JP2613381B2

JP2613381B2 - 杭圧入機

Info

Publication number: JP2613381B2
Application number: JP62033107A
Authority: JP
Inventors: 北村　　精男
Original assignee: GIKEN LTD.
Current assignee: GIKEN LTD.
Priority date: 1987-02-16
Filing date: 1987-02-16
Publication date: 1997-05-28
Anticipated expiration: 2012-05-28
Also published as: JPS63201209A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、既設杭の反力を利用すると共に、本体に接
続した反力手段によって大きな圧入反力を得て、既設杭
に隣接する新たな圧入杭を容易に圧入する杭圧入機に関
する。

（従来の技術）土木工事等において、鋼矢板などの杭を圧入し、既設
杭上を自走しながら杭の圧入引抜を行う杭圧入引抜機が
利用されている。この種の杭圧入機として、例えば第３
図に示すようなものがある。この杭圧入機はその本体52
下部に設けられたクランプ53、53・・により既設杭54、
54・・の上部に載置されており、この状態で本体52の前
部の杭圧入チャック55により圧入杭56を挾持し下降させ
ると、既設杭54、54・・には上向きに引抜力が作用し、
これを反力として圧入杭56が地中に圧入される。

（発明が解決しようとする問題点）このような従来の圧入機52による杭圧入時には、第４
図（ａ）に示すように圧入杭56からの圧入時の反力T1が
上向きに圧入機前部のチャック55に作用するが、この力
に対してクランプ53、53・・にはそれぞれ下向きの反力
Ｃ、Ｃ・・が作用して釣合う。通常の場合、この反力
Ｃ、Ｃ・・は最後部のクランプ53が反力支点Ａとなって
いるから、反力Ｃ、Ｃ・・は強い力を発揮できない。

１個当たりのクランプ53に作用する反力Ｃは既設杭54
の引抜き抵抗力に等しくほぼ一定とみなせるので、圧入
杭56からの反力T1は、クランプ53の数を多くして反力Ｃ
の作用点数を増すか、または第４図（ｂ）に示すように
クランプの取付け間隔を長くとることで増大させること
が可能であるが、これらのことは杭圧入機52のサイズを
著しく増大させることになり事実上不可能である。

このため、クランプの反力支点Ａをより後方に移動さ
せることができれば、既設杭54からのモーメントを増大
させることが可能であり、より大きな杭圧入力を得るこ
とができる。

本発明はこのような実状に鑑みてなされたもので、杭
圧入機の反力支点を本体後方に移動させて杭圧入力を増
大させる杭圧入機を提供することを目的としている。

（問題点を解決するための手段）本発明は前記問題点を解決するために、クランプによ
り既設杭上部に固定される本体と、前記本体の前部で杭
圧入チャックとを備えた杭圧入機において、前記本体後
方に突出し地面に力を伝達する上下動可能な反力スタン
プによる反力手段を本体の両側部にそれぞれ独立して備
えたことを特徴としている。

（作用）杭圧入機の本体後部に突出して設けられた反力手段
を、まず既設杭の高さに応じて上方にセットし、杭圧入
機をクランプにより既設杭の上部に載置し、その後反力
手段を下方に移動させて接地する。次に杭圧入機のチャ
ックにより圧入杭を挾持し、これを下降させて杭を圧入
する。

この圧入時に反力手段には上向きの反力が作用する
が、この反力支点を中心として、圧入杭からチャックに
作用する上向きの反力によるモーメントと、既設杭から
のクランプに作用する下向きの反力によるモーメントが
バランスする。このとき、反力手段による反力支点が本
体の後方にあるので、クランプに作用するモーメントが
増大する。

（実施例）次に添付図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１図は本発明を適用した杭圧入機の側面図である。
符号１は既設杭であり、この杭１は地表に対して垂直に
圧入され、その上端を揃えて地表面から所定の高さで水
平に打止められている。この杭１の上部には杭圧入機３
がサドル４の下部に設けた４個のクランプ５によって載
置されている。

前記サドル４の上部に固定されたマスト６の前部には
サドル４と垂直にアーム８が油圧作動によって上下動可
能に取付けられており、アーム８の先端には杭圧入チャ
ック９が取付けられている。

前記サドル４の後部には左右一対の伸縮装置11のシリ
ンダ部11aの一端がピン12を介して回動可能に軸支さ
れ、シリンダ部11aのロッド11bの先端部には地面を押圧
する、反力手段としての反力スタンプ13がピン14を介し
て回動可能に軸支されている。この反力スタンプ13とサ
ドル４の前部との間には伸縮装置11の傾斜角を調整する
傾斜角調整機構としての支持棒17がその両端をピン16、
18を介して回動可能に軸支されている。

次に本実施例の作用を説明する。

杭圧入機３を既設杭１の上部に載置し、この高さに応
じて伸縮装置11を縮め、予め反力スタンプ13を上方に移
動させる。そして、伸縮装置11を伸ばして左右の反力ス
タンプ13、13を接地させ、チャック９により圧入杭10を
掴み、アーム８を下降させると圧入杭10が圧入される。

このとき、第２図に示すように、反力スタンプ13には
上向きの反力T2が作用するが、この反力支点Ａを中心と
して、圧入杭10からチャック９に作用する上向きの反力
T1によるモーメントと、既設杭１から各クランプ５に作
用する下向きの反力Ｃによるモーメントがバランスす
る。

このように、反力スタンプ13による反力支点Ａは杭圧
入機３の後方位置にあるので、クランプ５に作用する反
力Ｃのモーメントが大きくなり、チャック９に作用する
反力T1をクランプ５に作用する反力Ｃの合計に近づけて
杭10の圧入力を増大させることが可能となる。

また、伸縮装置11、11は左右独立して伸縮することが
できるので、杭圧入機３の左右の傾きの調節が可能であ
る。このため、既設杭１が垂直に圧入されていなくて
も、この伸縮装置11により杭圧入機３を垂直に調節して
から圧入杭10を垂直に圧入できる。

更に、従来では杭１の習性により圧入の際に生じる前
倒れはオペレータの特殊な操作テクニックで杭圧入機３
を前傾せることにより防止していたが、クランプ５を開
放して伸縮装置11を伸ばすことにより、サドル４の後部
を持ち上げ杭圧入機３の前傾が容易となる。

なお、前記支持棒17は伸縮可能にしてもよく、またそ
の支持棒17の取付位置はサドル４に限定されずマスト６
等に軸支してもよい。

（発明の効果）以上説明したように本発明は、杭圧入機本体に取付け
られた反力手段により、反力支点を後方に移動させるこ
とができ、杭圧入力を増大させることが可能となる。

また反力手段を左右に取付けた場合には、杭圧入機の
横方向の倒れを調整できる。更にクランプを開放して、
反力手段を設置させた後なおも下方に移動させることに
より、杭圧入機を容易に前傾させることができ、杭等に
みられる杭の前倒れを防止できる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は杭圧入機
の側面図、第２図は杭圧入機に作用する外力の均衡を示
す説明図、第３図は従来の杭圧入機の側面図、第４図
（ａ）は従来の杭圧入機に作用する外力の均衡を示す説
明図、第４図（ｂ）は従来の杭圧入機のクランプ間隔を
長くした場合に作用する外力の均衡を示す説明図であ
る。１……杭、３……杭圧入機、４……サドル（本体）、５
……クランプ、６……マスト（本体）、９……チャッ
ク、11……伸縮装置（反力手段）、13……反力スタンプ
（反力手段）、17……支持棒（傾斜角調整機構）、Ａ…
…反力支点Ｃ……クランプに作用する反力 T1……チャックに作用する反力 T2……反力支点Ａに作用する反力

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】下部に設けたクランプにより既設杭上部に
固定される本体と、前記本体の前部に杭圧入チャックを
備えた杭圧入機において、前記本体に接続され、本体後
方で接地し、反力を得る上下動可能な反力スタンプによ
る反力手段を本体の両側部にそれぞれ独立して備えた杭
圧入機。
【請求項２】前記反力手段は、前記本体後部に回動可能
に軸支された伸縮装置に接続され、さらに、前記本体に
は、この伸縮装置の傾斜角を調整する傾斜角調整機構を
備えた特許請求の範囲第１項記載の杭圧入機。