JP2613267B2 - 樹脂水性分散液組成物 - Google Patents

樹脂水性分散液組成物

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JP2613267B2 JP16833388A JP16833388A JP2613267B2 JP 2613267 B2 JP2613267 B2 JP 2613267B2 JP 16833388 A JP16833388 A JP 16833388A JP 16833388 A JP16833388 A JP 16833388A JP 2613267 B2 JP2613267 B2 JP 2613267B2
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克秋 遠藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明の樹脂水性分散液組成物は、金属、木材、プラ
スチツク、紙、セラミツクス、繊維用の接着剤や被覆
材、特に木工用接着剤、構造用接着剤として有用であ
り、木材同志、木材と皮革、木材と金属、木材とプラス
チツク、木材とコンクリートやスレートとを接着するの
に利用される。
この組成物は、潜在架橋性の重合体分散体組成物であ
り、その分散体組成物により形成される塗膜は、耐熱水
性、耐水接着性、耐熱性、耐寒性及び防錆性にも優れて
いる。
〔従来の技術〕
ポリヒドラジン化合物を含有するカルボニル基含有共
重合物の常温架橋性水性分散液は知られている(特開昭
54−110248号、同54−144432号、同55−147562号、同57
−3857号、同58−96643号、同60−38468号公報参照)。
この水性分散液は5〜25℃の造膜温度で被膜を形成す
る。しかも、布、金属等の被着材に対し強力な密着力を
有する皮膜を与えることは注目すべきことである。
例えば、特開昭54−144432号公報には(a)ガラス転
移温度が0〜50℃のカルボニル基含有共重合物の水性分
散液に、(b)水溶性脂肪族ジヒドラジン化合物および
(c)水溶性の亜鉛塩、マンガン塩、コバルト塩または
鉄塩を配合した塗料用結合材を綿布テープに塗布し、皮
膜を形成したものを、DIN53−289に記載のロールはぎ取
り装置を用いて測定すると2kg/3.5cmの固着力を有する
綿布テープが得られた旨記載している。
前記公報群に記載される常温架橋性の樹脂水性分散液
組成物は、カルボニル基(アルデヒド基またはケトン
基)を有する共重合体の水性分散液に、アジピン酸ジヒ
ドラジドや−NH・NH2基を2個以上有するポリマーのヒ
ドラジン化合物の水溶液を配合したもので、乾燥により
ヒドラジン化合物が共重合物のカルボニル基と架橋反応
して皮膜を与える。この皮膜は硬さ、伸度、耐薬品性に
優れるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
集成材、合板、スキー板、船板の工業用接着剤として
は、樹脂と硬化剤よりなる二液型の水性ビニルウレタン
樹脂接着剤が使用されている。
このものは使用に際して水酸基を有するポリマーと、
イソシアネート系硬化剤を混合する手間がかかる。ま
た、接着剤のポツトライフも2時間位である。学校の工
作用接着剤としてはポリ酢酸ビニルの水性エマルジヨン
が利用されている。この接着剤は一液型であり、取扱い
が容易であり、ポツトライフが長い。しかし、二液型の
水性ビニルウレタン樹脂接着剤と比較し、常温による接
着力や煮沸くり返し試験後の接着力に劣る。
集成板、スキー板、船板等は水に浸漬したり、航海で
高温多湿帯を通過したり、台所に使用される。従つて、
耐水性、耐熱性が要求される。
前記常温架橋性の樹脂水性分散液は一液型で取扱いが
容易であるが煮沸くり返し後の接着力の低下が著しい。
また、柱等の構造用集成材用接着剤としてレゾルシノ
ール系接着剤が使用されているが、遊離ホルマリンによ
る毒性及び臭いの面で問題がある。
本発明は、一液型の樹脂水性エマルジヨンであつて、
煮沸繰返し後の接着力も十分実用性があり、毒性及び臭
いの面でも問題のない樹脂水性分散液組成物を提えるこ
とを課題とする。
〔課題を解決する具体的手段〕
本発明は、エポキシ基含有単量体を0.3〜20重量%、
分子中に少なくとも1個のアルデヒド基またはケトン基
を有する不飽和単量体0.3〜20重量%および他の不飽和
単量体99.4〜60重量%の不飽和単量体の混合物を乳化重
合して得た共重合体の水分散液(A)に、ヒドラジン基
を分子中に2個以上含有する水溶性ポリヒドラジン化合
物(B)および/または活性水素を有するアミノ系化合
物(C)を配合した樹脂水性分散液組成物を提供するも
のである。
(A)成分の共重合体は、ポリヒドラジン化合物およ
び/またはアミノ化合物と反応するエポキシ基とアルデ
ヒド基またはケトン基を相方備えることにより、得られ
る皮膜の架橋密度は向上し、これらの官能基の導入によ
り皮膜の木工基材や被着材に対する密接性もより向上す
る。また、架橋されるので煮沸繰返し後の接着力の低下
も少ない。
分散液は、(A)の共重合体のエポキシ基およびエポ
キシ基とカルボニル基(アルデヒド基又はケトン基)の
合計1当量に対し、(B)成分のヒドラジン基が0.2〜
5当量となるように配合される。
また、(A)の共重合体のエポキシ基と、アルデヒド
基又はケトン基の合計1当量に対し、(C)のアミノ系
化合物のアミノ基(−NH2またはNH)の活性水素が0.1
〜5当量となるように配合する。
(B)成分と(C)成分を併用するときは、(A)の
水分散液の共重合体のエポキシ基と、アルデヒド基又は
ケトン基の合計1当量に対し、(B)の−NH・NH2基と
(C)のアミノ基の活性水素基の合計が0.1〜5当量と
なるように用いる。
(A)成分 (A)成分の共重合体の水分散液は、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、β−メチルグリ
シジルアクリレート、β−メチルグリシジルアクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化合
物0.3〜20重量%と、ケトン基またはアルデヒド基を有
する不飽和単量体0.3〜20重量%および他の不飽和単量
体残余とを乳化重合して得られるもので、得られる共重
合体のガラス転移点が60℃以下のものが造膜性の面から
好ましい。
架橋密度を増し、耐熱水性をより向上させるケトン基
またはアルデヒド基を有するビニル単量体は、分子中に
少なくとも1個のアルデヒド基又はケトン基と1個の重
合可能な二重結合を有する単量体、すなわち特に重合可
能なモノオレフイン性不飽和のアルデヒド化合物及びケ
トン化合物であつて、エステル基(−COO−)、カルボ
キシル基(−COOH)のみを有する化合物は除かれる。具
体的にはアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホ
ルミルスチロール、好ましくは4〜7個の炭素原子を有
するビニルアルキルケトンたとえば特にビニルメチルケ
トン、ビニルエチルケトン及びビニルイソブチルケトン
及び/又は次式 〔式中R1はH又はCH3、R2はH又は1〜3個の炭素原子
を有するアルキル基、R3は1〜3の炭素原子を有するア
ルキル基、そしてR4は1〜4個の炭素原子を有するアル
キル基を意味する〕で表わされるアクリル(メタクリ
ル)オキシアルキルプロパナール、ジアセトンアクリレ
ート、アセトニルアクリレート、ジアセトンメタクリレ
ート、アセトニトリルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート−アセチルアセテート及びブタン
ジオール−1,4−アクリレート−アセチルアセテートが
用いられる。
これらの中でもアクロレイン、ジアセトンアクリルア
ミド、及びビニルメチルケトンが好ましい。
他の不飽和単量体としては、その単独重合体のTgが10
0℃以上のハード単量体、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル等のそのホモ重合体のTgが60℃以
下のソフトモノマーの他、アクリルアミド、アクリル
酸、イタコン酸、N−メチロールアクリルアミド等の官
能性モノマーが利用できる。
好ましくは、 (a) エポキシ基含有単量体 0.3〜20重量% (b) アルデヒド基またはケトン基を有する不飽和単
量体 0.3〜20重量% (c) メタクリル酸メチル、ビニル芳香族化合物、ア
クリル酸第三級ブチル、メタクリル酸第三級ブチル、ハ
ロゲン化ビニル、アクリロニトリルより選ばれたハード
単量体 0〜80重量% (d) 2〜8個の炭素原子を有するアルカノールのア
クリル酸またはメタクリル酸のエステル、ビニルエステ
ル類、アクリル酸メチル、1,3−ジエンより選ばれたソ
フト単量体 95〜20重量% (e) 不飽和カルボン酸 0〜 5重量% (f) アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アル
キロールアクリルアミドより選ばれた単量体0〜15重量
% を乳化重合したものが好ましい。
上記(e)成分としてはアクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸等が利用できる。
エポキシ化合物の含量が0.3重量%未満では密着性、
特に煮沸繰返し後の密着性の低減防止効果が小さい。20
重量%を越えては、添加するポリヒドラジン化合物また
はアミノ系化合物との反応効率が低下し、かつ得られる
皮膜の柔軟性が低下する。
又、ケトン基又はアルデヒド基を有する不飽和単量体
の含量についても同様のことが言える。但し、エポキシ
化合物を併用しないと煮沸繰り返し後の接着力の低下が
大きい。
他の不飽和単量体の種類、使用量は既述したように乳
化重合により得られるエマルジヨンの共重合体のガラス
転移点(Tg)が60℃以下、好ましくは常温付近での造膜
性の面から−40℃〜+30℃となるように選択する。
乳化重合は、界面活性剤又は保護コロイド剤の存在下
で行うことができるが、特に(a′)分子中に少なくと
も1個のアルデヒド基又はケトン基及び1個の重合可能
な二重結合を有するカルボニル基含有単量体単位を0.5
〜27重量%、(b′)3〜5個の炭素原子を有するモノ
オレフイン性不飽和カルボン酸単位を2〜28.5重量%、
(c′)アクリル酸若しくはメタクリル酸の炭素数1〜
8のアルキルエステル、ビニル芳香族化合物、ハロゲン
化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、飽
和カルボン酸ビニルエステルよりなる群から選ばれた単
量体単位を71〜97重量%、(d′)前記(a′)〜
(c′)以外の単量体単位を0〜10重量%含有するカル
ボニル基含有共重合体のアルカリ添加によつて水可溶化
された水溶性共重合体を保護コロイド剤として行われる
ことが、耐水接着性の面でより好ましい。
この乳化重合法における保護コロイド剤の調製に用い
られるカルボニル基含有共重合体の単量体単位(a′)
を形成せしめる単量体としては、たとえばアクロレイ
ン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、
4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(た
とえばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニ
ルブチルケトンなど)、一般式 〔式中、R1はH又はCH3、R2はH又は炭素数1〜3個の
アルキル基、R3は炭素数1〜3個のアルキル基、R4は炭
素数1〜4のアルキル基を示す。〕 で表わされるアクリル(又はメタクリル)オキシアルキ
ルプロペナール、ジアセトンアクリレート、アセトニト
リルアクリレート、ジアセトンメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブ
タンジオール−1,4−アクリレートアセチルアセテート
等があげられる。特に好ましいその単量体はジアセトン
アクリルアミド、アクロレイン及びビニルメチルケトン
である。これらの単量体単位は、その共重合体中に2種
以上含まれていてもよい。
そのカルボニル基含有共重合体中の単量体単位
(a′)の含有量は、0.5〜27重量%、好ましくは5〜2
5重量%である。同単量体単位(a′)の含有量が上記
の範囲より少ないと共重合体中のアルデヒド基又はケト
ン基の含有量が少なくなりすぎて、乳化重合により得ら
れた共重合体分散体にポリヒドラジン化合物を添加して
も塗膜物性(たとえば耐ブロツキング性等)の充分な改
善効果が得られなくなる。また、単量体単位(a′)の
含有量が上記の範囲より多くなると、相対的に単量体単
位(b′)の含有量が少なくなり、共重合体にアルカリ
を添加した場合の水溶化が不充分となり、本発明の乳化
重合系の安定性が損なわれる。
また、同共重合体中の単量体単位(b′)を形成せし
める単量体は、3〜5個の炭素原子を有するモノオレフ
イン性不飽和カルボン酸であり、そのカルボン酸はモノ
カルボン酸であつても、ジカルボン酸であつてもよい。
その単量体単位(b′)を形成せしめる好ましい単量体
としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸などがあげられる。これらの単量体単位(b′)
は共重合体中に2種以上含まれていてもよい。
同共重合体中の単量体単位(b′)の含有量は、2〜
28.5重量%、好ましくは5〜15重量%である。単量体単
位(b′)の含有量が上記の範囲より少なくなると、共
重合体にアルカリを添加した場合の水溶化が不充分とな
り、ひいては乳化重合時の重合系の安定性が損なわれ
る。また、単量体単位(b′)の含有量が上記の範囲よ
り多くなると、相対的に単量体単位(a′)の含有量が
少なくなり、乳化重合によつて得られた共重合体分散体
(A)にポリヒドラジン化合物(B)を添加しても充分
な塗膜物性の改善効果が得られなくなるし、さらにアル
カリ添加後の共重合体の親水性が高くなりすぎ、ひいて
はポリヒドラジン化合物添加後の共重合体分散体組成物
の塗膜の耐水性が悪くなる。
また、同共重合体の単量体単位(c′)を形成せしめ
る単量体としては、アクリル酸若しくはメタクリル酸の
炭素数1〜8のアルキルエステル(たとえばアクリル酸
若しくはメタクリル酸のメチル、エチル、イソプロピ
ル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチ
ル等のエステル)、ビニル芳香族化合物(たとえばスチ
レン)、ハロゲン化ビニル(たとえば塩化ビニル、臭化
ビニル、塩化ビニリデン)、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、飽和カルボン酸ビニルエステル(たとえ
ば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル)等があげられる。
特に好ましいその単量体はアクリル酸若しくはメタクリ
ル酸の炭素数1〜8個のアルキルエステル及び酢酸ビニ
ルである。これらの単量体単位(c′)は、共重合体中
に2種以上含まれていてもよい。
同共重合体中の単量体単位(c′)の含有量は、71〜
97重量%、好ましくは75〜90重量%の範囲である。単量
体単位(c′)の含有量が上記の範囲より少なくなる
と、ポリヒドラジン化合物を添加した重合体分散体組成
物の塗膜は耐水接着性、耐水白化性及び防錆性に劣るも
のとなる。その理由は必ずしも明確でないが、単量体単
位(c′)の含有量が少なくなると、生成共重合体のア
ルカリ添加物の表面張力低下能が小さくなり、これを分
散剤として用いて乳化重合させて得られる重合体分散体
の分散粒子が大きくなるためではないか、と推測され
る。また、単量体単位(c′)の含有量が上記範囲より
多くなると、相対的に単量体単位(a′)や単量体単位
(b′)の含有量が低下し、ポリヒドラジン化合物を添
加した重合体分散体組成物塗膜の耐ブロツキング性等の
改善効果が得られなくなつたり、或いは共重合体にアル
カリを添加した場合の水溶化が不充分になつて、乳化重
合系の安定性が損なわれるようになる。
さらに、同共重合体の単量体単位(d′)は、前記の
単量体単位(a′)〜(c′)以外のものであり、この
単量体単位(d′)の含有量は0〜10重量%であつて、
この単量体単位(d′)は必須成分ではない。その単量
体単位(d′)を形成せしめる単量体としては、たとえ
ばモノオレフイン性不飽和カルボン酸アミド(たとえば
アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、イタコン酸ア
ミドなど)、モノオレフイン性不飽和カルボン酸アミド
のN−アルキル及び/又はN−アルキロール誘導体(た
とえばN−メチルアクリルアミド、N−イソブチルアク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチ
ロールメタクリルアミド、N−エトキシメチルアクリル
アミド)、モノオレフイン性不飽和スルホン酸(たとえ
ばビニルスルホン酸、メチルアクリルアミドプロパンス
ルホン酸など)等があげられる。これらの単量体単位
(d′)は、その共重合体中に2種以上含まれていても
よい。
以上詳述したカルボニル基含有共重合体にアルカリを
添加すれば、同共重合体中のカルボキシル基が部分的に
又は完全に中和されて水可溶化され水溶性共重合体とな
るのであり、(A)成分の水分散液を得る乳化重合にお
いては、かかる水溶化された共重合体を保護コロイド剤
として使用するのが好ましい。そのカルボニル基含有共
重合体の水溶化のために添加されるアルカリには、無機
の水溶性アルカリ(たとえば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなど)、水に溶解してアルカリ性を示す無機塩
類(たとえば炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ムなど)は勿論のこと、それ以外にアンモニア水や有機
アミン等も使用できる。なお、カルボキシル基含有共重
合体へのアルカリの添加は、必ずしも共重合体形成後で
ある必要がなく、場合によつては単量体単位(b′)を
形成せしめるための共重合前の単量体にアルカリを添加
して中和させておいてから共重合を行なわせてもよい。
乳化重合は、常法にしたがつて行なわせればよく、勿
論、その際に重合開始剤が使用されるし、その特定の保
護コロイド剤と乳化剤(界面活性剤)や他の分散剤を併
用することも可能である。
その開始剤としては、たとえば過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、ベンゾイル
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−
ブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物、アゾビス
イソブチロニトリルなどが用いられ、特に水溶性開始
剤、及び上記の開始剤に還元成分を組合わせたレドツク
ス型開始剤が好ましい。
また、乳化剤としては、たとえば高級アルコール硫酸
エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルサルフエート塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルフエノールエーテルサルフエート塩などの陰
イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフエノールエーテ
ル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロツク
コポリマー、ソルビタン誘導体等の非イオン剤界面活性
剤があげられる。
その乳化重合の温度条件は、格別の制限がないが、通
常、40〜98℃、好ましくは60〜90℃である。
この乳化重合によつて得られる(A)成分の共重合体
の水分散液は、その乳化重合において用いた保護コロイ
ド剤の水溶性カルボニル基含有共重合体が含まれている
から、この共重合体の水分散液に2個以上のヒドラジン
残基を有するポリヒドラジン化合物(B)または活性水
素を有するアミノ系化合物を添加して共重合体の水分散
液組成物にすれば、共重合体の水分散液(A)のエポキ
シ基とポリヒドラジン化合物やアミノ系化合物との架橋
反応の他に、保護コロイド剤共重合体のアルデヒド基又
はケトン基とポリヒドラジン化合物のヒドラジン残基ま
たはアミノ系化合物の−NH2との間で架橋反応を起し、
その保護コロイド剤は水不溶性のものに変化するので、
その共重合体の水分散液組成物の塗膜は、乳化剤のみを
用いて乳化重合した共重合体分散体より得られる塗膜よ
りも耐薬品性、耐ブロツキング性、耐溶剤性等が更に優
れ、かつアルキツド塗膜等に対する接着性もより優れた
ものとなるばかりでなく、乳化重合によつて得られる重
合体分散体の粒子が微細であるので、それにポリヒドラ
ジン化合物またはアミノ系化合物を添加した重合体分散
体組成物は、皮膜状態が著しく良好であり、かつその塗
膜の耐水性、耐熱水性、耐水接着性が著しく向上する。
(B)成分 (B)成分のポリヒドラジン化合物は2個以上のヒド
ラジン残基を有するもので、4〜6個の炭素原子を有す
るジカルボン酸ジヒドラジド(たとえばしゆう酸ジヒド
ラジド、マロン酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジ
ド、グルタン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ
ド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジ
ド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジ
ド)、2〜4個の炭素原子を有する脂肪族水溶性ジヒド
ラジン(たとえばエチレン−1,2−ジヒドラジン、プロ
ピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラ
ジン)の他に、次式で示される水溶性ポリマーが使用で
きる。
〔式中、Xは水素原子又はメチル基であり、Aはアクリ
ルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル
酸又は無水マレイン酸の各単位であり、Bはアクリルア
ミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸又
は無水マレイン酸と共重合可能な単量体の単位である。
また、l、m及びnは下記の各式 2モル%l100モル% 0モル%n20モル% (l+m+n)=100モル% を満足する数を示す。〕 で表わされる水溶性ポリマーである。
(C)成分 (C)成分の活性水素基を有するアミノ系化合物とし
ては、ジエチレンテトラミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキレンポリ
アミン;ピペラジン、フエニレンジアミン、ポリエチレ
ンイミン等の−NH2、>NH基を有する化合物が使用され
る。
任意成分: 上記(A)、(B)および(C)成分の他に、顔料、
染料、可塑剤、造膜助剤、消泡剤、滑剤、紫外線吸収
剤、セメント、充填材等を配合してもよい。充填剤の量
は、(A)成分の共重合体の300重量%以下が望まし
い。
(実施例等) 次に、保護コロイド剤調製例、重施例、比較例をあげ
てさらに詳述する。これらの例に記載された「部」及び
「%」は、特に記載しない限り重量基準による。
分散剤の製造例 例1 温度調節器、いかり型撹拌機、還流冷却器、供給容
器、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器内を窒素ガ
ス置換したのち、これにブチルセロソルブ200部を導入
した。
別に、供給物I及び供給物IIとして下記の組成物を用
意した。
供給物I ジアセトンアクリルアミド 30部 アクリル酸 9部 アクリル酸メチル 81部 アクリル酸ブチル 30部 供給物II ブチルセロソルブ 100部 アゾビスイソブチロニトリル 6部 次いで、反応容器内を80℃に加熱して撹拌しながら、
これに供給物I及び供給物IIを均一に連続的に3時間か
けて添加して反応させ、その添加終了後にさらに1時間
80℃に保つて重合反応を終了させた。重合生成物を室温
に冷却してカルボニル基含有共重合体のブチルセロソル
ブ溶液を得た。
得られた上記のカルボニル基含有共重合体溶液からロ
ータリーエバポレーターで有機溶剤のブチルセロソルブ
をほぼ完全に留去したのち、水酸化ナトリウム水溶液を
加えて中和し、さらに水で希釈して、濃度20%の保護コ
ロイド剤水溶液を得た。
例2 例1の共重合体の製造において用いたと同様の反応容
器内を窒素ガス置換したのち、これに水200部及びラウ
リル硫酸ソーダ1部を装入した。
別に、供給物I及び供給物IIとして、それぞれ下記の
組成物を用意した。
供給物I 水 90 部 ラウリル硫酸ソーダ 0.5部 メタ重亜硫酸ソーダ 0.5部 アクリル酸メチル 50 部 酢酸ビニル 70 部 アクリル酸 30 部 供給物II 水 50 部 過硫酸ナトリウム 2 部 次いで、反応容器内を80℃に加熱して撹拌しながら、
これに供給物I及び供給物IIを均一に連続的に3時間か
けて添加した。その添加終了後、反応容器内を90℃に昇
温し、その温度で1.5時間保つて重合反応を終了させ
た。重合反応終了後、室温に冷却して共重合体の水性分
散液を得た。これに水酸化ナトリウム水溶液を加えて中
和し、さらに水で希釈して、濃度15%の保護コロイド剤
水溶液を得た。
共重合体の水性分散液の製造例 例1 温度調節器、いかり型撹拌器、還流冷却器、供給容
器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器内に、
水370部及び分散剤として例1で得た保護コロイド剤30
部を装入した。
別に、供給物I及び供給物IIとして、それぞれ下記の
組成物を用意した。
供給物I スチレン 110 部 メタクリル酸メチル 100 部 アクリル酸ブチル 255 部 グリシジルメタクリレート 20 部 ジアセトンアクリルアミド 15 部 供給物II 水 120 部 過硫酸ナトリウム 2.5 部 水酸化ナトリウム 0.8 部 次いで、反応器内を窒素ガス置換したのち、供給物I
の1/10量を装入して90℃に加熱し、さらに供給物IIの1/
10量を装入した。次いで、残りの供給物I及び供給物II
を同時に少量ずつ3〜3.5時間かけて反応容器に供給し
た。その供給終了後に、なお1.5時間90℃に保つて反応
させた。次いで、反応容器を室温に冷却し、アンモニア
水を加えて反応生成物のpHを7〜8に調整し、共重合体
の水性分散液を得た。
この乳化重合において用いた不飽和単量体種類及びそ
の量、分散剤の種類及びその量は表1に示すとおりであ
り、得られた共重合体の水分散液の固形分濃度は表1に
示すとおりであつた。
例2〜6 使用分散剤及び使用単量体を表1に示すように変更
し、そのほかは実施例1の方法に準じて乳化重合させ
た。
得られた共重合体の水分散液の固形分濃度は表1に示
すとおりであつた。
実施例1〜11、比較例1〜4 例1〜6で得られた各共重合体水分散液100部に、表
1に示すポリヒドラジン化合物またはアミノ系化合物を
表1に示す量加え、撹拌混合して種々の樹脂水性分散液
組成物を得た。
得られた樹脂水性分散液組成物について、.2枚のか
ば材(縦35mm、横25mm、肉厚10mmの表面に約70g/m2(固
型分)となるように塗布し、ついで2枚のかば材を縦2.
5cm、横2.5cm(面積6.25cm2)が重なるように塗布面同
志を貼着し、室温下で2日放置した後のJIS K−6852
による6.25cm2当りの圧縮せん断接着強さを調査した。
ついで、.この樹脂水性分散液組成物について表2
に示す期間20℃で保存後、2枚のかば材に上記と同様
に塗布し、貼着、2日経過させた後、煮沸水中に4時間
浸せき後、60℃の空気中で20時間乾燥し、再び沸騰水中
に4時間浸せきし、室温の水中に冷めるまで浸し、ぬれ
たままの状態で、圧縮せん断接着力を調べた。
.20℃で16日経過後の樹脂水性分散液組成物につい
て、これを60℃の雰囲気下に4日間放置し、ついで2枚
のかば材の表面に上記と同様に塗布、貼着し、煮沸水
中に浸漬後の圧縮せん断強さを調べた。
結果を表2に示す。
なお、参考に市販の木工用の水性ビニルウレタン接着
剤(参考例1)およびポリ酢酸ビニル水性エマルジヨン
(参考例2)の0.25cm2当りの圧縮せん断接着強度を表
2に示す。
表1の注: *1 NPEO p−ノニルフエノールのエチレンオキサイ
ド20モル付加物硫酸半エステルのナトリウム塩の35重量
%水溶液と、p−ノニルフエノールのエチレンオキサイ
ド25モル付加物の20%水溶液との重量比15/10の混合物 *2 ADH アジピン酸ジヒドラジド *3 SDH セバシン酸ジヒドラジド *4 PAAH−1の製造 温度調節器、いかり型撹拌器、還流冷却器、温度計、
窒素導入管を備えた反応容器内に、 ポリアクリルアミド水溶液 300g (分子量30,000〜40,000、20%水溶液) ヒドラジンヒドラート水溶液 400g (80%水溶液) を加え、撹拌しながら70℃で約10時間反応させた。その
後、10のメタノール中に撹拌しながら上記の反応生成
物をゆつくりと加えた。生成した沈でん物を再沈でん法
によつて精製して、水溶性酸ヒドラジド系ポリマーを得
た。このポリマーは、ヨウ素滴定法で測定したところ、
ヒドラジド基含有量が51モル%であつた。この精製物を
水に溶解させてポリマー濃度が20重量%の水溶液を得
た。
*5 DETA ジエチレントリアミン *6 TETA トリエチレンテトラミン

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ基含有単量体を0.3〜20重量%、
    分子中に少なくとも1個のアルデヒド基またはケトン基
    を有する不飽和単量体0.3〜20重量%および他の不飽和
    単量体99.4〜60重量%の不飽和単量体混合物を乳化共重
    合して得た共重合体の水分散液(A)に、ヒドラジン基
    を分子中に2個以上含有する水溶性ポリヒドラジン化合
    物(B)および/または活性水素を有するアミノ系化合
    物(C)を配合した樹脂水性分散液組成物。
  2. 【請求項2】(A)の共重合体のエポキシ基とアルデヒ
    ド基又はケトン基の合計1当量に対し、(B)のポリヒ
    ドラジン化合物のヒドラジン基が0.1〜5当量となるよ
    うに配合してなる請求項第1項記載の樹脂水性分散液組
    成物。
  3. 【請求項3】(A)の共重合体のエポキシ基と、アルデ
    ヒド基又はケトン基の合計1当量に対し、(C)のアミ
    ノ系化合物のアミノ基の活性水素が0.1〜5当量となる
    ように配合してなる請求項第1項記載の樹脂水性分散液
    組成物。
  4. 【請求項4】アミノ系化合物がジエチレントリアミンで
    あることを特徴とする請求項第1項記載の樹脂水性分散
    液組成物。
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