JP2612567B2 - 電子放出素子 - Google Patents

電子放出素子

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JP2612567B2 JP3807687A JP3807687A JP2612567B2 JP 2612567 B2 JP2612567 B2 JP 2612567B2 JP 3807687 A JP3807687 A JP 3807687A JP 3807687 A JP3807687 A JP 3807687A JP 2612567 B2 JP2612567 B2 JP 2612567B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子放出素子に係り、特に基体上に、それぞ
れ尖頭部を有する複数の単結晶部材が、互いに隣接する
単結晶部材と当接するように形成され、前記複数の単結
晶部材の両端部に電極が設けられた電子放出素子に関す
る。
[従来技術] 従来、電子放出源としては熱陰極型電子放出素子が多
く用いられていたが、熱電極を利用した電子放出は加熱
によるエネルギーロスが大きく、予備加熱が必要等の問
題点を有していた。
これらの問題点を解決すべく、冷陰極型の電子放出素
子がいくつか提案されており、その中に高抵抗膜に電流
を流し、この高抵抗膜から電子を放出させる表面伝導型
の電子放出素子がある。
第11図は上記の表面伝導型の電子放出素子の一例を示
す概略的説明図である。
第11図に示すように、ガラス等の絶縁基板17上に一定
の間隔をおいて対向する電極18,19を形成し、この間にM
o(モリブデン)等の金属の堆積膜を形成し、この堆積
膜を高温で通電して、堆積膜を部分に破壊し、高抵抗膜
20を形成する。
このような構造の電子放出素子において、電極18,19
間に電圧を印加して、高抵抗膜20に電流を流し、この高
抵抗膜20の上側に設けられた不図示の電極に高電位の電
圧を印加すると高抵抗膜20から電子が放出される。
[発明が解決しようとする問題点] 上記従来の電子放出素子は、高抵抗膜の表面形状が電
子放出特性を決定する大きな要因であるが、電子放出効
率を高めるには、高抵抗膜は膜が途切れていたり、島状
となっていたり、欠陥が生じたりした状態(以下、この
ような表面状態を汚い表面状態という。)に、形成する
ことが望ましい。これは電子放出が局所的な高電界電子
放出、熱電子放出等に起因するためと考えられる。汚い
表面状態とするためには、一般的には上記のように、堆
積膜を形成した後に高温で通電して、堆積膜を部分に破
壊することによって行なわていた。
しかしながら、このような製造方法で形成された高抵
抗膜を用いた電子放出素子は、高抵抗膜の不安定性か
ら、動作電圧,電子放出効率のバラツキが大きく、また
一部のみから電子が放出されて、電流密度が大きくな
り、高抵抗膜の部分破壊が起きる等の問題点を有してい
た。
本発明の目的は、電子放出部となる高抵抗膜の表面形
状を安定して形成でき、且つ電子放出効率を向上させる
ことのできる電子放出素子を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の電子放出素子は、基体上に、それぞれ尖頭部
を有する複数の単結晶部材が、互いに隣接する単結晶部
材と当接するように形成され、前記複数の単結晶部材の
両端部に電極が設けられた電子放出素子において、前記
夫々の単結晶部材が、前記基体上に基体の表面より核形
成密度が十分大きく、且つ単一の核だけが成長する程度
に十分微細な異種材料を設け、該異種材料上に成長した
単一の核から単結晶を成長させることによって形成され
たことを特徴とする。
[作用] 本発明の電子放出素子は、複数の異種材料に成長した
単一の核を中心として単結晶を成長させることにより、
所望の位置に単結晶特有の尖頭部を有する複数の単結晶
を形成し、また堆積される面の材料,異種材料,堆積材
料の種類及び堆積膜形成条件を制御することにより、所
望の大きさの複数の単結晶を形成して、高抵抗膜を作製
するものである。
また、本発明は、複数の単結晶を異種材料に成長した
単一の核を中心として、略均一に成長させ、尖頭部の形
状を略均一に形成し、高抵抗膜の表面の凹凸を容易に制
御可能とするものである。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。
第1図は本発明の電子放出素子の一実施例を説明する
ための概略的部分断面図である。
第2図は上記第1図の高抵抗膜のA部分の部分拡大断
面図である。
第1図及び第2図に示すように、絶縁材料であるSiO2
等の酸化基体1に、Si,Si3N4等の異種材料たる核形成ベ
ース6を複数個形成する。これらの核形成ベース6に形
成された単一の核を中心としてMo,W,Si等の単結晶を成
長させることにより、複数の単結晶からなる略円錐形の
尖頭部7を有する所望の大きさの高抵抗膜3を形成す
る。それぞれの高抵抗膜3の尖頭部7は電子放出部とな
る。核形成ベース3は、第2図に示すような等間隔に形
成せずに、ランダムに形成されてもよいが、等間隔に形
成すれば、高抵抗膜3の凹凸をほぼ均一にすることがで
きる。なお、前記単結晶の成長方法の詳細については、
後述する。高抵抗膜3の両端には、電極2a,2bが形成さ
れる。この電極2a,2b及び酸化基体1上には、高抵抗膜
3上が開口された絶縁層4が設けられ、さらにこの絶縁
層4上に引き出し電極5が形成される。
引き出し電極5は、レジストで高抵抗膜3上の電子放
出口を埋めて、このレジスト及び絶縁層4上にMo等の金
属層を形成し、さらに、この金属層にホトエッチング等
によって開口部を形成し、レジストを除去することによ
って作製される。
上記実施例の製造方法においては、酸化基体1上に複
数の尖頭部7を有する高抵抗膜3が設けられているが、
酸化膜を下地基材上に形成し、この上に高抵抗膜3を形
成することもできる。
なお、上記実施例においては、引き出し電極5は、Mo
等の金属層をプロセス中で加工することによって作製し
たが、前記絶縁層4の形成後に開口部を有する金属板を
絶縁層4に接着することによって作製してもよい。
以上説明した実施例の電子放出素子は、高抵抗膜の単
結晶の製造条件が、堆積される面を構成する酸化基体1,
核形成ベース6,単結晶を構成する堆積物の材質、堆積条
件等の条件で決定され、それぞれの核成形ベース6に成
長した単一の核を中心として、同一の条件で形成される
ので、この大きさのバラツキを抑えることができ、また
それぞれの尖頭部の位置が核形成ベース6の位置精度で
決められるので、所望の位置に高精度に作製することが
できる。
また、単結晶を核形成ベース6を中心として容易に形
成することができる(詳細については、後述する。)の
で、堆積物と堆積される面との結晶性等を考慮すること
なく広範囲の材料から選ぶことができる。例えば、従
来、単結晶の成長が困難であった非晶質基体上にも単結
晶を成長させることが可能となり、大面積化が容易であ
る。
加えて、単結晶特有の尖頭部が形成されるので、電子
放出部の形状を均一且つシャープに形成して電界強度を
均一且つ強いものとし、動作開始電圧の範囲のバラツキ
を抑え、電子放出効率を向上させることができる。ま
た、尖頭部の電子放出部を一定の構造の結晶面とするこ
とが可能となり、ショットキー効果を向上させ、電子放
出効率を向上させることができる。
さらに、通常の半導体製造プロセスで製造することが
できるので、簡易な工程で高集積化を行なうことができ
る。
なお、高抵抗膜上に引き出し電極を設ければ、電界強
度を高め、電子放出効率を高めることができる。
次に、堆積される面に単結晶を成長させる単結晶成長
法について詳述する。
まず、堆積される面上に選択的に堆積膜を形成する選
択堆積法について述べる。選択堆積法とは、表面エネル
ギー、付着係数、脱離係数、表面拡散速度等という薄膜
形成過程での核形成を左右する因子の材料間での差を利
用して、基板上に選択的に薄膜を形成する方法である。
第3図(A)および(B)は選択堆積法の説明図であ
る。
まず、同図(A)に示すように、基板8上に、基板8
と上記因子の異なる材料から成る薄膜9を所望部分に形
成する。そして、適当な堆積条件によって適当な材料か
ら成る薄膜の堆積を行うと、同図(B)に示すように、
薄膜10は薄膜9上にのみ成長し、基板8上には成長しな
いという現象を生じさせることができる。この現象を利
用することで、自己整合法に成形された薄膜10を成長さ
せることができ、従来のようなレジストを用いたリソグ
ラフィ工程の省略が可能となる。
このような選択形成法による堆積を行うことができる
材料としては、たとえば基板8としてSiO2、薄膜9とし
てSi、GaAs、窒化シリコン、そして堆積させる薄膜10と
してSi、W、GaAs、InP等がある。
第4図は、SiO2の堆積される面と窒化シリコンの堆積
される面との核形成密度の経時変化を示すグラフであ
る。
同グラフが示すように、堆積を開始して間もなくSiO2
上での核形成密度は103cm-2以下で飽和し、20分後でも
その値はほとんど変化しない。
それに対して窒化シリコン(Si3N4)上では、〜4×1
05cm-2で一旦飽和し、それから10分ほど変化しないが、
それ以降は急激に増大する。なお、この測定例では、Si
Cl4ガスをH2ガスで希釈し、圧力175Torr、温度1000℃の
条件下でCVD法により堆積した場合を示している。他にS
iH4、SiH2Cl2、SiHCl3、SiF4等を反応ガスとして用い
て、圧力、温度等を調整することで同様の作用を得るこ
とができる。また、真空蒸着でも可能である。
この場合、SiO2上の核形成はほとんど問題とならない
が、反応ガス中にHClガスを添加することで、SiO2上で
の核形成を更に抑制し、SiO2上でのSiの堆積を皆無にす
ることができる。
このような現象は、SiO2および窒化シリコンの材料表
面のSiに対する吸着係数、脱離係数、表面拡散係数等の
差によるところが大きいが、Si原子自身によってSiO2
反応し、蒸気圧が高い一酸化シリコンが生成されること
でSiO2自身がエッチングされ、窒化シリコン上ではこの
ようなエッチング現象は生じないということも選択堆積
を生じさせる原因となっていると考えられる(T.Yoneha
ra,S.Yoshioka,S.Miyazawa Journal of Applied Physic
s 53,6839,1982)。
このように堆積される面の材料としてSiO2および窒化
シリコンを選択し、堆積材料としてシリコンを選択すれ
ば、同グラフに示すように十分に大きな核形成密度差を
得ることができる。なお、ここでは堆積される面の材料
としてSiO2が望ましいが、これに限らずSiO2であっても
核形成密度差を得ることができる。
勿論、これらの材料に限定されるものではなく、核形
成密度の差が同グラフで示すように核の密度で102倍以
上であれば十分であり、後に例示するような材料によっ
ても堆積膜の十分な選択形成を行うことができる。
この核形成密度差を得る他の方法としては、SiO2上に
局所的にSiやN等をイオン注入して過剰にSiやN等を有
する領域を形成してもよい。
このような選択堆積法を利用し、堆積される面の材料
より核形成密度の十分大きい異種材料を単一の核だけが
成長するように十分微細に形成することによって、その
微細な異種材料の存在する箇所だけに単結晶を選択的に
成長させることができる。
なお、単結晶の選択的成長は、堆積される面の表面の
電子状態、特にダングリングボンドの状態によって決定
されるために、核形成密度の低い材料(たとえばSiO2
はバルク材料である必要はなく、任意の材料や基板等の
表面のみに形成されて上記堆積される面を成していれば
よい。
第5図(A)〜(C)は、単結晶形成方法の第一実施
例を示す形成工程図であり、第6図(A)および(B)
は、第5図(A)および(C)における基板の斜視図で
ある。
まず、第5図(A)および第6図(A)に示すよう
に、非晶質絶縁基板11上に、距離lを隔てて、非晶質絶
縁基板11に対して核形成密度の大きい異種材料を薄く堆
積させ、リソグラフィ等によってパターニングすること
で異種材料12を十分微細に形成する。また、異種材料12
とは、上述したように、SiやN等を非晶質絶縁基板11に
イオン注入して形成される過剰にSiやN等を有する変質
領域も含めるものとする。
次に、適当な堆積条件によって異種材料12だけに薄膜
材料の単一の核が形成される。すなわち、異種材料12
は、単一の核のみが形成される程度に十分微細に形成す
る必要がある。異種材料12の大きさは、材料の種類によ
って異なるが、数ミクロン以下であればよい。更に、核
は単結晶構造を保ちながら成長し、第5図(B)に示す
ように島状の単結晶粒13となる。島状の単結晶粒13が形
成されるためには、すでに述べたように、非晶質絶縁基
板11上で全く核形成が起こらないように条件を決めるこ
とが必要である。
島状の単結晶粒13の基板法線方向の結晶方位は、基板
11の材料および堆積する薄膜材料の界面エネルギを最小
にするように一定に決まる。なぜならば、表面あるいは
界面エネルギは結晶面によって異方性を有するからであ
る。しかしながら、すでに述べたように、非晶質基板に
おける基板面内の結晶方位は決定されない。
島状の単結晶粒13は単結晶構造を保ちながら異種材料
12を中心して更に成長し、同図(C)に示すように隣り
の単結晶粒13と接触するが、基板面内の結晶方位は一定
ではないために、異種材料12の中間位置に結晶粒界15が
形成される。
続いて、単結晶粒13は三次元的に成長し、成長速度の
遅い結晶面がファセットとして現われ、略円錐形状の尖
頭部を有する単結晶群14が形成される。この単結晶群14
の大きさは、上述したように異種材料12の間隔lによっ
て決定される。すなわち、異種材料12の形成パターンを
適当に定めることによって、粒界の位置を制御すること
ができ、所望の大きさの単結晶を所望の配列で形成する
ことができる。
第7図(A)〜(C)は、本発明の第二実施例を示す
形成工程図である。
同図に示すように、所望の基板16上に、選択堆積を可
能にする核形成密度の小さい材料から成る薄膜11を形成
し、その上に間隔lで異種材料12を形成し、上記第一実
施例と同様にして単結晶層14を形成することができる。
(具体例) 次に、上記例における単結晶層の具体的形成方法を説
明する。
SiO2を薄膜11の堆積される面の材料とする。勿論、石
英基板を用いてもよいし、金属、半導体、磁性体、圧電
体、絶縁体等の任意の基板上に、スパッタ法、CVD法、
真空蒸着法等を用いて基板表面にSiO2層を形成してもよ
い。また、堆積される面の材料としてはSiO2が望ましい
が、SiOxとしてxの値を変化させたものでもよい。
こうして形成された薄膜11のSiO2層上に減圧気相成長
法によって窒化シリコン層(ここではSi3N4層)又は多
結晶シリコン層を異種材料として堆積させ、通常のリソ
グラフィ技術又はX線、電子線若しくはイオン線を用い
たリソグラフィ技術で窒化シリコン層又は多結晶シリコ
ン層をパターニングし、数ミクロン以下、望ましくは〜
1μm以下の微小な異種材料12を形成する。
続いて、HClとH2と、SiH2Cl2、SiCl4、SiHCl3、SiF4
若しくはSiH4との混合ガスを用いて上記薄膜11上にSiを
選択的に成長させる。その際の基板温度は700〜1100
℃、圧力は約100Torrである。
数十分程度の時間で、SiO2上の窒化シリコン又は多結晶
シリコンの微細な異種材料12を中心として、単結晶のSi
の粒13が成長し、最適の成長条件とすることで、その大
きさは上記の異種材料程度の大きさから数十μm程度あ
るいはそれ以上に制御された単結晶14が形成される。
(窒化シリコンの組成) これまで述べてきたような堆積される面の材料と異種
材料との十分な核形成密度差を得るには、Si3N4に限定
されるものではなく、窒化シリコンの組成を変化させた
ものでもよい。
RFプラズマ中でSiH4ガスとNH3ガスとを分解させて低
温で窒化シリコン膜を形成するプラズマCVD法では、SiH
4ガスとNH3ガスとの流量比を変化させることで、堆積す
る窒化シリコン膜のSiとNの組成比を大幅に変化させる
ことができる。
第8図は、SiH4とNH3の流量比と形成された窒化シリ
コン膜中のSiおよびNの組成比との関係を示したグラフ
である。
この時の堆積条件は、RF出力175W、基板温度380℃で
あり、SiH4ガス流量を300cc/minに固定し、NH3ガスの流
量を変化させた。同グラフに示すようにNH3/SiH4のガス
流量比を4〜10へ変化させると、窒化シリコン膜中のSi
/N比は1.1〜0.58に変化することがオージェ電子分光法
によって明らかとなった。
また、減圧CVD法でSiH2Cl2ガスとNH3ガスとを導入
し、0.3Torrの減圧下、温度約800℃の条件で形成した窒
化シリコン膜の組成は、ほぼ化学量論比であるSi3N4(S
i/N=0.75)に近いものであった。
また、SiをアンモニアあるいはN2中で約1200℃で熱処
理すること(熱窒化法)で形成される窒化シリコン膜
は、その形成方法が熱平衡下で行われるために、更に化
学量論比に近い組成を得ることができる。
以上の様に種々の方法で形成した窒化シリコンをSiの
核形成密度がSiO2より高い堆積される面の材料として用
いて上記Siの核を成長させると、その組成比により核形
成密度に差が生じる。
第9図は、Si/N組成比と核形成密度との関係を示すグ
ラフである。同グラフに示すように、窒化シリコン膜の
組成を変化させることで、その上に成長するSiの核形成
密度は大幅に変化する。この時の核形成条件は、SiCl4
ガスを175Torrに減圧し、1000℃でH2と反応させてSiを
生成させる。
このように窒化シリコンの組成によって核形成密度が
変化する現象は、単一の核を成長させる程度に十分微細
に形成される異種材料としての窒化シリコンの大きさに
影響を与える。すなわち、核形成密度が大きい組成を有
する窒化シリコンは、非常に微細に形成しない限り、単
一の核を形成することができない。
したがって、核形成密度と、単一の核が選択できる最
適な窒化シリコンの大きさとを選択する必要がある。た
とえば〜105cm-2の核形成密度を得る堆積条件では、窒
化シリコンの大きさは約4μm以下であれば単一の核を
選択できる。
(イオン注入による異種材料の形成) Siに対して核形成密度差を実現する方法として、核形
成密度の低い堆積される面の材料であるSiO2の表面に局
所的にSi,N,P,B,F,Ar,He,C,As,Ga,Ge等をイオン注入し
てSiO2の堆積される面に変質領域を形成し、この変質領
域を核形成密度の高い堆積される面の材料としても良
い。
例えば、SiO2表面をレジストで多い、所望の箇所を露
光、現像、溶解させてSiO2表面を部分的に表出させる。
続いて、SiF4ガスをソースガスとして用い、Siイオン
を10keVで1×1016〜1×1018cm-2の密度でSiO2表面に
打込む。これによる投影飛程は114Åであり、SiO2表面
ではSi濃度が〜1022cm-3に達する。SiO2はもともと非晶
質であるために、Siイオンを注入した領域も非晶質であ
る。
なお、変質領域を形成するには、レジストをマスクと
してイオン注入を行うこともできるが、集束イオンビー
ム技術を用いて、レジストマスクを使用せずに絞られた
SiイオンをSiO2表面に注入してもよい。
こうしてイオン注入を行った後、レジストを剥離する
ことで、SiO2面にSiが過剰な変質領域が形成される。こ
のような変質領域が形成された堆積される面となるSiO2
面にSiを気相成長させる。
第10図は、Siイオンの注入量と核形成密度との関係を
示すグラフである。
同グラフに示すように、Si+注入量が多い程、核形成
密度が増大することがわかる。
したがって、変質領域を十分微細に形成することで、
この変質領域を異種材料としてSiの単一の核を成長させ
ることができ、上述したように単結晶を成長させること
ができる。
なお、変質領域を単一の核が成長する程度に十分微細
に形成することは、レジストのパターニングや、集束イ
オンビームのビームを絞ることによって容易に達成され
る。
(CVD以外のSi堆積方法) Siの選択核形成によって単結晶を成長させるには、CV
D法だけではなく、Siを真空中(<10-6Torr)で電子銃
により蒸発させ、加熱した基板に堆積させる方法も用い
られる。特に、超高真空中(<10-9Torr)で蒸着を行う
MBE(Molecular Beam Epitaxy)法では、基板温度900℃
以上でSiビームをSiO2が反応を始め、SiO2上でのSiの核
形成は皆無になることが知られている(T.Yonehara,S.Y
oshioka and S.Miyazawa Journal of Applied Physics
53,10,p6839,1983)。
この現象を利用してSiO2上に点在させた微小な窒化シ
リコンに完全な選択性をもってSiの単一の核を形成し、
そこに単結晶Siを成長させることができた。この時の堆
積条件は、真空度10-8Torr以下、Siビーム強度9.7×10
14atoms/cm2・sec、基板温度900℃〜1000℃であった。
この場合、SiO2+Si→2SiO↑という反応により、SiO
という蒸気圧の著しく高い反応生成物が形成され、この
蒸発によるSiO2自身のSiによるエッチングが生起してい
る。
これに対して、窒化シリコン上では上記エッチング現
象は起こらず、核形成、そして堆積が生じている。
したがって、核形成密度の高い堆積される面の材料と
しては、窒化シリコン以外に、タンタル酸化物(Ta
2O5)、窒化シリコン酸化物(SiON)等を使用しても同
様の効果を得ることができる。すなわち、これらの材料
を微小形成して上記異種材料とすることで、同様に単結
晶を成長させることができる。
(タングステン単結晶の成長) Si以外の材料としてタングステンの場合を例示する。
タングステンは、SiO2上では核形成を起こさず、Si、
WSi2、PtSi、Al等の上では多結晶膜となって堆積するこ
とが知られている。しかし、本発明による結晶成長方法
によれば、単結晶を容易に成長させることができる。
まず、SiO2を主成分とするガラス、石英、熱酸化膜等
の上に、Si、WSi2、PtSi、又はAlを真空蒸着で堆積さ
せ、フォトリソグラフィによって数μm以下の大きさに
パターニングする。
続いて、250〜500℃に加熱された反応炉内に設置し、
WF6ガスおよび水素ガスの混合ガスを圧力約0.1〜10Torr
の減圧下で、各々75cc/minおよび10cc/minの流量で流
す。
これによって、WF6+3H2→W+6HFという反応式で表
現されるようにタングステンが生成する。この時、タン
グステンとSiO2との反応性は極めて低く、強固な結合が
生じないために、各形成は起こらず、したがって堆積は
生じない。
これに対して、Si、WSi2、PtSi、Al上にはタングステ
ンの核が形成されるが、微細に形成されているために、
タングステンの単一の核のみが形成される。そして、こ
の単一の核が成長を続け、SiO2上にも横方向に単結晶の
まま成長する。これは、SiO2上にはタングステンの核成
長が起こらないために、単結晶成長を阻害して多結晶と
なることがないためである。
なお、これまで述べた堆積される面の材料、異種材料
および堆積材料の組合せは、上記各実施例に示したもの
だけではなく、十分な各形成密度差を有する材料の組合
せであればよいことは明らかである。したがって、選択
堆積可能なGaAsやInP等の化合物半導体の場合にも、本
発明によって単結晶を形成することができる。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように、本発明の電子放出素子に
よれば、 高抵抗膜の単結晶の製造条件が、堆積される面を構成
する堆積される面,異種材料,単結晶を構成する堆積物
の材質、堆積条件等の条件で決定され、それぞれの異種
材料に成長した単一の核を中心として、同一の条件で形
成されるので、その大きさのバラツキを抑えることがで
き、またそれぞれの尖頭部の位置が異種材料の位置精度
で決められるので、所望の位置に高精度に作製すること
ができる。
さらに、単結晶を異種材料を中心として容易に形成す
ることができるので、堆積物と堆積される面との結晶性
等を考慮することなく広範囲の材料から選ぶことができ
る。すなわち、従来、単結晶の成長が困難であった非晶
質基体上にも単結晶を成長させることが可能となり、大
面積化が容易である。
加えて、単結晶特有の尖頭部が形成されるので、電子
放出部の形状を均一且つシャープに形成して電界強度を
均一且つ強いものとし、動作開始電圧の範囲のバラツキ
を抑え、電子放出効率を向上させることができる。ま
た、尖頭部の電子放出部を一定の構造の結晶面とするこ
とが可能となり、ショットキー効果を向上させ、電子放
出効率を向上させることができる。
また、通常の半導体製造プロセスで製造することがで
きるので、簡易な工程で高集積化を行なうことができ
る。
なお、高抵抗膜上に引き出し電極を設ければ、電界強
度を高め、電子放出効率を高めることができる。
また、本発明においては、堆積される面を所望の材料
の下地基材上に形成することができ、例えば堆積される
面を放熱性の高い基体上に形成することで、信頼性を向
上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電子放出素子の一実施例を説明するた
めの概略的部分断面図である。 第2図は上記第1図の高抵抗膜のA部の部分拡大断面図
である。 第3図(A)および(B)は選択堆積法の説明図であ
る。 第4図はSiO2の堆積される面と窒化シリコンの堆積され
る面との核形成密度の経時変化を示すグラフである。 第5図(A)〜(C)は、単結晶形成方法の一例を示す
形成工程図である。 第6図(A)および(B)は、第5図(A)および
(C)における基板の斜視図である。 第7図(A)〜(C)は、本発明の第二実施例を示す形
成工程図である。 第8図はSiH4とNH3の流量比と形成された窒化シリコン
膜中のSiおよびNの組成比との関係を示したグラフであ
る。 第9図はSi/N組成比と核形成密度との関係を示すグラフ
である。 第10図はSiイオンの注入量と核形成密度との関係を示す
グラフである。 第11図はの表面伝導型の電子放出素子の一例を示す概略
的説明図である。 1……酸化基体 2……電極 3……高抵抗膜 4……絶縁層 5……引き出し電極 6……核形成ベース 7……尖頭部 8……下地基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 健夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 武田 俊彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 米原 隆夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 市川 武史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 奥貫 昌彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−69495(JP,A) 特開 昭63−13247(JP,A) 特公 昭44−32247(JP,B1) 特公 昭44−28009(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に、それぞれ尖頭部を有する複数の
    単結晶部材が、互いに隣接する単結晶部材と当接するよ
    うに形成され、前記複数の単結晶部材の両端部に電極が
    設けられた電子放出素子において、前記夫々の単結晶部
    材が、前記基体上に基体の表面より核形成密度が十分大
    きく、且つ単一の核だけが成長する程度に十分微細な異
    種材料を設け、該異種材料上に成長した単一の核から単
    結晶を成長させることによって形成されたことを特徴と
    する電子放出素子。
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