JP2608922C - - Google Patents

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JP2608922C
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、コンデンサ材料として有用な耐還元性の良い高誘電率セラミックス
組成物に関する。 従来の技術 鉛系複合ペロブスカイト、例えば Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3の焼成体は、バイアス特性、高誘電特
性などが優れているため、コンデンサ材料として利用されている。 ところで、この鉛系複合ペロブスカイトを用いて電子部品を製造するには、通
常セラミックス素材と電極の一体焼成が行われるが、この場合の電極材料として
は酸化を防止するために、白金、パラジウムのような貴金属を用いることが必要
であり、コスト高になるのを免れない。このような貴金属電極の使用によるコス
ト高を避けるために、安価な銀−パラジウム合金を代用することが提案されてい
るが、このものを用いると比抵抗が著しく上昇し、高周波特性その他の電気特性
が低下する上、銀の配合割合を多くするとマイグレーションの原因になり信頼性 が損なわれるという欠点を生じる。 他方、電極材料としてニッケルや銅のような卑金属を用いる試みもなされてい
る。この場合にはニッケルや銅が焼成に際して酸化されるのを防ぐために、低酸
素分圧雰囲気中で焼成することが必要であるが、鉛系複合ペロブスカイトを低酸
素分圧雰囲気中で焼成すると格子中の酸素が失われ、その結果、過剰の電子を生
じてn型半導体となり抵抗値が低下するのを免れない。 このような欠点を克服するため、鉛系複合ペロブスカイトの結晶格子中のAサ
イトに位置するPbの一部にCaを導入して、半導体化を抑制したものが提案さ
れている(特開昭62−87455号公報)。 発明が解決しようとする課題 従来の耐還元性鉛系複合ペロブスカイト焼結体は、結晶格子のAサイトの2価
のPb原子の一部にさらに2価のCa原子を導入し、Aサイト元素の総量をより
過剰にすることで酸素原子の放出に起因して発生した電子を補足するものである
が、このCa原子の導入のために新しい成分、例えばCaOを添加しなければな
らない。しかし、この場合Aサイトに位置するPb原子と新たに導入されるCa
原子とはイオン半径が異なるため、置換しにくい上に、CaOの添加量が増加す
るとともに誘電率が低下するという好ましくない傾向がある。 本発明は、このようなAサイトの成分を置換する代わりにBサイトの成分であ
るMgとNbあるいはTiの中のNb,Tiの一部をMgで置換することにより
、Aサイトの成分の置換と同等の電子補足効果を発生させるとともに、異種成分
の導入及び置換される金属間のイオン半径の差異に起因するトラブルを克服しよ
うとするものである。 課題を解決するための手段 本発明者らは、鉛系複合ペロブスカイトの耐還元性を改良するために鋭意研究
を重ねた結果、PbO、MgO、Nb25、TiO2及びMnO2を所定の割合で
混合し、酸素分圧が10-4〜10-12気圧、700〜1300℃の非酸化性雰囲
気で焼成して、 一般式 Pba(MgbNb2/3xTiya+(b+5/3)x+2y で表わされる組成において 0.95≦a≦1.2 0.334≦b≦1.0 0.65≦x≦0.97 かつx+y=1 の条件を満たす焼結体を形成させることによりその目的を達成しうることを見出
し、本発明をなすに至った。 すなわち、本発明は、一般式 Pba(MgbNb2/3xTiyOa+(b+5/3)x+2y … (I) (式中のa、b、x、yは前記と同じ意味をもつ) で表わされるセラミックス組成物を提供するものである。 本発明のセラミックス組成物の中で、特に好適なものは、一般式 Pb(MgbNb2/3xTiy1+(b+5/3)x+2y … (II) (式中のbは0.334≦b≦1.0の範囲の数である) で表わされるセラミックス組成物である。 本発明のセラミックス組成物においては、Bサイト成分中の5価のNb原子あ
るいは4価のTi原子の一部が2価のMg原子に置き換わり、その原子価の差に
よって、焼成中に酸素の放出によって生じる過剰分の電子が補足され、n型半導
体化が抑制されているものと考えられる。 前記一般式(I)において、その組成物中のAサイト成分のPb原子が0.9
5未満あるいは1.20よりも多くなると鉛系複合ペロブスカイトの結晶構造が
不完全となり比誘電率の小さいパイロクロア相が増大する。 また、Bサイト成分中のMg原子が0.334以下では耐還元性が得られない
し、1.0よりも多くなると誘電率が低下する。 前記一般式(I)のセラミックス組成物はPbO、MgO、Nb25、TiO
2及びMnO2あるいは焼成によりこれらの酸化物を生成しうる化合物を、最終的
に所望の組成に相当する原子割合で混合して仮焼し、この仮焼物を粉砕後所望の
形状に成形し、非酸化性雰囲気中で焼成することにより製造される。この際の非
酸化性雰囲気として窒素、アルゴンのような不活性雰囲気又は一酸化炭素、水素
のような還元性雰囲気が用いられ、酸素分圧は10-4〜10-12気圧、好ましく
は10-6〜10-10気圧にするのがよい。焼成温度としては、700〜1300
℃、好ましくは800〜1000℃の範囲が用いられる。 このようにして得られた本発明のセラミックス組成物は、銅が酸化されない条
件、例えば970℃、酸素分圧10-7気圧という条件で焼成したものについても
1012Ωcm以上という高い比抵抗値を示す。 次に、本発明のセラミックス組成物を用いて、積層コンデンサを製造するには
、例えば原料粉末にバインダーと溶剤を加えてスラリーとし、厚さ15μm程度
のシートに成形し、銅電極ペーストを印刷後積層し切断する。次いで、熱処理に
よりバインダーを除去したのち、酸素分圧を制御して焼成した。焼成体に外部電
極として市販の銅ペーストを塗布し窒素中で焼き付け、また外部電極を同時焼成
することも可能である。 発明の効果 本発明の鉛系複合ペロブスカイトセラミックス組成物は低酸素分圧雰囲気下で
焼成しても高抵抗値を保つことができることから、卑金属電極の使用が可能とな
り、低コスト化が計れる上、従来のチタン酸バリウム−ニッケル系コンデンサに
比べ、同一容量でも小形となり、バイアス特性も優れ、さらにまた焼成温度も低
下するので、銅のような比抵抗の小さい電極の使用も可能となり、高周波特性が
向上するのみでなく、焼成コストも低下するという顕著な効果を奏する。 本発明の鉛系複合ペロブスカイトセラミックス組成物はコンデンサ材料などと
して有用である。 実施例 次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。 実施例1 高純度のPbO、MgO、Nb25、TiO2、MnO2を所定量秤量し、ジル
コニアボールを用いて純水を溶媒としてボールミルで15時間湿式混合し、吸引
ろ過後乾燥したのち、800℃で2時間仮焼した。得られた仮焼物を粗砕し、ジ
ルコニアボールを用い純水を溶媒としてボールミルで15時間粉砕したのち、吸
引ろ過後乾燥した。以上の仮焼、粉砕、乾燥を数回繰り返し、原料粉末とした。
この粉末にバインダーとしてのポリビニルアルコール6重量%水溶液を粉体量の
6重量%加え、32メッシュふるいを通して造粒し、成形圧力1000kg/c
2で乾式プレスにより成形した。この成型物は空気中700℃で2時間加熱し
バインダーをバーンアウト(焼却)した後、電気炉によりCO−CO2混合ガス
を流して酸素分圧が1.0×10-7気圧になるように調節しながら、970℃ま
で400℃/hrで昇温し2時間保持した後、400℃/hrで降温して鉛系複
合ペロブスカイトセラミックス組成物を得た。 次の第1表に該組成物の成分の割合〔a、b、x、yはPba(MgbNb2/3
xTiya+(b+5/3)x+2yと表わしたときの値〕、抵抗率、比誘電率を示した。 なお第1表中*印を付したものはこの発明(1)の範囲外のものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) 酸素分圧が10-4〜10-12気圧、700〜1300℃の非酸化性雰囲
    気で焼成して得られたセラミックス組成物であって一般式 Pba(MgbNb2/3xTiya+(b+5/3)x+2y (式中 0.95≦a≦1.2 0.334≦b≦1.0 0.65≦x≦0.97 かつx+y=1 で表わされることを特徴とする高誘電率セラミックス組成物。 (2)請求項1の組成物に対し、MnO2をモル比で 0.001≦MnO2≦0.02 の範囲含有することを特徴とする高誘電率セラミックス組成物。

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