JP2618046B2 - 酸化物超電導材料とその製造方法 - Google Patents
酸化物超電導材料とその製造方法Info
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- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、比較的高い臨界温度を有し、比較的安価な
酸化物超電導材料とその製造方法に関する。
酸化物超電導材料とその製造方法に関する。
従来の技術 1986年に30K以上の高い臨界温度を有するLa−Ba−Cu
−O系の超電導酸化物((LaBa)2CuO4)が発見されて
以来、酸化物超電導材料が注目を集めている。1987年に
は、Y−Ba−Cu−O系の超電導酸化物の(LaBa2Cu3Oy)
臨界温度が液体窒素温度(77K)よりも高り約90Kである
ことが確認された。また1988年には、Bi−Sr−Ca−Cu−
O系、およびTl−Ba−Ca−Cu−O系超電導材料が発見さ
れ、臨界温度は100K以上になった(北沢宏一・岸尾光
二、「応用物理」、57巻、pp1644−1665、1988年)。
−O系の超電導酸化物((LaBa)2CuO4)が発見されて
以来、酸化物超電導材料が注目を集めている。1987年に
は、Y−Ba−Cu−O系の超電導酸化物の(LaBa2Cu3Oy)
臨界温度が液体窒素温度(77K)よりも高り約90Kである
ことが確認された。また1988年には、Bi−Sr−Ca−Cu−
O系、およびTl−Ba−Ca−Cu−O系超電導材料が発見さ
れ、臨界温度は100K以上になった(北沢宏一・岸尾光
二、「応用物理」、57巻、pp1644−1665、1988年)。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、超電導材料を各種センサやデバイスな
どに応用する際には、それぞれの用途に見合った適当な
温度で臨界温度を有する比較的安価な超電導材料が必要
である。
どに応用する際には、それぞれの用途に見合った適当な
温度で臨界温度を有する比較的安価な超電導材料が必要
である。
本発明は、このような課題を解決するためになされた
もので、約40Kの臨界温度を実現することが可能で比較
的安価である新規な超電導材料を提供することを目的と
する。
もので、約40Kの臨界温度を実現することが可能で比較
的安価である新規な超電導材料を提供することを目的と
する。
課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するため、少なくとも、La、
Ln(Nd、Sm、Eu、Gd)、Ba、Sr、Ce、Cu、Oの元素から
構成され、組成式がLapLnq(Ba1-xSrx)rCesCu9O30-zで
表され、p、q、r、s、xが次の条件 p+q+r+s=12 0<p<5.5 0.5<q<7.5 2.5<r<5.5 0.5<s<3.5 0x1.0 を満たすものであることを特徴とする。
Ln(Nd、Sm、Eu、Gd)、Ba、Sr、Ce、Cu、Oの元素から
構成され、組成式がLapLnq(Ba1-xSrx)rCesCu9O30-zで
表され、p、q、r、s、xが次の条件 p+q+r+s=12 0<p<5.5 0.5<q<7.5 2.5<r<5.5 0.5<s<3.5 0x1.0 を満たすものであることを特徴とする。
本発明の酸化物超電導材料の製造方法は、上記組成物
を酸素雰囲気で加熱処理を行って焼結した後、酸素雰囲
気中で熱処理(300〜700℃)を行って酸素を吸収させる
ことを特徴とする。
を酸素雰囲気で加熱処理を行って焼結した後、酸素雰囲
気中で熱処理(300〜700℃)を行って酸素を吸収させる
ことを特徴とする。
作用 上記構成によれば、結晶構造が従来の(LaBa)2CuO4
系超電導材料やLaBa2Cu3Oy系超電導材料と全く異なる新
規な酸化物超電導材料を得ることができる。しかも焼結
に要する加熱処理時間が従来例に比べて短くて済み製造
が容易なので、製造コストを抑えることができる。
系超電導材料やLaBa2Cu3Oy系超電導材料と全く異なる新
規な酸化物超電導材料を得ることができる。しかも焼結
に要する加熱処理時間が従来例に比べて短くて済み製造
が容易なので、製造コストを抑えることができる。
また上記組成式において、p、q、r、sを、1.5<
p<3.5、2.5<q<4.5、r=4、s=2、0.35<x<
0.65とすることにより、15K以上の臨界温度を実現する
ことが可能である。更に、加熱処理時の酸素分圧を0.1
気圧以下に設定したり、熱処理時の酸素分圧を1気圧以
上に設定することにより、臨界温度40Kを実現すること
が可能である。
p<3.5、2.5<q<4.5、r=4、s=2、0.35<x<
0.65とすることにより、15K以上の臨界温度を実現する
ことが可能である。更に、加熱処理時の酸素分圧を0.1
気圧以下に設定したり、熱処理時の酸素分圧を1気圧以
上に設定することにより、臨界温度40Kを実現すること
が可能である。
この結果、各種センサやデバイスなどに応用する際、
それぞれの用途に見合った適当な臨界温度を有する超電
導材料を比較的安価に提供することができる。
それぞれの用途に見合った適当な臨界温度を有する超電
導材料を比較的安価に提供することができる。
実 施 例 本発明の第1の実施例における酸化物超電導材料とそ
の製造方法を説明する。
の製造方法を説明する。
出発原料として、市販の試薬を用いて第1表に示した
組成の試料No.1〜29を作製した。
組成の試料No.1〜29を作製した。
資料の製造方法を試料No.4の製造方法を例に説明す
る。出発原料として市販のLa2O3、Gd2O3、BaCO3、SrC
O3、CeO2、CuOを用いた。これらの原料を十分に乾燥さ
せたのち、本発明の組成式LapLnq(Ba1-xSrx)rCesCu9O
30-zに基づいて、La3Gd3(Ba0.5S r0.5)4Ce2Cu9O30-zの化学式となるように配合した。
この混合粉を直径40mm、厚さ5mmの円柱形にプレス成形
し、酸素雰囲気中1020℃で20時間仮焼した。得られた仮
焼粉を十分に粉砕し、2mm×2mm×20mmの直方体にプレス
成形した。次いで、この成形体を炉内で酸素ガスを流通
させながら1030℃で20時間加熱処理を行なって焼結し、
50℃/minで冷却した。冷却時、600℃で20時間、400℃で
20時間熱処理を行い、酸素を十分に吸収させた。熱処理
後、そのまま常温まで放冷した。
る。出発原料として市販のLa2O3、Gd2O3、BaCO3、SrC
O3、CeO2、CuOを用いた。これらの原料を十分に乾燥さ
せたのち、本発明の組成式LapLnq(Ba1-xSrx)rCesCu9O
30-zに基づいて、La3Gd3(Ba0.5S r0.5)4Ce2Cu9O30-zの化学式となるように配合した。
この混合粉を直径40mm、厚さ5mmの円柱形にプレス成形
し、酸素雰囲気中1020℃で20時間仮焼した。得られた仮
焼粉を十分に粉砕し、2mm×2mm×20mmの直方体にプレス
成形した。次いで、この成形体を炉内で酸素ガスを流通
させながら1030℃で20時間加熱処理を行なって焼結し、
50℃/minで冷却した。冷却時、600℃で20時間、400℃で
20時間熱処理を行い、酸素を十分に吸収させた。熱処理
後、そのまま常温まで放冷した。
炉から取出した試料No.4の抵抗−温度特性を通常の4
端子法で測定した。その結果を第1図に示した。この試
料の超電導の開始温度(オンセット温度)は35Kであ
り、抵抗率ゼロとなる温度は30Kであった。この試料No.
4の交流帯磁率を測定したところ、帯磁率は35K以下で負
の値となり、マイスナー効果が認められた。
端子法で測定した。その結果を第1図に示した。この試
料の超電導の開始温度(オンセット温度)は35Kであ
り、抵抗率ゼロとなる温度は30Kであった。この試料No.
4の交流帯磁率を測定したところ、帯磁率は35K以下で負
の値となり、マイスナー効果が認められた。
この試料No.4の結晶構造を粉末X線回折によって調べ
た。X線源にはCuKγ線を用いた。得られた粉末X線回
折図形を第2図に示した。この粉末X線図形は、超電導
体として知られている(LaBa)2CuO4やLaBa2Cu3Oyの粉
末X線回折図形と全く異なっていた。粉末X線回折から
得られたピークは、a=3.82Å、c=28.20Åの格子定
数をもつ正方晶系の単位格子を仮定すると、すべて指数
付することができた。第2図粉末X線図形の各ピークに
それぞれの指数を与えた。
た。X線源にはCuKγ線を用いた。得られた粉末X線回
折図形を第2図に示した。この粉末X線図形は、超電導
体として知られている(LaBa)2CuO4やLaBa2Cu3Oyの粉
末X線回折図形と全く異なっていた。粉末X線回折から
得られたピークは、a=3.82Å、c=28.20Åの格子定
数をもつ正方晶系の単位格子を仮定すると、すべて指数
付することができた。第2図粉末X線図形の各ピークに
それぞれの指数を与えた。
この従来にない新規な超電導化合物の結晶構造を明ら
かにするために粉末X線回折図形のリートベルト解析を
行った。こうして得られた結晶構造の概略図を第3図に
示した。この化合物の結晶構造は、従来から超電導体と
して知られている(LaBa)2CuO4やLaBa2Cu3Oyの結晶構
造と全く異なっていた。
かにするために粉末X線回折図形のリートベルト解析を
行った。こうして得られた結晶構造の概略図を第3図に
示した。この化合物の結晶構造は、従来から超電導体と
して知られている(LaBa)2CuO4やLaBa2Cu3Oyの結晶構
造と全く異なっていた。
この試料No.4の酸素含有量(30−z)を不活性ガス融
解−非分散赤外線吸収法によって分析した。得られた値
は、酸素欠損量zが約2.5であった。
解−非分散赤外線吸収法によって分析した。得られた値
は、酸素欠損量zが約2.5であった。
また、この試料の酸素の吸収・放出特性を調べるため
に熱重量(TG)分析を行った。測定の際、酸素雰囲気中
で室温から1000℃の間で加熱及び冷却を行った。試料N
o.4の重量は約100mgであり、加熱及び冷却速度は10℃/m
inである。得られたTG曲線を第4図に示した。この結果
からこの試料No.4は、300℃以上の温度で可逆的に酸素
を吸収及び放出することがわかる。それで、800℃、700
℃、600℃と熱処理温度を変化させて、その後、室温ま
で急冷して試料を作製したところ熱処理温度が800℃の
場合には超電導転移を示さなかった。したがって、熱処
理温度としては、酸素を吸収する最低温度である300℃
以上であり、酸素を十分に吸収する最高温度である700
℃以下が適当であることがわかる。なお、この熱重量分
析は酸素1気圧下の測定であるので、酸素分圧が1気圧
以上になると試料中に酸素がより吸収されやすくなるか
ら熱処理に望ましい温度範囲が1気圧の場合の300〜700
℃の範囲より広がるのは当然である。
に熱重量(TG)分析を行った。測定の際、酸素雰囲気中
で室温から1000℃の間で加熱及び冷却を行った。試料N
o.4の重量は約100mgであり、加熱及び冷却速度は10℃/m
inである。得られたTG曲線を第4図に示した。この結果
からこの試料No.4は、300℃以上の温度で可逆的に酸素
を吸収及び放出することがわかる。それで、800℃、700
℃、600℃と熱処理温度を変化させて、その後、室温ま
で急冷して試料を作製したところ熱処理温度が800℃の
場合には超電導転移を示さなかった。したがって、熱処
理温度としては、酸素を吸収する最低温度である300℃
以上であり、酸素を十分に吸収する最高温度である700
℃以下が適当であることがわかる。なお、この熱重量分
析は酸素1気圧下の測定であるので、酸素分圧が1気圧
以上になると試料中に酸素がより吸収されやすくなるか
ら熱処理に望ましい温度範囲が1気圧の場合の300〜700
℃の範囲より広がるのは当然である。
試料No.1〜4は、La、Ce以外の希土類元素LnをNd、S
m、Eu、Gdと変化させた試料である。試料No.5〜10は、L
aと他の希土類元素Ln(本実施例の場合、Gd)との比率
を変化させたものである。試料No.11〜13は、アルカリ
土類元素(Ba+Sr)と希土類元素Ln(本実施例の場合、
Nd)との比率を変化させた試料であり、試料No.14〜17
は、Laとアルカリ土類元素(Ba+Sr)との比率を変化さ
せた試料である。試料No.18〜21はCeとLa以外の希土類
元素(本実施例の場合、Gd)との比率を変化させたもの
である。また、試料No.22〜29は、BaとSrとの比率を変
化させたものである。
m、Eu、Gdと変化させた試料である。試料No.5〜10は、L
aと他の希土類元素Ln(本実施例の場合、Gd)との比率
を変化させたものである。試料No.11〜13は、アルカリ
土類元素(Ba+Sr)と希土類元素Ln(本実施例の場合、
Nd)との比率を変化させた試料であり、試料No.14〜17
は、Laとアルカリ土類元素(Ba+Sr)との比率を変化さ
せた試料である。試料No.18〜21はCeとLa以外の希土類
元素(本実施例の場合、Gd)との比率を変化させたもの
である。また、試料No.22〜29は、BaとSrとの比率を変
化させたものである。
第1表に示した組成の試料No.1〜29の超電導特性を第
2表に示した。この表でオンセット温度とは、第1図に
示したように試料の超電導転移の開始温度であり、試料
を冷却していった際に電気抵抗率が低下し始める温度で
ある。ゼロ抵抗温度とは、超電導状態になったために試
料の電気抵抗がゼロになった温度である。第2表で−印
で示し たのは、抵抗−温度測定で超電導転移が観測されなかっ
た場合やゼロ抵抗が観測されなかった場合である。
2表に示した。この表でオンセット温度とは、第1図に
示したように試料の超電導転移の開始温度であり、試料
を冷却していった際に電気抵抗率が低下し始める温度で
ある。ゼロ抵抗温度とは、超電導状態になったために試
料の電気抵抗がゼロになった温度である。第2表で−印
で示し たのは、抵抗−温度測定で超電導転移が観測されなかっ
た場合やゼロ抵抗が観測されなかった場合である。
試料No.1〜4を比較すると、希土類元素LnとしてNd、
Sm、Eu、Gdのいずれを用いても超電導転移を示すことが
わかる。また、試料No.5〜10を比較するとLaの望ましい
組成範囲としては、0<p<5.5であることがわかる。
試料No.5〜13の比較からqの望ましい範囲としては、0.
5<q<7.5であることがわかる。試料No.13〜17を比較
すると、アルカリ土類元素(Ba+Sr)の望ましい組成比
率としては、1.5<r<5.5の範囲であり、また試料No.1
8〜21を比較すると、Ceの組成比率としては、0.5<s<
3.5の範囲が望ましいことがわかる。試料No.22〜29の範
囲から望ましいxの範囲としては、0x1.0であ
り、しかもSr/Baの比率が1のところで最も臨界温度が
高くなることがわかる。第2表に示した特性の比較から
p、q、r、sが、 1.5<p<3.5 2.5<q<4.5 r=4 s=2 0.35<x<0.65 の範囲にある試料No.1〜4、7、25、26では、いずれも
15K以上でゼロ抵抗になり、きわめて良好な超電導特性
を示すことがわかる。
Sm、Eu、Gdのいずれを用いても超電導転移を示すことが
わかる。また、試料No.5〜10を比較するとLaの望ましい
組成範囲としては、0<p<5.5であることがわかる。
試料No.5〜13の比較からqの望ましい範囲としては、0.
5<q<7.5であることがわかる。試料No.13〜17を比較
すると、アルカリ土類元素(Ba+Sr)の望ましい組成比
率としては、1.5<r<5.5の範囲であり、また試料No.1
8〜21を比較すると、Ceの組成比率としては、0.5<s<
3.5の範囲が望ましいことがわかる。試料No.22〜29の範
囲から望ましいxの範囲としては、0x1.0であ
り、しかもSr/Baの比率が1のところで最も臨界温度が
高くなることがわかる。第2表に示した特性の比較から
p、q、r、sが、 1.5<p<3.5 2.5<q<4.5 r=4 s=2 0.35<x<0.65 の範囲にある試料No.1〜4、7、25、26では、いずれも
15K以上でゼロ抵抗になり、きわめて良好な超電導特性
を示すことがわかる。
なお、本実施例に示すように本発明の酸化物超電導材
料は比較的純粋であるので、臨界電流を大きくすること
が可能である。
料は比較的純粋であるので、臨界電流を大きくすること
が可能である。
本発明の第2の実施例における酸化物超電導材料とそ
の製造方法を説明する。
の製造方法を説明する。
第1の実施例で作製した試料No.4を酸素分圧2気圧
(試料No.30)、10気圧(試料No.31)、50気圧(試料N
o.32)、200気圧(試料No.33)の高酸素圧の条件で600C
と400Cでそれぞれ20時間づつ熱処理を行って酸素を吸収
させ、4種の試料No.30〜33を得た。これらの試料No.30
〜33の抵抗−温度特性を第5図に示した。また、オンセ
ット温度と、ゼロ抵抗温度を第3表に示した。
(試料No.30)、10気圧(試料No.31)、50気圧(試料N
o.32)、200気圧(試料No.33)の高酸素圧の条件で600C
と400Cでそれぞれ20時間づつ熱処理を行って酸素を吸収
させ、4種の試料No.30〜33を得た。これらの試料No.30
〜33の抵抗−温度特性を第5図に示した。また、オンセ
ット温度と、ゼロ抵抗温度を第3表に示した。
この結果、熱処理の時の酸素分圧が高いほど、試料の
抵抗率の値が小さくなり、超電導特性も良くなることが
わかる。
抵抗率の値が小さくなり、超電導特性も良くなることが
わかる。
本発明の第3の実施例における酸化物超電導材料とそ
の製造方法を説明する。
の製造方法を説明する。
第1の実施例の試料4の仮焼粉を十分に粉砕し、2mm
×2mm×20mmの直方体にプレス成形した。次いで、この
成形体を炉内で、本実施例では窒素ガスを流通させなが
ら900℃で20時間加熱処理を行なって焼結した。その
後、窒素ガスから酸素ガスに切替えて、50℃/minで冷却
した。冷却時、600℃で20時間、400℃で20時間熱処理を
行い、酸素を十分に吸収させた。熱処理後、そのまま常
温まで放冷した。
×2mm×20mmの直方体にプレス成形した。次いで、この
成形体を炉内で、本実施例では窒素ガスを流通させなが
ら900℃で20時間加熱処理を行なって焼結した。その
後、窒素ガスから酸素ガスに切替えて、50℃/minで冷却
した。冷却時、600℃で20時間、400℃で20時間熱処理を
行い、酸素を十分に吸収させた。熱処理後、そのまま常
温まで放冷した。
炉から取出した試料の抵抗−温度特性を通常の4端子
法で測定した。この試料の超電導の開始温度は37Kであ
り、抵抗率ゼロとなる温度は33Kであった。これらの値
は、酸素ガス中で加熱処理をした試料No.4の場合よりも
高い値であった。また、同様の加熱処理を酸素分圧が0.
1気圧の条件下で行ったが、この場合でも試料No.4より
も臨界温度が高かった(開始温度:36K,ゼロ抵抗温度:31
K)。
法で測定した。この試料の超電導の開始温度は37Kであ
り、抵抗率ゼロとなる温度は33Kであった。これらの値
は、酸素ガス中で加熱処理をした試料No.4の場合よりも
高い値であった。また、同様の加熱処理を酸素分圧が0.
1気圧の条件下で行ったが、この場合でも試料No.4より
も臨界温度が高かった(開始温度:36K,ゼロ抵抗温度:31
K)。
発明の効果 本発明は、従来の(LaBa)2CuO4系超電導材料やLaBa2
Cu3Oy系超電導材料と全く異なる新規な結晶構造を有
し、臨界温度40Kを実現することが可能な酸化物超電導
材料を低コストで製造することができるので、各種セン
サやデバイスなどに応用する際、それぞれの用途に見合
った適当な臨界温度を有する超電導材料を比較的安価に
提供することができる。
Cu3Oy系超電導材料と全く異なる新規な結晶構造を有
し、臨界温度40Kを実現することが可能な酸化物超電導
材料を低コストで製造することができるので、各種セン
サやデバイスなどに応用する際、それぞれの用途に見合
った適当な臨界温度を有する超電導材料を比較的安価に
提供することができる。
第1図は本発明の第1の実施例における酸化物超電導材
料の抵抗−温度特性図、第2図は同材料の粉末X線回折
図、第3図は同材料結晶構造の概略図、第4図は同材料
の熱重量分析(TG)曲線図、第5図は本発明の第2の実
施例における酸化物超電導材料の抵抗−温度特性図であ
る。
料の抵抗−温度特性図、第2図は同材料の粉末X線回折
図、第3図は同材料結晶構造の概略図、第4図は同材料
の熱重量分析(TG)曲線図、第5図は本発明の第2の実
施例における酸化物超電導材料の抵抗−温度特性図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 隆博 東京都江東区東雲1丁目10番13号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 一瀬 中 東京都江東区東雲1丁目10番13号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 八重樫 裕司 東京都江東区東雲1丁目10番13号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 山内 尚雄 東京都江東区東雲1丁目10番13号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 田中 昭二 東京都江東区東雲1丁目10番13号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】少なくとも、La、Ln(Nd、Sm、Eu、および
Gdから選ばれた少なくとも一種)、Ba、Sr、Ce、Cu、O
の元素から構成され、組成式がLapLnq(Ba1-xSrx)rCes
Cu9O30-zで表され、p、q、r、s、xが次の条件 p+q+r+s=12 0<p<5.5 0.5<q<7.5 1.5<r<5.5 0.5<s<3.5 0x1.0 を満たすものである酸化物超電導材料。 - 【請求項2】p、q、r、s、xが次の条件 1.5<p<3.5 2.5<q<4.5 r=4 s=2 0.35<x<0.65 を満たすものである請求項1記載の酸化物超電導材料。
- 【請求項3】少なくとも、La、Ln(Nd、Sm、Eu、および
Gdから選ばれた少なくとも一種)、Ba、Sr、Ce、Cu、O
の元素から構成され、組成式がLapLnq(Ba1-xSrx)rCes
Cu9O30-zで表され、p、q、r、s、xが次の条件 p+q+r+s=12 0.0<p<5.5 0.5<q<7.5 1.5<r<5.5 0.5<s<3.5 0x1.0 を満たすものである組成物を、酸素雰囲気で加熱処理を
行って焼結し、加熱処理後、酸素雰囲気中で700℃以下3
00℃以上の温度で熱処理を行って酸素を吸収させること
により酸化物超電導材料を製造することを特徴とする酸
化物超電導材料の製造方法。 - 【請求項4】酸素分圧が、0.1気圧以下の条件下で加熱
処理を行って焼結する請求項3記載の酸化物超電導材料
の製造方法。 - 【請求項5】酸素分圧が、1気圧を越える条件下で熱処
理を行って酸素を吸収させる請求項3記載の酸化物超電
導材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1168922A JP2618046B2 (ja) | 1989-06-29 | 1989-06-29 | 酸化物超電導材料とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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