JP2620402B2 - 化学構造データの処理装置及び処理方法 - Google Patents

化学構造データの処理装置及び処理方法

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JP2620402B2 JP2250541A JP25054190A JP2620402B2 JP 2620402 B2 JP2620402 B2 JP 2620402B2 JP 2250541 A JP2250541 A JP 2250541A JP 25054190 A JP25054190 A JP 25054190A JP 2620402 B2 JP2620402 B2 JP 2620402B2
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【発明の詳細な説明】 【概要】
化学構造データの処理装置及びその処理装置を用いた
処理方法に関し、 化学構造データのコピーやウインドウ間での受け渡し
を行えるようにし、化学構造の作画に要する労力を大幅
に軽減して編集又は検索などの操作を容易にすることを
目的とし、 複数の化合物についての化学構造データを処理し且つ
当該化学構造データに基づく化学構造の表示を行う処理
装置であって、前記化学構造データに基づく化学構造を
各化学構造についての属性データとともに表形式で表示
可能に格納するための読み書き可能なメモリ領域である
データシートと、前記データシートとの間で前記化学構
造データのデータ転送が可能であり、転送された前記化
学構造データを一時的に格納し且つ格納された化学構造
データの編集を行うための読み書き可能なメモリ領域で
あるワークバッファと、前記ワークバッファとの間で前
記化学構造データのデータ転送が可能であり、転送され
た前記化学構造データを一時的に格納するための読み書
き可能なメモリ領域である複数のメモスペースと、を有
し、指定された前記メモスペースに格納された前記化学
構造データに基づく化学構造を表示し、表示した化学構
造をキーとして前記データシートの検索が可能に構成さ
れる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学構造データの処理装置及びその処理装
置を用いた処理方法に関する。 化学及び薬品業界において研究者が取り扱う化合物は
極めて多種類に上っており、それら化合物の化学構造デ
ータ及び一般データを整理するために膨大な時間と労力
を必要としている。 これに対処するため、コンピュータを用いて化合物デ
ータの整理を行い、種々の表やグラフを画面に表示する
ようにした処理装置が提案されている。 このような処理装置においては、研究者にとって化合
物データの入力、編集、又は検索などの処理操作が容易
であることが望まれている。 特に合成研究においては、基本となる候補化合物から
種々の構造変換を実施して新しい化学構造を生成してい
くことが多いため、基本となる化学構造を画面上で手軽
に取り扱えることが望まれている。
【従来の技術】
従来において、化学構造データの処理装置は、化学構
造データを含む多数の化合物データからなるデータベー
スを、磁気テープ又は磁気ディスクなどの外部記憶装置
に格納しておき、外部記憶装置から必要な化合物データ
を読み出して処理装置内の主メモリ上にデータシートを
作成し、作成したデータシートをディスプレイ装置の画
面上に表示することが可能なように構成されている。 このような従来の処理装置においては、化学構造を描
画するための多数の化学構造データが外部記憶装置及び
主メモリ上に登録されることとなるが、データシートの
編集、検索などを行う場合に、化学構造データを処理装
置内において一時的にメモしたり、メモした化学構造デ
ータを簡便に使用するといったことはできなかった。
【発明が解決しようとする課題】
例えば、主メモリ上に互いに異なる2つのデータシー
トを作成してそれらを画面上にウインドウ表示し、一方
のデータシート内に表示された化学構造を参照して他方
のデータシートにそれと同一又は類似の化学構造を書き
込みたい場合が生じる。 そのような場合には、従来では、化学構造の作画モー
ドにおいてそのような化学構造を最初から新たに作画
し、それを他方の側のデータシートに書き込む必要があ
った。 また、複数のデータシートに対して、同一の化学構造
をキーとして検索を行う場合には、それぞれのデータシ
ートの検索の度毎に化学構造を新たに作画しなければな
らなかった。 このように、従来の処理装置においては、化学構造を
必要とする度毎に、その化学構造の全部を最初から作画
しなければならず、そのための操作に多くの時間と労力
とを要することとなっていた。 そのため、編集又は検索などの操作が容易ではなく、
データ処理の効率が悪かった。 本発明は、上述の問題に鑑み、化学構造データのコピ
ーやウインドウ間での受け渡しを行えるようにし、化学
構造の作画に要する労力を大幅に軽減して編集又は検索
などの操作を容易にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る処理装置1は、上述の課題を解
決するため、第1図に示すように、複数の化合物につい
ての化学構造データDSを処理し且つ当該化学構造データ
DSに基づく化学構造CCの表示を行う処理装置1であっ
て、前記化学構造データDSに基づく化学構造CCを各化学
構造CCについての属性データとともに表形式で表示可能
に格納するための読み書き可能なメモリ領域であるデー
タシートSDと、前記データシートSDとの間で前記化学構
造データDSのデータ転送が可能であり、転送された前記
化学構造データDSを一時的に格納し且つ格納された化学
構造データDSの編集を行うための読み書き可能なメモリ
領域であるワークバッファWBと、前記ワークバッファWB
との間で前記化学構造データDSのデータ転送が可能であ
り、転送された前記化学構造データDSを一時的に格納す
るための読み書き可能なメモリ領域である複数のメモス
ペースMSと、を有し、指定された前記メモスペースMSに
格納された前記化学構造データDSに基づく化学構造CCを
表示し、表示した化学構造CCをキーとして前記データシ
ートSDの検索が可能に構成される。 請求項2の発明に係る処理方法は、請求項1に記載の
化学構造データの処理装置1を用い、前記データシート
SDを当該処理装置1内に複数作成しておき、前記複数の
データシートSDの相互間において、前記ワークバッファ
WBを経由して前記化学構造データDSのデータ転送を行
う。 化合物データファイル21には、複数の化学構造データ
DSが、化合物を一義的に定義することのできる所定のフ
ォーマットで格納されている。化合物データファイル21
から読み出された化学構造データDSに基づいて、画面に
化学構造CCが表示される。 また、化合物データファイル21から読み出された化学
構造データDSは、ワークバッファWBに転送されて格納さ
れ、また、ワークバッファWBから転送されてメモスペー
スMSに格納される。ワークバッファWB及びメモスペース
MSには、化学構造データDSが化合物データファイル21と
同じフォーマットで格納される。つまりワークバッファ
WB及びメモスペースMSに格納される化学構造データDS
は、化合物を一義的に定義することのできる化学的に意
味のあるデータであり、単なる図形データではない。こ
れによって、ワークバッファWB又はメモスペースMSが、
検索その他の編集などのためのメモ作用を果たし、化学
構造CCがワークバッファWB又はメモスペースMSに登録さ
れる。 また、複数のメモスペースMSの中の1つのメモスペー
スMSを指定することによって、指定されたメモスペース
MSに格納された化学構造データDSに基づく化学構造CCが
画面に表示される。表示された化学構造CCをキーとし
て、データシートSDの検索が行われる。 したがって、類似した種々の化学構造CCを複数のメモ
スペースMSに一時的に登録しておき、各メモスペースMS
を順に指定することによって、種々の化学構造CCをキー
としてデータシートSDに対する検索を行うことができ
る。 また、複数のデータシートSDの相互間において、化学
構造データDSがワークバッファWBを経由して転送され、
これによって、化学構造CCのコピーが行われる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。 第2図は本発明に係るデータ処理装置1のシステム構
成を示すブロック図である。 データ処理装置1は、ハードディスク16又は磁気テー
プリーダ17などからなる記憶装置11、マイクロプロセッ
サなどを用いた処理装置12、画面13aを有したディスプ
レイ装置13、プリンタ14、キーボード18又はマウス19な
どの入力装置15などから構成されており、通信回線7を
介してホストコンピュータ5や他の端末装置6などに接
続されている。 記憶装置11には、処理装置12による処理又は制御に必
要なプログラム、及び化合物データDC及びデータ項目名
DHなどからなるデータベースDBが格納されている。 ディスプレイ装置13の画面13aには、作画中の又は作
画を終了した化学構造CC、後述するデータテーブルTD、
その他のデータや画像が表示され、又はウインドウ表示
される。 プリンタ14によって、データテーブルTDの印刷や画面
13aのハードコピーなどが行われる。 入力装置15からは、化学構造CCを作画するための指令
及びデータ、画面13aにデータテーブルTDを表示させる
ための指令、その他処理装置12の編集動作、検索動作、
又は表示動作など、種々の処理動作に必要な指令やデー
タが入力される。 データ処理装置1は、例えばいわゆるワークステーシ
ョン、パーソナルコンピュータなどにより実現可能であ
る。 次に、データ処理装置1による処理動作について第1
図を参照して説明する。 第1図は本発明に係るデータ処理装置1を機能的に示
すブロック図である。 記憶装置11内には、それぞれ複数の化合物データファ
イル21及びデータ項目名ファイル22からなるデータベー
スDBが格納されている。 各化合物データファイル21は、化合物についての化学
構造データDS及び複数の一般データDGからなる化合物デ
ータDCを、化合物毎に格納したファイルであり、データ
項目名ファイル22は、化合物データDCに対応したデータ
項目名DHを格納したファイルである。 第3図は化学構造データDSの構成の一例を示す図であ
る。 化学構造データDSには、化合物を構成している原子が
どのように結合しているかを表すための種々の情報が含
まれており、これによって化合物が一義的に定義され
る。これらの情報は、化学構造作画モードにおいて画面
13a上で化学構造CCの作画を行っている最中又は作画を
終了した時点において生成され、化学構造データDSとし
て書き込まれる。また、種々の表示モードにおいては、
化学構造データDSに基づいて、化合物の化学構造CCが構
造式として画面13a上に表示される。 第3図において、化学構造データDSには、化学構造デ
ータDSの全体的な情報を示す全体情報CW、化学構造を構
成する原子の種類を示す原子情報CA、各原子の結合状態
を表す結合情報CL、立体構造に関する情報を示す立体情
報CC、化学構造における種々の特殊な表現態様を可能と
するための特殊情報CU、その他の情報COが含まれてい
る。 全体情報CWには、特殊表現情報CV及びその他の情報CX
が含まれている。 特殊情報CUには、基が環の不特定の箇所に付くことを
表現するマーマッシュ表現を可能とするためのリング情
報CR、文字列を特定の化学構造と同意に扱うことを可能
とするための同意表現情報CE、化学構造の基本構造が複
数回繰り返される場合にその基本構造のみによって化学
構造を表現するためのリピート表現情報CT、及び、構造
式などにおいて「R」で示された位置に文字列などによ
って示される1種類又は複数種類の基が選択的に付くこ
とを表現するための部分構造指定表現情報CPを含むこと
が可能である。 第1図に戻って、一般データDGは、化学構造データDS
で表される化合物についての性質を示すデータである。 データ項目名DHは、一般データDGの各データ及び化学
構造データDSの見出しとなるものである。例えば、沸
点、融点、分子量、体積、活性、属名、商品名、製造メ
ーカなどである。 化合物データファイル21及びデータ項目名ファイル22
は、データ処理装置1のデータ入力モード又は化学構造
作画モードにおいて必要なデータを入力することによっ
て作成され、又はホストコンピュータ5又は端末装置6
などからダウンロードされ、又は作成済のファイルを格
納した磁気テープなどを記憶装置11内にセットすること
によって供給される。 処理装置12には、処理部31、主メモリ32、及び表示メ
モリ38が設けられている。 処理部31は、入力装置15からの指令によって、外部記
憶装置である記憶装置11に格納されたデータベースDBの
全部又は一部を読み出し、且つ必要な演算処理を行い、
これによって主メモリ32上にデータシートSDを作成す
る。作成されたデータシートSDに基づいて、例えばデー
タテーブルTDを画面13aに表示するために表示メモリ38
に展開する。 第4図はテーブル表示モードによって画面13aに表示
されたデータテーブルTD1の一例を示す図である。 なお、同図において示された化学構造及び名称など
は、化学的に正確でないものもある。 第4図において、画面13aには、上端部の横方向及び
左端部の縦方向に、データ番号NDがそれぞれ表示されて
おり、下端部の横方向及び右端部の縦方向に、横方向又
は縦方向のスクロール位置を示すスクロールバーSBH,SB
Vがそれぞれ表示されている。データテーブルTD1はこれ
らの内側に表示されている。 データテーブルTD1は、最上段の横方向にデータ項目
名DHが、左端の縦方向に化学構造CCが、これらの交点に
一般データDGが、それぞれ配置されて表示されている。 縦方向に配置されたデータ番号ND、すなわち行番号
は、それぞれの化合物データファイル21のファイル識別
番号である。 データテーブルTD1は画面13a上でスクロールして表示
することが可能であり、これによって、データシートSD
が大きい場合であってもその全体を見ることができる。
スクロールバーSBH,SBVは、データテーブルTD1の画面13
a上でのスクロール位置を示すものである。 なお、主メモリ32上には、複数のデータシートSD1,2
を作成することが可能であり、これらに基づいた2つの
データテーブルTDを画面13a上に同時にウインドウ表示
することも可能である。 さて、主メモリ32には、ワークバッファWB及び3つの
メモスペースMS1,2,3が設けられている。 ワークバッファWBは、化学構造データDSを一時的に格
納し且つ格納された化学構造データDSの編集を行うため
の読み書き可能なメモリ領域である。 ワークバッファWBは、データシートSD1,2との間で化
学構造データDSの転送が可能である。 メモスペースMSは、化学構造データDSを一時的に格納
するための読み書き可能なメモリ領域である。 それぞれのメモスペースMSは、ワークバッファWBとの
間で化学構造データDSのデータ転送が可能である。 これらワークバッファWB及びメモスペースMSは、化学
構造データDSを格納するために、第3図に示すものと同
様なファイル構造を有している。したがって、これらに
格納された化学構造データDSに基づいて、画面13a上に
おいて化学構造CCを表示することが可能であり、その化
学構造CCをキーとしてデータシートSD1,2に対する検索
を行うことが可能であり、また、その化学構造データDS
をデータシートSD1,2及びデータベースDBの化学構造デ
ータDSとして用いるために転送することも可能である。 したがって、例えば画面13a上に第4図のデータテー
ブルTD1が表示されている状態で、入力装置15を操作す
ることによって部品登録モードとし、表示された化学構
造CCを他の文字列(例えばデータ項目名DH、一般データ
DG)と同様に部品として登録することが可能である。 化学構造CCを登録した場合には、単に画像としての化
学構造CC(すなわち画素データとしての化学構造CC)で
はなく、化合物を化学的に特定可能な化学構造データDS
が、ワークバッファWBに格納される。 ワークバッファWBに格納された化学構造データDSは、
入力装置15を操作することによって、追加、削除、変更
など、種々のデータ加工を行うことが可能であり、これ
によって変形された化学構造CCの化学構造データDSを容
易に得ることが可能である。 したがって、化学構造CCを登録し、ワークバッファWB
内において化学構造データDSのデータ加工を行い又はデ
ータ加工を行うことなく、ワークバッファWBから他のデ
ータシートSDに化学構造データDSを転送することによっ
て、化学構造CCの編集、コピー、ウインドウ間の受け渡
しなどを容易に行うことができる。 また、ワークバッファWB内の化学構造データDSを、デ
ータ加工を行い又はデータ加工を行うことなくメモスペ
ースMSに転送することによって、例えば第5図(a)
(b)(c)に示すような類似した種々の化学構造CC1,
2,3を一時的に登録することができ、それぞれデータシ
ートSDに対する検索のキーとすることができる。 したがって、検索しようとする化学構造CCと同一の化
学構造CC、又はそれを含んだ化学構造CC、又はそれに近
い化学構造CCの化学構造データDSを、データシートSDか
らワークバッファWBに転送し、ワークバッファWBにおい
てデータ加工を行って検索に必要な化学構造CCに変形
し、ワークバッファWBとメモスペースMSとの間で転送す
るといったことを繰り返すことによって、種々の類似す
る化学構造CCを最初から作画することなく、それらの化
学構造CCをキーとする検索を極めて容易に行うことがで
きる。 また、メモスペースMSは、作画などのために用いる化
学構造CCの部品の格納庫として使用することも可能であ
る。 なお、ワークバッファWB及びメモスペースMSに格納さ
れた化学構造データDSは、データ処理装置1の電源をオ
フとした際には削滅する。 次に、データ処理装置1を用いた処理動作について、
フローチャートを参照して説明する。 第6図はメモ作成動作を示すフローチャートである。 まず、化合構造作画モードにおいて化学構造CCを作画
する(ステップ#11)。 作画された化学構造CCをメモするため、メモへの書き
込みを指定する(ステップ#12)。この指定は、例え
ば、画面13aに表示されたメモへの書き込みボタンをマ
ウスなどで指定してクリックすることによって行われ
る。以降における指定も、これと同様に画面13a上の所
定のボタンに対してクリックすることによって行われ
る。 メモへの書き込みが指定されると、作画された化学構
造CCの化学構造データDSがワークバッファWBに転送され
(ステップ#13)、その後、ワークバッファWBからメモ
スペースMSに転送される(ステップ#14)。メモスペー
スMSへの転送は、メモスペースMS1、メモスペースMS2と
いうように、空いたメモスペースMSに1番から順に転送
される。 第7図はメモ表示動作を示すフローチャートである。 メモ表示を指定し(ステップ#21)、メモ番号を指定
すると(ステップ#22)、指定された番号のメモスペー
スMSからワークバッファWBへ化学構造データDSが転送さ
れる(ステップ#23)。 ワークバッファWBに転送された化学構造データDSに基
づいて、化学構造CCが表示メモリ38に展開され(ステッ
プ#24)、それが画面13aに表示される(ステップ#2
5)。 第8図はコピー動作を示すフローチャートである。 例えば2つのデータシートSD1,2に基づいてウインド
ウ表示を行った状態で、コピーを指定し(ステップ#3
1)、化学構造CCを指定すると(ステップ#32)、指定
された化学構造CCの化学構造データDSがワークバッファ
WBへ転送される(ステップ#33)。 次に、ペーストを指定し(ステップ#34)、コピー先
を指定すると(ステップ#35)、ワークバッファWBに格
納された化学構造データDSがデータシートSDの指定され
た位置に転送される(ステップ#36)。 データシートSDに転送された化学構造データDSに基づ
いて、表示メモリ38に化学構造CCが展開され、それが画
面13aに表示される(ステップ#37)。これによって、
ウインドウ間の化学構造CCの受け渡しが行われる。 上述の実施例によると、ワークバッファWB及びメモス
ペースMSに化学構造データDSを一時的に格納し、また格
納した化学構造データDSを加工し、且つこれらとデータ
シートSDとの間において化学構造データDSの転送を自在
に行うことができるから、化学構造データDSのコピーや
ウインドウ間での受け渡しを容易に行うことができる。 したがって、編集又は検索などを行うときに、必要と
する化学構造CCを従来のように最初から全部を作画する
必要がなく、そのための操作の時間と労力が大幅に軽減
される。 また、化合物を取り扱う研究者にとって、その研究過
程における発想のキーとなる化学構造CCの取り扱いが簡
便となり、化合物についての多面的な思考や解析を助け
ることができ、結果的にデータ処理の効率が大幅に向上
する。 上述の実施例においては、3つのメモスペースMSを設
けたが、2つ以下又は4つ以上のメモスペースMSを設け
てもよい。 上述の実施例において、化学構造データDS、化合物デ
ータファイル21、データベースDB、データシートSDなど
の構成、記憶装置11、処理装置12、又はデータ処理装置
1の構成、処理内容、処理順序などは、上述した以外に
種々変更することができる。
【発明の効果】
本発明によると、化学構造データのコピーやウインド
ウ間での受け渡しが行えるようになり、化学構造の作画
に要する労力が大幅に軽減されて編集又は検索などの操
作が容易になる。 特に、類似した種々の化学構造を複数のメモスペース
に一時的に登録しておき、各メモスペースを順に指定す
ることによって、種々の化学構造をキーとしてデータシ
ートに対する検索を行うことができる。 さらに、検索しようとする化学構造と同一の化学構
造、又はそれを含んだ化学構造、又はそれに近い化学構
造の化学構造データを、データシートからワークバッフ
ァに転送し、ワークバッファにおいてデータ加工を行っ
て検索に必要な化学構造に変更し、ワークバッファとメ
モスペースとの間で転送するといったことを繰り返すこ
とによって、種々の類似する化学構造を最初から作画す
ることなく、それらの化学構造をキーとする検索を極め
て容易に行うことができ、操作の時間と労力が大幅に軽
減される。 したがって、化合物を取り扱う研究者にとって、その
研究過程における発想のキーとなる化学構造の取り扱い
が簡便となり、化合物についての多面的な思考や解析を
援助することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るデータ処理装置を機能的に示すブ
ロック図、 第2図は本発明に係るデータ処理装置のシステム構成を
示すブロック図、 第3図は化学構造データの構成の一例を示す図、 第4図はテーブル表示モードによって画面に表示された
データテーブルの一例を示す図、 第5図はメモスペースに登録される化学構造の例を示す
図、 第6図はメモ作成動作を示すフローチャート、 第7図はメモ表示動作を示すフローチャート、 第8図はコピー動作を示すフローチャートである。 図において、 1はデータ処理装置、 SDはデータシート、 WBはワークバッファ、 MSはメモスペース、 CCは化学構造、 DCは化合物データである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷内 薫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−28879(JP,A) 情報処理学会研究報告 情報基礎学 (FI)9−1 1−8頁 高橋一重ほ か「分子設計支援システムにおけるエデ ィタと3次元表示」 情報処理学会研究報告 情報基礎学 (FI)16−6 1−8頁 欒玉琴ほか 「化学構造データベースにおけるデータ の表現とアクセスについて」

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の化合物についての化学構造データを
    処理し且つ当該化学構造データに基づく化学構造の表示
    を行う処理装置であって、 前記化学構造データに基づく化学構造を各化学構造につ
    いての属性データとともに表形式で表示可能に格納する
    ための読み書き可能なメモリ領域であるデータシート
    と、 前記データシートとの間で前記化学構造データのデータ
    転送が可能であり、転送された前記化学構造データを一
    時的に格納し且つ格納された化学構造データの編集を行
    うための読み書き可能なメモリ領域であるワークバッフ
    ァと、 前記ワークバッファとの間で前記化学構造データのデー
    タ転送が可能であり、転送された前記化学構造データを
    一時的に格納するための読み書き可能なメモリ領域であ
    る複数のメモスペースと、 を有し、 指定された前記メモスペースに格納された前記化学構造
    データに基づく化学構造を表示し、表示した化学構造を
    キーとして前記データシートの検索が可能に構成されて
    いる ことを特徴とする化学構造データの処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化学構造データの処理装
    置を用いた処理方法であって、 前記データシートを当該処理装置内に複数作成してお
    き、 前記複数のデータシートの相互間において、前記ワーク
    バッファを経由して前記化学構造データのデータ転送を
    行う ことを特徴とする化学構造データの処理方法。
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