JP2613444B2 - 感温フェライト製造方法 - Google Patents
感温フェライト製造方法Info
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- JP2613444B2 JP2613444B2 JP63187240A JP18724088A JP2613444B2 JP 2613444 B2 JP2613444 B2 JP 2613444B2 JP 63187240 A JP63187240 A JP 63187240A JP 18724088 A JP18724088 A JP 18724088A JP 2613444 B2 JP2613444 B2 JP 2613444B2
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- sensitive ferrite
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Description
【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明はフェライトのキュリー温度を利用する感温フ
ェライトの製造方法に関するものである。
ェライトの製造方法に関するものである。
従来、感温磁性材料として酸化物磁性体であるMn−Zn
系フェライト等がよく使用されていたが、熱伝導率が小
さく周囲の温度の変化に対する応答が鈍いこと、熱スイ
ッチ素子として具備すべきキュリー点近傍の磁気特性の
温度変化が緩やかなために熱スイッチとしてON−OFFの
動作をする温度幅が広くなってしまうという欠点があっ
た。
系フェライト等がよく使用されていたが、熱伝導率が小
さく周囲の温度の変化に対する応答が鈍いこと、熱スイ
ッチ素子として具備すべきキュリー点近傍の磁気特性の
温度変化が緩やかなために熱スイッチとしてON−OFFの
動作をする温度幅が広くなってしまうという欠点があっ
た。
そして、従来の感温フェライトに使われるMn−Zn系フ
ェライトの製造方法は、所定に秤量した原料をボールミ
ル等の混合機で混合,粉砕し、その後仮焼成を施し、更
に微粉砕し、仮焼フェライト粉末を製造する。次に、上
部仮焼フェライト粉末をプレス成形し、調整雰囲気また
は大気中で1200℃ないし1300℃程度の温度で1ないし3
時間ぐらい焼成し、冷却するのが一般的である。
ェライトの製造方法は、所定に秤量した原料をボールミ
ル等の混合機で混合,粉砕し、その後仮焼成を施し、更
に微粉砕し、仮焼フェライト粉末を製造する。次に、上
部仮焼フェライト粉末をプレス成形し、調整雰囲気また
は大気中で1200℃ないし1300℃程度の温度で1ないし3
時間ぐらい焼成し、冷却するのが一般的である。
最近、感温フエライトの応用の高度化が進み感温素子
としての精度の向上、例えば動作温度のばらつき抑制、
あるいは動作温度の狭帯域化が益々きびしく要求される
ようになり、従来の焼成方法による感温フエライトの特
性では十分対応できなくなってきている。
としての精度の向上、例えば動作温度のばらつき抑制、
あるいは動作温度の狭帯域化が益々きびしく要求される
ようになり、従来の焼成方法による感温フエライトの特
性では十分対応できなくなってきている。
本発明は感温素子としての精度向上を計るため感温フ
ェライトの特性で温度変化に対応する磁束密度の変化量
を大きくする目的で感温フェライトの焼成工程を改善し
たものである。すなわち所定の酸素分圧中での焼成工程
において1050℃ないし1100℃での窒素ガス雰囲気置換
(aircut)及び800℃ないし1000℃の温度から急冷する
ことにより、感温センサとして使用する温度の近くで温
度変化に対応する磁束密度の変化量を大きくする改善を
行うものである。
ェライトの特性で温度変化に対応する磁束密度の変化量
を大きくする目的で感温フェライトの焼成工程を改善し
たものである。すなわち所定の酸素分圧中での焼成工程
において1050℃ないし1100℃での窒素ガス雰囲気置換
(aircut)及び800℃ないし1000℃の温度から急冷する
ことにより、感温センサとして使用する温度の近くで温
度変化に対応する磁束密度の変化量を大きくする改善を
行うものである。
ロ.発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 すなわち、温度素子に使用されるMn−Zn系フェライト
の酸素分圧中での焼成工程の冷却過程において、1050℃
ないし1100℃の範囲で窒素ガス雰囲気に置換すること
と、800℃ないし1000℃の範囲から常温の雰囲気に取り
出し300℃まで急速に冷却することを特徴とする感温フ
ェライトの製造方法により焼結補助材料の破損もなく感
度のよい感温素子用フェライトを提供するものである。
の酸素分圧中での焼成工程の冷却過程において、1050℃
ないし1100℃の範囲で窒素ガス雰囲気に置換すること
と、800℃ないし1000℃の範囲から常温の雰囲気に取り
出し300℃まで急速に冷却することを特徴とする感温フ
ェライトの製造方法により焼結補助材料の破損もなく感
度のよい感温素子用フェライトを提供するものである。
然るに本発明は熱スイッチ素子として用いられる感温
フェライトにおいて、焼成工程を改良することにより感
温フェライトの磁束密度の温度依存性や、熱伝導率を改
善し周囲温度に対する応答を狭い温度幅で迅速に可能な
らしめるよう改善したものである。
フェライトにおいて、焼成工程を改良することにより感
温フェライトの磁束密度の温度依存性や、熱伝導率を改
善し周囲温度に対する応答を狭い温度幅で迅速に可能な
らしめるよう改善したものである。
本発明において、リング状感温フェライトに巻線を施
し、磁束密度(以下Bという)の温度変化を利用した温
度センサーを例にとって説明する。
し、磁束密度(以下Bという)の温度変化を利用した温
度センサーを例にとって説明する。
第1図は感温フェライトのキュリー温度近傍でのBの
変化を示したものである。温度センサーとして温度(以
下Tという)T0で動作させようとするとT0温度に対応す
るBの近傍、例えばB1ないしB2の範囲のB−T曲線が急
岐なほど、すなわちΔB/ΔT=B1−B2/T2−T1が大きい
ほどセンサーとしての動作の狭帯域化が可能となる。ま
た、B0となる温度T0の変動が小さいほどセンサーとして
有効である。
変化を示したものである。温度センサーとして温度(以
下Tという)T0で動作させようとするとT0温度に対応す
るBの近傍、例えばB1ないしB2の範囲のB−T曲線が急
岐なほど、すなわちΔB/ΔT=B1−B2/T2−T1が大きい
ほどセンサーとしての動作の狭帯域化が可能となる。ま
た、B0となる温度T0の変動が小さいほどセンサーとして
有効である。
以下実施例に沿って、本発明について詳しく説明す
る。
る。
実施例1 Fe2O3 50mol%,MnO 25mol%,ZnO 25mol%の組成とな
るように秤量し、前記の操作によりフェライト粉末を製
造する。リング状にプレス成形し、所定の酸素分圧中で
1260℃で3時間焼成し、その後1050℃及び1100℃近傍で
窒素ガス雰囲気置換(aircut)し、900℃より冷却雰囲
気にて300℃まで急冷した。本実施例により得られた感
温フェライトの特性、ΔB/ΔT及び動作温度を表−1に
示す。
るように秤量し、前記の操作によりフェライト粉末を製
造する。リング状にプレス成形し、所定の酸素分圧中で
1260℃で3時間焼成し、その後1050℃及び1100℃近傍で
窒素ガス雰囲気置換(aircut)し、900℃より冷却雰囲
気にて300℃まで急冷した。本実施例により得られた感
温フェライトの特性、ΔB/ΔT及び動作温度を表−1に
示す。
表−1に示す従来の1000℃での雰囲気置換品に比べΔ
B/ΔTは格段に改善されていることがわかる。
B/ΔTは格段に改善されていることがわかる。
実施例2 実施例1と同様の粉末製造を行ない、リング状にプレ
ス成形し1260℃で3時間、所定の酸素分圧中で焼成を行
ない、1000℃ないし1200℃で窒素ガス雰囲気置換(airc
ut)を行ない、900℃から急冷した感温フェライトのΔB
/ΔTと雰囲気置換温度の関係を第2図に示す。上記の
冷却過程を300℃まで炉内で徐冷した場合のΔB/ΔTと
雰囲気置換温度の関係を第3図に示す。また、表−2は
上記の実施例で雰囲気置換を1100℃にした場合の本発明
の実施例と1000℃で雰囲気置換し徐冷した場合の従来品
のΔB/ΔT及び動作温度を示した。
ス成形し1260℃で3時間、所定の酸素分圧中で焼成を行
ない、1000℃ないし1200℃で窒素ガス雰囲気置換(airc
ut)を行ない、900℃から急冷した感温フェライトのΔB
/ΔTと雰囲気置換温度の関係を第2図に示す。上記の
冷却過程を300℃まで炉内で徐冷した場合のΔB/ΔTと
雰囲気置換温度の関係を第3図に示す。また、表−2は
上記の実施例で雰囲気置換を1100℃にした場合の本発明
の実施例と1000℃で雰囲気置換し徐冷した場合の従来品
のΔB/ΔT及び動作温度を示した。
この結果、1050℃から1100℃の雰囲気置換温度900℃
より急冷されたものが1000℃で雰囲気置換された従来品
に比べ改善されていることがわかる。また、900℃付近
からの急冷が必要なことがわかる。
より急冷されたものが1000℃で雰囲気置換された従来品
に比べ改善されていることがわかる。また、900℃付近
からの急冷が必要なことがわかる。
実施例3 Fe2O3 50mol%,MnO 22mol%,ZnO 28mol%の組成とな
るように秤量し、実施例2と同様に焼結し従来と比較し
た結果を表3に示す。本発明による改善が明らかであ
る。
るように秤量し、実施例2と同様に焼結し従来と比較し
た結果を表3に示す。本発明による改善が明らかであ
る。
実施例4 実施例1及び実施例に使用した組成のフェライト粉末
のリング状プレス成形品を所定の酸素分圧中で1260℃で
3時間焼成し、実施例1の組成は1050℃、実施例2の組
成は1100℃で雰囲気置換を行ない急冷開始温度を各種と
った場合のΔB/ΔTと急冷開始温度の関係を調べた。第
4図にその結果を示し800℃ないし1000℃付近から開始
することが良好な結果となることがわかる。
のリング状プレス成形品を所定の酸素分圧中で1260℃で
3時間焼成し、実施例1の組成は1050℃、実施例2の組
成は1100℃で雰囲気置換を行ない急冷開始温度を各種と
った場合のΔB/ΔTと急冷開始温度の関係を調べた。第
4図にその結果を示し800℃ないし1000℃付近から開始
することが良好な結果となることがわかる。
以上実施例に示したように窒素ガス雰囲気置換温度を
従来より高くし、これに900℃付近からの冷却を急冷す
ることを組み合わせた工程により感温フェライトの特性
が改善されたことを説明した。
従来より高くし、これに900℃付近からの冷却を急冷す
ることを組み合わせた工程により感温フェライトの特性
が改善されたことを説明した。
窒素ガス雰囲気温度を1050℃から1100℃に限定したの
は第2図で示すようにその前後の温度で実施するとΔB/
ΔTの特性が従来レベルから改善されないためである。
また、急冷開始温度を800℃ないし1000℃間に限った理
由は第4図に示すように急冷開始温度800℃ないし1000
℃の上下の温度の場合従来の特性に比べ改善が見られな
い。
は第2図で示すようにその前後の温度で実施するとΔB/
ΔTの特性が従来レベルから改善されないためである。
また、急冷開始温度を800℃ないし1000℃間に限った理
由は第4図に示すように急冷開始温度800℃ないし1000
℃の上下の温度の場合従来の特性に比べ改善が見られな
い。
ハ.発明の効果 以上のように本発明によると周囲温度に対して狭い温
度幅で応答することが可能な感温素子が得られ精度の高
い温度センサを提供することができる。
度幅で応答することが可能な感温素子が得られ精度の高
い温度センサを提供することができる。
第1図は、感温フェライトのキューリー温度付近の温度
と磁束密度の関係を示した。 第2図は、本発明の感温フェライトの製造条件で冷却条
件を900℃より急冷した場合の窒素ガス雰囲気置換温度
とΔB/ΔTの関係を示した。 第3図は、第2図の冷却条件を300℃まで徐冷した場合
の窒素ガス雰囲気置換温度とΔB/ΔTの関係を示した。 第4図は、本発明の感温フェライトの製造条件で冷却開
始温度を変えた場合の冷却開始温度とΔB/ΔTの関係を
示した。 1……実施例1の組成の感温フェライト。 2……実施例2の組成の感温フェライト。
と磁束密度の関係を示した。 第2図は、本発明の感温フェライトの製造条件で冷却条
件を900℃より急冷した場合の窒素ガス雰囲気置換温度
とΔB/ΔTの関係を示した。 第3図は、第2図の冷却条件を300℃まで徐冷した場合
の窒素ガス雰囲気置換温度とΔB/ΔTの関係を示した。 第4図は、本発明の感温フェライトの製造条件で冷却開
始温度を変えた場合の冷却開始温度とΔB/ΔTの関係を
示した。 1……実施例1の組成の感温フェライト。 2……実施例2の組成の感温フェライト。
Claims (1)
- 【請求項1】感温素子に使用されるMn−Zn系フェライト
の酸素分圧中で焼成する工程の冷却過程において、1050
℃ないし1100℃の範囲で窒素ガス雰囲気に置換すること
と、1000℃ないし800℃の範囲から常温の雰囲気に取り
出し300℃まで急速に冷却することを特徴とする感温フ
ェライトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63187240A JP2613444B2 (ja) | 1988-07-26 | 1988-07-26 | 感温フェライト製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63187240A JP2613444B2 (ja) | 1988-07-26 | 1988-07-26 | 感温フェライト製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0238319A JPH0238319A (ja) | 1990-02-07 |
JP2613444B2 true JP2613444B2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=16202507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63187240A Expired - Fee Related JP2613444B2 (ja) | 1988-07-26 | 1988-07-26 | 感温フェライト製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2613444B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106630991A (zh) * | 2016-09-23 | 2017-05-10 | 浙江春晖磁电科技有限公司 | 一种高磁导率铁氧体降低初始磁导率的两次烧结工艺 |
CN106630990A (zh) * | 2016-09-23 | 2017-05-10 | 浙江春晖磁电科技有限公司 | 一种高磁导率铁氧体提高初始磁导率的两次烧结工艺 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3227652A4 (en) | 2014-12-02 | 2018-07-04 | 3M Innovative Properties Company | Magnetic based temperature sensing for electrical transmission line |
-
1988
- 1988-07-26 JP JP63187240A patent/JP2613444B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106630991A (zh) * | 2016-09-23 | 2017-05-10 | 浙江春晖磁电科技有限公司 | 一种高磁导率铁氧体降低初始磁导率的两次烧结工艺 |
CN106630990A (zh) * | 2016-09-23 | 2017-05-10 | 浙江春晖磁电科技有限公司 | 一种高磁导率铁氧体提高初始磁导率的两次烧结工艺 |
CN106630990B (zh) * | 2016-09-23 | 2020-07-28 | 浙江春晖磁电科技有限公司 | 一种高磁导率铁氧体提高初始磁导率的两次烧结工艺 |
CN106630991B (zh) * | 2016-09-23 | 2020-07-28 | 浙江春晖磁电科技有限公司 | 一种高磁导率铁氧体降低初始磁导率的两次烧结工艺 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0238319A (ja) | 1990-02-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |