JP2622784B2 - 空冷ガスエンジンの燃料気化促進装置 - Google Patents

空冷ガスエンジンの燃料気化促進装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空冷ガスエンジンの燃
の液化ガスの気化を促進させる装置に関するものであ
【0002】
【従来の技術】一般に、液化ガス、例えばLPガスはガ
ソリンより安価なので、これを燃料とするガスエンジン
の需要は高い。この種のガスエンジンは、例えば次のよ
うに構成される。即ち、ガスエンジンの吸気路にミキサ
ーを設け、そのミキサー燃料用液化ガス供給源とを、
ベーパライザを通過する液化ガス供給路で連通させ、液
化ガス供給源の液化ガスをベーパライザで気化させて
ミキサーに送るように構成する
【0003】LPガスを燃料とする従来のガスエンジン
では、LPガスがボンベに加圧状態で液化充填されてい
るため、電熱ヒータを組み込んだベーパライザで液化ガ
スを減圧気化させてミキサーに送っていた。一方、電熱
ヒータによる電気コストを低減するため、水冷型のガス
エンジンでは、エンジンの水冷装置を利用し、エンジン
の冷却により暖まった冷却水の温熱で液化ガスを気化促
進するように構成したものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、空冷ガ
スエンジンでは、上記水冷エンジンのように温水を利用
することはできないので、LPガスの気化にはベーパラ
イザの電熱コストがかかり、エンジンのランニングコス
トが高くなる。本発明は、空冷ガスエンジンにおいて燃
料液化ガスの気化を安価でスムーズに促進することを技
術的課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の手段を、実施例を示す図面により以下に説明する。即
ち、本発明は、前記基本構造の空冷ガスエンジンにおい
て、空冷ガスエンジン(E)に接続したマフラ(21)の上
流側に排気案内路(22)の一端を接続するとともに、マ
フラ(21)の下流側に排気案内路(22)の他端を接続
し、排気案内路(22)の中間部分をベーパライザ(4)の
ケーシング(7)内に案内し、そのベーパライザ(4)内で
排気案内路(22)と液化ガス供給路(10)とを熱交換可
能に構成し、ベーパライザ(4)での排気案内路(22)内
を通る排気の熱で液化ガス供給路(10)内の液化ガスを
気化促進するものである。なお、上記の 上流 下流
とは、排気の流れに対する上流と下流とをそれぞれ示し
ている。
【0006】
【作用】燃料用液化ガス供給源3の液化ガスは、液化ガ
ス供給路10を通ってベーパライザ4内に送られて気化
されたのち、ミキサー2に送られる。そして、上記気化
ガスは、ミキサー2で空気と混合されたのち、吸気路1
を介して空冷ガスエンジンEのシリンダ内に送られて燃
焼する。その燃焼後の排気は、マフラ21を通ってエン
ジン外へ排出される。
【0007】一方、上記エンジンEからマフラ21の上
流側へ排出された排気の一部は、排気案内路22を通っ
てベーパライザ4のケーシング7内に送られ、そのベー
パライザ4内で上記液化ガス供給路10内の液化ガスと
熱交換することにより、その液化ガスの気化が促進され
る一方で、上記排気の一部が冷却される。そして、その
冷却によって若干収縮した排気が、マフラ21の下流側
へ送られることにより、そのマフラ21での排気の膨張
速度が若干抑えられる。これにより、マフラ21自体で
の排気の膨張速度の低下作用に、上記冷却で収縮した排
気の膨張速度の低下作用が加わって、排気の膨張による
マフラ21での騒音をより低減できる。
【0008】
【発明の効果】空冷ガスエンジンから排出される排気の
熱で液化ガスの気化を促進するので、大気中に排出され
る排気の熱を有効利用して、安価でスムーズに液化ガス
を気化促進できる。
【0009】また、エンジンからマフラの上流側へ排出
された排気の一部が、排気案内路を通ってベーパライザ
のケーシング内に送られ、そのベーパライザ内で液化ガ
ス供給路内の液化ガスと熱交換して冷却され、その冷却
によって若干収縮した排気が、マフラの下流側へ送られ
るので、そのマフラでの排気の膨張速度が若干抑えら
れ、マフラ自体での排気の膨張速度の低下作用に、上記
冷却で収縮した排気の膨張速度の低下作用が加わって、
排気の膨張によるマフラでの騒音をより低減できる。こ
れにより、マフラの消音作用が向上する。
【0010】さらに、低負荷のときには、エンジンで消
費される気化ガスの量が少なくなるが、それに比例し
て、エンジンから排出される排気量も減少するので、ベ
ーパライザへ送られて液化ガスを加熱する排気量も減少
する。これにより、低負荷のときには、ベーパライザで
液化ガスが、上記エンジンでの消費ガス量に対して過剰
に気化されることが低減されて、ベーパライザ内のガス
圧が高くなり過ぎることが抑えられる。従って、ベーパ
ライザの耐圧をあまり高くしなくてもすみ、この結果、
ベーパライザのコストアップを抑えることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて述
べる。図1は上記実施例を示す空冷ガスエンジンの燃料
気化促進装置の概略説明図であって、空冷ガスエンジン
Eのクランク軸19に冷却ファン(図示省略)を支持し、
その冷却ファンを導風ケース11で覆って、上記エンジ
ンEを空冷可能に構成する。
【0012】上記空冷エンジンEの吸気管1にミキサー
2及びエアクリーナ12を設け、LPガス供給ボンベ3
を燃料フィルタ13、ベーパライザ4及びゼロガバナ1
4(即ち、レギュレータ)を介してLPガス供給路10で
ミキサー2に連通して、LPガスボンベ3に液化充填さ
れるLPガスをベーパライザ4で気化させてミキサー2
に送るように構成する。但し、図1に示すように、上記
ベーパライザ4とゼロガバナ14とはケーシング7で一
体的に構成される。
【0013】一方、上記ガスエンジンEからは排気管2
0を導出させてあり、その排気管20にマフラ21を接
続してある。また、上記排気管20からは排気案内路2
2を導出させてあり、その排気案内路22を上記ベーパ
ライザ4のケーシング7内に案内してある。
【0014】そして、上記ベーパライザ4のケーシング
7内では、上記排気案内路22とLPガス供給路10と
を互いに交錯状に通してあり、これによって上記排気案
内路 22内の排気と、上記LPガス供給路10内のLP
ガスとが熱交換可能になっている。
【0015】この結果、LPガス供給ボンベ3内に液化
充填されたLPガスが、上記ベーパライザ4で排気案内
路22の排気によって暖められて気化促進される。但
し、排気案内路22の還流側出口22aをマフラ21の
出口管23に接続してある。
【0016】そこで、本実施例の機能を述べると、空冷
ガスエンジンEから排出される排気の温熱でLPガスを
気化するので、従来のように電熱ヒータによる電熱コス
トを省略でき、安価でスムーズにLPガスを気化促進
できる。
【0017】また、排気案内路22内の排気は、LPガ
スに気化熱を奪われて冷却されることで若干収縮するの
で、マフラ21での排気の膨張速度が若干抑えられる。
これにより、マフラ21自体での排気の膨張速度の低下
作用に、上記冷却で収縮した排気の膨張速度の低下作用
が加わり、排気の膨張によるマフラ21の騒音を低減で
きる。
【0018】尚、図の仮想線で示すように、排気案内
路22をEGR用排気導入路24で電子制御可能な開閉
弁25を介して吸気管1に接続し、ベーパライザ4で冷
却された排気を不活性ガスとしてEGR用排気導入路2
4から吸気管1に導入し、燃焼温度を下げてNOxなど
を低減するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】空冷ガスエンジンの燃料気化促進装置の一実施
例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1…吸気路、2…ミキサー、3…燃料用液化ガス供給
源、4…ベーパライザ、7…ケーシング、10…液化ガ
ス供給路、21…マフラ22…排気案内路、E…空冷
ガスエンジン。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空冷ガスエンジン(E)の吸気路(1)にミ
    キサー(2)を設け、そのミキサー(2)燃料用液化ガス
    供給源(3)とを、ベーパライザ(4)内を通過する液化ガ
    ス供給路(10)で連通させ、上記液化ガス供給源(3)の
    液化ガスを上記ベーパライザ(4)で気化させて上記
    キサー(2)に送るように構成した空冷ガスエンジンにお
    いて、上記空冷ガスエンジン(E)に接続したマフラ(21)の上
    流側に排気案内路(22)の一端を接続するとともに、上
    記マフラ(21)の下流側に上記排気案内路(22)の他端
    を接続し、 上記排気案内路(22)の中間部分を上記ベーパライザ
    (4)のケーシング(7)内に案内し、そのベーパライザ
    (4)内で上記排気案内路(22)と上記液化ガス供給路
    (10)とを熱交換可能に構成し、 上記 ベーパライザ(4)での排気案内路(22)内を通る
    気の熱で上記液化ガス供給路(10)内の液化ガスを気化
    促進する、 ことを特徴とする空冷ガスエンジンの燃料気化促進装
    置。
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