JP2623218B2 - 刺しゅう紙及びその製造方法 - Google Patents

刺しゅう紙及びその製造方法

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JP2623218B2
JP2623218B2 JP6049218A JP4921894A JP2623218B2 JP 2623218 B2 JP2623218 B2 JP 2623218B2 JP 6049218 A JP6049218 A JP 6049218A JP 4921894 A JP4921894 A JP 4921894A JP 2623218 B2 JP2623218 B2 JP 2623218B2
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力男 浅野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刺しゅうを施した紙に
関し、特に、電報やレタックスのための台紙、本、芳名
帳、写真アルバム、卒業文集の表紙、メニューあるいは
和菓子用の箱の材料等とするのに適した刺しゅう紙、及
びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】刺しゅうは、柔らかい感じと立体感を与
え、豪華な雰囲気を醸し出すものであることから、布製
品だけでなく種々な分野で利用されているものである。
【0003】例えば、実公昭39−11056号公報に
は、「適宜の画像を配した台紙に、ミシンししゅう縫を
施す箇所の裏面から布、もしくは、紙よりなる裏抑布、
もしくは裏抑紙を重ね、ミシンししゅう縫を施し、表紙
裏面に裏表紙を貼着したクリスマスカードの構造」が既
に提案されてきており、この構造によれば、綺麗で、し
しゅう縫を施す個所を増減したり、変えたりすれば、さ
らに変化にとんだクリスマスカードが得られるものであ
る。
【0004】しかしながら、この実公昭39−1105
6号公報に示された構造では、ミシンししゅう縫を施す
個所の裏面に、うすい布、もしくは、張力に富んだうす
い紙を重ねることにより、表紙を補強して、ししゅう縫
を施す紙の張力を増大しなければならないものであるか
ら、布もしくは紙を重ねた部分は厚くならざるを得ない
ものである。しかも、これらの布もしくは紙によって補
強されるべき台紙そのものは、刺しゅう縫いができる程
度の強度を有していないものであるから、刺しゅうの形
態(大きさ)が変われば、台紙補強用の布もしくは紙
は、その大きさを変えなければならないものである。
【0005】一方、和紙は、それ自体が美しく、また肌
ざわりのよいものであるため、上記産業上の利用分野の
項で列挙した台紙や表紙の表面を構成する材料として多
く用いられてきているものである。このため、本発明者
は、前述した刺しゅうをこの和紙に施すようにして台紙
や表紙を形成すれば、非常に商品価値の高いものができ
るのではないかと思い到ったのである。ところが、上記
の実公昭39−11056号公報においても問題とされ
ているように、紙に刺しゅうを施すことは、次のような
問題があって、容易には完成することができなかったの
である。
【0006】(1)和紙単独では、表紙等として必要な
剛性が不足するから、これに基材となるべき厚紙を糊着
しなければならないが、その場合の接着剤が和紙の表面
に僅かでも出てくると、和紙の美しさや柔らかな感触を
十分発揮させることができなくなる。
【0007】(2)和紙といっても、種々な形態のもの
があるが、これに刺しゅうが施せるような十分な材質の
ものである必要がある。刺しゅうは、種々な色糸を縫う
ことによりなされるものであり、その形成される模様に
よっては糸目の非常に小さい部分もあり得る。従って、
和紙は、刺しゅうがどのような長さの糸目によって構成
されているものであっても、これに色糸が十分絡み得る
ものである必要がある。
【0008】(3)前記のような表紙等は、機械化によ
って大量生産することにより、そのコストを低減させる
ことが必要であるが、和紙自体は柔らかいものであるた
め、これを表紙等の表装材として機械に掛けることは非
常に困難である。このため、刺しゅうを施した和紙は、
何等かの手段によって、機械に掛けられるような構造の
ものとしなければならない。
【0009】そこで、本発明者は、以上のような(1)
〜(3)の問題を同時に解決するにはどうしたらよいか
について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成した
のである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす
る課題は、和紙と刺しゅうを有効利用した刺しゅう紙の
提供である。
【0011】そして、まず請求項1に係る発明の目的と
するところは、製造において容易に機械化をすることが
できて、しかも和紙と刺しゅうの長所を十分に生かして
豪華な雰囲気を醸し出すことのできる刺しゅう紙を提供
することにある。
【0012】また、請求項2に係る発明の目的とすると
ころは、製造において容易に機械化をすることができ
て、しかも接着剤が和紙の表面に浸出しないようにする
ことのできる刺しゅう紙の製造方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
に、請求項1に係る発明の採った手段は、実施例にお
いて使用する符号を付して説明すると、「刺しゅう15
を施した和紙11を台紙13によって裏打ちした刺しゅ
う紙10であって、和紙11は、コウゾ・ミツマタ等の
和紙原料の繊維長を調整しないで抄造したものであっ
て、かつ坪量が40〜70g/m2 のものを採用し、和
紙11の裏面側に第一接着層14aによって洋紙12
を、この洋紙12の裏面側に第二接着層14bによって
台紙13をそれぞれ糊着するに際して、第二接着層14
bのための接着剤を通常一般に行われている20〜25
g/m 2 程度に塗布するとともに、第一接着層14aの
量を第二接着層14bの約1/3〜1/2程度にしたこ
とを特徴とする刺しゅう紙10」である。
【0014】この刺しゅう紙10は、その和紙11が、
コウゾ・ミツマタ等の和紙原料の繊維長を調整しないで
抄造したものであることが必要である。その理由は、こ
の和紙11中に、和紙原料の繊維が長い状態で存在して
いないと、この和紙11に刺しゅう15を施した場合
に、刺しゅう15のための色糸の目飛びを生ずるからで
ある。和紙原料の繊維長を長いものとするための最も簡
便な方法は、通常行われている繊維長の調整(一定の範
囲の長さに切り揃えること)を行わないようにすること
である。
【0015】また、この刺しゅう紙10の和紙11は、
坪量が40〜70g/m2 のものである必要がある。そ
の理由は、和紙11中に和紙原料の長繊維がどの箇所に
おいても十分存在しているものとして、これらの長繊維
に対する刺しゅう15の色糸の絡まりを十分なものとし
なければならない。また、和紙11の坪量が40g/m
2 より少ないと、長繊維の量が十分とならないものであ
り、一方70g/m2より多いと、和紙11の和紙とし
ての長所が発揮できなくなるだけでなく、刺しゅう15
の色糸の絡みについては、それ程大きな効果を期待する
ことができないのである。中でも、和紙11の坪量とし
ては、45〜65g/m2 の範囲のものが最も適してい
るものである。
【0016】そして、この刺しゅう紙10の和紙11
は、和紙11の裏面側に第一接着層14aによって洋紙
12を、この洋紙12の裏面側に第二接着層14bによ
って台紙13をそれぞれ糊着するに際して、第二接着層
14bのための接着剤を通常一般に行われている20〜
25g/m 2 程度に塗布するとともに、第一接着層14
aの量を第二接着層14bの約1/3〜1/2程度にし
たものであることが必要である。その理由は、特に第一
接着層14aを構成する接着剤が和紙11の表面に浸出
しないようにするためであり、そのために、和紙11に
は接着剤を全く塗布しないで、その代わりに、洋紙12
の両面に接着剤を塗布したのである。また、接着剤が和
紙11の表面に浸出しないようにするために、第一接着
層14aの量を第二接着層14bの約1/3〜1/2程
度にしたのである。
【0017】また、以上の課題を解決するために、請求
項2に係る発明の採った手段は、実施例において使用す
る符号を付して説明すると、 「刺しゅう15を施した和
紙11を台紙13によって裏打ちした刺しゅう紙10の
製造方法であって、 和紙11は、コウゾ・ミツマタ等の
和紙原料の繊維長を調整しないで抄造したものであっ
て、かつ坪量が40〜70g/m 2 のものを採用し、
紙11の裏面側に第一接着層14aによって洋紙12
を、この洋紙12の裏面側に第二接着層14bによって
台紙13をそれぞれ糊着するに際して、第二接着層14
bのための接着剤を通常一般に行われている20〜25
g/m 2 程度に塗布し、第一接着層14aの量を第二接
着層14bの約1/3〜1/2程度にす るとともに、
一接着層14aを塗布した洋紙12に和紙11を糊着
し、その後に洋紙12の反対側面に第二接着層14bを
塗布しておいて、この第二接着層14bを介して台紙1
3を糊着するようにしたことを特徴とする刺しゅう紙1
0の製造方法である。
【0018】すなわち、本発明に係る製造方法において
は、接着剤が和紙11の表面に浸出しないようにするた
めに、第一接着層14a及び第二接着層14bを構成す
るための接着剤を、洋紙12の表裏に塗布するようにし
ているのである。つまり、接着剤を塗布した洋紙12に
和紙11を糊着して、その後に、洋紙12の反対側面に
第二接着層14bとなるべき接着剤を塗布しておいて、
この第二接着層14bを介して台紙13を糊着するよう
にしているのである。換言すれば、和紙11及び台紙1
3には接着剤は全く塗布しないのであり、その代わり、
洋紙12の両面に接着剤を塗布することにより、当該刺
しゅう紙10を製造するようにしているのである。
【0019】
【発明の作用】以上のように構成した本発明に係る刺し
ゅう紙10及びその製造方法の作用を説明すると、次の
通りである。
【0020】まず、この刺しゅう紙10は、電報やレタ
ックスのための台紙、本、芳名帳、写真アルバム、卒業
文集の表紙、メニューあるいは和菓子用の箱の材料等と
して使用されるのであるが、その場合に、表面に現れて
いる刺しゅう15の美しさとともに、刺しゅう15によ
る柔らかい肌ざわりと凹凸感とによって、非常に豪華な
ものとなっている。しかも、この刺しゅう15が形成し
てある和紙11も刺しゅう紙10の表面に現れているの
であるから、この和紙11の柔らかな感じと美しさによ
って、刺しゅう15による作用とともに、当該刺しゅう
紙10は非常に美麗で豪華な雰囲気を醸し出すものとな
っているのである。
【0021】特に、この刺しゅう紙10は、図4または
図5に示すように、刺しゅう15を施した和紙11につ
いて、洋紙12を介して糊着した台紙13によって補強
したものであるから、この台紙13によって簡単には折
れ曲がらない剛性を備えたものとなっているのである。
従って、この刺しゅう紙10自体を、図1及び図2に示
すような電報や手紙の台紙として利用した場合には、電
報や手紙を豪華な雰囲気で包むものとなるのである。こ
のことは、アルバムの表紙や和菓子の箱とした場合等に
おいても同様であり、アルバムや本等の境として利用さ
れる所謂インナーとした場合でも同様である。
【0022】また、この刺しゅう紙10においては、和
紙11として、コウゾ・ミツマタ等の和紙原料の繊維長
を調整しないで抄造したものであって、かつ坪量が40
〜70g/m2 のものを採用しているから、和紙11中
にはコウゾあるいはミツマタ等の和紙としての原料繊維
が長い状態で存在している。従って、この和紙11に施
した刺しゅう15は、それぞれの目が和紙11中の長繊
維に確実に絡まっていて、所謂目飛びは全く存在してい
ない。しかも、刺しゅう15を施した和紙11の台紙1
3に対する一体化は、洋紙12を介して第二接着層14
bにより行っているのであるから、この第二接着層14
bのためのニカワ糊等の接着剤は、洋紙12に阻止され
て和紙11上には浸出していないのである。このため、
和紙11の表面は美麗なままの状態が維持されているの
である。
【0023】さらに、この刺しゅう紙10は、大量生産
するために、機械によって、刺しゅう15を施した和紙
11を、洋紙12を介して台紙13に一体化して形成さ
れるものであるが、この和紙11は、これに第一接着層
14aによって洋紙12が一体化してあるので、その機
械に掛けるに必要な剛性を有したものとなっているので
ある。つまり、もし刺しゅう15を施した和紙11がこ
れのみであった場合には、和紙11の柔軟性によって機
械に対して安定した状態で掛けることができないのであ
り、和紙11の裏面側に出ている刺しゅう15による凹
凸が機械に装入する際の邪魔物ともなるのであるが、本
発の和紙11では洋紙12によってそのようなことがな
くなるのである。
【0024】そして、以上の刺しゅう紙10、及びその
製造方法によれば、和紙11及び台紙13には接着剤は
全く塗布しないで、洋紙12の両面に接着剤を塗布し
た、あるいはするようにしたし、第二接着層14bのた
めの接着剤を通常一般に行われている20〜25g/m
2 程度に塗布し、第一接着層14aの量を第二接着層1
4bの約1/3〜1/2程度にしたので、第一接着層1
4aの接着剤が和紙11の表面に浸出しないのである。
これにより、和紙11及び刺しゅう15を美麗なままの
ものとすることができるのである。
【0025】
【実施例】次に、本発明に係る刺しゅう紙10を、図面
に示した実施例に従って説明すると、図1には、本発明
に係る刺しゅう紙10を使用して構成したレタックス用
の台紙20が示してある。このレタックス用台紙20
は、図1の左辺を折り目として二つ折りされるものであ
り、図1及び図2に示すように、その表紙側には、図2
に示したレタックス21上の宛先が外から見えるよう
に、宛先開口23が形成してあるものである。
【0026】なお、本実施例に係るレタックス用台紙2
0は、これを図2に示したように開いた時に現出する裏
表紙22を、刺しゅう紙10を構成している台紙13の
裏面に糊着したものである。つまり、図2に展開して示
したレタックス用台紙20の内側には、裏表紙22と、
この裏表紙22の上に貼付したレタックス21と、裏表
紙22の周囲に僅かに現出した和紙11の一部とが見え
るものである。
【0027】さて、このようなレタックス用台紙20を
構成するための、本発明に係る刺しゅう紙10は、図1
及び図3に示すように、表面に刺しゅう15が現れる和
紙11を有しているものである。本実施例における和紙
11は、コウゾあるいはミツマタ、またはこれらの混合
物を原料繊維とするものであり、これらの原料繊維長を
調整しないで、約65g/ 2 坪量のものに抄造した
ものである。一方、洋紙12及び台紙13は、一般的な
ものが採用されるものであり、特に限定されるものでは
ないが、いずれにしても、和紙11と洋紙12とは第一
接着層14aによって糊着され、また洋紙12と台紙1
3とは第二接着層14bによって糊着されるものであ
る。
【0028】和紙11には刺しゅう15が施されるので
あるが、それには図4または図5に示した2通りの方法
が考えられる。つまり、刺しゅう15そのものが比較的
荒い目のものであり、かつ和紙11が十分な長繊維を有
している場合には、刺しゅう15を直接和紙11に施し
てから、その裏面に第一接着層14aによって洋紙12
を糊着するのが一番目の方法である。二番目の方法は、
図5に示すように、和紙11の裏面に第一接着層14a
を介して洋紙12を糊着しておいて、その全体に刺しゅ
う15を施すものであり、この場合は、刺しゅう15の
目が細かくしかも和紙11の坪量が前述した範囲内の小
さい方にある場合に適用されるものである。
【0029】いずれにしても、和紙11の裏面には第一
接着層14aによって洋紙12が、この洋紙12の裏面
には第二接着層14bによって台紙13がそれぞれ糊着
されるのであるが、これらの第一接着層14a及び第二
接着層14bを構成するための接着剤としては所謂ニカ
ワ糊を採用しているものである。この場合、和紙11と
洋紙12との糊着は、洋紙12と台紙13とのそれに比
較してそれ程強固にする必要はないものであるが、その
理由は、この刺しゅう紙10を使用して例えば図2に示
したようなレタックス用台紙20等の商品を製造する場
合に、和紙11の一部を台紙13の反対側に折り返し
て、その上面側に裏表紙22等を貼付するからである。
また、洋紙12と台紙13とを接着する第二接着層14
bのための接着剤は、通常一般に行われている20〜2
5g/ 2 度に塗布すればよいものであり、和紙11
と洋紙12とを糊着するための第一接着層14aの量は
第二接着層14bの約1/3〜1/2程度にすればよい
ものである。
【0030】また、この刺しゅう紙10を機械によって
大量生産するには、図4に示したものの場合、洋紙12
に前述した程度の第一接着層14aを形成しておき、こ
れに刺しゅう15を施した和紙11を糊着する。第一接
着層14aが一定の乾燥状態になれば、これを機械に装
入して、第二接着層14bを形成した台紙13に連続的
に糊着させるのである。一方、図5に示したものの場合
には、まず洋紙12に第一接着層14aを介して和紙1
1を糊着しておき、第一接着層14aが一定の乾燥状態
になったときに和紙11及び洋紙12に刺しゅう15を
施すのである。これを台紙13に第二接着層14bを介
して糊着することにより刺しゅう紙10が形成される。
【0031】特に、本実施例においては、接着剤が和紙
11の表面に浸出しないようにするために、第一接着層
14a及び第二接着層14bを構成するための接着剤
を、洋紙12の表裏に塗布するようにしている。つま
り、接着剤を塗布した洋紙12に和紙11を糊着して、
その後に、洋紙12の反対側面に第二接着層14bとな
るべき接着剤を塗布しておいて、この第二接着層14b
を介して台紙13を糊着するようにしているのである。
換言すれば、和紙11及び台紙13には接着剤は全く塗
布しないのであり、その代わり、洋紙12の両面に接着
剤を塗布することにより、当該刺しゅう紙10を製造す
るようにしているのである。
【0032】いずれにしても、台紙13に第二接着層1
4bを介して糊着される前の和紙11は、洋紙12によ
って言わば裏打ちされた状態のものであり、しかも比較
的薄い第一接着層14aによって洋紙12が糊着してあ
るから、和紙11の表面に接着剤が浸出していなくて美
麗なままの状態にあり、かつこの和紙11は洋紙12に
よって機械に装入し得るに十分な剛性を有したものとな
っているのである。
【0033】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に係る発
においては、上記実施例にて例示した如く、「刺しゅう
15を施した和紙11を台紙13によって裏打ちした刺
しゅう紙10であって、和紙11は、コウゾ・ミツマタ
等の和紙原料の繊維長を調整しないで抄造したものであ
って、かつ坪量が40〜70g/m2 のものを採用し、
和紙11の裏面側に第一接着層14aによって洋紙12
を、この洋紙12の裏面側に第二接着層14bによって
台紙13をそれぞれ糊着するに際して、第二接着層14
bのための接着剤を通常一般に行われている20〜25
g/m 2 程度に塗布するとともに、第一接着層14aの
量を第二接着層14bの約1/3〜1/2程度にしたこ
と」にその構成上の特徴があり、これにより、製造にお
いて容易に機械化をすることができて、しかも和紙と刺
しゅうの長所を十分に生かして豪華な雰囲気を醸し出す
ことのできる刺しゅう紙を提供することができるのであ
る。
【0034】すなわち、この刺しゅう紙10によれば、 (1)和紙11に洋紙12を介して台紙13を糊着した
ので、台紙13側において形成されるべき第二接着層1
4bの接着剤の量が多くなっても、これが和紙11の表
面に浸出することはなく、和紙11の美しさや柔かな感
触を十分発揮させることができる。 (2)和紙11として、コウゾ・ミツマタ等の和紙原料
の繊維長を調整しないで抄造したものであって、かつ坪
量が40〜70g/m2 のものを採用したから、刺しゅ
う15の色糸が常に確実に絡み付くことができるのであ
り、刺しゅう15を目飛びの全くな美麗なものとするこ
とができる。 (3)和紙11に洋紙12を裏打ちすることにより、和
紙11の美しさや柔らかい肌ざわりをそのままにして剛
性を高めることができるのであるから、機械に掛けて大
量生産するのを容易にすることができるのであり、コス
トを低減させることができる。といった優れた効果を発
揮することができるのである。
【0035】また、請求項2に係る刺しゅう紙10の製
造方法によれば、 「刺しゅう15を施した和紙11を台
紙13によって裏打ちした刺しゅう紙10の製造方法で
あって、 和紙11は、コウゾ・ミツマタ等の和紙原料の
繊維長を調整しないで抄造した ものであって、かつ坪量
が40〜70g/m 2 のものを採用し、 和紙11の裏面
側に第一接着層14aによって洋紙12を、この洋紙1
2の裏面側に第二接着層14bによって台紙13をそれ
ぞれ糊着するに際して、第二接着層14bのための接着
剤を通常一般に行われている20〜25g/m 2 程度に
塗布し、第一接着層14aの量を第二接着層14bの約
1/3〜1/2程度にするとともに、 第一接着層14a
を塗布した洋紙12に和紙11を糊着し、その後に洋紙
12の反対側面に第二接着層14bを塗布しておいて、
この第二接着層14bを介して台紙13を糊着するよう
にしたこと」にその特徴があり、これにより、刺しゅう
紙10の製造において容易に機械化をすることができ
て、しかも接着剤が和紙の表面に浸出しないようにする
ことのできる刺しゅう紙の製造方法を提供することがで
きるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る刺しゅう紙を利用して形成した
レタックス用台紙の平面図である。
【図2】 同レタックス用台紙を開いた状態の平面図で
ある。
【図3】 図1に示した刺しゅう紙の要部拡大平面図で
ある。
【図4】 本発明に係る刺しゅう紙を分解して示した部
分拡大断面図である。
【図5】 本発明に係る刺しゅう紙の他の例を分解して
示した部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10 刺しゅう紙 11 和紙 12 洋紙 13 台紙 14a 第一接着層 14b 第二接着層 15 刺しゅう 20 レタックス用台紙

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺しゅうを施した和紙を台紙によって裏
    打ちした刺しゅう紙であって、 前記和紙は、コウゾ・ミツマタ等の和紙原料の繊維長を
    調整しないで抄造したものであって、かつ坪量が40〜
    70g/m2 のものを採用し、 前記和紙の裏面側に第一接着層によって洋紙を、この洋
    紙の裏面側に第二接着層によって前記台紙をそれぞれ糊
    着するに際して、前記第二接着層のための接着剤を通常
    一般に行われている20〜25g/m 2 程度に塗布する
    とともに、前記第一接着層の量を第二接着層の約1/3
    〜1/2程度にしたことを特徴とする刺しゅう紙。
  2. 【請求項2】 刺しゅうを施した和紙を台紙によって裏
    打ちした刺しゅう紙の製造方法であって、 前記和紙は、コウゾ・ミツマタ等の和紙原料の繊維長を
    調整しないで抄造したものであって、かつ坪量が40〜
    70g/m 2 のものを採用し、 前記和紙の裏面側に第一接着層によって洋紙を、この洋
    紙の裏面側に第二接着層によって前記台紙をそれぞれ糊
    着するに際して、前記第二接着層のための接着剤を通常
    一般に行われている20〜25g/m 2 程度に塗布し、
    前記第一接着層の量を第二接着層の約1/3〜1/2程
    度にするとともに、 前記第一接着層を塗布した洋紙に前記和紙を糊着し、そ
    の後に前記洋紙の反対側面に前記第二接着層を塗布して
    おいて、この第二接着層を介して前記台紙を糊着するよ
    うにしたことを特徴とする刺しゅう紙の製造方法
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