に、弁
体側の複数の長溝を、高圧源たる油圧ポンプと低圧源た
る油タンクとに交互に接続し、またケーシング側の負数
の長溝を、前記油圧シリンダの両油室に交互に接続した
構成となっている。
この油圧制御弁の動作は、次のように行われる。舵輪
に操舵トルクが加えられた場合、前述した如く、入力軸
と出力軸の間、即ち油圧制御弁の弁体とケーシングとの
間に、前記操舵トルクの方向への相対角変位が生じ、油
圧ポンプに接続された弁体の長溝両側の連通部の面積
は、一方が増大し他方が減少する。従って、連通面積が
増大する側に該長溝に相隣するケーシングの長溝内の油
圧が、同じく減少する側に相隣するケーシングの長溝内
の油圧よりも大となり、これに夫々接続された前記油圧
シリンダの両油空間に圧力差が生じ、該油圧シリンダ
が、前記操舵トルクの方向に対応する方向への操舵補助
力を発生するのである。
油圧式の動力舵取装置はこのような構成となってお
り、操舵補助力の大きさは、前記油圧シリンダの両油室
間に生じる圧力差に対応し、この圧力差は、油圧制御弁
の前記連通部における面積の大小に対応する。従って、
舵輪に加えられる操舵トルクの増加に対する操舵補助力
の増加態様は、油圧制御弁における弁体とケーシングと
の間の相対角変位の増大に対する前記連通部における面
積の変化態様に対応する。
さて動力舵取装置においては、直進走行時における走
行安定性の向上のため、舵輪に適度の剛性を与えること
が要求され、逆に、停止時及び低速走行時においては、
舵輪操作に要する力を可及的に低減するため、大きい操
舵補助力の発生が要求される。従って、前記油圧シリン
ダが発生する操舵補助力は、操舵トルクの増加に応じて
一様な増加態様を示すのではなく、操舵トルクが小さい
場合には略0に保たれ、所定量を超える操舵トルクに対
してはこれの増加に応じて漸増し、更に大きい操舵トル
クに対してはこれの増加に応じて急増するような増加態
様を示すことが望ましく、このような増加態様は、油圧
制御弁の前記連通部における面積が、弁体とケーシング
との間の相対角変位が所定値に達するまでは変化せず、
その後は相対角変位の増大に応じて略比例的に緩やかに
変化し、更に相対角変位が増大し、他の所定値に達した
後においては、これの増大に応じて急変するような変化
態様を示すことにより実現される。
そこで、前記長溝の側壁と、ケーシングの内周面又は
弁体の外周面との間の角部に切欠部を形成して、前述の
如き連通面積の変化状態を実現した油圧制御弁がある。
第5図は、この油圧制御弁の一部を拡大して示す軸断面
図である。
図において1はケーシング、2は弁体であり、ケーシ
ング1には、矩形断面をなし、軸長方向に延びる長溝5
が、また弁体2には、同様の長溝6が夫々形成してあ
り、ケーシング1と弁体2とは、両者間に相対角変位が
生じていない場合に、前記長溝5,6が、夫々の軸方向両
側の等面積の連通部8,8を介して、相互に連通されるよ
うに周方向に位置決めされており、図示しない舵輪に操
舵トルクが加えられ、両者間に相対角変位が生じた場
合、前記連通部8,8の面積が、一方は増大し他方が減少
するようになっている。
ケーシング1の内周面と前記長溝5の側壁との間の角
部には、前記連通部8,8の面積が、相対角変位の増大に
対して前述の如き変化態様を示すように、ケーシング1
の内周面に平行的な円弧又は直線であり、長溝5の側壁
に交わる第1の部分50aと、ケーシング1の内周面に対
し直角に近い角度を有して前記側壁側に傾斜する直線で
あり、ケーシング1の内周面に交わる第2の部分50bと
からなる切欠部50が形成されている。
第6図は、この切欠部50の作用の説明図である。切欠
部50を形成してなる油圧制御弁においては、ケーシング
1と弁対2との間に生じる相対角変位により、本図に破
線にて示す如く、弁対2の外周面と長溝6の側壁との間
の角部が、前記長溝5の側壁と周方向に一致するまでの
間においては、連通部8の面積は変化せず、その後、前
記角部が、同じく一点鎖線にて示す位置に達するまでの
間においては、連通部8の面積は、第1の部分50aにお
ける半径方向の深さ寸法bに支配され、該部分50aが弁
対2の外周面に平行的であることから、相対角変位の増
大に応じて漸減し、更に大きい相対角変位が生じた場
合、連通部8の面積は、第2の部分50bのケーシング1
の内周面との交叉部と、前記各部との間における周方向
の離隔距離sに支配されるから、相対角変位の増大に応
じて急減し、連通面積の所望の変化状態が実現される。
〔発明が解決しようとする課題〕
さて、ケーシング1と弁対2との間に生じている相対
角変位が大きく、前記第1の部分50aと弁体2の外周面
との重なり部分の長さlが長い場合、切欠部50を通過
し、例えば長溝6から長溝5に向かう圧油の流れは、第
6図に矢符にて示す如く生じ、圧油は、互いに略平行を
なして対向する切欠部50の第1の部分50aと弁体2の外
周面との間を流れるから、切欠部50における圧油の通流
量Q(cm3/sec)は、平行2面間を流れる非圧縮性流体
の流量を示す公知の次式にて近似的に求めることができ
る。
但し、式中の各符号は、 P1;長溝6内の圧力(kg/cm2) P2;長溝5内の圧力(kg/cm2) b;切欠部50の深さ寸法(cm) w;ケーシング1の軸長方向における切欠部50の形成長さ
(cm) g;重力の加速度(cm/sec2) ν;油の動粘性係数(cm2/sec) γ;油の比重量(kg/cm3) l;重なり部分の長さ(cm) を夫々示す。
この式には、温度に応じて大きく変動する値である動
粘性係数νが含まれているために、該式により求められ
る圧油の通流量Qは、油温の高低に応じて異なる。従っ
て、該切欠部50を備えた油圧制御弁を用いてなる従来の
動力舵取装置においては、操舵トルクの増加に対する操
舵補助力の増加特性が、油温の高低に応じて異なること
になり、油温の高低による操舵感覚の差異が生じるとい
う難点があり、例えば、運転開始直後等、油温が低い時
点における操舵感覚と、所定時間の運転を行い油温が十
分に上昇した後における操舵感覚との間に差異が生じる
結果、運転者に違和感を与えるという難点があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、油
温の影響を受けることなく、常時一定の操舵感覚が得ら
れ、しかも、前述の如き操舵補助力の増加特性を損なう
ことのない油圧制御弁を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る油圧制御弁は、高圧源と低圧源とに交互
に連通する複数本の長溝をその外周面に等配してある円
筒状の弁体を、相異なる圧油の送給先に交互に連通し、
前記長溝と同数の長溝をその内周面に等配してある筒状
のケーシングに、相対回動自在に内嵌してなり、この相
対回動に伴って前記両長溝間に生じる連通面積の変化に
応じて、前記送給先への送給油圧を制御する油圧制御弁
において、前記長溝の側壁と、前記ケーシングの内周面
又は弁体の外周面との間の角部に、前記内周面又は外周
面に平行的であり、前記側壁に連なる第1の部分、及び
前記内周面又は外周面からの半径方向の深さ寸法が、前
記第1の部分のそれよりも大なる部分を含み、前記内周
面又は外周面に直角に近い角度をなして連なる第2の部
分とを備えた切欠部が形成してあり、前記第1の部分の
周方向長さが、該部分における前記深さ寸法、及び前記
両長溝間に生じる圧力差に関連して定まる所定長さ以下
としてあることを特徴とする。
〔作用〕
本発明においては、前記第1の部分の周方向長さを、
前記所定長さ以下とし、該部分と、弁体の外周面又はケ
ーシングの内周面との間に、前記所定長さを超える平行
的な重なり部分が生じないようにして、切欠部における
圧油の通流量に、油温より生じる影響を緩和する。
〔実施例〕
以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。第1図は動力舵取装置の油圧回路図と共に示す本発
明に係る油圧制御弁の正面断面図である。
本発明に係る油圧制御弁は、円筒状をなすケーシング
1と、これの内径に略等しい外径を有し、ケーシング1
に同軸回動自在に内嵌された円筒状の弁体2とを備えて
おり、動力舵取装置に適用する場合、その上端部に同軸
的に固設された舵輪の回動操作に伴って軸心回りに回動
する図示しない入力軸の下部に弁体2を構成する一方、
その下端部を舵取機構に連結され、その回転により舵取
機構を動作させるべくなした出力軸の上端部にケーシン
グ1を同軸的に固設し、前記入力軸と出力軸とをトーシ
ョンバー4を介して同軸的に連結すると共に、この連結
部においてケーシング1に弁体2を内嵌せしめ、該ケー
シング1の外周を、車体の適宜位置に固定され、前記両
軸の外側を囲繞する筒形のハウジング3内に回動自在に
支承せしめて構成される。而して、前記トーションバー
4は、図示の如く弁体2の軸心上に位置し、舵輪の回動
操作に伴って該トーションバー4に生じる捩れに応じ
て、ケーシング1と弁体2との間に相対角変位が生じる
ようになっている。
ケーシング1の内周面及び弁体2の外周面には、軸長
方向を長手方向とし、矩形断面を有する8本の長溝5,5
…、及び同じく8本の長溝6,6…が、周方向に等配をな
して夫々形成してあり、ケーシング1と弁体2とは、ト
ーションバー4に捩れが生じていない状態(中立状態)
において、第1図に示す如く、長溝5,5…と長溝6,6…と
が千鳥配置され、これらが幅方向両側の等面積の連通部
8,8(第2図参照)を介して相互に連通するように、周
方向に位置決めされている。
弁体2の長溝6,6…は、これらの幅に等しい幅と適宜
の外径とを有し、弁体2の軸心に直交する軸回りに回転
する回転砥石を用い、これを弁体2の外周に当接せしめ
た後、該回転砥石に弁体2の軸心に向かう方向への送り
を与えることにより、軸長方向に適宜の長手寸法を有し
て形成され、また、ケーシング1の長溝5,5…は、ケー
シング1の仕上げ内径に等しい円形の外周に長溝5の形
状に対応する8個所の凸部を有するブローチを用い、こ
れをケーシング1の内部に挿通せしめることにより、ケ
ーシング1の内面仕上と同時的に形成される。
ケーシング1の外周面には、これの全周に亘る3本の
環状溝7,7,7(中央の一本のみ図示)が、軸長方向に相
互に適長離隔させて形成してあり、中央の環状溝7は、
油圧ポンプPに接続され、両側の環状溝7,7は、舵取機
構の一部に構成された操舵補助用の油圧シリンダSの両
油室S1,S2に夫々接続してある。そして、ケーシング1
の長溝5,5…の内、1つ置きに位置する4本の長溝5,5…
は、ケーシング1を半径方向に貫通する態様にて形成さ
れた第1の油導出孔11,11…により、両側に位置する環
状溝7,7の一方に、また他の4本の長溝5,5…は、同様に
形成された第2の油導出孔12,12…により、前記環状溝
7,7の他方に夫々連通させてある。更に弁体2の長溝6,6
…の内、1つ置きに位置する4本の長溝6,6…は、ケー
シング1を半径方向に貫通する態様にて形成され、これ
ら夫々の外側に開口する油導入孔10,10…により、中央
の環状溝7に連通させてあり、また他の4本の長溝6,6
…は、弁体2を半径方向に貫通する戻り油孔13により、
弁体2の中抜き部20に連通させてある。この中抜き部20
は、戻り油路としての作用をなすものであり、低圧状態
に維持された油タンクTに接続されている。
即ち、ケーシング1の長溝5,5…は、油導出孔11及び
環状溝7、又は油導出孔12及び環状溝7を夫々介して、
油圧ポンプPが発生する圧油の相異なる送給先である前
記油室S1、又は同S2に交互に連通されており、また弁体
2の長溝6,6…は、油導入孔10及び環状溝7、又は戻り
油孔13及び中抜き部20を介して、高圧源たる油圧ポンプ
P又は低圧源たる油タンクTに交互に連通されている。
従って、油ポンプPが発生する圧油は、中央の環状溝7
及び油導入孔10を介して弁体2の長溝6に導入され、該
長溝6の幅方向側の連通部8,8を通過して、これの両側
に相隣するケーシングの長溝5,5内に導入され、次い
で、これらの長溝5,5における前記長溝6と反対側の連
通部8を通過して、油タンクTに接続された長溝6,6内
に導入され、戻り油孔13及び中抜き部20を介して油タン
クTに還流する。長溝6両側の連通部8,8の面積が等し
い場合、即ち、舵輪に操舵トルクが加えられておらず、
ケーシング1と弁体2との位置関係が前記中立状態にあ
る場合、前記長溝6の両側に相隣する長溝5,5間には圧
力差が発生せず、これらに油導出孔11,12を介して夫々
連通する油圧シリンダSの両油室S1,S2内の圧力は等し
く、該油圧シリンダSは操舵補助力を発生しない一方、
舵輪に操舵トルクが加えられ、ケーシング1と弁体2と
の間に相対角変位が生じた場合、前記連通部8,8の面積
は一方が増加し他方が減少する結果、前者を介して前記
長溝6に連通する長溝5内部の圧力が、後者を介して前
記長溝6に連通する長溝5内部の圧力よりも大となり、
これらに夫々連通する油室S1,S2間に、両長溝5,5間に生
じる圧力差、即ち、前記操舵トルクの方向及び大きさに
対応する圧力差が生じ、油圧シリンダSは、この圧力差
に相当する操舵補助力を発生する。
動力舵取装置において、油圧シリンダSが発生する操
舵補助力の操舵トルクの増加に対する望ましい増加特性
は、前述した如く、操舵トルクが小さい場合には、操舵
補助力は略0に保たれ、その後は、操舵トルクの増加に
対して比例的に漸増する操舵補助力が得られ、更に前記
所定値よりも大きい他の所定値を超えた後には、操舵ト
ルクの増加に対して急増する操舵補助力が得られるもの
であり、このような特性は、前記連通部8,8…における
連通面積が、ケーシング1と弁体2との相対角変位が小
さい間には、該相対角変位の増大に対して緩やかに変化
し、相対角変位が所定値を超えた後に急激に変化するこ
とにより実現される。
本発明に係る油圧制御弁においては、ケーシング1の
内周面と、長溝5の側壁との間の角部、又は弁体2の外
周面と長溝6の側壁との間の角部に第2図に示す如き切
欠部9を形成することにより、連通部8,8における前述
の如き面積の変化状態を実現し、しかも操舵補助力の増
加特性に温度変化が与える影響を解消又は緩和する。
第2図及び第3図は、切欠部9の形成態様を示す第1
図の一部拡大図であり、第4図は、第2図に示す切欠部
9の作用の説明図である。これらの図においては、ケー
シング1の内周面と長溝5の側壁との間の角部に切欠部
9が形成されているが、弁体2の外周面と長溝6の側壁
との間の角部に形成してもよいことは言うまでもない。
また、第1図に示すように、前記角部は、夫々の長溝5
又は長溝6の両側に各2個、合計16個存在するが、切欠
部9は、これらの全てに形成してもよく、一部のみに形
成してもよい。
切欠部9は、ケーシング1の内周面に平行的な直線又
は円弧であり、長溝5の側壁の中途部に連なり、周方向
に所定の長さLを有すると共に、半径方向にbなる深さ
を有する第1の部分9aと、半径方向に前記bよりも大き
い深さBを有する部分を含み、ケーシング1の内周面
に、直角に近い交叉角を有して連なる第2の部分9bとを
備えたものである。
第2図に示す第2の部分9bは、2個の円弧の組合せに
より構成されており、第3図に示す第2の部分は、3本
の直線の組合せにより構成されているが、第2の部分9b
は、例えば、一個の円弧、円弧及び直線の組合せ、又は
適宜の曲線の組合せ等、いかなる構成であってもよい。
この切欠部9の作用について第4図に基づいて説明す
る。舵輪に加えられる操舵トルクにより、トーションバ
ー4に捩れが生じ、ケーブル1と弁体2との間に相対角
変位が生じた場合、弁体2の外周面と長溝6の側壁との
間の角部は、ケーシング1に対して周方向に相対移動す
る。この相対移動により、前記角部が、図中に破線にて
示す位置に達し、長溝5の側壁と周方向に一致した後、
図中に一点鎖線にて示す位置に達し、切欠部9における
第2の部分9bとケーシング1の内周面との交叉部と、前
記角部との間の周方向の離隔距離sが、第1の部分9aの
深さ寸法bに略等しくなるまでの間においては、連通部
8の面積は前記深さ寸法bに支配され、第1の部分9aが
ケーシング1の外周面に平行的であるから、連通部8の
面積は、前記相対移動量の増加、即ちケーシング1と弁
体2との間の相対角変位の増加に応じて漸減し、一方、
前記角部の相対移動が一点鎖線にて示す位置を超えて生
じた場合、連通部8の面積は、前記離隔距離sの変化状
態に対応する変化状態を示し、ケーシング1と弁体2の
相対角変位の増加に応じて急減し、連通面積の所望の変
化状態が実現される。
また、前記切欠部9においては、これと弁体2の外周
面との重なり部分の周方向の長さは、前記相対角変位が
大きい場合においても、前記第1の部分9aの周方向長さ
Lを超えることはない。例えば、長溝6から長溝5へ向
かう圧油は、第4図に矢符にて示すように、まず第2の
部分9b内に流入し、第1の部分9aと弁体2の外周面との
間を通過して長溝5に流入する。即ち第1の部分9aは、
長さLの絞り部として作用し、Lを十分小さくした場
合、切欠部9における圧油の通流量Q(cm3/sec)は、
絞り部を通過する非圧縮性流体の流量を示す公知の次式
にて求められる。
但し、αは絞り部における流量係数であり、また、F
は絞り部の面積(cm2)であって、他の符号は(1)式
におけるものと同様である。切欠部9における流れにお
いては、絞り部の面積Fが次式にて算出できることは明
らかである。
F=b・w ……(3) 但し、wはケーシング1の軸長方向への切欠部9の形
成長さ(cm)である。
前記周方向長さLが大きい場合、前記通流量Qは、前
述した(1)式のlをLにて置換して得られる次式にて
求められる。
(2)式により求められるQと、(4)式により求め
られるQとを等しいとして得られるLをLmaxとすると、 となる。
但し、ΔP=(P1−P2)である。
従って、切欠部9の第1の部分9aの周方向長さLを、
(5)式にて算出されるLmax以下とすることにより、切
欠部9における圧油の通流量Qは、温度に応じて大きく
変動する動粘性係数νを含まない前記(2)式にて求め
られることになり、油温の高低が切欠部9における通流
量に与える影響は小さく、本発明に係る油圧制御弁にお
いては、操舵補助力の増加特性が、油温の高低に影響さ
れることはない。
動力舵取装置における作動油の温度は、通常60℃程度
まで上昇する。従って、60℃における油の動粘性係数ν
0.10(cm2/sec)、同じく油の比重量γ8.67×10-4
(kg/cm3)、及び流量係数α=0.7の各値を(5)式に
代入すると、 となり、例えば、第1の部分9aの深さ寸法bが0.005cm
であり、長溝5,6間に生じる圧力差ΔPが、最大20kg/cm
2である場合、これらを(6)式に代入すると、Lmax
0.101cmとなり、第1の部分9aの周方向長さLを0.101cm
以下とすることにより、油温の高低が操舵補助力の増加
特性に与える影響を、緩和することができる。
〔効果〕
以上詳述した如く、本発明に係る油圧制御弁において
は、切欠部における圧油の通流量が、油温の影響を受け
て変化することがないから、これを動力舵取装置に適用
した場合、操舵トルクの増加に対する操舵補助力の増加
特性が油温の高低に影響されることがなく、常時一定の
操舵感覚が得られる上、前記増加特性を、動力舵取装置
に要求される所望の特性とすることが可能である等、本
発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は動力舵取装置の油圧回路図と共に示す本発明に
係る油圧制御弁の正面断面図、第2図及び第3図は切欠
部の形成状態を示す第1図の一部拡大図、第4図は切欠
部の作用を説明するための図、第5図は従来の油圧制御
弁における切欠部の形成状態を示す図、第6図は従来の
切欠部の作用を説明するための図である。 1……ケーシング、2……弁体、4……トーションバ
ー、5,6……長溝、9……切欠部、9a……第1の部分、9
b……第2の部分、10……油導入孔、11,12……油導出
孔、P……油圧ポンプ、S……油圧シリンダ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧源と低圧源とに交互に連通する複数本
    の長溝をその外周面に等配してある円筒状の弁体を、相
    異なる圧油の送給先に交互に連通し、前記長溝と同数の
    長溝をその内周面に等配してある筒状のケーシングに、
    相対回動自在に内嵌してなり、この相対回動に伴って前
    記両長溝間に生じる連通面積の変化に応じて、前記送給
    先への送給油圧を制御する油圧制御弁において、 前記長溝の側壁と、前記ケーシングの内周面又は弁体の
    外周面との間の角部に、前記内周面又は外周面に平行的
    であり、前記側壁に連なる第1の部分、及び前記内周面
    又は外周面からの半径方向の深さ寸法が、前記第1の部
    分のそれよれも大なる部分を含み、前記内周面又は外周
    面に直角に近い交叉角をなして連なる第2の部分とを備
    えた切欠部が形成してあり、 前記第1の部分の周方向長さが、該部分における前記深
    さ寸法、及び前記両長溝間に生じる圧力差に関連して定
    まる所定長さ以下としてあることを特徴とする油圧制御
    弁。
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