JP2609947B2 - 浴槽内の湯の保温方法 - Google Patents

浴槽内の湯の保温方法

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JP2609947B2 JP2272274A JP27227490A JP2609947B2 JP 2609947 B2 JP2609947 B2 JP 2609947B2 JP 2272274 A JP2272274 A JP 2272274A JP 27227490 A JP27227490 A JP 27227490A JP 2609947 B2 JP2609947 B2 JP 2609947B2
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武司 坂田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、浴槽内に張られた湯を時間間隔を置いて自
動的に追焚きタイプの自動保温方法に関し、当該時間間
隔を使用現場の環境に併せて最適に設定し得るようにす
るための改良に関する。
[従来の技術] 上記のように時間間隔を置いて繰返し自動的に追焚き
をすることで浴槽内の湯を保温しようとする試みは従来
からあるが、これはまた、最近になって進歩の著しい自
動給湯機との組合せにより実用に供し得るレベルになっ
てきたと言って良い。
そこで、この従来の自動保温方法につき説明するに、
まず、このような最近の自動給湯機を用いた給湯システ
ム自体につき、第3図に即して説明する。
図示の自動給湯機は二つの熱交換器11,21を有してお
り、一つは通常の蛇口15やシャワー16から必要に応じて
出湯したり浴槽23内に自動的に湯を張るための給湯用熱
交換器11であり、他の一つは、浴槽23内に張られた湯が
設定温度に満たないとき、ないしは時間が経って冷めた
ときの追焚き用ないし焚き上げ用の熱交換器21である。
給湯用熱交換器11には、図中、矢印で“水”と示され
ているように、水道配管からの水が通され、この水は熱
交換器11をバーナ12で加熱することで昇温される。当
然、バーナ12には燃焼用の燃料が供給されるが、図示の
給湯機では燃料として最も一般的なガスを用いている。
ただし、灯油その他の燃料でも給湯システム構成として
はほぼ同様で良く、ガスをそうした他の燃料と読み換え
れば、本書における以下の説明も概ねそのまま、適用す
ることができる。
ガス配管からのガスは元電磁弁13を経た後、給湯側に
専用のガス流量調節電磁弁(いわゆる比例弁)14によ
り、そのときどきで最適な供給量に制御されてバーナ12
に送られ、また、バーナ12への空気量はファン18により
制御される。
バーナ12により選択的に加熱される熱交換器11中を通
過するそのときどきの実際の水量は流量センサ28により
検出され、また、熱交換器11に入る前の水の温度は給水
温センサ19により、熱交換器11からの出湯温は出湯温セ
ンサ20により検出される。
その外、図示していないが、安全のためにバーナ12に
て所定通り着火がなされたか否か、ないしは現在、バー
ナ12が燃焼中であるか否かを検出するためのフレーム・
ロッド等による炎検出センサとか、熱交換器11からの出
湯温度が異常に高くなった場合にこれを検出するハイ・
リミット・スイッチ等も設けられ、さらには制御性をよ
り一層高めるために、必要に応じ、ファン18が現に出力
している空気流量ないしは実際の回転数を検出して帰還
制御するためのセンサ等も組込まれる。
一方、この種の自動給湯機は、最近では最早マイクロ
・コンピュータを含むことが一般的になった制御装置
(図示せず)を有し、上記した各種センサからの検出信
号に基づき、最適なる給湯制御をなすように計る。
例えば、制御装置の本体部分とは別途に設けられたリ
モート・ユニット(図示せず)に付属のスイッチ類を使
用者が操作し、給湯して欲しい温度を設定した上で、蛇
口15やシャワー16を開き、熱交換器11を通過する水流を
発生させると、それまでは水流停止信号を発していた流
量センサ28は、まずは水が流れ始めたことを表す信号
(流量信号は水流のオン・オフ検出信号を兼ねることが
できる)をマイクロ・コンピュータに送る。
これを受けたマイクロ・コンピュータは、ガス比例弁
14に所定量の弁開度を与える信号を送出し、対応した流
量のガスをバーナ12に供給させるべくすると共に、ファ
ン18に空気量調節信号(回転数制御信号)を送出して、
燃焼に適当なる量の空気をバーナ12に与えながら、図示
しない着火機構を動作させる。
このようにしてバーナ12における燃焼が開始すると、
熱交換器11が加熱され、この熱交換器11を通る水が暖め
られて蛇口等から湯となって出湯されるが、この実際の
出湯温はまた、出湯温センサ20により検出され、これが
使用者によって設定されている設定温との間に誤差を生
じている場合には、マイクロ・コンピュータはそうした
誤差を解消する方向に比例弁14の弁開度やファン18の回
転数等を調整し、燃焼エネルギを制御する。
使用者が湯を出していた蛇口等を閉じ、湯を止める
と、流量センサ28は水流停止信号(流量零信号)をマイ
クロ・コンピュータに送出し、これを受けたマイクロ・
コンピュータではガス比例弁14に全閉信号を送出してバ
ーナ12を速やかに消火するべく機能する。ただし場合に
より、実際の流量を実時間で出力する流量センサ28とは
別に、単に水流が生じたか否かを専門に検出する水流ス
イッチが設けられることもあるし、また、完全に流量が
零ではなくとも、微小になった場合には出湯温の異常な
加熱を防ぐため、燃焼を停止させることもある。
さらに安全のため、熱交換器11に対してハイリミット
・スイッチが付されている場合には、これが異常な温度
にまでの過熱状態を検出して過熱信号をマイクロ・コン
ピュータに送出すると、マイクロ・コンピュータは直ち
にバーナ12の強制消火動作に入るか、あるいは燃焼量を
制限し、同様に、図示しないがフレーム・ロッド等、適
当なる燃焼検出素子がバーナ12における途中失火を検出
した場合にも、マイクロ・コンピュータはガス比例弁14
に強制閉塞信号を送出し、システムによっては元電磁弁
13にも共栄閉塞信号を送出して、生の燃料が機外に漏出
する危険を防ぐ。
使用者が図示しないリモート・ユニット上での操作に
より、浴槽23内への自動湯張りを選択した場合には、制
御装置に内蔵のマイクロ・コンピュータに対して湯張り
要求がなされ、これに応じてマイクロ・コンピュータは
切換電磁弁17を開き、熱交換器11からの湯を浴槽23に導
けるようにする。しかし、この自動湯張り動作について
は、本書で着目している自動保温のための自動追焚き動
作と併せて説明した方が便利なので、後に回す。
次に、追焚き用熱交換器21を含む系について説明する
と、浴槽23内の湯は入湯口から循環流路に導かれ、この
循環流路が当該追焚き用熱交換器21中を通った後、再び
浴槽23内に向いて開いた出湯口に継がっている。
追焚き用熱交換器21も、すでに説明した給湯用のそれ
と同様、バーナ22により選択的に加熱されるが、このバ
ーナ22に対しても、追焚き側に専用のいわゆる比例弁24
により、そのときどきで最適な供給量に制御されたガス
と、ファン18により、やはりそのときどきで最適な流量
に制御された空気が送られる。
追焚きモード下においてこの追焚き用熱交換器21を加
熱するときには、当然、循環ポンプ25が働き、浴槽23内
の湯を循環させながら熱交換器21に通す。
追焚きされる浴槽内の湯の温度は循環流路中に設けら
れた温度センサ27により検出され、後に説明するよう
に、当該浴槽23内の実際の湯温(実湯温)Knが使用者
の設定した設定温Ksに至ると追焚き燃焼が終わる。
もちろん、図示していないが、好ましくはこの追焚き
用のバーナ22に対しても所定通り着火がなされたか否
か、あるいは現在、バーナ22が燃焼中であるか否かを検
出するためのフレーム・ロッド等による炎検出センサが
設けられたり、同様に好ましくは熱交換器21に対して
も、その温度が異常に高くなった場合にこれを検出する
ハイ・リミット・スイッチ等が設けられる。
しかるに、このような自動給湯装置系を用いて浴槽23
内に自動湯張りされた湯をそのまま自動的に保温する従
来の方法は、第4図示の経時的な動作チャートと第5図
示のフロー・チャートとを用いて説明することができ
る。なお、後に従来法における欠点を幾つか指摘するた
め、第4図には冬季の場合(同図A)と夏季の場合(同
図B)とにおけるそれぞれの保温動作が示されている
が、ここでの基本的な自動保温動作自体についてはどち
らのチャートも適用できる。
使用者が図示しないリモート・ユニット上での操作に
より、浴槽23内への自動湯張りを選択すると、制御装置
に内蔵のマイクロ・コンピュータに対して湯張り要求が
なされ、これに応じてマイクロ・コンピュータは切換電
磁弁17を開き、熱交換器11からの湯を浴槽23に導けるよ
うにする。
しかるに、この自動湯張り動作に関しては、必要なデ
ータの一種として、マイクロ・コンピュータに対し、あ
らかじめ設定水位データが与えられている。
設定水位データとは、使用者の好みに応じ、浴槽23の
どの高さ位置にまで湯を入れるかを指定するデータであ
るが、これは実際には空の浴槽内に湯を入れ始めてから
当該設定水位に至るまでに要する全湯量で表される。と
言うのも、当該設定水位を単に浴槽内の幾何的な高さの
みで表すと、浴槽形状の変更に対応できないからであ
る。浴槽内に浮かべて使う古くからのフロート・タイプ
の液面検出計を用いれば、単に浴槽内の湯の幾何的な液
面高さで水位を知ることができるが、これは最近の商品
としては好まれない。
そこで使用の当初、用いられている浴槽23ごとに、そ
の浴槽23で使用者が設定する設定水位に至るまでに要す
る全湯量(全水量)が幾ら必要なのかを制御装置の方に
学習、記憶させるのであるが、これは図示の装置系の場
合、追焚き用熱交換器21の周りを回る循環経路中にあっ
て浴槽23の側への出口位置に近い部分に備えられた圧力
センサ26の検出する圧力値(浴槽内の水圧値)を利用し
て演算され、例えば次のようにして求められる。
まず、空の浴槽23に対し、xlづつ注湯ないし注水(以
下、注湯で代表)して行く。図示の場合、圧力センサ26
は浴槽23の底からある程度の高さを持った位置にあるの
で、xlづつ注湯されていっても、最初の中はこの圧力セ
ンサ26の検出する圧力値は零である。注湯量自体は流量
センサ28からの検出信号に基づいて制御できる。
しかるに、xlづつy回、注湯が行なわれた所で当該圧
力センサ26が湯に漬かり、その出力に有意の検出出力が
出ると、少なくともその浴槽23では、湯船の底から圧力
センサ26のある高さ位置まで湯を張るのに必要な湯量は
x・y(l)であることが分かる(多少の誤差は許容範
囲内)。
そして一旦、圧力センサ26に有意の検出出力が出るよ
うになると、その後の浴槽23内へのxlづつの注湯ごとに
増して行く実際の水位と、当該そのときどきの圧力セン
サ26の検出圧力値(水圧)とは、一対一で対応が採れる
ようになる。
したがって、使用者が好みの水位としてそこで注湯を
止めたときまでに要した全湯量(l)は、そのときの圧
力センサ26の検出している圧力値と、先に求めたx・y
(l)とによって知ることができ、この圧力値がマイク
ロ・コンピュータに設定水位データとして与えられ、ま
た、マイクロ・コンピュータは、こうした学習により、
以後、使用者が設定水位を変更しても、当該変更された
水位までに要する全湯量を直ちに演算することができ
る。
このようにして、マイクロ・コンピュータは予め、使
用者の好みの設定水位データを設定圧力値データに変換
して記憶しているので、既述したように切換電磁弁17を
開いた後、圧力センサ26の検出圧力値がこの設定圧力値
に至った所で再び切換電磁弁17を閉じれば、それにより
浴槽23内には設定水位までの湯が張られる。
もちろん、この自動湯張り時に浴槽内に供給される湯
の温度についても使用者の設定が可能であり、蛇口15等
に対する給湯時と同様に、流量センサ28、給水温センサ
19、出湯温センサ20からの各情報に基づき、比例弁14の
開度やファン18の回転数を最適に制御しての熱交換器11
における燃焼制御が計られる。
しかるに、自動湯張り開始後、出湯温センサ20の検出
する温度が設定温KSになるべく燃焼を制御しながら圧
力センサ26が所定の圧力値を検出するまで注湯し続けた
結果、第4図中、時刻TOで設定水位に至り、切換電磁
弁17が閉じ、バーナ12が消火して自動湯張り動作が終了
したとすると、そのときの浴槽23内の実際の湯温(実湯
温)Knは、給湯用熱交換器11からの出湯温が設定温KS
に正しく合致していたとしても、一般には若干、それよ
り低目の温度になる。
そこで従来の自動保温方法では、当該自動保温モード
に入る前に、注湯停止に引き続いて当該時刻TOから直
ちに補助追焚きを行なう。
すなわち、時刻TOにて切換電磁弁17が閉じると、こ
れに代わって循環ポンプ25が回り出し、浴槽23内の湯を
適宜攪拌して均一な温度となるようにしてから当該浴槽
内の実湯温Knを温度センサ27を介して制御装置側に取
込み、設定温KSとこの実湯温Knとの間の温度差αが所
定の値以上ある場合には追焚き用のバーナ22に着火し、
追焚き用熱交換器21により、浴槽23内の湯を循環させな
がら加温する。
こうした結果、第4図中の時刻T1で示されているよ
うに、温度センサ27により検出される実湯温Knを繰返
して設定温KSと比較し続けた結果、当該実湯温Knが設
定温KSを越えたと判断されると、そこでバーナ22の燃
焼は停止され、第3図中の装置系には示されていない
が、使用者に自動湯張りモードの完了、つまりは設定水
位までの湯が設定温度までに沸き上がったことを知らせ
るため、例えばブザー等の報知手段が稼動する。
従来の自動保温動作は、自動湯張りモードの一部とし
て必要に応じ適用される補助追焚きが終了した時点から
生起することができ、以降、第5図に示されるフロー・
チャートに従う。
まず、第4図中の沸き上がり時刻T1からは、あらか
じめ定められている一定時間tCの計測が始まる。具体
的にはこの時間tCは30分程度に選ばれが、最初の沸き
上がり時刻T1から当該一定時間tCを経過し、時刻T2
に至ると、やはり所定の短い時間(通常、20秒から30秒
間)だけ、第3図示の循環ポンプ25を回転させ、浴槽23
内の湯を攪拌して当該浴槽内のどこでも大体均一な湯温
となった頃を見計らって、温度センサ27によりこのとき
の浴槽内実湯温Knを計測する。
そして、この浴槽23内の実湯温Knが設定温KSに対
し、例えば1℃から2℃程度の所定の値に定められてい
る温度差α℃以上、低い場合には、第5図示のフロー・
チャートで当該判断ステップにおけるイエスの方に進
み、追焚き用熱交換器21を加熱するためにバーナ22にお
ける燃焼が開始する。
当然、この追焚き燃焼中は循環ポンプ25は回り続けて
おり、また、温度センサ27による浴槽内実湯温Knの検
出も続けられている。
第4図中の時刻T3で示されるように、このような追
焚き燃焼の結果、浴槽内実湯温Knを設定温KSと繰返し
比較し続けている中に当該実湯温Knが設定温KSを越え
たと判断されると、第5図中のフロー・チャート中に示
されているように、追焚き燃焼が停止された後、循環ポ
ンプ25も停止され、一方で、再び時間計測用のタイマが
一定時間tCにセットされる。
なお、一定時間tCを経過する度に浴槽内実湯温Kn
設定温KSとの差を取り、これが所定の温度差α℃以上
のあるか否かの判断ステップにおいて、仮にそれ程の差
がなかった場合には、第5図中のフロー・チャートに明
らかなように、この回の追焚き燃焼は行なわれず、循環
ポンプは停止されて、単にタイマが一定時間tCに再セ
ットされる。したがって、さらにそれから一定時間tC
を経過した後に、再び実湯温Knと設定温KSとの差異が
α℃以上あるか否か、判断される。
ただ、従来例によっては、自動保温モードでの自動的
な繰返し追焚きに加え、使用者が手動により言わば強制
的に追焚きをなした場合以降の対策に差のあるものもあ
る。
つまり、第4図中、実線で示された実湯温Knの履歴
特性は、使用者による追焚きがなされた場合にも、一定
時間tCの計測に関してはその事実を無視するもので、
タイマによる一定時間tCのカウント中、仮想線で示さ
れるように、時刻T4からT5の間に使用者が自分で追焚
きをなしても、これは時間計測上は一切考慮に入れられ
ず、最初の沸き上がり後及び各回の自動追焚き終了後か
ら、必ず一定時間tCを経過するたびに第5図示のフロ
ー・チャートに従う動作をなすようになっている。した
がってこの場合、使用者による追焚き操作の前の自動追
焚き終了時刻T3から一定時間tCを経過した時刻T6
おいて再び自動追焚きが開始する。
これに対し、使用者による追焚き操作があるとタイマ
をセットし直すタイプのものもあり、その場合の実湯温
nの履歴特性は第4図中、仮想線で示されたようなも
のとなる。
すなわち、タイマが一定時間tCを計測している間に
第4図A中、時刻T4から時刻T5の間で仮想線で示され
るように途中追焚きがあると、当該追焚きの終了時刻T
5にて再度、タイマは一定時間tCにセットし直され、し
たがって次の自動追焚きはこの時刻T5から一定時間tC
を経過した時刻T7に至るまで、行なわれることはな
い。つまり、この後者のタイプは、自動であるとそうで
ないとにかかわらず、追焚きがあればその追焚きが終了
した時点から一定時間tCの経過ごとに第5図示のフロ
ー・チャートに従う動作をするように組まれている。
[発明が解決しようとする課題] 以上のように、従来における浴槽の湯の自動保温動作
につき、併用する自動給湯機ないし給湯システム共々、
詳しく述べたが、使用者による追焚きがあるとタイマを
セットし直すか否かの相違はあっても、従来における自
動保温動作では、自動追焚き動作だけについて考えるな
らば、前の追焚きから定められた一定時間tCを経過し
なければ追焚きが開始しない。
したがって、第4図中に冬季の場合(同図A)と夏季
の場合(同図B)を併示したように、設定温KSは冬
季、夏季で例え同じ温度に設定したにしても、追焚きが
完了してから一定時間tCを経過した後の浴槽23内の実
湯温Knの低下の程度は冬季と夏季とで大いに異なり、
もちろん、冬の方が冷め易い。
そこで、冬季に照準を定め、沸き上がり後、いつ風呂
に入っても冷めている感じを与えることなく、使用者に
不快感を与えないようにとのことから、自動追焚き自動
繰返し周期である一定時間tCを短目に設定したとする
と、第4図Bに示されるように、夏季には少し無駄に追
焚きの繰返し頻度が高くなる。追焚きのたびごとに循環
ポンプ等も稼動することを考えると、エネルギ消費の観
点や騒音等にも鑑みて、これでは必ずしも満足な結果が
得られているとは言えない。
逆に、一定時間tCを長く設定すると、夏季には良い
が冬季には湯が冷め過ぎ、自動保温の意味がなくなり兼
ねることもある。
加うるにまた、浴槽23内の実湯温Knの低下の程度
は、季節の変化ないし大気温の変動だけではなく、用い
られている浴槽23の形状や深さ、材質あるいは熱伝達係
数の差異等によっても大きく異なるし、浴室の広さや方
角、日の当たり具合等にも大きく左右される。厳密に言
うならば、設定水位の変更によってさえ、浴槽の内壁に
湯が触れている実効面積が変わるのであるから、湯の方
から見た放熱量も変わってしまう。
こう考えると、従来のように、常に一定時間tCを単
位としての自動追焚き繰返しでは、このような種々のパ
ラメータの変動に追随できないことは明らかである。当
該一定時間tCを具体的に何分に設定すれば一番良いの
かという疑問に対する解答はなく、常に妥協的な設定を
しなければならない。
本発明はこのような従来の実情に鑑みて成されたもの
で、浴槽内の湯を時間間隔を置きながら繰返して自動的
に追焚きすることで保温するという概念は共通にしなが
らも、浴槽の湯の経時的な温度低下特性に影響を及ぼす
種々の変動パラメータに良く対応することができ、それ
らパラメータの変動によっても極力安定な保温動作を維
持し得る一方で、できるだけ、早過ぎる追焚きないしは
無駄な追焚きを避け得るような保温方法を提供せんとす
るものである。
[課題を解決するための手段] 本発明では上記目的を達成するため、浴槽内に張られ
た湯を時間間隔を置いて繰返し自動追焚きし、かつ、各
回ごとの自動追焚きは、浴槽内に張られた湯の実際の温
度である実湯温(Knとする)があらかじめ定められた
設定温(KSとする)に達成するたびに終了させる保温
制御装置を用いた保温方法として、各回の追焚き終了時
からその次の回の追焚き開始時までの上記した時間間隔
(tn=tXとする)は、当該各回の一回前である前回の
追焚き終了時における浴槽内実湯温Knまたは設定温KS
と、当該前回の追焚き終了時から当該各回の追焚き開始
時までの過去における上記時間間隔tnを途過したとき
の浴槽内実湯温Kn、及び当該過去における時間間隔tn
とに基づき、その度ごとに算出、更新するようにした方
法を提案する。
さらに、本発明では、上記の最も基本的な態様を満た
した上で、その度ごとに算出される時間間隔tnは、当
該各回の自動追焚き終了時から追焚きを開始すべき温度
(Kmとする)まで、実湯温Knが低下するに要するであ
ろう温度低下予想時間として算出される時間値に補正を
施すという発明も開示する。
また、このようにした場合には、追焚きを開始すべき
温度Kmも、上記の補正で得られた時間間隔tnの値に応
じて補正するという発明も提案する。
また、一般にこの種の制御方法では、初期設定につい
ても幾つか考えられるが、これに関し本発明の別な態様
によれば、保温制御装置に電源が投入された後に始めて
実湯温Knが設定温KSに到達したと最初に判断されたと
き以降、浴槽内の湯に対する第一回目の自動追焚きを行
なうまでの時間間隔tnだけは、上記算出によらず、予
め定められた一定時間tCとすること(tn=tCとす
る)も提案する。
さらにまた、本発明の別の態様では、ある回の追焚き
終了後、次回の自動追焚きが開始するまでの時間間隔t
n中において追焚き動作が生じた場合の対策も開示す
る。
すなわち、上記の時間間隔tn中にあって追焚き動作
が生じた場合には、当該途中で生じた追焚き動作の終了
時から再度、上記時間間隔tnを途過するまでは、次の
回の自動追焚きを開始させない構成も提案する。
同様に、この態様に加え、またはこれに代えて、浴槽
内の水位の変動にも着目し、保温制御装置には浴槽内の
水位の変化を検出する手段も設け、上記時間間隔tn
途過するまでに水位の変化が検出された場合、そうした
水位変化が収まったと判断され、かつ、実湯温Knが設
定温KSに至ったと判断された時点から再度、上記時間
間隔tnを途過するまでは、次の回の自動追焚きを開始
させないようにするという構成も開示する。
なお、上記で途中で生じた追焚きとは、使用者が自分
で指令した追焚き動作は当然に含まれる外、本発明を組
込む給湯システムの有する機能の如何にもよるが、かな
り自動化の進んだシステムであるならば、使用者が変更
設定した設定温KSに対し、実湯温Knを合致させるため
に等、当該給湯システムが自発的、自動的に開始した追
焚き動作をも含む。
[作用] 本発明によると、各回の一回前である前回の追焚き終
了時における実湯温Kn(説明の便宜上、ここでは過去
時点の実湯温Kn-1とする)または設定温KSと、当該前
回の追焚き終了時から今回の自動追焚き開始時までの過
去における時間間隔tn(これも便宜上、tn-1とする)
を途過したときの実湯温Kn、すなわち今回の追焚き開
始時ないしその直前における実湯温Knと、当該過去に
おける時間間隔tn-1とに基づき、当該各回の自動追焚
き終了後、次回の自動追焚きを開始させるまでの時間間
隔tnがその都度、算出され、更新される。
そして、当該時間間隔tnは、上記のように三つのデ
ータ、すなわち、過去時点の実湯温Kn-1または設定温
Sと、過去における時間間隔tn-1と、当該時間間隔t
n-1を途過した後の実湯温Knとがあれば、それらから種
々適当なる演算式に基づき、基本的には各回の自動追焚
き終了時において浴槽内で設定温KSにあると判断され
た湯の実湯温Knが、追焚きを開始すべき温度としてあ
らかじめ設定してある追焚き開始温度Kmにまで低下す
るに要するである温度低下予想時間(tXとする)とし
て算出することができる。
ここで、追焚きを開始させるべき温度Kmとは、例え
ば設定温KSよりも所定の温度差ΔKcだけ低い温度とし
て定義でき、換言すれば、これ以上、実湯温Knが低下
すると、追焚きをしなければ使用者に冷め過ぎと感じさ
せる温度であって、具体的な値自体は任意設計的に決定
できる。
しかるに、理解のため、上記の演算に関して最も簡単
な場合を挙げれば、それは比例演算に従う方式であっ
て、例えば設定温KSが42℃であったとし、上記の過去
における時間間隔tn-1が30分であったとすると、最
初、設定温通り42℃あった実湯温Kn-1が、当該30分を
途過後の実湯温Knとして3℃低い39℃になっていたと
したら、この温度差3℃を30分で除すと0.1℃/minとい
う係数が得られる。
これは、単位時間当たりの実湯温Knの低下割合いで
あるし、逆に、当該時間間隔tn-1=30分を温度低下分
3℃で除せば、10min/℃というように、単位温度当たり
の温度低下に要する時間を求めることができる。
数学的には両者は単に逆数関係にあるだけなので、い
ずれを用いても設定温KSから追焚き開始温度Kmにま
で、実湯温Knが低下すると思われる温度低下予想時間
Xは簡単に求めることができ、例えば上記のように設
定温KSが42℃のとき、追焚きを開始すべき温度Km、換
言すればそこまで温度が低下しても追焚きをする必要が
なく、使用者も余り不快に感じずに済むと思われる温度
mを40℃とした場合(あくまで一例である)には、先
に求めた温度低下特性が0.1℃/min(あるいは10min/
℃)であるならば、当該設定温42℃にまで至った実湯温
が40℃にまで、それらの温度差ΔKc=2℃分、低下す
ると思われる温度低下予想時間tXは、ここでも最も簡
単に比例演算を適用するならば、当該2℃を0.1℃/min
で除すか、温度差2℃に10min/℃を掛けて、簡単に20分
と求めることができる。なお、これらの係数は、以後、
一括して温度低下特性値と呼ぶこともある。
いずれにしても、本発明では、各回ごとに過去の来歴
を利用して求めた時間間隔tn=tXにより当該過去の時
間間隔tn-1を更新して行くので、用いられている浴槽2
3の形状や深さ、材質あるいは熱伝達係数の差異、ある
いはまた浴室の広さや方角、日の当たり具合等々、設置
条件に関する変動パラメータや、一日ないしは数日単位
での短期的な目で見た場合の大気温変動だけでなく、数
カ月単位で見た長期的な季節変化等にも良く対処するこ
とができる。
例えば一般家庭を例に採ると、実測の結果、ある家庭
の浴槽では温度低下特性がある回における演算の結果、
先の値のように10min/℃であったため、設定温42℃に対
し、追焚き開始温度をそれより2℃低い40℃とした場
合、上記のように次回の自動追焚きを開始させるまでの
時間間隔tnないしは温度低下予想時間tXが20分と計算
されたのに対し、似たような設置条件でも、別な家庭の
浴槽では同じ時点で温度低下特性が例えば11.8min/℃と
実測されたならば、その家庭では更新のために算出され
た時間間隔tnはほぼ23分36秒と算出される筈である。
ただし、分単位を切り捨てるとか四捨五入する、あるい
は10秒単位に丸めるとか、そのまま秒単位まで正確に時
間間隔を設定する等は任意設計的な問題である。
また、同じ家庭の同じ浴槽にあっても、季節の移り変
わりや日当たりの変化等によって温度低下特性は大いに
変化するが、本発明方法によればこれにも対処できるの
で、季節によらず、かつ無駄に追焚き回数を増すことも
なく、概ね追焚きを開始すべき温度にまで浴槽内の実湯
温が低下しただろうと思われる頃を見計らうかのよう
に、自動的な追焚きが繰返されて行く。
さらに、本発明の別な態様に従い、更新される時間間
隔tnが、上記のようにして求められた温度低下予想時
間にさらに補正を加えたものであると、例えば一種のフ
ァジイ制御を実現することができ、何等かの外によって
ただ一回だけにしろ、極端に異なる時間間隔tnを設定
するおそれから逃れることができる。
例えば、補正の形態として、過去における時間間隔t
n-1と今回算出した時間間隔tnとの平均を取ると、明ら
かなように、何等かの外乱が作用した結果、当該前回の
時間間隔tn-1と今回算出した時間間隔tnとの間に大き
な開きがあっても、その開きの程度を半分程に抑えるこ
とができ、以後、自動追焚きを繰返すたびに適正な時間
間隔値に収束して行く。逆に、こうしたことからすれ
ば、補正の態様としては他にも考えることができる。
また、本発明の別な態様では、追焚きを開始すべき温
度Km自体も、算出、補正された時間間隔値に応じて補
正される。これは、当該時間間隔ないしはこれを導いた
温度低下特性の値は、その時々の季節を推測するに十分
な情報を持っているからである。温度低下特性が緩やか
に変化して行くということは、冬から夏に向かっている
と推測でき、その逆ならば冬に向かっていると判断でき
る。
このようにして、追焚き開始温度Km自体をも制御す
れば、人の体感上、より一定感のある保温制御が行なえ
る。夏の方が冬よりは低い温度まで、実湯温が低下する
のを許容しても人は余り不快に感じないので、この事実
を積極的に利用することにより、暖かくなる程、追焚き
の回数をより一層、減ずることができ、エネルギをより
節約することができる。
さらに、この種の制御では、一般に初期設定というも
のも考える必要があるが、本発明では、合理的な一態様
として、保温制御装置に電源が投入された後に始めて実
湯温Knが設定温KSに到達したと最初に判断されたとき
以後、第一回目の自由追焚きを開始するまでの時間間隔
nだけは、ある一定の時間tCとすることを提供してい
る。
ここで、保温制御装置への電源投入後、浴槽内に張ら
れた湯の実湯温Knが設定温KSに到達したと最初に判断
される時点とは、例えば、すでに従来例の説明の項中で
述べたように、設定水位までの自動湯張り機能を有し、
しかも、設定水位までの注湯動作を終えた後に実湯温K
nを検出し、これが設定温KSとの間に所定の大きさ以上
の温度差を持っていた場合には補助追焚きをなす機能も
有するタイプの給湯システムに本発明を適用した場合に
は、当該補助追焚きを終了することになった実湯温Kn
の検出終了時であり、補助追焚きの必要のなかった場
合、ないし補助追焚きをしないシステムにおいては、浴
槽内に設定水位まで張られた湯の実湯温Knが設定温KS
以上あると最初に判断された時点である。
もちろん、設定温KSにはその上下に若干の許容範囲
を設け、実湯温Knがこの範囲内に入ったときは設定温
Sに到達したと判断しても良いし、後述の実施例に見
られるように、実湯温を所定の周期で高速に繰返し検出
し続け、前回は設定温KS以下ないし未満であったが、
今回の検出では設定温KSを越えるか等しくなった場
合、当該時点で実湯温Knが設定温KSに至ったと判断し
ても良い。制御装置にマイクロ・コンピュータを用いる
場合には後者の手法が普通である。
なお、上記のように、保温制御装置に電源が投入され
るときを初期動作開始時点と考えるにしても、一般にこ
の種の保温制御装置を組込んだ最近の給湯機システムで
は、設置時に電源が投入されると何等かの必要で取外す
場合等を除き、電源は投入されたままにされるのが普通
である。したがって、上記した最初の一定時間tCも、
本保温方法を実現するための装置が最初に稼動し始める
ときのただ一回だけになることが普通である。
これに対し、自動保温モードを別設のスイッチにより
使用者が意図的に中断した後に再度、自動保温モードに
入ったときとか、あるいは浴槽内の湯を張り換えた後の
自動保温モードにおける最初の自動追焚きに関しては、
前回に中断された自動保温モード時における最後のデー
タが記憶され残っているので(更新されていないの
で)、これを用いることができる。
そして、自動保温モードが中断されてから新たに開始
されるまで間に相当の時間ないしは期日があった結果、
更新されないままに残っている過去のデータを利用して
算出された時間間隔tnが最初の中は適当ではないこと
も考えられるが、上記した本発明の原理によれば、当該
自動追焚きが繰返される中に徐々に適正な時間間隔に収
束して行くことができ、特に、既述の補正機能(平均化
等による)を利用すれば、その収束を早めることができ
る。
本発明のさらにまた別な態様によれば、望ましくない
温度変動を起こし得る別な要因に対しても対応策が考え
られている。
例えば、すでに従来例に即して説明したような第3図
示の給湯システムでは、当然のことながら、使用者が追
焚きを指令することができる。そして、本発明は、この
ような第3図示に代表されるような従来の給湯システム
の改良として、その制御装置ないしはそれに内蔵のマイ
クロ・コンピュータを利用して実現することもできる。
したがって、本発明による繰返し自動追焚きモードが
実行されているときに、使用者が自分で追焚き指令を出
すことも考えられる。そのような場合、本発明の一態様
においては、すでに生じていた時間間隔tnの計測をそ
こで中断し、当該途中で生じた追焚き動作が終了したな
らば、その終了以後、当該時間間隔tnの再計測を開始
することができる。
そのため、繰返し自動追焚きモードにとっては「外
乱」となるこような途中追焚き動作があっても、その
後、本発明に従っての繰返し自動追焚きモードは再度、
有効に稼動し始め、無駄な追焚きないしは早過ぎる追焚
きを抑制することができる。
全く同様に、他の「外乱」の一つとして、時間間隔t
nを途過しない中に浴槽内の水位の変化が検出された場
合にも、本発明のまた別な一態様によれば、同様に、す
でに生じていた当該時間間隔tnの計測をそこで中断
し、当該水位の変化が落ち着き、かつ、それ以後、実湯
温Knが設定温KSに至ったと判断された時点から、そう
した時間tnの再計測を開始することができる。
したがって、水位の変化が収まった以後、再び繰返し
自動追焚きモードに戻ることができ、同様に無駄な追焚
きないしは早過ぎる追焚きを抑えることはできる。
なお、水位変化は、注湯、注水動作や排水動作(浴槽
内の湯を洗いに使う場合等も含む)、さらには人の入出
浴等に原因するが、これもすでに説明したように、圧力
センサを用いること等により、これらいずれの原因によ
る水位変化をも既存の技術で電気的に捕えることができ
るので、上記のような態様に従う本発明方法を実現する
のにも何の困難もない。
もちろん、上記した本発明の種々の態様のどれに従う
場合でも、使用者による設定温KSの変更に伴い温度低
下特性が変動する事態にも自動的にこれに対処できる。
何故ならば、設定温の変更であろうと何であろうと、結
果として温度低下特性自体に変動を来した場合には、直
前に用いられていた温度低下予想時間では追焚き開始温
度まで低下した適当時間での自動追焚き開始が行なえな
くなるが、本発明ではこれが適当値に更新されるからで
ある。
[実施例] 以下、浴槽内の湯を経時的かつ自動的に保温するため
の本発明方法に関し、その一実施例につき説明するが、
従来法との対比を容易にするため、限定的ではないもの
の、本発明のこの実施例が適用された自動給湯機ないし
給湯システムは、すでに従来例に関して詳しく説明した
第3図示のものとする。したがって、当該第3図示の自
動給湯機ないし給湯システムについての説明自体は最早
本項では省略し、先に掲げた従来例の説明の項中におけ
るそれを援用し、各構成要素の符号等も当該第3図中に
付した符号とする。
第1図には、浴槽内の湯に対し、本実施例により実現
される経時的な保温動作の一例が示され、第2図には本
実施例におけるフロー・チャートが示されているので、
以下、両者を併せ参照して説明するが、特にこの実施例
では、目的とする浴槽内の湯の自動保温動作が、すでに
第3図示装置系に関して説明した自動湯張りモードと一
連に行なわれるように設定されている。
まず、第3図示のシステムがある浴槽施設に最初に設
置されて、このシステムを制御し、かつ、本発明方法を
実現する保温制御装置をも構成するマイクロ・コンピュ
ータ(図示せず)に最初に商用電源(一般に交流100V)
が投入された所から順を追って説明すると、当該電源投
入後、使用者が空の浴槽23に対して自動湯張りを指令し
た場合、当該マイクロ・コンピュータないし保温制御装
置は第2図示のように自動湯張りモードに入り、ここで
まず、自動保温モードである否かの判断がなされる。し
かし、後に述べるように、この時点では未だ保温フラグ
が立っていないので、この判断ステップではノーと判断
されて結合子(ノード)に移り、第2図中、左から二
列目の上に示されているサブ・ルーチンに入る。
以下、各列は左から数えて何列目とするが、この二列
目のサブ・ルーチン中では、最初、追焚き中であるか否
かの判断が行なわれる。
当然、この時点ではノーと判断されるので、次に浴槽
23内の実際の水位(実水位)が設定水位に至ったか否か
の判断が成される。この判断は、すでに述べたように、
第3図中の圧力センサ26の検出圧力値(水圧値)に基づ
いてなすことができるし、本出願人においても、別途、
高精度な手法を考えている。
もちろん、まだ注湯が始まってもいないので、この判
断ステップでもノーと判断された結果、次の処理ステッ
プにより第3図中の切換電磁弁17が開かれ、浴槽23内へ
の注湯動作(湯張り動作)が開始する。
この注湯動作ないしこの場合の最初の湯張り動作は、
これもすでに説明したように、第3図中、給水温センサ
19によって検出される給水温データ、使用者の指定する
希望出湯温KSである設定温データ、給湯用熱交換器11
を介して実際に出力される湯の温度を出湯温センサ20に
て検出した出湯温データ、流量センサ28により検出され
る実際の流量データ等に基づき、図示されていない制御
装置に内蔵のマイクロ・コンピュータが最適燃焼量を演
算し、比例弁14には最適な弁開度信号を、またファン18
には最適な回転数信号を与えることにより、バーナ12に
おいて最適な熱エネルギでの燃焼が行なわれるようにし
てなされる。
こうして注湯動作が開始すると、結合子を介しマイ
クロ・コンピュータは次ルーチンの実行に移り、所定の
時間間隔の経るたびごとに第2図示のフロー・チャート
に従うプログラムが頭から実行され、これまでと同じ流
れが繰返される。
やがて、浴槽23内に張られた湯の実水位が設定水位に
至るようになると、当然、その直後における第2図示フ
ロー・チャートに従うプログラム実行段階では、当該水
位に関する判断ステップにおいて実水位が設定水位を越
えたことが判断され、二列目上側の『実水位>設定水位
?』なる判断ステップに関するイエス側の結合子に移
る。
第2図示中、三列目上側に示されているように、結合
子に続く処理ステップでは切換電磁弁17が閉ざされ、
浴槽23内への注湯が停止すると共に、図示していないが
給湯用熱交換器11における燃焼も停止される。
この時刻が本実施例の経時的な動作を示す第1図示に
おいての時刻TOに相当するが、次の処理ステップでは
第3図中の循環ポンプ25がオンとされて、これにより、
浴槽内に張られた湯が強制的に攪拌され始めた後、さら
に引続く処理ステップにおいて、当該循環ポンプ25が一
定時間TD以上回り続けた時点で、第3図中の温度セン
サ27により、そのときの浴槽23内の実際の湯温である実
湯温Knが検出され、#1レジスタに記憶される。
なお、この#1レジスタを含み、以降に述べる#2,#
の各レジスタも、新しいデータが到着するとそのデータ
でそれまで記憶していたデータが更新され、逆に更新さ
れるまでは、システムないし保温制御装置への電源が断
たれない限り、記憶データを保持し続ける。
また、上記にいて循環ポンプ25を一定時間TD以上回
し続けてから実湯温Knを検出するのは、浴槽23内の湯
を攪拌し、どこでも湯温が均一になった頃を見計らって
温度検出するためであり、当該時間TDは任意設計的に
定めれば良いが、例えば20秒から30秒程度に設定され
る。
ただし、以降では簡単のため、この攪拌時間TDの存
在は無視して説明することもあり、例えば上記において
時刻TOから当該時間TD後に検出された実湯温Knは、
時刻TOにおける実湯温として取扱う。
この処理ステップの後、検出、記憶された実湯温Kn
#1レジスタの内容)と、使用者が設定している設定
温KSとが判断ステップで比較され、もし仮に、湯張り
終了時TOにおける浴槽23内の実湯温Kn(TO)が設定
温KSより高ければ、この判断ステップから結合子を
介し、右隣りのサブ・ルーチンに移る。
この流れは結局、後で辿ることになるので、ここでは
その先を続けないが、結果のみを述べて置くと、この
『実湯温Kn>設定温KS?』なる判断ステップでイエス
が判断されるということは、すでに説明したように、自
動湯張り後の補助追焚きが不要であることを意味してお
り、したがってこの場合には、当該時刻TOが繰返し自
動追焚きモードの開始時に相当する。
しかし、ここでは上記の判断ステップにおいて、実湯
温Knの方が設定温KSよりも低いと判断されたとする。
むしろ、この方が普通である。出湯温センサ20により出
湯温を例え実時間で監視しながら給湯用熱交換器11から
設定温KSに等しい温度の湯を浴槽23内に注湯したとし
ても、少なくとも浴槽23の槽壁や浴室内の大気に対して
浴槽内の湯の側からの熱放射は避け得ないからである。
そこで、この場合には、当該判断ステップに続く処理
ステップにおいて、自動的に追焚き燃焼が開始する。こ
の追焚き燃焼自体は、これもすでに従来例に関し第4図
に即して説明したように、自動湯張りモードの最後のス
テップとして設定温までの沸かし上げのために行なわれ
る補助追焚きに相当するが、こうした補助追焚き動作
は、同様に、すでに第3図に即して説明したメカニズム
により、バーナ22で加熱される追焚き用熱交換器21を用
いて行なわれ、また当然、このときには、先の処理ステ
ップにおける実湯温Knの検出、記憶時から引続き、循
環ポンプ25が回され続けている。
なお、既述した『実水位>設定水位?』なる判断ステ
ップや『実湯温Kn>設定温KS?』なる判断ステップに
おいては不等号“>”が採用されているが、これは原理
的には等号を含む“≧”でも良い。ただ実際上は、この
ような判断とすることが多いし、それで問題がない。マ
イクロ・コンピュータのプログラムは、周知の通り、一
般に極めて高速に走っているので、直ぐ直前の判断では
例えば実水位が設定水位未満ないし以下と判断され、直
ぐ次の判面時に実水位が設定水位を越えたと判断された
場合、後者の判断によって制御系に作用し、注湯を止め
ても、浴槽内に注湯された湯の水位はほとんど設定水位
と変わらないで済むからである。温度判断についても全
く同様のことが言える。
いずれにしろ、上記のようにして自動湯張りモードの
最後のステップである補助追焚きが開始すると、第2図
のフロー・チャートに従うプログラムでは、メイン・ル
ーチン中、自動保温モードであるか否かの判断でノーと
判断した後、二列目のサブ・ルーチンの頭にある追焚き
中であるか否かの判断ステップにより、今度はイエスと
判断して結合子の側に流れ、再び実湯温Kn対設定温
Sの判断ステップを通過し、ここで最初の中はノーと
判断される結果、次ルーチンに移るという動作を繰返
す。
やがて、第1図中、時刻T1で示されるように、補助
追焚きの継続の結果、実湯温Knが設定温KSを越えると
(実際には上記の理由によりほぼ同じ温度)、その直後
のそれら両温度間に関する判断ステップではイエスと判
断され、結合子を介して四列目のサブ・ルーチンに移
る。
こうした場合、実質的には上記の時点T1が繰返し自
動追焚きモードモードの開始時に相当するが、当該四列
目のサブ・ルーチンにあっては、まず循環ポンプ25が止
められ、図示されていないがここでバーナ22と追焚き用
熱交換器21を用いての補助追焚き燃焼も終了する。
このときに、図示の実施例では再び実湯温Knが検出
され、これが#2レジスタに記憶される。すなわち、こ
#2レジスタに格納された温度データが、繰返し自動
追焚きモード開始時T1の実湯温Kn(T1)となる。
時刻T1の実湯温Kn(T1)の検出後は、タイマがカ
ウント・アップしているか否かの判断ステップに入る
が、このタイマとは、後に詳しく述べるように、電源投
入後の最初の一回だけに認められる第1図中の一定時間
Cや、二回目以降の各回に関してその都度演算され、
過去の記憶値を更新するように記憶し直された時間TX
を計測するための概念的な部材であり、実際にはマイク
ロ・コンピュータを用いてのソフト的な処理で構築され
る。
ただ、この実施例では、当該タイマは、時間tnがあ
る値にセットされると当該セット時からカウント・ダウ
ンを始め、カウント・アップすると次にセットされるま
ではリセット値“0"を保持するタイプを考えているの
で、ここでの判断ステップでは、当該タイマはカウント
・アップしたときと等価な状態にある。
そこで、この判断ステップではイエスが選択され、次
の判断ステップにより、現在、自動保温モードにあるか
否かの判断がなされる。ここでは未だ自動保温モードに
は入っていないので、ノーの流れに行き、続く処理ステ
ップで保温フラグがセットされる。この保温フラグが立
てられて以降は、システムは自動保温モードに入ったも
のとされる。
次いで、電源投入後の最初の動作であるか否かの判断
ステップに至り、ここではそうであるのでイエスの流れ
に行き、上記において記憶した#2レジスタのデータ内
容、つまりは自動湯張りモード終了時T1における実湯
温データKn(T1)が#3レジスタに転送される。補助
追焚きが不要であった場合には、実質的に第1図中の時
刻TOと時刻T1とは同時刻と考えて良いので、その場合
にもやはり、#3レジスタに転送される実湯温データ
は、この時点T1(=TO)での実湯温Kn(T1)であ
る。
この処理と共に、タイマ時間tnがあらかじめ定めら
れた一定時間tCにセットされる。この一定時間は任意
に設定でき、例えば15分とか30分等と設定される。
タイマにtn=tCがセットされると、この時点からタ
イマは当該一定時間tCのカウント・ダウンを始める
が、この処理ステップの後、結合子から再び第2図に
示されたフロー・チャートの頭に戻ると、今後は自動保
温モードにあるか否かの判断ステップにおいてイエスと
判断されるので、このメイン・ルーチン中をそのまま真
下に向かって流れて行く。
この一連の流れの中には注湯中であるか否か、注水中
であるか否か、追焚き中にあるか否か、注湯要求がなさ
れているか否か、注水要求がなされている否か、そして
追焚き要求がなされているか否かの各判断ステップがあ
るが、これらは全て、後に示すように、自動保温モード
中において生起する繰返し自動追焚きモードにとっては
言わば「外乱」となるもので、そのための対策を採るた
めに各判断ステップでイエスが選択された場合、それぞ
れに最適な処理がなされるが、ここではまず、本発明の
実施例としての最も基本的な繰返し自動追焚きモードに
ついてのみ説明するため、これらの外乱は全てないもの
とする。
したがって、自動保温モードにあるか否かの判断ステ
ップに続き、メイン・スーチン中の最下部に示されてい
るように、タイマがカウント・アップしたか否かの判断
が繰返されることになり、やがて第1図中の時刻T2
示されるように、タイマ起動後、一定時間tn=tCを途
過すると、タイマのカウント・カップが判断され、結合
子を介して三列目上側のサブ・ルーチンの途中に飛び
込み、ここで再び、循環ポンプ25がオンとされる。
これは、先に述べたと同様の理由で20秒から30秒程度
の比較的短い時間で良いが、一定時間TD以上、浴槽23
内の湯を強制攪拌し、湯温を均一化するためであって、
その後に温度センサ27により、この時刻T2における実
湯温Kn(T2)を検出して#1レジスタに記憶する。
この#1レジスタには、以前、補助追焚きが開始する
直前の時刻TOにおける実湯温データKn(TO)が格納
されていたが、これは、この時点でその内容が実湯温デ
ータKn(T2)に更新される結果、実質的に消去され
る。
上記の処理ステップに次いで再び、判断ステップで
『実湯温Kn>設定温KS?』なる判断が行なわれる。当
然、自動湯張り終了以後、一定時間tC以上を経過した
時刻T2では実湯温Kn(T2)は冷めているので、一般
にこの判断ステップにおける答えはノーとなる。
そして、こうした判断の結果は、第1図中の当該時刻
2以降に示されているように、再度、追焚き燃焼の開
始を生み、その後、マイクロ・コンピュータは第2図示
のフロー・チャートの頭に戻り、自動保温モードである
か否かの判断の結果、すでに自動保温モードであるので
イエスと判断し、次いで、他の外乱はなくとも、ここで
はすでに追焚き中に入っているので、まず追焚き中であ
るか否かの判断ステップにより、追焚き中であることを
判断して、結合子を介して三列目上側のサブ・ルーチ
ンの途中に移り、実湯温Knが設定温KSを越えたか否か
が判断される。
このルーチンについては先に説明したと同様であり、
沸き上がりまでは当然、ノーと判断され続けるが、第1
図中、時刻T3で示されるように、浴槽23内の湯の実湯
温Knが設定温に至ると、上記した第2図中、三列目上
側のサブ・ルーチンにおける実湯温Kn対設定温KSの比
較判断ステップにおいてイエスの側に流れが移り、結合
子を介し、右隣りの四列目のサブ・ルーチンに移る。
ここではまず、循環ポンプ25が止められ、追焚き動作
が終了した後、温度センサ27を介し、この時刻T3の実
湯温Kn(T3)が検出され、これが#2レジスタに記憶
される。
次いで、ここで再び、後述のように、各種外乱動作が
終了したのかタイマがカウント・アップしたのかを弁別
する都合上、当該タイマがカウント・アップしたか否か
が検出され、ここでは当然、タイマがカウント・アップ
した以降の動作であるのでイエスの側に進み、同様に再
び、現在保温モードにあるか否かが問われ、ここでもイ
エスであるので、結合子を介し、第2図中、最右端五
列目に示されているサブ・ルーチンに移る。
ここでは最初、#3レジスタに格納されている実湯温
データKn#3)と、#1レジスタに格納されている実
湯温データKn#1)との差ΔKnが採られる。
しかるに、この時点で#3レジスタに記憶されている
実湯温データKn#3)は、第1図中、補助追焚きが終
わり、繰返し自動追焚きモードが開始した時刻T1にお
ける実湯温データKn(T1)であり、これはほぼ設定温
Sに等しいと看做して良いし、一方で、#1レジスタに
記憶されている実湯温データKn#1)は、繰返し自動
追焚きモード開始時T1からタイマにセットされている
一定時間tn=tCを経過した後の時刻T2における実湯
温データKn(T2)である。
したがって、ここで求めている値、 ΔKn=Kn#3)−Kn#1) は、 ΔKn=Kn(T1)−Kn(T2) を意味し、これは結局、第1図に良く示されているよう
に、時刻T1において設定温KSにまで沸き上げられた浴
槽23内の湯が、あらかじめ定められた一定時間tCを経
過した時刻T2では、どの位、その温度が低下したかを
示している。例えば、設定温KSが42℃であって、一定
時間tn=tCが例えば30分であり、この30分経過後の時
刻T2において浴槽23内の湯が39℃となっていたとした
ら、上記においてΔKnは3℃と求められる。
そこで、次の処理ステップでは、浴槽23内の湯に実際
に生じた温度低下分として上記のようにして求められた
値ΔKnとタイマ時間tn=tCとから、経時的な温度低
下特性tn/ΔKnが算出される。
この時点では、当該タイマ時間tnは一定時間tCであ
り、これが例えば30分であるならば、時刻T1から時刻
2に至るまでに低下した実湯温の低下分ΔKnが上記の
ように例えば3℃と求められた場合、温度低下特性tn
/ΔKnは、当該30分を3℃で除して、10min/℃と算出
することができる。ただし、この逆数関係にある特性、
つまり、単位時間当たりには何℃、実湯温の温度が低下
したかを知るため、ΔKn=3℃をタイマ時間tn=tC
=30(分)で除して、0.1℃/minなる値の温度低下特性
値を得ても良い。
しかるにこの実施例の場合、この処理ステップで求め
た温度低下特性tn/ΔKnは、後に明らかになるよう
に、その一回前に算出され、記憶されている温度低下特
性tn-1/ΔKn-1の値をも利用して補正され、(tn
ΔKn)′として求められる。補正の最も簡単な場合
は、第2図中に併示のように平均を取ること、つまり、 (tn/ΔKn)′=[(tn/ΔKn)+(tn-1/ΔK
n-1)]/2 なる演算を行なうことである。
このようにして補正すると良い理由は後述するが、今
ここで説明しているように、電源が投入された当初は、
過去の温度低下特性は保温制御装置に付属の記憶装置中
にも何等記憶されていないので、実質的にはソフト的な
処理により、電源投入後の最初の回だけはこの判断ステ
ップに関し、例えばtn-1/ΔKn-1をtn/ΔKnとして
取扱うか、あるいはそうした補正を行なわないようにす
る。いずれの場合にも、結果として当該電源投入後の最
初の回のこの判断ステップで得られる結果は、 (tn/ΔKn)′=tn/ΔKn となる。
この補正ステップの後には、図示されている実施例の
場合、上記のようにして得られた温度低下特性値(tn
/ΔKn)′の値の如何に基づき、その関数f[(tn
ΔKn)′]として、追焚きを開始すべき温度Kmをも最
適に変更設定する。
追焚きを開始すべき温度Kmとは、もちろん、そこま
でならば実湯温Knが温度低下しても許容できる範囲で
あり、特に追焚きをしなくても良いと考えられる温度、
言い換えれば、この温度以下となったときには自動的に
追焚きを開始すべきとする温度であって、設定温KS
対して所定の温度差ΔKcだけ低い温度として設定する
ことができる。
すなわち、 Km=KS−ΔKc と定義できるので、例えば一年を通じて固定的にΔKc
=2℃だけ低い温度等と設定することもでき、本発明の
最も基本的な態様に従う限りそれでも良いが、この実施
例では、さらに良好な自動追焚き制御を計るために、こ
の温度差ΔKcも温度低下特性(tn/ΔKn)′によっ
て補正するようにしている。
つまり、補正前の温度低下特性tn/ΔKnでもそうで
あるが、上記のようにして補正された温度低下特性(t
n/ΔKn)′であっても、それらの値の具体的な大きさ
は十分に季節ないしは大気温の情報を含んでいる。例え
ば冬等、相対的に大気温の低い状況下では湯は冷め易い
ので、単位℃あたりの低下時間は短くなり、逆に夏なら
ば長くなる。
一方、使用者の感覚からすると、冬には実湯温Kn
設定温KSから僅か低下しても冷め過ぎと感じるのに、
夏であると、実湯温Knが設定温KSに対してかなり低下
してもまだ追焚きは必要ない位に感ずることが多い。そ
こで、この実施例では、このような実情に鑑み、温度低
下特性(tn/ΔKn)′の値の如何に応じ、その関数と
して許容低下温度差ΔKcを調整(血色は追焚き開始温
度Kmを調整)しており、例えば冬にはΔKcが1℃位に
まで縮められるのに、夏には3℃位にまで拡がるように
している。この様子は第1図A,Bに冬季、夏季と区別し
て示した所においてそれぞれのΔKcの大きさを変えて
表している。ただし、この関数演算としても、特に複雑
な関係式を設定せず(それでも良いが)、簡単な比例演
算で間に合わせることができる。
いずれにしろ、このようにしてそのときの大気温状況
等に応じて適当なる許容低下温度差ΔKcが決定され、
温度開始温度Kmが決定されたならば、次のステップで
は設定温KS(例えば42℃)にまで至った実湯温Knが、
追焚きを開始すべき温度Km(例えばそれより2℃だけ
低い40℃としてみる)にまで低下すると思われる温度低
下予想時間tXが演算される。
これに際しても、最も簡単には比例演算を適用するこ
とができ、当該所定の温度差ΔKcに対し、上記で実測
値に基づき算出した後、補正した温度低下特性値(tn
/ΔKn)′を掛ければ良いから、ここでの数値例にお
いてはΔKc=2℃に対して温度低下特性値(tn/ΔK
n)′=10min/℃を掛けることにより(あるいはΔKc
2℃を温度低下特性値ΔKn/tn=0.1℃/minで除すこと
により)、温度低下予想時間tXは簡単に20分と求める
ことができる。
このようにして、次に追焚きを開始すべき時刻T4
での温度低下予想時間tXを演算したならば、最早、#
レジスタにあった時刻T1における実湯温データKn(T
1)は不要となるので、次の処理ステップでは、さらに
次回に必要となる温度低下予想時間tXの更新処理のた
め、#2レジスタに格納されていた第一回目の追焚き終
了時刻T3における実湯温データKn(T3)をこの#3レ
ジスタに転送し、#2レジスタは実質的に空けた状態
(書替えても差支えない状態)にする一方で、これと平
行した動作として、当該演算された温度低下予想時間t
Xをタイマにセットする。
これにより、図示しないタイマは当該セットされた時
間tn=tXのカウント・ダウンを始めるが、この開始時
刻は、実質的にマイクロ・コンピュータが高速にプログ
ラムを実行する結果、第1図中、第一回目の自動追焚き
が終了した時刻T3にほぼ等しいと考えて良い。
次いで、結合子から再び第2図に示されたフロー・
チャートの頭に戻ると、自動保温モードにあるか否かの
判断ステップにおいてイエスと判断された後、メイン・
ルーチン中をそのまま真下に向かって流れるに際し、先
と同様に各種外乱を無視するならば、上記した時刻T3
からは繰返してタイマがカウント・アップしたか否かの
判断がなされて行く。
そして、第1図中の時刻T4で示されるように、タイ
マ起動後、一定時間tn=tXを途過すると、タイマのカ
ウント・アップが判断され、結合子を介して三列目上
側のサブ・ルーチン途中に移り、ここで再び循環ポンプ
25がオンとされる。
その後、温度センサ27により、一定時間TDの経過
後、浴槽23内の実湯温Kn(T4)を検出し、これを#
レジスタに記憶する。この#1レジスタには、それま
で、時刻T2における実湯温Kn(T2)が格納されてい
たが、これは最早不要となっていたもので、この時点で
時刻T4における実湯温Kn(T4)に書替えられる結
果、実質的に消去される。
上記の処理ステップに次いで再び、判断ステップで
『実湯温Kn>設定温KS?』なる判断が行なわれる。当
然、自動湯張り終了以後、温度低下予想時間tXを経過
した時刻T4では実湯温は冷めているので、一般にこの
判断ステップにおける答えはノーとなる。
そして、こうした判断の結果は、第1図中の当該時刻
4以降に示されているように、再度、追焚き燃焼の開
始を生み、その後、マイクロ・コンピュータは第2図中
のフロー・チャートの頭に戻って自動保温モードである
か否かの判断の結果、すでに自動保温モードであるので
イエスと判断し、次いで、他の外乱はなくとも、ここで
はすでに追焚き中に入っているので、追焚き中であるか
否かの判断ステップにより、追焚き中であることを判断
して、結合子を介する三列目上側のサブ・ルーチンの
途中に移り、実湯温Knが設定温KSを越えたか否かが判
断される。
このルーチンについては先に説明したと同様であり、
沸き上がりまでは当然、ノーと判断され続けるが、第1
図中、時刻T5で示されるように、浴槽23内の湯の実湯
温Knが設定温に至ると、上記した第2図中、三列目の
上側のサブ・ルーチンにおける実湯温Kn対設定温KS
比較判断ステップにおいてイエスの側に流れが移り、結
合子を介し、右隣りの四列目のサブ・ルーチンに移
る。
ここで循環ポンプ25が止められ、追焚きが終了した
後、温度センサ27を介し、この時刻T5の実湯温Kn(T
5)が検出され、これが#2レジスタに記憶される。
次いで、ここで再び、後述のように、各種外乱動作が
終了したのかタイマがカウント・アップしたのかを弁別
する都合上、当該タイマがカウント・アップしたか否か
が検出され、ここでは当然、タイマがカウント・アップ
した以降の動作であるのでイエスの側に進み、同様に再
び、現在保温モードにあるか否かが問われ、ここでもイ
エスであるので結合子を介し、第2図中、最右端五列
目に示されているサブ・ルーチンに移る。
ここでまた、#3レジスタに格納されている実湯温デ
ータKn#3)と#1レジスタに格納されている実湯温
データKn#1)との差ΔKnが採られる。
しかるに、この時点で#3レジスタに記憶されている
実湯温データKn#3)は、第1図中、繰返し自動追焚
きモードに入ってからの第一回目の追焚きが終わった時
刻T3における実湯温データKn(T3)であり、これは
ほぼ設定温KSに等しいと看做して良いし、一方で、#
レジスタに記憶されている実湯温データKn#1)は、
当該時刻T3からタイマにセットされている温度低下予
想時間tn=tXを経過した後の時刻T4における実湯温
データKn(T4)である。
したがって、ここで求めている値、 ΔKn=Kn#3)−Kn#1) は、 ΔKn=Kn(T3)−Kn(T4) を意味し、これは結局、第1図に良く示されているよう
に、時刻T3において第一回目の自動追焚きにより設定
温KSにまで沸き上げられた浴槽23内の湯が、あらかじ
め定められた温度低下予想時間tXを経過した時刻T4
は、実際にどの位、その温度が低下したかを示してい
る。
そして、先において求めた温度低下予想時間tXが正
しいか、ないしは前回求めた温度低下特性tn/ΔKn
値またはその逆数値に対し、実際の実湯温の低下割合い
に変化がなければ、上記の具体的数値例に従って言うな
ら、10min/℃あるいは0.1℃/minと算出された温度低下
特性値に基づき温度低下予想時間tX=20分に等しい時
間を置いた時刻T4における実湯温Kn(T4)は、設定
温KSである42℃に対し、所定の温度差ΔKc=2℃だけ
低下した温度、つまりは所定の追焚き開始温度Km=40
℃となっている筈である(等しいと看做す範囲として予
めある程度の許容幅を設けることは当然、考えられ
る)。
したがって、その場合には、引続く処理ステップにお
いて最新の温度差ΔKnと、この温度差ΔKnを生じた時
刻T3と時刻T4間のタイマ時間tnとから再度、温度低
下特性tn/ΔKnを求め、この値とそれまでの温度低下
特性値(過去データtn-1/ΔKn-1)とで補正処理ない
し平均化処理をしても、結果として得られる温度低下特
性値(tn/ΔKn)′は、更新されたものとは言え、従
前と同じ値になる。この場合には、追焚き開始温度Km
にも変更は要しないし、現に次の補正ステップでもこの
値Kmを決定する許容温度差ΔKcの値は更新されたとは
言え、実質的に値としての変更は受けない。
一方、大気温その他、何等かのパラメータ変動によ
り、上記の具体的な数値例では、温度低下予想時間tn
=tXはそれまで20分と定められており、当該時間のカ
ウント・アップ時には実湯温Knは40℃になっている筈
であったが、第1図中の時刻T4においては実湯温K
n(T4)が例えば39.5℃となっていて、それらの温度差
が所定の温度差ΔKc=2℃よりも0.5℃大きい2.5℃と
なっていた場合には、この処理ステップにおいて再度、
それまでに使われていた温度低下予想時間tXである20
分をこの温度差2.5℃で除し、温度低下特性値tn/ΔK
nが新たにほぼ8min/℃と求め直される。
本発明の最も基本的な態様に従う場合には、このよう
にして、以後、各回の自動追焚き終了後、次の回までの
(時刻T5からT6間、時刻T7から時刻T8間等)の時間
間隔tnを決定する度ごとにそれまでの時間間隔tnをこ
のようなtn/ΔKnに基づいて演算、更新して行くだけ
でも良く、それでも十分に最適な追焚き開始温度Km
守っての自動追焚き動作を繰返して行けるが、この実施
例ではさらに、当該tn/ΔKnに対して補正を施した値
(tn/ΔKn)′に過去のデータを更新して行くように
しており、特にこの実施例の場合にはこの補正手続を平
均化によっているため、上記の数値例の場合、前回のt
n-1/ΔKn-1=10min/℃と、今回求め直したtn/ΔKn
=8min/℃とから、新たに補正された温度低下特性値
(tn/ΔKn)′=9min/℃を得ることができる。
次いで、この新たに求めた温度低下特性値に基づき、
その関数関係として、最適な追焚き開始温度Kmが求め
られる。ここでは予想していたよりも温度低下割り合い
がほぼ2割程、早いため、例えばKSから当該追焚き開
始温度Kmまでの差ΔKcをこれまでの2℃から少し縮め
て、例えば二割程小さい(比例演算補正の場合)1.6℃
等と設定することができる。
こうしてから、次の演算ステップにより、当該更新し
たΔKc=1.6℃と、先に補正、更新した温度低下特性9m
in/℃とから、新たな実湯温Knが当該1.6℃だけ、低下
するに要するであろう温度低下予想時間tXが約14.4分
と求められ、この値がそれまでの値を更新する関係で図
示しない記憶部に格納される。
その後は、このとき#2レジスタに入っている実湯温
データを#3レジスタに転送し、タイマに対して時間tn
を新たに演算、更新された温度低下予想時間tXにセッ
トした後、次のルーチンに移り、以降、同様の手順を繰
返して行く。
しかるに、温度低下特性tn/ΔKnに補正を施すこと
は、結局、これまでの過去の温度低下予想時間tXの来
歴に基づいて当該時間を補正していることになるが、こ
れが良いのは、例えば後述するような各種の外乱を始
め、何等かの理由によって温度低下特性が大きく変動す
ることがあった場合にも、その影響を緩和できることに
ある。一回だけとは言え、極端に異なった時間間隔tn
を設定するのを防ぐためで、言わばファジィ制御の一種
となる。一過性の大きな外乱があっても、その後、何回
かの自動追焚きを繰返して行く中には、やがて最適な時
間間隔tnに収束して行くことができる。
また、長期的な変化で見ても、第1図A,Bに示される
ように、冬季に比し夏季の方が自動追焚きの間隔が自動
的に長くなり、エネルギの無駄な消費や騒音を抑えると
共に、追焚き開始温度Km自体も適当なるように変化し
て行くので、使用者に対する快適性も保証することがで
きる。
図示実施例は上記のような動作をなすが、このような
繰返し自動追焚きモードには、その開始時から制限時間
が設定されていても良く、例えば開始時から4時間(あ
くまで一例である)を経過した後には新たな自動追焚き
動作には入らないとか、あるいはまた、最大自動追焚き
繰返し回数に制約を設け、所定回数以上の自動追焚きは
行なわずにリセットするように組んであっても良い。こ
れは、家族の者の全てが入浴を終えたのに、給湯システ
ムの電源を切り忘れた場合等には有効に機能する。しか
しその一方では、ゴルフ場に備え付けの浴場とか、寮、
旅館等々、いつでも入浴が可能であることを唱っている
施設とか、一般家庭でも最近の贅沢化に伴い、このよう
な時間ないし回数制限機能は不要とされる場合も多くな
ってきているので、結局、こうした制限機能を付けるか
否かは使用者の要請に任せれば良い。
逆に、自動的に自動追焚きモードを終了させるか、あ
るいは使用者のスイッチ操作等によって自動追焚きモー
ドを終了させた後、再度自動追焚きモードを利用する場
合には、前回の終了時に各記憶部に入っているデータを
そのまま利用することができる。
すなわち、上記では保温制御装置に対して最初に電源
が投入された所(各記憶部の内容が全て揮発している状
態)から説明したため、第1図中の時刻t1からt2まで
の間の第一回目の時間間隔tnだけは一定時間tCに固定
されていたが、保温制御装置に対する電源が切られた訳
でなく、単に自動追焚きモードが一旦終了された後の再
度の稼動時においては、前回の自動追焚きモード終了前
の最後に使用されていた時間間隔tnのデータやこれを
求めた温度低下特性値tn/ΔKnまたは(tn/Δ
n)′、追焚き開始温度Kmまでの許容低下温度差ΔK
c等は各対応する記憶部に格納して置くことができるた
め、これを用いて新たに開始した自動追焚きモードの最
初の時間間隔tnを演算、決定することもできるし、あ
るいは最初の一回だけは前回の自動追焚きモード終了前
にあって途中で計測が中断された最後の時間間隔データ
n(自動追焚きモードの使用者による終了命令は一般
にこの時間間隔tn中に行なわれるので、この計測の止
められた時間間隔tnは新たな演算による更新がないた
め、そのまま記憶部に残っている)を使うこともでき
る。
特にこれに関し、過去の来歴を利用して温度低下特性
を補正するのは有効な場合がある。つまり、前回の自動
追焚きモード終了時から、今回の自動追焚きモード開始
までの期間が極めて長く、前回と今回とでは温度低下特
性の値も大きく異なるような場合、再度の自動追焚きモ
ード開始時の最初においては適当値からかなり外れた時
間値tnを設定することが考えられるが、既述したよう
な補正処理が施されていれば、そのようなずれは半分程
度に抑えることができる。もちろん、補正処理の一手法
としての平均化は単なる一例であり、より適当な関数関
係を設定することもできるし、あるいは自動追焚きモー
ド開始の当初においては大気温その他のデータを取込
み、その値に応じて適当なる補正を施しても良い。
ところで、第2図示のフロー・チャートによる本発明
実施例は、この種の自動給湯システムに対し、また別な
意味で、商品としてのより実際的な要請ないし付加価値
にも対応できる例を示している。例えば第2図中、左端
一列目に示されているメイン・ルーチン中にあって下か
ら二つ目の判断ステップに示されているように、設定温
Sの変更等に伴い、第1図中の各時間間隔tn=tX
計測中に「追焚き要求」が出されたとしよう。
すると、この判断ステップでのイエスという判断は、
結合子を介して三列目上側のサブ・ルーチン途中に移
り、ここで循環ポンプ25がオンとされ、一定時間TD
の温度センサ27により、このときの浴槽23内の実湯温K
nが検出されて、これが#1レジスタに記憶される。
上記の処理ステップに次いで再び、判断ステップで
『実湯温Kn>設定温KS?』なる判断が行なわれる。当
然、追焚きが要求される位であるから、この判断結果は
ノーとなり、続く処理ステップに示されているように、
追焚き燃焼の開始を生む。
こうなると、次に第2図示のフロー・チャートの頭に
戻っての自動保温モードであるか否かの判断の結果、す
でに自動保温モードであるのでイエスとの判断の結果、
他の外乱はなくとも、ここではすでに追焚き中に入って
いるので、「追焚き中」であるか否かの判断ステップに
より追焚き中であることを判断して、結合子を介する
三列目上側のサブ・ルーチン途中に移り、実湯温Kn
設定温KSを越えたか否かが判断される。
このルーチンについては先に説明したと同様であり、
沸き上がりまでは当然、ノーと判断され続けるが、やが
てのことにこの途中追焚きの結果、浴槽23内の湯の実湯
温Knが設定温に至ると、上記した第2図中、三列目上
側のサブ・ルーチンにおける実湯温Kn対設定温KSの比
較判断ステップにおいてイエスの側に流れが移り、結合
子を介し、右隣りの四列目のサブ・ルーチンに移る。
ここで循環ポンプ25が止められ、追焚きが終了した
後、温度センサ27を介し、この時の実湯温Kn(T5)が
検出され、これが#2レジスタに記憶される。
次いで、ここで再び、後述のように、各種外乱動作が
終了したのかタイマがカウント・アップしたのかを弁別
する都合上、再び、当該タイマがカウント・アップした
か否かが検出され、ここでは当然、タイマはカウント・
ダウン中であるので結合子を介しノーの方に進み、第
2図中、5列目(最右端列)の途中に飛び込み、途中追
焚き終了時の実湯温データKn#2レジスタから#3レ
ジスタに移された後、ここでタイマに対し、新たにタイ
マ時間tn=tXがセットされる。
これはすなわち、実質的に途中追焚きに伴ってタイマ
の計時動作を中断させた後、当該追焚き終了以降、実湯
温が設定温に至ったと判断された時点で、中断されたと
きに計数していたタイマ時間と同じ時間tXの計数を新
たに開始されたことを意味する。
この後、第2図示フロー・チャートの頭に戻ると、そ
こでまた、現在自動保温モードにあるか否かが問われ、
この判断はイエスとなるのでメイン・ルーチン中を下に
進み、タイマはカウント・アップしたか否かが問われ、
以降、この判断動作を所定周期で繰返す。
やがて、タイマがカウント・アップすると、この判断
ステップから結合子を介して三列目上側のサブ・ルー
チン途中に移り、ここで再び循環ポンプ25がオンとさ
れ、一定時間TDの経過後、温度センサ27により、この
ときの浴槽23内の実湯温Knを検出し、これを#1レジス
タに記憶される。
上記の処理ステップに次いで再び、判断ステップで
『実湯温Kn>設定温KS?』なる判断が行なわれる。当
然、再度起動したタイマが温度低下予想時間tXを経過
した時刻では実湯温は冷めているので、一般にこの判断
ステップにおける答えはノーとなり、これにより、次の
処理ステップで再度、追焚き燃焼の開始を生み、その
後、マイクロ・コンピュータは第2図示のフロー・チャ
ートの頭に戻って自動保温モードであるか否かの判断の
結果、すでに自動保温モードであるのでイエスと判断
し、次いで、他の外乱はなくともここではすでに追焚き
中に入っているので、追焚き中であるか否かの判断ステ
ップにより、追焚き中であることを判断して結合子を
介する三列目上側のサブ・ルーチンの途中に移り、実湯
温Knが設定温KSを越えたか否かが判断される。
このルーチンについてはこれまで何度か説明したと同
様であり、沸き上がりまでは当然、ノーと判断され続け
るが、浴槽23内の湯の実湯温Knが設定温KSに至ると、
上記した第2図中、三列目上側のサブ・ルーチンにおけ
る実湯温Kn対設定温KSの比較判断ステップにおいてイ
エスの側に流れが移り、結合子を介し、右隣りの四列
目のサブ・ルーチンに移る。
ここで循環ポンプ25が止められ、追焚きが終了した
後、温度センサ27を介し実湯温Knが検出され、これが#
2レジスタに記憶される。
次いで、ここで再び、後述のように、各種外乱動作が
終了したのかタイマがカウント・アップしたのかを弁別
する都合上、当該タイマがカウント・アップしたか否か
が検出され、ここでは当然、新たに起動したタイマはカ
ウント・アップした以降の動作であるのでイエスの側に
進み、同様に再び、現在保温モードにあるか否かが問わ
れ、ここでもイエスであるので、結合子を介し第2図
最右端列の流れに移る。
この後は、既に自動追焚きモードに関して説明したと
全く同様のステップ群を経ることになり、外乱のない場
合の繰返し自動追焚きモードにおける順序動作と全く同
様の動作が繰返されて行く。
次に、例えば使用者が設定水位を変更し、注湯したい
と思うか、あるいは設定水位を自動的に保つモードにお
いて給湯システム中の制御装置ないしマイクロ・コンピ
ュータが注湯を指令した場合につき考察する。
この場合にはまず、第2図中、左端一列目に示されて
いるメイン・ルーチン中にあって自動保温モードに入っ
て以降、注湯要求が出されているか否かの判断ステップ
でイエスの方に移り、結合子を介して二列目上側のサ
ブ・ルーチンの途中に移る。
ここで、実水位が設定水位を越えているか否かが判断
され、注湯要求を出すに適当な状態、つまり、設定水位
に実水位が至っていない場合にはノーと判断されて第1
図中の切換電磁弁17が開かれ、すでに述べた出湯動作に
より、熱交換器11を介して設定温を満たすべき出湯温に
制御された湯が浴槽23内に供給されて行く。
こうして注湯動作が開始すると、第2図示のフロー・
チャートの次の実行サイクルでは、判断ステップ『注湯
中?』での判断がイエスとなり、再度、設定水位に対し
ての実水位の高低が判断され、これが繰返されて行く。
やがて、実水位は設定水位を越えたと判断されると、
当該判断ステップから結合子を介して三列目上側のサ
ブ・ルーチンに移り、切換電磁弁17が閉じられた後、循
環ポンプ25がオンとされ、既述した実湯温検出のために
有効な浴槽内攪拌時間TDを経過後、実湯温Knが検出さ
れ、これが#1レジスタに記憶される。
これに続いて当該実湯温Knが設定温KSだけあるか否
かが判断され、ない場合には、すでに説明したシーケン
スに従って追焚き燃焼が続けられ、ある場合には結合子
から四列目のサブ・ルーチンに移るが、いずれにして
も、これ以降の動作は、第2図示のフロー・チャートか
らも明らかなように、外乱の一つとして先に取り上げた
ように、タイマのカウント・ダウン中に途中で追焚き動
作が生じた場合に対する対応と全く同じことになり、最
終的には外乱のない場合の繰返し自動追焚きモードにお
けると全く同様の順序動作に戻る。
したがって、本実施例では、注湯という水位変化が検
出されるとタイマのカウントは中断され、注湯動作終了
以降、実湯温Knが設定温KSに至ったと判断された時点
からタイマが再起動されることになる。そして、これは
また、水位変化を起こす他の要因であって、本発明の繰
返し自動追焚きモードにとってはやはり他の外乱の一つ
となる注湯動作についても言える。
ただ、注湯動作と注水動作では、本発明に直接の関係
はない部分ではあるが、多少の相違があるのでその部分
につき主として説明すると、使用者が例えば設定温KS
の低下操作をした場合、これは実質的に水で湯をうめる
動作、すなわち、注水要求が出されているのと等価にな
るから、マイクロ・コンピュータが第2図示のフロー・
チャート中、メイン・ルーチンに即してのプログラムを
実行した際、当該「注水要求」が出されているか否かの
判断ステップを経た結果として結合子を介し、二列目
下側のサブ・ルーチンに移り、ここで一連の処理ステッ
プにより、湯を設定温KSにまでうめるに必要な水量が
演算される。
まず、このときの実湯温Knが取込まれ、次いで現在
の浴槽23内の全湯量である実水量Qnが検出される。す
でに従来例に関して述べたように、圧力センサ26の検出
値からは、実水位データのみならず、当初の浴槽内形状
の学習に際しての流量センサ28から得られる流量値に基
づく積算流量等にも基づき、それまでに浴槽23内に注入
するに要した湯量も把握することができる。
一方、設定温KSは当然に既知であるので、もし仮
に、使用者が設定温KSを下げる等の操作をした結果、
実湯温Knの方が当該設定温KSよりも高くなってしま
い、本当に水でうめる必要があるならば、このときに供
給され得る水の温度KCは給水温センサ19により検出で
きるので、実湯温Knを設定温KSにまで低下させるに必
要な追加の水量(注水量)QPは、簡単には例えば QP=Qn・(Kn−KS)/(KS−KC) として求めることができる。設定温KSの方が実湯温Kn
より高ければ、上記の必要な注水量QPは負の値にな
り、図示していないが、その場合には注水要求を無視す
るフローが組み込まれていても当然に良く、そのように
すれば、以下に示される繰返し自動追焚きモードの中断
はない。
しかし、一般には有意の正の値として当該注水量QP
が得られるので、次に第1図中の切換電磁弁17が開いて
注水動作が開始される。もちろん、このときにはバーナ
12に着火されることはなく、熱交換器11は単なる水の流
路となる。
注水動作が開始すると、第2図中のメイン・ルーチン
において当該「注水中」にあるか否かの判断ステップの
答えがイエスとなり、結合子を介し、三列目下のサブ
・ルーチンに移って、演算された設定量QPだけの水が
すでに供給されたか否かが繰返して検出される。これに
は流量センサ28からのデータを積算して使っても良い
し、圧力センサ26に関するデータを利用しても良い。
やがて、設定量の注水が終わると、結合子を介して
当該判断ステップから三列目上側のサブ・ルーチンに移
り、切換電磁弁17が閉じられた後、循環ポンプ25がオン
とされ、既述した実湯温検出のために有効な浴槽内攪拌
時間TDを経過後、実湯温Knが検出され、これが#1レ
ジスタに記憶される。
これに続いて当該実湯温Knが設定温KSだけあるか否
かが判断され、ない場合には、すでに説明したシーケン
スに従って追焚き燃焼が続けられ、ある場合には、結合
子から四列目のサブ・ルーチンに移るが、いずれにし
ろこれ以降の動作は、第2図示のフロー・チャートから
も明らかなように、外乱の一つとして先に取り上げた途
中追焚きが生じた場合や、注湯動作に対する対応と全く
同じことになり、最終的には外乱のない場合の繰返し自
動追焚きモードにおける全く同様の順序動作に戻る。
したがって本実施例では、注水という水位の変化が検
出されてもタイマのカウントは中断され、注水動作終了
以降、実湯温Knが設定温KSに至ったと判断された時点
からタイマが再起動していることになる。
全く同様にして、必要があれば、他の原因による水位
変化、例えば人が入浴したことによる水位変化や、逆に
浴槽から出たことによる水位変化をも第1図中の圧力セ
ンサ26により捕えることができるので、これらを同様に
本発明の繰返し自動追焚きモードにとっての外乱として
捕えるならば、これらの外乱が生じたときにはタイマの
計測を中断させ、そうした外乱終了の後にあって追焚き
燃焼を経る等した結果、実湯温が設定温に至ったと判断
された時点からタイマを再起動するように計れば、この
ような他の外乱にも強い自動保温動作を期待できる。
以上、本発明の実施例に関して詳説したが、これに対
する改変は種々考慮でき、例えば各追焚き動作終了時に
は上記実施例では実湯温Knを取込んでいたが、この追
焚き終了時点の実湯温Knが設定温KSに等しいと看做せ
る範囲内にあるならば、第2図中のフロー・チャートに
おける各判断ステップや演算ステップで用いられる当該
実湯温Knは設定温KSで代えても良い。ただ、第2図示
フロー・チャートの場合には、むしろ、追焚き終了時に
も実湯温Knを検出するようにした方が合理的な流れを
組むことができる。
さらに、上記実施例では、追焚きを開始すべき温度K
mは、設定温KSに対しての温度差ΔKcにより定義した
が、具体的な各設定温KSの各値に対して追焚き開始温
度Kmもそれぞれ絶対値で与えて置いても良い。もちろ
ん、使用者により、追焚きを開始すべき温度Kmないし
設定温KSからの許容低下温度差ΔKcが好みに応じて設
定可能になっていても良い。
温度低下予想時間の演算や、これを導くための一例と
しての温度低下特性の演算、さらには各補正演算につい
ても、上記実施例では最も簡単な場合として、既述の通
り比例演算を採用しているが、これももちろん、熱対流
等にも鑑み、もっと適当な、ないしは高精度な方程式関
係が要求されるならば、それによっても良い。
なお、浴槽内の水位変化等については、すでに提供さ
れている給湯システムでは、第3図中に併示のように、
圧力センサを利用したものが好まれているので、本発明
の実施例でもこれを利用したが、先に少し述べたよう
に、原理的には古典的な液面検出計を利用したものでも
良いし、熱交換器についても、第3図示のように、給湯
専用の熱交換器11と追焚き専用の熱交換器21を個別に持
っていることは望ましいことではあっても本発明にとっ
ての限定的な要素ではない。単一の熱交換器11しか有さ
ないタイプのものでも本発明の適用が可能なことは明ら
かである。
[効果] 本発明に従うと、浴槽内の湯の自動保温動作、それも
特に自動追焚きの繰返し周期に関し、極めて望ましい結
果が得られる。
すなわち、自動保温モード下では現に使用されている
浴槽内の湯が設定温から追焚き開始温度にまで低下する
に要するであろう温度低下予想時間を過去の来歴を用い
てその都度、演算、更新し、この最新の時間データに基
づいて自動追焚きを繰返しているので、冒頭に述べたよ
うに、季節ないし大気温の変化のみならず、用いられて
いる浴槽の形状や深さ、材質あるいは熱伝達係数の差
異、浴室の広さや方角、日の当たり具合等々、浴槽内の
湯の温度低下特性を左右する種々の要因が各浴場施設ご
とに当然のことながら異なっても、その各施設ごとに最
適な繰返し周期での追焚きが可能となり、給湯システム
設置の自由度が大いに増す。
したがってまた、従来例におけるように、季節変動の
中、どれかの季節に併せて自動追焚きの繰返し周期を最
適に固定設定すると、季節の変化により追焚きを開始す
る前には実湯温が冷め過ぎていたり、逆にまだ追焚きを
必要とする程に冷めてはいないのに、ただ決められた時
間が来たからという理由だけで追焚きが開始してしまう
ような不具合を避けることができる。追焚き開始温度自
体をも適当なるよう補正する実施例の場合には、その効
果は一層補強され、使用者の体感にとって一層ふさわし
い制御をなすことができる。
早過ぎる追焚きを繰返すことがないということは、エ
ネルギ消費上も有利であって、いわゆる省エネルギとな
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例に従って動作する自動保温モ
ードないしは繰返し自動追焚きモード下における浴槽内
の湯の温度履歴特性例を示す説明図, 第2図は本発明の一実施例をフロー・チャートによって
説明する説明図, 第3図は本発明方法を適用できる自動給湯機ないし自動
給湯システムの概略構成図, 第4は従来の自動保温動作の説明図, 第5図は従来における自動保温動作をフロー・チャート
によって説明する説明図, である。 11……給湯用熱交換器,12……バーナ,13……元電磁弁,1
4……比例弁,15……蛇口,16……シャワー,17……切換電
磁弁,18……ファン,19……給水温センサ,20……出湯温
センサ,21……追焚き用熱交換器,22……バーナ,23……
浴槽,24……比例弁,25……循環ポンプ,26……圧力セン
サ,27……温度センサ,28……流量センサ.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−102648(JP,U) 実開 昭63−43035(JP,U) 実開 昭60−187910(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浴槽内に張られた湯を時間間隔を置いて繰
    返し自動追焚きし、かつ、各回ごとの該自動追焚きは、
    該浴槽内に張られた湯の実際の温度である実湯温があら
    かじめ定められた設定温に達するたびに終了させる保温
    制御装置を用いた浴槽内の湯の保温方法であって; 各回の追焚き終了時からその次の回の追焚き開始時まで
    の上記時間間隔は、該各回の一回前である前回の追焚き
    終了時における上記浴槽内実湯温または上記設定温と、
    該前回の追焚き終了時から該各回の追焚き開始時までの
    過去における上記時間間隔を途過したときの上記浴槽内
    実湯温、及び該過去における時間間隔とに基づき、その
    度ごとに算出、更新するようにしたこと; を特徴とする浴槽内の湯の保温方法。
  2. 【請求項2】上記算出される時間間隔は、該各回の追焚
    き終了時から追焚き開始すべき温度まで上記実湯温が低
    下するに要するであろう温度低下予想時間として算出さ
    れる時間値に補正を施したものであること; を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】上記追焚きを開始すべき温度も、上記補正
    された時間間隔に応じて補正されること; を特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】上記保温制御装置に電源が投入された後に
    始めて上記実湯温が上記設定温に到達したと最初に判断
    されたとき以降、該浴槽内の湯に対する第一回目の自動
    追焚きを行なうまでの上記時間間隔だけは、上記算出に
    よらず、予め定められた一定時間となっていること; を特徴とする請求項1,2または3に記載の方法。
  5. 【請求項5】上記時間間隔を途過するまでに追焚き動作
    が生じた場合、該途中で生じた追焚き動作の終了時から
    再度、上記時間間隔を途過するまでは、上記次の回の自
    動追焚きを開始させないこと; を特徴とする請求項1,2,3または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】上記保温制御装置には浴槽内の水位の変化
    を検出する手段も設け; 上記時間間隔を途過するまでに上記水位の変化が検出さ
    れた場合、該水位変化が収まったと判断され、かつ、上
    記実湯温が上記設定温に至ったと判断された時点から再
    度、上記時間間隔を途過するまでは、上記次の回の追焚
    きを開始させないこと; を特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載の保温方
    法。
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JPS60187910U (ja) * 1984-05-21 1985-12-12 大同ほくさん株式会社 浴槽内温湯調整装置
JPS6343035U (ja) * 1986-09-05 1988-03-22
JPH07827Y2 (ja) * 1987-12-28 1995-01-11 日立化成工業株式会社 追い焚き装置

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