JP2622532B2 - 耐熱保護管の耐熱性向上方法及び耐熱保護管 - Google Patents

耐熱保護管の耐熱性向上方法及び耐熱保護管

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶融金属等の採取並びに測温、成分測定とい
った場合に使用される耐熱保護管の耐熱性、断熱性、ス
プラッシュ防止性等を向上させる方法と該方法により諸
性能を向上せしめた耐熱保護管に関する。
〔従来の技術〕
溶融金属の測温、成分測定並びに見本採取等に用いら
れる耐熱保護管としては、専ら紙管本体にアスベスト層
を外装させたものが知られているが、近年アスベストに
よる環境汚染が問題視されるに至った結果、アスベスト
を用いず高耐熱性が実現できる保護管の開発がのぞまれ
ている。本出願人はこの課題を達成すべく特願昭62−22
916号を出願した。
この発明は、珪酸ソーダ等の無機発泡材を繊維間に介
在させたセラミックシートを紙管本体に巻回して耐熱保
護管を構成するものであり、該保護管を高温状態下にお
いたときの無機発泡材の発泡現象により熱の伝播を遮断
若しくは遅延せしめて耐熱保護管の耐熱性能を向上させ
るものであった。
そして、該構成の耐熱保護管では、増管加工時のセラ
ミックシートの保水強度を高めるとともに珪酸ソーダ等
の無機発泡材の含有量調節のためセラミックシートに無
機粉体としてタルク粉を相当量含有させていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
セラミックシート構成中の無機粉体は実際使用時に有
効無機成分として耐火、スプラッシュ防止等に機能する
ものと考えられ、特に該タルク粉は酸化マグネシウムを
元素代表値のかなりの部分に有しているので耐火度に関
しては問題がない。
しかし粉体を繊維間に定着させる為には相当量の有機
固着材を用いねばならず、又シート抄紙時に柔軟性を持
たすため有機繊維を若干混入せねばならなかった。この
ような有機諸成分に関し無機繊維あるいは無機粉体が伝
達する熱量はその乾留炭化温度をはるかに超え、発火し
てしまうので前記無機発泡材を伴わない場合実際使用時
には大スプラッシュとともに耐火層の剥落が瞬時に発生
した。
結果として無機発泡材を繊維及び粉体間に介在させそ
の発泡材の加熱発泡によって空気層を生成せしめて気泡
のもつ熱遮断効果によって有機成分の発火現象を抑制し
強いてはシートの剥落を阻止せねばならなかった。また
該タルク粉も物性に多少の差異が存在し、タルクのガラ
ス質転移温度の限界付近での使用に際しては、タルク粉
自体の発泡膨張が発生し特に焼成処理を施していないタ
ルク粉においては珪酸と同様結晶水及び水酸基の酸化に
よる水によって誘発されるスプラッシュの現象も知見さ
れ、更にガラス質転移温度を超えて臨界温度到達に至る
過程においてタルク粉より析出された不純物を原因とし
たスプラッシュの発生の問題等もあり、無機粉体の熱遮
断効果の拙劣さと合わせて耐熱保護管の耐火時間を満足
なものとすることが出来ず重大な欠陥を発生さす原因と
なる危険性があった。
このように耐熱層を構成する無機粉体のタルク粉は耐
火性、経済性には優れているものの反面熱遮断効果及び
スプラッシュ防止効果には問題があるため、特願昭62−
22916号で開示したように珪酸塩等の無機発泡材を比較
的多量に耐熱シート中に介在させ、この珪酸塩等の発泡
によって生じる気泡の持つ空気層の断熱効果に頼る以外
に断熱保護管の耐熱性能を向上させる方法はなかった。
しかし過大な無機発泡材の介在は逆に大スプラッシュ
発生の原因となり前述の諸反応同様耐熱管の性能を劣化
させてしまう結果となる。前記タルク粉と同じく珪酸塩
等も結晶水、水酸基の酸化還元による水の発生を原因と
した反応があり、断熱性能向上のため耐熱層中に過大に
介在させた場合、活性的な環境にさらされてしまうので
珪酸塩等の破壊に起因するスプラッシュが激化し耐火時
間も珪酸塩の耐熱度の拙劣さから著しく低下してしま
う。そこで耐熱シート構成中のタルク粉との比率が非常
に重要な要素となる。
実際使用に関しては耐熱シートを構成している諸原料
を珪酸塩等の無機発泡体分子単位で取り巻くような介在
のさせかたが好ましく、加熱時には無機繊維、無機粉体
に対しては破壊温度到達時間を遅延さす緩衝材的な機能
を気泡で取り巻くことに依存し、有機繊維又は有機バイ
ンダーに関しては珪酸を周囲に配することによって発生
した乾溜ガスを吸着させ炭化ガスによる大スプラッシュ
を抑制できる程度の介在量が理想である。
しかし実際製作上の問題として前述の比率は非常に厳
格なものであり、シート抄紙時の抄紙速度プレスの掛け
具合、厚薄、等々の僅かな差異で該比率が変わってしま
うのが実情であり、安定した耐熱保護管の供給といった
面で問題があった。
又耐熱シートの繊維母材として耐火性能の高いセラミ
ックファイバーを用いねばならず、耐熱保護管の経済性
にも安価に供給出来ないといった問題があった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はかかる現況に鑑みてなされたものであり、無
機粉体としてタルク粉を用いる代わりに、多気孔性の無
機粉体若しくは中空形状を有する無機粉体を用いて、無
機粉体が形状的に保有する断熱性を利用することによ
り、耐熱紙管の諸性能を向上せんとするもので、その要
旨とするところは、紙管本体に外装される無機繊維製外
装材の繊維間に多気孔性又は中空形状を有する無機物質
を介在させた耐熱保護管を構成し、これら気孔部又は中
空部を満たす空気の熱遮断性能を利用して保護管外部か
ら保護管内部に向かう保護管径方向の熱の伝播を遅延せ
しめて断熱性向上をはかり、スプラッシュを発生させる
ことなく耐熱性を向上させることを特徴としている。
また、第2発明である耐熱保護管は、無機繊維間に多
気孔性無機物質若しくはかさ比率の高い無機物質を介在
させて形成した耐熱材を紙管本体に外装し、前記耐熱材
中に保護管外部から保護管内部に向かう保護管径方向の
熱の伝播を遅延せしめる空気層を形成したことを特徴と
している。
〔作用〕
このような構成の耐熱保護管は、無機物質がもつ気孔
部又は中空部内に満たされた空気が、熱遮断層として機
能し、これにより保護管外部から保護管内部に向かう保
護管径方向の熱の伝播を遅延せしめて断熱性を向上させ
るとともに、これに紙管本体がもつ断熱効果も協力する
ため、珪酸塩等の無機発泡材の加熱発泡による気泡がな
くても充分な耐熱性向上がはかられる。そして珪酸塩の
ように水分の発生を伴う反応を伴わないため外装材から
スプラッシュが発生することはなく、またこの外装材の
内側に位置する紙管本体は、この外装材の断熱性に加え
て、紙管本体自身が本来有する断熱性によっても熱から
保護されるので、紙管本体は燃焼することなく存在し続
けることができ、紙管燃焼を原因としたスプラッシュが
発生することもない。そして、さらに耐熱性能向上を実
現せしめる目的で珪酸塩等を配合する場合でも、その配
合量を少なくできるので、スプラッシュの発生を極力抑
制することができる。また無機粉体内部の気孔による断
熱効果は極めて優れているので、無機繊維としても特殊
効果なセラミックファイバーを用いる必要もなく、ガラ
ス繊維等の比較的耐火度の低い繊維を用いることができ
るので、低コストで優れた耐熱、断熱、耐スポーリング
性能を実現した耐熱保護管を提供できるのである。
また第2発明である耐熱保護管では、必らずしもシー
トを形成する必要がなく、このことは有機繊維、有機質
固着材を混入せずに管体に成形出来ることを意味してお
り、炭化ガス発生によるスプラッシュを皆無にすること
ができ珪酸塩を全く混入しなくとも高い熱遮断性能を発
揮するので非常に安定して使用することができる。そし
てさらに耐熱性能を向上せしめる目的で珪酸塩等を配合
する場合でもその配合量を少なく出来るので、スプラッ
シュの発生を抑制することができる。また無機粉体内部
の気孔による断熱効果は極めて優れているので、無機繊
維としても殊更高価なセラミックファイバーを用いる必
要もなく、ガラス繊維等の比較的耐火度の低い繊維を用
いることが出来るので、低いコストで優れた耐熱、断
熱、耐スポーリング性能を実現した耐熱保護管を提供で
きるのである。
また第2発明である耐熱保護管では、必ずしもシート
を形成する必要がなく、このことは有機繊維、有機質固
着材を混入せずに管体に成形出来ることを意味してお
り、炭化ガス発生によるスプラッシュを皆無にすること
ができ珪酸塩を混入しなくとも高い熱遮断性能を発揮す
るので非常に安定して使用することができるのである。
又耐火層を一体成形したときには、該耐火層の形成部位
は自由に設定できるので、紙管本体の上に必要な部分だ
け成形することが可能で高価な耐熱材料を節約すること
ができ、非常に性能のよい耐熱保護管を安価に提供する
ことができる。
〔実施例〕 次に本発明の詳細を実施例に基づき説明する。第1図
は本発明にかかる耐熱紙管の一実施例を示す説明用斜視
図であり、第2図は同実施例の断面説明図である。耐熱
紙管1は紙管本体2と、該紙管本体2にスパイラル状に
巻回された耐熱シート3より構成される。耐熱シート3
の基材4としては無機質繊維ならば何でもよく、本実施
例ではセラミックファイバー、ガラス繊維、耐熱ロック
ウールを試験的に使用してみた。
セラミックファイバーを用いれば耐火度も一番高く使
用時の耐火時間も一番良好であるが、溶融金属の温度測
定のみを目的とするならば一番廉価なロックウール、ス
ラグウール等に代替しても十分である。基材4には、珪
酸ソーダ等無機発泡材5と内部に空気層を有する無機粉
体6とが介在させられている。無機粉体としては、内部
に空気を保有しているものであれば任意の物が採用で
き、例えば多気孔性無機物質である珪藻殻を用いること
や、中空形状を有するフィライト、ガラスバルーン、シ
リカバルーン又は高かさ比率をもつパーライト焼成膨張
体等の無機物質を用いることもできる。特に珪藻殻は耐
火性能もアスベストよりも高く、且つ鉱物組織も不活性
なクリストパライト成状を有しているところから、無機
粉体として珪藻土を用いたときには、あらゆる金属に対
してもスプラッシュ等の反応のない極めて安定した耐熱
保護紙管を得ることができるのである。
本実施例では無機粉体6と共に無機発泡材5を共存さ
せているが、無機粉体として珪藻土を用い、且つ該珪藻
殻の配合比率を高めた場合、タルク粉を介在させた場合
とは異なり、珪藻殻に内在する気孔の高断熱性能から必
ずしも無機発泡材5を共存させる必要がない。このこと
は紙管巻回時、通常の紙管の製造方法を踏襲出来得るこ
とを意味する。つまり珪藻溶液を含浸させ保水させたシ
ートを紙管本体上に巻回するといった極めて困難な作業
を回避することが出来、又巻回後強制乾燥といった手間
を省略することが可能であるため、造管加工費を安価な
ものとすることができる。
無機粉体や無機発泡材の介在のさせ方としては無機粉
体をシート抄紙時に無機繊維及び有機繊維等と同時に漉
き込み、二次加工時に珪酸溶液に含浸する方法が代表的
であるが、和紙のように密度の低い無機繊維シートに無
機粉体と無機発泡材との適宜に混合したものを塗布また
は含浸し該シートを積層することにより各シート間にあ
るはいシート中に介在させる等任意である。
以下、本発明にかかる耐熱紙管に用いる耐熱シートの
具体例を示す。
1)〔シートA(珪藻土混入セラミックファイバーシー
ト)〕 セラミックファイバー 30% 珪藻土 60% マニラ麻 6% バインダー 3% その他 1% II)〔シートB(珪藻土混入ロックールシート)〕 耐熱ロックウール 30% 珪藻土 60% マニラ麻 6% バインダー 3% その他 1% III)〔シートC(珪藻土混入グラスファイバーシー
ト)〕 グラスファイバー 30% 珪藻土 60% マニラ麻 6% バインダー 3% その他 1% シートA〜Cは他の条件は同じにして珪藻土を介在さ
せ、該無機粉体の高い断熱性をもつ気孔の連続を保証す
るため必要な無機繊維の種類を変えてみた具体例であ
る。
有機繊維としてマニラ麻を配合したのは、例えばパル
プ繊維でもよいのであるが、繊維単位の強度がパルプ繊
維よりはるかに強いため少ない配合率でシートの引張強
度をあげ、必要な柔軟性を確保することが出来るので結
果的に全体の有機質の含有量を抑制することを目的とし
ている。特にセラミックファイバー、ロックウール、ス
ラグウール等繊維強度の比較的低い無機繊維を用いたと
きには効果的である。またグラスファイバー等の比較的
繊維強度のあるものはパルプ繊維でもよく、マニラ麻を
使用した場合さらに有機繊維の配合量を低減することが
可能である。
珪藻土としては、珪藻殻の粒度が10μm〜50μm程度
の範囲にあるものをもちいた。珪藻殻の粒度はあまり耐
熱性能の優劣には関係ないが、シートに形成する場合30
μm内外のものを用いた時に抄紙時の分散水の漏水が良
好でそれ以下の殻を用いた場合に問題となる歩留りの悪
さもなく非常に良好であった。
シートA,B,Cを用いて、各々珪酸溶液浸漬法及び珪酸
溶液を用いずに無機接着剤を塗布し通常紙管巻回方法で
製作し1640℃〜1670℃の高温溶綱中に浸漬し、経時変化
を観測したところ通常法でも5秒〜7秒耐火できた。浸
漬法で製作したものでは10秒を超えて使用することが確
認され、シートBのロックウールを用いたもの以外は13
秒以上の耐火時間が認められた。
このことは特に通常巻回法で無機粉体に無水タルクを
使用し、同種の実験を行なった結果、前述のように大ス
プラッシュとともに僅か1秒程度の瞬時に紙管本体表層
まで耐熱層が破壊された結果と比較してみると格段の向
上としてとらえることが出来、多気孔質無機粉体として
珪藻殻の熱遮断効果の高いことを実証しており、耐火度
はタルク粉より劣るが結果において耐熱保護管としての
重要な役務を考慮すれば耐火時間の延長、内容物つまり
被保護物を破壊的な高温度から隔絶するといった用途に
は優れた性能を発揮するものとなった。
以上示したものは、多孔質無機粉体である珪藻土を無
機繊維間に介在させたシートを紙管本体に積層して巻回
し造管した場合であるが、多気孔質無機粉体に限らず、
内部に空気層をもった中空質無機粉体あるいは高かさ比
率の無機粉体に代替することも出来、あるいはこれらの
複数種類の粉体を複合して用いることもできる。
つぎに前記耐熱シートを形成することなく、型材を用
いて紙管本体に一体成型した場合の具体例及び方法を示
す。
第3図、第4図として示すものが、該方法による耐熱
保護管の一例である。第3図は型材を用いて紙管2の必
要部分のみに耐火層7を形成した場合であり、第4図は
耐火層7の形成に際しては紙管2を用いるが、耐火層7
が固化した後は紙管2を抜き去って耐火層7だけで耐熱
保護管を構成した場合である。本方法によれば、耐火材
による被覆範囲を自由に設定することができるので、耐
火材の使用量を節約することができる上に、保水させた
耐熱シートを紙管に巻回する必要もなくなるので、抄紙
段階より完成品までの原料のロスを極端に低減させるこ
とができる。
尚、本実施例では、成分中に固結用の有機バインダー
および有機繊維を含有させる必要は全くない。このこと
はシートに形成する場合にも機能するが、本来珪藻殻は
大体の品種に針状突起を保有しており殻どうしの固結あ
るいは繊維との定着には有利な形状を持っており、シー
トに成型しないばあいには裁断巻回といった加工時に必
要な柔軟性を無視できるので粉体どうしの強固な固結を
行なうことができる。つまり針状突起をシートでは加工
性をもとめるため針状突起を繊維または殻どうし絡ませ
るのみに留めておかなければシートの柔軟性が損なわ
れ、脆性破壊されて巻回加工できないという難点があり
結局粘結用の有機バインダーを配合して殻の固結力を補
わねばならなかった。
しかし一体成型法によると、2次加工の必要がないの
で配合したシリカ、シリカゲル等の若干のアルカリ性に
よって殻の針状突起は侵され突起どうしの融着によって
固結力が増すので逆に好都合となる。また耐熱材料のア
ルカリ度を操作することによって自由に管体の硬度を設
定することができる。そして一切の有機成分を含んでな
いので有機物質の存在に起因するスプラッシュの発生も
皆無で、安全面、耐火性能、断熱性能、経済性等何れを
とっても非常にすぐれた耐熱保護管としての機能をもつ
ようにできる。
本実施例では溶液の保形材としてアッタゲル、及びシ
リカ・ゲルの2種類の方法を採用した。アッタパルジャ
イトまたはセピオライト、ゼオライト等の無機物質は水
溶液に混入すれば効率のよい増粘剤として機能するとと
もに、特にアッタゲル、セピオライト等の繊維状結晶体
は珪藻土同様気孔をもっているので、それ自体遮断効果
がある。次にゲル化珪酸溶液を用いる方法であるが、耐
熱シート巻回方法のうち含浸法をおこなう場合2種のイ
オン濃度の異なる珪酸溶液を混合し部分的固化を促して
シート間での定着、シートどうしの接着を実行したこと
と同様、該成型法においても溶液の保形性をもたす上で
上記無機増粘とおなじ機能を果たすが、該シリカ・ゲル
を用いたばあいシリカ溶液の混合比率を操作することに
よって溶液のアルカリ度を自在に設定することができ
る。このことは前述のように珪藻殻を使用した場合珪藻
殻の針状突起融着の度合いを加減できることを意味して
おり、必要に応じて耐熱保護管の硬度を増加させること
ができる。
このようにして作成された耐熱保護管を溶融金属中に
浸漬させると、管体の溶鋼に接した面には耐熱材の臨界
温度を超えた熱が作用するがそれ以外では耐熱層自体の
もつ断熱効果で層自体の破壊から免れ、各気室を透過す
る熱量を漸次小さいものとしてしまうので保護管体の焼
損までの時間は耐熱材の厚さの比率よりも長い延長が期
待でき、十分な時間の余裕がとれるので安全にまた確実
に作業することができる。
また無機粉体に高断熱性があるので、無機発泡材の含
有量を低減させることができ、又、一体成型品に至って
は無機発泡材は珪藻殻及び無機繊維の固着材として使用
しているのみであり珪酸塩等の物性破壊に起因するスプ
ラッシュもなく、珪藻土自体不活性であるため粉体破壊
時もスプラッシュ等の反応も皆無に近く、満足した性能
の耐熱保護管を提供できるのである。
そして珪藻土やフィライト、パーライトといった材料
は無害且つ安価であるから、健康上心配のない優れた耐
熱保護管を安価に提供できるのである。
〔発明の効果〕
本発明にかかる耐熱保護管の耐熱性向上方法及び耐熱
保護管は、紙管本体に外装される耐熱材料に無機繊維を
主体とした繊維構造体と多気孔性無機物質又は中空形状
を有する無機物質あるいは高かさ比率を有する無機物質
をシート状にしたものを紙管に外被し、該無機物質がも
つ気孔部又は中空部内に満たされた空気が、熱遮断層と
して機能し、これにより保護管外部から保護管内部に向
かう保護管径方向の熱の伝播を遅延せしめて断熱性を向
上させるとともに、これに紙管本体がもつ断熱効果も協
力させるため、珪酸塩等の無機発泡材の加熱発泡による
気泡がなくても充分な耐熱性向上をはかることができ
る。そして珪酸塩のように水分の発生を伴う反応を伴わ
ないため外装材からスプラッシュが発生することはな
く、またこの外装材の内側に位置する紙管本体は、この
外装材の断熱性に加えて、紙管本体自身が本来有する断
熱性によっても熱から保護されるので、紙管本体は燃焼
することなく存在し続けることができ、紙管燃焼を原因
としたスプラッシュが発生することもない。そして、さ
らに耐熱性能向上を実現せしめる目的で珪酸塩等を配合
する場合でも、その配合量を少なくできるので、スプラ
ッシュの発生を極力抑制することができる。また無機粉
体内部の気孔による断熱効果は極めて優れているので、
無機繊維としても殊更効果なセラミックファイバーを用
いる必要もなく、ガラス繊維等の比較的耐火度の低い繊
維を用いることができるので、低コストで優れた耐熱、
断熱、耐スポーリング性能を実現した耐熱保護管を提供
できる。
また第2発明である耐熱保護管では、必らずしもシー
トを形成する必要がなく、このことは有機繊維、有機質
固着材を混入せずに管体に成形出来ることを意味してお
り、炭化ガス発生によるスプラッシュを皆無にすること
ができ珪酸塩を全く混入しなくとも高い熱遮断性能を発
揮するので非常に安定して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる耐熱保護管の一実施例の説明用
斜視図、第2図は同実施例の説明用断面図、第3図及び
第4図は耐熱保護管の他の実施例である。 1,耐熱紙管、2,紙管本体、 3,耐熱シート、4,基材、 5,無機発泡材、6,無機粉体、 7,耐火層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−121391(JP,A) 実開 昭58−102883(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙管本体に外装される無機繊維製外装材の
    繊維間に多気孔性又は中空形状を有する無機物質を介在
    させた耐熱保護管を構成し、前記気孔部又は中空部を満
    たす空気の熱遮断性能を利用して保護管外部から保護管
    内部に向かう保護管径方向の熱の伝播を遅延せしめて断
    熱性向上をはかり、スプラッシュを発生させることなく
    耐熱性を向上させる耐熱保護管の耐熱性向上方法。
  2. 【請求項2】無機繊維間に多気孔性無機物質若しくはか
    さ比率の高い無機物質を介在させて形成した耐熱材を紙
    管本体に外装し、前記耐熱材中に保護管外部から保護管
    内部に向かう保護管径方向の熱の伝播を遅延せしめる空
    気層を形成してなる耐熱保護管。
  3. 【請求項3】多気孔性無機物質としては珪藻土を用いて
    なる前記特許請求の範囲第2頃記載の耐熱保護管。
  4. 【請求項4】高かさ比率の無機物質としては、パーライ
    ト焼成膨張体またはガラスバルーン、シリカバルーンフ
    ィラィト等の無機中空物質を用いてなる前記特許請求の
    範囲第2項記載の耐熱保護管。
  5. 【請求項5】耐熱材はシート状に成形して、紙管本体に
    巻回してなる前記特許請求の範囲第2項、第3項又は第
    4項記載の耐熱保護管。
  6. 【請求項6】耐熱材は型材を用いて紙管本体外面に直接
    充填することにより一体成形してなる前記特許請求の範
    囲第2項、第3項又は第4項記載の耐熱保護管。
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