JP2623141B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2623141B2 JP13878089A JP13878089A JP2623141B2 JP 2623141 B2 JP2623141 B2 JP 2623141B2 JP 13878089 A JP13878089 A JP 13878089A JP 13878089 A JP13878089 A JP 13878089A JP 2623141 B2 JP2623141 B2 JP 2623141B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般には画像形成装置に関するものであ
り、特に、電子写真方式或いは静電記録方式などにより
形成された像担持体上のトナー像を、転写担持部材上に
担持された転写材に転写電界を付与して転写することに
より画像を得る画像形成装置に関するものである。斯る
画像形成装置としては、白黒、モノカラー或いはフルカ
ラーの電子写真複写機、プリンター、その他種々の記録
機器などがある。
従来の技術 従来、例えば多色(フルカラー)画像形成装置は種々
提案されているが、第6図に代表的な、所謂回転式現像
装置と称される現像装置を具備した多色電子写真複写装
置が図示される。
第6図を参照し簡単に説明すると、多色電子写真複写
装置は、回転自在に軸支され矢印方向に回転する像担持
体、即ち、感光ドラム3が配置され、その外周部に画像
形成手段が配置される。画像形成手段は任意の手段とし
得るが、本例では、感光ドラム3を均一に帯電する一次
帯電器4と、色分解された光像又はこれに相当する光像
を照射し、感光ドラム3上に静電潜像を形成する、例れ
ばレーザービーム露光装置などから成る露光手段8と、
感光ドラム3上の静電潜像を可視画像とする回転式現像
装置1とを具備する。
回転式現像装置1は、イエロー色現像剤、マゼンタ色
現像剤、シアン色現像剤、ブラツク色現像剤の4色の現
像剤を各別に収納する4個の現像器4Y、4M、4C、4BK
と、これら4個の現像器4Y、4M、4C、4BKを保持し且つ
回転自在に軸支された略円柱形状の筺体とから成つてい
る。前記回転式現像装置1は、筺体の回転によつて所望
の現像器を感光ドラム3の外周面と対向する位置に搬送
し、感光ドラム上の静電潜像の現像を行ない4色分のフ
ルカラー現像が可能に構成されている。
感光ドラム3上の可視画像、即ち、トナー像は、転写
装置9に担持されて搬送される転写材Pに転写される。
本例において転写装置9は回転自在に軸支された転写ド
ラムとされ、該転写ドラム9は、第8図をも参照すると
理解されるように、両端に配置されたシリンダ9a、9b
と、該両シリンダ9a、9bを連結する連結部9cとを有し、
シリンダ9a、9bの外周面開口域には、転写材担持部材93
が張設される。該転写材担持部材93は通常は、例えば、
ポリエチレンテレフタレートやポリフツ化ビニリデン樹
脂フイルムなどのフイルム状の誘電体シートが使用され
る。又、前記連結部9cには、給紙装置から送給された転
写材Pを把持する転写材グリツパ7を有する。更に転写
ドラム5の内側及び外側には転写用放電器10、及び除電
手段を構成する内側除電用放電器13及び外側除電用放電
器11、14が配置される。
上述したごとき構成の多色電子写真複写装置によるフ
ルカラー画像の形成工程を簡単に説明すると、以下のよ
うである。
感光ドラム3に一次帯電器4により均一な帯電を行な
い露光手段8にて画像情報に応じた光像Eを照射し、感
光ドラム3上に静電潜像が形成される。該静電潜像は、
回転式現像装置1により感光ドラム3上に樹脂を基材と
した平均粒径12μmのトナーによりトナー像として可視
化される。
一方、転写材Pはレジストローラ6により画像と同期
して転写ドラム9へと送られ、グリッパ7等によりその
先端部を把持され、そして、該転写ドラム9にて図中矢
印方向に搬送される。
次いで、感光ドラム3と当接する領域において転写ド
ラム9の転写材担持部材、即ち、誘電体シート93の背面
から転写用放電器10によってトナーと逆極性のコロナ放
電を受けることにより感光ドラム3上のトナー像が転写
材P上に転写される。
転写材Pは必要回数の転写工程が行なわれた後除電用
放電器11、13、14により除電を受けつつ分離爪15の作用
により転写ドラム9から剥離され搬送ベルト16により定
着器17に搬送される。定着器17にて熱による定着を受け
た後機外に排出される。
他方、感光ドラム3は、表面の残留トナーをクリーニ
ング装置12で清掃された後再度画像形成プロセスに供せ
られる。
又、転写ドラム9の誘電体シート表面も同様にファー
ブラシなどより成るクリーニング装置5及びクリーニン
グ補助手段8の作用により清掃された後再度、画像形成
プロセスに供せられる。
又、近年、画像の高画質化要求に応えて潜像を高精細
にし、そし潜像再現性を向上させるべく、現像剤として
は小粒径の、即ち、粒径10μm以下、平均粒径8μm程
度のトナー粒子を使用するようになってきている。一般
にトナー粒子の粒径を小さくしていくと、比表面積が増
加するため単位質量当たりの帯電電荷量、ファンデルワ
ールス力などが大きくなる。従って、感光ドラムとトナ
ー粒子との付着が強くなり、良好な転写性を保つために
は転写電界を強くしたり、転写剤と感光ドラムの密着度
を高める必要も生じてきている。しかしながら、転写領
域における感光ドラムと転写材との間に生ずる微少な間
隙のために部分的な転写不良が生じていた。
そこで、転写効率を上げ鮮明な転写像を得るために、
第7図に示すように、転写用放電器10の、転写ドラム9
の回転方向から見て上流側に転写ドラム9の導入側から
下流方向に向けて伸び、そして誘電体シート93を押圧す
る押圧部材、即ち、弾性シート18を設け、転写性を向上
させる提案がなされている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、弾性シート18を設けるだけでは弾性シ
ートが帯電ムラを起こし、この帯電ムラが転写時のコロ
ナ放電に影響を与え転写電界にムラを発生させた。これ
は、画像上にその移動方向と平行な向きの転写ムラを発
生し、画像性を低下させることとなった。
特に、多色画像形成装置におけるように、複数のトナ
ー像を重ね転写する転写装置において、更には、現像剤
として粒径が10μm以下であるようなトナー粒子を使用
した場合においては、良好な転写を行なうために単色画
像の転写時やトナー粒子の粒径の大きい(略平均粒径12
μm)場合の転写時に比べて前述のように転写電界とし
て大きな転写電界が必要とされる。
従って、大きな転写電界により前記弾性シートが強く
帯電される。そのため帯電ムラも大きくなり転写ムラが
多数発生して画像性が著しく低下していた。
従って、本発明の目的は、誘電体押圧部材の過重な帯
電や、帯電ムラ、或いは一時的に過大な放電が発生する
のを抑制し、転写ムラ、転写ヌケなどのない良好な画像
を得ることのできる画像形成装置を提供することであ
る。
課題を解決するための手段 上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成され
る。要約すれば、トナー像が形成される像担持体と、転
写材を担持し搬送する転写材担持部材を備え、前記像担
持体上のトナー像を、前記転写材担持部材の前記像担持
体とは反対側に配設した放電手段による電界により該転
写材担持部材に担持した転写材に対して転写する転写装
置とを有する画像形成装置において、前記転写装置は、
前記放電手段の放電幅内にて前記転写材担持部材の移動
方向導入側から下流方向に向けて伸びそして該転写材担
持部材を押圧する押圧部材を有し、又、該押圧部材の上
には、体積抵抗率が106Ω・cm〜1010Ω・cm、好ましく
は107Ω・cm〜109Ω・cmの半導電部を転写部の全域にわ
たって形成したことを特徴とする画像形成装置である。
実施例 次に、本発明に係る画像形成装置の一実施例を図面に
即して更に詳しく説明する。
本発明は、第6図に関連して先に説明した回転現像装
置を有した多色電子写真複写装置にて好適に実施し得
る。従つて、本実施例にて、画像形成装置は第6図の多
色電子写真複写装置に具現化され、又、第8図に図示す
る転写装置9を具備するものとし、その構成及び作用は
上述の通りであり、従って多色電子写真複写装置及び転
写装置9の全体構成及びその動作説明は省略する。
第1図は本発明の特徴部分を最もよく表わす図面であ
り、第8図に示す転写装置、即ち、転写ドラム9の一部
を示す。転写ドラム9は、上述したように、金属などの
導電部材よりなる2つのシリンダ9a、9bの間に誘電率3.
0〜13.0、体積抵抗率109〜1014Ω・cm、厚み70〜200μ
mの条件のうち少なくとも2つの条件を満足する転写材
担持部材、即ち、誘電体シート93、例えばポリフッ化ビ
ニリデン樹脂(PVdF)フィルムを張架して構成される。
誘電体シート93の先後端部は転写ドラム9を構成する
2つのシリンダ9a、9bを連結する連結部9c上に固定され
る。
本実施例においては転写ドラム9の直径を160mm、移
動速度を160mm/secと設定した。同時に感光ドラム3な
どの移動スピードであるプロセススピードも160mm/sec
とした。又、転写用コロナ放電器10は開口幅が19mmに、
放電ワイヤー101と像担持体である感光ドラム3の外周
面との間の距離は10.5mmに、放電ワイヤー101と転写用
コロナ放電器10のシールド板底面との間の距離は16mm
に、それぞれ設定した。
更に、転写用コロナ放電器10の転写ドラム9の回転方
向(第1図矢印方向)下流側シールド板に絶縁性部材10
2、例えばポリカーボネイト樹脂板などを設けて、転写
コロナのうち感光ドラム3方向に向かう転写コロナ量を
多くした構成としても良い。
一方、転写用コロナ放電器10の放電幅内に、転写材担
持部材であるポリフッ化ビニリデン樹脂(PVdF)などよ
りなる誘電体シート93の導入側から、その移動方向下流
側に向けて伸びる、弾性を有した押圧部材18を設けた。
この押圧部材18は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートなど
の、好ましくは体積抵抗率が1014Ω・cm以上であるよう
な合成樹脂フィルで構成し、転写部の全域にわたって配
設される。本実施例においては、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂フィルムを用いた。尚、押圧部材18としては
体積抵抗率が1010Ω・cm以上であるような合成樹脂フィ
ルムを使用することも可能である。
又、該押圧部材18は、それ自身の持つ弾性力により誘
電体シート93を押圧し、その誘電体シート側の先端部は
転写材Pが感光ドラム3に接触し終えた位置、もしくは
接触を開始する位置、又は極力近接した位置に対応する
位置とするのが好適である。
押圧部材18は、上述のように、誘電体シートへ適当な
押圧力を与え、転写電界に大きく影響を及ぼさない等の
理由により、その厚みは、10μm〜2mmとするのが好ま
しく、75〜200μmとすると非常に良好な結果が得られ
た。
ところで、転写ドラム9の誘電体シート93を単に押圧
するだけならば、押圧部材18は誘電体シート93の導入側
とは反対側から移動方向上流側に向けて設けてもよい
が、このような構成では感光ドラムと転写材が接触する
前に転写が開始されることとなり、これにより生ずる画
像飛び散りを抑制する効果が得られないため、押圧部材
は、本実施例で示すように、誘電体シート93の導入側か
ら、その移動方向下流側に向けて設けることが好まし
い。
本発明に従えば、第1図に図示されるように、押圧部
材18の上に半導電部19が形成される。該半導電部19は図
示されるように、押圧部材18の感光ドラム3側に配置し
てもよいが、逆に一点鎖線にて示すように転写コロナ放
電器10側に配置することも可能である。
半導電部19は、体積抵抗率が106Ω・cm〜1010Ω・c
m、好ましくは107Ω・cm〜109Ω・cmを満足するもので
あれば任意の材料で形成することができ、例えば低抵抗
物質を高抵抗物質上に分散させて半導電部を形成したも
のであってもよく、又全体がこのような体積抵抗率を満
足する均一な物質で形成されるのであればより好ましい
であろう。
又、この半導電部19は、例えば押圧部材18上に塗工し
たり、シート状になった部材を押圧部材18上に設けたり
することにより形成される。シート状物質の場合には、
例えば酸化鉄粉末などを含むビデオテープなどが好まし
く用いられる。
第2図をも参照すると理解されるように、半導電部19
は実際に転写のための放電が行なわれる領域内に形成す
ることが好ましく、本発明者らは、本実施例において半
導電部19を押圧部材18の先端部、即ち、転写ドラム9の
誘電体シート93に接触する部分から略1mm離れた位置か
ら幅7mmに渡って設けた。このとき半導電部19の厚さは
略30μmであった。
半導電部19を押圧部材18の最先端部付近に設けた場合
には、誘電体シート93や、更には転写ドラム9の連結部
9cの部分で激しく擦られるので傷ついたり摩耗したりし
て好ましくない。逆に、半導電部19を押圧部材18の先端
部より、例えば5mm以上離れた位置から形成すると、本
発明によってもたらされる効果が減少することとなり、
これも又好ましくない。
第2図において、点線部以下の部分は押圧部材18をそ
の支持部材に固定するための部分であり、押圧部材18は
点線部より上の部分でその弾性力を発揮する。
本発明者らは、本実施例の画像形成装置にてマイナス
極性に帯電された感光ドラム3に潜像を形成し、平均粒
径が略12μmのトナーを用いて反転現像にてトナー画像
を得た。このとき、トナーは、樹脂を色材その他微量の
帯電制御性や潤滑性を向上させるための添加剤などによ
り構成され、現像器中でキヤャリア粒子と摩擦帯電され
てマイナス極性に帯電するものであった。
該トナー像は、その後、上記構成の転写装置により転
写材に転写した。次いで、転写材は、転写ドラム9より
分離し、定着器にて定着した。
このようにして得られた画像は、転写ムラなどのない
良好な画像であった。なお、この画像形成過程における
プロセススピードは160mm/secであった。
以上の如くに本発明により転写ムラのない良好な画像
を得ることができるのは、次の理由によるものと思われ
る。
つまり、転写工程中の誘電体シート押圧部近傍の表面
電位を、従来の押圧部材(第7図に示す構成の押圧部材
18)の場合と本発明に従って構成された半導電部19を有
する押圧部材18との両方について測定し、比較してみた
ところ第3図に示すような結果が得られた。
本発明に従った半導電部19を有する押圧部材18は、従
来用いた押圧部材と比較してその表面電位の大きさ、振
れ幅ともに小さくなっていることがわかる。
更に検討を重ねたところ、転写ムラが発生するのは誘
電体シート押圧部の表面電位が部分的に大きく異なる部
分であることを見いだした。第3図の表面電位のグラフ
に、従来例に示した押圧部材のみによる場合の画像上に
転写ムラが発生していない領域を対応させると、良好な
転写が可能な領域は2本の実線で示した内側の領域であ
ることがわかった。又、転写ムラの発生に対しては、押
圧部の表面電位の絶対値よりも、その振れ幅の影響が大
きいことも同時に見い出した。
従来例における良好な転写が可能であった表面電位の
振れ幅を、本発明における半導電部19を有する押圧部材
18を用いた場合の表面電位部にあてはめてみたところ
(第3図中、2本の点線の内側)、良好な転写が行なわ
れ良好な画像が得られていることが確認できる。又、表
面電位の絶対値が小さくなると転写ムラの発生しない領
域が広がることもわかった。
このように、押圧部材の表面電位の大きさ、振れ幅を
ともに小さくできたのは、以下に述べる理由によるもの
と考えられる。
本発明に係る半導電部19を有する押圧部材18は、半導
電部19の体積抵抗率が略108Ω・cmであるので、転写用
コロナ放電器10の作動によりコロナ帯電され電荷が蓄積
される押圧部材18上からの電荷の放電が、ポリエステル
樹脂などに比べて容易に行なわれ、その結果押圧部材18
の表面電位が低く保たれるからであると解される。又、
半導電部19は、その表面内で電荷の移動が比較的行なわ
れ易いので、表面電位のムラを小さくできる。
更に、ポリエステル樹脂フィルムからなる押圧部材18
は誘電体シート93との摩擦帯電、或いは転写ドラム9の
両側シリンダ9a、9bを連結する連結部9cでの強摩擦帯電
のために部分的に異常に大きな電荷が蓄積されたりする
ことがあるが、この場合にも半導電部19の働きによりそ
の表面電位は小さく、振れ幅の小さいものとすることが
できるようになった。
このような結果、本発明によれば、多色画像形成の場
合のようなトナー画像を重ね転写するために大きな転写
電圧を発生させたとしても、常に安定した転写電界が得
られるので転写ムラのない良好な画像を得ることができ
る。
ところで、押圧部材の表面電位をより小さく安定に保
つためには本実施例で示した半導電部19よりも体積抵抗
率が小さいものを用いる方が有利であるが、体積抵抗率
が106Ω・cm以下のものを用いると、蓄積された電荷が
大量にしかも一時に放電されるため、微小部分の転写電
界が強くなり過ぎことによって生ずる転写ヌケ、即ち、
第5図に示すような米粒状或いは「へ」の字形をした転
写ヌケを画像上に発生することがある。
特に、転写ドラム9の両側を導電体よりなるシリンダ
9a、9bにて形成したときには、半導電部19の両端部より
シリンダ9a、9bに対して放電が集中的に行なわれるた
め、両画像端部、特に先端付近に転写ヌケが強く現わ
れ、画像品位を著しく損なう。
従って、体積抵抗率が106Ω・cm〜1010Ω・cm、好ま
しくは略102Ω・cmの半導電部19を押圧部材18上に設け
ることにより転写ムラがなく、しかも部分的な放電によ
る転写ヌケのない良好な画像が得られるようになった。
本発明者らは、更に研究の結果、高画質化をはかるた
め感光ドラム3上に形成される顕画材であるトナーの粒
径を10μm以下、平均8μmにしたときに、本発明の転
写装置がより大きな効果をもたらすことを発見した。こ
の点について第4図を用いて詳しく説明する。
第4図を参照すれば理解されるように、小粒径のトナ
ーを用いて画像を形成した場合には、前述したように、
転写に要する転写電界は大きなものが必要とされるた
め、従来の押圧部材による場合にはその表面電位の大き
さ、振れ幅ともに、第3図のようにトナー粒径が大きい
ものを使用したときより、大きくなっている。
又、前述したように小粒径のトナーは感光ドラムとの
付着力が増しているので全般的に転写性が低下してい
る。このため、転写ムラが発生しない領域も第4図にて
2本の実線の内側に示される範囲となり、第3図に示し
た転写ムラが発生しない領域よりも狭くなり、得られる
画像も転写ムラの多い著しく画像性の低下したものとな
った。
一方、本発明による押圧部材18上に半導電部19を形成
したものを用いた場合には、トナー粒径が大きいものを
使用したときと同様、誘電体シート押圧部近傍の表面電
位の大きさ、振れ幅ともに小さくすることができる。従
って、幅の狭くなった転写ムラが発生しない領域を当て
はめてみても、第4図の2本の点線の内側の領域に示さ
れるように十分に余裕をもって良好な転写が行なわれて
いることが確認できる。
従って、本発明に従って構成される転写装置を用いれ
ば、高画質化を図るために小粒径トナーを用いた場合に
も転写ムラのない良好な画像形成が可能となった。
本発明者らは、更に研究実験を続けた結果、第9図に
図示されるように、半導電部19の上に保護部材181を設
けることにより、半導電部19摩耗を防ぎ、耐久性を大幅
に向上させ得ることを発見した。
保護部材181としては、例えば厚さ75μm程度のポリ
エチレンテレフタレート樹脂を用いるのが良く、半導電
部19を覆うように設けるのが好ましい。
又、保護部材181を設けても、前記実施例に示したの
と同様の効果を達成することができ、更に保護部材181
を設けることにより半導電部19を押圧部材18の最先端部
にまで形成しても摩耗などの心配がなくなり、より一層
良好な効果を得ることができた。
更に又、半導電部19を導電的に本体装置と接続し接地
しても同様の効果を得ることができた。
又、本発明は、第10図に図示するように4つの画像形
成ユニットI〜IVを有した多色電子写真複写装置にも具
現化し得る。
本実施例で、各画像形成ユニットI〜IVは感光ドラム
3a〜3dを有し、その回りに1次帯電器4a〜4d、露光手段
8a〜8d、現像器1a〜1d、転写帯電器10a〜10d、除電放電
器11a〜11d及び13a〜13d、クリーナ12a〜12dが配置さ
れ、更に各画像形成ユニットを貫通する態様にて感光ド
ラムの下方に無端ベルト状の搬送手段20が配置される。
一方、転写用放電器10a〜10dのそれぞれの放電幅内に
て無端ベルト状搬送手段20をそれぞれの感光ドラム幅へ
と押圧する押圧部材18a〜18dが設けられ、又、該押圧部
材上には半導電部19a〜19dが形成されている。
転写材Pは給紙ローラにより給紙された後、無端ベル
ト状搬送手段20により各画像形成ユニットの転写用放電
器10a〜10dが配置された転写部を通して搬送される。
本発明によれば、本実施例においても無端ベルト状の
搬送手段20を押圧する押圧部材に半導電部を設ける構成
とされるために前記実施例と同様に良好な画像形成を行
なうことが可能となった。
発明の効果 以上説明したように、本発明に係る画像形成装置は、
転写ドラムの誘電体シートの如き転写材担持部材を押圧
する部材に、その体積抵抗率が106Ω・cm〜1010Ω・c
m、好ましくは107Ω・cm〜109Ω・cmである半導電部を
形成したことにより、誘電体押圧部材の過重な帯電や、
帯電ムラ、或いは一時的に過大な放電が発生することを
抑制し、転写ムラ、転写ヌケなどのない良好な画像を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に従って構成される転写装置の一実施
例の要部断面図である。 第2図は、第1図の押圧部材及び半導電部の拡大正面図
である。 第3図は、本発明に従って構成される半導電部付き押圧
部材と従来の転写誘電体シート押圧部材の転写工程にお
ける表面電位の比較図である。 第4図は、小粒径トナーを用いた場合の本発明に従って
構成される半導電部付き押圧部材と従来の転写誘電体シ
ート押圧部材の転写工程における表面電位の比較図であ
る。 第5図は、画像上に発生した転写ヌケの様子を示す図で
ある。 第6図は、本発明を具現化し得る画像形成装置の一実施
例の構成断面図である。 第7図は、従来の転写装置の要部断面図である。 第8図は、転写装置の斜視図である。 第9図は、本発明に従って構成される転写装置の他の実
施例の要部断面図である。 第10図は、本発明を具現化し得る画像形成装置の他の実
施例の構成断面図である。 9:転写装置(転写ドラム) 9a、9b:シリンダ 9c:連結部 10:転写用コロナ放電器 18:押圧部材 19:半導電部 93:転写材担持部材(誘電体シート)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常見 健夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−119373(JP,A) 特開 昭61−3167(JP,A) 特開 昭63−177186(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナー像が形成される像担持体と、転写材
    を担持し搬送する転写材担持部材を備え、前記像担持体
    上のトナー像を、前記転写材担持部材の前記像担持体と
    は反対側に配設した放電手段による電界により該転写材
    担持部材に担持した転写材に対して転写する転写装置と
    を有する画像形成装置において、前記転写装置は、前記
    放電手段の放電幅内にて前記転写材担持部材の移動方向
    導入側から下流方向に向けて伸びそして該転写材担持部
    材を押圧する押圧部材を有し、又、該押圧部材の上に
    は、体積抵抗率が106Ω・cm〜1010Ω・cmの半導電部を
    転写部の全域にわたって形成したことを特徴とする画像
    形成装置。
  2. 【請求項2】転写材担持部材は誘電体シートである請求
    項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】転写装置は、両端部にシリンダを備え、そ
    の外周部に誘電体シートから成る転写材担持部材を張架
    して構成された転写ドラムであり、放電手段はコロナ放
    電器である請求項1又は2記載の画像形成装置。
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