JP2612569B2 - 電子放出素子 - Google Patents

電子放出素子

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JP2612569B2 JP5211387A JP5211387A JP2612569B2 JP 2612569 B2 JP2612569 B2 JP 2612569B2 JP 5211387 A JP5211387 A JP 5211387A JP 5211387 A JP5211387 A JP 5211387A JP 2612569 B2 JP2612569 B2 JP 2612569B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子放出素子に係り、特に基体の表面上に設
けられた尖頭部を有する電極と、前記基体の表面上に設
けられた絶縁部材を介して、前記尖頭部の近傍に設けら
れた引き出し電極とを有する電子放出素子に関する。
[従来の技術] 従来、電子放出源としては熱陰極型電子放出素子が多
く用いられていたが、熱陰極を利用した電子放出は加熱
によるエネルギーロスが大きく、予備加熱が必要等の問
題点を有していた。
これらの問題点を解決すべく、冷陰極型の電子放出素
子がいくつか提案されており、その中に局部的に高電界
を発生させ、電界放出により電子放出を行わせる電界効
果型の電子放出素子がある。
第11図は電界効果型の電子放出素子の一例を示す概略
的部分断面図である。
第11図に示すように、Si等の基体20上にMo(モリブデ
ン)等の円錐形状の電極18を設け、この電極18を中心と
して開口部が設けられたSiO2等の絶縁層19が形成され、
この上に、前記円錐形状の尖頭部の近傍にその端部が形
成された引き出し電極17を設ける。
このような構造の電子放出素子において、基体20と引
き出し電極17との間に電圧を印加すると、電界強度の強
い尖頭部から電子が放出される。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記従来の電子放出素子は、円錐形状
の尖頭部に強電界がかかり、電流密度が高くなるため
に、発熱が大きくなって尖頭部が溶融することから、特
性変化を起し、動作電圧や電子放出効率が変動してしま
う問題点を有していた。
本発明の目的は電子放出部となる尖頭部を有する電極
の耐熱性の優れた電子放出素子を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の電子放出素子は、基体の表面上に設けられた
尖頭部を有する電極と、前記基体の表面上に設けられた
絶縁部材を介して、前記尖頭部の近傍に設けられた引き
出し電極とを有する電子放出素子において、 前記尖頭部を有する電極が、尖頭部を有する導電部材
と、この導電部材上に形成された耐熱性導電膜とから成
り、且つ、前記尖頭部を有する導電部材が、前記基体の
表面上に、該基体の表面よりも核形成密度が十分大き
く、且つ単一の核だけが成長する程度に十分微細な異種
材料を設け、この異種材料上に成長した単一の核を中心
に単結晶を成長させることによって形成されたことを特
徴とする。
[作用] 本発明の電子放出素子は、尖頭部を有する電極を、尖
頭部を有する導電部材と、この導電部材上に形成された
耐熱性導電膜とから構成したことにより、電子放出部を
耐熱性の高い導電膜とし、発熱による溶融等による尖頭
部の形状変化を防ぐものであり、また、尖頭部を有する
電極の大部分を導電率の高い導電部材で構成することに
より、不要な発熱を抑えるものである。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。
第1図は本発明の電子放出素子の一実施例を示す概略
的部分断面図である。
同図に示すように、Si等の基体1上に非晶質の絶縁部
材であるSiO2等の絶縁層2を形成し、この絶縁層をホト
エッチング等によって加工し、凹部7を形成する。な
お、本実施例では、凹部7の底面7aが堆積される面とな
り、且つ凹部7の側壁部が絶縁部材となっており、同一
工程で形成されるが、絶縁部材を、別工程で堆積される
面上に設けてもよい。また絶縁部材の材料は堆積される
面の材料と別な材料で構成してもよい。
堆積される面となる凹部7の底面7aにSi,Si3N4等の異
種材料たる核形成ベース3を形成し、この上に形成され
た単一の核を中心としてSi等の単結晶を成長させて、尖
頭部を有する導電部材4を形成し、さらにこの上に耐熱
性導電膜5を形成して、尖頭部を有する電極8を設け
る。この導電部材4の材料は、一定の電流を供給できる
ものであればよく、半導体,導体を問わず用いることが
できる。なお、前記導電部材の単結晶の成長方法の詳細
については、後述する。
耐熱性導電膜5としては、W,LaB6等が用いられ、所望
の製造方法で導電部材4上に形成される。例えば、Si単
結晶の導電部材上に膜を形成する場合は、CVD法を用い
て、Si単結晶上で、 Si+WF6→W+SiF4 なる化学反応を起こさせ、Si単結晶にSi単結晶にW膜を
形成する。
絶縁層2の上の、前記電極8の尖頭部の近傍にには、
引き出し電極6が形成される。この引き出し電極6は、
レジストで凹部7を埋めて、このレジスト及び絶縁層2
上にMo等の金属層を形成し、さらに、この金属層をホト
エッチングを用いて電極8の尖頭部の近傍に開口部を形
成し、レジストを除去することによって形成される。
なお、上記実施例においては、堆積される面の材料は
絶縁材料に限定されず、半導体材料,導体材料を用いて
もよいが、絶縁材料を用いれば、耐電圧を向上させるこ
とができる。又上記実施例においては、基体1上に絶縁
層2を設けて堆積される面を構成したが、絶縁基体を堆
積される面として用いることもできる。
第2図は上記実施例の電子放出素子の配線を説明する
ための概略的斜視図である。
同図に示すように、上記実施例の電子放出素子の配線
は、凹部7の底面7aに尖頭部を有する電極8を形成した
後、絶縁層2に溝を設け、この溝に配線9を設けること
によって形成することができ、尖頭部を有する電極8と
接続させ、配線9と前記引き出し電極6との間に引き出
し電極6側を高電位とする電圧を印加し、電子放出を行
わせることができる。なお、上記実施例においては、引
き出し電極6は、Mo等の金属層をプロセス中でエッチン
グすることによって作製したが、前記溝の形成後に開口
部を有する金属板を絶縁層2に接着することによって作
製してもよい。
上記実施例に示したように、本発明の電子放出素子
は、尖頭部を有する電極を、尖頭部を有する導電部材
と、この導電部材上に形成された耐熱性導電膜とから構
成したことを特徴とするものであり、電子放出部を耐熱
性の高い導電膜とし、発熱による溶融等による尖頭部の
形状変化を防ぐことができ、また、尖頭部を有する電極
の大部分を導電率の高い導電部材で構成することによ
り、不要な発熱を抑えることができる。
本発明で用いられる単結晶成長方法すなわち、堆積さ
れる面に、この堆積される面の材料より核形成密度が十
分大きく、且つ単一の核だけが成長する程度に十分微細
な異種材料を形成し、この異種材料に成長した単一の核
を中心として結晶を成長させる結晶成長方法は、次のよ
うな利点を有する。
(1)尖頭部を有する電極の形状が、堆積される面,異
種材料,導電部材の材質、堆積条件等の製造条件で決定
され、絶縁部材,引き出し電極の開口部の寸法精度と独
立して形成されるので、所望の大きさの電極を形成する
ことができ、またその大きさのバラツキを抑えることが
できる。
(2)尖頭部を有する電極の位置が異種材料の位置精度
で決められるので、所望の位置に高精度に作製すること
ができ、複数の電子放出口を有するマルチ型電子放出素
子をファインピッチで作製することができる。
(3)単結晶特有の尖頭部が形成され、電子放出部の形
状が均一且つシャープに形成されるので、特別な針状加
工が不要であり、電界強度を均一且つ強いものとし、動
作開始電圧の範囲のバラツキを抑え、電子放出効率を向
上させることができる。
(4)従来、単結晶の成長が困難であった非晶質の絶縁
基板にも単結晶を成長させることが容易となり、高耐圧
な電子放出素子を提供することができる。
(5)通常の半導体製造プロセスで製造することができ
るので、簡易な工程で高集積化を行なうことができる。
以下、堆積される面に単結晶を成長させる単結晶成長
法について詳述する。
まず、堆積される面上に選択的に堆積膜を形成する選
択堆積法について述べる。選択堆積法とは、表面エネル
ギー、付着係数、脱離係数、表面拡散速度等という薄膜
形成過程での核形成を左右する因子の材料間での差を利
用して、基板上に選択的に薄膜を形成する方法である。
第3図(A)および(B)は選択堆積法の説明図であ
る。
まず、同図(A)に示すように、基板10上に、基板10
と上記因子の異なる材料から成る薄膜11を所望部分に形
成する。そして、適当な堆積条件によって適当な材料か
ら成る薄膜の堆積を行うと、同図(B)に示すように、
薄膜12は薄膜11上にのみ成長し、基板10上には成長しな
いという現象を生じさせることができる。この現象を利
用することで、自己整合的に成形された薄膜12を成長さ
せることができ、従来のようなレジストを用いたリソグ
ラフィ工程の省略が可能となる。
このような選択形成法による堆積を行うことができる
材料としては、たとえば基板10としてSiO2、薄膜11とし
てSi、GaAs、窒化シリコン、そして堆積させる薄膜12と
してSi、W、GaAs、InP等がある。
第4図は、SiO2の堆積される面と窒化シリコンの堆積
される面との核形成密度の経時変化を示すグラフであ
る。
同グラフが示すように、堆積を開始して間もなくSiO2
上での核形成密度は103cm-2以下で飽和し、20分後でも
その値はほとんど変化しない。
それに対して窒化シリコン(Si3N4)上では、〜4×1
05cm-2で一旦飽和し、それから10分ほど変化しないが、
それ以降は急激に増大する。なお、この測定例では、Si
Cl4ガスをH2ガスで希釈し、圧力175 Torr、温度1000℃
の条件下でCVD法により堆積した場合を示している。他
にSiH4、SiH2Cl2、SiHCl3、SiF4等を反応ガスとして用
いて、圧力、温度等を調整することで同様の作用を得る
ことができる。また、真空蒸着でも可能である。
この場合、SiO2上の核形成はほとんど問題とならない
が、反応ガス中にHClガスを添加することで、SiO2上で
の核形成を更に抑制し、SiO2上でのSiの堆積を皆無にす
ることができる。
このような現象は、SiO2および窒化シリコンの材料表
面のSiに対する吸着係数、脱離係数、表面拡散係数等の
差によるところが大きいが、Si原子自身によってSiO2
反応し、蒸気圧が高い一酸化シリコンが生成されること
でSiO2自身がエッチングされ、窒化シリコン上ではこの
ようなエッチング現象は生じないということも選択堆積
を生じさせる原因となっていると考えられる(T.Yoneha
ra,S.Yoshioka,S.Miyazawa Journal of Applied Physic
s 53,6839,1982)。
このように堆積される面の材料としてSiO2および窒化
シリコンを選択し、堆積材料としてシリコンを選択すれ
ば、同グラフに示すように十分に大きな核形成密度差を
得ることができる。なお、ここでは堆積される面の材料
としてSiO2が望ましいが、これに限らずSiOxであっても
核形成密度差を得ることができる。
勿論、これらの材料に限定されるものではなく、核形
成密度の差が同グラフで示すように核の密度で102倍以
上であれば十分であり、後に例示するような材料によっ
ても堆積膜の十分な選択形成を行うことができる。
この核形成密度差を得る他の方法としては、SiO2上に
局所的にSiやN等をイオン注入して過剰にSiやN等を有
する領域を形成してもよい。
このような選択堆積法を利用し、堆積される面の材料
より核形成密度の十分大きい異種材料を単一の核だけが
成長するように十分微細に形成することによって、その
微細な異種材料の存在する箇所だけに単結晶を選択的に
成長させることができる。
なお、単結晶の選択的成長は、堆積される面の表面の
電子状態、特にダングリングボンドの状態によって決定
されるために、核形成密度の低い材料(たとえばSiO2
はバルク材料である必要はなく、任意の材料や基板等の
表面のみに形成されて上記堆積される面を成していれば
よい。
第5図(A)〜(C)は、単結晶形成方法の一例を示
す形成工程図であり、第6図(A)および(B)は、第
5図(A)および(C)における基板の斜視図である。
まず、第5図(A)および第6図(A)に示すよう
に、基板13上に、選択堆積を可能にする核形成密度の小
さい薄膜14を形成し、その上に核形成密度の大きい異種
材料を薄く堆積させ、リソグラフィ等によってパターニ
ングすることで異種材料15を十分微細に形成する。ただ
し、基板13の大きさ、結晶構造および組成は任意のもの
でよく、機能素子が形成された基板であってもよい。ま
た、異種材料15とは、上述したように、SiやN等を薄膜
14にイオン注入して形成される過剰にSiやN等を有する
変質領域も含めるものとする。
次に、適当な堆積条件によって異種材料15だけに薄膜
材料の単一の核が形成される。すなわち、異種材料15
は、単一の核のみが形成される程度に十分微細に形成す
る必要がある。異種材料15の大きさは、材料の種類によ
って異なるが、数ミクロン以下であればよい。更に、核
は単結晶構造を保ちながら成長し、第5図(B)に示す
ように島状の単結晶粒16となる。島状の単結晶粒16が形
成されるためには、すでに述べたように、薄膜14上で全
く核形成が起こらないように条件を決めることが必要で
ある。
島状の単結晶粒16は単結晶構造を保ちながら異種材料
15を中心して更に成長し、同図(C)に示すように略円
錐形の尖頭部を有する回転体の単結晶16aとなる。
このように堆積される面の材料である薄膜14が基板13
上に形成されているために、支持体となる基板13は任意
の材料を使用することができ、更に基板13に機能素子等
が形成されたものであっても、その上に容易に単結晶を
形成することができる。
なお、上記実施例では、堆積される面の材料を薄膜14
で形成したが、選択堆積を可能にする核形成密度の小さ
い材料から成る基板をそのまま用いて、単結晶を同様に
形成してもよい。
第7図(A)〜(C)は、単結晶形成方法の他の例を
示す形成工程図である。
同図に示すように、選択堆積を可能にする核形成密度
の小さい材料からなる基板14上に、異種材料15を十分微
小に形成することで、第5図に示した例と同様にして単
結晶を形成することができる。
(具体例) 次に、上記例における単結晶層の具体的形成方法を説
明する。
SiO2を薄膜14の堆積される面の材料とする。勿論、石
英基板を用いてもよいし、金属、半導体、磁性体、圧電
体、絶縁体等の任意の基板上に、スパッタ法、CVD法、
真空蒸着法等を用いて基板表面にSiO2層を形成してもよ
い。また、堆積される面の材料としてはSiO2が望ましい
が、SiOxとしてxの値を変化させたものでもよい。
こうして形成されたSiO2層14上に減圧気相成長法によ
って窒化シリコン層(ここではSi3N4層)又は多結晶シ
リコン層を異種材料として堆積させ、通常のリソグラフ
ィ技術又はX線、電子線若しくはイオン線を用いたリソ
グラフィ技術で窒化シリコン層又は多結晶シリコン層を
パターニングし、数ミクロン以下、望ましくは〜1μm
以下の微小な異種材料15を形成する。
続いて、HClとH2と、SiH2Cl2、SiCl4、SiHCl3、SiF4
若しくはSiH4との混合ガスを用いて上記基板11上にSiを
選択的に成長させる。その際の基板温度は700〜1100
℃、圧力は約100Torrである。
数十分程度の時間で、SiO2上の窒化シリコン又は多結
晶シリコンの微細な異種材料15を中心として、単結晶の
Siの粒16が成長し、最適の成長条件とすることで、その
大きさは上記の異種材料程度の大きさから数十μm程度
に制御された単結晶16aが形成される。
(窒化シリコンの組成) これまで述べてきたような堆積される面の材料と異種
材料との十分な核形成密度差を得るには、Si3N4に限定
されるものではなく、窒化シリコンの組成を変化させた
ものでもよい。
RFプラズマ中でSiH4ガスとNH3ガスとを分解させて低
温で窒化シリコン膜を形成するプラズマCVD法では、SiH
4ガスとNH3ガスとの流量比を変化させることで、堆積す
る窒化シリコン膜のSiとNの組成比を大幅に変化させる
ことができる。
第8図は、SiH4とNH3の流量比と形成された窒化シリ
コン膜中のSiおよびNの組成比との関係を示したグラフ
である。
この時の堆積条件は、RF出力175W、基板温度380℃で
あり、SiH4ガス流量を300cc/minに固定し、NH3ガスの流
量を変化させた。同グラフに示すようにNH3/SiH4のガス
流量比を4〜10へ変化させると、窒化シリコン膜中のSi
/N比は1.1〜0.58に変化することがオージェ電子分光法
によって明らかとなった。
また、減圧CVD法でSiH2Cl2ガスとNH3ガスとを導入
し、0.3Torrの減圧下、温度約800℃の条件で形成した窒
化シリコン膜の組成は、ほぼ化学量論比であるSi3N4(S
i/N=0.75)に近いものであった。
また、SiをアンモニアあるいはN2中で約1200℃で熱処
理すること(熱窒化法)で形成される窒化シリコン膜
は、その形成方法が熱平衡下で行われるために、更に化
学量論比に近い組成を得ることができる。
以上の様に種々の方法で形成した窒化シリコンをSiの
核形成密度がSiO2より高い堆積される面の材料として用
いて上記Siの核を成長させると、その組成比により核形
成密度に差が生じる。
第9図は、Si/N組成比と核形成密度との関係を示すグ
ラフである。同グラフに示すように、窒化シリコン膜の
組成を変化させることで、その上に成長するSiの核形成
密度は大幅に変化する。この時の核形成条件は、SiCl4
ガスを175Torrに減圧し、1000℃でH2と反応させてSiを
生成させる。
このように窒化シリコンの組成によって核形成密度が
変化する現象は、単一の核を成長させる程度に十分微細
に形成される異種材料としての窒化シリコンの大きさに
影響を与える。すなわち、核形成密度が大きい組成を有
する窒化シリコンは、非常に微細に形成しない限り、単
一の核を形成することができない。
したがって、核形成密度と、単一の核が選択できる最
適な窒化シリコンの大きさとを選択する必要がある。た
とえば〜105cm-2の核形成密度を得る堆積条件では、窒
化シリコンの大きさは約4μm以下あれば単一の核を選
択できる。
(イオン注入による異種材料の形成) Siに対して核形成密度差を実現する方法として、核形
成密度の低い堆積される面の材料であるSiO2の表面に局
所的にSi,N,P,B,F,Ar,He,C,As,Ga,Ge等をイオン注入し
てSiO2の堆積される面に変質領域を形成し、この変質領
域を核形成密度の高い堆積される面の材料としても良
い。
例えば、SiO2表面をレジストで多い、所望の箇所を露
光、現像、溶解させてSiO2表面を部分的に表出させる。
続いて、SiF4ガスをソースガスとして用い、Siイオン
を10keVで1×1016〜1×1018cm-2の密度でSiO2表面に
打込む。これによる投影飛程は114Åであり、SiO2表面
ではSi濃度が〜1022cm-3に達する。SiO2はもともと非晶
質であるために、Siイオンを注入した領域も非晶質であ
る。
なお、変質領域を形成するには、レジストをマスクと
してイオン注入を行うこともできるが、集束イオンビー
ム技術を用いて、レジストマスクを使用せずに絞られた
SiイオンをSiO2表面に注入してもよい。
こうしてイオン注入を行った後、レジストを剥離する
ことで、SiO2面にSiが過剰な変質領域が形成される。こ
のような変質領域が形成された堆積される面となるSiO2
面にSiを気相成長させる。
第10図は、Siイオンの注入量と核形成密度との関係を
示すグラフである。
同グラフに示すように、Si+注入量が多い程、核形成
密度が増大することがわかる。
したがって、変質領域を十分微細に形成することで、
この変質領域を異種材料としてSiの単一の核を成長させ
ることができ、上述したように単結晶を成長させること
ができる。
なお、変質領域を単一の核が成長する程度に十分微細
に形成することは、レジストのパターニングや、集束イ
オンビームのビームを絞ることによって容易に達成され
る。
(CVD以外のSi堆積方法) Siの選択核形成によって単結晶を成長させるには、CV
D法だけではなく、Siを真空中(<10-6Torr)で電子銃
により蒸発させ、加熱した基板に堆積させる方法も用い
られる。特に、超高真空中(<10-9Torr)で蒸着を行う
MBE(Molecular Beam Epitaxy)法では、基板温度900℃
以上でSiビームとSiO2が反応を始め、SiO2上でのSiの核
形成は皆無になることが知られている(T.Yonehara,S,Y
oshioka and S.Miyazawa Journal of Applied Physics
53,10,p6839,1983)。
この現象を利用してSiO2上に点在させた微小な窒化シ
リコンに完全な選択性をもってSiの単一の核を形成し、
そこに単結晶Siを成長させることができた。この時の堆
積条件は、真空度10-8Torr以下、Siビーム強度9.7×10
14aoms/cm2・sec、基板温度900℃〜1000℃であった。
この場合、SiO2+Si→2SiO↑という反応により、SiO
という蒸気圧の著しく高い反応生成物が形成され、この
蒸発によるSiO2自身のSiによるエッチングが生起してい
る。
これに対して、窒化シリコン上では上記エッチング現
象は起こらず、核形成、そして堆積が生じている。
したがって、核形成密度の高い堆積される面の材料と
しては、窒化シリコン以外に、タンタル酸化物(Ta
2O5)、窒化シリコン酸化物(SiON)等を使用しても同
様の効果を得ることができる。すなわち、これらの材料
を微小形成して上記異種材料とすることで、同様に単結
晶を成長させることができる。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように、本発明の電子放出素子に
よれば、導電部材上に耐熱性導電膜を形成したことによ
り、電子放出部を耐熱性の高い導電膜とし、発熱による
溶融等による尖頭部の形状変化を防ぎ、特性変化を防ぐ
ことができる。また、尖頭部を有する電極の大部分を導
電率の高い導電部材で構成することができ、不要な発熱
を抑えることができる。
なお、導電部材の製造方法として、絶縁層に、この絶
縁層の材料より核形成密度が十分大きく、且つ単一の核
だけが成長する程度に十分微細な異種材料を形成し、こ
の異種材料に成長した単一の核を中心として結晶を成長
させる結晶成長方法を用いれば、次のような効果があ
る。
(1)尖頭部を有する電極の形状が、堆積される面,異
種材料,導電部材の材質、堆積条件等の製造条件で決定
され、絶縁部材,引き出し電極の開口部の寸法精度と独
立して形成されるので、所望の大きさの電極を形成する
ことができ、またその大きさのバラツキを抑えることが
できる。
(2)尖頭部を有する電極の位置が異種材料の位置精度
で決められるので、所望の位置に高精度に作製すること
ができ、複数の電子放出口を有するマルチ型電子放出素
子をファインピッチで作製することができる。
(3)単結晶特有の尖頭部が形成され、電子放出部の形
状が均一且つシャープに形成されるので、特別な針状加
工が不要であり、電界強度を均一且つ強いものとし、動
作開始電圧の範囲のバラツキを抑え、電子放出効率を向
上させることができる。
(4)従来、単結晶の成長が困難であった非晶質の絶縁
基板にも単結晶を成長させることが容易となり、高耐圧
な電子放出素子を提供することができる。
(5)通常の半導体製造プロセスで製造することができ
るので、簡易な工程で高集積化を行なうことができる。
また、上記製造方法においては、堆積される面を所望
の材料の下地基材上に形成することができ、例えば堆積
される面を放熱性の高い基体に形成することで、信頼性
を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電子放出素子の一実施例を説明するた
めの概略的部分断面図である。 第2図は上記実施例による電子放出素子の配線を説明す
るための概略的斜視図である。 第3図(A)および第3図(B)は選択堆積法の説明図
である。 第4図は、SiO2の堆積される面と窒化シリコンの堆積さ
れる面との核形成密度の経時変化を示すグラフである。 第5図(A)〜(C)は、単結晶形成方法の一例を示す
形成工程図である。 第6図(A)および第6図(B)は、第5図(A)およ
び第5図(C)における基板の斜視図である。 第7図(A)〜(C)は、単結晶形成方法の他の例を示
す形成工程図である。 第8図は、SiH4とNH3の流量比と形成された窒化シリコ
ン膜中のSiおよびNの組成比との関係を示したグラフで
ある。 第9図は、Si/N組成比と核形成密度との関係を示すグラ
フである。 第10図は、Siイオンの注入量と核形成密度との関係を示
すグラフである。 第11図は電界効果型の電子放出素子の一例を示す概略的
部分断面図である。 1……基体 2……絶縁層 3……核形成ベース 4……導電部材 5……耐熱性導電膜 6……引き出し電極 7……開口部 8……尖頭部を有する電極 9……配線
フロントページの続き (72)発明者 金子 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 塚本 健夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 米原 隆夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 市川 武史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 奥貫 昌彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−97971(JP,A) 特開 昭53−121454(JP,A) 特開 昭51−77166(JP,A) 特開 昭50−2859(JP,A) 特開 昭59−69495(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体の表面上に設けられた尖頭部を有する
    電極と、 前記基体の表面上に設けられた絶縁部材を介して、前記
    尖頭部の近傍に設けられた引き出し電極とを有する電子
    放出素子において、 前記尖頭部を有する電極が、尖頭部を有する導電部材
    と、この導電部材上に形成された耐熱性導電膜とから成
    り、且つ、前記尖頭部を有する導電部材が、前記基体の
    表面上に、該基体の表面よりも核形成密度が十分大き
    く、且つ単一の核だけが成長する程度に十分微細な異種
    材料を設け、この異種材料上に成長した単一の核を中心
    に単結晶を成長させることによって形成されたことを特
    徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】前記基体の表面が所望の下地材料上に形成
    された特許請求の範囲第1項記載の電子放出素子。
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