JP2610281B2 - デュオプラズマトロンイオン源 - Google Patents

デュオプラズマトロンイオン源

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JP2610281B2 JP30340987A JP30340987A JP2610281B2 JP 2610281 B2 JP2610281 B2 JP 2610281B2 JP 30340987 A JP30340987 A JP 30340987A JP 30340987 A JP30340987 A JP 30340987A JP 2610281 B2 JP2610281 B2 JP 2610281B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、微細イオンビームを発生できるデュオプラ
ズマトロンイオン源に関するものである。
[従来の技術] デュオプラズマトロンイオン源は、一般に知られてい
るようにイオンビームの取り出し小孔部に密接して高密
度の安定なプラズマが発生され、しかも低電圧アーク放
電であるためにイオン温度が低く、またプラズマは軸方
向の強い磁場の集束作用によりイオンビームの取り出し
小孔部の口径と同程度の太さのフィラメント状の形態を
成しており、その結果高密度のプラズマの発生が極めて
効率よく行われる。
従来のデュオプラズマトロンイオン源の構造は、添付
図面の第2図に示すようにフイラメントA1を備えた陰極
Aと鉄材製の陽極Bとの間に鉄材製の中間電極Cが設け
られ、陽極Bと中間電極Cとの間には励磁コイルDが配
置され、これら両電極B、C間に磁路が形成され、軸方
向磁界を発生するようにされている。陽極Bはビーム取
出用小孔部B1を備えている。このビーム取出し用小孔部
B1はイオン照撃により損傷され易く、これを避けるため
に、この小孔部B1の周囲は通常金属ボタンと呼ばれる耐
熱・耐スパッタ性の部材Eが取付けられている。
[発明が解決しようとする問題点] 上述のような従来公知のデュオプラズマトロンイオン
源では、通常陽極を鉄で作り、中央のビーム取出し用小
孔部に例えばタングステン等の耐熱性、耐スパッタ性の
金属ボタンが挿置されているが、陽極すなわち磁極の中
心に非磁性の金属ボタンが存在するため、陽極面上に鋭
く集束した磁束を形成することができず、その結果、陽
極面上のビーム取出し小孔部にプラズマを鋭く絞ること
が難しくなっている。また、ビーム取出し用小孔部の近
くで磁場の一様性が乱れるために、この場所からイオン
の引出しが行われる場合にはプラズマの境界面が平面と
は著しく外れたものとなり、従って引出されるイオンビ
ームは平行性の悪いものとなり、エミッタンスを劣化さ
せる結果となっている。また、陽極のビーム取出し用小
孔部に挿置される耐熱性の金属ボタンの先端を鋭くする
と、それ自体の寿命が短くなるという問題がある。
ところで、エミッタンスはイオンビームの質を表す重
要なフアクタであり、このエミッタンスの値が小さけれ
ば小さいほど良質のビームということができ、集束レン
ズ系を用いてビーム径を十分小さくできる。エミッタン
スが、イオン源から引出されたイオンビームの送り込ま
れる集束レンズ系や加速系のアクセプタンスより小さけ
れば、イオンビームはその系を通過することができる
が、エミッタンスがその系のアクセプタンスより大きけ
れば、イオンビームの一部はその系に捕捉されて損失と
なる。そのため、表面分析等に用いられる微細なイオン
ビームを得るためにはエミツタンスの小さいビームが要
求される。
そこで、本発明の目的は、上記のような従来装置のも
つ問題点を解消してエミッタンスが小さくて微細なイオ
ンビームを形成でき、しかも寿命の長い改良型のデュオ
プラズマトロンイオン源を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明によるデュオプ
ラズマトロンイオン源は、陽極と陰極との間に中間電極
を設け、上記陽極と陰極との間にアーク放電を発生させ
てプラズマを生成し、上記陽極自体を耐熱性の非鉄金属
で構成し、その前方に位置する上記引出電極を鉄製と
し、上記中間電極と上記引出電極との間に磁気回路を設
けてこれら両電極間に軸方向磁界を形成し、上記陽極の
ビーム取出し小孔部において磁束が最も細く成るように
構成したことを特徴としている。
[作用] このように構成した本発明のデュオプラズマトロンイ
オン源では、中間電極と引出電極とを通る磁気回路によ
り中間電極から引出電極に向かって軸方向に強力な磁界
が発生されるため、プラズマは磁気圧縮され、プラズマ
密度を高めることができる。すなわち、陽極のビーム取
出し小孔部付近において磁場の集束の度合がもっとも大
きくなり、小孔部の先方までほぼ平行な磁場が存在す
る。この条件の下では、プラズマ境界は平面となり、そ
こから平行なイオンビームが出発するため小孔部の通過
によるビーム強度の損失が少なく、強度の高い良質の細
いイオンビームが得られることになる。また、ビーム引
出し部における磁界は陽極のビーム取出し小孔部から引
出電極にかけてほぼ平行に走り、引出電極の直前で急に
発散する。従ってイオンビームは引出電極の直前まで平
行に加速され、充分高いエネルギをもった後で最小のビ
ーム径の状態で磁場を横切ることができる。
また、本発明では、陽極のビーム取出し小孔部は軸方
向の磁束が最も細くなる位置に位置決めされているの
で、比較的プラズマにさらされることが少なく、孔径を
小さく鋭くしても長時間安定して作動でき、低エミッタ
ンスのイオンビームを得ることができる。
[実施例] 以下、添付図面の第1図を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。
第1図には、本発明の一実施例を概略的に示し、1は
陰極で、円筒状ハウジング2内に配置されている。この
陰極1は傍熱型ホローカソードで、内面には酸化バリウ
ムが塗布されている。円筒状ハウジング2の一端には中
間電極3が陰極1と同軸上に設けられている。中間電極
3の前方には非鉄金属から成る非磁性の陽極4が同軸的
に配置され、この陽極4は中央にビーム取出し用の孔径
が小さく(例えば0.4mm程度)て鋭い小孔部4aを備えて
いる。陽極4の前方には第1引出電極5および第2引出
電極6がそれぞれ同軸的に配置されている。中間電極
3、陽極4、第1引出電極5および第2引出電極6の各
隣接電極間はそれぞれ石英ガラスのような絶縁体7、
8、9で絶縁されると共に所定の間隔に保持されてい
る。また第1図において10は励磁コイルである。
中間電極3および第1引出電極5は電磁軟鉄で構成さ
れ、励磁コイル10の作る磁界がこれらの両電極を通る磁
気回路を形成するようにされている。これにより中間電
極3から第1引出電極5へ向って軸方向に強い磁界が発
生される。
なお、図示実施例では、磁気回路はイオン源の本体と
引出電極とに股がって形成されているため、電気的絶縁
の目的で符号11で示すように磁気回路の途中に数千ボル
ト程度の電位差に堪える電気絶縁部材(例えばテフロン
シート)が挿置される。
中間電極3から第1引出電極5へ向う軸方向磁界は、
磁束が陽極4のビーム取出し小孔部4aにおいて最も細く
なるようにされる。
このように構成された図示装置の動作において、陰極
1から放出された熱電子は、高抵抗を介して200Vの電圧
の印加された中間電極3と陰極1との間のプラズマ生成
室で導入された動作ガスと衝突し、電離し、プラズマが
形成される。このプラズマは陽極4まで伸びてアーク放
電となり、中間電極3と第1引出電極5とを通る磁気回
路による軸方向磁界の作用を受けて圧縮され、プラズマ
密度が高められる。第2引出電極6と陽極4との間には
−25kVの電圧が印加され、これによりイオンビームの引
出エネルギを決定している。一方第1引出電極5は陽極
4の電位に対して15kVの電圧が印加され得る。この二段
引出によりイオンに与えるエネルギを変えることなし
に、プラズマのメニスカスの状態を第1引出電極5の電
圧によって変えることができ、最大イオン電流を引出す
ことができる。
[発明の効果] 以上説明してきたように、本発明によれば、中間電極
と引出電極とを通る磁気回路を形成し、中間電極から引
出電極陽極に向って軸方向の磁界の磁束が陽極の中央に
おけるビーム取出し小孔部において最も細くなるように
構成しているので、ビーム取出し小孔部の孔径を小さく
しかも鋭くでき、その結果引出電極から引出されるイオ
ンビームのエミッタンスは従来構造のものより一段と小
さくすることができ、微細なイオンビームを発生させる
ことができ、しかも陽極のビーム取出し小孔部を小さく
鋭くしてもプラズマにさらされる度合いが少なくなり、
装置の長寿命化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を概略的に示す断面図、第2
図は従来のデュオプラズマトロンイオン源を概略的に示
す原理図である。 図中 1:陰極 3:中間電極 4:陽極 4a:ビーム取出し小孔部 5:第1引出電極 10:励磁コイル 11:電気絶縁部材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極との間に中間電極を設け、上記
    陽極と陰極との間にアーク放電を発生させ、軸方向磁界
    の作用により上記陽極のビーム取出し小孔部付近にその
    口径と同程度の太さの高密度プラズマを生成し、上記ビ
    ーム取出し小孔部を通して上記陽極の前方に設けた引出
    電極からイオンビームを引出すようにしたデュオプラズ
    マトロンイオン源において、上記陽極自体を耐熱性の非
    鉄金属で構成し、その前方に位置する上記引出電極を鉄
    製とし、上記中間電極と上記引出電極との間に磁気回路
    を設けてこれら両電極間に軸方向磁界を形成し、上記陽
    極のビーム取出し小孔部において磁束が最も細く成るよ
    うに構成したことを特徴とするデュオプラズマトロンイ
    オン源。
  2. 【請求項2】中間電極と引出電極との間に形成される磁
    気回路を構成している部分の一部が電気絶縁物で構成さ
    れている特許請求の範囲第1項に記載のデュオプラズマ
    トロンイオン源。
JP30340987A 1987-12-02 1987-12-02 デュオプラズマトロンイオン源 Expired - Lifetime JP2610281B2 (ja)

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