JP2608867B2 - 分割型複合繊維の製造方法 - Google Patents
分割型複合繊維の製造方法Info
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Description
方の成分Aが他方の成分Bを複数個に分割する形態を有
する分割型複合繊維の製造方法に関し、更に詳しくは分
割成分は他方の成分より極めて速いアルカリ溶解性を有
する分割型複合繊維の製造方法に関するものである。
れている。例えば特公昭47−47532号には「ポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと略す)を70w
t%以上含むポリエステル系分割型複合糸に於て、数平
均分子量10,000以上のポリアルキレングリコール
類を5〜16wt%添加してなるポリエステルを複合糸
のアルカリ溶出成分となし、非溶出成分としてPETを
80wt%以上含むポリエステルを用いる」ポリエステ
ル系分割型複合糸が記載されている。しかし、該複合糸
の溶出成分の、アルカリ溶出速度は、せいぜいPETの
30倍であり、該複合糸をアルカリ処理する際の、非溶
出成分であるPETも分解溶出される度合が大きいとい
う欠点がある。又、我々の試験では延撚〜仮撚等の工程
に於てガイド類への白粉付着が多いことも判った。
ル%以上がPETであるポリエステルを島成分とし、2
〜15モル%の−SO3 M(Mは金属又は水素原子)含
有ポリエステルを海成分とし、該海島成分のアルカリ溶
解速度恒数を各々Ks,KiとするときK3 /K1 が3
以上である」複合糸が開示され、更に特公昭63−20
939号には「一方成分Aにより他方成分Bが複数個に
分割された分割型複合糸をアルカリ水溶液で処理し、一
方成分Aの少なくとも一部を溶出し分割糸とする際に、
該分割複合糸の一方成分Aが全構成単位の3モル%以上
がエチレン5−ソジウムスルホイソフタレートであり且
つ80モル%以上がPETである固有粘度が0.60以
下のポリエステルを用い、他方成分Bが80モル%以上
がPETであり、固有粘度が0.50〜0.80の範囲
であり、且つ一方成分Aの固有粘度より0.05以上大
きいポリエステルを用い」た分割型複合糸が記載されて
いる。
スルホン酸基を導入する、又はスルホイソフタル酸を共
重合したPETは、確かにアルカリ溶解性が大きく向上
する。しかし固有粘度が低くても溶融粘度は極めて高く
なり、溶融紡糸が困難になる。このため、該共重合PE
Tは、ポリマー中のゲル(溶媒に溶かしても不溶の粒
子)が多くなり、溶融紡糸中に口金パックの濾過圧力を
急激に上昇させ、口金パックの交換周期を短かくする、
という欠点を有する。
意研究した結果達成されたものである。即ち、本発明
は、アルカリ溶出型分割複合糸に於て、溶出成分を、適
当な溶融粘度のものとし、紡糸中の口金パックの寿命を
長くし、且つアルカリ溶解速度の極めて速い分割型複合
繊維を提供せんとするものである。
なる少なくとも2種の成分が接合され、一方の成分Aに
より他方の成分Bが複数個に分割された横断面を持つ分
割型複合糸を溶融紡糸する際に、溶出される成分Aとし
て、1.5〜2.5モル%の5−ソジウムスルホイソフ
タル酸と、1.5〜2.5モル%の5−カリウムスルホ
イソフタル酸及びポリエチレングリコールとを共重合し
たポリエチレンテレフタレートを用いることを特徴とす
るものである。
は、一方の成分Aにより他方の成分Bが複数個に分割さ
れた横断面を持つものであれば特に限定されず、その例
を図1に示す。
は、1.5〜2.5モル%の5−ソジウムスルホイソフ
タル酸と1.5〜2.5モル%の5−カリウムスルホイ
ソフタル酸及びポリエチレングリコールを共重合したP
ETである。5−ソジウムスルホイソフタル酸と5−カ
リウムスルホイソフタル酸の最も好ましい比率は2:
2.5〜2.5:2モル%である。又、ポリエチレング
リコールの共重合率は、5〜12重量%である。スルホ
イソフタル酸の金属塩をPETに共重合するとアルカリ
に対する溶解性は向上するが5モル%の共重合ではPE
Tの30倍程度である。7モル%共重合ではPETの1
00倍程度となるが、5モル%以上では溶融粘度は極端
に増大し、溶融紡糸が困難である。故に、ポリエチレン
グリコールをも共重合し、溶融粘度を下げると共に、ア
ルカリ溶解速度を更に向上させる。
重量%を超えると得られた糸の走行中にガイド類への白
粉付着が増大し好ましくない。また、ポリエチレングリ
コールの分子量は1,000〜5,000が好ましい。
としては、アルカリに対して難溶解性を示すものであ
り、例えば溶解速度が成分Aの3%以下程度であればよ
く、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ナイロン6、ナイロン66、ポリアクリロニ
トリル系ポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リウレタン等が用い得、特に90モル%以上がポリエチ
レンテレフタレートであるポリエステルが好ましい。
が、溶出される成分Aの紡糸温度は280〜300℃が
好ましい。尚、本発明により得られた分割型複合繊維
は、公知の方法により織編物等とした後、カセイソーダ
によって溶解処理を行うことにより分割を行う。
ムスルホイソフタル酸を併用することにより、ポリマー
中のゲル(溶剤に溶かした時の不溶解物)が減少する。
すなはち、5−ソジウムスルホイソフタル酸、あるいは
5−カリウムスルホイソフタル酸だけでは該不溶解物が
多く、両者を適度に共存させると、理由は不明である
が、該不溶解物を減少させ得ることを見出したのであ
る。この状況を図2に示す。図2からも明らかな如く、
本発明では、溶出される成分Aをテトラクロロエタン/
フェノール(4:6)の混合液に溶かした際の粒度15
μ以上の不溶解物が800ケ/g以下となる。
尚、不溶解物の測定方法は次の通りである。ポリマー
0.125gを秤量し50mlのテトラクロロエタン/フ
ェノール(4:6)混合液に溶解する。図3に示す不溶
解物測定装置を用い、溶液を通すセルにレーザー光線を
当て、フォトレジスターで映像化して不溶解物の数を数
え、g当りに換算する。
ングリコール184部とをオートクレーブに投入し、エ
ステル交換触媒を加えて常法によりビスヒドロキシエチ
ルテレフタレートに変換した後、5−ソジウムスルホイ
ソフタル酸のエチレングリコールエステルのエチレング
リコール溶液、及び/又は5−カリウムスルホイソフタ
ル酸エチレングリコールエステルのエチレングリコール
溶液を表1に示す如くに加え、更に分子量4,000の
ポリエチレングリコールを理論ポリマー量の8重量%と
なる様に(約55部)加えて、重合触媒添加後常法によ
り共重合ポリエステルを重合しチップ化した。得られた
チップの不溶解物の測定結果も表1に併せ記す。
ETと接合比率1:3、紡糸温度290℃、紡糸速度1
500m/minで複合紡糸・延伸し横断面が図1
(c)となる複合糸75d/24fを得た。紡糸口金パ
ック内には15μ焼結フィルターを用い、濾過圧250
kg/cm2 となるまでの日数を調べた。結果を表2に
記す。又、得られた糸を各々1%NaOH水溶液(98
℃)に20分浸漬後の減量率及び分割状態も表2に併せ
記す。
ソフタル酸を1.5〜2.5モル%、5−カリウムスル
ホイソフタル酸を1.5〜2.5モル%で併用すること
が不溶解物を減少させ、該ポリマーを用いた複合紡糸に
於て口金パックの濾過圧上昇が少なく、紡糸を安定させ
得ることが判る。又、アルカリ水溶液に対する溶解速度
はPETの50倍以上と極めて速く、PETを損傷する
ことが少ない。例えば5−ソジウムスルホイソフタル酸
2.0モル%、5−カリウムスルホイソフタル酸2.0
モル%、及び分子量4,000のポリエチレングリコー
ル10重量%を共重合した場合には、PETの約100
倍のアルカリ溶解速度がある。
効率よく得ることが出来る。即ち紡糸中の口金パック内
濾過圧力の上昇が少なく長期間安定操業が可能となり、
且つ得られる複合糸のアルカリ水溶液処理も速やかに終
了させ得るのである。故に溶出型の極細糸製造には極め
て有効な方法である。
の例である。
酸と5−カリウムスルホイソフタル酸の共重合比と不溶
解物の個数との関連図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 溶解速度の異なる少なくとも2種の成分
が接合され、一方の成分Aにより他方の成分Bが複数個
に分割された横断面を持つ分割型複合糸を溶融紡糸する
際に、溶出される成分Aとして、1.5〜2.5モル%
の5−ソジウムスルホイソフタル酸と、1.5〜2.5
モル%の5−カリウムスルホイソフタル酸及びポリエチ
レングリコールとを共重合したポリエチレンテレフタレ
ートを用いることを特徴とする分割型複合繊維の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11398792A JP2608867B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 分割型複合繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11398792A JP2608867B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 分割型複合繊維の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287615A JPH05287615A (ja) | 1993-11-02 |
JP2608867B2 true JP2608867B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=14626224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11398792A Expired - Fee Related JP2608867B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 分割型複合繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2608867B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW201024483A (en) * | 2008-12-18 | 2010-07-01 | Taiwan Textile Res Inst | Synthetic fiber |
-
1992
- 1992-04-06 JP JP11398792A patent/JP2608867B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05287615A (ja) | 1993-11-02 |
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