JP2520788Y2 - 油圧制御弁 - Google Patents

油圧制御弁

Info

Publication number
JP2520788Y2
JP2520788Y2 JP1990083018U JP8301890U JP2520788Y2 JP 2520788 Y2 JP2520788 Y2 JP 2520788Y2 JP 1990083018 U JP1990083018 U JP 1990083018U JP 8301890 U JP8301890 U JP 8301890U JP 2520788 Y2 JP2520788 Y2 JP 2520788Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
throttle
area
diaphragm
angular displacement
valve body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1990083018U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0439966U (ja
Inventor
一雅 田端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP1990083018U priority Critical patent/JP2520788Y2/ja
Publication of JPH0439966U publication Critical patent/JPH0439966U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2520788Y2 publication Critical patent/JP2520788Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、油圧ポンプ等の高圧源及び油タンク等の低
圧源と適宜の圧油送給先との間に介装して用いられ、前
記送給先への送給油圧を、その弁体とケーシングとの間
の相対角変位に応じて制御する油圧制御弁に関し、特に
油圧式の動力舵取装置において、操舵補助用の油圧シリ
ンダへの送給油圧を舵輪操作に応じて制御すべく用いる
油圧制御弁に関する。
〔従来の技術〕
油圧式の動力舵取装置は、舵取機構中に配した油圧シ
リンダに、舵輪(ステアリングホィール)に加わる操舵
トルクの方向及び大きさに応じた油圧力を生ぜしめ、舵
取りのための舵輪操作に要する力を補助するものであ
り、エンジンにて駆動される油圧ポンプの吐出側(高圧
源)及び低圧状態に保たれた油タンク(低圧源)と前記
油圧シリンダとの間に、舵輪軸の中途に構成された油圧
制御弁を介装し、該油圧制御弁の動作により前記油圧シ
リンダへの送給油圧を舵輪操作に応じて制御する構成と
なっており、前記油圧制御弁としては、舵輪の回転を直
接的に利用する回転式の油圧制御弁が一般的に用いられ
ている。
この油圧制御弁は、第7図にその横断面図を示す如
く、所定の幅を有し軸長方向に延びる複数の油溝41,41
…をその内周面に等配してなる筒形のケーシング40と、
該ケーシング40に同軸回動自在に内嵌されて、前記油溝
41,41…と同数の軸長方向に延びる油溝43,43…をその外
周面に等配してなる円筒形の弁体42とを備え、両者の軸
心廻りの相対角変位により前述の制御動作を行う構成と
なっている。ケーシング40と弁体42とは、図示の如く、
前者の油溝41,41…と後者の油溝43,43…とが周方向に千
鳥配置され、両側に相隣するものとの間に等面積の連通
部を有するように位置決めしてあり、ケーシング40と弁
体42との間に相対角変位が生じた場合、油溝41又は油溝
43と、これらの周方向両側に相隣する油溝43,43又は油
溝41,41との間の連通部において、一側の面積増加と他
側の面積減少とが同時的に生じるようになしてある。即
ち、これらの連通部が前記相対角変位に応じて相異なる
向きに絞り面積を変化する一対の絞り部5,6として機能
する。このような構成の油圧制御弁の動力舵取装置への
適用は、舵輪に連なる人力軸と舵取機構に連なる出力軸
とをトーションバーを介して同軸的に連結し、これら両
軸の一方の連結端部にケーシング40を同軸的に固定し、
また他方の連結端部に弁体42を一体的に構成して、舵輪
に操舵トルクが加えられたとき、ケーシング40と弁体42
との間に前記トーションバーの捩れに応じた相対角変位
が生じるようになすと共に、例えば図示の如く、ケーシ
ング40の油溝41,41…の内、1つ置きに位置する半数を
油圧シリンダSの一方の油室に、残りの半数を他方の油
室に夫々連通せしめる一方、弁体42の油溝43,43…の
内、1つ置きに位置する半数を高圧源たる油圧ポンプP
の吐出側に、残りの半数を低圧源たる油タンクTに夫々
連通せしめて実施される。この構成により、圧油の送給
先である油圧シリンダSの両油室は、一方の絞り部5を
介して油圧ポンプPの吐出側又は油タンクTに夫々連通
され、また他方の絞り部6を介して油タンクT又は油圧
ポンプPの吐出側に夫々連通されたことになる。従っ
て、舵輪に加わる操舵トルクに応じてケーシング40と弁
体42との間に相対角変位が生じ、例えば、一方の絞り部
5の絞り面積が増し他方の絞り部6の絞り面積が減じら
れた場合、油圧ポンプPから各油溝43に導入される圧油
が夫々の両側の絞り部5,6を通過6て相隣する油溝、41,
41内に流入するに際し、絞り部5での通流抵抗が絞り部
6でのそれよりも小さいことから、前記油溝43に絞り部
5を介して連通する油溝41と、同じく絞り部6を介して
連通する油溝41との間、及びこれら夫々に連通する油圧
シリンダSの両油室間に、前者が高くなる向きの圧力差
が生じ、油圧シリンダSはこの圧力差に応じた操舵補助
力を発生することになる。
ところで、自動車の舵取りに要する力の大小は、操向
車輪に作用する路面反力の大小に対応し、停車時及び低
速走行時等、路面反力が大きい走行状態にある場合、舵
取りのための舵輪操作に多大の力を必要とする一方、高
速走行時等、路面反力が小さい走行状態にある場合比較
的小さい力にて舵取りをなし得る。従って動力舵取装置
においては、特に高速走行時における直進安定性を高め
るべく、舵輪に加わる操舵トルクが小さい範囲において
は殆ど操舵補助力を発生せず、手動操舵におけると同等
の剛性を舵輪に付与する一方、操舵トルクが所定の大き
さに達すると共に大きい操舵補助力を発生して、舵取り
のための舵輪操作に要する力を可及的に低減せしめるこ
とが要求され、更に両者の中間部分においては、舵輪操
作に要する力が急激に減少して不自然操舵感覚が生じる
ことを避けるべく、操舵トルクの増加に対して比例的に
漸増する操舵補助力を発生することが要求されることか
ら、従来、動力舵取装置における望ましい操舵補助力の
増加特性は、第8図に示す如く、操舵トルクが小さい範
囲における一定域と、操舵トルクが大きい範囲における
急増域と、両者の中間部における比例的な漸増域とを備
え、各領域間に2段の折れ部を有する2段折れ特性であ
るといわれている。
さて、前述の如き油圧制御弁の動作に応じて油圧シリ
ンダSが発生する操舵補助力の大きさは、舵輪に加わる
操舵トルクに対して比例的に生じるケーシング40と弁体
42との間の相対角変位に対し、前記絞り部5,6において
生じる絞り面積の変化態様、特に面積が減じられる側が
締切られるまでの間に生じる絞り面積の減少態様に依存
する。従って前述した2段折れ特性は、油圧制御弁の絞
り部5,6において、相対角変位が小さい範囲で比例的に
漸減し、相対角変位が所定値に達すると共に急減するよ
うな絞り面積の変化態様を得ることにより実現されるこ
とになり、特公昭52-4807号公報に代表されるように、
絞り部5,6を形成するケーシング40側又は弁体42側の角
部に切欠きを形成して、前述の如き絞り面積の変化態様
を得るべくなした油圧制御弁が従来から多く提案されて
いる。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところが第8図に示す如き2段折れ特性の実施に際し
ては、漸増域の傾き(増加率)の設定が難しく、舵輪操
作力の軽減を重視してこの増加率を大きめに設定した場
合、高速走行時に舵輪に加わるわずかな操舵トルクによ
り操舵補助力が発生され、直進安定性が損なわれる難点
があり、逆に高速走行時における安定性を重視して前記
増加率を小さめに設定した場合、低速走行時における操
舵補助力が不足する上、漸増域から急増域への遷移部に
おいて舵輪操作力が急激に減少し、操舵感覚の悪化を招
来する難点がある。このような難点は、操舵トルクが小
さい範囲に小さい増加率での漸増域っと、操舵トルクが
大きい範囲に比較的大きい変化率での漸増域とを得て、
第8図の漸増域の中途に更に一段の折れ部を有するよう
な増加特性、所謂3段折れ特性の実現により解消し得る
が、このような特性を実現し得る油圧制御弁の提案は未
だなされていない。
本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、弁
体とケーシングとの間の相対角変位に対する絞り部の面
積変化態様を工夫し、動力舵取装置への適用により操舵
補助力の3段折れ特性を実現し得る油圧制御弁を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係る油圧制御弁は、同軸上にて相対角変位す
る筒形のケーシングと弁体との嵌合周上に形成された各
複数の油溝を周方向に千鳥配置し、各油溝の両側に、前
記相対角変位に伴って一方の絞り面積が減じるとき他方
の絞り面積が増す一対の絞り部を備え、これらを高圧源
及び低圧源と適宜の送給先との間に夫々介在させて用い
られ、前記送給先への送給油圧を前記相対角変位に応じ
て制御する油圧制御弁において、前記一対の絞り部は夫
々、前記相対角変位が第1の所定値に達するまでの間
に、その絞り面積が実質的に変化しない領域を有する第
1の絞りと、前記相対角変位が前記第1の所定値を超え
る第2の所定値に達するまでの間に、その絞り面積が実
質的に変化しない領域を有する第2の絞りと、前記相体
角変位によりその締切り位置に達するまでの間に、略一
定の絞り面積変化を示す第3の絞りとを備え、前記第1
の絞りと前記第2の絞りとは、ケーシング側及び弁体側
の油溝の側縁に夫々所定の切欠部を設けて、前記第3の
絞りと略一致した締切り位置を有するように構成し、前
記第3の絞りは、弁体側の油溝の側縁に所定の切欠部を
設けて構成してあることを特徴とする。
〔作用〕
本考案においては、ケシングと弁体との間の一対の絞
り部を夫々、両者の相対角変位に対し、略一致させた夫
々の締切り位置に達するまでの間、相異なる面積変化態
様を示す3種の絞り、即ち、相対角変位が第1の所定値
に達するまでの間に絞り面積が殆ど変化しない第1の絞
りと、相対角変位が前記第1の所定値よりも大きい第2
の所定値に達するまでの間に絞り面積が殆ど変化しない
第2の絞りと、締切り位置に達するまでの間の全範囲に
亘って略一定の絞り面積の変化を示す第3の絞りとによ
り構成し、これら夫々における絞り面積変化の合成によ
り、第1絞り及び第2絞り双方の絞り面積が変化しない
範囲において小さい変化率での絞り面積の比例的な漸減
域を得て、小なる増加率での操舵補助力の漸増域を実現
し、また第2絞りの絞り面積のみが変化しない範囲にお
いて比較的大きい変化率での絞り面積の比例的な漸減域
を得て、前記漸増域に続く部分に比較的大なる増加率で
の操舵補助力の漸増域を得る。
第1,第2の絞りは、ケーシング側及び弁体側の油溝の
側縁の双方に所定の切欠部を設けて構成する。ケーシン
グ側の切欠部は、油溝の側壁とケーシングの内周面とに
夫々直角に近い角度にて交叉する2部分を連結した形態
となし、例えば、ブローチ加工により容易に形成される
が、ケーシングの内周面の加工により締切り位置が変化
することがある。弁体側の切欠部は、夫々の側縁を所定
角度にて面取りした単純な形状とし、これらの周方向幅
を変える形状修正により締切り位置の調整を可能とし、
第3の絞りとの締切り位置の一致を確実に実現する。
〔実施例〕
以下本考案をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。第1図は本考案に係る油圧制御弁の動力舵取装置へ
の適用例を示す模式的横断面図である。
本考案に係る油圧制御弁1は、従来のものと同様、所
定の幅を有し軸長方向に延びる複数(本図においては8
つ)の油溝11,11…をその内周面に等配してなる筒形の
ケーシング10と、該ケーシング10に同軸回動自在に内嵌
されて、前記油溝11,11…と同数の軸長方向に延びる油
溝13,13…をその外周面に等配してなる円筒形の弁体12
とを備えてなる。ケーシング10側の8つの油溝11,11…
と弁体11側の8つの油溝13,13…とは、図示の如く周方
向に千鳥配置されており、これらは互いに相隣するもの
との間に、周方向同側に位置する各8つの絞り2a〜2h及
び3a〜3hからなり、ケーシング10と弁体11との間に生じ
る相対角変位に応じて一方の絞り開度が増すとき他方の
絞り開度が減じられる一対の絞り部を介して連通させて
ある。
この油圧制御弁1を動力舵取装置へ適用する場合、従
来のものと同様、図示しない舵輪に連なる入力軸と舵取
機構に連なる出力軸とをトーションバー4を介して同軸
的に連結して、これら両軸の一方の連結端部にケーシン
グ10を同軸的に固定し、また他方の連結端部に弁体12を
一体的に構成して、舵輪に操舵トルクが加えられたと
き、ケーシング10と弁体12との間に前記トーションバー
4の捩れに応じた相対角変位が生じるようになすと共
に、ケーシング10側の8つの油溝11,11…の内1つ置き
に位置する4つの油溝11,11…を、ケーシング10の周壁
を貫通する各別の導油孔を介して、また残りの4つの油
溝11,11…を、同じく各別の導油孔を介して、舵取機構
中に配された操舵補助用の油圧シリンダSの両側の油室
に夫々連通せしめ、また弁体12の8つの油溝13,13…の
内、1つ置きに位置する4つの油溝13,13…を、ケーシ
ング10の周壁を貫通して該ケーシング10の内周面に開口
する各別の導圧孔を介して、動力舵取装置の作動油圧を
発生する油圧ポンプPの吐出側に連通せしめ、更に残り
の4つの油溝13,3…を、弁体12を半径方向に貫通する各
別の還流孔及び該弁体12の内側中空部を介して、低圧状
態に維持された油タンクTに連通せしめる。このとき前
記トーションバー4は、弁体12の中空部内に図示の如く
同軸的に位置し、このトーションバー4の外周と弁体12
の内周との間の環状室が、油タンクTに還流する油の油
通路として機能する。
而して、油圧シリンダSの両油室は、8つの絞り2a〜
2hからなる一方の絞り部を介して油圧ポンプPの吐出側
又は油タンクTに夫々連通され、また同じく8つの絞り
3a〜3hからなる他方の絞り部を介して油タンクT又は油
圧ポンプPの吐出側に夫々連通されたことになり、油圧
ポンプPの吐出油は、まず前記導圧孔を介して弁体12の
4つの油溝13,13…内に導入され、次いでこれらの両側
に相隣するケーシング10の油溝11,11…内に、該油溝11,
11…の一側の絞り2a,2c,2e,2g又は絞り3a,3c,3e,3gを経
て流入し、更にこれらの油溝11,11…の他側の絞り3b,3
d,3f,3h又は絞り2b,2d,2f,2hを経て残りの4つの油溝1
3,13…内に導入されて、これらの内部に開口する前記還
流孔、及び弁体12とトーションバー4との間の環状室を
経て油タンクTに還流する。従って、舵輪に加わる操舵
トルクに応じてケーシング10と弁体12との間に相対角変
位が生じ、一方の絞り部を構成する絞り2a〜2hの絞り面
積が増し、他方の絞り部を構成する絞り3a〜3hの絞り面
積が減じられている場合、油圧ポンプPから各油溝13に
導入される圧油が、これの両側の、例えば絞り、2a,3a
を経て相隣する油溝11に流入するに際し、絞り2aでの通
流抵抗が絞り3aでの通流抵抗よりも小さいことから、前
記油溝13に絞り2aを介して連通する油溝11と、同じく絞
り3aを介して連通する油溝11との間、及びこれら夫々に
連通する油圧シリンダSの両油室間に、前者が高くなる
向きの圧力差が生じ、油圧シリンダSはこの圧力差に応
じた操舵補助力を発生することになる。
以上の如く油圧制御1は、舵輪に加わる操舵トルクに
応じたトーションバー4の捩れに伴って、ケーシング10
と弁体11との間に前記操舵トルクに略比例する相対角変
位が生じたとき、前記一対の絞り部において生じる絞り
面積の変化により油圧シリンダSへの送給油圧を制御す
る動作をなし、この動作により油圧シリンダSが操舵ト
ルクに応じた操舵補助力を発生するが、前記絞り部を構
成する絞り2a〜2h及び絞り3a〜3hは、前記相対角変位に
対し、夫々後述の如き面積変化態様を示す3種の異なる
絞りとしてあり、前記両絞り部において絞り2a〜2h又は
絞り3a〜3hにおける面積変化が合成された絞り面積の変
化態様を得て、操舵トルクの増大に対し中途に3つの折
れ部を有して操舵補助力が増大する特性、即ち前述の3
段折れ特性を実現する。
即ち、本考案に係る油圧制御弁1においては、前記絞
り2a〜2h及び3a〜3hの内の夫々1つ、例えば絞り2aと絞
り3aとは、相対角変位が第1の所定値に達するまでの間
に絞り面積が実質的に変化しない領域を有する第1の絞
りとしてあり、また残りの絞り2b〜2h及び3b〜3hの内の
夫々1つ、例えば前記第1の絞り2a及び3aと半径方向に
対向する位置にある絞り2eと絞り3eとは、相対角変位が
前記第1の所定値よりも大きい第2の所定値に達するま
での間に絞り面積が実質的に変化しない領域を有する第
2の絞りとしてあり、更に他の絞りはいずれも、相対角
変位の増大に対し略一様な変化態様を示す第3の絞りと
してある。第2図、第3図及び第4図は夫々、第1の絞
り2a、第2の絞り2e及び第3の絞りの代表としての絞り
2bの具体的な構成態様を示す拡大断面図である。但し、
これらはいずれもケーシング10及び弁体11の周面を直線
上に展開した図となっている。
第2図に示す如く第1の絞り2aは、ケーシング10側の
油溝11の側縁、即ち、ケーシング10の内周面と油溝11の
側壁面との間に形成された角部に、所定形状の切欠部、
即ち、前記側壁面に直角に近い角度にて交叉しケーシン
グ10の内周面に平行的な部分と、該部分及びケーシング
10の内周面に夫々直角に近い角度にて交叉して両者を連
結する部分とを備えた切欠部20を形成する一方、前記油
溝11の側縁に対向し、第1の絞り2aを形成する弁体12側
の油溝13の側縁、即ち、弁体12の外周面と油溝13の側壁
面との間に形成された角部に、所定形状の切欠部、即
ち、前記角部を所定角度にて面取りする直線状又は円弧
状の切欠部21を、周方向に所定の幅を有して形成してな
る。この構成により第1の絞り2aの絞り面積は、ケーシ
ング10に対する弁体12の相対角変位が、図中に破線にて
示す如く弁体12側の油溝13の側壁とケーシング10側に形
成された前記切欠部20の端部とが周方向に略一致する位
置(第1の所定値)に達するまでの間においては、該切
欠部20におけるケーシング10の内周面に平行的な部分の
深さに支配される結果、相対角変位の進行に拘わらず略
一定に保たれ、その後、切欠部20の端部と弁体12に形成
された前記切欠部21の端部とが一致する位置(締切り位
置)に達するまでの間においては、周方向に逐次減少す
る該切欠部21の深さに支配される結果、相対角変位の進
行に伴って略0となるまで漸減する。
また第3図に示す如く第2の絞り2eは、第1の絞り2a
と同様に、ケーシング10側の油溝11の側縁に、該油溝11
の側壁面に直角に近い角度にて交叉してケーシング10の
内周面に平行的な部分と、該部分及びケーシング10の内
周面に夫々直角に近い角度にて交叉して両者を連結する
部分とを備えた切欠部22を形成する一方、該側縁に対向
し、第2の絞り2eを形成する弁体12側の油溝13の側縁
に、これを所定角度にて面取りする直線状又は円弧状の
切欠部23、周方向に所定の幅を有して形成してなる。こ
の構成により第2の絞り2eの絞り面積もまた、図中に破
線にて示す如く油溝13の側壁と切欠部22の端部とが周方
向に略一致する位置(第2の所定値)に達するまでの間
における該切欠部22の深さに支配される一定領域と、切
欠部23の深さに支配される漸減領域とを経て締切りに至
る変化態様を示すが、第2の絞り2eにおける切欠部22の
周方向長さL2は、第1の絞り2aにおける切欠部20の周方
向長さL1よりも大きくしてあり、第2の絞り2eにおける
絞り面積の一定領域は第1の絞り2aにおけるそれよりも
広くなっている。なお、第2の絞り2eにおける切欠部23
の周方向長さは、第1の絞り2aにおける切欠部21のそれ
よりも、前記切欠部22と前記切欠部20との間の周方向長
さの差(L2‐L1)だけ小さくしてある。これにより第1,
第2の絞り2a,2eは、相等しい相対角変位に対して同時
に締切り位置に達することになる。
更に第3の絞り2bは、弁体12側の油溝13の側縁のみ
に、これを所定角度にて面取りする直線状又は円弧状の
切欠部24を、周方向に所定の幅を有して形成してなる。
これにより第3の絞り2bにおいては、相対角変位の開始
直後に大きい絞り面積の変化を示した後は、切欠部24の
弁体12の外周側端部がケーシング10の対向する角部と一
致する締切り位置に至るまでの間、相対角変位の増大に
対し略一定の変化率にて漸減する絞り面積の変化態様を
示すことになる。なお切欠部24の周方向長さは、第1の
絞り2aにおける切欠部20と切欠部21との合計長さ及び第
2の絞り2eにおける切欠部22と切欠部23との合計長さに
略等しくしてあり、これにより第3の絞り2bの締切り位
置は、第1,第2の絞り2a,2eの締切り位置と略一致す
る。
第1,第2の絞り2a,2eは、絞り面積が変化しない領域
を得るべくケーシング10側の油溝11の側縁に形成された
切欠部20,22を備えると共に、弁体12側の油溝13の側縁
に切欠部21,23を備えて構成されている。前述した形状
を有するケーシング10側の切欠部20,22は、ブローチ加
工により一括して形成し得るが、該切欠部20,22とケー
シング10の内周面との交叉部は、この後に行われる内周
面の仕上げ加工によって位置ずれする虞れがある。弁体
12側の切欠部21,23は、油溝13の側縁を斜めに面取りし
た単純な形状を有しており、これらは、周方向幅の修正
により、第1,第2の絞り2a,2eの締切り位置を変え、第
3絞り2bとの締切り位置の一致を実現すべく利用され
る。このように第1,第2の絞り2a,2eが、ケーシング10
側の切欠部20,22と弁体12側の切欠部21,23とを併せて備
える構成により、第3絞り2bとの締切り位置の一致は、
ケーシング10の内周面の加工誤差に影響されることな
く、容易にしかも確実に実現される。
以上の如く生じる第1,相2,第3の絞り2a,2e,2bにおけ
る絞り面積の変化態様の一例を第5図に示す。図中に細
い実線にて示す如く第1の絞り2aにおいては、相対変位
角度が2°よりも小さい範囲において、また図中に細い
破線にて示す如く第2の絞り2eにおいては、相対変位角
度が3°よりも小さい範囲において、夫々絞り面積の一
定領域が得られており、また図中に細い一点鎖線にて示
す如く第3の絞り部においては、略全範囲に亘って比例
的に漸減する絞り面積の変化態様が得られている。但し
前述した如く、第3の絞りは絞り2bだけではなく、絞り
部を構成する8つの絞り2a〜2hの内、第1,第2の絞り2
a,2eを除く6つの絞りが第3の絞りであり、第5図中の
一点鎖線は、これら6つの絞り全てにおける絞り面積変
化の総計である。従って、8つの絞り2a〜2hからなる油
圧制御弁1の絞り部においては、各絞りにおいて生じる
絞り面積の変化を合成してなる絞り面積の変化態様が得
られ、これは図中に太い実線にて示す如く、相対変位角
度が小さい範囲における絞り面積の急減部に続いて、第
1,第2の絞り部2a,2e双方の一定領域に相当する部分
に、相対角変位の増大に対して絞り面積が比例的に漸減
する第1の漸減部を有し、更にこれに続いて、第2の絞
り2eのみの一定領域に相当する部分に、第1の漸減部よ
りも若干大きい変化率にて比例的に絞り面積が減少する
第2の漸減部を有するものとなる。
従ってこのような油圧制御弁1からの送給油圧により
操舵補助力を発生する油圧シリンダSにおいては、操舵
補助力の一定域と急増域との間に、絞り面積の第1の漸
減部に対応して、操舵トルクの増大に応じて操舵補助力
が比例的に漸減する第1の漸増域が現出し、またこれよ
りも操舵トルクが大きい範囲に、絞り面積の第2の漸減
部に対応して、前記第1の漸減域よりもやや大きい増加
率にて比例的に漸増する操舵補助力が得られる第2の漸
増域が現出し、各領域間に3段の折れ部を有する第6図
に示す如き操舵補助力の増加特性、即ち3段折れ特性が
実現される。そして第1の漸増域での小なる増加率によ
り、高速走行時における舵輪への剛性の付与が可能とな
り、直進安定性の向上に寄与できると共に、第2の漸増
域でのやや大なる増加率により、低速走行時における十
分な操舵補助力の発生が保証され、更に急増域への遷移
部において生じる舵輪操作力の抜け感が解消される。
なお以上の説明は、ケーシング10と弁体12との間の相
対角変位に応じて絞り開度を変化する一対の絞り部の
内、絞り2a〜2hにて構成される一方の絞り部について行
ったが、絞り3a〜3hにて構成される他方の絞り部につい
ても全く同様であり、第1図に示す如く、絞り3aを第1
の絞りとし、絞り3eを第2の絞りとして、残りの6つを
第3の絞りとしてある。
また本実施例においては、絞り部を構成する8つの絞
りの内、各1つを第1,第2の絞りとし、残りの6つを第
3の絞りとしたが、本考案の必須要件は、前述の如き絞
り面積の変化をなす第1,第2,第3の絞りを備えているこ
とであり、夫々の絞りの個数及び位置は適宜に設定すれ
ばよい。
また本実施例においては、ケーシング10及び弁体12が
夫々8つの油溝を有し、各油溝間に8つの絞りが形成さ
れた油圧制御弁について説明したが、前記油溝の数及び
これらの間の絞りの形成個数は適宜に変更可能である。
〔効果〕
以上詳述した如く本考案に係る油圧制御弁において
は、ケーシングと弁体との相対角変位に応じてその絞り
開度を変化する一対の絞り部が夫々、前記相対角変位に
対し、略一致する夫々の締切り位置に達するまでの間に
相異なる面積変化態様を示す3種の絞りにより構成され
ており、これら夫々における絞り面積変化の合成によ
り、同時締切りに至るまでの間に、相対角変位が比較的
小さい範囲における小さい変化率での比例的な漸減域
と、これに続く範囲における比較的大なる変化率での比
例的な漸減域が得られるから、本考案に係る油圧制御弁
を動力舵取装置に適用した場合、操舵トルクの増大に対
し、これが小なる範囲での操舵補助力の一定域と、同じ
く大なる範囲での操舵補助力の急増域との間に、絞り部
での前者の漸減域に対応して小なる増加率での比例的な
漸増域が生じ、また後者の漸減域に対応して比較的大な
る増加率での操舵補助力の漸増域が生じて、各領域間に
3個所の折れ部を有する。所謂3段折れ特性が実現さ
れ、舵輪に加えられる小さい操舵トルクに対しては舵輪
に適度の剛性が付与され、高速走行時における直進安定
性の向上に寄与できる一方、比較的大なる操舵トルクに
対してはある程度の操舵補助力の発生が保証され、低速
走行時における舵輪操作が軽減され、また、急増域への
遷移に際しての舵輪操作力の抜け感が解消されて良好な
操舵感覚が得られる。また、第1の絞りと第2の絞りと
は、ケーシング側及び弁体側の油溝の側縁に夫々所定の
切欠部を設けて構成されており、弁体側の切欠部の形状
修正により、第3の絞りと略一致した締切り位置が、容
易に、しかも確実に実現されるから、前述した特性が確
実に得られる等、本考案は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る油圧制御弁の模式的横断面図、第
2図は第1の絞りの構成態様を示す拡大断面図、第3図
は第2の絞りの構成態様を示す拡大断面図、第4図は第
3の絞りの構成態様を示す拡大断面図、第5図は第1,第
2,第3の絞りからなる絞り部における絞り面積の変化態
様を示すグラフ、第6図は本考案に係る油圧制御弁を用
いた動力舵取装置において得られる操舵補助力の増加特
性を示すグラフ、第7図は従来の油圧制御弁の模式的横
断面図、第8図は従来に油圧制御弁を用いた動力舵取装
置において得られる操舵補助力の増加特性を示すグラフ
である。 1……油圧制御弁、2a,3a……第1の絞り 2e,3e……第2の絞り、2b〜2d,2f〜2h,3b〜3d,3f〜3h…
…第3の絞り、10……ケーシング 11……油溝、12……弁体、13……油溝、P……油圧ポン
プ、S……暗転油圧シリンダ、T……油タンク

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸上にて相対角変位する筒形のケーシン
    グと弁体との嵌合周上に形成された各複数の油溝を周方
    向に千鳥配置し、各油溝の両側に、前記相対角変位に伴
    って一方の絞り面積が減じるとき他方の絞り面積が増す
    一対の絞り部を備え、これらを高圧源及び低圧源と適宜
    の送給先との間に夫々介在させて用いられ、前記送給先
    への送給油圧を前記相対角変位に応じて制御する油圧制
    御弁において、 前記一対の絞り部は夫々、 前記相対角変位が第1の所定値に達するまでの間に、そ
    の絞り面積が実質的に変化しない領域を有する第1の絞
    りと、 前記相対角変位が前記第1の所定値を超える第2の所定
    値に達するまでの間に、その絞り面積が実質的に変化し
    ない領域を有する第2の絞りと、 前記相対角変位によりその締切り位置に達するまでの間
    に、略一定の絞り面積変化を示す第3の絞りとを備え、 前記第1の絞りと前記第2の絞りとは、ケーシング側及
    び弁体側の油溝の側縁に夫々所定の切欠部を設けて、前
    記第3の絞りと略一致した締切り位置を有するように構
    成し、 前記第3の絞りは、弁体側の油溝の側縁に所定の切欠部
    を設けて構成してあることを特徴とする油圧制御弁。
JP1990083018U 1990-08-03 1990-08-03 油圧制御弁 Expired - Lifetime JP2520788Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990083018U JP2520788Y2 (ja) 1990-08-03 1990-08-03 油圧制御弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990083018U JP2520788Y2 (ja) 1990-08-03 1990-08-03 油圧制御弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0439966U JPH0439966U (ja) 1992-04-06
JP2520788Y2 true JP2520788Y2 (ja) 1996-12-18

Family

ID=31630337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1990083018U Expired - Lifetime JP2520788Y2 (ja) 1990-08-03 1990-08-03 油圧制御弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2520788Y2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56142756A (en) * 1980-04-01 1981-11-07 Toyoda Mach Works Ltd Servo valve

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0439966U (ja) 1992-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3622063B2 (ja) 油圧制御弁
JPH0417817B2 (ja)
JP2523170Y2 (ja) 油圧制御弁
JP2529679B2 (ja) パワ−ステアリングの油圧制御装置
JP2520788Y2 (ja) 油圧制御弁
JP2565393B2 (ja) ステアリングギヤ比可変装置
JP2000001174A (ja) 液圧流体制御弁装置
JP2552765Y2 (ja) 油圧制御弁
US6035760A (en) Power steering system
JP3807853B2 (ja) 油圧制御弁
JP2523985Y2 (ja) 油圧制御弁
JP2594904Y2 (ja) 動力操向装置の操舵力制御装置
JPH0550924A (ja) 操舵装置
JPH09254800A (ja) パワーステアリングの操舵力制御装置
JP3532964B2 (ja) バルブ装置および油圧パワーステアリング装置
JP3574910B2 (ja) 油圧制御弁
JP3847487B2 (ja) 油圧パワーステアリング装置
JPH01285462A (ja) 油圧制御弁
JP3973240B2 (ja) 油圧制御弁
JP3810931B2 (ja) 油圧パワーステアリング装置
JPH0618149U (ja) 油圧制御弁
JP3541284B2 (ja) 油圧制御弁
JP2544153B2 (ja) 油圧制御弁
JPH01186470A (ja) 油圧制御弁
JPH085394B2 (ja) ロ−タリ形サ−ボバルブ

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term