JP2612326B2 - 新規なジアミン化合物およびその製造法 - Google Patents
新規なジアミン化合物およびその製造法Info
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アゾ顔料あるいは機能性高分子材料などの
重要な原料となる新規なジアミン化合物およびその製造
法に関する。
重要な原料となる新規なジアミン化合物およびその製造
法に関する。
ある種の有機顔料が光導電性を有することは古くから
知られているが、近年、電子写真感光体分野において有
機系顔料が注目されている。中でも芳香族アミン化合物
を原料とするアゾ顔料は多数報告され、一部は実用化さ
れるに至っている。しかしながら、これらの有機系顔料
を使用した感光体は要求特性を十分に満足するものでは
なく、さらに優れた光導電材料の開発が望まれていた。
知られているが、近年、電子写真感光体分野において有
機系顔料が注目されている。中でも芳香族アミン化合物
を原料とするアゾ顔料は多数報告され、一部は実用化さ
れるに至っている。しかしながら、これらの有機系顔料
を使用した感光体は要求特性を十分に満足するものでは
なく、さらに優れた光導電材料の開発が望まれていた。
また、耐熱性高分子、液晶性高分子など機能性高分子
材料の単量体の1つとして種々の芳香族ジアミン化合物
が検討されてきたが、さらに高機能を発現する新たな高
分子の単量体の開発が望まれていた。
材料の単量体の1つとして種々の芳香族ジアミン化合物
が検討されてきたが、さらに高機能を発現する新たな高
分子の単量体の開発が望まれていた。
本発明の芳香族ジアミン化合物は、前記アゾ顔料、機
能性高分子材料の原料に利用可能な新規な化合物であ
る。
能性高分子材料の原料に利用可能な新規な化合物であ
る。
また、その製造法も勿論知られていない。
本発明の課題は、前記用途に使用できるアゾ顔料や高
分子材料に利用される新規なジアミン化合物を提供する
ことである。
分子材料に利用される新規なジアミン化合物を提供する
ことである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、下記構造式 で表される芳香族ジアミン化合物及びその製造法を見出
し、これによって新しいタイプのアゾ顔料や高分子材料
を合成することが可能となった。
し、これによって新しいタイプのアゾ顔料や高分子材料
を合成することが可能となった。
すなわち、本発明の一つは下記構造式 で表される芳香族ジアミン化合物であり、本発明の他の
一つはその製造法である。
一つはその製造法である。
本発明の製造法は a)下記構造式 で表される4′−ニトロ(1,1′−ビフェニル)−4−
カルボン酸にヒドラジンを作用させて縮合、閉環し、下
記構造式 で表されるニトロ化合物(以下、ジニトロ化合物と略記
する)を得た後、 b)還元触媒の存在下、接触還元して本発明の化合物を
得る方法である。
カルボン酸にヒドラジンを作用させて縮合、閉環し、下
記構造式 で表されるニトロ化合物(以下、ジニトロ化合物と略記
する)を得た後、 b)還元触媒の存在下、接触還元して本発明の化合物を
得る方法である。
a)の縮合閉環工程において、ポリリン酸中、4′−
ニトロ(1,1′−ビフェニル)−4−カルボン酸とヒド
ラジンを加熱下作用せしめることによりジニトロ化合物
を得る。ポリリン酸の使用量は、脱水縮合能力のある量
であれば十分であるが、反応マスの撹拌性の点から原料
のガルボン酸に対し、5〜20重量倍使用する。ヒドラジ
ンは安全面など取り扱いの点で硫酸塩などの鉱酸塩を使
用するのが好ましい)。使用量はカルボン酸に対し0.5
〜0.47当量である。反応温度は100〜200℃の範囲、特に
130〜170℃が好ましい。反応は通常1〜8時間で進行す
る。反応の進行は薄層クロマトグラフィー、高速液体ク
ロマトグラフィーにより知ることができる。反応終了
後、反応液を氷水に排出し、濾取、水洗、乾燥すること
によりジニトロ化合物が得られる。
ニトロ(1,1′−ビフェニル)−4−カルボン酸とヒド
ラジンを加熱下作用せしめることによりジニトロ化合物
を得る。ポリリン酸の使用量は、脱水縮合能力のある量
であれば十分であるが、反応マスの撹拌性の点から原料
のガルボン酸に対し、5〜20重量倍使用する。ヒドラジ
ンは安全面など取り扱いの点で硫酸塩などの鉱酸塩を使
用するのが好ましい)。使用量はカルボン酸に対し0.5
〜0.47当量である。反応温度は100〜200℃の範囲、特に
130〜170℃が好ましい。反応は通常1〜8時間で進行す
る。反応の進行は薄層クロマトグラフィー、高速液体ク
ロマトグラフィーにより知ることができる。反応終了
後、反応液を氷水に排出し、濾取、水洗、乾燥すること
によりジニトロ化合物が得られる。
b)の還元工程において、a)で得られたジニトロ化
合物をそのまま、あるいはもちろん精製して使用するこ
とができる。
合物をそのまま、あるいはもちろん精製して使用するこ
とができる。
還元反応に有機溶媒を使用するが、反応に不活性な溶
媒であれば特に制限されない。例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブなどのアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキ
シエタン、ジグライムなどのエーテル類、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが使用でき
る。使用量は特に制限なく、原料のジニトロ化合物が、
完溶状態及び懸濁状態のいづれにおいても反応は進行す
る。通常、溶媒量は原料に対して1〜10重量倍で十分で
ある。
媒であれば特に制限されない。例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブなどのアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキ
シエタン、ジグライムなどのエーテル類、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが使用でき
る。使用量は特に制限なく、原料のジニトロ化合物が、
完溶状態及び懸濁状態のいづれにおいても反応は進行す
る。通常、溶媒量は原料に対して1〜10重量倍で十分で
ある。
本発明に使用する触媒としては、一般に接触還元に使
用されている金属触媒、例えばニッケル、パラジウム、
白金、ロジウム、ルテニウム、コバルト、銅等を使用す
ることが出来る。工業的にはパラジウム触媒を使用する
のが好ましい。これらの触媒は金属単体の状態で使用す
ることもできるが、通常はカーボン、硫酸バリウム、炭
酸バリウム、シリカゲル、アルミナ等の単体表面に担持
させて用いたり、また、ニッケル、コバルト、銅等はラ
ネー触媒として用いられる。触媒の使用量は原料のジニ
トロ化合物に対して、金属として0.01〜10重量%の範囲
であり、通常、金属の状態で使用する場合は2〜8重量
%、担体に担持させた場合では0.1〜5重量%の範囲で
用いられる。
用されている金属触媒、例えばニッケル、パラジウム、
白金、ロジウム、ルテニウム、コバルト、銅等を使用す
ることが出来る。工業的にはパラジウム触媒を使用する
のが好ましい。これらの触媒は金属単体の状態で使用す
ることもできるが、通常はカーボン、硫酸バリウム、炭
酸バリウム、シリカゲル、アルミナ等の単体表面に担持
させて用いたり、また、ニッケル、コバルト、銅等はラ
ネー触媒として用いられる。触媒の使用量は原料のジニ
トロ化合物に対して、金属として0.01〜10重量%の範囲
であり、通常、金属の状態で使用する場合は2〜8重量
%、担体に担持させた場合では0.1〜5重量%の範囲で
用いられる。
反応温度は特に制限はなく、一般的には0〜150℃の
範囲、特に20〜100℃が好ましい。反応圧力は特に必要
なく、常圧で十分である。
範囲、特に20〜100℃が好ましい。反応圧力は特に必要
なく、常圧で十分である。
本発明の一般的実施態様として、原料のジニトロ化合
物を溶媒に懸濁あるいは溶解した状態で、還元触媒を添
加し、撹拌下に水素を導入して反応する。反応の進行
は、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフ
ィーおよび水素ガスの吸収量により知ることができる。
物を溶媒に懸濁あるいは溶解した状態で、還元触媒を添
加し、撹拌下に水素を導入して反応する。反応の進行
は、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフ
ィーおよび水素ガスの吸収量により知ることができる。
反応終了後は、触媒を濾別した後、反応液を濃縮する
か水等で希釈することによって目的物を単離できる。ま
た、触媒を濾別した反応液に濃塩酸を加えるか、塩化水
素ガスを吹き込む等して目的物を塩酸塩として取り出す
こともできる。
か水等で希釈することによって目的物を単離できる。ま
た、触媒を濾別した反応液に濃塩酸を加えるか、塩化水
素ガスを吹き込む等して目的物を塩酸塩として取り出す
こともできる。
光導電性アゾ顔料あるいは機能性高分子などの分野に
要求される新規なジアミン化合物及びその製造法を提供
するものであり、当分野において大きな価値を有するも
のである。
要求される新規なジアミン化合物及びその製造法を提供
するものであり、当分野において大きな価値を有するも
のである。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。
実施例1 a)縮合閉環工程 1ガラス容器にポリリン酸1kg、4′−ニトロ(1,
1′−ビフェニル)−4−カルボン酸100g(0.412モル)
および硫酸ヒドラジン25.7g(0.198モル)を装入し、13
5〜140℃で6時間撹拌した。放冷後、氷水2に排出
し、室温で1時間撹拌した後、析出物を濾過、水洗、乾
燥した。N,N−ジメチルホルムアミドより再結晶して淡
褐色針状晶のジニトロ化合物85.8gを得た。(収率93.5
%/硫酸ヒドラジン) (272.5℃より液晶相を示し、300℃以下では等方性液体
に変化しなかった。) b)還元工程 縮合閉環工程で得られたジニトロ化合物81.6g(0.176
モル)、N,N−ジメチルホルムアミド800mlおよび5%パ
ラジウム/カーボン触媒(日本エンゲルハルド社製50%
含水品)4gをガラス密閉反応容器に装入し、40〜50℃で
撹拌しながら、水素を吸収させた。水素を21.9吸収し
たところで反応を終了し、若干量の析出した目的物を加
熱溶解し、触媒を濾別した後、メタノール700mlを加え
一夜放置した。析出物を濾取、乾燥し、緑味を帯びた褐
色微結晶品59g(融点242〜244℃)を得た。このものの
元素分析値および赤外線吸収スペクトルより本発明の化
合物であることを確認した。(収率83.0%/ジニトロ化
合物) 元素分析値(%) C H N 計算値 77.23 4.95 13.86 実測値 77.14 5.01 13.81 本発明の化合物の赤外線吸収スペクトル(KBr法)を
第1図に示した。
1′−ビフェニル)−4−カルボン酸100g(0.412モル)
および硫酸ヒドラジン25.7g(0.198モル)を装入し、13
5〜140℃で6時間撹拌した。放冷後、氷水2に排出
し、室温で1時間撹拌した後、析出物を濾過、水洗、乾
燥した。N,N−ジメチルホルムアミドより再結晶して淡
褐色針状晶のジニトロ化合物85.8gを得た。(収率93.5
%/硫酸ヒドラジン) (272.5℃より液晶相を示し、300℃以下では等方性液体
に変化しなかった。) b)還元工程 縮合閉環工程で得られたジニトロ化合物81.6g(0.176
モル)、N,N−ジメチルホルムアミド800mlおよび5%パ
ラジウム/カーボン触媒(日本エンゲルハルド社製50%
含水品)4gをガラス密閉反応容器に装入し、40〜50℃で
撹拌しながら、水素を吸収させた。水素を21.9吸収し
たところで反応を終了し、若干量の析出した目的物を加
熱溶解し、触媒を濾別した後、メタノール700mlを加え
一夜放置した。析出物を濾取、乾燥し、緑味を帯びた褐
色微結晶品59g(融点242〜244℃)を得た。このものの
元素分析値および赤外線吸収スペクトルより本発明の化
合物であることを確認した。(収率83.0%/ジニトロ化
合物) 元素分析値(%) C H N 計算値 77.23 4.95 13.86 実測値 77.14 5.01 13.81 本発明の化合物の赤外線吸収スペクトル(KBr法)を
第1図に示した。
第1図は本発明の化合物の赤外線吸収スペクトルを示す
図である。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】下記構造式 で表されるジアミン化合物。
- 【請求項2】4′−ニトロ(1,1′−ビフェニル)−4
−カルボン酸にヒドラジンを作用させて、縮合、閉環
し、得られた下記構造式 で表されるジニトロ化合物を還元触媒の存在下、接触還
元することを特徴とする下記構造式 で表されるジアミン化合物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32192988A JP2612326B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 新規なジアミン化合物およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32192988A JP2612326B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 新規なジアミン化合物およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02169582A JPH02169582A (ja) | 1990-06-29 |
JP2612326B2 true JP2612326B2 (ja) | 1997-05-21 |
Family
ID=18137994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32192988A Expired - Fee Related JP2612326B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 新規なジアミン化合物およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2612326B2 (ja) |
-
1988
- 1988-12-22 JP JP32192988A patent/JP2612326B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02169582A (ja) | 1990-06-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |