JP2620560B2 - 撮像部用ジンバル機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、撮像部用ジンバル機構に関し、特に、撮像
部を有する撮像部ジンバルの外側にこれと追従して回転
するキャノピージンバルを設け、高速移動体に設けられ
た撮像部を外部の風圧外乱に拘わらず空間安定させるよ
うにするための新規な改良に関する。

b.従来の技術 従来、用いられていたこの種の撮像部用ジンバル機構
としては種々あるが、その中で代表的なものについて述
べると、ここではその従来例について文献等を開示して
いないが、一般に用いられていた車載用TVカメラの空間
安定台の場合、撮像部が内蔵された撮像部ジンバルは外
部に露出した構造が採用されていた。

c.発明が解決しようとする課題 従来の撮像部用ジンバル機構は、以上のように構成さ
れていたため、次のような課題を有していた。

すなわち、撮像部ジンバルが外気に露出していたた
め、例えば、自動車又は飛行機等の高速移動体に載置さ
れている場合、強大な風圧外乱によって撮像部ジンバル
が微少な動きの影響を受け、高速移動体の回転及び揺れ
に拘わらず常に一定の方向を保つように撮像部ジンバル
が方向制御を受けても、撮像部から撮った映像はブレが
大きくなり、空間安定台の制御が十分にきいた安定映像
を得ることができなかった。

本発明は、以上のような課題を解決するためになされ
たもので、特に、撮像部を有する撮像部ジンバルの外側
にこれと追従して回転するキャノピージンバルを設け、
高速移動体に設けられた撮像部を外部の風圧外乱に拘わ
らず空間安定させるようにした撮像部用ジンバル機構を
提供することを目的とする。

d.課題を解決するための手段 本発明による撮像部用ジンバル機構は、Ｘ軸方向
（Ｘ）に回転自在に設けられた基部の第１軸受孔に第１
軸受を介してＹ軸方向（Ｙ）に回転自在に設けられた撮
像部ジンバル軸に設けられ撮像部を内蔵した撮像部ジン
バルを有する撮像部用ジンバル機構において、前記撮像
部ジンバル軸に設けられＹ軸方向（Ｙ）の回転角度を検
出する撮像部ジンバル角度センサー及びこの撮像部ジン
バル角度センサーと同軸に設けられた撮像部ジンバル駆
動部と、前記基部に設けられた複数のテーパ状受部と、
前記基部に設けられ駆動ギヤ及びキャノピージンバル角
度センサーを有するキャノピージンバル駆動部と、前記
撮像部ジンバルの外側位置にこれと同軸状に且つ第２軸
受を介してＹ軸方向（Ｙ）に回転自在に設けられたキャ
ノピージンバルと、前記キャノピージンバルの両端に設
けられ前記各テーパ状受部に滑り体を介して接続するテ
ーパ状外周部と、前記キャノピージンバルに設けられ前
記駆動ギヤと噛合する従動ギヤと、前記キャノピージン
バルの一端に設けられ前記撮像部と対応して設けられる
と共に透明板からなる撮像部用窓と、を備え、前記撮像
部ジンバル角度センサーからの位置信号に基づいて前記
キャノピージンバル駆動部が作動し、前記駆動ギヤ及び
前記従動ギヤを介して前記キャノピージンバルを前記撮
像部ジンバルの回転に追従して回転させるようにした構
成である。

e.作用 本発明による撮像部用ジンバル機構においては、撮像
部ジンバルの外側に撮像部用窓を有するキャノピージン
バルが設けられ、このキャノピージンバルによって撮像
部ジンバルが外部の風圧外乱から完全に保護されるよう
に構成されているため、撮像部ジンバルが所定の空間安
定位置を保持した状態では、風圧外乱は撮像部ジンバル
に及ぶことはなく、且つ、画像ブレ等を伴うことなく安
定した空間安定位置を保つことができる。

又、前記キャノピージンバルは、撮像部ジンバルに設
けられた撮像部ジンバル角度センサーからの回転位置信
号によって、撮像部ジンバルの回転と同期して回転する
ため、撮像部用窓と撮像部の光軸線は一致し、良好な映
像を撮ることができる。

f.実施例 以下、図面と共に本発明による撮像部用ジンバル機構
の好適な実施例について詳細に説明する。

第１図は本発明による撮像部用ジンバル機構を示す断
面図である。

図において符号１で示されるものは、Ｘ軸方向Ｘに回
転できるように設けられた基部であり、この基部１に形
成された一対の第１軸受孔２は、第１軸受３を介して撮
像部ジンバル４を固定して有する一対の撮像部ジンバル
軸５がＹ軸方向Ｙに回転自在となるように配設されてい
る。

前記撮像部ジンバル４内には、カメラ、TVカメラ及び
テレスコープ等からなる撮像部６が設けられ、レンズ6a
の光軸6bはＸ軸と一致している。

前記各撮像部ジンバル軸５の一方には、複速レゾルバ
等からなる撮像部ジンバル角度センサー７及びダイレク
トドライブモータ等からなる撮像部ジンバル駆動部８が
外部カバー体９に保持された状態で同軸配設されてい
る。

前記基部１における前記第１軸受３と同軸に且つその
内側位置に配設された一対の第２軸受10には、前記撮像
部ジンバル４の外側に位置するキャノピージンバル11
が、前記撮像部ジンバル４と同軸状で且つＹ軸方向Ｙに
回転できるように配設されており、このキャノピージン
バル11の前部には、前記撮像部６のレンズ6aと対応し同
一光軸6bとなるような透明板からなる撮像部用窓11aが
設けられている。

さらに、前記キャノピージンバル11のテーパ状外周部
11bと前記基部１のテーパ状受部1aとの間には、滑り体1
2が設けられており、前記キャノピージンバル11は、前
記第２軸受10及び前記滑り体12とによって前記基部１に
対して回転自在に設けられている。

前記キャノピージンバル11の一側部に形成された従動
ギヤ13には、前記基部１の側部1bに設けられたモータか
らなるキャノピージンバル駆動部14の駆動ギヤ14aが噛
合しており、このキャノピージンバル駆動部14の作動に
よって前記キャノピージンバル11がＹ軸方向Ｙに回転す
るように構成されている。このキャノピージンバル駆動
部14には、このキャノピージンバル11の回転位置を検出
するためのキャノピージンバル角度センサー15が設けら
れ、前記撮像部ジンバル角度センサー７からの粗信号を
用いてこのキャノピージンバル11が追従回転するように
構成されている。

本発明による撮像部用ジンバル機構は、前述したよう
に構成されており、以下にその動作について説明する。

まず、本発明による撮像部用ジンバル機構20を、自動
車又は飛行機等の高速移動体（図示せず）に取付け、所
定の物体を撮像部６で連続的に追従捕捉する場合、基部
１のＸ軸方向Ｘにおける回転によってＸ軸方向の回転位
置を追従すると共に、撮像部ジンバル駆動部８の作動に
よって撮像部ジンバル４が所定の回動を行うことによ
り、撮像部６は常に所定の空間位置に光軸6b（Ｘ軸方向
Ｘと同一）を向けることが可能となる。

前述の場合において、撮像部ジンバル４が回転する
と、この回転状態が撮像部ジンバル角度センサー７によ
って検出され、この撮像部ジンバル角度センサー７から
得られる粗信号に基づいてキャノピージンバル駆動部14
が作動し、駆動ギヤ14aを介してキャノピージンバル11
が撮像部ジンバル４の回転に追従して回転すると共に、
その時の回転位置はキャノピージンバル角度センサー15
によって検出される。

従って、撮像部ジンバル４がいかなる回転位置に姿勢
を変えた場合でも、撮像部６とキャノピージンバル11の
撮像用窓11aとは常に対応した状態を保持することがで
きると共に、高速移動時における前方からの風圧外乱は
キャノピージンバル11によって完全に阻止され、撮像部
ジンバル４は風圧外乱の影響を何ら受けることなく、所
定の空間安定位置を保つことができるように構成されて
いる。

尚、前記基部１の回転駆動手段（図示せず）及び前記
撮像部ジンバル駆動部８を駆動するための制御信号は、
自動車又は飛行機等の高速移動体に設けられたジャイロ
等のセンサーによって得られたデータに基づいて形成さ
れている。

g.発明の効果 本発明による撮像部用ジンバル機構は、以上のように
構成されているため、次のような効果を得ることができ
る。

すなわち、撮像部ジンバルの外側にこれと同軸構造に
てキャノピージンバルが回転自在に設けられているた
め、高速移動時における外部からの風圧外乱は全てキャ
ノピージンバルのみで受け、撮像部ジンバルには何らの
風圧外乱もかかることなく、ブレ等のない安定した映像
を撮ることができる。

又、撮像部ジンバルの回転に追従してキャノピージン
バルが回転するため、撮像部とキャノピージンバルの撮
像部用窓11aとは常に対応した状態を保つことができ、
安定した映像を撮影することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による撮像部用ジンバル機構を示す断
面図である。 Ｘ……Ｘ軸方向、Ｙ……Ｙ軸方向、４……撮像部ジンバ
ル、６……撮像部、７……撮像部ジンバル角度センサ
ー、８……撮像部ジンバル駆動部、11……キャノピージ
ンバル、11a……撮像部用窓、14……キャノピージンバ
ル駆動部である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｘ軸方向（Ｘ）に回転自在に設けられた基
   部（１）の第１軸受孔（２）に第１軸受（３）を介して
   Ｙ軸方向（Ｙ）に回転自在に設けられた撮像部ジンバル
   軸（５）に設けられ撮像部（６）を内蔵した撮像部ジン
   バル（４）を有する撮像部用ジンバル機構において、前
   記撮像部ジンバル軸（５）に設けられＹ軸方向（Ｙ）の
   回転角度を検出する撮像部ジンバル角度センサー（７）
   及びこの撮像部ジンバル角度センサー（７）と同軸に設
   けられた撮像部ジンバル駆動部（８）と、前記基部
   （１）に設けられた複数のテーパ状受部（1a）と、前記
   基部（１）に設けられ駆動ギヤ（14a）及びキャノピー
   ジンバル角度センサー（15）を有するキャノピージンバ
   ル駆動部（14）と、前記撮像部ジンバル（４）の外側位
   置にこれと同軸状に且つ第２軸受（10）を介してＹ軸方
   向（Ｙ）に回転自在に設けられたキャノピージンバル
   （11）と、前記キャノピージンバル（11）の両端に設け
   られ前記各テーパ状受部（1a）に滑り体（12）を介して
   接続するテーパ状外周部（11b）と、前記キャノピージ
   ンバル（11）に設けられ前記駆動ギヤ（14a）と噛合す
   る従動ギヤ（13）と、前記キャノピージンバル（11）の
   一端に設けられ前記撮像部（６）と対応して設けられる
   と共に透明板からなる撮像部用窓（11a）と、を備え、
   前記撮像部ジンバル角度センサー（７）からの位置信号
   に基づいて前記キャノピージンバル駆動部（14）が作動
   し、前記駆動ギヤ（14a）及び前記従動ギヤ（13）を介
   して前記キャノピージンバル（11）を前記撮像部ジンバ
   ル（４）の回転に追従して回転させるように構成したこ
   とを特徴とする撮像部用ジンバル機構。