JP2618412B2 - 座標検出装置 - Google Patents

座標検出装置

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JP2618412B2 JP29188987A JP29188987A JP2618412B2 JP 2618412 B2 JP2618412 B2 JP 2618412B2 JP 29188987 A JP29188987 A JP 29188987A JP 29188987 A JP29188987 A JP 29188987A JP 2618412 B2 JP2618412 B2 JP 2618412B2
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洋一 浜中
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日立精工株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はペン,カーソル等の座標指定装置に装備され
たコイル等の励磁装置から交流磁界信号を発生させて、
この信号を平行に配列された電気導体線(以下、導線と
いう)を有するタブレットに印加し、タブレットに装備
されたマトリクス状の導線に誘起される交流信号を検出
して励磁装置の指定座標位置を検出する装置(以下、座
標検出装置と総称する)に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、座標検出装置は、ペン又はカーソルと、この
ペン又はカーソルに装備されたコイルに正弦波電圧を供
給する装置と、検出用の導線が配列されたX軸用ベース
及びY軸用ベースを備えたタブレットと、検出用の導線
に発生する信号を演算処理しペン又はカーソルが置かれ
たタブレット上の位置(X座標位置,Y座標位置)を求め
る装置等で構成されている。
第7図は従来のX軸用ベースの説明図である。同図
(A)に示すX軸用ベースは、導線1と導線2を備えて
いる。実線で描かれた導線1は平行に隣接配置された部
分導線5,6,7の両端を交互に接続線8,9により接続して1
本の蛇行形状を成すように構成されており、平行部分の
部分導線5,6,7の間隔は一定(p/2)になっている。破線
で描かれた導線2は導線1と同一形状であり、導線1に
対してp/4だけずらして配置されている。この2つの導
線1,2は互いに電気的に絶縁された状態でシート状に重
ね合わされている。尚、11,11は導線1の出力端子を示
し、12,12は導線2の出力端子を示している。
今、このX軸ベース上に励磁装置10を置き励磁装置10
に所定周波数の交流信号を供給すると、導線の1,2の出
力端子11,12に現れる信号E11,E12は、第8図(A)に示
される如く、励磁装置10の置かれた導線に直交する方向
の位置Xにより決定される。励磁装置10が例えば8KHzの
交流信号で励磁されているならば、励磁装置10のコイル
の中心(励磁装置10の中心)を導線1の真上に置いてあ
るときは、導線1の出力電圧は0である。励磁装置10の
中心が部分導線5,6間あるいは6,7間の中央部分に置かれ
たときは、端子11,11間には最大の電圧が現れるが、そ
の極性は、部分導線5,6間と6,7間で互いに逆になる。端
子11,11間に得られる出力電圧とは、例えば8KHzの交流
信号を搬送信号とした振幅(第8図(A))を変調する
振幅変調出力であり、励磁装置10の置かれた位置に応じ
て変調出力は正弦波形状又は余弦波形状に変化する。導
線1の部分導線5,6,7が電気角π毎に並べられているた
めである。以下、電気角で2πに相当する間隔(第7図
(A)ではp)を1ピッチという。
第7図(B)は、前述したX軸用ベースに重ねて使用
する第2のX軸用ベースである。この第2のX軸用ベー
スは、導線3と導線4を備えている。この導線3,4の関
係は、前述した導線1,2の関係と同じであるが、導線3,4
では、1ピッチをq(≠p)とし、互いにq/4ずらして
配置されている。第7図の例で導線1と導線3を比較す
ると、導線1が全長lを5ピッチで等分割しているのに
対し導線3は4ピッチで等分割している。即ち、l=5p
=4qという関係にある。一般に、導線のピッチ数をnと
すると、l=np=(n−1)qの関係に選ぶと都合がよ
いが、これに限るわけではない。この導線3,4の出力端
子13,13間、14,14間に現れる信号E13,E14を第8図
(B)に示す。導線3,4の出力信号は、第8図(B)に
示されるように、第8図(A)と同じく正弦波形状,余
弦波形状であるが、1ピッチの長さが異なる分だけ周期
が異なっている。
励磁装置10をX軸用ベース上に置いて導線1,2の出力
信号を得、この信号から求めることができるのは、部分
導線5,6,7間内における励磁装置10の配置位置だけであ
り、基準位置Rからどれだけ離れたどの部分導線5,6,7
からの位置であるかは判別できない。これは、導線1,2
の出力信号が周期的な信号であるためである。そこで、
周期の異なる信号(第8図(B))を第2のX軸用ベー
スから得、導線1,2,3,4の出力信号から励磁装置10の基
準位置Rに対する配置位置を求めるのである。この第2
のX軸用ベースの代わりに、例えば特公昭53−34855号
公報記載の様に、セレクタ導線を格子状に配した座標検
出用ベースを用いることもできる。
尚、従来の座標検出装置に関連するものとして、特開
昭58−191091号、特開昭58−159191号、特開昭59−5558
6号がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術に係る座標検出装置は、タブレット上に
配置されたペン又はカーソルのX,Y座標あるいはタブレ
ット上を移動するペン又はカーソルのXY平面上の軌跡を
求めるものである。X,Y座標やその軌跡を正確に求める
には、タブレット上面とペン又はカーソルとの離間距離
(以下、ペン高さ位置Zという)を求め、この位置Zの
データによりX,Y座標検出値を補正する必要がある。こ
のため、位置Zを求める技術が上記従来技術に係る文献
により提案されている。
位置Zを求める従来の技術は、この位置Zのデータを
X,Y座標の補正に使用することを主眼としているため、
それほど高精度なものは要求していない。しかるに、位
置Zを高精度に求めることができると、X,Y座標をより
高精度に補正することが可能になる一方、位置Zのデー
タを独自に使用してデータ処理することが可能になる。
つまり、タブレット上面あるいは上方に配置されたペン
又はカーソルのX,Y座標や、移動するペン又はカーソル
の三次元上の軌跡を検出することが可能となる。この点
について従来は全く配慮していない。
本発明の目的は、ペン高さ位置Zを高精度に検出する
ことができる座標検出装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、発振回路と、この発振回路により励磁さ
れる励磁装置と、電気角2πを1ピッチとして平行導線
部分を配列した蛇行形状の第1の導線と第2の導線とを
1/4ピッチずらして配置した座標軸用ベースを有するタ
ブレットと、該タブレット上に前記励磁装置を置いて励
磁したときに前記第1の導線と前記第2の導線に誘起さ
れる信号から該励磁装置の座標位置に応じた位相変調信
号を作る手段と、該位相変調信号から前記励磁装置の座
標位置を演算するデータ処理装置とを備えてなる座標検
出装置において、前記第1,第2の導線と同一寸法同一形
状の第3,第4の導線を第1,第2の導線に対して1/8ピッ
チずらして前記タブレットに配置すると共に、前記位相
変調信号の振幅を検出する振幅検出器と、該振幅検出器
の出力値をディジタル信号値に変換し前記データ処理装
置に入力するA/D変換器とを設け、前記データ処理装置
は、前記第1,第2の導線対を選択したときに得られる前
記位相変調信号の振幅値の前記A/D変換器出力値と、前
記第3,第4の導線対を選択したときに得られる前記位相
変調信号の振幅値の前記A/D変換器出力値とから前記励
磁装置の前記タブレット表面からの離間距離を求めるこ
とで達成される。
〔作用〕
励磁装置に励磁信号E1=A1cosωtを印加すると、第
1の導線及び第2の導線の出力信号E11,E12は、理論的
には E11=A2cos(2π・r/p)cosωt E12=A2sin(2π・r/p)cosωt となるが、実際には位置rによる振幅は完全な余弦波,
正弦波とはならず歪みを有している。つまり、上記式
「=」は正確には「≒」となる。従って、例えば前述し
た第2のX軸用ベースを使用した場合に基準位置Rから
励磁装置のタブレット上の配置位置までの移動位置rを
求める方法を例に説明すると、移動rに比例する位相変
調信号E10は、理論的には E10=∫E11dt+E12 =A2sin(ωt+2π・r/p) となるところが、実際には E10=A2f(r/p)sin(ωt+2π・r/p+f(r)) となる。つまり、振幅,位相共に位置rの関数となり、
位相変調信号E10は周期的な誤差を含むことになる。誤
差というものは本来好ましいものではないが、本発明で
はこの周期的な誤差を積極的に利用することで、ペン高
さ位置Zの高精度データを求める。
第1,第2の導線対を選択したときの位相変調信号の振
幅誤差は、1/4ピッチで周期的に変化する。また、第3,
第4の導線対を選択したときの位相変調信号の振幅誤差
も1/4ピッチで周期的に変化するが、この第3,第4の導
線は、第1,第2の導線に対して1/8ピッチずれているの
で、その振幅誤差の変化特性は第1,第2の導線対を選択
したときのそれと逆極性となる。従って、第1,第2の導
線対を選択したときの位相変調信号振幅と、第3,第4の
導線対を選択したときの位相変調信号振幅との平均値を
ペン高さ位置Zとする。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図〜第7図を参照して
説明する。尚、以下に説明する実施例は、第1のX,Y軸
用ベースの他に前述した第2のX,Y軸用ベース(第1,第
2のY軸用ベースは第1,第2のX軸用ベースを物理的に
所定角例えば90゜回転させて配置したものである。)を
重ねたものをタブレットとした場合であるが、本発明
は、セレクタ導線を配した座標検出用ベースを用いた座
標検出装置にも適用できることはいうまでもない。
第1図は本発明の一実施例に係るX軸ベースの平面図
である。このX軸ベースは、平行導線部分の間隔がp/2
の蛇行形状を成した第1の導線1と、第1の導線1と同
一寸法同一形状で第1の導線1に対してp/4ずらして配
置された第2の導線2の他に、第1の導線1と同一寸法
同一形状で第1の導線1に対してp/8ずらして配置され
た第3の導線101と、第1の導線1と同一寸法同一形状
で第2の導線2に対して上記ずらしと同一方向にp/8ず
らして配置された第4の導線102とを設けてある。
第2図は、第1図に示すX軸ベースと第7図(B)に
示す第2のX軸ベースと図示しない第1,第2のY軸ベー
スを一体にしたタブレットを備える座標検出装置の電気
回路図である。同図において、17は高い周波数のクロッ
ク発振器、18はカウンタでクロック信号を所定の周波数
に分周する。カウンタ18の出力はフィルタ19を介して励
磁装置10に印加されると同時に比較器20に供給される。
21は第1のX軸ベース、第2のX軸ベース、及び第1の
Y軸ベース、第2のY軸ベースを重ね合わせて構成する
タブレットであり、このタブレット21はX軸出力端子21
a(第1,第2,第3,第4の導線1,2,101,102の出力端子)、
Y軸出力端子21bを有し、出力端子21a,21bは共に切換回
路22に接続される。22は所定の周期で入力を選択し、後
述の増幅器23又は24との接続関係を切換える時分割切換
回路である。23及び24は増幅器、25は増幅器23に接続さ
れた積分器である。26は増幅器24と積分器25の出力を加
算する加算器である。27は加算器26の出力(正弦波)を
矩形波に変換する変換器で、矩形波信号はカウンタ18の
出力と共に比較器20に印加される。比較器20ではカウン
タ18からの基準信号(矩形波)と変換器27からの矩形波
信号との位相を比較し、その位相差に対応する検出信号
が出力される。検出信号は位相差がパルス幅、電圧値、
パルス数、又は数値信号等の信号形態で表わされる。28
はデータ処理装置で、比較器20からの位相差信号データ
を取り込んで、タブレット21上に置かれた励磁装置10の
座標値を演算する。51は振幅検出器(ピークホールド回
路)、52はアナログ/ディジタル(A/D)変換器であ
り、データ処理装置28はA/D変換器の出力値に基づいて
ペン高さ位置Zを算出するものである。尚、振幅検出器
51は、データ処理装置28からの制御信号によりリセット
されるようになっている。
第3図には具体的回路構成を示す。図面において第2
図と同一符号は同一部分を示す。切換回路22は2個の時
分割切換回路29及び30から成りその出力信号は変圧器31
及び32を介して演算増幅器33、34へ印加される。35,36
は演算増幅器、37,38はコンデンサ、39,40,41,42及び43
は抵抗器である。44は波形変換器27を構成する演算増幅
器36の一方側入力端子に接続された可変抵抗器で直流電
源45の出力電圧を調節する。46はフリップフロップでカ
ウンタ18からの矩形波信号によりリセットされ、波形変
換器27からの信号によりリセットされる。47はカウンタ
でフリップフロップ46の出力、すなわち基準矩形波信号
と波形変換器27からの信号との位相差に応じた時間を、
クロック信号発生器17からの高い周波数のクロック信号
により内挿する(計数する)。なお、比較器20はDフリ
ップフロップ等で構成するラッチ回路でもよく、波形変
換器27の出力によりカウンタ18の出力をラッチするよう
にしても両信号位相差を検出することもできる。この検
出方法はカウンタ18の出力の位相と励磁装置10の励磁電
流の位相とが一定の関係にあることが必要である。2つ
の信号の位相差を検出する回路構成はすでに多数知られ
ているので、これらのうちの使用可能なものを選択する
ことが適当である。データ処理装置28においては演算式
を用いて励磁装置10の位置を計算する方法と、あらかじ
め用意したデータテーブルを用いて検索により励磁装置
10の位置を求める方法とのどちらでも採用することがで
きる。以下具体的な下記数値例に基づいてデータ処理装
置28の動作を説明する。
先ず、X,Y座標位置の検出について述べる。
本実施例の説明をわかり易くするために、カウンタ18
を1000進カウンタとした。X軸ベース、Y軸ベース共に
同一作用のためX軸ベースについて説明する。第1の導
線上及び第2の導線上においてクロックパルス数の1000
パルスを、夫々ピッチp及びqに対応させるとピッチp,
qとカウンタ18の内容は第4図のようになる。分解能は
第1の導線(ベース)上では1パルス当り0.02mm、第2
の導線(ベース)上では1パルス当り0.025mmである。
丸印は第1の導線の配置(間隔20mm)で、白ヌキと黒ヌ
リは隣接した導体(電流の向きが逆)を示す。同様に三
角印は導線3の配置(間隔25mm)で、白ヌキと黒ヌリは
隣接した導体を示す。励磁装置10がa点に置かれると、
クロック信号は1000進カウンタ18で1/1000に分周されそ
の出力はフィルタ19を通って励磁信号となる。励磁装置
10から放出された励磁信号は、タブレット21のX軸のベ
ースに励磁信号と同じ周波数の交番信号(以下搬送信号
と略称する)を誘起する。この搬送信号は、励磁装置10
の置かれた位置により振幅変調される。振幅変調のされ
方は第8図において説明したとおりで、X軸ベースから
の出力端子(導線1,2の出力端子)21aからは、この変調
された信号が得られる。切換回路22では導線1からの出
力E11を、増幅器23を介して積分器25で積分して加算器2
6に入力し、次に導線2からの出力E12を増幅器24を介し
て加算器26に入力する。加算器26で加算された信号E10
は搬送信号の振幅変調を他の搬送信号の位相変調に変換
したもので、この信号E10は波形変換器27で波形変換さ
れた後比較器20に印加される。信号E10はカウンタ18か
らの基準矩形波信号と位相を比較され位相差に応じたパ
ルス数F1のデータ信号E20に変換される。このデータ信
号E20のパルス数F1は位置aに励磁装置10が置かれた場
合の変位量rに対応する。同様に、次のタイミングで切
換回路22は、導線3からの出力E13を増幅器23を介して
積分器25で積分して加算器26に入力し、次に導線4から
の出力E14を増幅器24を介して加算器26に入力する。加
算器2で加算された信号E15は波形変換器27で波形変換
された後比較器20に印加される。信号E15はカウンタ18
からの基準矩形波信号と位相を比較され、位相差に応じ
たパルス数F2のデータ信号E30に変換される。このパル
ス数F2は第7図(B)に示した変位量sに対応する。デ
ータ処理装置28においては、時分割により入力されるデ
ータ信号E20、E30及びピッチ数mとの関係から励磁装置
10の位置Xを演算する。比較器20からのデータ信号E20
のパルス数F1は、位置Xの変化(第4図0−J1−J2−J3
−J4−J5)に従い、パルス数0〜999の間で周期性を有
し、基準となる導線1のところで最大パルス数から最少
パルス数に不連続点を有する。この不連続点の近辺でパ
ルス数F1が所定の数 より大きいか又は小さいかを判断すれば、励磁装置10が
導線1の何番目のピッチ内に置かれているかが判別でき
る。すなわち、F1>F2ならばΔF=F1−F2、F1<F2なら
ばΔF=F+F1−F2となるΔFを演算により定義する。
第4図に示すように、データ信号E30は位置の変化(0
−K1−K2−K3−K4)によりパルス数0〜999の間で周期
性を有する。このデータ信号E20とE30とのパルスの差を
ΔFとすると、ΔFによって表わされる位相差データは
第5図のようにパルス数0〜999の間で変化する。この
データΔFのパルス数により、励磁装置10の置かれてい
るピッチ数mを判別する。
ピッチ数mを判別するためのデータの構成を第1表に
示す。
すなわち、第1表によれば、第4図の点aに励磁装置
10が置かれていれば、データΔFが350であり且つF1が7
50であるから500F1<1000に該当し、従ってピッチ数
mは1である。この時の励磁装置10の置かれているX座
標はX=(m×F+ΔF)・G=(1×1000+350)・
G=1350・Gである。ここにGは定数で、パルス数を所
望の単位距離に換算するためのものである。第1表にお
いて、0F1<500のときのデータΔFの値を0〜100、
200〜300…、としたが、ノイズ等によりデータに±100
パルスの範囲で誤差の存在する可能性が有る場合には、
このデータを第2表のように拡張する。尚、データ処理
装置28におけるピッチ数mの判別は数値演算によるこ
と、データテーブルにより引出すこと等によってもでき
ることはいうまでもない。
上述した方法により、励磁装置10のタブレット21上の
X,Y座標位置を検出するのであるが、ペン(励磁装置1
0)高さZがゼロのときは上述の方法で求めたX,Y座標位
置を補正する必要はない。しかし、Zがゼロでない場合
には、Zの値によりX,Y座標位置を補正しないと精度が
悪くなる。そこで、導線1,2及び導線101,102からの信号
による信号E10が加算器26から出力されたとき、該信号E
10の最大値を振幅検出器51で保持し、この最大値をA/D
変換器52でディジタル信号値に変換し、データ処理装置
28に入力する。ペン高さ位置Zがタブレット21表面から
離れるほど、導線1,2,101,102に誘起される信号は小さ
くなる。従って、信号E10の最大値もそれだけ小さくな
る。つまり、信号E10の最大値は、ペン高さ位置Zに依
存する。そこで、データ処理装置28は、A/D変換器52か
ら入力する最大値を設定値と比較してZの位置を求め
る。そして、その値に応じてX,Y座標検出位置を修正す
る。この修正は、予めZ方向の距離によるX座標位置,Y
座標位置の誤差を測定しておいてこれをデータ処理装置
28内のメモリに記憶させておき、これに基づいて行なっ
ても良いし、また、近似計算式を作っておいてこれを用
いて修正してもよい。
このようにして、Z位置によりX,Y座標検出位置を修
正することで、精度の高い座標検出が可能となるが、よ
り高精度が要求される座標検出装置には不十分である。
前述したように、信号E10の振幅は励磁装置10の位置r
の関数となり、周期的な誤差を含んでいる。つまり、振
幅検出器51は誤差を含んだ最大値を保持することにな
る。この周期的な誤差は、導線1のピッチpに対してp/
4毎に発生し、最大振幅(Z=0近傍)時に2%以上に
達する(Z=0近傍で波高値10Vの時、0.2V以上とな
る。)。そこで、本実施例では、第3,第4の導線101,10
2(第1図)に誘起する信号を用いてこの誤差をデータ
処理装置28により後述するようにキャンセルし、精度良
くZ位置を求める。
第6図(A)は、導線1,2から得られた位相出力I
と、導線101,102から得られた位相出力IIの位相差を示
す図であり、その位相差は、導線1,2と導線101,102の配
置位置の差p/8に起因する。上述した様に、導線1,2に誘
起する信号を使用したときの加算器26からの出力信号E
10の振幅誤差は、p/4のピッチでウネリとなる。これ
は、第6図(B)の特性線IIIの様になる。また、導線1
01,102に誘起する信号を使用したときの加算器26からの
出力信号E10の振幅誤差も、p/4のピッチでウネリとな
る。しかし、これは、第6図(B)の特性線IVに示す様
に、特性線IIIに対してp/8ずれ極性が逆になる。従っ
て、振幅検出器51で特性線IIIの誤差を含む最大値を保
持して得たA/D変換器52出力値と、次に振幅検出器51で
特性線IVの逆極性誤差を含む最大値を保持して得たA/D
変換器52出力値を平均することで、Z位置を精度良く検
出することができる。このようにして得たZ位置情報に
よりX,Y座標検出位置を修正することで、より精度の高
いX,Y座標検出位置が検出できることになる。このZ位
置の演算式は、次の様になる。
第1,第2の導線1,2を選択した時のA/D変換器52の出力
値をAD1とし、その真値をAD10とする。また、第3,第4
の導線101,102を選択した時のA/D変換器52の出力値をAD
101とし、その真値をAD1010とする。また、各々の誤差
を+d1,−d2とすると、 AD1=AD10+d1 AD101=AD1010−d2 ここで、AD10とAD1010とは同一ピッチの導線に誘起され
る信号であるため、AD10=AD1010である。よって、真値
AD10は、 AD10={AD1+AD101−(d1−d2)}×1/2d1≒d2 であるので、 AD10={AD1+AD101}×1/2 となり、誤差がキャンセルされる。
以上、従来に比べて検出誤差が1/2〜1/3に低減した高
精度の位置Zデータを使用してX,Y座標検出値を補正す
る実施例について説明したが、本発明はこれに限定され
るものでないことはいうまでもない。高精度にペン高さ
位置Zが求まることにより、例えばタブレットに載せた
シートにペン又はカーソルを当てることで、該シートの
厚さ(=ペン高さ位置)を検出することが可能である。
また、シートに凹凸がある場合、ペン又はカーソルでシ
ートをなぞることで、シートの凹凸を検出することがで
きる。つまり。ペンまたはカーソルの三次元上の軌跡を
検出することが可能となる。従って、本実施例に係る座
標検出装置は、従来の二次元上の座標や軌跡を検出する
ことしかできない座標検出装置に比べ、その用途が拡大
する効果がある。
尚、上記実施例では、第3,第4の導線101,102をX軸
ベースに配置したが、第2のX軸ベースに配置しても、
また、Y軸ベースや第2のY軸ベースに配置してもよい
ことは、いうまでもない。また、第2のX軸ベース,第
2のY軸ベースを使用しないで、セレクタ導線を配置し
た座標域検出用ベースを使用するタブレットにも本発明
を適用できることはいうまでもない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、高精度のペン高さ位置Zを検出する
ことができる座標検出装置を得ることができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る座標検出装置に使用す
るX軸ベースの平面図、第2図は本発明の一実施例に係
る座標検出装置の電気回路図、第3図は第2図に示す電
気回路図の具体的構成図、第4図及び第5図は位相差の
変化を示す特性図、第6図(A),(B)は本発明の一
実施例に係るZ位置検出原理の説明図、第7図(A),
(B)は従来のX軸ベース,第2X軸ベースの平面図、第
8図(A),(B)は第7図(A),(B)に示す導線
から出力される信号変化を説明する特性図である。 1……第1の導線、2……第2の導線、3,4……導線、1
0……励磁装置、17……クロック発振器、18……カウン
タ、20……比較器、21……タブレット、22……切換回
路、23,24……増幅器、25……積分器、26……加算器、2
8……データ処理装置、51……振幅検出器、52……A/D変
換器、101……第3の導線、102……第4の導線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大坂 義久 神奈川県海老名市上今泉2100番地 日立 精工株式会社内 (72)発明者 野中 延恭 神奈川県海老名市上今泉2100番地 日立 精工株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発振回路と、この発振回路により励磁され
    る励磁装置と、電気角2πを1ピッチとして平行導線部
    分を配列した蛇行形状の第1の導線と第2の導線とを1/
    4ピッチずらして配置した座標軸用ベースを有するタブ
    レットと、該タブレット上に前記励磁装置を置いて励磁
    したとき前記第1の導線と前記第2の導線に誘起される
    信号から該励磁装置の座標位置に応じた位相変調信号を
    作る手段と、該位相変調信号から前記励磁装置の座標位
    置を演算するデータ処理装置とを備えてなる座標検出装
    置において、前記第1,第2の導線と同一寸法同一形状の
    第3,第4の導線を第1,第2の導線に対して1/8ピッチず
    らして前記タブレットに配置すると共に、前記位相変調
    信号の振幅を検出する振幅検出器と、該振幅検出器の出
    力値をディジタル信号値に変換し前記データ処理装置に
    入力するA/D変換器とを設け、前記データ処理装置は、
    前記第1,第2の導線対を選択したときに得られる前記位
    相変調信号の振幅値の前記A/D変換器出力値と、前記第
    3,第4の導線対を選択したときに得られる前記位相変調
    信号の振幅値の前記A/D変換器出力値とから前記励磁装
    置の前記タブレット表面からの離間距離を求めることを
    特徴とする座標検出装置。
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