JP2615460B2 - 同時到着制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はNC制御された複数の対象物の同時到着制御方
法に関するものであり、例えば電子部品実装装置に適用
される。

従来の技術 従来の電子部品実装装置について、第３図〜第５図に
より説明する。

第３図は電子部品実装装置の構成を示す斜視図で、電
子部品実装装置は、電動機１によって駆動される装着ヘ
ッド２と、NC装置（図示せず）によって駆動される、プ
リント基板３を保持するXYテーブル４と、上記のプリン
ト基板３に実装される電子部品５を供給する供給部６と
から構成されている。上記の電動機１によって駆動され
るクラッチブレーキ７は、一方の出力軸でインデックス
８を介して上記の装着ヘッド２を間欠的に回転すると同
時に、反対側に伸びた出力軸でベルト９を介してカム10
を回転し、さらに、これに係合するカムローラ11を装着
したベルクランク12を介して装着ヘッド２を上下に駆動
する。また、上記の装着ヘッド２には複数本の吸着ノズ
ル13が、回転中心に対し同心円上に配置されている。

このように構成された電子部品実装装置の動作につい
て説明する。

インデックス８により間欠的に90゜ずつ回転する装着
ヘッド２に取り付けられた４本の吸着ノズル13は、供給
部６上の電子部品５を吸着して拾い上げるピックアップ
位置、単なる中継場所である中間位置，プリント基板３
上に上記の電子部品５を置く取付け位置および単なる中
継場所である中間位置に停止しながら順次回転する。

一方、上記のインデックス８と同期して駆動されるカ
ム10によって、上記の４位置で停止するごとに装着ヘッ
ド２が降下して、ビックアップ位置にある吸着ノズル13
は供給部６から電子部品５を真空作用によって拾い上
げ、取付け位置に回って来た吸着ノズル13は、XYテーブ
ル４の働きによって実装位置に位置決めされたプリント
基板３の上に電子部品５を解放し装着する。

装着ヘッド２の回転中に、供給部６では所定の電子部
品５が吸着ノズル13の真下に位置するように移動し、一
方、XYテーブル４ではNC装置によって吸着ノズル13の電
子部品５に該当する実装位置が、吸着ノズル13の真下に
位置するように移動する。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記の構成では、装着ヘッド２の吸着
ノズル13は、ピックアップ位置および取付け位置におい
て、停止している供給部６から電子部品５を拾い上げ、
同じく停止しているXYテーブル４上のプリント基板３に
電子部品５を装着するため、供給部６またはXYテーブル
４の移動量が小さい時は、装着ヘッド２は連続的に駆動
されるが、移動量が大きい時は一時停止し、供給部６ま
たはXYテーブル４の移動が完了するのを待つ必要があ
り、この時にクラッチブレーキ７が作動して、電動機１
の動力をオン，オフする。このオン，オフによる振動，
騒音が大きいという問題があった。

第４図は従来の電子部品実装装置の動作を示すタイミ
ングチャートである。同図において、上段からクラッチ
ブレーキ7,インデックス8,吸着ノズル13およびXYテーブ
ル４の動作をそれぞれ示す。なお、吸着ノズル13が上下
動の位置を示すほかは、駆動速度を立ち上り高さによっ
て示している。

T₁からT₂の範囲は、XYテーブル４の移動量が小さい場
合で、クラッチブレーキ７はオンのままで、装着ヘッド
２は連続して駆動されている。

T₂からT₃の範囲は、XYテーブル４の移動量が大きい場
合で、t₁〜t₂の間クラッチブレーキ７をオフの状態と
し、タイミングを合わせている。

XYテーブル４の移動完了後t₂にクラッチブレーキ７を
オンの状態とし、装着ヘッド２を再起動させているが、
装着ヘッド２が所定の速度に達するまでの、制御信号伝
達時間及び、クラッチブレーキ７の動作時間t₂〜t₃が発
生し、実装所要時間が増大するという問題があった（第
５図参照）。

本発明は、上記の問題点を解決するもので、装着ヘッ
ド２が連続的に駆動される、振動，騒音がなく、XYテー
ブル４、及び供給部６の移動完了時には、装着ヘッド２
が所定の速度に達していて、実装所要時間が最小となる
電子部品実装装置を提供するものである。

課題を解決するための手段 上記の問題点を解決するため、本発明は、第１対象物
が移動する時間内に第２対象物が最大に移動可能な設定
移動量を設定する第１工程と、第２対象物が目的の位置
に到達するまでの残移動量を検知する第２工程と、設定
移動量と残移動量を比較する第３工程と、比較後残移動
量の方が大の場合、第１対象物を減速させて停止させる
第４工程と、減速中、あるいは停止後第３工程によって
比較後、残移動量の方が小となった時、第１対象物を再
起動し、所定の速度まで加速する第５工程を備えたもの
である。

さらに第４工程時、第１対象物の目的の位置までの中
点に第１対象物を停止させうる加速度で減速させて停止
させるものである。

作用 上記において第１対象物を装着ヘッド、第２対象物を
XYテーブルとすると、XYテーブルの移動量と、設定移動
量とを比較し、前者が小であれば、XYテーブル，装着ヘ
ッド共にそのまま動作させ、大であれば、装着ヘッドを
減速させて停止させ、減速中、あるいは停止後、XYテー
ブルの残移動量が設定移動量より小となった時、装着ヘ
ッドを再起動し所定の速度まで加速するようにすれば、
装着ヘッドは、ゆるやかに減速，加速を行ないながら、
クラッチブレーキのオンオフによる装着ヘッドの急激
な、停止，再起動をせずにタイミングの調整をすること
が可能となり装着ヘッドはスムーズな動作となる。

また装着ヘッドの減速時の加速度を、XYテーブルに対
して装着動作を行なう位置までの中点に停止するように
設定し、XYテーブルの残移動量が設定移動量より小とな
った時に装着ヘッドを同一加速度で再起動するようにす
れば、装着ヘッドがXYテーブルに対して装着動作を行な
う位置で、装着ヘッドの速度が所定の速度に達すること
になり、かつまた上記条件下での最小の加速度で装着ヘ
ッドを減速，加速することができるので、実装所要時間
の増大が防止されるとともに、装着ヘッドはスムーズな
動作となる。

実 施 例 本発明の一実施例を第１図により説明する。

第１図は本発明による電子部品実装装置のタイミング
チャートの一例で、T₁からT₂の範囲は、XYテーブル４お
よび供給部６の移動量が小さく、装着ヘッド２が間欠的
に回転する間にそれぞれ移動が完了し、それぞれの位置
決めが終わる場合で、インデックス８およびカム10を駆
動する電動機１の回転速度はV₁、これに駆動されるイン
デックス８の回転速度はV₁で、それぞれ連続的に駆動さ
れている。

T₂からT₃の範囲は、上述の条件よりXYテーブル４およ
び供給部６の移動量が大きく、装着ヘッド２の間欠的回
転中に移動が終了しない場合で、T₂の時点で、XYテーブ
ル４の移動量l₂と設定移動量l₁を比較し、前者が大のた
め、電動機１を加速度ｄをもって減速させている。その
後XYテーブル４の残移動量を常に監視し、残移動量がl₁
になった時点t₇において電動機１を加速度ｄをもって加
速させている。ここで加速度ｄを、装着動作を行なう位
置つまり吸着ノズル13の下降を開始する位置までの中点
に停止するように決めれば、電動機１が再加速をして、
吸着ノズル13の下降を開始する位置に達した時点では、
所定の速度に達していることになる。また中点に対して
一定の加速度で減速していくのであるから、所定の減速
で動作をつづけた場合の所要時間t₄〜t₅とt₆〜t₇,t₇〜t
₈は同一となり、t₇〜t₈においてXYテーブル４は残移動
量l₁を移動完了することができ、t₈の時点でXYテーブル
４の位置決め完了後に装着ヘッド２が降下する。吸着ノ
ズル13は、停止状態の供給部６から電子部品５を拾い上
げ、XYテーブル４上のプリント基板３に電子部品５を装
着する。従って、クラッチブレーキ７のオン，オフの動
作がなくなる。

上記においてはXYテーブル４について説明したが、供
給部６の移動量L₂が大きくて、移動所要時間がXYテーブ
ル４より大であれば、供給部４の設定移動量L₁を用いて
上述と同じ処理が、XYテーブル４を供給部６に置きかえ
て、電動機１との間で行なわれる。

発明の効果 以上説明したように第１対象物が移動する時間内に第
２対象物が最大に移動可能な設定移動量を設定する第１
工程と、第２対象物が目的の位置に到達するまでの残移
動量を検知する第２工程と、設定移動量と残移動量を比
較する第３工程と、比較後残移動量の方が大の場合、第
１対象物を減速させて停止させる第４工程と、減速中、
あるいは停止後第３工程によって比較後、移動量の方が
小となった時、第１対象物を再起動し、所定の速度まで
加速する第５工程を設け、装着ヘッドを第１対象物,XY
テーブル，供給部を第２対象物として適用することによ
り、クラッチブレーキのオン，オフ制御をなくし、振
動，騒音を発生しない、また、XYテーブル，供給部の移
動完了時には装着ヘッドは所定の速度に達していて、実
装所要時間が最小となる電子部品実装装置を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明による電子部品実装装置の
タイミングチャートおよびその制御アルゴリズムの流れ
図、第３図は電子部品実装装置の構成斜視図、第４図，
第５図は従来の電子部品実装装置の動作を示すタイミン
グチャートおよび制御アルゴリズムの流れ図である。 １……電動機、２……装着ヘッド、３……プリント基
板、４……XYテーブル、５……電子部品、６……供給
部、７……クラッチブレーキ、８……インデックス、９
……ベルト、10……カム、11……カムローラ、12……ベ
ルクランク、13……吸着ノズル。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１対象物及び第２対象物を同時に移動さ
   せ、各々を所定位置へ同時に到着させる制御方法であっ
   て、第１対象物が移動する時間内に第２対象物が最大に
   移動可能な設定移動量を設定する第１工程と、第２対象
   物が目的の位置に到達するまでの残移動量を検知する第
   ２工程と、設定移動量と残移動量を比較する第３工程
   と、比較後残移動量の方が大の場合、第１対象物を減速
   させて停止させる第４工程と、減速中、あるいは停止後
   第３工程によって比較後、残移動量の方が小となった
   時、第１対象物を再起動し、所定の速度まで加速する第
   ５工程とからなる同時到着制御方法。
2. 【請求項２】第４工程時、第１対象物の目的の位置まで
   の中点に第１対象物を停止させうる加速度で減速させて
   停止させる特許請求の範囲第１項記載の同時到着制御方
   法。
3. 【請求項３】第２対象物が複数個ある場合、第４工程
   時、どれか１つでも条件がそろえば第１対象物を減速さ
   せて停止させ、また、第５工程時、すべての条件がそろ
   えば、第１対象物を再起動し、所定の速度まで加速する
   特許請求の範囲第１項記載の同時到着制御方法。