JP2621525B2 - 車両用サスペンション - Google Patents

車両用サスペンション

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JP2621525B2
JP2621525B2 JP1332287A JP33228789A JP2621525B2 JP 2621525 B2 JP2621525 B2 JP 2621525B2 JP 1332287 A JP1332287 A JP 1332287A JP 33228789 A JP33228789 A JP 33228789A JP 2621525 B2 JP2621525 B2 JP 2621525B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車両用サスペンションに係り、とくに、
車体及び車輪間に少なくともアッパーリング及びロアリ
ンクを揺動可能に介在させ、車両のロールセンタ高さを
走行状態に対応して調整できるようにした車両用サスペ
ンションに関する。
〔従来の技術〕
従来、この種の車両用サスペンションとしては第21図
に示す構成のものが知られている。このサスペンション
はダブルウィッシュボーン形式のものであって、同図
中、1は車輪,2は車体、3は車体2に設けたサスペンシ
ョンメンバである。そして、車輪1側の図示しないナッ
クル及びサスペンションメンバ3間には、アッパリンク
4,ロアリンク5が配設されており、各リンク4,5の車輪
側端部はボールジョイント6を介してナックルに連結さ
れ、且つ、車体側端部はゴムブッシュ7を介してサスペ
ンションメンバ3に連結されている。
このようなサスペンション構造において、ロールセン
タ高さは周知の如く、アッパリンク4,ロアリンク5の延
長線上の交点IC(サスペンションストロークの瞬間中
心)とタイヤトレッドの中心(接地部)とを結んだ線分
(スウィングアーム)が、車体中心線と交わる点RC(ロ
ールセンタ)の路面からの高さHRCとして得られる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来のサスペンション構造
にあっては、サスペンションのストロークに伴い瞬間中
心ICが移動し、これに伴ってロールセンタRCも移動し
て、その高さHRCが変化するものであるが、車速やその
変化率である前後加速度が変わってもロールセンタが変
わることの無い構造となっていたために、ロールセンタ
高さHRCに因る回頭性及び車両安定性の特性は車速や前
後加速度に対して一定であり、通常の車両に要求され
る、中低速・限界旋回(高G)時の良好な回頭性と、高
速・限界旋回(高G)時の高い安定性との両立が困難で
あるという問題があった。また、加減速中に高G旋回を
行うと、スキッドやスピンが発生し易く、車両挙動が不
安定になるという問題もあった。
この発明は、このような従来サスペンションの有する
問題に着目してなされたもので、車速や前後加速等の走
行状態の変化に応じて車両のロールセンタ高さを変え、
良好な回頭性と高い車両安定性とを両立させることを、
その解決しようとする第1の課題としている。また、加
減速中に高G旋回を行った場合でも、車両挙動が安定す
るようにすることを、その解決しようとする第2の課題
としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記第1,第2の課題を解決するために、本願記載の各
発明は以下の構成を採っている。請求項(1)記載の発
明は、車体及び各車輪間に揺動可能に介在させたアッパ
ーリンク及びロアリンクを有する車両用サスペンション
において、前記アッパーリンク及びロアリンクの内の少
なくとも一方と車体側との間に介挿され且つ該リンクの
車体側回転中心位置を車体の略上下方向に移動可能な回
転中心移動機構と、車速に関連する物理量を検出する走
行状態検出手段と、この走行状態検出手段の検出値に応
じて、後輪側のロールセンター高さを前輪側のロールセ
ンター高さよりも低下させる方向に前記車体側回転中心
位置が移動するよう前記回転中心移動機構を制御する移
動機構制御手段とを備え、前記移動機構制御手段は、前
記車体側回転中心位置の移動の前後で、後輪側のロール
センター及び前輪側のロールセンターの少なくとも一方
が、路面を挟んで上下動するように前記回転中心移動機
構を制御するものである。
また、請求項(2)記載の発明は、請求項(1)記載
の構成要件の内、とくに、回転中心移動機構を、一端部
が車体側に回転可能に固定されるとともに別の端部がリ
ンクの車体側回転中心位置を支持するブラケットと、こ
のブラケットと車体側との間に配設された流体圧アクチ
ュエータとを有して構成している。
さらに、請求項(3)記載の発明は、請求項(1)記
載の構成要件の内、とくに、回転中心移動機構は、車体
側に固設されるとともに所定位置に車体上下方向に向い
た長穴が穿設され、該長穴でリンクの車体側回転中心位
置を軸支するブラケットと、このブラケットと車体側と
の間に配設された流体圧アクチュエータとを有して構成
している。
さらに、請求項(4)記載の発明は、請求項(1)記
載の構成要件の内、とくに、走行状態検出手段を、車速
を検出する手段とし、移動機構制御手段を、走行状態検
出手段が検出した車速値が増大するにつれてリンクの車
体側回転中心位置の移動量を増大させる手段としてい
る。
さらに、請求項(5)記載の発明は、請求項(1)記
載の構成要件の内、とくに、走行状態検出手段を、車体
前後方向の加速度及び減速度を検出する手段とし、移動
機構制御手段を、走行状態検出手段が検出した加速度又
は減速度が増大するにつれてリンクの車体側回転中心位
置の移動量を増大させる手段としている。
〔作用〕
請求項(1)〜(5)記載の発明では、走行状態検出
手段が車速や前後加速度を検出し、これを移動機構制御
手段に供給する。移動機構制御手段は、供給された車速
や前後加速度の増大に応じて回転中心移動機構を制御し
て、当該リンクの車体側回転中心位置の上下方向の移動
量を調整する。この結果、アッパーリンク,ロアリンク
の延長線により形成される瞬間回転中心の位置が変わ
り、これにより少なくとも後輪側のロールセンター高さ
が低下するか、又は、前輪側のロールセンター高さが上
昇することにより、後輪側のロールセンター高さが前輪
側のそれよりも低下する。つまり、高速状態,高加減速
状態になるほど、その旋回時における前輪側の内外輪荷
重移動量が後輪側のそれよりも大きくなり、これによっ
て、ステア特性がアンダーステア側の特性となり、車両
安定性が確実に向上する。また低中速時には、前輪側,
後輪側の内外輪荷重移動量に殆ど差が無いから、ステア
特性がニュートラル側の特性となり、良好な回頭性が得
られる。そして、本発明では、ロールセンターは、車体
側回転中心位置の移動の前後で路面を挟んで上下動する
ようになっているから、上記のようなステア特性の変化
代が確実に大きくなる。従って、高速状態や高加減速状
態で望ましいステア特性と、低中速時に望ましいステア
特性の両方を、より確実に達成される。
また、請求項(2)記載の発明にあっては、とくに、
流体圧アクチュエータのストロークが伸長すると、これ
に付勢されてブラケットがその車体側取付点を中心に回
転する。これにより、該ブラケットのリンク取付点,即
ち車体側回転中心位置も車体側に対して回動し、その車
体側回転中心位置が上昇又は下降してロールセンター高
さが変更される。
さらに、請求高(3)記載の発明にあっては、とく
に、流体圧アクチュエータのストロークが伸長すると、
当該リンクの車体側回転中心位置が長穴の長手方向に沿
って直接変えられ、車体側回転中心位置が上昇又は下降
してロールセンター高さが変更される。
〔実施例〕
以下、本願発明の実施例を図面を用いて説明する。
(第1実施例) 第1実施例を第2図乃至第12図に示す。
第2図は、車前後輪共にダブルウィッシュボーン形式
のサスペンションを有して成るフロントエンジン,リア
ドライブ(FR)車を車両後側より見た構成を示す。
同図中、11RL,11RRは後左、後右車輪,12は車体を夫々
示し、13は車体12側に固定設置されたサスペンションメ
ンバを示す。そして、車輪側の図示しないナックル及び
サスペンションメンバ13間に、前述した従来例と同様
に、アッパーリンク14,ロアリンク15が夫々揺動可能に
配設されている。
上記各リンク14,15の車体側への取付けを詳述する
と、サスペンションメンバ13はその車幅方向両端部に第
2,3図に示す如く、鍵形に形成されたリンク連結部13Aを
下向きに夫々延設させており、このリンク連結部13Aの
車体寄りの所定高さには、ブラケット取付部13Aaが一体
に突設させている。このブラケット取付部13Aaはゴムブ
ッシュ18を介して、略三角形状に形成された板体で成る
ブラケット19の一つの頂点部に連結されている。このブ
ラケット19の残りの2個の頂点部の内、車体側の頂点部
はゴムブッシュ20(この取付点は車体側回転中心「C」
を成す)を介してアッパーリンク14の一端に接続され、
路面側の頂点部はゴムブッシュ21を介して油圧シリンダ
22(流体圧アクチュエータ)のシリンダロッド22Aに接
続されている。
また、各油圧シリンダ22のシリンダチューブ22Bの下
端は、ゴムブッシュ23を介してシリンダ支持部材24に連
結され、このシリンダ支持部材24がリンク連結部13Aの
底部に固設されている。
さらに、アッパーリンク14の車輪側端部はボールジョ
イント27を介してナックル上端に連結されている。ロア
リンク15の車体側端部はゴムブッシュ25を介してブラケ
ット取付部13Aaの下端先端部に連結され、車輪側端部は
ボールジョイント26を介してナックル下端に連結されて
いる。本実施例では、車両停車状態において車両前後方
向からリンク14,15をみたとき、両リンク14,15の離間距
離が車輪内側に進むほど窄むように両端の静的高さ,即
ちゴムブッシュ20,ボールジョイント27及びゴムブッシ
ュ25,ボールジョイント26の高さが設定されている。ま
たロアリンク15は、車両停車状態において路面にほぼ平
行になるように位置決めされている。
ここで、ブラケット19及び油圧シリンダ22が回転中心
移動機構を構成している。
このため、ブラケット19は、サスペンションメンバ13
側のゴムブッシュ18を中心にして第3図中の矢印Aで示
すように回動可能となる。そこで、油圧シリンダ22のシ
リンダロッド22Aが伸長すると、サスペンションメンバ1
3に対してブラケット19がゴムブッシュ21を介して上方
に押され、ブラケット19はゴムブッシュ18を中心に上方
へ回転する。これにより、ブラケット19上のゴムブッシ
ュ20の位置が上昇し、アッパーリンク14の車体側取付位
置(車体側回転中心C)も略上方に移動する。反対に、
シリンダロッド22Aが縮小すると、アッパーリンク14の
車体側取付位置(車体側回転中心C)も略下方に移動す
る。
一方、本実施例では、油圧シリンダ22の作動圧を制御
する機構として、車速センサ30,コントローラ31,圧力制
御弁32及び油圧供給装置33を備えている。車速センサ30
は走行状態検出手段として機能するもので、車両の変速
機,推進軸などの車速に対応する回転数を磁気的或いは
光学的に検出し、回転数に応じた電圧値の車速信号Vを
コントローラ31に出力するようになっている。
コントローラ31は、具体的には第4図に示すように、
入力する車速検出信号Vに応じた圧力指令値Dを電圧値
の形で出力する関数発生器35と、この関数発生器35の出
力に正比例する指令電流iを圧力制御弁32のソレノイド
に供給する駆動回路36とを有している。この内、関数発
生器35における車速Vと圧力指令値Dの関係は、第4図
に示す如く、車速Vが極めて小さい間は圧力指令値D=
0であって、車速V=V1を越えると指令値Dが一定の比
例ゲインkで上昇し、高速域のV=V2に達するとD=D2
で飽和する。
圧力制御弁32は、従来周知の3ポートの電磁式比例減
圧弁(例えば、特開昭62−187609号参照)で成り、リヤ
側左右の油圧シリンダ22,22を同時に制御するように装
備されたものである。この制御弁32の供給,戻りポート
は配管40,41を介して油圧供給装置33に夫々連結され、
出力ポートが配管42を介して左右の油圧シリンダ22,22
のシリンダ室に分岐・連結されている。そして、圧力制
御弁32は、コントローラ31から指令電流iを受けて、こ
の指令電流iに比例して第5図に示す如く増減する制御
圧Pを出力するようになっている。
油圧シリンダ22,22の夫々は、シングルロッドの単動
形で成り、圧力制御弁32によって制御されるシリンダ圧
力に応じてそのストロークを伸縮させる。
ここで、コントローラ31,圧力制御弁32及び油圧供給
装置33が移動機構制御手段を構成している。なお、前輪
側のロールセンター高さは車速とは無関係に一定に保持
される構成となっている。
次に、本第1実施例の動作を説明する。
停車状態であるときは、コントローラ31に入力する車
速検出信号Vは零となるので、関数発生器35の出力信号
D=0の値をとる。このため、駆動回路36は圧力制御弁
32に供給する指令電流iを零とし、この結果、圧力制御
弁32の出力する制御圧P=0となる。これにより、後輪
側左路の油圧シリンダ22,22の作動圧が零、即ち該油圧
シリンダ22各々のストローク量が最低値となって、アッ
パーリンク14の車体側回転中心Cが第6図実線図示の如
くその初期位置をとる。そこで、アッパーリンク14及び
ロアリンク15は車輪内側に窄まっているので、後輪左右
のサスペンションストロークの瞬間中心ICは夫々第6図
に示すように車輪内側にあり、スウィングアームSAと車
体中心線CCとの交点であるリヤ・ロールセンタRCの高さ
hrが路面上方の初期位置hr=h0に決まる。なお、第6図
では両方の後輪11RL,11RRについて左右対称であるか
ら、その一方について示している。
この停車状態から直進しつつ走行速度を徐々に上げた
とする。このとき、車速Vが極めて低い範囲であって所
定値V1に達しない場合は、コントローラ31の関数発生器
35が出力する指令値D=0であるから、リヤ・ロールセ
ンター高さhrは上述の停車状態と同一でhr=h0である初
期値に保持される。この状態では、車重の前後輪配分が
予め設定された所定値,例えば50%:50%に保持され、
ニュートラルステア特性になるので、この極低速直進か
ら操舵する場合、良好な回頭性が得られる。
さらに走行速度を上昇させて低速側の所定値V1を越え
たとすると、これに伴ってコントローラ31の関数発生器
35からの指令値Dが零から徐々に増加する。このため、
駆動回路36は指令値Dに比例して増大する指令電流iを
出力し、圧力制御弁32の制御圧Pも上昇するから、左右
の油圧シリンダ22,22のストロークが車速Vに比例して
増加する。これにより、左右のアッパーリンク14,14の
車体側回転中心Cがその初期位置からほぼ車両上方向に
徐々に移動する(第6図の矢印a参照)。このため、前
述と同様にして設定されるリヤ・ロールセンターRCの高
さhrは、かかる車体側回転中心Cの移動量に応じて初期
位置から路面方向に徐々に下降する(第6図の矢印b参
照)。
そして、アッパーリンク14及びロアリンク15が平行に
なる位置を過ぎた時点で、サスペンションの瞬間中心IC
がそれまでの車輪内側の位置から車輪外側の位置に反転
するから、ロールセンター高さhrも今度は路面の下側に
反転する。つまり、ロールセンター高さhrはアッパーリ
ンク14の車体側回転中心Cの上昇に応じて負の値(路面
の高さを零とする)をとりながら、第6図に示すように
「−h1」まで変化させる。この結果、車速V=V1,V2
の油圧シリンダ22のストローク変化に因るロールセンタ
ーRCの高さ変化は左右で同一であって、その最大変化巾
は「h0+h1」となる。
以上の車速Vに対するリヤ側のロールセンター高さhr
の変化の様子を第7図に示す。同図中の仮想線は従来装
置によるものであって、一定値である。
さらに、この直進状態から実際にV>V1の速度で旋回
した場合、上述した直進時とは異なり、リバウンドを行
う内輪ロールセンターRCin(その高さhin)とバウンド
を行う外輪ロールセンターRCout(その高さhout)とは
個別の値を採りながら、車体中心線CC上を例えば第8図
に示す如く移動する。この結果、車体は内輪,外輪ロー
ルセンターRCin,RCoutによって決まるロールセンターR
Cを中心にロールを生じ、ロール剛性との相関関係で決
まるロール角となる。
このとき、旋回速度VがV≦V1の低速である場合には
従来の制御と同様であって、左右の各油圧シリンダ22に
よるストロークアシストが無く、内輪の瞬間中心ICin
内輪内側方向に在り且つ外輪の瞬間中心ICoutが外輪内
側方向に在るから、内輪,外輪ロールセンターRCin,RC
outは路面より上に位置し、そのリバウンド量,バウン
ド量に応じて第9図中の直線Aで示す如く変化する。し
かし、旋回速度VがV>V1であるとすると、旋回速度が
高いほど、左右の各油圧シリンダ22のストローク量が大
きくなる。そして車速Vがある値を越すと、内輪の瞬間
中心ICinが内輪外側方向に反転し且つ外輪の瞬間中心IC
outが外輪外側方向に反転するから、内輪,外輪ロール
センターRCin,RCoutは路面より下に位置し、しかもそ
のリバウンド量,バウンド量に応じて例えば第9図中の
直線Bで示す如く変化する。即ち、旋回時の内輪,外輪
ロールセンターRCin,RCoutの特性は、車速Vが大きく
なるにつれて、第9図中の直線Aの状態からBの状態に
移行し、その移行巾は車速Vの大きさに依存する。な
お、第9図中、リバウンド量,バウンド量=0の状態が
前述した直線状態に対応する。
このように直進,旋回の如何に関わらず、車速Vが設
定値V1を越えて上昇すると、前輪側のロールセンター高
さは一定の状態で、後輪側のロールセンター高さが車速
Vに比例して徐々に低下する。これにより、直進走行か
ら旋回する場合の後輪側の左右荷重移動量ΔWrが減少す
る。この左右荷重移動量ΔWrは下記式(1)で与えられ
る。
ここで、 である。KRf,KRr:フロント,リヤのロール剛性,tr
リヤトレッド,lf,lr:前後軸〜重心間距離,hf,hr
フロント,リヤのロールセンター高さ,hG:重心高さ,
W:車両重量,ac:求心加速度である。
このように後輪の左右荷重移動量ΔWrがリヤ側ロール
センター高さhrの低下に応じて減少すると、周知の如
く、リヤ側内外輪のトータルのコーナリングフォースが
上昇し、ステア特性がアンダーステア化される。そのア
ンダーステア化の度合いはリヤ側ロールセンター高さhr
が低く,即ち高速になるほど大きくなり、車両の安定性
が向上する。
ここで、上述の安定性向上の理由を第10図(a)
(b)を使って設置荷重の面から説明する。同図
(a),(b)はは外輪一輪についてのサスペンション
瞬間中心ICと接地荷重とを示したもので、同図(a)は
瞬間中心ICが外輪内側方向にある場合、同図(b)は瞬
間中心ICが外輪外側方向にある場合を夫々示している。
荷重移動量は、サスペンションバネ分の荷重移動量とリ
ンク反力分の荷重移動量との和であるが、同図(a)で
は外輪コーナリングフォースCFに直角に生じるリンク反
力分の荷重移動は、「CF・tanθ」となって接地荷重を
増加する方向に作用し、荷重移動量が増大する。これに
対し、同図(b)ではリンク反力分の荷重移動は、「−
CF・tanθ」となって接地荷重を減少する方向に作用
し、荷重移動量が減少する。したがって、車速が増大す
ると、例えば同図(a)の状態から同図(b)の状態に
移行し、リヤ側のロールセンター高さhrが低下して、安
定性が良くなる。
さらに、車速Vが高速側の設定V2を越えると、回頭性
と安定性の兼ね合いから、リヤ側のロールセンター高さ
hrが最も低い一定値に維持され、高い安定性が保持され
る。
ここで、リヤロールセンター高さhrの変化に対するフ
ロント,リヤの荷重移動分担の変化例、及びリヤロール
センター高さhrを変化させるためのアッパーリンク14の
車体側回転中心C(ピボット位置)の必要量の例を挙げ
る。
まず、リヤロールセンター高さhrを±0.1mの範囲で移
動させた場合の荷重移動分担の例を第11図に基づき説明
する。
車両前後の重量配分比が「50:50」,ロール剛性前後
配分比が「50:50」であると仮定すると、リヤロールセ
ンター高さhrを0.1m高くする(第11図のA位置)ときの
フロント,リヤの荷重移動比は、車重m,横加速度,ト
レッドT,重心高さhG,重心位置ロールセンター高さh,フ
ロント・ロールセンター高さhfとして、フロント(Fr)
側で、 (m/2)・・{(hG−h)+hf}/T =(m/2)・・{(0.5−0.05)+0}/T =0.225(m・/T) リヤ(Rr)側で、 (m/2)・・{(hG−h)+hr}/T =(m/2)・・{(0.5−0.05)+0.1}/T =0.275(m・/T) さらに、リヤ・ロールセンター高さhrを0.1m低くする
(第11図のB位置)ときのフロント,リヤの荷重移動比
は、今度は、フロント(Fr)側で、 (m/2)・・{(hG+h)+hr}/T =(m/2)・・{(0.5+0.05)+0}/T =0.275(m・/T) リヤ(Rr)側で、 (m/2)・・{(hG+h)−hr}/T =(m/2)・・{(0.5+0.05)−0.1}/T =0.225(m・/T) このため、第11図のA位置における荷重移動分担比
は、Fr:Rr=45:55であり、第1図のB位置におけるそ
れは、Fr:Rr=55:45となる。つまり、リヤ・ロールセ
ンター高さhrを±0.1mの範囲で移動させると、荷重移動
分担をかかる配分比の範囲で調整でき、ステア特性及び
安定性を制御できる。
次に、リヤ・ロールセンター高さhrを±0.1m変化させ
る具体例を本実施例の構成を参照して説明する。
まず、油圧シリンダ22によるストロークアシストが無
い場合、本実施例の構成において、リヤ・ロールセンタ
ーRCの高さhrを±0.1m(路面上側)を確保しようとする
と、例えば後左輪11RL側のアッパーリンク14,ロアリン
ク15の瞬間中心ICは第12図(a)に示す方向に形成され
る。ここで、ロアリンク15の車輪側取付点の高さを300m
m,アッパーリンク14の車輪側取付点の高さを500mm,アッ
パーリンク14の長さを200mm,車体中心から各リンク14,1
5の車輪側取付点までの距離を650mm,車体中心から車輪
中心線まの距離を700mmとする。そこで、所望のロール
センターRCの高さhrを得るようにスウィングアームSAを
引き、そのスィンクアームSAに対してロアリンク15を延
長させて交点(即ち、瞬間中心IC)を形成する。この交
点と各リンク14,15の車輪側取付点との間の距離は2050m
mとなる。そこで、その交点とアッパーリンク14の車輪
側取付点とを結ぶと、両リンク14,15が交点,即ち瞬間
中心ICで成す挟角は5.57°となる。さらに、この挟角の
値を用いてアッパーリンク14の車体側回転中心C(ピボ
ット位置)の水平位置からの変化量を求めると約19.5mm
となる。
これに対し、油圧シリンダ22によるストロークアシス
トが最大のときに、リヤ・ロールセンター高さhrが「−
0.1m」(路面下側)となるようにするには、後左輪11RL
に対する瞬間中心ICは、第12図(b)に示すように車輪
外側に形成される。そこで、かかるリヤ・ロールセンタ
ー高さhrを得るために、前述と同様の要領を繰り返す
と、交点(瞬間中心IC)と各リンク14,15の車輪側取付
点との間の距離は2150mm,各リンク14,15の延長線の挟角
は5.31°となり、したがって、アッパーリンク14の車体
側回転中心Cの水平面からの変化量は約18.5mmとなる。
この結果、リヤ・ロールセンター高さhrを±0.1m変化
させるのに必要なアッパーリンク14のピボット位置変化
量は、約「19.5+18.5」mmとなる。ここで、油圧シリン
ダ22のストローク量を極力小さくし且つロールセンター
高さ変化量を大きくするには、ロアリンクの高さを高く
且つアッパーリンクの長さを短く設定するようにすれば
よい。
ところで、本実施例におけるアッパリンク14及びロア
リンク15の配置においては、車速Vが増加するにつれ
て、後輪側でロールセンタ高さの低下に加え、対地キャ
ンバー角がネガティブな方向に変化する。この結果、キ
ャンバー角変化の分だけコーナリングフォースがさらに
増加し、高速高G域の安定性がさらに向上するという相
乗効果がある。
また、リヤのロールセンター高さhrが低くなるように
しているため、高い横加速度の旋回中に車体後部にジャ
ッキダウンが生じる。このジャッキダウンが生じると、
リヤのロールセンター高さは下がり、二次的にリヤの荷
重移動の低減作用を強めるという効果がある。加えて、
重心高さ自体のジャッキダウンにより下がるので、車両
トータルの内外輪の荷重移動が減少するため、旋回時の
スキッド限界横加速度を高めるという効果がある。
さらに、本第1実施例の油圧シリンダはアッパーリン
ク14の車体側回転中心Cを移動させるだけで済む。この
ため、例えば当該シリンダを車体及びサスペンションメ
ンバ間に介挿し、サスペンションメンバ自体の高さを代
えて、ロールセンターの高さを制御するという構造に比
べ、消費エネルギが少ないという利点がある。
なお、本願各発明における車速Vに対するリヤロール
センタ高さの変化特性は、必ずしも上述したものに限定
されることなく、例えば中低速域までは後輪側のロール
センタ高さが初期状態を維持して前後のロールセンター
高さを例えば同一に保持し、所定の高速域に入ると第1
実施例の如く、後輪側のロールセンタ高さのみを徐々に
或いはステップ状に下降するように関数発生器35の特性
を設定して、これによってフロント側に対するリヤ側の
ロールセンター高さを低減するとしてもよい。
(第2実施例) 次に、第2実施例を第13図乃至第15図に基づき説明す
る。ここで、前述した第1実施例と同一の構成要素には
同一符号を用いてその説明を省略又は簡略化する。な
お、この第2実施例はフロントエンジン,リヤドライブ
(FR)車であって、第1実施例と同様にダブルウィッシ
ュボーン形式のサスペンション構造を有した車両につい
て、その後輪側のみに対して実施したものである。
本第2実施例は走行状態として車両の前後方向の加速
度,減速度を検出し、その検出値に応じてロールセンタ
ー高さを制御するものである。
これを実施するために、本第2実施例では第13図に示
すように走行状態検出手段としての前後加速度センサ40
を車体の所定位置に取り付け、その検出信号をコント
ローラ41に入力させている。前後加速度検出信号は加
速時には加速度に応じたプラスの電圧値,減速時には減
速度に応じてマイナスの電圧値でなる。なお、第1実施
例で用いた車速センサは搭載していない。
コントローラ41は、前後加速度検出信号を入力し、
その値に応じて指令値(電圧値)Dを出力する関数発生
器42と、この指令値Dを受けて該指令値に応じた指令電
流iを圧力制御弁32に出力する駆動回路43とを備えてい
る。関数発生器42は、加速時には第14図に示すように、
所定加速度(≠0)まで指令値D=0を維持し、
を越すと加速度に応じて徐々に増加する指令値Dを出
力する一方、減速時には減速度=0の状態から減速度の
増大に応じて指令値Dも徐々に増大するように構成され
ている。このように加減速時の制御特性を非対称として
いるのは、FR車の前後重量配分を考慮したためである。
その他の構成は第1実施例と同様である。
次に、第2実施例の動作を説明する。
いま、車両が良路を定速直進走行しているとすると、
前後加速度センサ40の検出信号=0であるから、コン
トローラ41内の関数発生器42が出力する指令値Dも零と
なって、駆動回路43からの指令電流i=0となる。この
ため、圧力制御弁32はその制御圧Pを零とするから、リ
ヤ側に搭載した左右の油圧シリンダ22のストロークが最
低値を維持し、結局、アッパーリンク14,14の車体側回
転中心Cの位置が初期状態に保持される(第6図の実線
状態参照)。そこで、後輪11RL,11RRの瞬間中心ICは共
に車輪内側に位置し、そのロールセンター高さhrは路面
よりも高い初期位置hr=h0(第15図参照)に設定されて
いる。このとき、フロント側のロールセンター高さhr
所定値であり、例えば前後のロールセンター高さがほぼ
同値になって、設定どうりにニュートラル側のステア特
性が得られる。
この定速直進状態から例えば減速を行うと、その減速
度に応じた加速度信号が得られるから、その値に応じ
て増加する指令電流iが圧力制御弁32に供給される。そ
こで、圧力制御弁32は油圧シリンダ22,22への制御圧を
指令電流iに応じたものに制御するから、各シリンダ22
のストロークが伸長し、アッパーリンク14の車体側回転
中心Cの高さが略上方に上昇する。これにより、瞬間中
心ICの位置が車輪から徐々に遠くなって後輪側のロール
センター高さhrが低下、即ち路面に接近する方向に変化
する。
このとき、検出される減速度が比較的大きくなる
と、アッパーリンク14の車体側回転中心Cはロアリンク
15に対する水平位置を越して上方に付勢されるから、今
度は瞬間中心ICの位置が車輪外横方向に反転し、ロール
センターRCの高さhrも路面の下側に反転する。この様子
は、第1実施例の場合と同様である。
このように、減速を実施すると、リヤロールセンター
高さhrはその減速度に応じて第14図に示すように低下す
る。つまり、前輪側のロールセンター高さhrは変わらな
いので、減速が進むにつれて、前輪側に対する後輪側の
ロールセンター高さの差が徐々に大きくなり、第1実施
例の場合と同様に、前輪側に対して後輪側のロール剛性
分担の方が小さく、その左右荷重移動も少ないから、後
輪側における内外輪のトータルコーナリングフォースの
方が前輪側のそれよりも大きくなる。この結果、車両の
スタビリティファクタが従来のものに比べて格段に上昇
し、ステア特性はアンダーステア側に移行するので、減
速中に旋回を行う場合でもリヤスキッド,スピン等の発
生を従来に比べて大幅に減らすことができ、車両の安定
性を向上させることができる。この利点は、減速度が大
きい急減速状態において限界旋回(高G)を行う場合に
は、とくに顕著になる。
一方、加速を行う場合は、所定加速度に至るまで
の比較的緩やかな加速状態では、前後加速度検出信号
=0,指令値=D=0であるから、定速直進の場合と同様
に後輪側のロールセンター高さhrはその初期位置に保持
される。このため、前後のロールセンタ高さhf,hrが変
更されることはなく、これによって、加速しながらコー
ナリングを行う場合の良好な回頭性が得られる。
しかし、急発進などを行って加速度>の状態に
なると、加速状況に応じて増大する検出信号が得られ
るので、この場合にも前述と同様にしてリヤ・ロールセ
ンター高さhrが第15図に示す如く下がり、その旋回時に
はアンダーステア側のステア特性に移行し、スタビリテ
ィファクタが高められる。これによって、急加速時に旋
回に伴うスピン等が確実に防止され、車両安定性が高め
られるという利点がある。
なお、本第2実施例の構成をフロントエンジン・フロ
ントドライブ(FF)車に適用する場合は、第14図の制御
特性を反対にすることにより、駆動時のフロントドリフ
トを抑える方向の作用が得られ、車両の安定化が図られ
る。
(第3実施例) 次に、第3実施例を第16図及び第17図に基づき説明す
る。ここで、前述した第1実施例と同一の構成要素には
同一符号を用いてその説明を省略又は簡略化する。な
お、この第3実施例はフロントエンジン,リヤドライブ
(FR)車であって、第1実施例と同様にダブルウィッシ
ュボーン形式のサスペンション構造を有した車両につい
て、その後輪側のみに対して実施したものである。
本第3実施例は走行状態として車速を検出し、その検
出値に応じてロールセンター高さを制御するものであ
る。
これを詳述すると、本第3実施例では第16図に示すよ
うに、前記各実施例と同様に形成されたサスペンション
メンバ50に固設されたブラケット50Aの中央部に略上下
方向に長楕円状の長穴51が穿設されている。この長穴の
径及び形状は、アッパーリンク14のゴムブッシュ20の軸
を貫通させた支持し且つそれを上下方向に自在に案内で
きる所定寸法になっている。
また、ゴムブッシュ20の外筒の下部周面はリンク支持
板52に固設され、このリンク支持板52とサスペンション
メンバ50の下端部との間に前記各実施例と同様に形成さ
れた油圧シリンダ22がゴムブッシュ53,54を介して図示
の如く介挿されている。
本第3実施例では、ブラケット50A及び油圧シリンダ2
2が回転中心移動機構を構成している。
その他の構造は、第1実施例と同一である。
このため、第1実施例と同様に車速が零又は下限値V1
以下の場合は、圧力制御弁32から油圧シリンダ22に供給
される制御圧Pは零であり、このため油圧シリンダ22は
最低ストローク量をとって、アッパーリンク14のゴムブ
ッシュ20の位置は所定値をとる。これにより、第1実施
例と同様に後輪11RL,11RRの瞬間中心ICが共に車輪内側
に形成され、リヤ・ロールセンター高さhrが路面の上側
所定高さを維持している。
この状態から車速が下限値V1を越えて増加すると、油
圧シリンダ22のストローク量が増加し、アッパーリンク
14のゴムブッシュ20,即ち車体側回転中心Cの位置がブ
ラケット50Aの長穴51に沿って上昇される。これに伴っ
て瞬間中心ICの位置が車輪内側において車輪から遠ざか
る方向(:車輪外側において車輪に接近する方向)に変
わるので、ロールセンターRCの高さhrが低下する。
このため、本第3実施例によっても前述した第1実施
例と同一の作用効果が得られるほか、ゴムブッシュの点
数が減少するなど、構造が簡単になるという利点があ
る。
なお、本第3実施例においては、油圧シリンダ22の下
端部をロアリンク15に直接固設するとしてもよい。
さらに、本第3実施例の回転中心移動機構を第2実施
例に適用することもでき、その場合にも第2実施例で説
明したと同一のロールセンター高さ制御を行って、その
効果を享受できる。
(第4実施例) 次に、第4実施例を第18図及び第19図に基づき説明す
る。ここで、前述した第1実施例と同一の構成要素には
同一符号を用いてその説明を省略又は簡略化する。な
お、この第4実施例はフロントエンジン,リヤドライブ
(FR)車であって、第1実施例と同様にダブルウィッシ
ュボーン形式のサスペンション構造を有した車両につい
て、その前輪側のみに対して実施したものである。
本第4実施例は走行状態として車速を検出し、その検
出値に応じて前輪のロールセンター高さを制御するもの
である。
これを詳述すると、第18図において11FL,11FRは左右
前輪であり、14,15は前輪11FL,11FRに対するアッパーリ
ンク,ロアリンクである。これらのリンク14,15を支持
する構造は前述した第1実施例と同一に構成されてお
り、図示しない油圧シリンダのストロークアシストに依
ってアッパーリンク14の車体側回転中心Cを略上下方向
に変更可能になっている。そして、本第4実施例におけ
る左右のアッパーリンク14の初期位置は、実線図示の如
く車輪外側の方が車輪内側よりも高く設定され、ほぼ水
平に設定されているロアリンク15との間で、停車時には
車輪外側に瞬間中心ICを形成するようになっている。こ
のため、初期位置でのフロント・ロールセンターRCの高
さhfは第18図に示すように路面よりも下側の所定位置
(hf=−h0)をとっている。また、リヤ側のロールセン
ター高さhrは路面よりも上側の所定位置に、車速変化と
は無関係に保持されるようになっている。
さらに、本第4実施例における油圧シリンダは第1実
施例とは反対向きであって、その最縮小位置で車体側回
転中心Cを第18図の上側位置に維持し、最伸長位置で同
図の下側位置に設定できるように、サスペンションメン
バ13の両側部に取り付けられている。
その他の制御機構は第1実施例と同一である。
このため、車速VがV≦V1の状態では、フロント・ロ
ールセンター高さhfが路面の下側初期位置「−h0」を保
持する。いま良路を定速直進しているものとすると、前
後の車重配分にしたがって例えばニュートラルのステア
特性となり、旋回走行に至るときに良好な回頭性が得ら
れる。
また、V>V1の状態では、車速Vが大きくなるにつれ
て油圧シリンダのストローク量が伸長し、車体側回転中
心Cが下降して例えば第18図中の仮想線の状態となる。
これにより、第1実施例とは反対向きに瞬間中心ICの位
置が制御され、フロント・ロールセンター高さhfが車速
に応じた分だけ初期値「−h0」よりも高くなる(第19図
参照)。そこで、旋回状態に至る際、フロント側のロー
ルセンターRCが高くなることによってフロント側のロー
ル剛性が増大するから、ロール剛性の前後分担では前輪
側のそれが大きくなる。これがため、フロント側の左右
輪の荷重移動量が増加し且つリヤ側のそれが減少する方
向に制御され、フロント側のトータル・コーナリングフ
ォースが低下し且つリヤ側のコーナリングフォースのそ
れが増大する方向に制御され、したがって、ステア特性
はアンダーステア方向に変更されるため、高速になるほ
ど安定性が良くなる。
なお、本第4実施例の車速を検出する機構に代えて、
第2実施例と同様に前後加速度センサを設け、前後加速
度が増大するに伴ってフロント・ロールセンター高さhf
を第20図に示如く増大させることによって、第2実施例
と同様の作用効果を得ることができる。
なお、前記各実施例では車速に応じたリヤ(若しくは
フロント)のロールセンター高さ制御及び前後加速度に
応じたリヤ(若しくはフロント)のロールセンター高さ
制御を個別に行う構成としたが、本願各発明は必ずしも
そのような構成に限定されることなく、両者を同一車両
に搭載する構成としてもよく、その場合に両方の制御を
同時に実施する必要があるときは、制御結果であるロー
ルセンター高さの変位が大きい方を優先して行う構成に
すればよい。
また、前記各実施例ではリヤのロールセンター高さ制
御及びフロントのロールセンター高さ制御を個別に行う
構成としたが、本願各発明は必ずしもそのような構成に
限定されることなく、リヤ,フロントを同時に且つ反対
方向に制御するようにしてもよく、それによれば車体側
回転中心Cであるリンクピボット位置の変化量をリヤ,
フロントで半々ずつ負担すればよい。
さらに、本願各発明の回転中心移動機構は、前述した
実施例のようにアッパーリンクと車体側であるサスペン
ションメンバとの間に介挿される構造のほか、例えばロ
アリンクとサスペンションメンバとの間に介挿し瞬間中
心,ロールセンター高さが前述と同等に変化するように
ロールリンクの車体側回転中心を制御するとしてもよ
い。また、アッパーリンク,ロアリンクの車体側回転中
心を同時に制御することも勿論可能である。
さらにまた、前述した各実施例ではロアリンクを路面
とほぼ平行に配置するようにしたが、本願各発明はこれ
に限定されることなく、平行でなくてもよいことは勿論
である。
さらにまた、本願各発明に適用し得る車両用サスペン
ションは、前述したようにダブルウィッシュボーン形式
のものほか、例えばマルチリンク形式のものであっても
よい。
さらにまた、移動機構制御手段に用いたコントローラ
は、前述と同等なソフトウエアを格納したマイクロコン
ピュータで構成してもよいことは勿論である。また移動
機構制御手段に用いた圧力制御弁の代わりに、コントロ
ーラからの指令電流に応じて油圧供給装置からのライン
圧を制御し、制御した圧力を油圧アクチュエータに供給
する電磁比例リリーフ弁を用いる構造であってもよい。
さらにまた、本願発明のサスペンションにおける流体
圧アクチュエータとしては、前記各実施例で使用した油
圧シリンダのほか、例えば空気圧シリンダを用いてもよ
い。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本願各発明によれば、車速に関
連する物理量(車速や前後加速度)を検出し、その検出
値に応じて瞬間回転中心が後輪側のロールセンター高さ
を前輪側のロールセンター高さよりも低下させる方向
に、前記車体側回転中心位置が移動するよう、アッパー
リンク及びロアリンク内の少なくとも一方の車体側回転
中心を制御し、しかも、ロールセンターが、車体側回転
中心位置の移動の前後で路面を挟んで上下動するように
したため、低中速域・限界旋回時には内外輪荷重移動量
が前後輪でほぼ同じに保持され、ニュートラスステア側
のステア特性が設定されることから、良好な回頭性が得
られるとともに、高速域・限界旋回時には前輪側の内外
輪荷重移動量が後輪側のそれよりも大きくなり、アンダ
ーステア側のステア特性が設定されることから、高い車
両安定性が確保され、その両立が図られるほか、リンク
の車体側回転中心の位置を制御するだけであるから、例
えばサスペンションメンバ全体の高さを制御する構造の
ものに比べて、ロールセンターの高さ制御に要するアシ
ストエネルギが比較的小さくて済むというという効果が
ある。
また、とくに、請求項(5)記載の発明によれば、上
述の制御を前後加速度について実施するようにしたた
め、加減速状態での高G旋回中のリヤスキッド,スピン
等の車両挙動も排除され、車両安定性が向上という効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明のクレーム対応図、第2図は本願発明
の第1実施例を示す車両前側よりみた概略構成図、第3
図は第1実施例におけるアッパーリンクの移動機構を破
断した状態で示す側面図、第4図は第1実施例のコント
ローラのブロック図、第5図は圧力制御弁の制御圧特性
図、第6図は第1実施例における瞬間中心及びリヤ・ロ
ールセンター高さの変化例を説明する説明図、第7図は
第1実施例のリヤ・ロールセンター高さの車速特性図、
第8図は第1実施例におけるロール時の瞬間中心及びリ
ヤ・ロールセンター高さの変化例を説明する説明図、第
9図は第1実施例におけるロール時のヤ・ロールセンタ
ー高さの特性図、第10図(a)(b)は夫々瞬間中心の
移動に伴うリンク反力分の荷重移動を説明する説明図、
第11図はリヤ・ロールセンター高さの変化に伴う荷重移
動分担の計算例の説明に用いる説明図、第12図はリヤ・
ロールセンター高さとアッパーリンクピボット位置の計
算例の説明に用いる説明図、第13図は本願発明の第2実
施例のコントローラを示すブロック図、第14図は第2実
施例における指令値特性を示すグラフ、第15図はリヤ・
ロールセンター高さ特性を示す特性図、第16図は本願発
明の第3実施例におけるアッパーリンクの移動機構を破
断した状態で示す側面図、第17図は第16図中のA−A線
に沿った断面図、第18図は本願発明の第4実施例におけ
る瞬間中心及びフロント・ロールセンター高さの変化例
を説明する説明図、第19図は第4実施例におけるフロン
ト・ロールセンター高さの特性図、第20図は第4実施例
のその他の実施例に係るフロント・ロールセンター高さ
の特性図、第21図は従来例を車両前側よりみた状態で示
す概略構成図である。 図中、11FL〜11RRは車輪、12は車体、13はサスペンショ
ンメンバ、14はアッパリンク、15はロアリンク、13Aは
リンク連結部、13Aaはブラケット取付部、19はブラケッ
ト、20はゴムブッシュ(車体側回転中心C)、22は油圧
シリンダ、30は車速度センサ、31はコントローラ、32は
圧力制御弁、33は油圧供給装置、40は前後加速度セン
サ、41はコントローラ、50はサスペンションメンバ、50
Aはブラケット、51は長穴、52はリンク支持板である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体及び各車輪間に揺動可能に介在させた
    アッパーリンク及びロアリンクを有する車両用サスペン
    ションにおいて、 前記アッパーリンク及びロアリンクの内の少なくとも一
    方と車体側との間に介挿され且つ該リンクの車体側回転
    中心位置を車体の略上下方向に移動可能な回転中心移動
    機構と、車速に関連する物理量を検出する走行状態検出
    手段と、この走行状態検出手段の検出値に応じて、後輪
    側のロールセンター高さを前輪側のロールセンター高さ
    よりも低下させる方向に前記車体側回転中心位置が移動
    するよう前記回転中心移動機構を制御する移動機構制御
    手段とを備え、 前記移動機構制御手段は、前記車体側回転中心位置の移
    動の前後で、後輪側のロールセンター及び前輪側のロー
    ルセンターの少なくとも一方が、路面を挟んで上下動す
    るように前記回転中心移動機構を制御することを特徴と
    する車両用サスペンション。
  2. 【請求項2】前記回転中心移動機構は、一端部が車体側
    に回動可能に固定されるとともに別の端部が前記リンク
    の車体側回転中心位置を支持するブラケットと、このブ
    ラケットと車体側との間に配設された流体圧アクチュエ
    ータとを有することを特徴とした請求項(1)記載の車
    両用サスペンション。
  3. 【請求項3】前記回転中心移動機構は、車体側に固設さ
    れるとともに所定位置に車体上下方向に向いた長穴が穿
    設され、該長穴で前記リンクの車体側回転中心位置を軸
    支するブラケットと、このブラケットと車体側との間に
    配設された流体圧アクチュエータとを有することを特徴
    とした請求項(1)記載の車両用サスペンション。
  4. 【請求項4】前記走行状態検出手段は、車速を検出する
    手段であり、前記移動機構制御手段は、走行状態検出手
    段が検出した車速値が増大するにつれて前記リンクの車
    体側回転中心位置の移動量を増大させる手段であること
    を特徴とした請求項(1)記載の車両用サスペンショ
    ン。
  5. 【請求項5】前記走行状態検出手段は、車体前後方向の
    加速度及び減速度を検出する手段であり、前記移動機構
    制御手段は、走行状態検出手段が検出した加速度又は減
    速度が増大するにつれて前記リンクの車体側回転中心位
    置の移動量を増大させる手段であることを特徴とした請
    求項(1)記載の車両用サスペンション。
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