JP2619446B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP2619446B2 JP62321224A JP32122487A JP2619446B2 JP 2619446 B2 JP2619446 B2 JP 2619446B2 JP 62321224 A JP62321224 A JP 62321224A JP 32122487 A JP32122487 A JP 32122487A JP 2619446 B2 JP2619446 B2 JP 2619446B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超音波診断装置に係り、特に心臓等を三次元
撮像するのに好適な超音波探触子を具備する超音波診断
装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の探触子は、特開昭62−129038号(第6図参照)
記載のように、多数の振動子を一列に配列した一次元ア
レイ振動子4を回転軸5を中心として振子運動させ、超
音波ビームのセクタ走査面6(斜線部分)をその面と直
角な方向に振らせる構成、あるいは特公昭62−4988号
(第7図参照)記載のように、xy平面に二次元配列され
たリニア走査型の探触子8により、超音波ビーム走査面
Iを、所望の傾斜角度θで走査面IIあるいはIIIのよう
に探触子の短軸方向に偏向できる構成であつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術において、第6図に示すような構成の探
触子では、音響窓7で生じる多重反射による偽像の発生
やケース内の充てんされた超音波伝搬ガイドの媒質の劣
化あるいは漏れといつたメンテナンス上の問題等があつ
た。
また、第7図に示すような構成の探触子では、x軸方
向に超音波ビームの偏向ができないため、x軸方向の視
野を大きくしようとする場合、生体との接触面積が大き
くなり、助骨で覆われた心臓等の撮像には適さないとい
う問題があつた。
さらに、前者及び後者のいずれの構成の探触子におい
ても、一軸方向に対しては超音波ビームを偏向する走査
方法であり、長時間の信号遅延が必要であつた。そのた
め、超音波ビーム偏向をしない方式と比較して遅延素子
や制御回路等のハード規模が大きくなるといつた問題も
あつた。
本発明の目的は、超音波ビームの偏向をおこなわず、
かつ生体との接触面積を小さく保ちながらも広角の視野
範囲を観察できる探触子を具備する超音波診断装置を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、x軸方向にn個,y軸方向にm個配列した
m×n個の二次元アレイ振動子を各軸方向に所望の曲率
半径で曲げ探触子構成とすることにより達成される。
〔作用〕
超音波振動子群が各軸方向で所望の曲率半径を有する
二次元アレイ振動子の一部の振動子群を選択制御して超
音波の送受波をおこなうとともに、この選択する振動子
群を順次切換えていくことにより、超音波ビームを偏向
することなくx,yの二軸方向に扇状のビーム走査ができ
るため、遅延素子や制御回路等のハード規模を小さく抑
えることができる。かつ、第5図で示すようなメカニカ
ルな要素がなく、電子的な制御のみで超音波ビームを走
査するので問題点で述べたようなメンテナンスがいら
ず、さらに多重反射の影響もなくなる。
また、振動子が二次元的に円弧配列されているので、
超音波ビームを立体角的に広がるように走査することが
でき、視野に比較して生体との接触面積を非常に小さく
することができる。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。第1
図は、本発明の特徴を最もよく表す図であり、振動子配
列の様子について示したものである。同図において、超
音波の送受波面はx軸方向にn個,y軸方向にm個のn×
m個の振動子E11〜Emnで構成されており、x軸方向
にRx、y軸方向にRyの曲率半径で曲げられた円弧状の二
次元アレイである。このアレイは、曲率半径Rx=Ryとし
た場合、丁度半径Rxの球面から取り出した四角形に等し
くなる。
第2図及び第3図は、第1図で示すようなアレイを用
いて超音波ビームを形成する場合の振動子の選択につい
て示したものである。第2図において、1はn×m個の
振動子群から所望のK×K個の振動子群を選択するマル
チプレクサ、2は振動子E11〜Emnで構成される探触
子、x1〜xkはx軸方向において超音波を収束するための
信号遅延素子、y1〜ykはy軸方向において超音波を収束
するための信号遅延素子である。信号遅延素子として
は、一般にデイレイラインが用いられる。
第3図は、第1図で示した二次元アレイを上方(z軸
方向)から眺めたものであり、図面の便宜上Rx=Ry
として示したものである。
ここで、例えば第3図に示すようなE11〜Emnの振
動子群の中のE11〜Ekkの振動子群(斜線部分)を用
いて超音波ビームを形成しようとする場合について、第
2図を用いて説明する。
第2図において、まず、マルチプレクサ1がコントロ
ール信号Sにより制御され、該当する振動子群E11〜E
kkを選択,所望の遅延時間に設定されているk個のグ
ループの信号遅延素子x1〜xkと振動子の信号ラインを接
続する。x1〜xkの信号遅延素子の各グループは、y1〜yk
の信号遅延素子を介して加算されており、この信号端で
送波信号の入力及び受波信号の出力がおこなわれる。こ
こで、受波の場合、信号の流れは例えば次のようにな
る。振動子E11で受波された信号はx1→y1、同様に
E21→x2→y1,E31→x3→y1,……,Ek1→xk
y1,E12→x1→y2,E22→x2→y2,……,Ekk→xk
→ykという具合である。
以上の説明と同様の操作をくり返しおこない、選択す
るk×k個の振動子をE11〜Ekk→Em_kn_k〜Emn
まで移動させることにより超音波像は得られることにな
る。
第4図は、超音波像を得るための超音波ビームの走査
方法の一実施例について示したものである。第4図
(a)はxz平面、第4図(b)はyz平面上での超音波ビ
ームの動きを各々示したものである。第4図において、
一本の超音波ビームを形成するために、第2図に示すよ
うに各軸方向で各々k個、計k×k個の振動子群を選択
する場合、まずE11k,Ekの振動子群を用いてl11
の超音波ビームを形成する。そして、第4図(b)に示
すように矢印Bの方向に沿つて振動子群の選択,送受波
をおこないl11〜lb1の超音波ビームを形成する。次
に、第4図(a)に示すように、振動子群を矢印Aの方
向に少しだけ移動させて送受波し超音波ビームl12
形成,以降先程と同様に矢印Bの方向に選択する振動子
群を移動させ超音波ビームl22〜lb2を形成する。こ
のように、選択する振動子群を矢印Aの方向に少しづつ
移動させながら、かつ矢印Bの方向に移動することによ
り送受波をおこない超音波ビームl11〜lbaを形成す
る。また、他の実施例として、例えば、l11→l1a
lba→lb1→l21→l2a_1→lb_aa_1→lb_12
l32→……という具合の回転走査やl11→lb1
lb2→l12→l13→lb3→lb4→…という具合の
走査も考えられる。
第1図で示すような形状の振動子配列をした探触子を
用いて、例えば第4図に示すような超音波ビームの走査
をおこなえば、超音波ビームはおおよそ振動子配列の曲
率中心を原点して立体角的な広がりを有するものとな
り、探触子と生体との接触面積を小さく保ちながらも広
い視野範囲を観察することが可能となる。したがつて、
特に助骨におおわれた心臓の撮像においては有効であ
る。また、超音波ビームの偏向をおこなつていないにも
かかわらず、あたかも偏向をおこなつているかの如く超
音波ビームを走査することができるので、同一の視野を
保ちながらもビームの偏向に必要であつた信号遅延時間
を小さくする、言い換えれば信号遅延素子数を少なくす
ることができる。
第5図は、本発明を用いた探触子の外観を示す一実施
であり、同図(a)は心臓等に用いるタイプ、同図
(b)は脳外科における頭蓋骨内の観察に用いるタイプ
である。
尚、本発明のような形状に超音波振動子を配列する二
次元アレイの探触子をつくる場合、PZT系の圧電振動子
よりも複合圧電材料を用いる方が、特に加工性の面で優
れている。
〔発明の効果〕
本発明の超音波診断装置が具備する超音波探触子によ
れば、遅延素子や制御回路等のハード規模を小さく抑え
ながら、かつ小さな接触面積にもかかわらず広い範囲の
視野を観察できるので、心臓や頭蓋骨内部等の三次元的
な撮像及び観察が容易におこなえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の特徴を最もよく表す超音波振動子群
の配列を示す斜視図、第2図は、二次元アレイにおける
信号遅延のための回路構成図、第3図は、素子選択の一
実施例を示す説明図、第4図は、超音波ビームの走査の
様子を示す説明図、第5図は、本発明の一実施例になる
探触子の外観斜視図、第6図及び第7図は従来例におけ
る超音波ビームの走査の説明図である。 1…マルチプクレサ、2…探触子、3…二次元アレイ振
動子、4…一次元アレイ振動子、5…回転軸、6…超音
波ビーム、7…音響窓、8…リニア走査型探触子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片倉 景義 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−163347(JP,A) 特開 昭63−13500(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の方向において第1の曲率を有して配
    列される複数の超音波振動子と、前記第1の方向と交叉
    する第2の方向において第2の曲率を有して配列される
    複数の超音波振動子とを有し、前記複数の超音波振動子
    が二次元に配列され、生体への超音波の送受波面が前記
    生体に向けて凸面をなす超音波探触子と、前記第1の方
    向に配列する前記複数の超音波振動子からの所定の複数
    個の前記超音波振動子と、前記第2の方向に配列する前
    記複数の超音波振動子からの所定の複数個の前記超音波
    振動子とからなる超音波振動子群を選択する選択手段
    と、 該選択手段により選択された前記超音波振動群による送
    受信信号を遅延させる信号遅延手段とを具備し、 前記選択手段により選択する前記超音波振動群を順次切
    換えて、超音波ビームを走査することを特徴とする超音
    波診断装置。
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