JP2609604B2 - 電子放出方法及び電子放出装置 - Google Patents

電子放出方法及び電子放出装置

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JP2609604B2 JP4781687A JP4781687A JP2609604B2 JP 2609604 B2 JP2609604 B2 JP 2609604B2 JP 4781687 A JP4781687 A JP 4781687A JP 4781687 A JP4781687 A JP 4781687A JP 2609604 B2 JP2609604 B2 JP 2609604B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子放出方法及び電子放出装置に係り、特
に尖頭部を有する電子放出用電極と、この電子放出用電
極と絶縁体を挟んで対向するように設けられた電圧印加
用電極とを有する電子放出素子を用いた電子放出方法及
び電子放出装置に関する。
[従来技術] 従来、電子放出源としては熱陰極型電子放出素子が多
く用いられていたが、熱電極を利用した電子放出は加熱
によるエネルギーロスが大きく、予備加熱が必要等の問
題点を有していた。
これらの問題点を解決すべく、冷陰極型の電子放出素
子がいくつか提案されており、その中に局部的に高電界
を発生させ、電界放出により電子放出を行わせる電界効
果型の電子放出素子がある。
第15図は上記の電界効果型の電子放出素子の一例を示
す概略的部分断面図である。
第15図に示すように、Si等の基体30上にMo(モリブデ
ン)等の円錐形状の電極33を設け、この電極33を中心と
して開口部が設けられたSiO2等の絶縁層31が形成され、
この上に前記円錐形状の尖頭部の近傍にその端部が形成
された引き出し電極32を設ける。
このような構造の電子放出素子において、基体30と引
き出し電極32との間に電圧を印加すると、電界強度の強
い尖頭部から電子が放出される。
[発明が解決しようとする問題点] 上記のような電界効果型の電子放出素子において、耐
電圧を向上させたり、またマルチ型電子放出素子を構成
する場合において、ファインピッチ化させたりする場合
には、電極33は絶縁材料面に形成することが望ましい。
しかしながら、絶縁材料面に電極を形成する場合に
は、配線を絶縁材料面に引き回したり、導電基体上に絶
縁層を設けスルーホールを設けて導通させて配線を行な
う等の手段が必要であり、実装密度,接続の信頼性等の
点から問題を有していた。
本発明の目的は、接続配線の必要性がなく、実装密度
の高い電子放出を可能とする電子放出方法及び電子放出
装置を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の電子放出方法は、尖頭部を有する電子放出用
電極と、 この電子放出用電極と絶縁体を挟んで対向するように
設けられた電圧印加用電極と、 前記電子放出用電極から放出される電子の被照射体
と、 を有する電子放出装置の前記電圧印加用電極と前記被
照射体との間に電圧を印加することによって電子放出を
行わせる電子放出方法において、 前記電子放出用電極が前記絶縁体表面上に電気的に孤
立して配置され、且つ、電子放出動作時の電子放出によ
って失われた前記電子放出用電極の電荷を、電子放出動
作後に供給することを特徴とする。
本発明の第1の電子放出装置は、絶縁体の表面上に電
気的に孤立して配置された尖頭部を有する電子放出用電
極と、 この電子放出用電極と前記絶縁体を挟んで対向するよ
うに設けられた電圧印加用電極と、 前記電子放出用電極から放出される電子の被照射体
と、 前記電子放出用電極に電荷を供給する電荷供給手段
と、 前記電圧印加用電極と前記被照射体との間に電圧を印
加する手段とを有することを特徴とする。
本発明の第2の電子放出装置は、絶縁体の表面上に電
気的に孤立して配置され、それぞれに尖頭部を有する複
数の電子放出用電極と、 これらの電子放出用電極と前記絶縁体を挟んで対向す
るように設けられた複数の電圧印加用電極と、 前記複数の電子放出用電極から放出される電子の被照
射体と、 前記複数の電子放出用電極に電荷を供給する電荷供給
手段と、 前記複数の電圧印加用電極と前記被照射体との間に電
圧を印加する手段とを有することを特徴とする。
本発明の第3の電子放出装置は、半導電性材料の表面
上に電気的に孤立して配置された尖頭部を有する電子放
出用電極と、 この電子放出用電極と前記半導電性材料を挟んで対向
するように設けられた電圧印加用電極と、 前記電子放出用電極から放出される電子の被照射体
と、 前記電圧印加用電極と前記被照射体との間に電圧を印
加する手段とを有することを特徴とする。
本発明の第4の電子放出装置は、半導電性材料の表面
上に電気的に孤立して配置され、それぞれに尖頭部を有
する複数の電子放出用電極と、 これらの電子放出用電極と前記半導電性材料を挟んで
対向するように設けられた複数の電圧印加用電極と、 前記複数の電子放出用電極から放出される電子の被照
射体と、 前記複数の電圧印加用電極と前記被照射体との間に電
圧を印加する手段とを有することを特徴とする。
[作用] 本願発明の電子放出方法は、電子放出動作時の電子放
出によって失われた前記電子放出用電極の電荷を、電子
放出動作後に供給することにより、絶縁体上に電子放出
用電極を設けることを可能とするものである。
本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第1の電
子放出装置は、尖頭部を有する電子放出用電極と電圧印
加用電極とを、絶縁体を挟んで対向するように形成し、
容量結合させ、電圧印加用電極と放出される電子の被照
射体との間に電圧を加えることによって、電子放出用電
極から電子放出させ、この電子放出によって電子放出用
電極から失われた電荷を電荷供給手段によって供給する
ものである。
すなわち、本願発明の第1の電子放出装置は、電荷供
給手段から電子を供給することにより、絶縁表面上に孤
立して設けられた電子放出用電極から、電子放出を行わ
せることを可能とするものである。
本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第2の電
子放出装置は、それぞれに尖頭部を有する複数の電子放
出用電極と複数の電圧印加用電極とを、絶縁体を挟んで
対向するように形成し、容量結合させ、前記電圧印加用
電極と前記被照射体との間に電圧を印加して電子放出さ
せ、この電子放出によって電子放出用電極から失われた
電荷を電荷供給手段によって供給するものである。
すなわち、本願発明の第2の電子放出装置は、電荷供
給手段から電子を供給することにより、絶縁表面上に孤
立して設けられた複数の電子放出用電極から、電子放出
を行わせるものである。
また、前記本願発明の第1の電子放出装置と本願発明
の第2の電子放出装置において、電子放出用電極への電
界強度を強める引き出し電極を設ければ、前記電荷供給
手段と兼用して用いることができる。
本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第3の電
子放出装置は、電子放出用電極を半導電性材料上に設け
ることにより、放電動作時に電子放出用電極から失われ
た電荷を半導電性材料を通して供給するものである。
本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第4の電
子放出装置は、複数の電子放出用電極を半導電性材料上
に設けることにより、放電動作時に複数の電子放出用電
極から失われた電荷を半導電性材料を通して供給するも
のである。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。
第1図は本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の
第1の電子放出装置の一実施例の概略的構成図である。
同図に示すように、非晶質材料であるSiO2等の酸化基
体2の堆積される面にSi,Si3N4等の核形成ベース3を形
成し、この核形成ベース3に形成された単一の核を中心
としてMo,W,Si等の単結晶を成長させることにより、所
望の大きさの円錐形の尖頭部を有する回転体の電子放出
用電極4が形成される。なお、一般に絶縁材料面に単結
晶を形成することは困難であるが、後述する前記単結晶
の成長方法によって、形成することができる。
前記電子放出用電極4と対向するように、絶縁材料で
ある酸化基体2の反対面には電圧印加用電極1が形成さ
れる、また電子放出用電極4上には、尖頭部における電
界強度を高め、且つ電荷供給手段となる引き出し電極7
が形成される。この引き出し電極7は、例えば、酸化基
体2上に、前記電子放出用電極4の電子放出領域を開口
した絶縁層を形成して、この絶縁層上に開口部を有する
金属板等を接合させることによって形成することができ
る。
引き出し電極7上には放出された電子の被照射体5が
配置される。この被照射体5と電圧印加用電極1との間
には被照射体5側を高電位とする電源6が接続され、切
り換え手段11によってON−OFF制御がなされる。
引き出し電極7と電圧印加用電極1との間には、引き
出し電極7側を高電位とする電源8と電圧印加用電極1
を高電位とする電源9とが並列に接続され、電源8と電
源9とは切り換え手段10によって、切り換えが行なわれ
る。
以下、上記構成の電子放出装置の動作について説明す
る。
まず、切り換え手段11によって、被照射体5と電圧印
加用電極1との間に電源6によって、電圧を印加し、さ
らに、切り換え手段10を用いて、引き出し電極7と電圧
印加用電極1との間に電源8によって電圧を印加する
と、電子放出用電極4と被照射体5,引き出し電極7との
間に電位差が生じ、電子放出用電極4から電子が放出さ
れる(電子放出動作)。このとき、電子放出部となるの
は主として電界強度の強い電子放出用電極4の尖頭部で
ある。この電子放出により、電子放出用電極4上には正
電荷が蓄積し、電界強度を弱めて電子放出量を減少さ
せ、遂には電子が放出されなくなる。
その後、切り換え手段10を用いて、引き出し電極7と
電圧印加用電極1との間に電源9によって逆方向電圧
(放電電圧)を印加し、且つ被照射体5に印加された電
圧を切り換え手段11によって電位を0Vとして、引き出し
電極7から電子放出用電極4側へ電子を放出させる。放
出された電子は、電子放出用電極4上に蓄積された正電
荷と結合して、蓄積した正電荷量を減少消滅させ、電子
放出用電極4は電子放出が可能な状態とする(放電動
作)。
上記の電子放出動作と放電動作とを繰りかえし行うこ
とにより、電子放出を行わせる。
第2図は上記電子放出装置の電子放出動作時の等価回
路図である。
同図において、12は被照射体5と電子放出用電極4と
の等価抵抗を示し、13は電子放出用電極4の抵抗を示
し、14は電子放出用電極4,酸化基体2及び電圧印加用電
極1からなる容量を示す。15は電圧印加用電極1と被照
射体5との間に電圧を印加する電源6及び電圧印加用電
極1と引き出し電極7との間に電圧を印加する電源8を
合わせた意味を持つ等価電源である。
ここで、電子放出動作時に、電源15による印加電圧に
対する被照射体5と電子放出用電極4との間にかかる電
圧の割合を算出してみると、 等価抵抗(RA)12は、放出電流10A/cm2、等価電源15
による電圧100V、電子放出用電極4の電子放出部の断面
積1μm2として、 RA=109(Ω) とする。
抵抗(RS)13は、抵抗率ρ=10Ω・cm、電子放出用電
極4の平均長1=1μm、断面積S=1μm2として、 RS=ρ・1/S=104(Ω) とする。
容量14によるインピーダンス(Z)は、容量(C)
を、酸化基体2の厚さt=1000Å、電極面積S=10μ
m2、比誘電率εs=4で、 C=εs・εo・S/d =3.6×10-18 とし、動作周波数を1000(MHz)としたとき、 Z=5×107(Ω) となる。
これらの条件下で、電源15による印加電圧に対する被
照射体5と電子放出用電極4との間にかかる電圧の割合
は、 |Z|/|RA+RS+Z|<1/10 となるので、被照射体5と電子放出用電極4との間にか
かる電圧、すなわち、電界放出を行わせる電圧は、本発
明による容量構成によりあまり影響を受けない。
以上説明したように、本願発明の電子放出方法に用い
る本願発明の第1の電子放出装置は、電荷供給手段から
電子を供給することにより、絶縁表面上に孤立して設け
られた電子放出用電極から電子を放出させることができ
るので、耐電圧を大幅に向上させることができ、また配
線を絶縁材料面に引き回したり、導電基体上に絶縁層を
設けスルーホールを設けて導通させて配線を行なう等の
必要がなく、実装密度を大幅に向上させることができ
る。
なお、電子放出用電極4は、単結晶に限定されず、多
結晶等であっても尖頭部を構成できれば用いることがで
きる、電子放出用電極4を単結晶とすれば、単結晶特有
の尖頭部が形成され、電子放出部の形状が均一且つシャ
ープに形成されるので、特別な針状加工が不要であり、
電界強度を均一且つ強いものとし、動作開始電圧の範囲
のバラツキを抑え、電子放出効率を向上させることがで
きる。また上記単結晶成長方法、すなわち、堆積される
面に、この堆積される面の材料より核形成密度が十分大
きく、且つ単一の核だけが成長する程度に十分微細な異
種材料を形成し、この異種材料に成長した単一の核を中
心として結晶を成長させる結晶成長方法は、多結晶等を
形成する場合には他の製造方法を用いることも可能であ
る。
なお、この異種材料に成長した単一の核を中心として
結晶を成長させる結晶成長方法を用いれば、次のような
利点が有る。
(1)尖頭部を有する電子放出用電極の形状が、堆積さ
れる面,異種材料,堆積物の材質、堆積条件等の製造条
件で決定いされ、大きさの制御が容易なので、所望の大
きさに形成でき、且つバラツキを抑えることができる。
(2)尖頭部を有する電子放出用電極の位置が異種材料
の位置精度で決められるので、所望の位置に高精度に作
製することができ、複数の電子放出口を有するマルチ型
電子放出素子をファインピッチで作製することができ
る。
(3)従来、単結晶の成長が困難であった非晶質の絶縁
基板にも単結晶を成長させることが容易となり、高耐圧
な電子放出素子を提供することができる。
(4)通常の半導体製造プロセスで製造することができ
るので、簡易な工程で高集積化を行なうことができる。
次に本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第2
の電子放出装置について説明を行う。
第3図は本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の
第2の電子放出装置の一実施例の概略的構成図である。
なお、第1図に示した本願発明の第1の電子放出装置と
同一部材については、同一符号を付する。
同図に示すように、非晶質材料であるSiO2等の酸化基
体2の堆積される面にSi,Si3N4等の核形成ベース31〜33
を形成し、この核形成ベース31〜33に形成された単一の
核を中心としてMo,W,Si等の単結晶を成長させることに
より、所望の大きさの円錐形の尖頭部を有する回転体の
電子放出用電極41〜43が形成される(なお、電子放出用
電極の数は3個に限定されるものではない。)。
前記電子放出用電極41〜43と対向するように、絶縁材
料である酸化基体2の反対面には電圧印加用電極11〜13
が形成される、また電子放出用電極41〜43上には、尖頭
部における電界強度を高め、且つ電荷供給手段となる引
き出し電極7が形成される。
引き出し電極7上にはそれぞれの電子放出用電極41〜
43から放出された電子の被照射体5が配置される。この
被照射体5と電圧印加用電極11〜13との間には被照射体
5側を高電位とする電源6が,切り換え手段11とパルス
発生装置16,選択切り換え装置17とを介して接続され
る。被照射体5に印加される電圧は、切り換え手段11に
よってON−OFF制御がなされる。
引き出し電極7と電圧印加用電極1との間には、切り
換え手段10,パルス発生装置16,選択切り換え装置17を介
して、引き出し電極7側を高電位とする電源8と電圧印
加用電極1を高電位とする電源9とが並列に接続され、
電源8と電源9とは切り換え手段10によって、切り換え
が行われる。
選択切り換え装置17は、電子放出時には、パルス発生
装置から出されるパルス信号を電圧印加用電極11〜13に
順次切り換えを行って印加し、放電動作時には、リセッ
ト部20によって、共通に接続された電圧印加用電極11〜
13に放電電圧を印加する。
リセット部20は、放電動作時に、電圧印加用電極11〜
13を共通に接続させ加するものであり、電子放出動作時
には、選択されない電圧印加用電極にプリバイアス電圧
を印加することによって、隣接する電極とのクロストー
クを防ぐ役目をはたす。
制御部18は、リセット部20、選択切り換え装置17、パ
ルス発生装置16、切り換え手段11、切り換え手段10に制
御信号を送り、切り換えのタイミング及びパルス発生の
タイミングの制御を行う。制御部18から出される制御信
号はメモリ部19に記録された制御情報によってコントロ
ールされる。
以下、上記構成の電子放出装置の動作について説明す
る。
第4図は、上記構成の電子放出装置の動作を説明する
ためのタイミングチャート図である。
同図において、区間t2は電子放出動作区間であり、こ
のとき、被照射体5には切り換え手段11によって、電源
6よりV3なる電圧が印加され、電圧印加用電極11〜13
は、選択切り換え装置17によって、順次0Vに切り換えら
れる。なお、上述したように選択されない電圧印加用電
極にはリセット部20から、プリバイアス電圧V4が印加さ
れる。引き出し電極7には、切り換え手段10によって電
源8よりV1なる電圧が印加される。
いま、選択された電圧印加用電極を11とすると、この
電圧印加用電極11と被照射体5との間にはV3なる電圧が
印加され、引き出し電極7と電圧印加用電極11との間に
はV1なる電圧が印加されて、電子放出用電極41と被照射
体5との間には電子放出に十分な電界がかけられ、電子
放出用電極41から電子放出が行なわれる。
このとき、選択されない電圧印加用電極12と13とに
は、プリバイアス電圧V4が印加され、電子放出用電極41
と被照射体5との間には電子放出に十分な電界が印加さ
れないので電子放出は行われない。
このようにして、電圧印加用電極12,電圧印加用電極1
3にも順次電圧が印加され、電子放出用電極42,電子放出
用電極43から電子が放出される。なお、電圧印加用電極
が3個以上、すなわち電圧印加用電極1n,n>3の場合
は、電圧印加用電極13以降に同波形の電圧を区間t2内で
順次印加すればよい。
なお、既に述べたように、電子放出により、電子放出
用電極41〜43上には正電荷が蓄積し、それぞれの電子放
出区間において、電界強度が弱められて電子放出量を減
少させ、遂には電子が放出されなくなる状態となる。
区間t1は放電動作区間であり、リセット部20によっ
て、電圧印加用電極11〜13は共通に接続されて0Vにさ
れ、引き出し電極7は選択切り換え装置17及び切り換え
手段10によって、電源9より−V2なる電圧が印加され、
また被照射体5は切り換え手段11によって0Vに切り換え
られる。この場合、引き出し電極7と電圧印加用電極11
〜13との間には、電圧印加用電極11〜13を高電位とする
V2なる電圧が印加され、電子放出用電極41〜43と引き出
し電極7との間には電子放出に十分な電界がかけられ、
引き出し電極7から電子放出が行なわれ、放出された電
子は、電子放出用電極41〜43上に蓄積された正電荷と結
合して、蓄積た正電荷を減少消滅させ、電子放出用電極
41〜43は電子放出が可能な状態となる。
その後、次の電子放出動作区間で電子放出を行う。こ
のように電子放出動作と放電動作とを繰り換えし行なう
ことによって、電子放出を行わせる。
以上説明したように、本願発明の第2の電子放出装置
は、電荷供給手段から電子を供給することにより、絶縁
表面上に孤立して設けられた複数の電子放出用電極から
電子を放出させることができるので、耐電圧を大幅に向
上させることができ、また、隣接する電極との間の電気
的絶縁性を向上させることができファインピッチな複数
の電子放出源を有する電子放出装置に好適に用いること
ができる。さらに配線を絶縁材料面に引き回したり、導
電基体上に絶縁層を設けスルーホールを設けて導通させ
て配線を行なう等の必要がなく、実装密度を大幅に向上
させることができる。
上記実施例において、それぞれの前記複数の電圧印加
用電極に、電圧を時分割して順次印加して、前記電圧印
加用電極と前記被照射体との間に電圧を印加することに
よって電子放出動作を行えば、電子放出用電極の数が増
えた場合の回路構成を簡易化することができる。例えば
第3図において、電圧印加用電極11〜13が順次選択され
ていくタイミングに合せて、切り換え手段11によって、
電圧を印加すれば、所望の電圧印加用電極から電子を放
出させることができ、個々の電圧印加用電極に選択のた
めの信号を送る必要がなくなる。
なお、前記本願発明の第1の電子放出装置の実施例と
本願発明の第2の電子放出装置との実施例とにおいて示
したように、電子放出用電極への電界強度を強める引き
出し電極を設け、前記電荷供給手段と兼用して用いれ
ば、別個に電荷供給手段を設ける必要がなく、構成を簡
略化することができる。
次に本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第3
の電子放出装置について説明を行う。
第5図は本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の
第3の電子放出装置の一実施例の概略的構成図である。
なお、第1図に示した本願発明の第1の電子放出装置と
同一部材については、同一符号を付し、重複説明を略す
ものとする。
同図に示すように、本実施例の構成は、第1図に示し
た本願発明の第1の電子放出装置の実施例と略同等の構
成となっているが、電荷供給手段としての引き出し電極
7、電源8,9、及び切り換え手段10は必要とされず(勿
論、引き出し電極7を設けて正電圧を印加すれば電子放
出効率は向上する)、基体21は完全な絶縁体でなくもれ
電流のある半導電性材料である。すなわち、電子放出動
作によって電子が放出されると、この電子放出動作後
に、基体21の反対面に形成された電圧印加電極1から半
導電性材料である基体21を通して、失われた電荷分が供
給されるのである。
なお、半導電性材料としてはPd等の金属、In2O3,ZnO,
SnO2等の半導体材料を用いることができる。
第6図は上記電子放出装置の電子放出動作時の等価回
路図である。なお、第2図に示した等価回路図と同一部
については、同一符号を付し、重複説明を略すものとす
る。
同図において、15は、引き出し電極7、電源8,9、及
び切り換え手段10がないために、電圧印加用電極1と被
照射体5との間に電圧を印加する等価電源を示し、22は
もれ電流のある半導電性材料であることを示し容量14と
並列に接続される等価抵抗である。
第7図は上記構成の電子放出装置の動作を説明するた
めのタイミングチャート図である。
同図に示すように、等価電源15からパルス電圧が区間
t3の間、電圧印加用電極1と被照射体5との間に印加さ
れると、電子放出用電極4の電位が上昇し、電子が放出
されるとさらに電位が上昇する。この電位は、被照射体
5と電子放出用電極4との電位差がなくなるまで上昇
し、一定値となる。このときの容量14両端の電位は等価
抵抗12、等価抵抗13、等価抵抗22の抵抗値及び容量12の
容量値の値で与えられる時定数で上昇する。
被照射体5と電子放出用電極4との電位差が減少し、
電子放出が終了すると、区間t4の間、等価電源15をOFF
状態とする。このとき非照射体5と電子放出用電極4と
の間は遮断状態となり電流は流れない。即ち、等価抵抗
12の抵抗値は略無限大となる。前述したように基体21は
半導電性材料からなるので、容量に充電された電荷は、
等価抵抗22を通して放電される。
区間t3,t4の値を前記充放電に要する時間に適当に設
定すれば、継続して電子放出を行わせることができる。
なお、本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第
4の電子放出装置については、電荷供給手段としての引
き出し電極7、電源8,9、及び切り換え手段10は必要と
されない(勿論、引き出し電極7を設けて正電圧を印加
すれば電子放出効率は向上する)ことと、基体が半導電
性材料からなることを除き第3図に示した本願発明の第
2の電子放出装置の実施例と略同等の構成となっている
ので、説明を省略する。
また、電子放出動作及び放電動作についても、放電動
作は、第4図に示したタイミングチャートと同様な電圧
波形を被照射体5及び電圧印加用電極11〜13に印加すれ
ば、継続して電子放出を行わせることができ、放電動作
の説明も、前述した本願発明の第3の電子放出装置と同
様なので、説明を省略する。なお、この場合区間t3は、
それぞれの電極から電荷が放電されるのに十分な時間を
とる必要がある。
次に、堆積される面に単結晶を成長させる単結晶成長
法について詳述する。
まず、堆積される面上に選択的に堆積膜を形成する選
択堆積法について述べる。選択堆積法とは、表面エネル
ギー、付着係数、脱離係数、表面拡散速度等という薄膜
形成過程での核形成を左右する因子の材料間での差を利
用して、基板上に選択的に薄膜を形成する方法である。
第8図(A)および(B)は選択堆積法の説明図であ
る。
まず、同図(A)に示すように、基板23上に、基板23
と上記因子の異なる材料から成る薄膜24を所望部分に形
成する。そして、適当な堆積条件によって適当な材料か
ら成る薄膜の堆積を行うと、同図(B)に示すように、
薄膜25は薄膜24上にのみ成長し、基板23上には成長しな
いという現象を生じさせることができる。この現象を利
用することで、自己整合的に成長された薄膜25を成長さ
せることができ、従来のようなレジストを用いたリソグ
ラフィー工程の省略が可能となる。
このような選択形成法による堆積を行うことができる
材料としては、たとえば基板23としてSiO2、薄膜24とし
てSi、GaAs、窒化シリコン、そして堆積される薄膜25と
してSi、W、GaAs、InP等がある。
第9図は、SiO2の堆積される面と窒化シリコンの堆積
される面との核形成密度の経時変化を示すグラフであ
る。
同グラフが示すように、堆積を開始して間もなくSiO2
上での核形成密度は103cm-2以下で飽和し、20分後でも
その値はほとんど変化しない。
それに対して窒化シリコン(Si3N4)上では、〜4×1
05cm-2で一旦飽和し、それから10分ほど変化しないが、
それ以降は急激に増大する。なお、この測定例では、Si
Cl4ガスをH2ガスで希釈し、圧力175Torr、温度1000℃の
条件下でCVD法により堆積した場合を示している。他にS
iH4、SiH2Cl2、SiHCl3、SiF4等を反応ガスとして用い
て、圧力、温度等を調整することで同様の作用を得るこ
とができる。また、真空蒸着でも可能である。
この場合、SiO2上の核形成はほとんど問題とならない
が、反応ガス中にHClガスを添加することで、SiO2上で
の核形成を更に抑制し、SiO2上でのSiの堆積を皆無にす
ることができる。
このような現象は、SiO2および窒化シリコンの材料表
面のSiに対する吸着係数、脱離係数、表面拡散係数等の
差によるところが大きいが、Si原子自身によってSiO2
反応し、蒸気圧が高い一酸化シリコンが生成されること
でSiO2自身がエッチングされ、窒化シリコン上ではこの
ようなエッチング現象は生じないということも選択堆積
を生じさせる原因となっていると考えられる(T.Yoneha
ra,S.Yoshioka,S.Miyazawa Journal of Applied Physic
s 53,6839,1982)。
このように堆積される面の材料としてSiO2および窒化
シリコンを選択し、堆積材料としてシリコンを選択すれ
ば、同グラフに示すように十分に大きな核形成密度差を
得ることができる。なお、ここでは堆積される面の材料
としてSiO2が望ましいが、これに限らずSiOxであっても
核形成密度差を得ることができる。
勿論、これらの材料に限定されるものではなく、核形
成密度の差が同グラフで示すように核の密度で102倍以
上であれば十分であり、後に例示するような材料によっ
ても堆積膜の十分な選択形成を行うことができる。
この核形成密度差を得る他の方法としては、SiO2上に
局所的にSiやN等をイオン注入して過剰にSiやN等を有
する領域を形成してもよい。
このような選択堆積法を利用し、堆積される面の材料
より核形成密度の十分大きい異種材料を単一の核だけが
成長するように十分微細に形成することによって、その
微細な異種材料の存在する箇所だけに単結晶を選択的に
成長させることができる。
なお、単結晶の選択的成長は、堆積される面表面の電
子状態、特にダングリングボンドの状態によって決定さ
れるために、核形成密度の低い材料(たとえばSiO2)は
バルク材料である必要はなく、任意の材料や基板等の表
面のみに形成されて上記堆積される面を成していればよ
い。
第10図(A)〜(C)は、単結晶形成方法の一例を示
す形成工程図であり、第11図(A)および(B)は、第
10図(A)および(C)における基板の斜視図である。
まず、第10図(A)および第11図(A)に示すよう
に、選択堆積を可能にする核形成密度の小さい基板26上
に、核形成密度の大きい異種材料を薄く堆積させ、リソ
グラフィ等によってパターニングすることで異種材料27
を十分微細に形成する。ただし、基板26の大きさ、結晶
構造および組成は任意のものでよく、機能素子が形成さ
れた基板であってもよい。また、異種材料27とは、上述
したように、SiやN等を基板26にイオン注入して形成さ
れる過剰にSiやN等を有する変質領域も含めるものとす
る。
次に、適当な堆積条件によって異種材料27だけに薄膜
材料の単一の核が形成される。すなわち、異種材料27
は、単一の核のみが形成される程度に十分微細に形成す
る必要がある。異種材料27の大きさは、材料の種類によ
って異なるが、数ミクロン以下であればよい。更に、核
は単結晶構造を保ちながら成長し、第10図(B)に示す
ように島状の単結晶粒28となる。島状の単結晶粒28が形
成されるためには、すでに述べたように、基板26上で全
く核形成が起こらないように条件を決めることが必要で
ある。
島状の単結晶粒28は単結晶構造を保ちながら異種材料
27を中心にして更に成長し、同図(C)に示すように略
円錐形の尖頭部を有する回転体の単結晶29となる。
なお、上記実施例では、堆積される面の材料を基体と
したが、所望の材質の基板上に選択堆積を可能にする核
形成密度の小さい材料から成る薄膜を形成し、その上に
単結晶を同様に形成してもよい。
(具体例) 次に、上記例における単結晶層の具体的形成方法を説
明する。
SiO2を基板26の堆積される面の材料とする。勿論、石
英基板を用いてもよいし、金属、半導体、磁性体、圧電
体、絶縁体等の任意の基板上に、スパッタ法、CVD法、
真空蒸着法等を用いて基板表面にSiO2層を形成してもよ
い。また、堆積される面の材料としてはSiO2が望ましい
が、SiOxとしてXの値を変化させたものでもよい。
こうして形成された基板26上に減圧気相成長法によっ
て窒化シリコン層(ここではSi3N4層)又は多結晶シリ
コン層を異種材料として堆積させ、通常のリソグラフィ
技術又はX線、電子線若しくはイオン線を用いたリソグ
ラフィ技術で窒化シリコン層又は多結晶シリコン層をパ
ターニングし、数ミクロン以下、望ましくは〜1μm以
下の微小な異種材料27を形成する。
続いて、HClとH2と、SiH2Cl2、SiCl4、SiHCl3、SiF4
若しくはSiH4との混合ガスを用いて上記基板11上にSiを
選択的に成長させる。その際の基板温度は700〜1100
℃、圧力は約100Torrである。
数十分程度の時間で、SiO2上の窒化シリコン又は多結
晶シリコンの微細な異種材料27を中心として、単結晶の
Siの粒28が成長し、最適の成長条件とすることで、その
大きさは上記の異種材料程度の大きさから数十μm程度
に制御された単結晶29が形成される。
(窒化シリコンの組成) これまで述べてきたような堆積される面の材料と異種
材料との十分な核形成密度差を得るには、Si3N4に限定
されるものではなく、窒化シリコンの組成を変化させた
ものでもよい。
RFプラズマ中でSiH4ガスとNH3ガスとを分解させて低
温で窒化シリコン膜を形成するプラズマCVD法では、SiH
4ガスとNH3ガスとの流量比を変化させることで、堆積す
る窒化シリコン膜のSiとNの組成比を大幅に変化させる
ことができる。
第12図は、SiH4とNH3の流量比と形成された窒化シリ
コン膜中のSiおよびNの組成比との関係を示したグラフ
である。
この時の堆積条件は、RF出力175W、基板温度380℃で
あり、SiH4ガス流量を300cc/minに固定し、NH3ガスの流
量を変化させた。同グラフに示すようにNH3/SiH4のガ
ス流量比を4〜10へ変化させると、窒化シリコン膜中の
Si/N比は1.1〜0.58に変化することがオージェ電子分光
法によって明らかとなった。
また、減圧CVD法でSiH2Cl2ガスとNH3ガスとを導入
し、0.3Torrの減圧下、温度約800℃の条件で形成した窒
化シリコン膜の組成は、ほぼ化学量論比であるSi3N4(S
i/N=0.75)に近いものであった。
また、SiをアンモニアあるいはN2中で約1200℃で熱処
理すること(熱窒化法)で形成される窒化シリコン膜
は、その形成方法が熱平衡下で行われるために、更に化
学量論比に近い組成を得ることができる。
以上の様に種々の方法で形成した窒化シリコンをSiの
核形成密度がSiO2より高い堆積される面の材料として用
いて上記Siの核を成長させると、その組成比により核形
成密度に差が生じる。
第13図は、Si/N組成比と核形成密度との関係を示すグ
ラフである。同グラフに示すように、窒化シリコン膜の
組成を変化させることで、その上に成長するSiの核形成
密度は大幅に変化する。この時の核形成条件は、SiCl4
ガスを175Torrに減圧し、1000℃でH2と反応させてSiを
生成させる。
このように窒化シリコンの組成によって核形成密度が
変化する現象は、単一の核を成長させる程度に十分微細
に形成される異種材料としての窒化シリコンの大きさに
影響を与える。すなわち、核形成密度が大きい組成を有
する窒化シリコンは、非常に微細に形成しない限り、単
一の核を形成することができない。
したがって、核形成密度と、単一の核が選択できる最
適な窒化シリコンの大きさとを選択する必要がある。た
とえば〜105cm-2の核形成密度を得る堆積条件では、窒
化シリコンの大きさは約4μm以下であれば単一の核を
選択できる。
(イオン注入による異種材料の形成) Siに対して核形成密度差を実現する方法として、核形
成密度の低い堆積される面の材料であるSiO2の表面に局
所的にSi,N,P,B,F,Ar,He,C,As,Ga,Ge等をイオン注入し
てSiO2の堆積される面に変質領域を形成し、この変質領
域を核形成密度の高い堆積される面の材料としても良
い。
例えば、SiO2表面をレジストで多い、所望の箇所を露
光、現像、溶解させてSiO2表面を部分的に表出させる。
続いて、SiF4ガスをソースガスとして用い、Siイオン
を10keVで1×1016〜1×1018cm-2の密度でSiO2表面に
打込む。これによる投影飛程は114Åであり、SiO2表面
ではSi濃度が〜1022cm-3に達する。SiO2はもともと非晶
質であるために、Siイオンを注入した領域も非晶質であ
る。
なお、変質領域を形成するには、レジストをマスクと
してイオン注入を行うこともできるが、集束イオンビー
ム技術を用いて、レジストマスクを使用せずに絞られた
SiイオンをSiO2表面に注入してもよい。
こうしてイオン注入を行った後、レジストを剥離する
ことで、SiO2面にSiが過剰な変質領域が形成される。こ
のような変質領域が形成された堆積される面となるSiO2
面にSiを気相成長させる。
第14図は、Siイオンの注入量と核形成密度との関係を
示すグラフである。
同グラフに示すように、Si+注入量が多い程、核形成
密度が増大することがわかる。
したがって、変質領域を十分微細に形成することで、
この変質領域を異種材料としてSiの単一の核を成長させ
ることができ、上述したように単結晶を成長させること
ができる。
なお、変質領域を単一の核が成長する程度に十分微細
に形成することは、レジストのパターニングや、集束イ
オンビームのビームを絞ることによって容易に達成され
る。
(CVD以外のSi堆積方法) Siの選択核形成によって単結晶を成長させるには、CV
D法だけではなく、Siを真空中(<10-6Torr)で電子銃
により蒸発させ、加熱した基板に堆積させる方法も用い
られる。特に、超高真空中(<10-9Torr)で蒸着を行う
MBE(Molecular Beam Epitaxy)法では、基板温度900℃
以上でSiビームとSiO2が反応を始め、SiO2上でのSiの核
形成は皆無になることが知られている(T.Yonehara,S,Y
oshioka and S.Miyazawa Journal of Applied Physics
53,10,p6839,1983)。
この現象を利用してSiO2上に点在させた微小な窒化シ
リコンに完全な選択性をもってSiの単一の核を形成し、
そこに単結晶Siを成長させることができた。この時の堆
積条件は、真空度10-8Torr以下、Siビーム強度9.7×10
14atms/cm2・sec、基板温度900℃〜1000℃であった。
この場合、SiO2+Si→2SiO↑という反応により、SiO
という蒸気圧の著しく高い反応生成物が形成され、この
蒸発によるSiO2自身のSiによるエッチングが生起してい
る。
これに対して、窒化シリコン上では上記エッチング現
象は起こらず、核形成、そして堆積が生じている。
したがって、核形成密度の高い堆積される面の材料と
しては、窒化シリコン以外に、タンタル酸化物(Ta
2O5)、窒化シリコン酸化物(SiON)等を使用しても同
様の効果を得ることができる。すなわち、これらの材料
を微小形成して上記異種材料とすることで、同様に単結
晶を成長させることができる。
(タングステン単結晶の成長) Si以外の材料としてタングステンの場合を例示する。
タングステンは、SiO2上では核形成を起こさず、Si、
WSi2、PtSi、Al等の上では多結晶膜となって堆積するこ
とが知られている。しかし、本発明による結晶成長方法
によれば、単結晶を容易に成長させることができる。
まず、SiO2を主成分とするガラス、石英、熱酸化膜等
の上に、Si、WSi2、PtSi、又はAlを真空蒸着で堆積さ
せ、フォトリソグラフィによって数μm以下の大きさに
パターニングする。
続いて、250〜500℃に加熱された反応炉内に設置し、
WF6ガスおよび水素ガスの混合ガスを圧力約0.1〜10Torr
の減圧下で、各々75cc/minおよび10cc/minの流量で流
す。
これによって、WF6+3H2→W+6HFという反応式で表
現されるようにタングステンが生成する。この時、タン
グステンとSiO2との反応性は極めて低く、強固な結合が
生じないために、核形成は起こらず、したがって堆積は
生じない。
これに対して、Si、WSi2、PtSi、Al上にはタングステ
ンの核が形成されるが、微細に形成されているために、
タングステンの単一の核のみが形成される。そして、こ
の単一の核が成長を続け、SiO2上にも横方向に単結晶の
まま成長する。これは、SiO2上にはタングステンの核成
長が起こらないために、単結晶成長を阻害して多結晶と
なることがないためである。
なお、これまで述べた堆積される面の材料、異種材料
および堆積材料の組合せは、上記各実施例に示したもの
だけではなく、十分な各形成密度差を有する材料の組合
せであればよいことは明らかである。したがって、選択
堆積可能なGaAsやInp等の化合物半導体の場合にも、本
発明によって単結晶を形成することができる。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように、 本願発明の電子放出方法によれば、電子放出動作時の
電子放出によって失われた前記電子放出用電極の電荷
を、電子放出動作後に供給することにより、絶縁体上に
電子放出用電極を設けることが可能となるので、耐電圧
を向上させることができ、また、配線を絶縁材料面に引
き回したり、導電基体上に絶縁層を設けスルーホールを
設けて導通させて配線を行なう等の必要がなく、実装密
度を大幅に向上させることができる。
本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第1の電
子放出装置によれば、電子放出動作後に、電荷供給手段
から電子を供給することにより、絶縁表面上に完全に孤
立して設けられた電子放出用電極から電子を継続して電
子放出させることができるので、耐電圧を大幅に向上さ
せることができ、また供給する電荷量を任意に設定する
ことができるので、電荷の放電に要する時間を任意に設
定することができる。
本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第2の電
子放出装置によれば、電子放出動作後に、電荷供給手段
から電子を供給することにより、絶縁表面上に孤立して
設けられた複数の電子放出用電極から電子を継続して電
子放出させることができるので、耐電圧を大幅に向上さ
せることができ、また、隣接する電極との間の電気的絶
縁性を向上させることができるので、ファインピッチな
複数の電子放出源を有する電子放出装置に好適に用いる
ことができる。さらに供給する電荷量に任意に設定する
ことができるので、電荷の放電に要する時間を任意に設
定することができる。
なお、それぞれの前記複数の電圧印加用電極に、電圧
を時分割して順次印加して、前記電圧印加用電極と前記
被照射体との間に電圧を印加することによって電子放出
動作を行えば、電子放出用電極の数が増えた場合の回路
構成を簡易化することができ、回路の部品点数をへら
し、実装密度を向上させることができる。
前記本願発明の第1の電子放出装置と本願発明の第2
の電子放出装置とにおいて、電子放出用電極への電界強
度を強める引き出し電極を設け、前記電荷供給手段と兼
用して用いれば、別個に電荷供給手段を設ける必要がな
く、構成を簡略化することができる。
本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第3の電
子放出装置は、電子放出用電極を半導電性材料上に設け
ることにより、放電動作時に電子放出用電極から失われ
た電荷を半導電性材料を通して供給することができるの
で、耐電圧を向上させることができ、特別な電荷供給手
段を設けることなく、装置の構成を簡易化することがで
きる。
本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第4の電
子放出装置は、複数の電子放出用電極を半導電性材料上
に設けることにより、放電動作時に複数の電子放出用電
極から失われた電荷を半導電性材料を通して供給するこ
とができるので、耐電圧を向上させることができ、隣接
する電極との間の電気的絶縁性を向上させることができ
るので、ファインピッチな複数の電子放出源を有する電
子放出装置に好適に用いることができる。さらに、特別
な電荷供給手段を設けることなく、装置の構成を簡易化
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第
1の電子放出装置の一実施例の概略的構成図である。 第2図は本願発明の第1の電子放出装置の電子放出動作
時の等価回路図である。 第3図は本願発明の第2の電子放出装置の一実施例の概
略的構成図である。 第4図は、本願発明の第2の電子放出装置の一実施例の
動作を説明するためのタイミングチャート図である。 第5図は本願発明の電子放出方法に用いる本願発明の第
3の電子放出装置の一実施例の概略的構成図である。 第6図は本願発明の第3の電子放出装置の一実施例の電
子放出動作時の等価回路図である。 第7図は本願発明の第3の電子放出装置の一実施例の動
作を説明するためのタイミングチャート図である。 第8図(A)および第8図(B)は選択堆積法の説明図
である。 第9図は、SiO2の堆積される面と窒化シリコンの堆積さ
れる面との核形成密度の経時変化を示すグラフである。 第10図(A)〜(C)は、単結晶形成方法の一例を示す
形成工程図である。 第11図(A)および第11図(B)は、第10図(A)およ
び第7図(C)における基板の斜視図である。 第12図は、SiH4とNH3の流量比と形成された窒化シリコ
ン膜中のSiおよびNの組成比との関係を示したグラフで
ある。 第13図は、Si/N組成比と核形成密度との関係を示すグラ
フである。 第14図は、Siイオンの注入量と核形成密度との関係を示
すグラフである。 第15図は電界効果型の電子放出素子の一例を示す概略的
部分断面図である。 1……電圧印加用電極 2……酸化基体 3……核形成ベース 4……電子放出用電極 5……被照射体 6,8,9……電源 7……被照射体 10,11……切り換え手段 12,22……等価抵抗 13……抵抗 14……容量 15……等価電源 16……パルス発生装置 17……選択切り換え装置 18……制御部 19……メモリ部 20……リセット部 21……基体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 健夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 武田 俊彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 米原 隆夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 市川 武史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 奥貫 昌彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−86428(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】尖頭部を有する電子放出用電極と、 この電子放出用電極と絶縁体を挟んで対向するように設
    けられた電圧印加用電極と、 前記電子放出用電極から放出される電子の被照射体と、 を有する電子放出装置の前記電圧印加用電極と前記被照
    射体との間に電圧を印加することによって電子放出を行
    わせる電子放出方法において、 前記電子放出用電極が前記絶縁体表面上に電気的に孤立
    して配置され、且つ、電子放出動作時の電子放出によっ
    て失われた前記電子放出用電極の電荷を、電子放出動作
    後に供給することを特徴とする電子放出方法。
  2. 【請求項2】絶縁体の表面上に電気的に孤立して配置さ
    れた尖頭部を有する電子放出用電極と、 この電子放出用電極と前記絶縁体を挟んで対向するよう
    に設けられた電圧印加用電極と、 前記電子放出用電極から放出される電子の被照射体と、 前記電子放出用電極に電荷を供給する電荷供給手段と、 前記電圧印加用電極と前記被照射体との間に電圧を印加
    する手段とを有する電子放出装置。
  3. 【請求項3】前記電荷供給手段が引き出し電極である特
    許請求の範囲第2項記載の電子放出装置。
  4. 【請求項4】絶縁体の表面上に電気的に孤立して配置さ
    れ、それぞれに尖頭部を有する複数の電子放出用電極
    と、 これらの電子放出用電極と前記絶縁体を挟んで対向する
    ように設けられた複数の電圧印加用電極と、 前記複数の電子放出用電極から放出される電子の被照射
    体と、 前記複数の電子放出用電極に電荷を供給する電荷供給手
    段と、 前記複数の電圧印加用電極と前記被照射体との間に電圧
    を印加する手段とを有する電子放出装置。
  5. 【請求項5】前記電荷供給手段が引き出し電極である特
    許請求の範囲第4項記載の電子放出装置。
  6. 【請求項6】前記複数の電圧印加用電極と前記被照射体
    との間に電圧を印加する手段が、 それぞれの前記複数の電圧印加用電極に、電圧を時分割
    して順次印加して、前記電圧印加用電極と前記被照射体
    との間に電圧を印加する手段を有する特許請求の範囲第
    4項記載の電子放出装置。
  7. 【請求項7】半導電性材料の表面上に電気的に孤立して
    配置された尖頭部を有する電子放出用電極と、 この電子放出用電極と前記半導電性材料を挟んで対向す
    るように設けられた電圧印加用電極と、 前記電子放出用電極から放出される電子の被照射体と、 前記電圧印加用電極と前記被照射体との間に電圧を印加
    する手段とを有する電子放出装置。
  8. 【請求項8】半導電性材料の表面上に電気的に孤立して
    配置され、それぞれに尖頭部を有する複数の電子放出用
    電極と、 これらの電子放出用電極と前記半導電性材料を挟んで対
    向するように設けられた複数の電圧印加用電極と、 前記複数の電子放出用電極から放出される電子の被照射
    体と、 前記複数の電圧印加用電極と前記被照射体との間に電圧
    を印加する手段とを有する電子放出装置。
  9. 【請求項9】前記複数の電圧印加用電極と前記被照射体
    との間に電圧を印加する手段が、 それぞれの前記複数の電圧印加用電極に、電圧を時分割
    して順次印加して、前記電圧印加用電極と前記被照射体
    との間に電圧を印加する手段を有する特許請求の範囲第
    8項記載の電子放出装置。
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