JP2621447B2 - 磁気記録カード - Google Patents

磁気記録カード

Info

Publication number
JP2621447B2
JP2621447B2 JP31572688A JP31572688A JP2621447B2 JP 2621447 B2 JP2621447 B2 JP 2621447B2 JP 31572688 A JP31572688 A JP 31572688A JP 31572688 A JP31572688 A JP 31572688A JP 2621447 B2 JP2621447 B2 JP 2621447B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
resin
layer
group
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31572688A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02161613A (ja
Inventor
隆 角谷
英樹 山岸
寛 久保山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP31572688A priority Critical patent/JP2621447B2/ja
Publication of JPH02161613A publication Critical patent/JPH02161613A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2621447B2 publication Critical patent/JP2621447B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基材としてポリエステルフィルムを用いた
磁気記録カード、具体的にはキャッシュカード、各種ク
レジットカード、磁気乗車券、テレホンカード、POSカ
ード、病院用診療カード、電子レンジ料理カード、IDカ
ード等に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、磁気記録カードとしては、(1)磁気記録層、
白色ポリエステルフィルム層、そして必要に応じて設け
られた印刷層をこの順で有する積層体(例えば特開昭61
−115201号公報、特開昭59−38098号公報など)、ある
いは(2)磁気記録層や印刷層に耐久性を賦与するため
ポリエステルフィルムと各層との間にウレタン、アクリ
ル等の易接着層を更に設けた積層体(例えば特開昭62−
59635号公報、特開昭62−243120号公報など)が知られ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これらはすべて樹脂層の耐劈開性や基材ポリ
エステルフィルムと樹脂層あるいは樹脂層と印刷層ある
いは磁性層との接着性特に耐湿接着性が十分でないとい
う欠点、あるいは、フィルムの帯電ムラのため各種加工
性(塗布特性)が十分でないという欠点がある。
本発明はかかる問題点を改善した磁気記録カードを提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、配向度0.03〜0.6、厚みが0.001〜3.0μm
である水溶性又は水分散性樹脂層上に帯電防止層を設け
てなる複合層を少なくとも片面に有する光学濃度0.5以
上、白色度80%以上なるポリエステルフィルム上に、磁
気記録層を設けてなることを特徴とする磁気記録カー
ド、を要旨とする。
本発明に用いるポリエステルフィルムを構成するポリ
エステルは、エチレンテレフタレート、エチレンα,β
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカ
ルボキシレート、エチレンα,β−ビス(フェノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナ
フタレート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位
を主要構成成分とする。
また、本発明を阻害しない範囲内、好ましくは10モル
%以内であれば、上記以外の他成分が共重合されていて
もよい。
本発明に用いるポリエステルフィルムは上記組成物を
主成分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、
多種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、
熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤などの無機又
は有機添加剤が通常添加される程度添加されてもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、光学濃度が
0.5以上、白色度が80%以上であることが必要である。
特に、白色度が85〜150%、好ましくは90〜130%であ
り、光学濃度が0.9以上、好ましくは1.2以上の場合好適
である。又光学濃度の上限は特にないが通常は11以下で
ある。これは、白色度が小さい基材を使用した場合、磁
気記録カードとして使用する際、着色がみられる様にな
るため好ましくなく、一方光学濃度が小さい場合十分な
光線反射量が得られず肉眼でみた場合白さが減少する、
反対面の影響が出る、あるいは磁気記録読み取り時測定
法によってはトラブルとなるなどの理由のため好ましく
ない。更に本発明の白色度、光学濃度を示す基材を使用
する場合、通常原反を使用するに比べ接着性が向上する
のである。
このような光学濃度、白色度を得る方法は特に限定さ
れないが、通常は無機微粒子あるいはポリエステルと非
相溶の樹脂の添加により得ることができる。添加する量
は特に限定されないが無機微粒子の場合5〜35重量%、
好ましくは8〜25重量%である。一方非相溶性の樹脂を
添加する場合は5〜35vol%、好ましくは8〜28vol%で
ある。又、無機粒子と非相溶性樹脂を併用する場合、各
々2〜30重量%添加するのが好ましい。
使用する無機粒子は特に限定されないが、平均粒径0.
1〜4μm、好ましくは0.3〜2.5μmの無機粒子をその
代表として挙げることができる。具体的には硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、アルミ
ナ、タルク、クレーなどあるいはこれらの混合物であ
り、これらの無機粒子は通常の無機粒子、例えばリン酸
カルシウム、酸化チタン、雲母、ジルコニア、酸化タン
グステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウムなどと併
用してもよい。また上に述べた無機粒子の中でもモース
硬度が5以下、好ましくは4以下のものを使用する場
合、白色度が更に増すため更に好ましい。
またポリエステルと非相溶の樹脂としては、特に限定
されないが、例えばポリエチレンテレフタレートと混合
するケースについていえば、アクリル樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、変性オレフィン樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリカーボネートなどを挙げることが
可能で、当然上に述べた無機粒子と併用してもよい。
また本発明のポリエステル基材は光学濃度が本発明範
囲にあればよいのであり上に述べたような白色フィルム
と他の色に着色されたフィルム(その着色の方法は特に
限定されないが、通常は顔料、染料による着色が用いら
れる)あるいは透明なフィルムとの2層以上の積層体を
使用してもよいことは言うまでもない。
また必要に応じて種々の増白剤を添加してもよいこと
は当然である。
本発明の磁気記録カードを構成するポリエステルフィ
ルムは、常法により少なくとも一軸配向させたものであ
るが、機械的強度や寸法安定性、剛性等の点で二軸配向
させたものが望ましい。また、ポリエステルフィルムの
厚みは特に限定されるものではないが0.2〜800μmが好
ましく、5〜500μmの範囲がより好ましく基材ベース
としての実用面での取り扱い性に優れている。
本発明における水溶性又は水分散性樹脂は、水に溶解
あるいは分散する樹脂であればよいのであり、熱可塑
性、熱硬化性は特に問わないが、代表例としては以下の
ものを挙げることができる。アクリル系樹脂、ウレタン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、フッ
素系樹脂、ビニル系樹脂、塩素系樹脂、スチレン系樹
脂、各種グラフト系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素系樹
脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びそれらの
混合物を挙げることができる。
その中でも好適な水溶性又は水分散性樹脂としては以
下のもの、又はそれらの混合物を挙げることができる。
但し、ここでいう水溶性又は水分散性とは、若干量、そ
の量は特に限定されないが通常は20重量%以下、好まし
くは10重量%以下、各種有機溶剤等の水以外の物質を含
んでいてもよい。
(A)アクリル系樹脂 少なくとも40モル%のアクリルおよび/またはメタア
クリルモノマーと、その他の官能基含有モノマー0.1〜2
0モル%と、1種又はそれ以上のハロゲン非含有モノエ
チレン性不飽和モノマー約0〜49.9モル%とのコポリマ
ー、あるいは少なくとも25モル%のアクリル酸、メタク
リル酸又はアクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキル
エステルの中から選ばれたコモノマーと1〜50モル%の
ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスル
ホン酸及びp−スチレンスルホン酸ならびにこれらの酸
の塩の中から選ばれたコモノマーから導かれる共重合体
を挙げることができる。
(B)ビニル系樹脂 一般式 (ただし、R1、R2は水素またはアルキル基、M1、M2は水
素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム
(置換アンモニウムも含む)、アルキル基を示し、M1
M2が同時にアルキル基ではない。)を挙げることができ
る。
(C)ウレタン系樹脂 カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、又は硫酸半エステ
ル塩基により水への親和性が高められたポリウレタンを
挙げることができる。但しカルボン酸塩基、スルホン酸
塩基、硫酸半エステル塩基等の含有量は0.5〜15重量%
が好ましく、又ポリウレタンの合成に用いるポリヒドロ
キシ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−
ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレ
ンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテ
トラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケー
ト、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリストール、グリセリン等を挙げることができ
る。ポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサ
メチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロ
ールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネー
トとトリメチロールエタンの付加物等を挙げることがで
きる。カルボン酸含有ポリオールとしては、例えばジメ
チロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロー
ル吉草酸、トリメリット酸ビス(エチレングリコール)
エステル等を挙げることができる。アミノ酸含有カルボ
ン酸としては、例えばβ−アミノプロピオン酸、γ−ア
ミノ酪酸、p−アミノ安息香酸等を挙げることができ
る。水酸基含有カルボン酸としては、例えば3−ヒドロ
キシプロピオン酸、γ−ヒドロキシ酪酸、p−(2−ヒ
ドロキシエチル)安息香酸、リンゴ酸等を挙げることが
できる。アミノ基または水酸基とスルホン酸を有する化
合物としては、例えばアミノメタンスルホン酸、2−ア
ミノエタンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼ
ン−2−スルホン酸、β−ヒドロキシエタンスルホン酸
ナトリウム、脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパンサ
ルトン、ブタンサルトン付加生成物等が挙げられ、好ま
しくは脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパンサルトン
付加物があげられる。更に、アミノ基または水酸基と硫
酸半エステル基を含有する化合物としては、例えばアミ
ノエタノール硫酸、エチレンジアミンエタノール硫酸、
アミノブタノール硫酸、ヒドロキシエタノール硫酸、γ
−ヒドロキシプロパノール硫酸、α−ヒドロキシブタノ
ール硫酸等があげられる。
あるいは、特公昭42−24194号、特公昭46−7720号、
特公昭46−10193号、特公昭49−37839号、特開昭50−12
3197号、特開昭53−126058号、特開昭54−138098号など
で公知のアニオン性基を有するポリウレタン系樹脂ある
いはそれらに準じたポリウレタン系樹脂を挙げることが
できる。
ここでポリウレタン形成成分の主要な構成成分は、ポ
リイソシアネート、ポリオール、鎖長延長剤、架橋剤な
どである。
又、分子量300〜20000のポリオール、ポリイソシアネ
ート、反応性水素原子を有する鎖長延長剤およびイソシ
アネート基と反応する基、およびアニオン性基を少なく
とも1個有する化合物からなる樹脂が好ましい。
ポリウレタン系樹脂中のアニオン性基は、好ましくは
−SO3H、−OSO2H、−COOHおよびこれらのアンモニウム
塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩あるいはマ
グネシウム塩として用いられる。
ポリウレタン系樹脂中のアニオン性基の量は、0.05重
量%〜8重量%が好ましい。
(D)ポリエステル系樹脂 全ジカルボン酸成分中0.5〜15モル%がスルホン酸金
属塩基含有ジカルボン酸であるジカルボン酸類と、多価
アルコール類とから成るポリエステル共重合体を挙げる
ことができる。
但し、上記のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸と
しては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル
酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7
−ジカルボン酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタ
ル酸等の金属塩があげられ、特に好ましいのは5−ナト
リウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタ
ル酸である。
あるいは、分子内に遊離カルボン酸基及びカルボン酸
塩基を少なくとも1種有する水性ポリエステル樹脂と2
個以上のエポキシ基を含有する架橋剤、及び必要に応じ
て反応促進化合物を含むものを挙げることができる。但
し、この水性ポリエステル樹脂の分子内にカルボン酸基
を導入するためには、例えば無水トリメリット酸、トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、ト
リメシン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、ジメチロ
ールプロピオン酸等の多価化合物をポリマー製造原料の
1つとして用いることが好ましい。また、カルボン酸塩
はポリマー中に導入されたカルボン酸基をアミノ化合
物、アンモニア、アルカリ金属等で中和することによっ
て導入することができる。
(E)各種グラフト樹脂 ポリメチルメタアクリレートを幹鎖としポリ2−ヒド
ロキシエチルメタアクリレートを枝鎖とする櫛型グラフ
トポリマーを挙げることができる。
あるいは、幹ポリマーがポリエステルであって枝ポリ
マーがアクリル系重合体であるアクリルグラフトポリエ
ステルを挙げることができる。
但し、この水性ポリエステル−アクリルグラフトポリ
マーの幹ポリマーになるポリエステルは多塩基酸または
そのエステル形成性誘導体とポリオールまたはそのエス
テル形成性誘導体とから合成される実質的に線状のポリ
マーである。このポリマーの多塩基酸成分としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、
2,6−ナルタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等を例示することがで
きる。これら成分は2種以上を用いることができる。更
に、これら成分と共にマレイン酸、フマール酸、イタコ
ン酸等の如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香
酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如き
ヒドロキシカルボン酸を小割合用いることができる。不
飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分の割合は
高々10モル%、好ましくは5モル%以下である。
また、ポリオール成分としてはエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオ
キシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)
グリコール等を例示することができる。これらは2種以
上を用いることができる。
該アクリル系重合体のモノマーとしては例えばアルキ
ルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基
としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニ
ル基、ベンジル基、フェニルエチル基等):2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モ
ノマー:アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチ
ルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリル
アミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メト
キシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタク
リルアミド、N−フェニルアクリルアミド等のアミド基
含有モノマー:N,N−ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のア
ミノ基含有モノマー:グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマー:アク
リル酸、メタアクリル酸及びそれらの塩(ナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩)等のカルボキシル基
またはその塩を含有するモノマー等があげられる。これ
らは他種モノマーと併用することができる。他種モノマ
ーとしては例えばアリルグリシジルエーテル等のエポキ
シ基含有モノマー:スチレンスルホン酸、ビニルスルホ
ン酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩等)等のスルホン酸基又はその塩を含有する
モノマー:クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ール酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩等)等のカルボキシル基またはその塩を含
有するモノマー:無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
酸無水物を含有するモノマー:ビニルイソシアネート、
アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシ
ラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマ
ール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。上述の
モノマーは1種もしくは2種以上を用いて共重合され
る。
(F)ブロックポリマー 水性アクリル系重合体−ポリエステルブロックポリマ
ーを挙げることができる。
但し、このブロックポリマーを構成するアクリル系重
合体のモノマーとしては、例えばアルキルアクリレー
ト、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチル
ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル
基、フェニルエチル基等):2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー:アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−
ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアク
リルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N
−フェニルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー:
N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有モノマ
ー:グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタアク
リル酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩等)等のカルボキシル基又はその塩を含む
モノマー等が挙げられる。これらは他種モノマーと併用
することができる。他種モノマーとしてはアリルグリシ
ジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー:スチレンス
ルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等のスルホン酸
基又はその塩を含有するモノマー:クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマール酸及びそれらの塩(ナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等のカルボキ
シル基又はその塩を含有するモノマー:無水マレイン
酸、無水イタコン酸等の酸無水物を含有するモノマー:
ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレ
ン、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン
酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコ
ン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化
ビニル等が挙げられる。上述のモノマーは1種もしくは
2種以上を用いて共重合させることができるが、アクリ
ル系重合体への親水性付与、水溶液の分散安定性、ポリ
エステルフィルムとの密着性等の点から、水酸基、アミ
ド基やカルボキシル基またはその塩(ナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩等)等の官能基を有するもの
が好ましい。
水性ブロックポリマーのもう一つの構成成分であるポ
リエステルは、多塩基酸またはそのエステル形成性誘導
体とポリオールまたはそのエステル形成性誘導体とから
合成される実質的に線状の飽和ポリエステルである。こ
のポリエステルの多塩基酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、ダイマー酸等を例示することができる。こ
れらは二種以上を用いることができる。また、これら成
分と共にp−ヒドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキ
シエトキシ)安息香酸等のヒドロキシカルボン酸も用い
ることができる。
また、ポリオール成分としてはエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン
酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチ
レンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキ
シド)グリコール等を例示することができる。これらは
2種以上を用いることができる。
このポリエステルは水性ポリマーであることが好まし
く、例えば有機スルホン酸塩、カルボン酸塩、ジエチレ
ングリコール、ポリアルキレンエーテルグリコール等の
如き親水基を有する化合物を含むものが水分散液を作る
のに有利となり、好ましい。このカルボン基塩の導入
は、通常三官能以上のカルボン酸を用いるが、該カルボ
ン酸は重合の工程で分岐が起り、ゲル化しやすいのでそ
の共重合割合は小さくすることが望ましい。その点、ス
ルホン酸、ジエチレングリコール、ポリアルキレンエー
テルグリコール等による親水基の導入は、これらの問題
がなく、より有利である。
スルホン酸塩の基をポリエステル分子内に導入するた
めには、例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−アンモ
ニウムスルホイソフタル酸、4−Naスルホイソフタル
酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−
Naスルホテレフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸、4
−Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホテレフタル酸、
Naスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ金属塩系又は
スルホン酸アミン塩系化合物等を用いることが好まし
い。スルホン酸塩の基を有する多価カルボン酸又は多価
アルコールは全多価カルボン酸成分又は多価アルコール
成分中0.5〜20モル%、更には1〜18モル%を占めるこ
とが好ましい。
本発明の水溶性又は水分散性樹脂層においては、必要
に応じ各種架橋剤を使用してもよい。その種類は特に限
定されないが代表的なものとしては、イソシアネート系
架橋剤、イソシアヌレート系架橋剤、メラミン系架橋
剤、尿素系架橋剤あるいはエポキシ系架橋剤を挙げるこ
とができる。
エポキシ系架橋剤としては、具体的にはポリエポキシ
化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物などが
挙げられ、ポリエポキシ化合物としては、例えばソルビ
トール、ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポ
リグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリ
シジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエ
ポキシ化合物としては、例えばネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジ
グリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例
えばアリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグ
リシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどが
挙げられる。又イソシアネート系架橋剤としては、例え
ば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネートなどを挙げることができる。尿素系
架橋剤としては、例えばジメチロール尿素、ジメチロー
ルエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、テトラ
メチロールアセチレン尿素、4−メトキシ5ジメチルプ
ロピレン尿素ジメチロールなどが挙げられる。メラミン
系架橋剤としては、メラミンとホルムアルデヒドを縮合
して得られるメチロールメラミン誘導体に低級アルコー
ルとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール等を反応させてエーテル化した化合物
およびそれらの混合物が好ましい。メチロールメラミン
誘導体としては、例えばモノメチロールメラミン、ジメ
チロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメ
チロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサ
メチロールメラミンなどが挙げられる。これらの架橋結
合剤は単独、場合によっては2種以上併用してもよい。
本発明においては、水溶性又は水分散性樹脂層(以下
単に「樹脂層」ともいう。)の配向度は0.03〜0.6であ
ることが必要である。これは配向度が0.6より大きい場
合樹脂層の易接着性改良効果が十分でなく、又、樹脂層
内部で劈開が起こり易いため好ましくない。
一方0.03より小さい場合、樹脂の耐湿、耐溶剤性が不
十分となり、樹脂層の膨潤あるいは白化が容易に起こる
ため好ましくない。
特に配向度が0.08〜0.35である場合、特性のバランス
が良好であり好ましい。
又、本発明においては、水溶性又は水分散性樹脂層厚
みが0.001〜3.0μm、好ましくは0.01〜0.8μm、更に
好ましくは0.06〜0.4μmであることが必要である。
これは、厚みが0.001μmより薄い場合、接着性改良
効果がみられないため好ましくなく、又3.0μmより厚
い場合、耐湿、耐溶剤性が極端に悪化するため好ましく
ないのである。
該樹脂層の厚みは、種々の方法で測定できるが、例え
ば、積層フィルムの断面を電子顕微鏡で測定することに
より求めることができる。
本発明による磁気記録層は、特に限定されないが、代
表例としては以下のものを挙げることができる。すなわ
ち磁性粉としては、γ−Fe2O3、CrO2、Co−γ−Fe2O3
メタル粉を、またバインダーとしては、酢酸ビニル、PV
Cなどのビニル樹脂、アクリルニトリル/ブタジエン共
重合体などのゴム系樹脂、アセチルセルロース・ニトロ
セルロースなどの繊維素、エポキシ系樹脂、フェノール
系樹脂、単量体のイソシアネート、変性イソシアネー
ト、ウレタンプレポリマ、ブロックイソシアネートなど
の形態で用いられるポリウレタン系樹脂及び必要に応じ
添加される分散剤、滑剤、カーボンなどの帯電防止剤、
安定剤、可塑剤を混合したものを挙げることができる。
本発明における帯電防止層とは表面比抵抗にして1014
Ω/□(JIS−K6911)より小さいものを示し、その組成
は特に限定されないが、その代表的帯電防止層として
は、カーボンブラック、アンチモンをドープしたスズで
被覆した粒子、あるいは、化学メッキ無機粒子など各種
導電性無機粒子を充填した層あるいは、アルキルベタイ
ン、4級アンモニウムなどの各種帯電防止剤を添加した
層を、その代表として挙げることができるが、その中で
もカチオン性界面活性剤のみをうすく塗布するのが、加
工コスト、ロール状で放置しておくと非塗布面に転写す
るため、片面塗布で実質的には両面塗布と似た特性を賦
与することができるため好適である。又カチオン性界面
活性剤の中でもジメチルジアルキルアンモニウムクロラ
イド(但しアルキル基の炭素数は1〜1000)又は飽和脂
肪酸を主体とする直鎖脂肪族好ましくは天然直鎖脂肪族
のコリンエステル塩化物(但し、脂肪酸の炭素数は1〜
1000)、あるいはそれらの混合物で使用するのがブロッ
キングもなく特に好適である。
その際該帯電防止層の厚みは特に限定されないが、通
常は1μm以下、好ましくは0.2μm以下、更に好まし
くは0.1μm以下、0.001μm以上である。
本発明における発色層は、各種手段により発色すれば
よいのであり、その内容は特に限定されないが、好適な
ものとして、熱による発色する方法、例えばジアゾ方
式、ロイコ染料系感熱発色法などを挙げることが出来
る。
即ち、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル
系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース等の各種結着剤に
ロイコ染料を分散させた層あるいは同様の結着剤にジア
ゾニウム塩、カップリング剤(カップラー)及び塩基性
物質を分散させた層をその代表として挙げることが出来
る。
このように結着剤に分散させるロイコ染料としては、
通常無色又は淡色のトリフェニルメタン系、フルオラン
系、フェノチオジン系、オーラミン系、スピロピラン系
等のロイコ体が適用され、又、前記ロイコ体と熱時発色
反応を起こし、該ロイコ体を発色せしめるα−ナフトー
ル、β−ナフトール、ビスフェノールA、安息香酸、サ
リチル酸等の酸性物質が本発明でいうロイコ染料系感熱
発色層に配合される。以上のごとき結着剤樹脂、ロイコ
染料および酸性物質からなる感熱発色塗液を支持体の表
面に塗布、乾燥してロイコ染料系感熱発色層とするので
ある。
またこのような結着剤に分散させるジアゾニウム塩
は、従来公知のジアゾニウム塩が使用される。すなわち
p−N,N−ジメチルアミノベンゼンジアゾニウムクロラ
イド塩化亜鉛、4−ベンズアミド−2,5−ジエトキシベ
ンゼンジアゾニウムクロライド塩化亜鉛、4−モルホリ
ノ−2,5−ジプトキシベンゼンジアゾニウムクロライド
塩化亜鉛、4−(p−トリルメルカプト)−2,5−ジエ
トキシベンゼンジアゾニウムクロライド塩化亜鉛等であ
る。これらの塩化亜鉛型のジアゾニウム塩は水溶性であ
るが、高温高湿下の保存性を改良するためには、水不溶
性又は水難溶性のものが好ましく、それらは上記の従来
公知のジアゾニウム塩のアニオン成分を特殊なアニオン
に変えることにより得られる。ジアゾニウム塩に水不溶
性又は水難溶性の特徴を持たせるアニオンとしては、BF
4、TiF6 2、SnF6 2、ZnF4 2、PF4、SCN、リンタングステン
酸イオンリンモリブデン酸イオン、アリールスルホン酸
イオン、有機ホウ素イオン等が挙げられる。
カップラーとしては、ジアゾニウム塩とカップリング
して色素を形成する従来公知のカップラーが使用され
る。水溶性カップラーとしては、レゾルシノール、フロ
ログルシン、1−ヒドロキシナフタレン−4−スルホン
酸ナトリウム、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−ス
ルホン酸ナトリウム、2,7−ジヒドロキシナフタレン−
3,6−ジスルホン酸ナトリウム、アセトアセトアニリド
等が挙げられる。水不溶性又は水難溶性カップラーとし
ては、0−ヒドロキシジフェニル、1−ヒドロキシナフ
タレン、2−ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキ
シナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホ
リノプロピルアミド、ナフトールAS、ナフトールAS−
D、ナフトールAS−BO等の2−ヒドロキシ−3−ナフト
エ酸誘導体等が挙げられる。
この系において必要に応じて使用される塩基性物質と
しては、加熱時に融解、溶解、分解、反応等を行い、ジ
アゾニウム塩とカップラーとのカップリング反応に適し
た塩基性雰囲気を作り出す物質が使用される。尿素及び
その誘導体、無機及び有機アンモニウム塩、有機アミン
類、グアニジン類、イミダゾール類、ピリジン類、トリ
アゾール類等の含窒素複素環化合物、酢酸ナトリウム、
マロン酸カリウム等の塩類が挙げられる。このうち水不
溶性又は水難溶性の塩基性物質としては、ジステアリル
アミン、2−フェニルイミダゾール、1,3−ジ−O−ト
リルグアニジン等が挙げられる。
またイミダゾールとヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)との付加化合物の様ないわゆるイソシアネート
によりブロック化された塩基性物質を使用することも可
能である。
又、該カップラー含有層に適用される粘着剤は前記ポ
リエステル樹脂および/またはポリウレタン樹脂が適用
される。
なお、本発明では高温時の保存性を向上させる為に、
ジアゾニウム塩の水不溶化又は水難溶化剤を用いること
ができる。すなわちジアゾニウム塩の所で述べたアニオ
ン成分を水溶液中で遊離する物質を前記ジアゾニウム塩
含有層および/またはカップラー含有層に配合すること
ができる。
例えば、HBF4、H2TiF6、H2SnF4、H2ZnF4、HPF6等の酸
及びその塩、リンタングステン酸、リンモリブテン酸、
ケイタングステン酸等のヘテロポリ酸及びその塩、チオ
シアン酸及びその塩、アリールスルホン酸及びその塩、
有機ホウ素塩等が挙げられる。
さらに、光定着型感熱発色系とするためには、この他
に従来公知のチオ尿素、アスコルビン酸等の酸化防止
剤、酒石酸、クエン酸、ホウ酸等の酸安定剤を、また高
温高湿下の保存性を向上するためにトリポリリン酸アル
ミニウムを前記ジアゾニウム塩含有量および/またはカ
ップラー含有層に使用すればよい。
さらに、本発明では発色層中に必要に応じて無機及び
有機顔料を使用することができる。例えば、水酸化アル
ミニウム、重質及び軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、
硫酸バリウム、シリカ、活性白土、タルク、クレー、サ
チンホワイト、カオリナイト、焼成カオリナイト、ケイ
ソウ土、合成カオリナイト、ポリオレフィン粒子、ポリ
スチレン粒子、フルオロカーボン微粒子、尿素−ホルマ
リン樹脂粒子等である。
この他に本発明では熱発色感度及び発色濃度を向上さ
せるためにジアゾニウム塩含有層およびカップラー含有
層に例えばステアリン酸アマイド、パルチミン酸アマイ
ド、オレイン酸アマイド、ラルリン酸アマイド、エチレ
ンビスステアロアマイド、メチレンビスステアロアマイ
ド、メチロールステアロアマイド、パラフィンワック
ス、モンタン酸ワックス、更には高級アルコール、高級
樹脂酸等を添加しても良い。
本発明においては、必要に応じ有機顔料、無機顔料、
染料などの色料を添加した印刷層を適宜設けてもよい。
これらの印刷層を設ける方法は特に限定されないが、活
版、平版、凹版、スクリーン、平台、輪転、熱転等の方
法で行なうことが可能である。
次に、本発明の磁気記録カードの代表的製造方法につ
いて説明するが、本発明は以下の製造方法に限定される
ものではない。
所定の光学濃度、白色度を示すポリエステルフィルム
原料を押出機等の方法で、溶融した後、フィルム状物に
成形(通常は、冷却ドラム上)する。このようにして得
られた未延伸のフィルム状物あるいは未延伸フィルムを
必要に応じて一軸以上に延伸することにより得られたフ
ィルム(延伸条件を挙げれば例えばポリエチレンテレフ
タレートの場合は75〜130℃で2.0〜9.0倍又ポリプロピ
レンの場合は100〜165℃で2.0〜12.0倍などである)上
に、コロナ放電処理等の表面処理を必要に応じ適宜施し
た後、水溶性又は水分散性樹脂を公知の方法(グラビア
コート、リバースコート、キスコート、ダイコート、バ
ーコート、コンマコートなど)を用いて塗布する。この
ようにして得られた複合フィルムに延伸を施す。この延
伸方向は特に限定されないが一軸方向に延伸されたフィ
ルム上に塗布する場合は、通常は一軸目と直角方向に延
伸する。又未延伸フィルム上に塗布する場合は、縦横ど
ちらの方向でもよいし、又同時に二軸方向に延伸しても
よい。最終的に水溶性又は水分散性樹脂の配向度が本発
明範囲にあればよいのでありその延伸の際の条件は特に
限定されないが、延伸の際の水溶性又は水分散性樹脂の
粘度を1センチポイズ〜500ポイズ、好ましくは10セン
チポイズ〜10ポイズ、更に好ましくは50センチポイズ〜
200センチポイズとすることが好ましい。但し、ここで
いう粘度は、乾燥速度を計算で求め、その塗液濃度での
粘度を測定したものである。該樹脂を延伸時このような
条件におく方法としては、該樹脂が水などで膨張した
状態で延伸する、該樹脂を完全融解下で延伸する、等
を挙げることができる。
このように延伸した後必要に応じ弛緩しつつ熱処理等
を行なってもよい。
又、塗膜層樹脂の粘度が1センチポイズ〜500ポイ
ズ、好ましくは10センチポイズ〜10ポイズ、更に好まし
くは50センチポイズ〜200センチポイズなる状態(通
常、高温あるいは加湿下におくことで該樹脂はこのよう
な状態となる)で、弛緩率1〜20%の範囲で弛緩処理し
ても同様の効果を得ることができる場合がある。
このようにして得られた複合フィルムの水溶性樹脂又
は水分散性樹脂上にグラビアコート、リバースコート、
キッスコート等公知の方法で帯電防止層を塗布・乾燥す
る。この場合必要に応じ熱処理を施してもよい。
このようにして得られた複合フィルム好ましくは樹脂
層上に、所定の磁性粉とバインダーをボールミル、振動
ミル、アトライター、ホモミキサー、サンドミル、三本
ロール等の方法を用いて分散させた後、公知の方法を用
いて塗布する。また必要に応じ反対面に好ましくは樹脂
層上に、各種感光層、各種インキ層や、各種受容層、具
体的には例えば感熱転写インキ受容層を設けてもよい。
またこれらの上に更にアクリル樹脂層等を塗布オーバー
コート層としてもよいことはいうまでもない。
本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
(1)配向度 赤外偏光ATR法で行う。装置には、Bruker製FT−IR(I
FS−113V)に偏光ATR測定用付属装置(Bio−Rad Digila
b製)を取り付けたものを使用する。このATR装置に、対
称形のエッジを持つ厚さ3mm、一辺25mmの正方形のInter
nal Reflection Elementを取り付け、延伸方向に対し平
行と垂直の二方向の吸収測定を行う。
光の入射方向をフィルム流れ方向にとり、入射面に垂
直な偏光を用いてコート面、非コート面のスペクトルを
測定し、各々SMC、SMPとする。
又光の入射方向をフィルム幅方向にとり、入射面に垂
直な偏光を用いてコート面、非コート面のスペクトルを
測定、各々STC、STPとする。
但し、非コート面が存在しない場合は、コート面を各
種溶剤、水等で拭き取った後基材面を測定する。
コート層と非コート層の差スペクトルを次の手順で求
める。差スペクトルを計算する際の内部基準バンドとし
て、解析に必要なコート層の吸収帯に近い波数領域に観
測されるベースフィルムの吸収帯を選ぶ。
内部基準吸収帯の吸光度が0になるように係数を定め
て、コート面のスペクトルから未コート面のスペクトル
を引いた差スペクトルを各偏光成分について求め、S
V(SMC−SMP)、SP(STC−STP)とする。
このようにして求めた差スペクトル上予め定めた二つ
の波数における点を結びベースラインとし、ベースライ
ンから吸収帯のピークまでの高さをコート層吸収帯の吸
光度AV(SVに対し)、AP(SPに対し)とする。
このようにして得られたコート層の吸光度(AV)と、
(AP)から配向度(P)を計算する。
(2)光学濃度 マクスベス社製透過濃度計TD−504を用いて測定し
た。
(3)白色度 JIS−L1075により測定した。
(4)樹脂層の厚み 塗布層を設けた二軸延伸ポリエステルフィルムの厚み
方向の断面写真を走査電子顕微鏡(日立製作所製S800
型)で観察し、塗布層の厚みを測定した。厚みは、フィ
ルムの幅方向に10点サンプリングした平均値とした。
〔実施例〕
本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 酸化チタンを16重量%微分散した固有粘度0.62のポリ
エチレンテレフタレートを各々280℃で溶融した後、表
面温度50℃のドラム上に押出し、成形した。このように
して得られた未延伸フィルムを90℃で3.5倍縦方向に延
伸した。得られた一軸延伸フィルム表面にコロナ放電処
理を施し、水分散性樹脂として下記の樹脂Aをフィルム
両面に塗布し、90℃で予熱後、190℃雰囲気中で急速延
伸を行なった。この場合熱弛緩処理は特に行わなかっ
た。
(樹脂A)…メチルメタアクリレートとエチルアクリレ
ートの50モル%対50モル%共重合体。但し、カルボン酸
とメチロール基が各2.5モル%含まれている。190℃にお
ける粘度は、300ポイズ、又120℃における粘度は1100ポ
イズである。
得られたポリエステルフィルム厚みは250μm、白色
度85%、光学濃度1.5、塗布した樹脂厚みは、0.04μm
であった。このフィルムに関し水分散性樹脂層の配向度
を評価し第1表に示した。
該樹脂層両面に、飽和脂肪酸を主体とする天然直鎖脂
肪酸のコリンエステル塩化物を塗布乾燥した。
該フィルムの片面に、ジフェニルメタンジイソシアネ
ートとアジピン酸とイソフタール酸と1,4−ブタンジオ
ールとネオペンチルグリコートを1:1.9:0.2:3.0:0.4の
比率で混合したバインダー100部にγ−Fe2O3を60部混合
したものを塗布熱硬化させることにより磁気記録層を設
けた。
更に該フィルムの他面半分に、以下のロイコ染料系感
熱発色層を設けた。
まず結着剤とする特定組成のスルホン酸塩基含有ポリ
エステル樹脂を以下のようにして合成した。
攪拌機、温度計、窒素吹込装置、充填塔付500ccフラ
スコにテレフタル酸76.4g、イソフタル酸76.4g、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル23.7g、
エチレングリコール93.1g、酢酸亜鉛0.2g、三酸化アン
チモン0.4gを仕込み190〜220℃、4時間エステル化反応
をした後、230〜250℃、1mmHg下で縮合反応を行い、全
ジカルボン酸中のスルホン酸塩基含有モノマーが8モル
%、全グリコール成分中でエチレングリコールが100モ
ル%、エーテルグリコールが0モル%のスルホン酸塩基
含有ポリエステル樹脂を合成した。この樹脂を90℃の熱
水で20%スルホン酸塩基含有ポリエステル水溶液を調製
した。
次に感熱塗料を得るために下記の処方から成る混合物
を各々ボールミルで1日粉砕、分散してA〜C液を調製
した。
A液 ・3−N−メチルシクロヘキシルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン 25部 ・5−ヒドロキシエチルセルロース水溶液 50部 ・水 25部 B液 ・ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル 15部 ・5−ヒドロキシエチルセルロース水溶液 60部 ・ステアリン酸アマイド 15部 ・水 10部 C液 ・軽質炭酸カルシウム 40部 ・10%ポリビニルアルコール水溶液 40部 ・水 20部 上記のA液10部、B液33.3部、C液49部、スルホン酸
塩基含有ポリエステル水溶液15部、水46部を混合して感
熱記録用塗料を乾燥後の塗布量が6g/m2になるようにグ
ラビアコーターで40m/分で塗布、乾燥してロイコ染料系
感熱発色層を設けた。
さらに該フィルムの残り半面に、UVインキ(東洋イン
キ(株)のFDS(墨)とFDO(墨)G)を2μm厚に塗布
し、照射出力80W/cm、照射距離10cmで印刷速度3m/分で
処理した。
このようにして得られた磁気記録カードについて、耐
湿接着性及び塗布性を評価した。評価結果を第1表に示
した。
なお、耐湿接着性及び塗布性は次のようにして評価し
た。
試料(磁気記録カード)を60℃×90%RH中に500hr放
置した後1mm角にクロスカットを入れ、試料の磁性層面
及び印刷面のそれぞれについて、市販のセロハン粘着テ
ープ(ニチバン(株)製)を用いて90℃剥離を行い、そ
の剥離状態を評価した。その両者に対し剥離が殆ど起こ
っていないものを接着性「○」と、それ以外を接着性
「×」として判定した。
また、その各々の塗布面に対し、10倍に拡大ピンホー
ルなどの塗布ヌケの有無を判定した。全く塗布ヌケのな
いものを塗布性「○」、それ以外を塗布性「×」として
判定した。
比較例1 樹脂層厚みを0.0001μmとした以外は、実施例1と同
様にして、磁気記録カードを作成し、評価した。
実施例2 樹脂層厚みを0.1μmに変更した以外は、実施例1と
同様にして、磁気記録カードを作成し、評価した。
実施例3 樹脂層厚みを1.0μmに変更した以外は、実施例1と
同様にして、磁気記録カードを作成し、評価した。
実施例4 樹脂層厚みを1.5μmに変更した以外は、実施例1と
同様にして、磁気記録カードを作成し、評価した。
比較例2 樹脂層厚みを5.0μmに変更した以外は、実施例1と
同様にして、磁気記録カードを作成し、評価した。
比較例3 実施例1において、一軸延伸フィルムをその表面に樹
脂を塗布することなく90℃で予熱後110℃で3.5倍横方向
に延伸して得られたフィルム上に、コロナ放電処理を施
した後、樹脂Aをグラビアロール法で塗布し、120℃で
乾燥した。その他は実施例1と同様にして、磁気記録カ
ードを作成し、評価した。
実施例5 急速延伸後、220℃で10%弛緩処理を施した以外は、
実施例2と同様にして、磁気記録カードを作成し、評価
した。
比較例4 急速延伸を行う雰囲気温度を190℃から120℃に変更し
た以外は、実施例2と同様にして、磁気記録カードを作
成し、評価した。
実施例6 急速延伸を行う雰囲気を190℃のスチームを吹き込ん
だ雰囲気に変更した以外は、実施例2と同様にして、磁
気記録カードを作成し、評価した。
比較例5 帯電防止剤を塗布する工程を省いた以外は、実施例2
と同様にして、磁気記録カードを作成し、評価した。
〔発明の効果〕 本発明においては、特定のポリエステルフィルム上
に、水溶性又は水分散性樹脂を塗布、特定の条件で一軸
方向に延伸し、該樹脂層配向度を特定条件とした層上に
帯電防止層を設けたので以下に示す優れた効果を得るこ
とができた。
(1)該樹脂層と基材フィルムの接着性、特に耐湿接着
性が向上した。
(2)該樹脂層劈開による接着不良が改良された。
(3)オーバーコート層との接着性、特に耐湿接着性が
向上した。
(4)印刷ヌケ、塗布のムラ(ピンホール)が起こりに
くくなり安定して加工することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−204941(JP,A) 特開 昭61−192028(JP,A) 特開 昭59−40322(JP,A) 特開 昭61−13435(JP,A) 実開 昭60−141263(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配向度0.03〜0.6、厚みが0.001〜3.0μm
    である水溶性又は水分散性樹脂層上に帯電防止層を設け
    てなる複合層を少なくとも片面に有する光学濃度0.5以
    上、白色度80%以上なるポリエステルフィルム上に、磁
    気記録層を設けてなることを特徴とする磁気記録カー
    ド。
  2. 【請求項2】水溶性又は水分散性樹脂が、アクリル系樹
    脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂もしくはビニ
    ル系樹脂又はそれらの混合物であることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録カード。
  3. 【請求項3】帯電防止層が、主としてジメチルジアルキ
    ルアンモニウムクロライドもしくは飽和脂肪酸を主体と
    する直鎖脂肪酸のコリンエステル塩化物又はそれらの混
    合物であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録カ
    ード。
  4. 【請求項4】複合層上に発色層を設けてなることを特徴
    とする請求項1記載の磁気記録カード。
JP31572688A 1988-12-14 1988-12-14 磁気記録カード Expired - Lifetime JP2621447B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31572688A JP2621447B2 (ja) 1988-12-14 1988-12-14 磁気記録カード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31572688A JP2621447B2 (ja) 1988-12-14 1988-12-14 磁気記録カード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02161613A JPH02161613A (ja) 1990-06-21
JP2621447B2 true JP2621447B2 (ja) 1997-06-18

Family

ID=18068794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31572688A Expired - Lifetime JP2621447B2 (ja) 1988-12-14 1988-12-14 磁気記録カード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2621447B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0942031B1 (en) * 1998-03-10 2010-06-23 Mitsubishi Polyester Film Corporation White polyester film

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02161613A (ja) 1990-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6485818B2 (en) Polyester film for imaging media
CA1260340A (en) Antistat coated films
CN102470655B (zh) 叠层聚酯膜
JPS59215318A (ja) 共ポリエステル下塗りのポリエステルフイルム
JPWO2004085524A1 (ja) 帯電防止性積層ポリエステルフィルム
JPH03227626A (ja) 高分子フィルム
JP3395493B2 (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび積層ポリエステルフィルムの製造法
JP4419254B2 (ja) 白色ポリエステル積層フィルム、並びにそれを用いた磁気カードおよびicカード
JP2621447B2 (ja) 磁気記録カード
JP2001232738A (ja) 記録用白色ポリエステルフィルム
JP3606691B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム及びインクジェット記録シート
JPH06293875A (ja) コーティング剤及び該剤を塗布した易接着性ポリエステルフイルム
JP2586664B2 (ja) 積層フィルム
JP2001341241A (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP3341512B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム及び積層体
JP3105343B2 (ja) 帯電性の改良された易接着性ポリエステルフイルム及びその製造法
JP3279974B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP2754602B2 (ja) 積層フィルム
JP3097251B2 (ja) 易接着性ポリエステルフイルム
JPH08187822A (ja) 積層フィルム
JPH0624765B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JPH09141798A (ja) 積層フイルム
JP2001213985A (ja) ポリエステルフィルム
JPH07111779B2 (ja) 磁気記録カード
JPH08118572A (ja) 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法