JP2620076B2 - 光電式煙感知器 - Google Patents

光電式煙感知器

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JP2620076B2
JP2620076B2 JP7388887A JP7388887A JP2620076B2 JP 2620076 B2 JP2620076 B2 JP 2620076B2 JP 7388887 A JP7388887 A JP 7388887A JP 7388887 A JP7388887 A JP 7388887A JP 2620076 B2 JP2620076 B2 JP 2620076B2
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正信 小川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、煙濃度が所定のレベルに達した時に発報す
るようにした光電式煙検知器の改良に関する。
〔背景技術〕
この種の煙検知器は、第3図に示したように、迷路構
造とされたチャンバーC内に、発光素子を設けた発光室
Aと受光素子を設けた受光室Bを備えており、発光室A
と受光室Bとは受光素子が発光素子の発光を直接受けな
い位置に配置されており、チャンバーC内に侵入した煙
による散乱光を受光素子で検知して煙濃度に応じた信号
を得る構造となっている。なお、図において斜線部分は
感知領域を示している。
ところで、このような構造をなす従来の煙感知器の基
本的な回路構成は第4図のブロック図に示したようにな
っており、発光素子10aを間欠的に発光させる発光素子
駆動回路10と、この発光素子10aによる発光パルスの煙
による散乱光を受光素子20aで検知し、煙濃度に応じた
レベルの電気信号を増幅出力する受光信号増幅回路20
と、この受光信号増幅回路20の出力信号を発光素子10a
の発光タイミングに同期させて積分する積分回路30と、
この積分回路30の出力信号を処理して、その出力信号が
所定の基準値を越えたときにラッチング式のスイッチン
グ素子を駆動するなどして警報手段を作動する信号処理
回路40とを備えた構成とされている。
第5図,第6図は、従来の光電式煙感知器の積分回路
30と信号処理回路40の構成を示したもので、特に第5図
はON/OFF式の煙感知器で、2つのFETQ2,Q3を組み合わせ
て構成された差動増幅回路の後段にトランジスタQ4を設
けて信号処理回路40を構成しており、積分コンデンサC2
の端子間電圧VC2がFETQ3のゲート電圧VG2を越えたとき
にトランジスタQ4をONさせて発報させるものであり、第
6図はアナログ式の煙感知器で、2つのFETQ2,Q3とオペ
アンプOPを組み合わせて構成された差動増幅回路を備え
たもので、この差動増幅回路から煙濃度に応じたアナロ
グ信号Voutを出力し、受信側(不図示)でそのレベルを
判別して、所定値を越えたときに発報させるものであ
る。なお、これらの図において、C1は積分タイミングパ
ルスToをFETQ1のゲートに供給するための結合コンデン
サであり、R1〜R7は抵抗を示している。これらの煙感知
器は、いずれの方式のものも、積分回路30の構成を共通
にしており、積分回路30は、発光素子駆動回路10より発
光素子10aの駆動にて同期して送出される積分タイミン
グパルスToによFETQ1をONさせて、積分コンデンサC2
に、受光信号増幅回路20より送出されて来る受光信号Vs
(受光アンプ出力)を入力して積分する構成とされてい
る。ところが、このような煙感知器においては、積分回
路30を動作させる積分タイミングパルスToはその立ち上
がり部を急峻にした略矩形の波形となっているのに対し
て、受光信号Vsの立ち上がり部は緩やかに立ち上がった
形状になっている。このため、FETQ1が積分タイミング
パルスToによりONとなった瞬時には、受光信号Vsのレベ
ルが積分コンデンサC2の端子間電圧VC2より低くなって
しまい、このため積分コンデンサC2が放電を起こし、こ
の放電は受光信号Vsのレベルが積分コンデンサC2の端子
間電圧VC2に達するまでの時間△T′の間行われること
になり、このような放電がFETQ1のON時点で繰り返し行
われる結果、積分コンデンサC2の端子間電圧VC2は、図
に示したように変動してしまう。一般に、煙感知器は、
消費電流を小さくする必要性が強いことから、受光信号
増幅回路20の消費電流も小さくする必要があり、このた
めそのパルス応答を早くするには限界がある。またパル
ス幅も立ち上がり時間に対して大きくできず、高々立ち
上がり時間の2〜3倍程度が限度となる。これらの事情
から、積分コンデンサC2の端子間電圧VC2(ホールド電
圧)は、受光信号Vsの波高値に比べてかなり小さい値
(例えば約5割程度)になってしまい、積分効率を悪く
する要因となっている。このような問題は、積分電圧を
大きくするため一般には受光信号増幅回路のゲインを大
きとることにより解消されるが、そうするとパルス応答
が遅くなり、積分コンデンサのホールド電圧も大きくで
きなくなってしまい、煙感知器にこのような方法を適用
することは困難である。
〔発明の目的〕
本発明は、上記問題点を解決するため提案されるもの
で、積分効率の改善された積分回路を有した光電式煙感
知器を提供するものである。
〔発明の開示〕
上記目的を達成させるため提案される本発明の煙感知
器は、発光素子を間欠的に発光させる発光素子駆動回路
と、この発光素子による発光パルスの煙による散乱光を
受光素子で検知し、煙濃度に応じた出力レベルの電気信
号を増幅出力する受光信号増幅回路と、上記発光素子駆
動回路より発光素子の駆動に同期して送出される積分タ
イミングパルスに同期して上記受光信号増幅回路の出力
信号を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号を
処理して、この処理された出力信号が所定の基準値を越
えたときにスイッチング素子を駆動して発報する光電式
煙感知器において、上記積分回路は、FETのゲートに入
力した積分タイミングパルスによってFETをオンさせる
ことによって、上記受光信号増幅回路の出力信号で積分
コンデンサを充電させ、そのときの充電電圧を出力信号
となす構成とされ、上記FETのゲートには、コンデンサ
と抵抗から成るCR回路を付加しており、このCR回路に、
上記積分タイミングパルスを入力させることによって、
上記FETのオン時点を、積分タイミングパルスの立ち上
げ時より所定時間遅らせる構成としている。
〔実施例〕
以下に、添付図を参照して本発明の煙感知器の一実施
例を説明する。
第1図は、光電式煙感知器に適用した場合の一実施例
である。
実施例における特徴は、第1図に見るように、積分回
路1のスイッチング素子であるFETQ1のゲートに抵抗R3
とコンデンサC3よりなるCR回路を設けたことにあり、そ
の他の構成は、第6図に示したON/OFF式煙感知器と同様
なので対応部分に同一符号を付して説明を省略する。こ
の実施例では、特にFETQ1のゲートに上記したCR回路の
コンデンサC3を並列に接続して、積分タイミングパルス
Toの波形に遅延を持たせて、立ち上がり部の波形を緩や
かにしており、このような構成では、FETQ1は、CR回路
の遅延動作により、積分タイミングパルスToの立ち上が
りに対して T1≒2.2・C3・R3時間(例えば、C3=4.7nF,R3=2KΩ
の場合は、T≒20μSとなる)だけ遅れてONすることに
なる。一方積分タイミングパルスToの立ち下がり時に
は、FETQ1のゲート電圧VG1は、急激に低下するので、
積分タイミングパルスToの立ち下がりと殆ど同時にFETQ
1はOFFとなり、このような動作の結果、時間T1の間コン
デンサC2の放電が阻止され、積分コンデンサC2のホール
ド電圧VC2は、殆ど受光信号Vsに近い値で充電されるこ
とになる。
上記実施例では、積分タイミングパルスToの立ち上が
り部の波形を緩やかにするために、CR回路をスイッチン
グ素子(FETQ1)のゲートに付加接続した構成を示した
が、本発明はこのようなものに限定されない。
〔発明の効果〕
以上の説明より理解されるように、本発明の光電式煙
感知器によれば、次のような特有の効果が奏される。
(1)積分効率が高くなるので、受光信号増幅回路の等
価的な利得に大きな低下はない。
したがって、等価的な利得の低下を防止するために、
受光信号増幅回路の利得を大きくし、かつ、受光信号増
幅回路のパルス応答を改善又は遅くさせないという困難
な方法は不要となる。
(2)発光素子を駆動する駆動パルスの幅を大きくする
ことなく、積分効率を高くできるので、消費電流を抑制
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光電式煙感知器の一実施例の要部構成
を示す図、第2図はその動作説明図、第3図は光電式煙
感知器の基本構造の説明図、第4図は光電式煙感知器の
内部回路の構成図、第5図はON/OFF式煙感知器の積分回
路と信号処理回路の従来構成図、第6図はアナログ式煙
感知器の積分回路と信号処理回路の従来構成図、第7図
は従来回路の積分回路の動作説明図である。 (符号の説明) 30……積分回路 40……信号処理回路 To……積分タイミングパルス Vs……受光信号

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光素子を間欠的に発光させる発光素子駆
    動回路と、この発光素子による発光パルスの煙による散
    乱光を受光素子で検知し、煙濃度に応じた出力レベルの
    電気信号を増幅出力する受光信号増幅回路と、上記発光
    素子振動回路より発光素子の間欠駆動に同期して送出さ
    れる積分タイミングパルスに同期して上記受光信号増幅
    回路の出力信号を積分する積分回路と、この積分回路の
    出力信号を処理して、この処理された出力信号が所定の
    基準値を越えたときにスイッチング素子を駆動し発報す
    る光電式煙感知器において、 上記積分回路は、FETのゲートに入力した積分タイミン
    グパルスによってFETをオンさせることによって、上記
    受光信号増幅回路の出力信号で積分コンデンサを充電さ
    せ、そのときの充電電圧を出力信号となす構成とされ、 上記FETのゲートには、コンデンサと抵抗から成るCR回
    路を付加し、このCR回路に、上記積分タイミングパルス
    を入力させることによって、上記FETのオン時点を、積
    分タイミングパルスの立ち上げ時より所定時間遅らせる
    構成としている光電式煙検知器。
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