JP2611305B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2611305B2
JP2611305B2 JP63034055A JP3405588A JP2611305B2 JP 2611305 B2 JP2611305 B2 JP 2611305B2 JP 63034055 A JP63034055 A JP 63034055A JP 3405588 A JP3405588 A JP 3405588A JP 2611305 B2 JP2611305 B2 JP 2611305B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁性層として金属磁性薄膜を使用した磁気
記録媒体に関するものであり、特に潤滑剤の添加による
耐久性の改善に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、金属磁性薄膜からなる磁性層とバックコー
ト層を有してなる磁気記録媒体において、上記バックコ
ート層側に添加する潤滑剤量を金属磁性薄膜側に添加す
る潤滑剤量よりも数倍多くすることにより、耐久性や走
行安定性に優れた磁気記録媒体を提供しようとするもの
である。
〔従来の技術〕
磁性層を金属磁性薄膜で形成したいわゆる蒸着型磁気
記録媒体は、磁性塗料を塗布することにより磁性層を形
成したいわゆる塗布型磁気記録媒体に比べ、磁気特性や
電磁変換特性等に優れた特性を有している。
また、塗布型磁気記録媒体は磁性層の膜厚が3〜4μ
mと非常に厚いのに対して、蒸着型磁気記録媒体は磁性
層の膜厚が0.2μm程度と非常に薄いことから蒸着型磁
気記録媒体は、記録減磁や厚み損失等の点で非常に有利
であるとともに磁気記録媒体の薄物化や長時間化への発
展の可能性も非常に高い。
しかし、このように様々な点において優れた特性を示
す蒸着型磁気記録媒体においても、その耐久性や走行安
定性、あるいは耐蝕性等の点で問題が多く、その改善が
大きな課題となっている。
そこで、上述の問題点を解決する手法の一つとして潤
滑剤や保護膜等を金属磁性薄膜上に塗布形成する試みが
なされている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来使用される潤滑剤や保護膜では、
例えばシャトル初期では潤滑剤や保護膜を形成した効果
が顕著に現れるものの、シャトル回数が数十回〜数百回
のレベルになると潤滑剤や保護膜が削り取られてしまい
磁気記録媒体の耐久性や走行安定性が急激に劣化してし
まうのが現状である。
そこで、本発明は上述の従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、磁性層及びバックコート層に添加する
潤滑剤量を調整し耐久性や走行安定性さらには耐蝕性に
優れた磁気記録媒体を提供することを目的とするもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は上述の目的を達成せんもの鋭意研究の結
果、金属磁性薄膜側の潤滑剤量よりバックコート層側の
潤滑剤量を多くすることにより、良好な耐久性を発揮す
る磁気記録媒体を得ることができるとの知見を得るに至
った。
本発明は上述の知見に基づきなされたものであって、
非磁性支持体の一方の面に金属磁性薄膜を有し、他方の
面にバックコート層を有してなる磁気記録媒体におい
て、上記非磁性支持体のバックコート層形成面側の表面
粗さが0.07μm以下であるとともに、上記金属磁性薄膜
及びバックコート層は潤滑剤を保持しており、上記バッ
クコート層側の潤滑剤量は金属磁性薄膜側の潤滑剤量の
3倍以上であることを特徴とするものである。
このようにバックコート層側の潤滑剤量を金属磁性薄
膜側の潤滑剤量の3倍以上とすることによって、磁性層
面からバックコート層面への潤滑剤の移行を抑制するこ
とができるだけでなく、バックコート層面から磁性層面
への潤滑剤の移行を積極的に図ることにより磁性層の耐
久性や走行安定性さらには耐蝕性等の経時変化を防止す
ることができる。なお、バックコート層側の潤滑剤量
は、金属磁性薄膜側の潤滑剤量の3倍以上であればよい
が、5倍以上とすることによりその効果が一層顕著なも
のとなる。また、本発明では磁性層は金属磁性薄膜であ
るため潤滑剤はトップコートされる。一方、バックコー
ト層への潤滑剤の添加形式としては内添もしくはトップ
コートのいずれであってもよいが、トップコートするこ
とによりバックコート層面から磁性層面への潤滑剤の移
行をより積極的に図ることができる。
ここで、磁性層及びバックコート層に使用する潤滑剤
としては通常この種の磁気記録媒体の潤滑剤として使用
されるものであればいずれのものも使用することができ
る。
かかる潤滑剤としては、脂肪酸またはその金属塩、脂
肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪族アルコールまたは
そのアルコキシド、脂肪族アミン、多価アルコール、ソ
ルビタンエステル、マンニッタンエステル、硫黄化脂肪
酸、脂肪族メルカプタン、変性シリコーンオイル等が挙
げられる。
これら通常使用される潤滑剤の他、より一層の潤滑効
果を高めるためには、パーフルオロアルキルエチレンオ
キシド、パーフルオロポリエーテル類、高級アルキルス
ルホン酸またはその金属塩、パーフルオロアルキルスル
ホン酸またはそのアンモニウム塩あるいはその金属塩、
パーフルオロアルキルカルボン酸等の含フッ素潤滑剤が
挙げられる。これら含フッ素潤滑剤は潤滑効果に優れる
ことから従来使用されている潤滑剤と併用してもよく、
また含フッ素潤滑剤を単独で用いてもよい。
特に、一般式Cm F2m+1COOR′(但し、式中mは6〜10
の整数を表し、R′は炭素数1〜25の炭化水素基を表
す。)で示されるパーフルオロアルキルカルボン酸エス
テルや一般式R″COO(CH2jCkF2k+1(但し、R″は炭
素数1〜25の炭化水素基を表し、0≦j≦5、k≧3で
ある。)で示されるカルボン酸パーフルオロアルキルエ
ステルが併用する潤滑剤として好適である。
また、より厳しい使用条件に対処し、かつ潤滑効果を
持続させるために、重量比で30:70〜70:30程度の配合比
で極圧剤を併用してもよい。
上記極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に金属接
触を生じたとき、これに伴う摩擦熱によって金属面と反
応し、反応生成物被膜を形成することにより摩擦・摩耗
防止作用を行うものであって、リン系極圧剤,イオウ系
極圧剤,ハロゲン系極圧剤,有機金属系極圧剤,複合型
極圧剤等が知られている。
具体的に例示すれば、上記リン系極圧剤としては、ト
リブチルホスフェート,トリオクチルホスフェート,ト
リ−2−エチルヘキシルホスフェート,トリラウリルホ
スフェート,トリオレイルホスフェート,ジブチルホス
フェート,ジオクチルホスフェート,ジ−2−エチルヘ
キシルホスフェート,ジラウリルホスフェート,ジオレ
イルホスフェート等のリン酸エステル、トリブチルホス
ファイト,トリオクチルホスファイト,トリ−2−エチ
ルヘキシルホスファイト,トリラウリルホスファイト,
トリオレイルホスファイト,ジブチルホスファイト,ジ
オクチルホスファイト,ジ−2−エチルヘキシルホスフ
ァイト,ジラウリルホスファイト,ジオレイルホスファ
イト等の亜リン酸エステル、ジブチルホスフェートブチ
ルアミン塩,ジブチルホスフェートオクチルアミン塩,
ジブチルホスフェートステアリルアミン塩,ジオクチル
ホスフェートブチルアミン塩,ジオクチルホスフェート
オクチルアミン塩,ジオクチルホスフェートラウリルア
ミン塩,ジオクチルホスフェートステアリルアミン塩,
ジ−2−エチルヘキシルホスフェートブチルアミン塩,
ジ−2−エチルヘキシルホスフェートオクチルアミン
塩,ジ−2−エチルヘキシルホスフェートラウリルアミ
ン塩,ジ−2−エチルヘキシルホスフェートステアリル
アミン塩,ジラウリルホスフェートブチルアミン塩,ジ
ラウリルホスフェートオクチルアミン塩,ジラウリルホ
スフェートラウリルアミン塩,ジラウリルホスフェート
ステアリルアミン塩,ジオレイルホスフェートブチルア
ミン塩,ジオレイルホスフェートオクチルアミン塩,ジ
オレイルホスフェートラウリルアミン塩,ジオレイルホ
スフェートステアリルアミン塩等のリン酸エステルアミ
ン塩が挙げられる。
上記イオウ系極圧剤としては、硫化抹香鯨油、硫黄化
ジペンテン等不飽和結合を有する鉱油、油脂や脂肪酸等
に硫黄を加えて加熱することにより製造される硫化油脂
類、二硫化ジベンジル,二硫化ジフェニル,二硫化ジ−
t−ブチル,二硫化ジ−sec−ブチル,二硫化ジ−n−
ブチル,二硫化ジ−t−オクチル,二硫化ジエチル等の
ジサルファイド類、硫化ベンジル,硫化ジフェニル,硫
化ジビニル,硫化ジメチル,硫化ジエチル,硫化ジ−t
−ブチル,硫化ジ−sec−ブチル,硫化ジ−n−ブチル
等のモノサルファイド類、三硫化ジメチル,三硫化ジ−
t−ブチル,ポリ硫化ジ−t−ノニル,オレフィンポリ
サルファイド等のポリサルファイド類、一般式 (但し、式中Rは炭化水素基を表す。) で示されるチオカーボネート類、元素硫黄等が挙げられ
る。
上記ハロゲン系極圧剤としては、臭化アリル,臭化オ
クタデシル,臭化シクロヘキシル,臭化ステアリル,臭
化ベンジル等の臭素化合物、ヨウ化ベンジル,ヨウ化ア
リル,ヨウ化ブチル,ヨウ化オクタデシル,ヨウ化シク
ロヘキシル等のヨウ素化合物、ヘキサクロロエタン,モ
ノクロルエタン,塩素化パラフィン,塩素化ジフェニ
ル,塩素化油脂,メチルトリクロロステアレート,ペン
タクロロペンタジエン酸,ヘキサクロルナフテン酸化合
物のエステル,ヘキサクロルナフテン酸化合物のイミド
誘導体等の塩素化合物が挙げられる。
上記有機金属系極圧剤としては、ジイソブチルジチオ
リン酸亜鉛,イソブチルペンチルジチオリン酸亜鉛,イ
ソプロピル−1−メチルブチルジチオリン酸亜鉛,イソ
ブチルノニルフェニルジチオリン酸亜鉛,イソブチルヘ
プチルフェニルジチオリン酸亜鉛,ジヘプチルフェニル
ジチオリン酸亜鉛,ジノニルフェニルジチオリン酸亜
鉛,モリブデンジチオフォスフェート等のチオリン酸塩
類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛,ジエチルジチオ
カルバミン酸亜鉛,ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛,
エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛,ジベンジルジ
チオカルバミン酸亜鉛,ジメチルジチオカルバミン酸亜
鉛,ジメチルジチオカルバミン酸銅,ジメチルジチオカ
ルバミン酸鉄,ジエチルジチオカルバミン酸セレン,ジ
エチルジチオカルバミン酸銀等のチオカルバミン酸塩
類、モリブデン,アンチモン等の金属アルキルジチオカ
ルバミン酸塩類、等が挙げられる。
上記複合型極圧剤としては、ジ−2−エチルヘキシル
チオリン酸アミン等のジアルキルチオリン酸アミン類、
塩化プロピルホスフェート,臭化プロピルホスフェー
ト,ヨウ化プロピルホスフェート,塩化ブチルホスフェ
ート,臭化ブチルホスフェート,ヨウ化ブチルホスフェ
ート等に代表されるハロゲン化アルキルのリン酸エステ
ル類、クロロナフサザンテート等の他、一般式 (但し、各一般式中Rは水素原子またはアルキル基,ア
ルケニル基,アリール基を表す。) で示されるチオフォスフェート類、一般式 (但し、式中Rは水素原子またはアルキル基,アルケニ
ル基,アリール基を表す。) で示されるチオフォスファイト類等が効果が高い。
上述の極圧剤は単体で使用してもよいが、2種以上を
混合して使用することも可能である。
また、必要に応じて防錆剤を併用してもよい。
使用可能な防錆剤としては、通常この種の磁気記録媒
体の防錆剤として使用されるものであれば如何なるもの
でもよく、例えば二価フェノール,アルキルフェノール
あるいはニトロソフェノール等のフェノール類、純ナフ
トール又はニトロ,ニトロソ,アミノ,ハロゲノ置換ナ
フトール等のナフトール類、メチルキノン,ヒドロキシ
キノン,アミノキノン,ニトロキノン又はハロゲキノキ
ン等のキノン類、ベンゾフェノン及びその誘導体である
ヒドロキシベンゾフェノン,アミノベンゾフェノン等の
ジアリールケトン,アクリジン,4−キノリノール,キヌ
レン酸又はリボフラビン等の窒素原子を含む複素環化合
物、トコフェロール又はグアノシン等の酸素原子を含む
複素環化合物、スルホラン,スルホレン又はビチオン等
の硫黄原子を含む複素環化合物、チオフェノール,ジチ
ゾン又はチオオキシン等のメルカプト基を有する化合
物、エンタチオ酸又はルベアン酸等のチオカルボン酸ま
たはその塩、ジアゾスルフィド又はベンゾチアゾリン等
のチアゾール系化合物等が挙げられる。上記防錆剤は、
潤滑剤と混合させて用いてもよいが、例えば金属磁性薄
膜の表面に先ず上記防錆剤を塗布し、しかる後潤滑剤を
塗布するというように、2層以上に分けて被着すると効
果が高い。
本発明が適用される磁気記録媒体の磁性層を形成する
金属磁性薄膜は、真空蒸着法やイオンプレーティング
法,スパッタリング法等の真空薄膜形成技術により連続
膜として形成される。
上記真空蒸着法は、10-4〜10-8Torrの真空下で強磁性
金属材料を抵抗加熱,高周波加熱,電子ビーム加熱等に
より蒸発させ、ディスク基板上に蒸発金属(強磁性金属
材料)を沈着するというものであり、一般に高い抗磁力
を得るため基板に対して上記強磁性金属材料を斜めに蒸
着する斜方蒸着法が採用される。あるいは、より高い抗
磁力を得るために酸素雰囲気中で上記蒸着を行うものも
含まれる。
上記イオンプレーティング法も真空蒸着法の一種であ
り、10-4〜10-3Torrの不活性ガス雰囲気中でDCグロー放
電,RFグロー放電を起こして、放電中で上記強磁性金属
材料を蒸発させるというものである。
上記スパッタリング法は、10-3〜10-1Torrのアルゴン
ガスを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、生
じたアルゴンガスイオンでターゲット表面の原子をたた
き出すというものであり、グロー放電の方法により直流
2極,3極スパッタ法や、高周波スパッタ法、またはマグ
ネトロン放電を利用したマグネトロンスパッタ法等があ
る。このスパッタリング法による場合には、CrやW,V等
の下地膜を形成しておいてもよい。
なお、上記いずれの方法においても、基板上にあらか
じめBi,Sb,Pb,Sn,Ga,In,Cd,Ge,Si,Tl等の下地金属層を
被着形成しておき、基板面に対して垂直方向から成膜す
ることにより、磁気異方性の配向がなく面内等方性に優
れた磁性層を形成することができる。
このような真空薄膜形成技術により金属磁性薄膜を形
成する際に、使用される金属磁性材料としては、Fe,Co,
Ni等の金属の他に、Co−Ni合金,Co−Pt合金,Co−Ni−Pt
合金,Fe−Co合金,Fe−Ni合金,Fe−Co−Ni合金,Fe−Co−
B合金,Co−Ni−Fe−B合金,Co−Cr合金あるいはこれら
にCr,Al等の金属が含有されたもの等が挙げられる。特
に、Co−Cr合金を使用した場合には、垂直磁化膜が形成
される。
上記磁性層にはその他通常添加される各種の添加剤が
いずれも使用することができる。
一方、本発明が適用される磁気記録媒体のバックコー
ト層は、帯電防止機能や摩擦低減機能、さらには傷付き
防止(耐久性向上)機能等を有しており、非磁性粉末を
結合剤中に分散され、これを有機溶剤に溶解してバック
コート層塗料を調製し、磁性層形成面とは反対の面に塗
布形成される。上記バックコート層を構成する非磁性粉
末としては、この種の磁気記録媒体の非磁性粉末として
通常使用されるものがいずれも使用できるが、例えば例
えばコンタクトブラック、チャンネルブラック、ロール
ブラック、ディスクブラック、ファーネスブラック、サ
ーマルブラック、ランプブラック等あらゆる種類のカー
ボンブラックやCaCO3粉末、BaSO4粉末、ZnO粉末、α−F
e2O3粉末、TiO2粉末、Al2O3粉末、Cr2O3粉末等の非磁性
粉末が挙げられる。また、バックコート層も磁性層と同
様にその他通常添加される各種の添加剤がいずれも使用
することができる。
本発明が適用される磁気記録媒体は、上述したように
非磁性支持体上に磁性層として金属磁性薄膜及びバック
コート層を設けたものである。
ここで非磁性支持体の素材としては、ポリエチレンテ
レフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン,ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート,セルロースダイアセテート,セルロースアセテ
ートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート,ポリイミド,ポリアミドイミド等のプラスチッ
ク、アルミニウム合金,チタン合金等の軽金属、アルミ
ナガラス等のセラミックス等が挙げられる。この非磁性
支持体の形態としては、フィルム,シート,ディスク,
カード,ドラム等のいずれでもよい。
上記非磁性支持体の特にバックコート層形成面側にお
いては、その表面粗さを0.1μm以下、より好ましくは
0.07μm以下とすることが望ましい。このようにバック
コート層形成面の表面粗さを規定することにより、バッ
クコート層側に形成された潤滑剤の磁性層側への転写効
率を高くすることができ、さらには揆水性が向上する。
したがって、バックコート層側の潤滑剤が良好に磁性層
側へ転写されるとともに、空気中の水分による悪影響も
受けず磁性層側の耐久性や走行安定性ひいては耐蝕性の
改善を図ることができる。
〔作用〕
磁気記録媒体の磁性層側及びバックコート層側に潤滑
剤を塗布する際にバックコート層側に潤滑剤量を金属磁
性薄膜側の潤滑剤量の3倍以上とすることによって、磁
性層面からバックコート層面への潤滑剤の移行を抑制す
ることができるだけでなく、バックコート層面から磁性
層面への潤滑剤の移行を積極的に図ることにより磁性層
の耐久性や走行安定性さらには耐蝕性等の経時変化を防
止することができる。
このとき、特に、非磁性支持体のバックコート層形成
面側の表面粗さを0.07μm以下とすることにより、バッ
クコート層側に形成された潤滑剤の磁性層側への転写効
率が高くなり、さらには撥水性が向上することから、磁
性層の耐久性や走行安定性、耐蝕性がより一層改善され
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明が
この実施例に限定されるものではないということはいう
までもない。
先ず、磁性層及びバックコート層への潤滑剤塗布量の
相違による耐久性への影響を調べた。
実施例1 第1図に示すように、バックコート層形成面側の平均
表面粗さが0.06μmの非磁性支持体(1)上にCo−Ni系
合金を連続斜方蒸着により金属磁性薄膜(2)を形成し
た。そして、この金属磁性薄膜(2)上に第1表中に示
される潤滑剤〔パーフルオロポリエーテル(フォンブリ
ンZ−DEAL)〕を塗布量5mg/m2となるように含有した潤
滑剤塗料を塗布した。一方、上記金属磁性薄膜(2)形
成面とは反対側にカーボンと第1表中に示される潤滑剤
〔パーフルオロポリエーテル(フォンブリンZ−DEA
L)〕を塗布量5mg/m2となるように混合したバックコー
ト層塗料を塗布しバックコート層(3)を形成してサン
プルテープを作製した。
実施例2〜実施例6 実施例1において用いた非磁性支持体のバックコート
層形成面側の平均表面粗さ及び潤滑剤の塗布量を第1表
に示すように変え、他は実施例1と同様の方法でサンプ
ルテープを作製した。
比較例1〜比較例4 実施例1において用いた非磁性支持体のバックコート
層形成面側の平均表面粗さ及び潤滑剤の塗布量を第1表
に示すように変え、他は実施例1と同様の方法でサンプ
ルテープを作製した。
これら各サンプルテープを2時間長の8ミリカセット
に装着して、塗布直後及び塗布後30日間室温にて保存し
たものについて室温にて100パス後のスチル特性及びシ
ャトル耐久性を測定した。なお、スチル特性はテープに
4.2MHzの映像信号を記録し、この再生出力が50%に減衰
するまでの時間を測定したものであり、シャトル耐久性
は100回走行後の出力の変動を測定したものである。
その結果を第2表に示す。
第2表より明らかなように、バックコート層側の潤滑
剤量を磁性層側の潤滑剤量に対して3倍以上添加するこ
とにより、スチル特性及びシャトル耐久性ともに非常に
優れた結果が得られ、磁気記録媒体の耐久性の向上が図
られたといえる。
次に、使用する潤滑剤の種類の相違による耐久性への
影響を調べた。
実施例7 第1図に示すように、所定の膜厚を有した非磁性支持
体(1)上にCo−Ni系合金を連続斜方蒸着し金属磁性薄
膜(2)を形成した。そして、この金属磁性薄膜(2)
上に第3表中に示される潤滑剤(亜リン酸ジドデシル)
を塗布量5mg/m2となるように含有した潤滑剤塗料を塗布
した。一方、上記金属磁性薄膜(2)形成面とは反対面
にカーボンと第3表中に示される潤滑剤〔パーフルオロ
ポリエーテル(フォンブリンZ−DEAL)〕を塗布量15mg
/m2となるように混合したバックコート層塗料を塗布し
バックコート層(3)を形成してサンプルテープを作製
した。
実施例8〜実施例9 実施例7において用いた非磁性支持体上の形成する磁
性層及びバックコート層に塗布する潤滑剤の種類を第3
表に示すように変え、他は実施例7と同様の方法でサン
プルテープを作製した。
比較例5〜比較例7 実施例7において用いた非磁性支持体上の形成する磁
性層及びバックコート層に塗布する潤滑剤の種類を第3
表に示すように変え、他は実施例7と同様の方法でサン
プルテープを作製した。
これら各サンプルテープを2時間長の8ミリカセット
に装着して、塗布直後及び塗布後30日間室温にて保存し
たものについて室温にて100パス後のスチル特性及びシ
ャトル耐久性を測定した。さらに、40℃,80%RHの条件
で摩擦係数を測定した。なお、スチル特性はテープに4.
2MHzの映像信号を記録し、この再生出力が50%に減衰す
るまでの時間を測定したものであり、シャトル耐久性は
100回走行後の出力の変動を測定したものである。ま
た、摩擦係数は低速のテープ速度(0.4mm/sec)におけ
る磁性層表面と1Sステンレスとの摩擦係数を測定したも
のである。
その結果を第4表及び第5表に示す。
第4表及び第5表より明らかなように、潤滑剤として
フッ素系のものを使用することによりより一層潤滑剤効
果が発揮され磁気記録媒体の耐久性が向上することがわ
かる。
さらに、磁性層及びバックコート層に塗布形成する潤
滑剤層中に極圧剤を併用することによる耐久性への影響
を調べた。
実施例10 第1図に示すように、所定の膜厚を有した非磁性支持
体(1)上にCo−Ni系合金を連続斜方蒸着し金属磁性薄
膜(2)を形成した。そして、この金属磁性薄膜(2)
上に第6表中に示される潤滑剤〔パーフルオロポリエー
テル(フォンブリンZ−25)〕を塗布量5mg/m2となるよ
うに含有し、さらに極圧剤(二硫化オクチル)を添加し
た潤滑剤塗料を塗布した。一方、上記金属磁性薄膜
(2)形成面とは反対面にカーボンと第6表中に示され
る潤滑剤〔パーフルオロポリエーテル(フォンブリンZ
−25)〕を塗布量15mg/m2となるように含有し、さらに
極圧剤(二硫化ベンジル)を添加したバックコート層塗
料を塗布しバックコート層(3)を形成してサンプルテ
ープを作製した。
実施例11〜実施例13 実施例10において用いた非磁性支持体上に形成する磁
性層及びバックコート層に塗布する潤滑剤の種類と極圧
剤の種類を第6表に示すように変え、他は実施例10と同
様の方法でサンプルテープを作製した。
比較例8〜比較例9 実施例10において用いた非磁性支持体上に形成する磁
性層及びバックコート層に塗布する潤滑剤の種類と極圧
剤の種類を第6表に示すように変え、他は実施例10と同
様の方法でサンプルテープを作製した。
これら各サンプルテープを2時間長の8ミリカセット
に装着して、塗布直後及び塗布後30日間室温にて保存し
たものについて−5℃の温度条件下にて100パス後のス
チル特性及びシャトル耐久性を測定した。また、常温に
てスチル特性を測定した。スチル特性はテープに4.2MHz
の映像信号を記録し、この再生出力が50%に減衰するま
での時間を測定したものであり、シャトル耐久性は100
回走行後の出力の変動を測定したものである。
その結果を第7表及び第8表に示す。
第7表より明らかなように、極圧剤を併用することに
よって低温条件下での耐久性が著しく改善されている。
さらにまた、非磁性支持体のバックコート層形成面側
の平均表面粗さの相違による耐久性への影響を調べた。
実施例14 第1図に示すように、所定の膜厚を有しバックコート
層形成面側の平均表面粗さ0.07μmの非磁性支持体
(1)上にCo−Ni系合金を連続斜方蒸着し金属磁性薄膜
(2)を形成した。そして、この金属磁性薄膜(2)上
に潤滑剤〔パーフルオロポリエーテル(フォンブリンZ
−DEAL)〕を塗布量5mg/m2となるように含有した潤滑剤
塗料を塗布した。一方、上記金属磁性薄膜(2)形成面
とは反対面にカーボンと潤滑剤〔パーフルオロポリエー
テル(フォンブリンZ−DEAL)〕を塗布量15mg/m2とな
るように混合したバックコート層塗料を塗布しバックコ
ート層(3)を形成してサンプルテープを作製した。
実施例15〜実施例16 実施例14において用いた非磁性支持体のバックコート
層形成面側の平均表面粗さを第9表に示すように変え、
他は実施例14と同様の方法でサンプルテープを作製し
た。
比較例10 実施例14において用いた非磁性支持体のバックコート
層形成面側の平均表面粗さを第9表に示すように変え、
磁性層のみを形成し、バックコート層は形成せず、他は
実施例14と同様の方法でサンプルテープを作製した。
比較例11 実施例14において用いた非磁性支持体のバックコート
層形成面側の平均表面粗さを第9表に示すように変え、
他は実施例14と同様の方法でサンプルテープを作製し
た。
これら各サンプルテープを2時間長の8ミリカセット
に装着して、塗布後2日後及び塗布後3ヶ月間室温にて
保存したものについて常温条件下にて100パス後のシャ
トル耐久性を測定した。また、塗布直後及び塗布後2日
後のものについては水の接触角を測定した。なお、シャ
トル耐久性は100回走行後の出力の変動を測定したもの
である。
この結果を第10表及び第11表に示す。
第10表から明らかなように、バックコート層の表面粗
さを規定することにより長期間のシャトル耐久性が向上
する。また、第11表から明らかなように、水の接触角も
塗布直後より塗布後2日後の方が大きく揆水性に優れた
ものとなり、走行安定性の向上につながる。
〔発明の効果〕
以上の説明より明らかなように、本発明においては、
非磁性支持体のバックコート層形成面側の表面粗さを0.
07μm以下とするとともに、金属磁性薄膜側に塗布する
潤滑剤量に対してバックコート層に塗布する潤滑剤量を
3倍以上としているため、磁性層面からバックコート層
面への潤滑剤の移行を抑制することができ、さらにバッ
クコート層面から磁性層面への潤滑剤の移行を積極的に
図ることができる。
また、潤滑剤の種類、併用する極圧剤、使用する非磁
性支持体のバックコート層形成面側の平均表面粗さ等の
条件を付加することによりより一層耐久性や走行安定性
を改善することができる。
したがって、磁性層の耐久性や走行安定性さらには耐
蝕性等に優れ、経時変化の少ない磁気記録媒体を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す要部概略図である。 1……非磁性支持体 2……金属磁性薄膜 3……バックコート層
フロントページの続き (72)発明者 海老根 義人 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−209718(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体の一方の面に金属磁性薄膜を
    有し、他方の面にバックコート層を有してなる磁気記録
    媒体において、 上記非磁性支持体のバックコート層形成面側の表面粗さ
    が0.07μm以下であるとともに、 上記金属磁性薄膜及びバックコート層は潤滑剤を保持し
    ており、上記バックコート層側の潤滑剤量は金属磁性薄
    膜側の潤滑剤量の3倍以上であることを特徴とする磁気
    記録媒体。
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