JP2616915B2 - 中和糖タンパク質のペプチド - Google Patents

中和糖タンパク質のペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ロータウイルスの主要外側キャプシツド中
和糖タンパク質(ウイルスタンパク質7、すなわちVP
7)のペプチド断片と、ロータウイルスの内側またはヌ
クレオキャプシッドタンパク質(ウイルスタンパク質
6、すなわちVP6)のペプチド断片と、ロータウイルス
の外被タンパク質(ウイルスタンパク質3、すなわちVP
3)と、これらの鳥類およびヒトを含む哺乳類における
ワクチンとしての利用に関する。本発明はさらに、ロー
タウイルスに関係するペプチド断片の製造と、担体への
ペプチドの吸着と、これらのワクチンとしての利用に関
する。VP3の別の特徴は、トリプシンを得るためにロー
タウイルスと争う能力を有することである。これにより
ウイルス伝染力が妨害される。従って、VP3ペプチド
は、治療に利用することもできる。
(従来の技術、および発明が解決しようとする問題点) ロータウイルスは、鳥類およびヒトを含む動物類にお
ける胃腸疾患および下痢の主要な要因である。ロータウ
イルスゲノムは、二重鎖RNAの11個の区画からなる。こ
れら11個の遺伝子は、ウイルスの少なくとも6個の構成
タンパク質の製造の遺伝暗号を指定する。無傷のウイル
スの分子において、これら6個のタンパク質は、二重被
構成で発生する。内被タンパク質は3種あり、これらは
ウイルスタンパク質(VP)1,2,6で示される。外被タン
パク質も3種あり、これらのうち2個はVP3,VP7で示さ
れる。第3の外被キャプシッドタンパク質は、ゲノム区
画10または11によって遺伝暗号が指定され、まだ符号が
付されていない。
これらのタンパク質の分子量は、第1表に示す通りで
ある。
例えば、区画7,8,9電気泳動的順序は、ウイルスが得ら
れる動物の種類によって異なる。これは、ゲノム区画の
逆転またはフリップフロップと称される。久賀7,8,9に
よって形成される遺伝子トリプレットは、ウイルスタン
パク質(VP)7と称される中和特性の主要外側キャプシ
ッド糖タンパク質と、表中に記載していない2種の非構
造タンパク質との、合計3種のポリペプチドについて遺
伝暗号を指定する。ロータウイルス鎖SA−11,W,Waにお
いては、遺伝子9がVP7の遺伝暗号を指定する。逆に、
ロータウイルス鎖DS−1およびUKウシロータウイルスに
おいては、遺伝子9がVP7の遺伝暗号を指定する。VP7お
よび他のロータウイルスタンパク質の正確な分子量につ
いては、文献によって相違がある。数人の研究者には、
この原因は一部には、(1)各々のポリペプチドを分離
し、(2)電気泳動用にウイルスのサンプルを準備し、
(3)ポリアクリルアミドゲル中にポリアペプチドを検
出し、(4)一次遺伝子生成物の各種の後翻訳修飾を検
出するという各段階において、使用する方法が多様なた
めであるとしている。さらに、特にウシおよびヒトのロ
ータウイルスについては、同一種の異なる分離物から得
られたタンパク質の移動性は、それぞれ異なる。第1表
に示す分子量は、Sabara等によって報告された(Jouhna
l of Virology,1985年第53巻58〜66ページ)ものであ
る。
(b)無傷のロータウイルス分子の内側のキャプシッド
または外側キャプシッド中の構造タンパク質の位置を表
す。
本発明は、VP7,VP6,VP3のペプチドサブユニットに着
目する。
a)ウイルスタンパク質7(VP7) 主要外被ポリペプチドVP7は、非還元形態で約38,200
(38,2K)、還元形態で約41,900(41.9K)の分子量を有
する糖タンパク質である。この糖タンパク質は、ウイル
スに対する中和抗体を発生させる主要抗原であるとされ
ており、細胞へのウイルス吸着も発生させる。
ロータウイルスには各種の血清型が発生し、これらは
VP7によって刺激される中和活動で定義される。これま
でのところ、7種の血清型が同定されている。これらの
うち4種(血清型1〜4)は、ヒトにおいて発見されて
おり、5種(血清型3〜7)は動物において発見されて
いる。これら血清型の相違の重要性は不明である。最近
の研究では、動物とヒトとの両方において、異なる血清
型に属する系統中において干渉効果が発生することが示
されている。この干渉効果は、血清型とは独立したVP7
の共通抗原デテルミナントが存在するために発生する。
また、血清型特異性の原因となるVP7(エピトープ)内
の特定のアミノ酸配列順序は、干渉効果の原因となるあ
る種の交叉反応抗体を生成することもある。
38.2/41.9Kの分子量を有するVP7は、約325のアミノ酸
(第1図)から構成される。いくつかの異なるロータウ
イルスの分離体のVP7からなるアミノ酸配列順序は決定
されており、アミノ酸相同の程度は75〜86%である。こ
れらVP7の配列順序の比較から、アミノ酸配列順序が変
化するいくつかの領域が明らかになる。しかし、本開示
以前には、これら断片のいかなるものも、または他のい
かなる同様の自然物質および合成物質も、生体内におけ
る予防効果を表すために使用されていない。
中和モノクロナル抗体を使用するVP7のエピトープマ
ッピングにより、中和吸収ドメインを約14,000(14K)
の分子量の成分ペプチドに局所化した。精製したこの14
Kのペプチドは、マウスにおける中和抗体の形成を刺激
した。このペプチドの二次構造は、ジスルフィド架橋に
よって決定され、抗原性を維持するために必要である。
この14Kペプチド内には、4種のエピトープが同定され
た。これらは、VP7の生物学的活動の一部を有してお
り、無傷のロータウイルスの分子を有している。
b)ウイルスタンパク質6(VP6) 分子量45Kのヌクレオキャプシッドタンパク質は、外
側キャプシッドの必須成分ではないが、同様に重要な抗
原である。これは、補体結合、ELISA、免疫粘着凝集反
応検定、特異モノクロナル抗体などの各種の技術を使用
することによって、サブグループ抗原として同定されて
いる。45Kのヌクレオキャプシッドは、共通ロータウイ
ルスグループ抗原としても説明される。これは、いくつ
かのモノクロナル抗体がすべてのロータウイルスと反応
し、単一のロータウイルスタイプに対して発生されたポ
リクロナル血清が他のほとんどのロータウイルス系統を
検出できるためである。ヌクレオキャプシッドタンパク
質は、抗原特性に加えて、非常に免疫性があり、何人か
の研究者はこのタンパク質に対して発生されたポリクロ
ナル血清は中和能力を持っていることを発見している。
ウシロータウイルス内において、VP6は、非共有相互
作用からなるサブユニット関連鎖を有して、ウイルス分
子と感染細胞との両方内において、トリマー体として存
在する。これらトリマー体は、ジスルフィド架橋によっ
て、さらに大きなユニットに複雑化されている。この大
きなユニットはリング状の構造であることが、何人かの
研究者によって電子顕微鏡を使用して観察されている。
異なるサンプル緩衝剤を使用することにより、これらヌ
クレオキャプシッド複合体は、ポリアクリルアミドゲル
状に明視化できる。
低い中和能力を有する4種のVP6特異モノクロナル抗
体を製造した。これらは、モノマー体およびトリマー体
と反応し、中和の原因となった場所が露出されたことを
示した。ウイルス分子におけるヌクレオキャプシッドの
形態を考慮すれば、このような場所は、二連形態におい
て、リング状構造につき少なくとも潜在的に18度出現さ
れ得る。放射性標識ウイルスをさらに分析した結果、高
い割合(80%)の伝染力のあるウイルス分子は、モノク
ロナル抗体がVP6を認識しウイルス分子を免疫沈降する
範囲において、部分的に二重被であることが分かった。
しかし、これら抗体結合伝染性ウイルスの幾分かは、抗
体によって中和され得る。以上の結果から、VP6の高い
免疫性と、低い中和能力とが説明される得る。
また、VP6特異モノクロナル抗体は、サル(SA−1
1)、ブタ(OSU)、ウシ(UKおよびNCDV)、アカゲザル
(RRV)、およびヒト(WaおよびST4)のロータウイルス
分離片と交叉反応する。これらウイルスは異なるサブグ
ループに属するため、モノクロナル抗体は共通抗原性の
場所を認識していると考えられる。
すでに刊行されているウシ、サル、およびヒトのロー
タウイルスのVP6のアミノ酸分析と、ウシロータウイル
スタンパク質のタンパク質分解消化物および化学分裂と
を併用することにより、本発明者のモノクロナル抗体に
よって認識された抗原性場所を同定した。完全なVP6
は、397のアミノ酸の長さである(第2図)。VP6の最も
小さな抗体反応性断片は、約6,300(6.3K)の分子量を
有しており、位置40−97における57のアミノ酸で構成さ
れていた。さらに分析の結果、6.3Kの断片内における推
定のサブグループ特異場所が、位置40−60のアミノ酸の
間にあることが示された。
c)ウイルスタンパク質3(VP3) ロータウイルスの外被ポリペプチドVP3は、776のアミ
ノ酸からなるタンパク質であり、その分子量は、非還元
形状において82,000(82K)、還元形状において84,000
(84K)である(第3図)。このペプチドは、ウイルス
に対して中和抗体を引き起こす主要抗原でありることが
分かった。また、このタンパク質は、赤血球を凝集させ
る能力を有し、VP7と共にウイルス血清型を決定する原
因である。
ロータウイルス複製の最初の段階は、二つの要件を含
む。つまり、標的細胞へのウイルス分子の吸着と、その
細胞内におけるウイルス分子の侵入/脱外被とである。
酵素トリプシンは、ウイルスの伝染力を強化する。しか
し、この強化は吸着の後で実行されると思われる。これ
は、トリプシンが、細胞へのウイルス吸着の効率あるい
は速度に影響を与えず、細胞内に見つけられる脱外被さ
れた分子のレベルを上昇させるからである。トリプシン
で伝染力が強化された分子機構は、約84,000分子量を有
するVP3タンパク質が分子量約28,000と60,000との二つ
の断片に分裂することを介して発生される。従って、VP
3のトリプシン分裂場所は、ロータウイルス複製におい
て重要である。
776のアミノ酸からなるウシロータウイルスのVP3の配
列順序を明らかにした。サルVP3の部分的なアミノ酸配
列順序も決定された(第3図)。これらのVP3タンパク
質のアミノ酸配列順序を比較すると、トリプシン分裂場
所(第3図の枠内)を模造するペプチド断片は、ウイル
スのこれら二つの分離片の間に保存されていることが分
かる。この領域は、ほとんどのロータウイルス中に保存
されていると思われる。その理由は、ほとんどのロータ
ウイルスが、それらの伝染力を強化するためにトリプシ
ンを必要とするためである。
本発明者等は、第3図に示すトリプシン分裂場所に対
応するペプチドを合成した。合成ペプチドは、三つの顕
著な特性を示す。
第1に、その合成ペプチドは、動物において、ウイル
スを中和する抗体の形成を刺激する。
第2に、その合成ペプチドは、VP6モノマータンパク
質体およびオリゴマータンパク質体への結合を介して、
ウシロータウイルスに結合できる。このタイプの結合の
実際的な応用としては、担体にVP6タンパク質を使用
し、この合成ペプチドに対する免疫応答、および一致結
合構造を含む他の合成ペプチドに対する免疫応答を強化
することが考えられる。VP6とペプチドとの間の相互作
用は、硫酸デドシルナトリウム中における煮沸などの厳
しい処理に耐え得るので、ワクチン製造において適切に
安定であり得る。また、抗原性でありかつ非常に免疫性
である担体を使用すれば、ロータウイルスタンパク質
は、ワクチン製造において、少ない免疫原を使用して
も、疫病に対するより良い防御を実現できる可能性が高
い。
合成ペプチドの第3の重要な特徴は、それがトリプシ
ンによって分裂され得ることであり、このためそれが真
正のVP3のタンパク質のように行動することである。合
成ペプチドは、トリプシンを得るために天然の84,000タ
ンパク質と有効に争うので、伝染力がある限度に押えら
れる。この事実から、合成ペプチドは、新生児の胃腸炎
に対する治療剤としても価値がある。
本明細書においては、従来と同様に、所定の配列順序
におけるアミノ酸の位置には、当該配列順序内のアミノ
酸残基の数に等しいN末端からその位置まで連続する数
が割り当てられる。合成の配列順序を考慮する上で、天
然ポリペプチドまたは天然ポリペプチドの一部に対する
のと同様に、天然ポリペプチドの番号付け方法を利用し
て合成配列順序の番号付けを行うことが一般に都合がよ
い。ただし、合成配列順序は、天然の配列順序とは異な
る場合がある。
他の系統においては、特定のウイルスタンパク質の断
片に対応する短い合成ペプチドが、完全なタンパク質の
抗原特性を持つことが認められていた。このため、合成
抗原は、インフルエンザ、灰白脳炎、脚炎および口炎、
およびB型肝炎などの各種ウイルスに対して抗体を刺激
するために使用されてきた。本発明者等は、前記したよ
うに、ロータウイルスの合成ペプチドについて同様の特
性があることを示してきた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、ロータウイルスのペプチドVP7、VP6、およ
びVP3が、重要な生物学的活動を有するという発見に基
づいている。VP7の14Kペプチドと、その中の中和アミノ
酸配列順序(エピトープ)からなる短いペプチドとは、
全ロータウイルス糖タンパク質の免疫活動の少なくとも
実質的な部分、またはロータウイルス自身を示す。同様
に、VP6の6.3K断片とその中の短いペプチドとは、やは
り中和特性を有する。本発明は、さらに、VP3の合成ペ
プチドに関する。この合成ペプチドは、そのタンパク質
のトリプシン分裂場所に対応し、次のような三つの重要
な特性を有する。
1)ウイルスに対する中和抗体の形成を刺激する。
2)VP6タンパク質を介してウイルス分子に結合する。
3)トリプシン分裂場所を模造する。分裂場所におい
て、トリプシンによって分裂され得るので、トリプシン
を得るためにウイルスと争い、それによって伝染力を妨
害する。
短いペプチド(エプトープ)は、直接または融合タン
パク質として合成することができる。一方、14Kペプチ
ドおよび6.3Kペプチドは、融合タンパク質としてのみ製
造できる。ペプチドは、異種構造のタンパク質として製
造されると、ウイルス起源の他のタンパク質および伝染
性物質自体から基本的に独立しているので、疫病が伝達
される恐れ無しに、ワクンチンとして使用できる。さら
に、これらペプチドは、動物起源の他のタンパク質物質
から独立している。
本発明は、従って、免疫性融合ポリペプチドと、アミ
ノ酸配列順序を有する合成ペプチドとからなる。このア
ミノ酸配列順序は、ロータウイルスVP7,VP6,およびVP3
の配列順序の少なくとも一部に対応する。これらのペプ
チドは、すべて免疫性を示し、この免疫性は中和ロータ
ウイルス抗体の構造を刺激するために十分なものであ
る。従って、本発明は、ペプチドからなる合成物であっ
て特にワクチンとして有用な合成物と、このワクチンを
使用してロータウイルスの伝染に対して鳥類および動物
類を免疫化することを目的とする。さらに、VP3のペプ
チドは、トリプシンを得るためにウイルスと争い、これ
によってウイルスの伝染力を妨害し、治療剤として働
く。
第1段階は製造することであり、合成または組換えDN
A法によって、ロータウイルスVP7、VP6またはVP3の抗原
断片に対応するペプチドを製造する。これらペプチド
は、次に適切な担体に吸着され、これがワクチンとして
使用される。ワクンチンの接種は、中和ロータウイルス
抗体の製造を促し、感染に対して予防を行う。
下記のアミノ酸配列順序を有するペプチドは、ロータ
ウイルス中和抗体の形成を刺激する。
a)ウイルスタンパク質7(VP7) ペプチド165−295 ウシロータウイルスの14K断片のアミノ酸配列順序
は、第1図の枠内に示す。この分子量14,000(14K)の
断片は、アミノ酸165−295にわたっており、完全なVP7
の免疫的活動の多くの原因であることが発見されてい
る。さらに、ウイルスを中和しかつ宿主細胞へのウイル
スの吸着を阻止する抗体を誘発する能力を示す。この14
K断片は、サイズが大きく(130のアミノ酸残基)、複数
の抗原デテルミナントを備える。これら抗原デテルミナ
ントのいくつかは、ロータウイルスの異なる系統への配
列順序の変更または可変性を実行する領域内にあり(可
変系統−特異領域)、他のデテルミナントは、共通であ
るかまたは各種の系統内に保留された領域内ある(保留
領域)。両タイプの領域に対応するペプチドは、ワクチ
ンの製造に使用可能であり、次のものを含む。
ペプチド174−183 Try−Gln−Gln−Thr−Asp−Glu−Ala−Asn−Lys ペプチド(178−181)−(251−259) Asp−Glu−Ala−Asn−Lys−Lys−Leu−Gly−Pro−Arg−
Glu−Asn−Val−Ala ペプチド247−259 Arg−Asn−Cys−Lys−Lys−Leu−Gly−Pro−Arg−Glu−
Asn−Val−Ala ペプチド275−295 Pro−Thr−Thr−Ala−Pro−Gln−Thr−Glu−Arg−Met−
Met−Arg−Ile−Asn−Trp−Lys−Lys−Trp−Trp−Gln−
Val b)ビールスタンパク質6(VP6) ペプチド40−97 Thr−Mer−Asn−Gly−Asn−Glu−Phe−Gln−Thr−Gly−
Gly−Ile−Gly−Asn−Leu−Pro−Ile−Arg−Asn−Trp−
Asn−Phe−Asn−Phe−Gly−Leu−Gly−Thr−Thr−Leu−
Leu−Asn−Leu−Asp−Ala−Asn−Tyr−Val−Glu−Thr−
Ala−Arg−Asn−Thr−Ile−Asp−Tyr−Phe−Val−Asp−
Phe−Val−Asp−Asn−Val−Cys−Met この分子量6,300(6.3K)の断片は、アミノ酸40−97
にわたっており(第2図の枠内に示す)、モノクロナル
抗体と反応した。このモノクロナル抗体は、無傷のウイ
ルスを免疫沈降し中和した。この57個のアミノ酸の範囲
内において、より短い配列順序もやはり中和抗体の形成
を刺激するので、ワクチンとして有用である。このより
短いペプチドのアミノ酸配列順序は次のとおりである。
ペプチド40−60 Thr−Met−Asn−Gly−Asn−Glu−Phe−Gln−Thr−Gly−
Gly−Ile−Gly−Asn−Leu−Pro−Ile−Arg−Asn−Trp−
Asn c)ウイルスタンパク質3(VP3) ペプチオ232−256 Asn−Ile−Ala−Pro−Ala−Ser−Ile−Val−Ser−Arg−
Asn−Ile−Val−Tyr−Thr−Arg−Ala−Gln−Pro−Asn−
Gln−Asp−Ile−Ala このペプチドは、VP3のトリプシン分裂場所にわたっ
ている。そのVP3のアミノ酸配列順序内の位置は、第3
図の枠内に示す。
本発明における、14Kおよび6.3Kのポリペプチドと、
それらのVP7およびVP6各々の成分ペプチドと、VP3のト
リプシン分裂場所に対応するペプチドとは、鳥類および
ヒトを含む動物類のロータウイルス伝染の予防および制
御または診断に使用することができる。これらペプチド
と、それらの組み合わせと、それらの変更形態とは、当
業者には高知の担体に吸着され、受動免疫および能動免
疫のいずれか用のワクチンとして効果を有する。さら
に、VP3のトリプンシン分裂場所に対応するペプチド
は、治療剤として使用され、ウイルスの伝染を阻止また
は妨害とする。
本発明において、実験用動物における中和抗体は、キ
ーホールカサ貝へモシアニンに共有結合したペプチドに
よって誘発されることが発見された。当業者に知られて
いる他の天然または合成の担体を使用し、本発明のペプ
チド配列順序との接合を作ることもできる。「担体」と
は、当業者においておよび文献において認められている
定義であり、「カプラー」、「タンパク質担体」、「ハ
プテン担体」とも称される。本発明に基づき使用される
天然の担体は、既知のものであり、代表的には、キーホ
ールカサ貝へモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン
(BSA)、オバルブミン(OVA)、ベータガラクトシダー
ゼ、ペニシリナーゼなどである。合成担体は、代表的に
は、マルチポリDLアラニルポリLリジン、ポリLリジン
などである。また、VP3のトリプシン分裂場所に対応す
る合成ペプチドは、それ自身が各種の形状においてVP6
に結合することが発見された。従って、VP6も担体とし
てVP3のトリプシン分裂場所に対応する合成ペプチド用
に使用できる。これは、VP3のトリプシン分裂場所のア
ミノ酸配列順序を各種の巨大分子に内蔵させ、この場所
を介してVP3ペプチドをVP6に結合させることにも使用で
き、これによって巨大分子の免疫性を向上することがで
きる。
一般に、本発明のペプチド配列順序は、大きな合成物
の分子に共有結合される。または、そのペプチドと大き
な合成物とが組換えDNA技術によって共に構成されてい
る場合は、本発明の配列順序は、他の別の方法で大きな
合成物に結合される。例えば、大きな合成物がベータガ
ラクトシダーゼやペニシリナーゼなどのポリペプチドで
ある場合、本発明のペプチドはその合成物のアミノ酸鎖
の中に介在される。また、本発明のペプチドは、組換え
DNA技術によって多重繰返しにおいて合成され、免疫性
領域を含む繰返しエピトープのポリペプチドを作る。
本発明は、さらに、生物学的に活性な合成物を含む。
この合成物は、ペプチド(抗原)と免疫刺激性またはア
ジュバンドからなり、ペプチドは免疫刺激剤と共に投与
される。フロイントの完全アジュバンド、水酸化アルミ
ニウム、およびリポソームが、そのような免疫刺激剤の
例である。その他天然および合成の免疫刺激剤が、当業
者には良く知られている。抗原およびアジュバンドの投
与は、同時でなくとも良い。一方の一部または全部を先
に投与してもよい。
本発明のペプチドは、既知の方法に従って処方され、
医薬的に有用な合成物が作られ、そのポリペプチドが医
薬的に許容され得る担体賦形剤に混合して結合される。
適切な賦形剤およびその処方は、E.W.Martinによる「Re
mingtons Pharmaceutical Science」に説明されてお
り、本明細書にもそれを参考として取り上げた。このよ
うな合成物は、有効量のポリペプチド生成物と、適切量
の担体賦形剤とを含んでおり、医薬的に許容できる合成
物を作ることができ、宿主への効果的な投与を可能にす
る。投与の好適なモードとしては、非経口モードがあ
る。動物に対する適切な保健的処方は、医薬的合成物の
場合のように、必要な変更を加えて準備される。
本発明のワクチンは、本明細書に説明する方法で製造
した適切なポリペプチドまたはペプチドを内蔵し、既知
の方法に基づいて製造することができる。前記ポリペプ
チドまたはペプチドは、適切な賦形剤に混合され結合さ
れる。適切な賦形剤としては、例えば、塩水溶液、各種
の既知のアジュバンド、またはウイルスの伝染防止用の
合成物中に使用されているその他の承認添加物である。
このようなワクチンは、有効量の前記ポリペプチドまた
はペプチドと、適切量の賦形剤とを含み、宿主への効果
的な投与のためのワクチンが作られる。1978年に米国バ
ルチモアのUniversity Park PressからA.VollerとH.Fri
edmanとの編集によって発行された「New Trends and De
velopments in Vaccines」も重要であり、ワクチンを準
備する上での背景技術を説明すため、本明細書に参照と
して取り上げた。
ペプチドは、合成ペプチドのいかなる従来技術に基づ
いても準備することができる。固相処理または液相処理
のいずれも使用可能である。このような合成ペプチド用
の処理は、例えば、米国ニューヨークのAcademic Press
社のE.GrossおよびJ.Meinhaffer編集の「The Peptide
s」第2巻(1984年)に説明されている。
これらのアミノ酸配列順序に対応するDNA配列順序
を、例えばpBR322などの当業者に知られているベクター
にクローンコピーすることもできる。これは、このプラ
スミドが用意に短い長さのDNAを受容するからであり、
例えばEコリHB101などの宿主内における成長が、ポリ
ペプチドの発現を許可するからである。このポリペプチ
ドの発現は、さらに、DNA中への促進剤の含有や他の公
表されている方法によって強化できる。従って、本発明
は、さらに、複製可能なDNA発現ベクターを目的として
おり、このベクターは、発現可能な形式においてポリペ
プチド用の暗号を当える遺伝子配列を含む。本発明は、
また、微生物、菌株、または当業者に知られた発ベクタ
ーと共に変形された細胞形などの組換え宿主細胞を目的
とすると共に、それらの培養を目的とする。
本明細書に説明する配列順序のすべては、単に例示的
なものであり、関連する抗原デテルミントや配列順序な
どの限定された従来のアミノ酸変化が導入される他の合
成物も使用可能である。
(実施例) a)VP7の14Kポリペプチド 免疫化に使用するための各種抗原を作るために、ウシ
ロータウイルス(分離片C486,サブクローン13)をMA−1
04細胞内において増殖し、遠心分離によって精製した。
1ミリグラムの精製した二重被のウイルスは、次に、10
%の予備ポリアクリルアミドゲル上で分別した。38.2K
の糖タンパク質が、クーマシーブルーでゲルの側片を染
色することにより、ゲル上に局所集中した。この糖タン
パク質を抽出するために、ゲル片を電気溶出した。
14Kポリペプチドは、38.2Kの糖タンパク質(VP7)を
5%積層20%溶解のポリアクリルアミドゲルの井戸内に
置くことによって作った。13cmx1cmのゲル片は、ゲル濃
度130μg/cmにおいて、パパイン(米国カリフォルニ
ア、サンジェゴのCalbiochem−Behring社製)によって
通常の方法で処理した。これは、これが第4図(帯B)
に示すように、最良の14Kポリペプチドを作るからであ
る。38.2Kの糖タンパク質の電気泳動および原位置の酵
素消化は、Cleveland等の明細書に基づき実行した(J.B
iol.Chem.252:1102−1106,1977年,D.W.Cleveland,S.G.F
isher,Kirschner,およびU.K.Laemmliによる「Peptide m
apping by limited proteolysis in SDS and analysis
of gel electrophoresis」)。次に、あらかじめ染色し
た分子量マーカを使用し、14.3Kと18.4Kのマーカの間の
最大分離の時を明視化した。14Kポリペプチドの局所集
中は、分子量マーカを使用してさらに実行された。ペプ
チド断片は、次にゲル切片から電気溶出され、タンパク
ク質が決定された。ペプチドの真正さと純粋製との確認
は、ポリアクリルアミドゲル上においてそのプロフィー
ルを検査し(第4図、帯C)ハイブリドーマ11D12−6
からのモノクロナル抗体との反応によって(第4図、帯
D)行った。
電気溶出された14Kポリペプチドは、次に、凍結乾燥
され、製剤の一部は次のようにしてウシ血清アルブミン
(BSA)に接合された。1ミリグラムのペプチドをまず1
25μlの0.1M,PBS,pH7.4に溶解した。BSA溶液は、1.25m
gのBSAを600μlの0.1M,PBS,pH7.4中に溶解させること
によって作られ、これに2.5Mグルテンアルデヒド溶液と
ペプチド溶液とを15分間にわたって連続的に滴下して加
えた。この反応混合体は、室温において24時間にわたっ
て静かに撹拌され、無菌蒸留水に対して全体的に透析さ
れた。接合したペプチドの凍結乾燥は、ピンク色の粉末
を作り、これを−20℃において除湿環境に貯蔵した。
すべての抗体が準備された後、10匹のマウス(マサチ
ューセッツ州ウィルミントンのCharles River)のグル
ープを、第2表に示したプロトコルに従って、BSA無接
合ポリペプチド、BSA接合ポリペプチド、伝染性二重被
ウイルス、または精製VP7で免疫化した。投与すべき抗
原の量は、等モル濃度を基本として決定した。異なる抗
体原に体する抗体の反応は、抗原としてウシロータウイ
ルス(分離片(C486、サブクローン12および13)を使用
すELISAおよびイムノブロットELISA、および血清中和検
定によって特徴づけた。
第5図の上枠に示すように、すべての使用した抗原に
対して抗体の著しい反応があた。特に、VP7(38.2K糖タ
ンパク質)と14Kポリペプチド断片との間に類似の反応
があった。14Kポリペプチドの担体への接合は、それを
行わなくても良好な抗体反応を引き起こすことも分かっ
た。これは、大きなサイズのポリペプチド断片のためで
あり、これがB細胞デテルミナントとT細胞デテルミナ
ントを含む可能性を高めるためと思われる。
14K断片によって免疫化された動物は、61日目におい
て、伝染性の二重被ウイルスによって刺激した。これ
は、断片の免疫反応を促進する可能性を調査するために
行われた。すべての血清を分析した後、動物はペプチド
に体する良好な抗体反応を示したが、これら動物は同時
に、わずかではあるが、伝染性ウイルスが投与された後
(68日)追加反応を示した。このような結果は、14Kポ
リペプチドだけでも評価できる抗体力価を引き起こせる
ことを示すので、好ましいものである。さらに重要なの
は、これら抗体が中和能力を持っていたことである。グ
ループA−Dからの血清は、中和抗体を有しており(第
5図下枠)、最良の反応は、伝染性ウイルスで免疫化さ
れた動物(グループD)によってもたらされた。ELISA
によって測定した合計抗体力価と、中和抗体力価とは、
ポリペプチドの接合形態と非接合形態との両方について
同様であった。68日目において、すべてのグループを伝
染性ウイルスにさらした後、中和抗体力価は、51日目に
観測されたものよりわずかに上昇した。これは、ウイル
スに対する各後続の暴露が免疫反応を刺激したか、また
は中和反応を引き起こす能力を有する抗原が伝染性ウイ
ルス上にあることを示唆している。このような抗原とし
て最も考えられる候補は、小外被タンパク質(VP3,分子
量84K)と、大内被タンパク質VP6(分子量45K)とであ
る。多くの報告書が、これら両方のタンパク質が、主要
糖タンパク質よりも小量ではあるが、中和抗体を含む能
力があることを報告している。実際に、このことは、68
日目においてイムノブロットELISA反応によって示され
るように、45Kへの抗体の存在によって支持される。た
だし、84Kタンパク質への抗体は検出できなかった(第
6図)。
下記に述べるように、45K抗原への単一特異的抗体と
モノクロナル抗体とは、中和能力を示した。
37日目、51日目、および68日目において各グループか
ら選択いた動物の血清のイムノブロットELISA反応は、
第6図に示す通りである。すべての血清は、免疫化の前
に得たものと負の制御グループ(E)とを除いて、VP7
への抗体を有していた。抗ペプチド抗体は、ウシロータ
ウイルス分離片C486内に存在する糖タンパク質種の一種
のみから作られた14Kポリペプチドに発生されたが、親
分離片C486のタンパク質プロフィール中に存在する両種
の糖タンパク質と反応した。これは、非常に重要であ
る。その理由は、分離片C486の二つのサブクローンのゲ
ノムRNAの電気泳動分析は、この糖タンパク質について
遺伝暗号を指定する対応遺伝子の動作が異なることを示
したからである。しかし、この遺伝子的な異質性にもか
かわらず、14Kポリペプチドは、ほとんどの場合、BRV分
離片C486サブクローン12および13の二種の糖タンパク質
の間に保留される。他の興味ある観測は、同様の強さ
が、抗ペプチド抗体を有する糖タンパク質種の反応によ
って示されたことである。これは、14Kポリペプチドが
糖タンパク質の免疫支配領域を代表するかもしれないこ
とを示唆する。
14Kポリペプチド内の成分ペプチド 適切なペプチドを合成するため、14K分子量のポリペ
プチド断片をVP7内に局所集中させる必要があった14Kポ
リペプチドの次のような特性を考慮し、この局所集中を
完成させた。すなわち14Kペプチドは、i)炭水化物部
分と、ii)大きなジスルフィド架橋と、iii)異なるロ
ータウイルス血清型の述化で比較的保留された領域と、
iv)親水性の領域と、v)潜在免疫性領域とを有すると
いう特性である。さらに、キモトリプシントと、ブドウ
球菌アウレウスV8プロテアーゼと、パパインと、臭化シ
アンとを使用する糖タンパク質の部分的なタンパク質分
解により得られる分裂パターンは、14Kポリペプチド断
片の配置を助けた(第7図)。
ネブラスカ子牛下痢ウイルス(NCDVウシロータウイル
ス)のアミノ酸配列順序は、C486ウシロータウイルスに
よって高い核酸相同を示し、同じ血清型を有するが、こ
れを使用してアミノ酸配列順序の165−295にわたる領域
に14Kポリペプチド断片をマップした。対応するNCDV糖
タンパク質の心酔性プロットは、この領域内にいくつか
の親水性領域を同定した。これに基づき、ウシロータウ
イルスのVP7上のアミノ酸残基174−183,共にスプライス
された178−181と251−259,247−259,および275−295に
対応する4個のペプチドは、Merrifieldの固相ペプチド
合成法によって合成された。
各ペプチドの特異アミノ酸配列順序は次の通りであ
る。
ペプチド175−183 Try−Gln−Gln−Thr−Asp−Glu−Ala−Asn−Lys ペプチド(179−183)−(251−259) Asp−Glu−Ala−Asn−Lys−Lys−Leu−Gly−Pro−Arg−
Glu−Asn−Val−Ala ペプチド247−259 Arg−Asn−Cys−Lys−Lys−Leu−Gly−Pro−Arg−Glu−
Asn−Val−Ala ペプチド275−295 Pro−Thr−Thr−Ala−Pro−Gln−Thr−Glu−Arg−Met−
Met−Arg−Ile−Asn−Trp−Lys−Lys−Trp−Trp−Gln−
Val 各ペプチドの純度は、薄層クロマトグラフィーと逆相
高性能液体クロマトグラフィーとを使用して査定した。
また、高速原子ボンバード質量分析を使用して分子量を
確認した。
合成ペプチドの反応性および特異性は、下記の各方法
によって決定した。
1)抗VP7単一特異的血清によるELISA。これは、VP7に
ついてのペプチドの特異性を示す(第3表)。
2)中和糖タンパク質(VP7)についての特異的であっ
てウイルス吸着を阻止する能力を有するモノクロナル抗
体によるELISA。これは、VP7の異なる領域またはエピオ
ープについてペプチドの特異性を示す(第3表)。
3)吸着阻止検定。これは、二つのペプチド247−259と
275−295とがMA−104細胞へのウイルスの吸着を阻止し
たことを示し、他の二つのペプチドが阻止しなかったこ
とを示す(第8図)。
合成ペプチドの免疫性は、マウスにおいて次のように
示された。
ペプチド174−183は、N末端結合ペプチドを作るビス
ジアゾ化トリジンを連鎖を介してキーホールカサ貝へモ
シアニン(KLH)に接合した。他の3個のペプチドは、
N末端結合ペプチド接合を作るNマレイミドベンゾイル
N′ヒドロキシスクシンイミドエステルを介してKLHに
接合した。各ペプチドは、第4表に示すスケジュールに
基づき、10匹のCD−1マウスのグループに投与された。
グループ1−4の各マウスは、フロントのアジュバン
ト中のKLH接合ペプチドを100μgずつ与えられた。グル
ープ5は、フロントのアジュバンド中の4KLH接合のペプ
チドを25μgずつ与えられた。グループ6は、1.6μg
の伝染性二重被ロータウイルスを与えられ、グループ7
は負の制御グループであり、塩水を加えたフロイントの
アジュバンドを与えられた。抗原製剤は、6週間の期間
にわたって3度投与され、マウスは各免疫化の前に採血
された。
ポリペプチドによってマウス内に誘発された抗体の反
応性および特異性は、無傷のロータウイルス分子と、独
立した対応ペプチドとに反応した。二重被ロータウイル
ス(第9図上枠)および独立した対応ペプチド(第9図
下枠)は、ELISAによって決定された。4種のペプチド
は、すべて抗体を発生させた。これら抗体は、最初の免
疫化の後、ロータウイルスと反応した。それに続く免疫
化は、すべてのグループにおいて反応を上昇させた。各
対応ペプチドへの抗ペプチド抗体は、最初の免疫化の後
で発生され、すべてのKLHペプチドが免疫性であること
を示した(下枠)。
ペプチドのうち二種に体するマウス抗体は、ウイルス
の伝染力を禁止することができ、これは次のように実施
されたプラーク還元検定において生体外で決定された。
マウス抗血清によるウシロータウイルス分離片C486の
中和は、標準50%プラーク還元検定によって決定され
た。30−50PFUを表すウイルス稀釈が、1:1の割合で、抗
体の各種稀釈と混合され、37℃において1時間にわたっ
て培養された。MA−104単分子膜へのウイルスの吸着
が、37℃において2時間にわたって行われ、次にウイル
スの摂取片が除去され、その細胞はMEMによって洗浄さ
れ、MEM中に稀釈された1.6%バクトアガル(Bacto−aga
r)(Difco社製)と重ねられ、1ml当り5μgのパンク
レアチンと、0.7%1:1,000中性赤色ストック溶液と、0.
1%DEAEデキストランとを加えられた。プラークは、37
℃における5〜6日の培養後に表れた。
第10図に示すように、ペプチド247−259、ペプチド27
5−295、および4種のペプチドの混合は、ウイルス中和
抗体を発生させ、これら抗体は各免疫化の後に増加し
た。これは、これらの二種のポリペプチドによって作ら
れた抗体がウイルス吸着に伴われるウイルスエピトープ
と反応したことを示す。
予防を行うため、受動抗体転送実験が、モノクロナル
抗体10D2−7を使用して行われた(第5表)。この抗体
は、合成ペプチド275−295を特異的に認識する。各々10
匹の生後7日のマウスからなる4組のグループが、まず
それらの母親から2時間にわたって分離され、次に腹部
への管接続により、時間0に示す通りの適切な準備が行
われた。約1時間後に、それらマウスに対して時間1に
示す通りの準備が行われた。マウスは、8時間にわたっ
て33℃に維持され、その間連続して糞の粘稠度がモニタ
された。8時間後、マウスを犠牲にし、その腸を取って
微粉状にした。腸内の伝染製ウイルスの量は、50%プラ
ーク還元検定によって決定した。
第5表に示すように、モノクロナ抗体を与えられなか
ったグループIIIのマウスは、防護されなかった。これ
らのマウスは下痢症状を示し、攻撃後8時間後に準備し
た腸のホモジェネート内に5ログのロータウイルスを持
っていた。下痢の量およびマウスの腸のホモジェネート
内のウイルスのレベルは、グループI(ウイルスの攻撃
前にモノクロナル抗体を経口投与された)と、グループ
II(モノクロナル抗体とウイルスとの混合物で攻撃され
た)において著しく減少した。
これらVP7ペプチドの免疫性および防衛能力は、VP6に
ついての下記b)以降の説明において、さらに確認され
ている。
b)VP6の6.3Kポリペプチド ウシロータウイルス(分離片C486)VP6(45Kヌクレオ
キャプシッドタンパク質)に対する4種のモノクロナル
抗体が、感染した細胞分離物(第11図)を介してイムノ
ブロットELISA(第12図)によって同定された。4種の
モノクロナル抗体(1D7,1B4,1B9,1D10)は、単一特異的
抗血清VP6について観察されたと同様の中和能力を示し
たが、二種の外側キャプシッドタンパク質VP7およびVP3
への高血清が示したものより低かった(第6表)。ま
た、これら4種のモノクロナル抗体の混合物は、サブグ
ループ1に属するブタ(OSU)、ウシ(NCDV,UK)、およ
びサル(SA11,RRV)のロータウイルスと、サブグループ
2に属するヒト(WA,ST4)のロータウイルスとを、イム
ノブロットELISAにおいて認識した(第13図)。
これらモノクロナル抗体によって認識された抗原デテ
ルミナントを局所集中させるために、イムノブロットEL
ISA反応を、モノクロナル抗体と単一特異的抗血清とを
使用して、VP6のニトロセルロースを付けた部分的タン
パク質消化物上に実施した。各特異酵素の消化物の検査
により、4種のモノクロナル抗体が、すべて基本的に消
化物内にVP6の同一ペプチドを認識したことが示され
た。キモトリプシンおよびブドウ球菌アウレウスV8の場
合、単一特異的血清の反応性は、モノクロナル抗体が示
したものと同一であった。第15図は、臭化シアン(CNB
r)とカルボキシペプチダーゼとによる化学分裂によっ
て発生させた、VP6の消化パターンと抗体反応パターン
とを示す。矢印が示すように、CNBrに反応して抗体を発
生させる最小断片は、約6,300の分子量を有する。遺伝
子6翻訳配列順序のコンピュータ分析によれば(第2
図。この図は、Nucelic Acids Research,12:1875−1887
のM.K.Estes,B.B.Mason,S.CrawfirdおよびJ.Cohenによ
る1984年の「Cloning and nucleotide sequence of the
simian rotavirus gene 6 that codes for the major
inner capsid protein」から取ったものである)、本発
明者等のモノクロナル抗体と反応可能な臭化シアン断片
は二種のみであり、それらは、アミノ酸40−97からの分
子量6,302.7と、アミノ酸300−365からの分子量6,830で
あることを示す(第7表)。VP6のカルボキシペプチダ
ーゼとの抗体反応性により、抗原性場所が最初の79のア
ミノ酸内の分子のアミノ末端に位置することが示され
た。この理由は、9,500分子量の断片が免疫反応性であ
り、6,000分子量の断片(50のアミノ酸)がそうでない
からである(第15図、帯1)。従って、中和活動の原因
である6.3Kポリペプチド断片は、位置40−97における57
のアミノ酸からなる。これらは、第2図の枠内に示され
ている。
VP6の6.3K成分ペプチド VP7の14Kポリペプチドのペプチド断片用として前記に
説明した方法と同様の方法を使用し、VP76の6.3K断片の
アミノ酸残基40−60を合成した。
このペプチドの特異アミノサン配列順序は次の通りで
ある。
ペプチド40−60 Thr−Met−Asn−Gly−Asn−Glu−Phe−Gln−Thr−Gly−
Gly−Ile−Gly−Asn−Leu−Pro−Ile−Arg−Asn−Trp−
Asn−Gly−Cys−OH 末端のGly−Cys−OH構造は、抗原断片の一部ではない
が、連鎖場所を提供するために配列順序に加えた。
この合成ポリペプチドの反応性と特異性は、各種の方
法で決定された。
1)抗VP6単一特異的血清によるELISA。これは、VP6に
ついてのペプチドの特異性を示す(第8表)。
2)中和糖タンパク質(VP6)に特異的なモノクロナル
抗体によるELISA。これは、VP6のエピオープについての
ペプチドの特異性を示す(第8表)。
3)モノクロナル抗体による。イムノブロットELISA。
これは、VP6のエピトープについてのペプチドの特異性
を示す。
VP6およびVP7のペプチドの免疫性および防御能力は、
次の例によってさらに示す。
VP7の275−295およびVP6の40−60に対応するペプチド
は、Fmoc保護のアミノ酸および固相ペプチド合成を使用
して合成した(英国ケンブリッジのCambridge Research
Biologics、およびカナダ国ケベック州ラバルのIAF Bi
ochemcalによる)。
ペプチドとキーホールカサ貝へモシアニン(KLH)と
の接合は、NマレイミドベンゾイルN′ヒドロキシスク
シンイミド(MBS)エステル誘導KLH、およびペプチドの
N末端に加えたシステイン(英国ケンブリッジのCambri
dge Research Biologics)または水溶性カルボジイミド
を使用して製造した。このペプチドは、Eコリピリンタ
ンパク質K99にも接合された。尿素抽出および硫酸アン
モニウム沈降したK99は、精製され、カルボジイミド法
を使用してそれにペプチドが接合された。このプロトコ
ルは、ペプチドとK99との3.5:1の比率の接合を作った。
これは紫外線分光とアミノ酸分析とにより決定され、ゲ
ル電気泳動によって確認された。
ペプチドの合成および接合の後、これら生成物は、ポ
リクロナル抗ロータウイルス血清によって発生させたイ
ムノブロットELISA検定を使用してその免疫反応性を査
定した。
分娩前のウシにおける抗体レベルを高めるためにKK99
単体に結合されたVP7の合成ペプチド275−295の能力を
検査した。下記に示すように、両方のウシとも、免疫化
前にロータウイルスに対する抗体を持っており、これら
力価はK99担体タンパク質のみの摂取後では、上昇しな
かった。DDA水酸化アルミニウムゲル(100μgの接合)
中に混合した合成ペプチドに結合したK99によって1回
免疫化した後、抗体反応は1.0−1.5ログだけ上昇した。
第2回目の実験において、マウスの免疫化を、フロイ
ントの完全アジュバント内における100μgのKLH−ペプ
チド接合またはK99−ペプチド接合によって行い、抗ロ
ータウイルス免疫反応をモニタした。免疫化に使用した
接合の量は、ほぼ等量のロータウイルスとロータウイル
英ペプチドを含んでいた。接合物に対するマウスの反応
は、3回の免疫化にわたって変化が見られなかった(第
9表)。二つの担体はそれらの分子量において大きく異
っており、KLHは約3,500,000ダルトンであってK99は約1
9,000ダルトンであるが、これらは、前記ペプチドハプ
テンに抗体を発生させる点においては、同等の効果を示
した。
ペプチドに免疫反応を発生させるため、担体を使用す
のに加え、多くのアジュバントを調査し、さらにその反
応を高めようとした。残念ながら、免疫反応を上昇させ
るだけの力を持つアジュバントのほどんどは、ヒトまた
は動物への使用が容認できない。この実験に使用するた
めに選択したアジュバンとは、第4アミノ界面活性剤ジ
メチルジオクトデシルアンモニウムブロミド(DDA)で
あった。このアジュバントを選択した理由は、それがハ
プテンに対する強力なアジュバントとしての能力が報告
されているからであり、食用動物への使用が認められて
いる事実があるためである。本発明者等は、K99−VP727
5−295接合物を使用し、DDAおよびフロイントの完全ア
ジュバントの効果を比較した。
免疫化の後、免疫化したマウス血清中に発見された抗
ロータウイルス力価と抗K99活動との両方を測定した。
各マウスは、0.1mlのFCAまたは100μgのDDAと、100μ
gの接合物を与えられた。2回の免疫化の後、両方のグ
ループにおいてロータウイルス抗体力価が著しく上昇し
た(第10表)。この実験中に見られたロータウイルス抗
体のレベルは、生きたロータウイルスを使用する予防面
液化スケジュールの後に見られたものに近い(第11
表)。
次に本発明者等は、この予防的応答を作るために必要
な抗原投与量を調べた。DDAアジュバントに結合した3
種のK99−VP7ペプチド接合物(1,10,100μg/マウス)を
使用した。第11表に示すように、接合物は担体タンパク
質K99に対して投与量に応じた応答を示した。ただし、1
00μg投与量だけは、ウイルス免疫化制御によって作ら
れた抗ロータウイルス抗体レベルに達した。
一般に、「自由」合成ペプチドは、低い力価の短い期
間の応答を示すだけである。これら応答は、実際的な有
効性が制限されている強力なアジュバントを必要とす
る。しかし、散発的にまた脂質側鎖の使用を介して集塊
を形成するペプチドは、機能的な力価を作ってきた。ま
たは、ペプチドは、免疫システムを促進し、親タンパク
質の最適下限の投与量によって免疫化された場合、二次
タイプの応答を作るために使用されてきた。本発明者等
は、他のペプチドに対する応答を作り出すために使用さ
れるいくつかの方法を調査した。これらの方法は、次の
ものを含む。1)ペプチドにアジュバントを含有するリ
ポソームを関連させる、2)ペプチドとアジュバントDD
Aとを集塊させる、3)ペプチドとFCAとを組み合わせて
使用し免疫応答を促進する。
以前の研究から集めたデータによれば、担体に接合さ
れた合成ペプチドは、マウスの血清中に抗ロータウイル
ス抗体のレベルを発生させ、そのレベルは、生きたウイ
ルスの接種の後に見られる力価に似ている。このデータ
に力を得て、本発明者等は、ロータウイルス下痢に対し
てロータウイルスマウスモデルシステムを使用し、疫病
の攻撃から新生児を保護しようとした。メスマウスを、
繁殖と妊娠とのスケジュールの間において3回免疫化し
た。最後の免疫化は、出産の2週間前に行われた。担体
と合成ペプチドの各々は、FCAと組み合わせて使用し
た。K99接合物もDDAとともに使用した(第12表)。マウ
スの子は、吸乳することを許され、生後7日目にウシ系
ロータウイルスで攻撃された。免疫化の効果は、新生児
への攻撃後に、単一のブラインド検査によって決定され
た。罹病率、斃死率、および下痢の激しさが、攻撃後の
48時間にわたって記録された。ほとんどの下痢と罹病率
は、攻撃後の3−5時間以内に明らかであった。
すべての合成ペプチド製剤は、罹病率を著しく減少さ
せ、二つの製剤は、全ウイルスに匹敵する防御を提供し
た。本実験において、K99およびKLHは担体として働かな
かったが、ペプチド−K99の接合物は、攻撃に対して依
然として防御を提供した。
c)VP3のトリプシン分裂場所 VP3の潜在的トリプシン分裂場所のアミノ酸配列順序
は、次のような事実に基づいて選択された。1)真正VP
3タンパク質のトリプシン分裂の結果としての断片のサ
イズ知られている、2)真正VP3のアミノ酸配列順序は
知られている(第3図)、3)酵素トリプシンについて
の分裂特異性は知られている。分裂場所の特異アミノ酸
配列順序は次のとおりである。
Asn−Ile−Ala−Pro−Ala−Ser−Ile−Val−Ser−Arg−
Asn−Ile−Val−Tyr−Thr−Arg−Ala−Gln−Pro−Asn−
Gln−Asp−Ile−Ala このペプチドは、2,753の分子量を有しており、VP3の
アミノ酸232−256を表す。
第16図は、合成ペプチドへの抗血清が、還元VP3(1
および1′で示す)と、非還元VP3(4および4′で示
す)との両方と特異的に反応したことを示す。近接して
移動した84,000ダブレット(1で示す)の低い帯と特異
的に反応するので、これは明確にそれを遺伝子4の生成
物として同定し、合成ペプチドが真正VP3上のその場所
に対応することを保証する。
トリプシン分裂場所は、生物学的に重要な領域である
ので、このペプチドへの抗血清がウイルス伝染力を中和
できたかどうかを決定することが重要であった。下記の
第13表に示すように、合成ペプチドおよびこのペプチド
と特異的に反応するモノクロナル抗体への抗血清は、ウ
イルスの伝染力を有効に中和できた。
100μgの合成ペプチドが37℃において30分間にわた
って2.0μgの精製ウイルスと反応する場合、VP6(45K
ヌクレオキャプシッドタンパク質)のはしご状態が観察
された(第17図、帯C)。低濃度のペプチド、すなわち
25μgにおいては、はしご状態は明白でなかった(帯
A)。45K位置におけるはしごに対応するはしごは、90K
および135Kの領域においても観察された(帯C)。VP6
へのペプチドの結合は、はしご内における分子量の増加
は合成ペプチドモノマーの分子量に対応するという事実
によって助けられた。さらに、ウイルス−ペプチドの複
合物(帯BおよびD)のトリプシン処理は、ヌクレオキ
ャプシッドモノマー(45K),ジマー(90K)、およびト
リマー(135K)のすべてのはしごを減少させた。その減
少の程度は、ウイルスプロフィールが複雑でないトリプ
シン処理ウイルスプロフィール(帯E)とほぼ同一とな
るものであった。
ペプチドがVP6に結合したことの決定的な証拠は、45K
および90Kの領域の両方ではしごが検出され、抗血清が
合成ペプチドに対して生成された(第18図、帯C)とい
う事実によって示される。しかし、ウイルスを合成ペプ
チドに反応させ、次に0.96μgのトリプシンで処理した
場合、反応性は明らかでなかった(第18図、帯B)。こ
れは、VP6タンパク質に結合した場合であってもトリプ
シン分裂場所が維持されることを示している。
232−256VP6合成ペプチドのVP6との反応性は、サンプ
ルが37℃において30分間にわたって尿素サンプル緩衝剤
で処理された場合(第19図、帯A)、およびサンプルが
Bメルカプトエタノール(BME)無しで煮沸によってLae
mml緩衝剤で処理された場合(帯B)に維持された。し
かし、BMEがサンプル緩衝剤に含有され、そのサンプル
が電気泳動前に煮沸されると、45Kおよび90K領域(矢印
で示す)の両方におけるはしごは消滅し(帯C)、ジス
ルフィド架橋によって特定される二次構造がVP6−合成
ペプチド複合体を維持するために必要であったことが分
かる。
VP3のトリプシン分裂場所に対応する合成ペプチド
も、それをトリプシンと反応させることによって、その
真正さを検査した。ペプチドの電気泳動により、モナマ
ー形態とジマー形態との両方が、クーマシーブルーでの
染色後に観察された(第20図、帯G)。しかし、モノマ
ーは明視できなかった。これは、モノマーが染色後に1
7.5%溶解ゲルから急速に拡散するためである。37℃に
おいて30分間にわたり100μgの合成ペプチドを、9.6μ
g(帯C)および19.2μg(帯A)で処理すると、可視
ペプチドの量が90−100%減少された。100μgのペプチ
ドに対し、0.96μgのトリプシンの濃度において、約30
%のペプチドが分裂されずに残った(帯E)。トリプシ
ンの濃度を高めることによるペプチドの分裂の促進は、
ペプチドが二つの可能場所の内の一つにおいて酵素によ
って特異的に認識されることを示している。
本発明者等は、合成ペプチドがトリプシンによって認
識され分裂されることを確立したので、その合成ペプチ
ドが、前記酵素を得るために、無傷の84KのVP3と争うか
どうかを調査した。争いの範囲は、合成ペプチドにおけ
る、真正VP3の量を減少させるために濃度を上昇させる
能力によって測定した。この真正VP3は、二つの生成物
(第21図において、帯B中の下の矢印で示した分子量約
60,000のもの、および帯F中に上の矢印で示した分子量
約28,000のもの)に分裂されるものである。この実験に
使用したトリプシンの量は、使用した合成ペプチドの最
低量、すなわち25μgのペプチドと25μgのVP3とが完
全に分裂されるように確立された(第21図、帯B)。合
成ペプチドの量が200μgに増加されると、VP3が明白と
なり(帯F内に矢印で示す)、合成ペプチドの真正さを
証明する。
合成ペプチドは、ヌクレオキャプシッドタンパク質に
結合されることができ、それでもトリプシンによって分
裂されるので、本発明者等は、それがウイルス伝染力に
何等かの影響を及ぼすかどうかを調査しようとした。伝
染性ウイルスに混合される合成ペプチドの量を増加する
と、可視プラークの量が減少した。合成ペプチドの濃度
が高いと(第22図、帯E−H)、プラークは、制御井戸
(B)内のプラークが見られてから5−6日間のみ可視
であった。これらプラークは、しかし、極めて小さく、
散乱しており、井戸E−Hにおいては容易に見られなか
った。この情報に基づき、合成ペプチド、予防的応用に
加えて、治療にも応用できる。
ロータウイルスに関連する疾患に対するワクチン用の
投与量範囲は、体重1kgあたり約1−100μgのペプチド
である。この範囲は、本明細書に開示したすべてのペプ
チドについて効果的な免疫応答を提供する。
前記配列順序における一つまたはそれ以上のアミノ酸
残基を、他のアミノ酸残基によって置き換えることがで
きる。このような置き換えは、抗原性や免疫性に多きな
影響を与えないと考えられる。また、抗原性や免疫性を
大きく変化させずに、アミノ酸残基を追加または削除す
ること、またはこれら配列順序を迂回することが可能で
ある。従って、これら配列順序の抗原性および免疫性等
価物は、本発明の一部を構成するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ロータウイルスVP7のアミノ酸配列順序を示
す図であり、14Kポリペプチドが枠内に示されている。 第2図は、SA−11遺伝子6のクローンコピーのヌクレオ
チド配列順序を示す図である。意味のある鎖(+)(mR
NAに対応する)が示されている。タンパク質生成物の予
測アミノ酸配列順序が示されており、末端場所に下線が
引かれている。 第3図は、ロータウイルスVP3のタンパク質のアミノ酸
配列順序を示す図である。C486(ウシ)VP3アミノ酸配
列順序は、実験室内で発生された。SA−11(サル)VP3
アミノ酸配列順序は、従来技術から取ったものである。 第4図は、ウシロータウイルス(BRV)14Kペプチド断片
の分離片を示す図である。帯AおよびBは、各々、単位
ゲル当り65μg/cmのパパインと、単位ゲル当り130μg/c
mのパパインとで作ったBRV糖タンパク質の消化パターン
を示す。帯Cは、精製した14Kのペプチド断片を示す。
各帯は、ハイブリドーマ11D12−6からのモノクロナル
抗体とのイムノブロットELISA反応を表す。帯Dは、銀
染色したポリアクリルアミドゲルにおける精製14Kペプ
チド断片を示す。 第5図は、免疫スケジュール中における三つの異なる時
間においての、14Kポリペプチドの各種製剤に対する抗
体力価を示す図である。上枠は、抗原に二重被ロータウ
イルスを使用するELISAによって決定される合計抗体力
価を示す。下枠は、プラーク還元検定によって決定され
る中和抗体力価を示す。グループAは非接合ポリペプチ
ド、グループBは14KBSA接合ポリペプチド、グループは
精製VP7、グループDは伝染性ウシロータウイルス(BR
V)、グループE7は61日目において伝染性BRVを与えられ
た動物、およびグループE2はアジュバントを与えられた
動物を各々表す。免疫プロトコルの詳細は第2表に示
す。 第6図は、マウス血清とC486ウシロータウイルス(BR
V)のタンパク質プロフィールのイムノブロットELISA反
応を示す図である。帯Pは採血前、帯Aは14K非接合ペ
プチドを与えられたグループ、帯Bは14K接合ペプチド
を与えられたグループ、置CはBRV,VP7(38.2K糖タンパ
ク質)を与えられたグループ、帯Dは伝染性ウイルスを
与えられたグループ、および帯EおよびE2は各々塩水お
よびフロイントの完全アジュバントを与えられたグルー
プを各々示す。各グループの免疫スケジュールの詳細
は、第2表に示す。 第7図は、14Kを位置させるための、ブドウ球菌アウレ
ンスV8プロテアーゼ、パパイン、キモトリプシン、およ
び臭化シアンによるVP7の分裂パターンを示す図であ
る。 第8図は、細胞へのウイルス吸着を阻止するためのVP7
の合成ペプチドの能力を示す図である。 第9図は、合成ペプチドに対するELISA抗体力価を示す
図である。 第10図は、合成ペプチドにより引き起こされた、マウス
中におけるVP7に対するウイルス中和抗体力価を示す図
である。 第11図は、モノクローン1D7(帯B)、1B4(帯C)、1B
9(帯D)、および1D10(帯E)による[35S]メチオニ
ン標識の、ウシロータウイルスに感染した細胞分離物の
免疫沈降を示す図である。帯Aは、ウサギ高免疫抗ウシ
ロータウイルスとの反応である。分子量マーカの位置
は、左側に示されている。 第12図は、ニトリセルロースに転送されたウシロータウ
イルスポリペプチドに対する。モノクロナル抗体および
単一特異ポリクロナル抗血清の反応を示す図である。帯
Aはモノクロナル抗体1D7、帯Bは1B4、帯Cは1B9、帯
Dは1D10、および帯Eは抗ヌクレオキャプシッド単一特
異抗血清を各々示す、反応タンパク質の分子量は、左側
に示されている。 第13図は、ウシ、サル、ブタ、およびヒトのロータウイ
ルスVP6ヌクレオキャプシッドタンパク質についての、
モノクロナル抗体1B4によるイムブロットELISA反応を示
す図である。帯Aはウシ分離片C486,帯Bはブタ分離片O
SU、帯Cはウシ分離片NCDV、帯Dはヒト分離片Wa、帯E
はウシ分離片UK、帯はヒト分離片ST4、および帯Gはサ
ル分離片SA−11を各々示す。ヒト分離片WaおよびST4は
サブグループ2に属し、その他すべての分離片はサブグ
ループ1に属する。分子量は右側に示され、腹水制御が
示されている。 第14図は、ウシロータウイルスVP6ヌクレオキャプシッ
ドタンパク質の消化物の、モノクロナル抗体1D7、1B4、
1B9、1D10との反応、および単一特異抗血清との反応を
示す図である。酵素および消化物当りの使用量は、図に
示されている。 第15図は、VP6ヌクレオキャプシッドタンパク質の部分
的カルボキシペプチダーゼ消化物と、臭化シアン化学分
裂とを示し、モノクロナル抗体1B9によるイムノブロッ
トELISA反応を示す図である。帯A−Iは消化物の放射
能写真、および帯A′−I′はモノクナル抗体1B9を使
用する対応イムノブロットELISA反応を各々示す。帯A,
A′は100μgおカルボキシペプチダーゼ、B,B′は50μ
gのカルボキシペプチダーゼ、C,C′は25μgのカルボ
キシペプチダーゼ、D,D′は2.5μgのカルボキシペプチ
ダーゼ、E,E′は0.25μgのカルボキシペプチダーゼ、
F,F′は不消化ヌクレオキャプシッド、G,G′は50μgの
臭化シアンによる2時間の消化、H,H′は50μgの臭化
シアンによる1時間の消化、およびI,I′は50μgの臭
化シアンによる30分の消化を各々示す。分子量基準位置
は、図の左側に示されている。 第16は、ロータウイルスタンパク質プロフィールを有す
るVP3の合成ペプチド232−256に対する抗血清の反応を
示す図である。上枠(帯A−H)は放射能写真、下枠
(帯A′〜H′)は上枠内に示すタンパク質のプロフィ
ールの抗合成ペプチド血清とのイムノブロットELISA反
応を各々示す。帯A−DはBMEを含有するLaemmliサンプ
ル緩衝剤の存在中に発生され煮沸されたタンパク質プロ
フィールを示し、帯E−HはBMEを含有しないLaemmliサ
ンプル緩衝剤の存在中に発生され煮沸されたタンパク質
プロフィールを示す。帯A,A′およびE,E′は、100μg
の合成ペプチドと、2.0μgの二重被ロータウイルス
と、0.96μgのトリプシンとの混合を示す。帯B,B′お
よびF,F′は、25μgの合成ペプチドと、2.0μgの二重
被ロータウイルスと、0.96μgのトリプシンとの混合を
示す。帯C,C′,D,D′およびG,G′は、2.0μgの二重被
ロータウイルスと、0.96μgのトリプシンとを示す。帯
H,H′は、二重被ウイルスを示す。数字は、本明細書中
に参照した各種タンパク質の位置を示す。分子量マーカ
は、右側に示されている。 第17図は、合成ペプチドの、ウシロータウイルスのVP3
ヌクレオキャプシッドタンパク質との反応を示す図であ
る。帯Aは2.0μgの二重被ウイルスと25μgの合成ペ
プチドとが反応した後のタンパク質プロフィールを示
す。帯Bは、帯Aと同様であるが0.96μgのトリプシン
で処理した後のタンパク質プロフィールを示す。帯C
は、2.0μgの二重被ウイルスと100μgの合成ペプチド
との反応後のタンパク質プロフィールを示す。帯Dは、
帯Cと同様であるが0.96μgのトリプシンで処理した後
のタンパク質プロフィールを示す。帯Eは、0.96μgの
トリプシンで処理した2.0μgのウイルスのタンパク質
プロフィールを示す。帯Fは2.0μgの未処理二重被ウ
イルスのタンパク質プロフィールを示す。分子量の基準
位置は、右側に示されている。帯C内のカッコ([)
は、45K,90K,および135Kの領域内に形成されたはしごを
表す。 第18図は、VP6ヌクレオキャプシッドモノマーおよびジ
マー上にはしご複合物を有する232−256VP3合成ペプチ
ドに対する杭血清の反応を示す図である。帯Aは、ウイ
ルスタンパク質プロフィールを表す。帯Bは、100μg
の合成ペプチドと複合され、次に0.96μgのトプシンで
処理された後のウイルスタンパク質プロフィールを表
す。帯B′は、電気ブロットされ抗合成ペプチド抗体と
反応した帯B内のウイルスプロフィールを表す。帯C
は、100μgの合成ペプチドと複合化された後のウイル
スタンパク質プロフィールを表す。帯C′は、電気ブロ
ットされ抗合成ペプチド抗体と反応した帯C内のウイル
スプロフィールを表す。図の右側は、分子量マーカの位
置を表す。 第19図は、232−256VP3合成ペプチドとVP6の複合隊を維
持するために必要なサンプル緩衝剤条件の調査を示す図
である。2μgの放射性標識二重被ロータウイルスと10
0μgの合成ペプチドとを37℃において30分間反応させ
た。電気泳動の前に、サンプルは、等分され尿素サンプ
ル緩衝剤で処理され(帯A′)、BME無しのLaemmliサン
プル緩衝剤で処理され(帯B)、BMEを含有するLaemmli
サンプル緩衝剤で処理されて煮沸された(帯C)。矢印
は、45K,90K,135Kのはしごの位置を示す。分子量基準の
位置は、右側に示されている。 第20図は、合成ペプチドのトリプシン分裂を示す図であ
る。帯B,D,Fは、各々19.2μg、9.6μg、および0.96μ
gにおけるトリプシンを表す。帯A,C,Eは、各々19.2μ
g、9.6μg、および0.96μgのトリプシンに対する100
μgの合成ペプチドの反応を示す。帯Gは、100μgの
ペプチドを表し、矢印はモノマーおよびジマーの位置を
示す。帯Hは、分子量のマーカの位置を示す。 第21は、トリプシンを得るために232−256VP3合成ペプ
チドが完全な84,000VP3と争うことを示す図である。帯
Aは、二重被ロータウイルスのタンパク質プロフィール
を表す。帯C−Fは、0.0097μgのトリプシンと量を増
加させた合成ペプチドとともに37℃において30分間培養
した後のウイルスのタンパク質プロフィールを示す。帯
Bは合成ペプチドがなく、帯Cは25μgの合成ペプチド
を有し、帯Dは50μgの合成ペプチドを有し、帯Eは75
μgの合成ペプチドを有し、帯Fは200μgの合成ペプ
チドを有する。位置決めされた分子量マーカは、左側に
示されている。帯Bにおける矢印は、60,000において観
察されたタブレットを示し、帯Fにおける矢印は84,000
タンパク質の位置を示す。 第22図は、合成ペプチドの量を増加した場合のロータウ
イルスの伝染力に対する効果を示す図である。井戸Aは
MA−104細胞制御を表し、井戸Bは100PFUのウイルス制
御を表す。井戸C−Hは、各々100μg、200μg、およ
び300μgの合成ペプチドの存在中においてMA−104細胞
単分子膜に吸着された100PFUの複製サンプルを表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パトリック ジョン フレンテック カナダ国 エス 7ケー 2ワイ9 サ スカチェワン サスカトーン アヴェニ ュ ノース 722−9 (72)発明者 アンドリュー アレン ポッタ カナダ国 エス 7エッチ 3エス5 サスカチェワン サスカトーン ダルハ ウジェ クレセント 521 (72)発明者 モハマド クハリド イジャズ カナダ国 エス7 エッチ 1ビー1 サスカチェワン サスカトーン 7ティ ーエッチ ストリート イースト 11− 2910 (72)発明者 ジェームス エルトン ギルクリスト カナダ国 エス7エヌ 1ジー3 サス カチェワン サスカトーン アルバート アヴェニュ 410 (56)参考文献 「Virology」141(2)P. 292〜298(1985) 「Journal of Virol ogy」54(3)P.791〜797(1985)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロタウィルス感染に対して防御する予防接
    種用に調製されたワクチンであって、ロタウィルスのキ
    ャプシドタンパク質の一部のアミノ酸配列を有する有効
    な量のペプチドまたはペプチドの混合物を含み、当該ペ
    プチドが、 (1)ロタウィルスの41kdの外側キャプシド糖タンパク
    質(VP7)の165〜295、247〜259、または、275〜295の
    位置に相当するアミノ酸配列順序を有するペプチドまた
    はこれと等しい抗原性を有するペプチド、 (2)ロタウィルスのヌクレオキャプシドタンパク質VP
    6の40〜97または40〜60の位置に相当するアミノ酸配列
    順序を有するペプチドまたはこれと等しい抗原性を有す
    るペプチド、および (3)ロタウィルスの84kdの外側キャプシド糖タンパク
    質(VP3)の232〜256の位置に相当するアミノ酸配列順
    序を有するペプチドまたはこれと等しい抗原性を有する
    ペプチドのうち、 (1)〜(3)のなかから選択されるいずれかのペプチ
    ドまたはこれらの選択されたペプチドの混合物である、
    ロタウィルスを中和する抗体を誘導することができる予
    防接種用に調製されたワクチン。
  2. 【請求項2】ロタウィルスの41kdの外側キャプシド糖タ
    ンパク質(VP7)の165〜295の位置に相当するアミノ酸
    配列順序を有するペプチドは、14kdの分子量を有し、ア
    ミノ酸配列順序が、 Cys−Asn−Pro−Met−Asp−Ile−Thr−Leu−Tyr−Tyr−
    Tyr−Gln−Gln−Thr−Asp−Glu−Ala−Asn−Lys−Trp−
    Ile−Ser−Met−Gly−Ser−Ser−Cys−Thr−Val−Lys−
    Val−Cys−Pro−Leu−Asn−Thr−Gln−Thr−Leu−Gly−
    Ile−Gly−Cys−Leu−Ile−Thr−Asn−Pro−Asp−Thr−
    Phe−Glu−Thr−Val−Ala−Thr−Thr−Glu−Lys−Leu−
    Val−Ile−Thr−Asp−Val−Val−Asp−Gly−Val−Asn−
    His−Lys−Leu−Asn−Val−Thr−Thr−Ala−Thr−Cys−
    Thr−Ile−Arg−Asn−Cys−Lys−Lys−Leu−Gly−Pro−
    Arg−Glu−Asn−Val−Ala−Ile−Ile−Gln−Val−Gly−
    Gly−Ala−Asn−Val−Leu−Asp−Ile−Thr−Ala−Asp−
    Pro−Thr−Thr−Ala−Pro−Gln−Thr−Glu−Arg−Met−
    Met−Arg−Ile−Asn−Trp−Lys−Lys−Trp−Trp−Gln−
    Val である、特許請求の範囲第1項記載のワクチン。
  3. 【請求項3】ロタウィルスの41kdの外側キャプシド糖タ
    ンパク質(VP7)の247〜259の位置に相当するアミノ酸
    配列順序を有するペプチドは、アミノ酸配列順序が、 Arg−Asn−Cys−Lys−Lys−Leu−Gly−Pro−Arg−Glu−
    Asn−Val−Ala である特許請求の範囲第1項記載のワクチン。
  4. 【請求項4】ロタウィルスの41kdの外側キャプシド糖タ
    ンパク質(VP7)の275〜295の位置に相当するアミノ酸
    配列順序を有するペプチドは、アミノ酸配列順序が、 Pro−Thr−Thr−Ala−Pro−Gln−Thr−Glu−Arg−Met−
    Met−Arg−Ile−Asn−Trp−Lys−Lys−Trp−Trp−Gln−
    Val である特許請求の範囲第1項記載のワクチン。
  5. 【請求項5】ロタウィルスのヌクレオキャプシドタンパ
    ク質VP6の40〜97の位置に相当するアミノ酸配列順序を
    有するペプチドは、6.3kdの分子量を有し、アミノ酸配
    列順序が、 Thr−Met−Asn−Gly−Asn−Phe−Gln−Glu−Thr−Gly−
    Gly−Ile−Gly−Asn−Leu−Pro−Ile−Arg−Asn−Trp−
    Asn−Phe−Asn−Phe−Gly−Leu−Leu−Gly−Thr−Thr−
    Leu−Leu−Asn−Leu−Asp−Ala−Asn−Tyr−Val−Glu−
    Thr−Ala−Arg−Asn−Thr−Ile−Asp−Tyr−Phe−Val−
    Asp−Phe−Val−Asp−Asn−Val−Cys−Met である特許請求の範囲第1項記載のワクチン。
  6. 【請求項6】ロタウィルスのヌクレオキャプシドタンパ
    ク質VP6またはこれと等しい抗原性を有するペプチドの4
    0〜60の位置に相当するアミノ酸配列順序を有するペプ
    チドは、アミノ酸配列順序が、 Thr−Met−Asn−Gly−Asn−Glu−Phe−Gln−Thr−Gly−
    Gly−Ile−Gly−Asn−Leu−Pro−Ile−Arg−Asn−Trp−
    Asn である請求項の範囲第1項記載のワクチン。
  7. 【請求項7】ロタウィルスの84kdの外側キャプシド糖タ
    ンパク質(VP3)の232〜256の位置に相当するアミノ酸
    配列順序を有するペプチドは、 −Asn−Ile−Ala−Pro−Ala−Ser−Ile−Val−Ser−Arg
    −Asn−Ile−Val−Tyr−Thr−Arg−Ala−Gln−Pro−Asn
    −Gln−Asp−Ile−Ala− または −Gln−Ile−Val−Pro−Val−Ser−Ile−Val−Ser−Arg
    −Gln−Ile−Val−Val−Tyr−Arg−Ala−Asn−Pro−Gln
    −Asn−Asp−Ile− で示されるアミノ酸配列順序を含んでいる特許請求の範
    囲1記載のワクチン。
  8. 【請求項8】ペプチドが巨大分子の担体に係合されてい
    る特許請求の範囲第1項〜7項のいずれかに記載のワク
    チン。
  9. 【請求項9】担体がキーホールカサ貝ヘモシアニン(KL
    H)、ウシ血清アリブミン(BSA)、オバルミン(OV
    A)、β−ガラクトシダーゼ、β−ペニシリナーゼ、マ
    ルチポリ−DL−アラニル−ポリ−L−リジン、ポリ−L
    −リジンまたはVP6ロタウィルスタンパク質のいずれか
    より選択される担体である特許請求の範囲第8項記載の
    ワクチン。
  10. 【請求項10】ロタウィルスを中和する抗体を誘導する
    免疫学的な活性を有しているペプチドであって、当該ペ
    プチドのアミノサン配列は、 (1)ロタウィルスの41kdの外側キャプシド糖タンパク
    質(VP7)の165〜295の位置に相当するアミノ酸配列、 (2)ロタウィルスのヌクレオキャプシドタンパク質VP
    6の40〜97または40〜60の位置に相当するアミノ酸配
    列、 (3)ロタウィルスの84kdの外側キャプシド糖タンパク
    質(VP3)の232〜256の位置に相当するアミノ酸配列の
    うち、 (1)〜(3)のなかから選択されるいずれかのアミノ
    酸配列であるペプチドまたはこれと等しい抗原性を有す
    るペプチド。
  11. 【請求項11】ロタウィルスの41kdの外側キャプシド糖
    タンパク質(VP7)の165〜295の位置に相当するアミノ
    酸配列は、 Cys−Asn−Pro−Met−Asp−Ile−Thr−Leu−Tyr−Tyr−
    Tyr−Gln−Gln−Thr−Asp−Glu−Ala−Asn−Lys−Trp−
    Ile−Ser−Met−Gly−Ser−Ser−Cys−Thr−Val−Lys−
    Val−Cys−Pro−Leu−Asn−Thr−Gln−Thr−Leu−Gly−
    Ile−Gly−Cys−Leu−Ile−Thr−Asn−Pro−Asp−Thr−
    Phe−Glu−Thr−Val−Ala−Thr−Thr−Glu−Lys−Leu−
    Val−Ile−Thr−Asp−Val−Val−Asp−Gly−Val−Asn−
    His−Lys−Leu−Asn−Val−Thr−Thr−Ala−Thr−Cys−
    Thr−Ile−Arg−Asn−Cys−Lys−Lys−Leu−Gly−Pro−
    Arg−Glu−Asn−Val−Ala−Ile−Ile−Gln−Val−Gly−
    Gly−Ala−Asn−Val−Leu−Asp−Ile−Thr−Ala−Asp−
    Pro−Thr−Thr−Ala−Pro−Gln−Thr−Glu−Arg−Met−
    Met−Arg−Ile−Asn−Trp−Lys−Lys−Trp−Trp−Gln−
    Val である、特許請求の範囲第10項記載のペプチドまたはこ
    れと等しい抗原性を有するペプチド。
  12. 【請求項12】ロタウィルスのヌクレオキャプシドタン
    パク質VP6の〜97の位置に相当するアミノ酸配列は、 Thr−Met−Asn−Gly−Asn−Phe−Gln−Glu−Thr−Gly−
    Gly−Ile−Gly−Asn−Leu−Pro−Ile−Arg−Asn−Trp−
    Asn−Phe−Asn−Phe−Gly−Leu−Leu−Gly−Thr−Thr−
    Leu−Leu−Asn−Leu−Asp−Ala−Asn−Tyr−Val−Glu−
    Thr−Ala−Arg−Asn−Thr−Ile−Asp−Tyr−Phe−Val−
    Asp−Phe−Val−Asp−Asn−Val−Cys−Met である特許請求の範囲第10記載のペプチドまたはこれと
    等しい抗原性を有するペプチド。
  13. 【請求項13】ロタウィルスのヌクレオキャプシドタン
    パク質VP6またはこれと等しい抗原性を有するペプチド
    の40〜60の位置に相当するアミノ酸配列は、 Thr−Met−Asn−Gly−Asn−Glu−Phe−Gln−Thr−Gly−
    Gly−Ile−Gly−Asn−Leu−Pro−Ile−Arg−Asn−Trp−
    Asn である請求項の範囲第10項記載ペプチドまたはこれと等
    しい抗原性を有するペプチド。
  14. 【請求項14】ロタウィルスの84kdの外側キャプシド糖
    タンパク質(VP3)の232〜256の位置に相当するアミノ
    酸配列には、 −Asn−Ile−Ala−Pro−Ala−Ser−Ile−Val−Ser−Arg
    −Asn−Ile−Val−Tyr−Thr−Arg−Ala−Gln−Pro−Asn
    −Gln−Asp−Ile−Ala− または −Gln−Ile−Val−Pro−Val−Ser−Ile−Val−Ser−Arg
    −Gln−Ile−Val−Val−Tyr−Arg−Ala−Asn−Pro−Gln
    −Asn−Asp−Ile− で示されるアミノ酸配列を含んでいる特許請求の範囲10
    記載のペプチドまたはこれと等しい抗原性を有するペプ
    チド。
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