JP2609171B2 - アイスクラッシャー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 （産業上の利用分野） この発明は、冷凍庫等で作られた氷魂を砕いて小さな
水片にするアイスクラシャーに関する。

（従来の技術） 従来のアイスクラッシャーを第７図に示す。図示しな
い電動機である駆動源を内蔵した基体１上に、上端が開
口した容器２が着脱自在に設けられている。容器２内に
は上端に投入口３を形成した投入筒４が着脱自在に設け
られている。

また、前記電動機の回転軸５には、カップリング6,7
を介して容器２内の底部に位置した回転体８が連結され
ている。この回転体８の上部は円板上に形成され、上面
に回転方向に沿って破砕突部９を備えている。そして、
前記回転体８と投入筒４の下端開口縁との間に間隙Ｘを
形成している。

投入口３から投入された氷魂は、回転体８の上面に備
えた破砕突部９によって破砕され、間隙Ｘの大きさより
小さくなった氷片を遠心力により間隙Ｘから容器２内の
底部に排出し、一定の大きさの氷片を作るものである。

（発明の解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のアイスクラッシャーによれ
ば、破砕突部がその回転方向に沿って形成されているた
め、氷魂は、破砕突部に衝突する位置、つまり破砕突部
の通過地点のみしか破砕せず、破砕するのに相当の時間
がかかるという問題があった。さらに、破砕された氷片
が投入筒の下端開口縁に付着して、容器内への氷片の排
出を妨げてしまうという問題があった。

この発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、
氷塊の破砕効率を向上させるとともに破砕された氷片の
容器内への排出を良好とすることができるアイスクラッ
シャーを提供することを目的とするものである。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） この発明は上記問題点を解決するために、上部が開口
した容器と、この容器の内部に少なくとも下端開口が位
置し上方に投入口を形成した投入筒と、この投入筒の下
端開口縁との間に環状の間隙を有して前記容器内に配設
され回転駆動される回転体と、この回転体の上面に前記
下端開口縁の下方に位置して設けられこの回転体の略半
径方向に沿って突出するとともに外周部が前記下端開口
縁に近接する第１破砕突部と、前記回転体の上面に前記
第１破砕突部よりも高く突出した第２破砕突部とを設け
たものである。

（作用） 上記構成のアイスクラッシャーは、投入口から氷塊を
投入して回転体を回転駆動すると、氷塊は回転する第
１、第２破砕突部で破砕される。このとき、回転体の上
面からの突出高さが高い第２破砕突部で氷塊を大まかに
破砕するとともに略半径方向に沿って突出する第１破砕
突部で細かく破砕する。破砕された氷片は遠心力と第１
破砕突部の掃き出し作用とによって、速やかに容器内に
排出される。また、破砕中に投入筒の下端開口縁に付着
した氷片は第１破砕突部の外周部でかき落とされる。

（実施例） 以下、この発明に係るアイスクラッシャーの第１の実
施例を第１図から第５図に基づいて説明する。

第１図において、20は図示しない電動機などの駆動源
を内蔵しミキサーなどに共用できる基体で、凹所21の底
面中央を上下方向に貫通する駆動軸22が軸受23により回
転自在に支持されている。駆動軸22は前記駆動源に連動
して回転されるとともに、その上端には主カップリング
24が固定されている。

25は上面が開口した有底面筒状をなす容器で、下部に
形成された取付部26が前記凹所21に嵌合することによっ
て基体20に着脱自在に取りつけられる。容器25の内底面
中央には、これを貫通する回転軸27が軸受28によって回
転自在に支持されており、この回転軸27の下端には、前
記主カップリング24と嵌合する従カップリング29が固定
されている。

回転軸27の上部に固定された支持部材30には２個の係
止突部31が形成され、回転体32が着脱自在に取り付けら
れている。第２図、第３図に示すようにこの回転体32は
合成樹脂からなり、その上部は円板33が形成されてい
る。そして、この円板33上面には、リベットにより板状
の金属片からなる支持体34が固定され、その上面が円板
33上面と同一平面を成し、その一端は円板33の外周ま
で、多端は外周近くまで形成されている。この支持体34
の一端側には、一体的にこれを折曲して形成され、回転
体32上面から上方へ突出し一端部から回転中心に向かっ
て略半径方向に沿って延びる第１破砕突部35が設けられ
ている。また、この第１破砕突部35の回転中心に対して
略対称位置である支持体34の他端側には、これを折曲し
て前記円板33の略円周方向に沿って延び、回転方向先端
側が高くなるような傾斜を有する第２破砕突部36が設け
られている。この第２破砕突部36は、回転方向先端側が
その後端側に較べて回転中心に近くなるような傾きを有
している。

回転体32の下部には、一対のスリット37とリングスプ
リング38が挿入される環状溝39とが形成されている。

回転体32を支持部材30に装着する場合には、前記２個
の係止突部31を一対のスリット37に位置合わせした後、
回転体32を支持部材30の上方から下方へ移動させると、
リングスプリング38が係止突部31を乗り越えた後弾性力
で復元して係止されることにより、回転体32を支持部材
30に取りつけることができる。回転体32の支持部材30か
らの取り外しは、取りつける場合と逆の動作を行うこと
により簡単に行うことができる。

第１図に示すように、40は容器25内に取りつけられる
投入筒で、上方から径大部41,テーパ部42,径小部43が一
体に形成されるとともに、上方に投入口44を、下端に下
端開口縁46aをそれぞれ形成している。この下端開口縁4
6aは、前記回転体32の上方に対向して位置しており、そ
の外径は、前記円板33の外径より若干小さいかまたは等
しい寸法を有している。

また、投入筒40は上部に環状の段部45を有し、この段
部45が容器25の上縁に載置されることにより容器25に取
りつけられている。

47は容器25内の投入筒40下端に着脱自在に設けられる
アタッチメントで、上端には投入筒40の下端開口と連通
する上端開口部48を形成している。そして、第１図に示
すように、投入筒40の径小部43に連続し、かつ一体結合
して、下端には下端開口縁46bを形成している。アタッ
チメント47と投入筒40の着脱は、第４図および第５図に
示すように、投入筒40の下部外側面２個所に凸部49を設
け、この凸部49と合致するネジ状の傾斜面を有する凹部
を備えた２個の結合部50および回転体32の回転方向に対
して係止する結合部50と一体形成した係止部51を設けた
ことにより行われる。アタッチメント47の外周側面には
投入筒40の外径に等しい内径を有する当接リブ52を２個
設け、アタッチメント47を取りつける際の案内となり、
また稼働時には両者の結合状態を堅固にするものであ
る。また投入筒40の外周に設けた４個のリブ53は、容器
25と投入筒40との位置関係を強化するために役立つ構造
となっている。

また、投入筒40の中心と回転軸27とは第１図に示すよ
うに同一線上にある。第２破砕突部36の上端は、前記ア
タッチメント47を一体結合したときには、その下端開口
縁46bよりも上方に位置し、また、アタッチメント47を
装着していないときには、投入筒40の前記下端開口縁46
aよりも下方に位置している。そして、この両方の場合
とも、下端開口縁46a,46bと回転体32の円板33上面とに
環状の間隙を形成するようになっている。そして、氷片
の大きさを決定する要因であるこの間隙の大きさ、すな
わち下端開口縁46a,46bの円板33の外周円との距離は全
周にわたって均一である。

54は投入口44を覆う開閉自在な蓋体で、中央部には空
気を逃がすための孔55が形成されている。蓋体54には係
合部56が設けられており、この係合部56が容器25上端外
側に設けられた被係合部57と係合することにより、容器
25に取りつけられる。

次に第２の実施例について、第６図を用いて説明す
る。前記第１の実施例の構成と同一部分には同一の番号
を用いて示しているが、第１の実施例と異なるのは、ま
ず回転体32の円板33の外径が、投入筒40の下端開口縁46
aおよびアタッチメント47の下端開口縁46bの内径よりも
小さいことである。これにより第１破砕突部35は、第１
の実施例よりも回転中心に近い位置に設けられている。
第２の破砕突部36の取付位置は、投入筒40およびアタッ
チメント47に対して第１の実施例と略同一にあるが、円
板33に対してはその外周部分に位置している。その他の
構成については、第１の実施例と同一である。

次に、上記構成によるアイスクラッシャーの作用の一
例を説明する。

まず、容器25から蓋体54を外し、例えば、冷凍庫の製
氷皿で作った氷魂を８〜９個程度、上方の投入口44から
投入筒40内に投入する。そして、蓋体54を閉じた後、基
体20に内蔵された駆動源を作動させて駆動軸22を回転さ
せる。そして、主カップリング24,従カップリング29,回
転軸27,支持部材30に順次伝達して回転体32を回転させ
て、回転体32の円板33上面に設けられた第１破砕突部35
および第２破砕突部36を回転させ、氷魂に間断なくこれ
を衝突させる。そして、衝突の際の衝撃により、氷魂が
次々に打ち砕かれて氷魂は小さな氷片となる。そして、
この氷片は、回転体32の遠心力と後に詳細する第１破砕
突部35との相乗効果により、投入筒40の下端開口縁46a,
またはアタッチメント47を一体結合したときの下端開口
縁46bと回転体32の円板33上面との間に形成された間隙
を通って容器25の底部へ排出され収容される。

なお、比較的小さな氷片、例えばかき氷を作るとき
は、投入筒40の下端開口にアタッチメント47を投入筒40
と一体結合するように取りつけ、円板33上面と下端開口
縁46bとの間隙の大きさを１〜1.5mm程度にしておく、ま
た、比較的大きな氷片、例えばクラッシュアイスを作る
ときは、アタッチメント47を投入筒40から外しておき、
投入筒40の下端開口縁46aと回転体32の円板33の上面と
の間隙を10〜15mm程度にしておく。

ところで、第２破砕突部36は、回転方向先端側が高く
なる傾斜が形成されており、この傾斜があるため氷魂が
第２破砕突部36に乗ってしまうことがなく氷魂を大まか
に砕き、円滑にかつ確実に破砕することができる。第１
破砕突部35は、円板33上面に略半径方向に設けられてい
るので、それまでに第１破砕突部35または第２破砕突部
36で大まかに砕かれた氷片をさらに破砕し、所定の大き
さに破砕された氷片を遠心力よって間隙から排出される
ものである。前記第２破砕突部36は、高速で回転してい
るため円周方向に壁を作る状態となり、一定の大きさに
砕かれた氷片を速やかに排出するのを防げるが、略半径
方向に延びた第１破砕突部35は、破砕すると同時に破砕
された氷片を積極的に排出させる羽根の役割をはたして
排出を促進させるため、氷片が氷魂に絡みついて溶け、
氷魂同士が固着して空回りするのを避けることができ
る。そして、大きさにバラツキの少ない所望の氷片を得
ることができる。

第１の実施例においては、突出度の高い第２破砕突部
36によって大きめに砕かれた氷魂は、第１破砕突部35に
よって氷魂の下端を削りとるようにさらに細かに破砕し
て、下端開口縁46aまたはアタッチメント47を取りつけ
た場合には46bとの間隙から容器25内に排出される。こ
の際、細かにされた氷片が下端開口縁46aまたは46bの周
囲に付着して円板33との間隙を塞ぐように作用するが、
下端開口縁46aまたは46bの下方まで延びている第１破砕
突部35の先端部が、その部分をかき落とすため間隙が閉
塞されることはない。また第１破砕突部35は、下端開口
縁46aまたは46bとの間で氷魂を砕くこともできる。

以上のように、少なくとも２か所の破砕突部を設けた
ので、間断なく破砕突部に氷魂を衝突させることができ
破砕効率が向上し短時間で所望の氷片を得ることができ
る。

なお、上記実施例では、形態の異なった２つの破砕突
部を回転体の回転中心に対して対称位置に設けたもので
あるが、例えば第１破砕突部35および第２破砕突部36を
それぞれ２ヶ所づつ設けたもの、またどちらか一方を２
ヶ所にし、他方を１ヶ所に設けてそれぞれ120度の角度
で配置してもよく、上記実施例に限定されるものではな
い。

また、上記実施例は、加工部と駆動源を内蔵した基体
とを分離しできる調理器、例えばミキサーの基体に容器
25を取りつけて使用することもできるアイスクラッシャ
ーを示しているが、容器25と基体とが最初から着脱不可
能に一体的に形成されたものでもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明のアイスクラッシャーによ
れば、氷塊を第２破砕突部で大まかに破砕するとともに
第１破砕突部で細かく破砕することにより、破砕効率を
向上させることができる。また、破砕された氷片は、遠
心力と第１破砕突部の掃き出し作用とにより、投入筒の
下端開口縁と回転体との間の環状の間隙から速やかに容
器内に排出させることができる。しかも、第１破砕突部
の外周部によって投入筒の下端開口縁に付着した氷片を
かき落とすことができるので、環状の間隙が閉塞される
ことがないことから、破砕された氷片を速やかに容器内
に排出させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の第１の実施例に係るアイスクラッ
シャーの断面図、第２図は、同上の破砕突部を設けた回
転体の斜視図、第３図は、同上の容器に投入筒を装着し
た状態を示す平面図、第４図は、同上のアイスクラッシ
ャーの分解斜視図、第５図は、同上の投入筒とアタッチ
メントの斜視図、第６図は、この発明の第２実施例に係
るアイスクラッシャーの一部断面図、第７図は、アイス
クラッシャーの従来例を示すものである。 図中、 20……基体、25……容器 32……回転体、33……円板 35……第１破砕突部、36……第２破砕突部 40……投入筒、50……アタッチメント

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上部が開口した容器と、この容器の内部に
   少なくとも下端開口が位置し上方に投入口を形成した投
   入筒と、この投入筒の下端開口縁との間に環状の間隙を
   有して前記容器内に配設され回転駆動される回転体と、
   この回転体の上面に前記下端開口縁の下方に位置して設
   けられこの回転体の略半径方向に沿って突出するととも
   に外周部が前記下端開口縁に近接する第１破砕突部と、
   前記回転体の上面に前記第１破砕突部よりも高く突出し
   た第２破砕突部とを設けたことを特徴とするアイスクラ
   ッシャー。