JP4620338B2 - 内燃機関の排気構造及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気構造及びその製造方法に関し、更に詳しくは、耐熱・断熱性及び消音性に優れる簡易な構造の内燃機関の排気構造及びその製造方法に関する。
従来より、図1に示すように、自動車エンジンの排気システム1として、例えば、自動車エンジン2の排気マニホールド3に連結されるステンレス製のフロントパイプ4a,4bと、このフロントパイプ4bに連なるプリマフラ5と、このプリマフラ5に連なるステンレス製のリアパイプ6aと、このリアパイプ6aに連なるメインマフラ7とを備えてなるものが一般的に知られている(例えば、特許文献1参照。)。
近年、自動車エンジンにおいては燃料の完全燃焼化が図られており、その結果、エンジンからの排気ガスの温度が従来に比べて高温化される傾向にある。即ち、排気マニホールド3を通過してフロントパイプ4aに進入する排気ガスの温度が約1200℃以上となっている。また、プリマフラ5に進入する排気ガスの温度が約800℃以上であり、メインマフラ7に進入する排気ガスの温度が約500℃以上となっている。
特開2001−329837号公報
しかし、上記従来の排気システム1では、フロントパイプ4aに何ら断熱構造が設けられていないので、フロントパイプ4a内を通る高温排気ガスによりフロントパイプ4a自身が高温化され、その熱により車体床下にある枯葉等を燃焼してしまう等の周囲に悪影響を与える恐れがある。そのため、車体床下に複雑な断熱カバー構造を設ける必要があり、フロントパイプ4a周辺の設計自由度が低下してしまうといった問題があった。
また、近年、車両設計に際してリサイクル性等の環境対策が重要視され、車両の排気システムに関しても、この例外でなく材料選定や廃却時の分別性等を考慮する必要がある。
また、上記従来の排気システム1では、上記プリマフラ5やメインマフラ7が、多数の貫通孔を有するステンレス製の消音管の外周にグラスウールからなる消音層を設けて構成されている。従って、その長期使用によって、プリマフラ5やメインマフラ7を通る高温排気ガスによりグラスウールからなる消音層が酸化・劣化して、グラスウールが飛散して消音性が低下してしまうといった問題がある。また、高温排気ガスによる消音管自身の高温化によって周囲に悪影響を及ぼす恐れがあり、消音管周辺の設計自由度が低下してしまうといった問題がある。さらに、リサイクルの際、グラスウールからなる消音層を分別廃棄してから他のステンレス製の消音管等を再利用する必要がある。
以上より、本発明は、上述の現状に鑑みてなされたものであり、断熱性及びリサイクル性に優れる簡易な構造の内燃機関の排気構造及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、耐熱・断熱性及び消音性に優れる内燃機関の排気構造及びその製造方法を提供することを他の目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.内燃機関の排気管の外周にステンレスウールからなる断熱層を設けた内燃機関の排気構造であって、
前記排気管は、周面に貫通孔が形成されている消音管であり、
前記断熱層の内部には、該断熱層の上層部又は断熱層全体に無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含む無機高分子液が含浸充填されて複合セラミックス層が形成されており、
前記断熱層は、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子によって前記ステンレスウールを構成するステンレス単繊維間の接点が接着固定されており、
前記断熱層は、ウェブ状の前記ステンレスウールを巻回してなり、前記断熱層の密度が50〜120kg/m であることを特徴とする内燃機関の排気構造。
2.前記無機高分子前駆体及び/又は無機高分子は粒体である上記1.記載の内燃機関の排気構造。
3.前記排気管を通る排気ガスの温度が300〜1000℃である上記1.又は2.記載の内燃機関の排気構造。
4.前記断熱層の上に、更に、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子が付着されたグラスウールからなるグラスウール断熱層が設けられている上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造。
5.前記無機高分子前駆体及び/又は無機高分子は粉粒体であり、
前記排気管を通る排気ガスの温度が300〜1000℃であり、
前記断熱層の上に、更に、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子が付着されたグラスウールからなるグラスウール断熱層が設けられている上記1.記載の内燃機関の排気構造。
6.上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造の製造方法であって、
ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊繊維束を得る工程と、該解繊繊維束を排気管に巻設して該排気管の外周に断熱層を形成する工程と、を備え、
前記解繊繊維束を得る工程は、前記集束繊維を解繊すると共に、前記無機高分子液を添加することにより、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子を含有する前記解繊繊維束を得る工程であり、
前記解繊繊維束の単繊維相互間には粉粒体が接着されることを特徴とする内燃機関の排気構造の製造方法
7.上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造の製造方法であって、
ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊繊維束を得る工程と、該解繊繊維束を、排気管及び被覆管の一方端部側から該排気管及び該被覆管の間に供給して、該排気管及び該被覆管の間に断熱層を形成する工程と、を備え、
前記解繊繊維束を得る工程は、前記集束繊維を解繊すると共に、前記無機高分子液を添加することにより、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子を含有する前記解繊繊維束を得る工程であり、
前記解繊繊維束の単繊維相互間には粉粒体が接着されることを特徴とする内燃機関の排気構造の製造方法
8.上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造の製造方法であって、
ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊繊維束を得る工程と、該解繊繊維束を排気管に巻設して該排気管の外周に断熱層を形成する工程と、を備え、
前記断熱層を形成する工程が、前記解繊繊維束を排気管に巻設すると共に、前記無機高分子液を添加することにより、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子を含有する前記断熱層を形成する工程であり、
前記解繊繊維束の単繊維相互間には粉粒体が接着されることを特徴とする内燃機関の排気構造の製造方法。
9.上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造の製造方法であって、
ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊繊維束を得る工程と、該解繊繊維束を、排気管及び被覆管の一方端部側から該排気管及び該被覆管の間に供給して、該排気管及び該被覆管の間に断熱層を形成する工程と、を備え、
前記断熱層を形成する工程が、前記解繊繊維束を、前記排気管及び前記被覆管の間に供給すると共に、前記無機高分子液を添加することにより、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子を含有する前記断熱層を形成する工程であり、
前記解繊繊維束の単繊維相互間には粉粒体が接着されることを特徴とする内燃機関の排気構造の製造方法。
本発明の内燃機関の排気構造によれば、高温排気ガスが排気管を通る場合であっても、ステンレスウールからなる断熱層によって排気管が断熱される。従って、高温排気ガスによって高温化された排気管の熱が周囲環境に影響を及ぼすことを抑制でき、排気管周辺の設計自由度を高めることができる。また、リサイクルの際、通常、ステンレス製の排気管と、ステンレスウールからなる断熱層とを分別処理する必要がなく、リサイクル性に優れている等の利点がある。また、前記排気管が、周面に貫通孔が形成されている管であるので、ステンレスウールからなる断熱層によって排気管が断熱されると共に、貫通孔を介して断熱層に進入する排気ガスが吸音される。また、ステンレスウールはグラスウールに比べて耐熱性に優れている。特に、400〜1000℃の高温排気ガスが排気管を通る場合であっても、良好な断熱性、吸音性及び耐熱性を発揮することができる。
また、前記断熱層が、ウェブ状の前記ステンレスウールを巻回してなるので、容易に製造することができる。
また、前記断熱層の密度が50〜120kg/mであるので、より容易に製造することができる。
また、前記断熱層が、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子が付着された前記ステンレスウールからなるので、ステンレス単繊維自身の高温での酸化防止、ステンレス単繊維間接点の接着固定による型崩れ防止、及び断熱層内部に含浸充填し生成させた耐熱・断熱性の複合セラミックス層などの複合作用により、耐熱・断熱性をより一層向上させると共に、消音効果を向上させることができる。
また、前記断熱層の上に、更に、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子が付着されたグラスウールからなるグラスウール断熱層が設けられている場合は、断熱特性を生かすと共に、衝撃などによるセラミック層の破損・脱落の防止効果を付与することができる。
なお、前記排気管が、周面に貫通孔が形成されていない管である場合は、ステンレスウールからなる断熱層によって排気管が断熱される。特に、1000〜1500℃の高温排気ガスが、内燃機関に近接して配設される排気管を通る場合であっても、良好な断熱性を発揮することができる。
本発明の内燃機関の排気構造の製造方法によると、断熱性に優れる簡易な構造の内燃機関の排気構造を得ることができる。
他の本発明の内燃機関の排気構造の製造方法によると、断熱性に優れる簡易な構造の内燃機関の排気構造を得ることができる。
また、前記解繊繊維束を得る工程が、前記集束繊維を解繊すると共に、無機高分子液を添加することにより、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含有する前記解繊繊維束を得る場合は、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子によって解繊された繊維束を各単繊維の接点で固着することにより、繊維束のボリュームが減少したり、変化したりすることを抑制できる。その結果、耐熱・断熱性に優れ且つ型崩れが少なく消音効果に優れる排気構造を得ることができる。
また、前記断熱層を形成する工程が、前記解繊繊維束を排気管に巻設すると共に、無機高分子液を添加することにより、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含有する前記断熱層を形成する場合は、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子によって解繊された繊維束を各単繊維の接点で固着することにより、繊維束のボリュームが減少したり、変化したりすることを抑制できる。その結果、耐熱・断熱性に優れ且つ型崩れが少なく消音効果に優れる排気構造を得ることができる。
さらに、前記断熱層を形成する工程が、前記解繊繊維束を、前記排気管及び前記被覆管の間に供給すると共に、無機高分子液を添加することにより、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含有する前記断熱層を形成する場合は、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子によって解繊された繊維束を各単繊維の接点で固着することにより、繊維束のボリュームが減少したり、変化したりすることを抑制できる。その結果、耐熱・断熱性に優れ且つ型崩れが少なく消音効果に優れる排気構造を得ることができる。
1.内燃機関の排気構造
本発明に係る内燃機関の排気構造は、内燃機関に連なる排気管の外周に後述する断熱層を設けてなる。
上記「排気管」は、内燃機関に連なり排気ガスが通る管である限り、その機能、形状、材質等は特に問わない。上記排気管は、例えば、周面に消音機能のための貫通孔が形成されている管であることができる。この場合、この排気管を通る排気ガスの温度が300〜1000℃、更に350〜950℃、特に400〜900℃であることが好ましい。即ち、上述のような温度幅の高温排気ガスがこの排気管を通ったとしても、良好な断熱性、消音性及び耐熱性を発揮することができる。また、この排気管としては、例えば、後述の実施例で示すメインマフラを構成する消音管やプリマフラ(チャンバーともいう)を構成する消音管等を挙げることができる。
また、上記排気管は、例えば、周面に主に消音機能のための貫通孔が形成されていない管であることができる。この場合、この排気管を通る排気ガスの温度が1000〜1500℃、更に1050〜1450℃、特に1100〜1400℃であることが好ましい。即ち、上述のような温度幅の高温排気ガスがこの排気管を通ったとしても、良好な断熱性を発揮することができる。また、この排気管としては、例えば、後述の実施例で示す排気マニホールド、フロントパイプ、リアパイプ等を挙げることができる。特に、より良好な断熱性を発揮できるといった観点から、上記排気管が内燃機関に近接して配置される管(例えば、車両の排気マニホールドやフロントパイプ等)であることが好ましい。
尚、上記排気管は、通常、ステンレス製である。
上記「断熱層」は、排気管の外周に設けられステンレスウールからなるものである限り、その設置形態、層厚さ、形状等は特に問わない。上記断熱層は、例えば、糸状のステンレスウールを巻回してなることができるが、より容易に製造することができるといった観点から、ウェブ状のステンレスウールを巻回してなることが好ましい。この場合、上記断熱層の密度が50〜600kg/m、より55〜400kg/m、更に60〜200kg/m、特に70〜150kg/m、最も80〜120kg/mであることが好ましい。また、上記断熱層の層厚さが5〜80mm、更に10〜70mm、特に30〜60mmであることが好ましい。なお、上記「ウェブ状のステンレスウール」とは、後述する排気構造の製造方法で説明するように、ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊してなる解繊維維束状を意味する。
ここで、上記断熱層は、例えば、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子(これらを併せて「無機高分子等」ともいう。)が付着されたステンレスウールからなることができる。この無機高分子とは、無機成分からなり且つ高分子となるものであれば特に限定されず、特に、通常は、三次元的に連結された架橋重合体である。即ち、3官能以上の(金属−OH)結合を有するSi元素又はP元素を用いることが多く、そのため、容易に架橋構造体とすることができる。また、上記無機高分子前駆体とは、反応して高分子となるものであれば特に限定されず、即ち、重合可能な化合物であれば限定されない。例えば、これは、モノマー(オルトケイ酸塩、リン酸塩等)でもオリゴマー(その2又は3縮合体等)でもよい。また、この反応様式は加熱、非加熱を問わないし、触媒等の有無も問わない。更に、これらの1種を用いても良いし、2種以上を用いてもよい。
更に、この無機高分子等は、(1)塗布されその後乾燥されて繊維上に付着配置されたものでもよいし、(2)それが加熱等による反応により又は加熱溶融されて繊維表面に被覆膜(皮膜)が形成されたものでもよいし、(3)使用時の熱により上記(1)の状態が上記(2)の状態に変わったものであってもよい。
これにより、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子によって、被覆等されたステンレス単繊維自身の高温での酸化を抑制できると共に、解繊された繊維束を各ステンレス単繊維の接点で固着することにより、繊維束のボリュームが減少したり、変化したりすることを抑制できる。その結果、耐熱・断熱性に優れ且つ型崩れが少なく消音効果に優れる排気構造とすることができる。特に、無機高分子を含浸、塗布又は含浸充填させたステンレスウールからなることが好ましい。この場合、後述する排気構造の製造方法で説明するように、溶液又はスラリー状の無機高分子液の組成や濃度を調整することによって、ステンレスウールを構成するステンレス単繊維の表面被覆による高温での酸化防止、ステンレス単繊維相互間の接着固定による型崩れ防止、及び断熱層の上層部及び/又は断熱層全体に含浸充填し、内部に耐熱・断熱性の複合セラミック層を生成させる等のうち1又は2以上の複合作用により、より高度な耐熱・断熱性を得るものである。
この場合、例えば、後述の実施例3で示すように、上記無機高分子前駆体及び/又は無機高分子が付着された上記ステンレスウールからなる上記断熱層の残響室法による吸音率(SA)に対する、上記無機高分子前駆体及び/又は無機高分子が付着されていない上記ステンレスウールからなる上記断熱層の残響室法による吸音率(SB)の比(SB/SA)が、125〜4000hzの周波数範囲で1未満であることができる。ここで、この吸音率の比(SB/SA)としては、例えば、〔1〕125〜250hzの周波数範囲で0.1〜0.5(特に、0.2〜0.4)である形態、〔2〕1000〜4000hzの周波数範囲で0.6〜0.9(特に、0.7〜0.9)である形態、〔3〕上記〔1〕〔2〕を併用した形態等を挙げることができる。これらにより、消音性に優れると共に適当な音色の排気音を奏でる排気構造を提供できる。
更に、必要に応じて、ステンレスウール断熱層の上に、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含有するグラスウール(好ましくは、無機高分子体を含浸充填してなるグラスウール)からなるグラスウール断熱層を設けることにより、断熱特性を生かすと共に、衝撃などによるセラミック層の破損・脱落の防止効果を付与することができる。このグラスウール断熱層の層厚さは、通常、3〜15mm程度である。また、グラスウール断熱層は、通常、グラスウール成分を100質量%としたとき、含浸充填される無機高分子前駆体及び/又は無機高分子が20〜50質量%である。
また、上記断熱層は、例えば、上記排気管の軸方向の全長にわたって設けたり、上記排気管の軸方向の一部に設けたりすることができる。
上記「無機高分子等」は、特に限定されず、例えば、450℃以上の温度に対する耐熱性を有し、金属に対する密着性、平滑性等の皮膜特性を有し、更に、長時間に及ぶ熱安定性を有するものを使用することが好ましく、ケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等が挙げられる。これらの無機高分子は1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。本発明においては、内燃機関を運転中に熱が加わることにより上記無機高分子を形成可能な無機高分子前駆体であってもよい。上記無機高分子及び上記無機高分子前駆体は、それぞれが単独で付着していてもよいし、いずれか一方のみが付着していてもよい。
上記無機高分子等は、無機接着剤、無機塗料、無機コーティング剤等の組成物から形成されたものとすることができる。この組成物には、水、有機溶媒等の媒体が含まれていてもいなくてもよい。これらの組成物は、高分子の無機化合物を含むものであってもよいし、加熱あるいは硬化剤等の利用によって無機高分子を形成可能であれば、高分子でない無機化合物又は無機元素を含む有機系高分子を含有するものであってもよい。上記無機高分子前駆体は、媒体を含まない後者に相当する。
上記組成物としては、気乾型組成物、低融点ガラス含有組成物、反応型組成物等が挙げられる。
上記気乾型組成物は、例えば、ケイ酸ナトリウム等の水溶性ケイ酸塩を主成分とするもの(水ガラス)であり、水を蒸発させて硬化させることができる。
上記低融点ガラス含有組成物としては、軟化温度が1000℃以下のガラス成分を含むものが好ましい。そのガラス成分としては、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、更には、ホウ−ケイ酸塩、ホウ−リン酸塩、ケイ−リン酸塩等が挙げられ、これらの誘導体であってもよい。具体的には、PbO−B−SiO、PbO−B−ZnO、PbO−B−ZnO−SiO、PbO−B−SiO−Al、PbO−B−SiO−Al−ZnO等のPbO−B系ガラスや、ZnO−B系ガラス等の結晶性はんだガラス(「ガラスハンドブック」〔発行所;株式会社朝倉書店、1981年第4刷発行〕143頁〜151頁参照)。
等が挙げられる。
また、上記反応型組成物としては、シリケート系、ホスフェート系、コロイダルシリカ系等のものが挙げられる。この反応型組成物は、通常、結合剤、骨材、硬化剤等から構成され、必要に応じて硬化促進剤、分散剤、顔料、融点向上剤等が含有される。
上記結合剤としては、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸第4級アンモニウム等のケイ酸塩;リン酸塩(オルトリン酸塩、ピロリン酸塩、トリメタリン酸塩、ポリリン酸塩を含む。金属元素は、例えば、Al、Mg、Ca、Cu、Zn等である。)、コロイダルシリカ、アルキルシリケート等が挙げられる。コロイダルシリカは、微細なシリカのコロイド粒子が水中に分散したものであり、微粒子の直径は、通常、20μm以下、表面積は、数百m/gであり、粒子表面は、Naで安定化されていることが好ましい。このコロイダルシリカを用いた組成部としては、コロイダルシリカに硬化剤と骨材とを配合し、水、アルコール等に分散させたもの等が市販されている。
上記骨材としてはアルミナ、シリカ、ジルコニア、ジルコン、マグネシア、スピネル等の耐火性酸化物、炭化物、窒化物等が挙げられる。
また、上記硬化剤としては、金属、金属酸化物、金属水酸化物、ケイフッ化ナトリウム、リン酸塩、ホウ酸塩等が挙げられる。上記各成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記反応型組成物は、1液型であってもよいし、使用前に主剤と硬化剤とを混合する2液型であってもよい。更には、原料粉末に水を加えてペースト状としたものであってもよい。
本発明に関わる無機高分子としては、取り扱いが容易であるケイ酸塩を含むものが好ましく、シリカ、アルミノシリケート等のケイ酸塩ガラスが特に好ましい。これらを用いることにより、無機高分子を形成する組成物の良好な浸透性、塗膜性、充填性等を利用して、耐熱・断熱効果を発揮することができる。即ち、シリカやアルミノシリケートは、解繊繊維束間への浸透性及び充填性に優れると共に、耐熱・断熱効果を発揮させることができる。即ち、無機高分子で解繊繊維束の単繊維表面を被覆することにより、耐熱性を向上させることができると共に、無機高分子で単繊維相互間の交差部分を点接着するため、単繊維相互間が固定され、その結果、繊維束全体の体積減少を抑制し、解繊繊維束の型崩れを防止することができる。
尚、上記シリカ、アルミノシリケート等を主成分とした無機高分子を用いる場合には、シリカ及び/又はアルミナシリケートの含有量の合計は、無機高分子全量を100質量%としたとき、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60〜100質量%である。ここで、シリカ及びアルミノシリケートは、いずれか一方のみを含有していてもよく、目的により両方を含有していてもよい。シリカとアルミノシリケートを併用した場合には、単繊維相互間に耐熱・断熱性のある複合セラミック層を生成させ、より高度な耐熱性断熱層とすることができる。
この無機高分子を形成可能な組成物としては、例えば、三協薬品株式会社製の商品名「NK−ボンドGF−10」、「NK−ボンドGF−50」等が挙げられる。
上記無機高分子を形成することができる組成物としては、更に、シロキサン結合を骨格とするポリマーを含むものを用いることができ、例えば、室温硬化型のシリコーンゴム、100〜150℃で硬化可能なシリコーンゴム等が挙げられる。
また、無機−有機ハイブリッド接着剤等を用いることもでき、水性樹脂エマルジョン及び/又は合成ゴムラテックスと、無機高分子を形成する無機化合物とを含む組成物等が挙げられる。
無機高分子体の機能としては、1)無機高分子体でステンレスウールの単繊維表面を全面被覆することにより、高温時に酸化脆化し易いステンレス単繊維に対し酸化防止機能を発揮すること、2)無機高分子体の含浸処理によりステンレスウールの単繊維相互間の接点が固定され型崩れ防止の機能を発揮すること、3)無機高分子体でステンレスウールを巻回してなる消音・断熱層の上層部分及び/又は断熱層全体を含浸・充填することにより、断熱層内部に耐熱・断熱性の複合セラミック層を形成し、中心部から表面層への熱伝導を大きく抑え、より高度な耐熱・断熱機能を発揮する、などのうち1又は2以上の複合作用により、より高度な耐熱・断熱性の機能向上が得られる。
上記無機高分子体等の形態は特に限定されないが、通常は粉粒体(破砕品、ふるい分け品、造粒品等を含む粉状体・造粒品等)である。この具体例としては、例えば、(1)無機成分物質のみからなる粉粒体、(2)ベースとなる無機物質等からなるベース粉粒体を無機高分子等で処理して被覆した粒体、(3)軟化温度が1000℃以下(好ましくは300〜800℃程度、更には400〜700℃程度)の低融点ガラス体(形態は問わない。)等を挙げることができる。
上記「粉粒体」の種類、性状等について限定はないが、耐熱性があり、加熱により収縮しない性状のものが好ましい。また、前記粉粒体の大きさは、通常粒径が5〜1000μm、好ましくは10〜700μm、より好ましくは10〜300μm、更に好ましくは10〜150μm、更により好ましくは30〜150μmである。上記粒径を5μm以上とすると、単繊維相互間を所定距離に保持することが容易であることから好ましい。一方、上記粒径を1000μm以下とすると、単繊維相互間に均一に分散させ易いので好ましい。更に、前記粉粒体の形状は特に限定されず、いずれの形状であってもよく、例えば、球状、繊維状、平板状、楕円形状、筒状、多角形状、不定形状等が挙げられ、特に球状であると、均一に分散しやすいために好ましい。尚、前記粉粒体は1種単独で用いてもよく、材質、粒径、性状、形状等が異なる2種以上を併用してもよい。
上記粉粒体としては、例えば、ビーズ状物質、破砕状物質及び繊維状物質等を挙げることができる。前記ビーズ状物質として具体的には、例えば、ガラス粉粒体、特にガラス系微小中空球状体(10〜250μmのガラス系微小中空球状体である東海工業株式会社製「セルスター」等)等の球状の物質が挙げられる。また、前記破砕状物質としては、例えば、雲母の他、黒曜石、真珠岩、蛭石、黒鉛等の発泡性を有する破砕状の物質等が挙げられる。更に、前記繊維状物質としては、アスベスト、セラミックファイバー、チタン酸カリウム(0.5〜20μmのチタン酸カリウムである大塚化学株式会社製「トフィカ」等)等の繊維状の物質が挙げられる。
上記粉粒体の添加量については特に限定はないが、通常、前記解繊繊維束成分を100質量%とした場合、前記粉粒体の添加量は通常5〜80質量%、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜50質量%である。前記粉粒体の添加量を5質量%以上とすると、前記粉粒体が解繊繊維束の単繊維相互間に十分に充填される結果、体積を上げ、収縮による型崩れを抑制することができるので好ましく、一方、80質量%以下とすると、経済的に前記粉粒体が解繊繊維束の単繊維相互間に十分に充填される結果、体積を上げ、収縮による型崩れを抑制することができると共に、使用する前記粉粒体によって飛散等の問題が発生することを抑制することができるので好ましい。
上記粉粒体について、無機高分子体で処理した後に添加する。これにより、前記解繊繊維束の単繊維相互間に、前記粉粒体を接着させることができる。前記粉粒体を無機高分子体で処理する方法としては、前記解繊繊維束の単繊維相互間に接着させることができる前記粉粒体を得ることができる限り特に限定はない。例えば、予め前記粉粒体に前記無機高分子体を吹き付けて、前記粉粒体の表面に前記無機高分子体をまぶしておく方法等が挙げられる。また、この無機高分子体については、上述した排気構造で説明したもの等を適用できる。尚、この無機高分子体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「低融点ガラス」は、加熱により、前記軟化温度で軟化して、前記解繊繊維束を構成する単繊維相互間を接点で固着することができる限り、その材質、性質等について特に限定はない。その軟化温度とは、加熱により軟化して、前記解繊繊維束を構成する単繊維相互間を接点で固着することが可能な温度である。そして、本発明において、前記軟化温度は1000℃以下、好ましくは800℃以下、更に好ましくは700℃以下、より好ましくは300〜700℃である。前記低融点ガラスとして具体的には、非晶質低融点ガラス(ホウ酸ガラス、含水リン酸塩ガラス、テルライトガラス、カルコゲナイトガラス、B2O3−PbO−ZnO系、B2O3−PbO−SiO2系、及びB2O3−PbO−SiO2−Al2O3−ZnO系等)や、結晶性はんだガラス(ZnO−B2O3−PbO系結晶化ガラス、ZnO−B2O3−SiO2系結晶化ガラス)等が挙げられる(「ガラスハンドブック」〔発行所;株式会社朝倉書店、1981年第4刷発行〕143頁〜151頁参照)。尚、前記低融点ガラスは1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
尚、上記「内燃機関」としては、例えば、車両、飛行機、船舶等のエンジン、発電所等の発電機等を挙げることができる。上記車両としては、例えば、自動車、二輪車、建設重機、スノーモービル、除草機、清掃機等を挙げることができる。また、上記発電所としては、例えば、火力、水力、原子力発電所等を挙げることができる。
上記「ステンレスウール」は、通常、ステンレス鋼棒体を削って作られるステンレス繊維の集合体である。これらステンレス繊維を撚って糸状のステンレスウールを形成したり、ステンレス繊維の互いの絡み合いによりウェブ状のステンレスウールを形成したりできる。また、上記「ウェブ状のステンレスウール」は、通常、そのウェブ幅が50〜70mm程度であり、そのウェブ長さが4000〜30000mm程度であり、ロール状に巻回された状態で使用される。
上記「内燃機関の排気構造」は、通常、上記排気管の外周側に上記断熱層を被覆する被覆管が設けられた2重管構造をなしている。この被覆管は、通常、ステンレス製である。また、被覆管の形状としては、例えば、円筒状、角筒状、テーパ筒状等を挙げることができる。また、被覆管の軸方向端側は、例えば、テーパ面状(図2参照)であったり、平板面状であったりできる。尚、通常、上記排気構造を排気マニホールドに適用する場合、通常、この被覆管が設けられない。
尚、内燃機関の排気システムとして、例えば、内燃機関の排気管のうち、周面に貫通孔が形成されている排気管の外周にステンレスウールからなる断熱層を設けると共に、周面に貫通孔が形成されていない排気管の外周にステンレスウールからなる断熱層を設けることを特徴とすることができる。これにより、断熱性、耐熱性、吸音性及びリサイクル性に優れる簡易な構造の内燃機関の排気システムを提供することができる。
2−a.排気構造の製造方法
本発明に係る内燃機関の排気構造の製造方法は、以下に述べる、解繊繊維束取得工程、及び断熱層形成工程を備える(図6参照)。
<解繊繊維束取得工程>
上記「解繊繊維束取得工程」は、ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊維維束を得る工程である限り、その解繊形態等は特に問わない。
上記「ステンレス繊維」の長さ、繊維径、繊維長及び束ねる本数については特に限定はない。例えば、上記ステンレス繊維の一本の繊維径は、通常20〜300μm、好ましくは30〜200μm、より好ましくは40〜150μm、更により好ましくは50〜100μmの繊維とすることができる。また、上記「集束繊維」は、適当な集束材にて複数本のステンレス繊維を束ねたものであってもよいし、又は互いに複数本のステンレス繊維を物理的に絡ませること等により集束させたものであってもよい。
上記集束繊維は、通常、バルキー状に解繊される。また、この集束繊維は、均一な密度に解繊されることが好ましく、特に低密度に解繊されることが好ましい。この集束繊維をバルキー状に解繊した後の解繊繊維束の密度は、通常30〜1000kg/m3、好ましくは30〜700kg/m3、より好ましくは30〜500kg/m3、更に好ましくは50〜500kg/m3である。前記密度を30kg/m3以上とすると、容積が大きくなることを抑えて、構造を小型化することができるので好ましい。一方、前記密度を1000kg/m3以下とすると、消音性を向上させることができるので好ましい。
上記解繊手段は、集束繊維を解繊することができる限り特に限定はなく、必要に応じていずれの方法であってもよい。例えば、集束繊維を揉み解すことにより、或いは針状又は板状突起物で叩き解すことにより、物理的に解繊してもよい。その他、前記集束繊維をノズル内に供給すると共に、該ノズル内に圧搾気体(圧搾空気等)を吹き込み、該圧搾気体により集束繊維をほぐして前記ノズルより連続的にバルキー状に解繊することもできる。圧搾気体により解繊する方法によれば、容易に密度を均一にして、かつ低密度に集束繊維を解繊させることができるので好ましい。この場合、前記ノズルの形状は、いずれの形状であってもよいが、その断面積が集束繊維の断面積よりも大きいと解繊しやすいので好ましい。この方法によれば、集束繊維は、連続的にバルキー状に解繊されつつノズルから連続的に送り出されることにより、バルキー状に解繊された繊維束を連続的に得ることができる。
上記解繊繊維束取得工程は、例えば、集束繊維を解繊すると共に、無機高分子液を添加する(通常、添加・乾燥させる)ことにより、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含有する解繊繊維束(即ち、この無機高分子等が繊維表面及び/又は結節点に付着形成された解繊繊維束)を得ることができる。なお、この乾燥温度以下において反応する場合には、単に粉粒体として繊維上に付着配置されているのではなく、反応により繊維表面を覆う被覆層(皮膜)が形成されるとともに、結節点をも接着することとなる。更に、付着されたこの無機高分子等が溶融する温度以上に加熱をして、これを溶融させることもできる。この場合には、繊維表面を確実に被覆層(皮膜)で覆うことができるし、また、結節点を強固に接着することもできる。
この「無機高分子前駆体及び/又は無機高分子」としては、例えば、上述の排気構造で説明した無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を適用することができる。また、上記「無機高分子液」としては、例えば、上述の排気構造で説明した無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含む溶液、分散液又はスラリーであることができる。
この場合、例えば、前記集束繊維を解繊すると同時に、その解繊した集束繊維に無機高分子液を添加することができるが、その解繊と無機高分子液の添加の順序、時間差については特に限定はない。解繊繊維束を得た後に、その解繊繊維束に無機高分子液を添加してもよい。
上記無機高分子液の添加量は特に限定はなく、通常、解繊繊維束成分を100質量%とした場合、無機高分子液に含まれる無機高分子前駆体及び/又は無機高分子の添加量は通常10〜70重量%、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜50重量%である。無機高分子前駆体及び/又は無機高分子の添加量を10重量%以上とすると、固着されない部分ができて型崩れすることを抑えることができるので好ましく、一方、70重量%以下とすると、経済的に上記効果を達成することができるので好ましい。無機高分子前駆体及び/又は無機高分子の添加量は、添加する重量の他、溶液又はスラリー状の無機高分子前駆体及び/又は無機高分子の組成や濃度を調整することにより制御することもできる。
上記無機高分子液を添加する方法は特に限定がない。その添加方法としては、例えば、浸漬、ロール塗布(例えば、無機高分子液の付いたローラに刷らせる形態等)、フェルト塗布(例えば、無機高分子液の付いたフェルト上に刷らせる形態)、吹付け(例えば、スプレーにより吹き付ける形態等)、注ぎかけ(例えば、如雨露により注ぎかける形態等)、はけ塗り、及びナイフ塗布等が挙げられる。この中で、吹付けにより添加を行うと、単繊維相互間の位置が変化することを抑えつつ、解繊繊維間に均一に前記無機高分子体を添加することができるので好ましい。
<断熱層形成工程>
上記「断熱層形成工程」は、解繊繊維束を排気管の外周側に巻設して排気管の外周に断熱層を形成する工程である限り、その巻設形態等は特に問わない。
この断熱層形成工程において、解繊繊維束を巻設する方法としては、いずれの手段を用いてもよいが、排気管の軸芯を中心として排気管を回転しつつ、この排気管に解繊繊維束を供給すると、均一な密度で容易に解繊繊維束を排気管に巻設させることができるので好ましい。この場合、排気管の回転手段は特に限定されず、所望の回転手段によって行い、また、解繊繊維束の供給手段としては、いずれの手段であってもよいが、特にトラバース機構により解繊繊維束を排気管の軸方向に往復移動させて供給すると、解繊繊維束を均一な密度で容易に巻設させることができるために好ましい。また、この解繊繊維束の巻設量は、適宜排気管や用途に応じて選択される。特にトラバース機構により往復回数を適宜設定すれば、容易に解繊繊維束の巻設量を一重、二重、又は三重以上に変更することができる。
更に、解繊繊維束を排気管に巻設する場合、テンションローラによって解繊繊維束にテンションを付与して供給することができる。例えば、解繊繊維束を供給ローラ等により引き出し、この引き出された繊維束をテンションローラ間に通し、その先を排気管に供給して巻設する。このようにテンションローラを設けることにより、このテンションローラのテンション調整によって排気管に巻設される繊維束(断熱層)の密度、重量を容易に調整することができる。なお、上記断熱層に要求される密度によっては、テンションローラを使用しない場合もある。即ち、解繊繊維束と、これを供給する部材との摩擦のみとしてもよい。
また、上記解繊繊維束は、1束状で巻設してもよいが、生産性を考慮して2束、3束など複数束を同時に用いて巻設してもよい。また、解繊繊維束が巻設されることにより形成される上記断熱層の設置形態、層厚さ、形状等は、消音効果を奏する限り特に問わない。例えば、この断熱層の形状としては、円筒状、角筒状、及びテーパ筒状等を挙げることができる。また、この断熱層の厚さは、適宜排気管や用途に応じて選択することができるが、通常は1〜80mm、好ましくは1〜50mm、より好ましくは5〜50mm、更に好ましくは5〜30mm、更により好ましくは10〜30mmである。更に、この断熱層は、排気管の軸方向の全長にわたって設けてもよく、あるいは、排気管の軸方向の一部に設けてもよい。
上記断熱層形成工程は、例えば、上記解繊繊維束を排気管に巻設すると共に、無機高分子液を添加する(通常は、添加・乾燥させる)ことにより、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含有する断熱層を形成することができる。更に、上記と同様に、無機高分子等を加熱融合させることもできる。なお、上記「無機高分子前駆体及び/又は無機高分子」としては、例えば、上述の排気構造で説明した無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を適用することができる。また、上記「無機高分子液」としては、上述の排気構造で説明した無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含む溶液又はスラリーであることができる。
この場合、例えば、上記解繊繊維束を排気管に巻設すると同時に、その解繊繊維束に無機高分子液を添加することができるが、その巻設と無機高分子液の添加の順序、時間差については特に限定はない。断熱層を形成した後に、この断熱層に無機高分子液を添加してもよい。
なお、上記断熱層形成工程は、通常、添加された無機高分子液を加熱して、その無機高分子液に含まれる無機高分子を硬化させるか又は被覆層(皮膜)を形成させる。この硬化方法、皮膜形成方法等については特に限定はなく、使用した無機高分子体の種類等の条件に応じて種々の条件とすることができる。例えば、充填後、加熱処理を行ってもよく、あるいは、エンジンの排気ガスの熱を利用して加熱硬化・皮膜形成することもできる。
尚、上記「内燃機関」「排気管」「被覆管」等としては、例えば、上述の本発明に係る排気構造で説明したもの等を適用することができる。
また、内燃機関の排気構造体としては、例えば、上述の本発明に係る排気構造の製造方法(2−a)により得られるものであることを特徴とすることができる。これにより、消音層の収縮による消音層の体積の減少、充填密度の不均一等による型崩れ等を防止し、消音性能の低下を防止し得る排気構造体を提供することができる。
2−b.排気構造の製造方法
他の本発明に係る排気構造の製造方法は、以下に述べる、解繊繊維束取得工程、及び断熱層形成工程を備える(図7参照)。
<解繊繊維束取得工程>
上記「解繊繊維束取得工程」は、ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊維維束を得る工程である限り、その解繊形態等は特に問わない。この解繊繊維束取得工程としては、例えば、上述の排気構造の製造方法(2−a)で説明したもの等を適用することができる。
<断熱層形成工程>
上記「断熱層形成工程」は、上記解繊繊維束を、排気管及び被覆管の一方端部側から排気管及び被覆管の間に供給して断熱層を形成する工程である限り、その供給形態等は特に問わない。この供給形態としては、例えば、(1)解繊繊維束を、排気管及び被覆管の一方端部側から排気管及び被覆管の間に吹き込む形態、(2)解繊繊維束を、排気管及び被覆管の一方端部側から排気管及び被覆管の間に供給すると共に、排気管及び被覆管の他方端部側から気体を吸引する形態、(3)解繊繊維束を、排気管及び被覆管の一方端部側から排気管及び被覆管の間に吹き込むと共に、排気管及び被覆管の他方端部側から気体を吸引する形態等を挙げることができる。
上記(1)〜(3)形態において、その吹き込みや吸引の形態、条件等については特に限定はない。その吹き込みは、通常、圧縮気体(圧搾空気等)により行われる。また、その吸引は、通常、排気管及び被覆管の外からバキュームをかけることにより行われる。
尚、解繊繊維束を排気管及び被覆管の間に供給する場合は、予め集束繊維を解繊して解繊繊維束を得て、この解繊繊維束を、上記(1)〜(3)形態のいずれかの方法を行って、排気管及び被覆管の間に供給してもよく、あるいは、集束繊維を用いて上記(1)〜(3)形態のいずれかの方法を行って、解繊と同時に排気管及び被覆管への供給を行ってもよい。
更に、上述の供給の方法については、解繊繊維束を供給することができる限り特に限定はない。例えば、単に上記(1)〜(3)形態のいずれかの方法を行って、ノズルから解繊繊維束をランダムに供給してもよいが、解繊繊維束を供給するノズル及び/又は排気管(及び被覆管)を回転させることにより、渦巻き状となるように解繊繊維束を供給することが好ましい。かかる方法によれば、解繊繊維束をより高密度で均一に被覆管内に充填することができるので好ましい。
上記断熱層形成工程は、例えば、上記解繊繊維束を、排気管及び被覆管の一方端部側から排気管及び被覆管の間に供給すると共に、無機高分子液を添加することにより、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含有する断熱層を形成することができる。なお、上記「無機高分子前駆体及び/又は無機高分子」及び「無機高分子液」としては、例えば、上述の排気構造で説明した無機高分子体を適用することができる。
この場合、例えば、上記解繊繊維束を供給すると同時に、その解繊繊維束に無機高分子体を添加することができるが、その供給と無機高分子体の添加の順序、時間差については特に限定はない。断熱層を形成した後に、この断熱層に無機高分子体を添加してもよい。
なお、上記断熱層形成工程は、例えば、上記断熱層を形成した後に、その断熱層に含まれる無機高分子を硬化させることができる。この硬化させる方法については特に限定はなく、使用した無機高分子体の種類等の条件に応じて種々の条件とすることができる。
また、上記断熱層形成工程は、例えば、上記断熱層を形成した後に、加熱により上記低融点ガラスを軟化させて解繊繊維束を固着させることができる。
尚、上記「内燃機関」「排気管」「被覆管」等としては、上述の本発明に係る排気構造で説明したもの等を適用することができる。
また、内燃機関の排気構造体としては、例えば、上述の他の本発明に係る排気構造の製造方法(2−b)により得られるものであることを特徴とすることができる。これにより、消音層の収縮による消音層の体積の減少、充填密度の不均一等による型崩れ等を防止し、消音性能の低下を防止し得る排気構造体を提供することができる。
以下、図面に基づいて実施例1により本発明を詳しく説明する。尚、本実施例では、内燃機関の排気構造として、自動車エンジンの排気システムに用いられる排気構造を例示する。
(1)排気システムの構成
本実施例に係る排気システム1は、図1に示すように、ステンレス製のフロントパイプ4aに設けられる排気構造10と、メインマフラ7内の後述の各パイプに設けられる排気構造20とを備えている。
先ず、排気構造10について説明する。フロントパイプ4aは、図2に示すように、周面に消音機能を発揮するための多数の貫通孔が形成されておらず、フロントパイプ4aの内部空間は外気から機密に隔離された状態となっている。また、フロントパイプ4aの外周には、その軸方向の所定部位にウェブ状のステンレスウールを巻き回してなる断熱層11(密度:80〜120kg/m、層厚さ:30mm)が設けられている。この断熱層11では、ステンレスウールに、シリカ及びアルミノシリケートを主成分とする無機バインダー(例えば、シリカ含有無機バインダー;三協薬品株式会社製「NK−ボンドGF−10」等)を含浸充填することにより、ステンレス単繊維間の接点が固定された状態であると共に、断熱層11の上層部に耐熱・断熱性に優れる複合セラミック層(図示せず)が形成されている。また、フロントパイプ4aの外周には、断熱層11を被覆するステンレス製の被覆管12が設けられ、排気構造は2重管構造をなしている。
次に、上記排気構造20について説明する。メインマフラ7は、図4に示すように、その内部空間を複数の消音室に区画してなるステンレス製の筒状シェル24を備えている。この筒状シェル24の両端側にはステンレス製の各リアパイプ6a,6bが連結されている。また、筒状シェル24の内部には、各消音室を連通させるためのステンレス製の複数の連通パイプ26a,26bが配置されている。これら連通パイプ26a,26b及びリアパイプ6bは、周面に消音機能を発揮するための多数の貫通孔25(図5参照)を形成してなる管である。
尚、本実施例では、上記連通パイプ26aに排気構造20aが設けられ、連通パイプ26bに各排気構造20b,20cが設けられ、リアパイプ6bに各排気構造20d,20e,20fが設けられている。
そして、図5に示すように、各連結パイプ26a,26b及びリアパイプ6bの外周には、その軸方向の所定部位にウェブ状のステンレスウールを巻き回してなる断熱層21(密度:80〜120kg/m、層厚さ:30mm)が設けられている。また、各パイプ26a,26b,6bの外周には、断熱層21を被覆するステンレス製の被覆管22が設けられ、各排気構造20a〜20fは2重管構造をなしている。各排気構造20a〜20fの夫々の断熱層21では、ステンレスウールに、シリカ及びアルミノシリケートを主成分とする無機バインダー(例えば、シリカ含有無機バインダー;三協薬品株式会社製「NK−ボンドGF−10」等)を含浸充填することにより、ステンレス単繊維間の接点が固定された状態であると共に、断熱層21の上層部に耐熱・断熱性に優れる複合セラミック層(図示せず)が形成されている。
(2)排気システムの作用
次に、上記排気システム1の作用について説明する。図1に示すように、自動車エンジン2の排気マニホールド3を通過してフロントパイプ4aに進入する排気ガスは約1200℃の高温排気ガスとなっている。そして、この高温排気ガスにより高温化されたフロントパイプ4aは、排気構造10の断熱層11によって断熱される。その後、高温排気ガスは、触媒装置8によって排気ガス中の有害成分が無害化されてからフロントパイプ4bを通過する。そして、約800℃の高温排気ガスが、フロントパイプ4bに比べてやや膨らんだ形状のプリマフラ5に進入・通過し、このプリマフラ5によってある程度吸音される。その後、約500℃の高温排気ガスが、リアパイプ6aを介してメインマフラ7内に進入することとなる。
図4に示すように、メインマフラ7内では、各連結パイプ26a,26b及びリアパイプ6bを通過する高温排気ガスは、各パイプ26a,26b,6bの貫通孔25を介して断熱層21(図5参照)内をよどんだ状態で通過して好適に吸音される。また、高温排気ガスにより高温化された各パイプ26a,26b,6bは各排気構造20a〜20fの各断熱層21によって断熱される。その後、十分に消音された排気ガスがリアパイプ6bを介して外気に排気されることとなる。
(3)実施例の効果
以上のように、本実施例では、フロントパイプ4aの外周にウェブ状のステンレスウールを巻き回してなる断熱層11を設けて排気構造10を構成したので、このフロントパイプ4a内を通過する排気ガスが1200℃以上の高温排気ガスであっても、断熱層11によってフロントパイプ4aが断熱される。従って、高温排気ガスによって高温化されたフロントパイプ4aの熱が周囲に悪影響を及ぼすことを抑制でき、従来のように、車体床下に複雑な断熱カバー構造等を設ける必要がなく、フロントパイプ4a周辺の設計自由度を高めることができる。さらに、排気システム1をリサイクルする際、ステンレス製のフロントパイプ4a、被覆管12及び断熱層11を分別処理する必要がなく、極めてリサイクル性に優れている。
本実施例では、メインマフラ7を構成する各連結パイプ26a,26b及びリアパイプ6bの外周にウェブ状のステンレスウールを巻き回してなる断熱層21を設けて各排気構造20a〜20fを構成したので、これら各パイプ26a,26b,6bを通過する排気ガスが500℃以上の高温排気ガスであっても、この高温排気ガスは、各パイプ26a,26b,6bの貫通孔25を介して各断熱層21内をよどんだ状態で通過でき、これら断熱層21によって必要十分に吸音される。一般に、ステンレスウールは、グラスウールに比べて耐熱性に優れている。従って、この排気システム1を長期使用しても、ステンレスウールからなる各断熱層21の劣化を抑え、ステンレスウールの飛散等を抑制することができる。また、各断熱層21によって、各パイプ26a,26b,6bが断熱されているので、高温排気ガスによって高温化された各パイプ26a,26b,6bの熱が周囲に悪影響を及ぼすことを抑制でき、各パイプ26a,26b,6b周辺の設計自由度を高めることができる。さらに、排気システム1をリサイクルする際、ステンレス製の各パイプ26a,26b,6b、筒状シェル24及び各断熱層21を分別処理する必要がなく、極めてリサイクル性に優れている。
本実施例では、各排気構造10,20の断熱層11,21を、ウェブ状のステンレスウールを比較的低密度(80〜120kg/m)で巻き回して形成したので、極めて容易に製造することができる。また、本実施例では、各排気構造10、20の各断熱層11、21のステンレスウールに無機バインダーを含浸充填したので、ステンレス単繊維間の接点が固定され型崩れ防止機能を発揮すると共に、断熱層11、21の上層部に形成される耐熱・断熱性の複合セラミック層により、各断熱層11、21の中心部から表面層への熱伝導が抑制され、より高度な耐熱・断熱性の機能向上を得ることができる。
本実施例2では、無機高分子体のコーティングによるステンレスウールの耐熱性の向上効果を確認するために、以下に述べる試験を行った。
(1)試験例1
本試験例1では、無機高分子体(ケイ酸塩ガラス系)でコーティングしてなるステンレスウールのウェブ(平均繊維径:80μm)を試験サンプルとした。この試験サンプルにおいて、ステンレスウールの表面の所定部位をトーチランプで直接加熱(1500℃で180秒間)し、変化の様子を観察した。
その結果、図8に示すように、加熱の中心部では酸化による変色(黒変)が見られるものの、加熱の周辺部では酸化による変色がほとんど見られず、ステンレスウールの酸化による脆化が抑制されていた。
(2)比較例1
本比較例1では、表面コーティングを何ら施していないステンレスウールのウェブ(平均繊維径:80μm)を試験サンプルとした。この試験サンプルにおいて、ステンレスウールの表面の所定部位をトーチランプで直接加熱(1500℃で180秒間)し、変化の様子を観察した。
その結果、図9に示すように、加熱の中心部では一部に溶融痕が見られると共に、その周辺部での広範囲では酸化による変色(茶褐色)が見られた。
(3)試験例2
本試験例2では、図10に示すように、ステンレス製のインナーパイプの外周にステンレスウールのウェブ(平均繊維径:80μm)を巻設してなる巻設物を用意し、この巻設物のステンレスウールに、無機高分子体(ケイ酸塩ガラス系)を含浸・乾燥させ、試験サンプルとした。尚、無機高分子体の含浸量は固形分で30%である。そして、この試験サンプルにおいて、ステンレスウールの表面の所定部位をトーチランプで直接加熱(1500℃で180秒間)し、変化の様子を観察した。
その結果、図11に示すように、加熱部分は殆ど変化を示さず、酸化防止効果と著しい耐熱性の向上を示した。
(4)比較例2
本比較例2では、図12に示すように、ステンレス製のインナーパイプの外周にステンレスウールのウェブ(平均繊維径:80μm)を巻設してなる試験サンプルを用意した。この試験サンプルにおいて、ステンレスウールの表面の所定部位をトーチランプで直接加熱(1500℃で180秒間)し、変化の様子を観察した。
その結果、図13に示すように、加熱部分の広範囲で茶褐色に大きく変色し、加熱の中心部分では一部に溶融痕が見られた。
本実施例3では、無機高分子体のコーティングによるステンレスウールの吸音性の向上効果を確認するために、以下に述べる試験を行った。
(1)試験例1
本試験例1では、ステンレスウールの積層物(平均繊維径;80μm、密度;350kg/m2、積層厚;45mm、空気層厚;0mm)を用意し、この積層物に、無機高分子体(ケイ酸塩ガラス系)を含浸・乾燥させ、試験サンプル(1)した。尚、無機高分子体の含浸量は固形分で32%である。
そして、この試験サンプル(1)を、残響室法により所定の周波数毎の吸音率を測定した。その結果を図14及び図15に示す。
(2)比較例1
本比較例1では、ステンレスウールの積層物(平均繊維径;80μm、密度;350kg/m2、積層厚;45mm、空気層厚;0mm)を試験サンプル(2)とした。
そして、この試験サンプル(2)を、残響室法により所定の周波数毎の吸音率を測定した。その結果を図14及び図15に示す。
上記試験例1及び比較例1の試験結果により、ステンレスウールの単独使用品(試験サンプル(2))に対して、無機高分子体(ケイ酸塩ガラス系)を32%コーティングしたもの(試験サンプル(1))は、各周波数に対して幅広く良好な吸音率を示した。これは無機高分子体(ケイ酸塩ガラス系)がガラス質のため、ステンレスウール単独品に比べて、ガラス質機能をプラスした複合的な吸音特性を示したものと推定される。
車両等の内燃機関の排気構造、特にプリマフラ又はメインマフラ等の用途として好適に適用できる。
自動車エンジンの排気システムを説明するための説明図である。 フロントパイプの縦断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 メインマフラの縦断面図である。 消音管の縦断面図である。 本発明に係る排気構造の製造方法を説明するための模式図である。 他の本発明に係る排気構造の製造方法を説明するための模式図である。 本実施例2において、試験後の試験サンプル(試験例1)を撮影した説明図である。 本実施例2において、試験後の試験サンプル(比較例1)を撮影した説明図である。 本実施例2において、試験前の試験サンプル(試験例2)を撮影した説明図である。 本実施例2において、試験後の試験サンプル(試験例2)を撮影した説明図である。 本実施例2において、試験前の試験サンプル(比較例2)を撮影した説明図である。 本実施例2において、試験後の試験サンプル(比較例2)を撮影した説明図である。 本実施例3に係る残響室法による測定結果を示す説明図である。 本実施例3に係る残響室法による測定結果を示す説明図である。
符号の説明
2;自動車エンジン、4a;フロントパイプ、10,20;排気構造、11,21;断熱層、25;貫通孔、26a,26b;連通パイプ、6b;リアパイプ。

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気管の外周にステンレスウールからなる断熱層を設けた内燃機関の排気構造であって、
    前記排気管は、周面に貫通孔が形成されている消音管であり、
    前記断熱層の内部には、該断熱層の上層部又は断熱層全体に無機高分子前駆体及び/又は無機高分子を含む無機高分子液が含浸充填されて複合セラミックス層が形成されており、
    前記断熱層は、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子によって前記ステンレスウールを構成するステンレス単繊維間の接点が接着固定されており、
    前記断熱層は、ウェブ状の前記ステンレスウールを巻回してなり、前記断熱層の密度が50〜120kg/m であることを特徴とする内燃機関の排気構造。
  2. 前記無機高分子前駆体及び/又は無機高分子は粒体である請求項1記載の内燃機関の排気構造。
  3. 前記排気管を通る排気ガスの温度が300〜1000℃である請求項1又は2記載の内燃機関の排気構造。
  4. 前記断熱層の上に、更に、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子が付着されたグラスウールからなるグラスウール断熱層が設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造。
  5. 前記無機高分子前駆体及び/又は無機高分子は粉粒体であり、
    前記排気管を通る排気ガスの温度が300〜1000℃であり、
    前記断熱層の上に、更に、無機高分子前駆体及び/又は無機高分子が付着されたグラスウールからなるグラスウール断熱層が設けられている請求項記載の内燃機関の排気構造。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造の製造方法であって、
    ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊繊維束を得る工程と、該解繊繊維束を排気管に巻設して該排気管の外周に断熱層を形成する工程と、を備え、
    前記解繊繊維束を得る工程は、前記集束繊維を解繊すると共に、前記無機高分子液を添加することにより、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子を含有する前記解繊繊維束を得る工程であり、
    前記解繊繊維束の単繊維相互間には粉粒体が接着されることを特徴とする内燃機関の排気構造の製造方法
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造の製造方法であって、
    ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊繊維束を得る工程と、該解繊繊維束を、排気管及び被覆管の一方端部側から該排気管及び該被覆管の間に供給して、該排気管及び該被覆管の間に断熱層を形成する工程と、を備え、
    前記解繊繊維束を得る工程は、前記集束繊維を解繊すると共に、前記無機高分子液を添加することにより、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子を含有する前記解繊繊維束を得る工程であり、
    前記解繊繊維束の単繊維相互間には粉粒体が接着されることを特徴とする内燃機関の排気構造の製造方法
  8. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造の製造方法であって、
    ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊繊維束を得る工程と、該解繊繊維束を排気管に巻設して該排気管の外周に断熱層を形成する工程と、を備え、
    前記断熱層を形成する工程が、前記解繊繊維束を排気管に巻設すると共に、前記無機高分子液を添加することにより、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子を含有する前記断熱層を形成する工程であり、
    前記解繊繊維束の単繊維相互間には粉粒体が接着されることを特徴とする内燃機関の排気構造の製造方法。
  9. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気構造の製造方法であって、
    ステンレス繊維からなる集束繊維を解繊して解繊繊維束を得る工程と、該解繊繊維束を、排気管及び被覆管の一方端部側から該排気管及び該被覆管の間に供給して、該排気管及び該被覆管の間に断熱層を形成する工程と、を備え、
    前記断熱層を形成する工程が、前記解繊繊維束を、前記排気管及び前記被覆管の間に供給すると共に、前記無機高分子液を添加することにより、前記無機高分子前駆体及び/又は前記無機高分子を含有する前記断熱層を形成する工程であり、
    前記解繊繊維束の単繊維相互間には粉粒体が接着されることを特徴とする内燃機関の排気構造の製造方法。
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