JP2608139B2 - フェーズド・アレイ・アンテナによる二次レーダ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はレーダ装置に使用するフェーズド・アレイ
・アンテナによる二次監視レーダ装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

第４図（ａ）は従来の機械回転による二次監視レーダ
と電子走査を行う一次監視レーダを組み合わせて使用す
る系統図であり、１はフェーズド・アレイ方式の一次監
視レーダ・アンテナ、２はロータリジョイント及びスリ
ップリング、３は一次監視レーダ及び二次監視レーダの
制御及び受信処理等を行う信号処理装置、４は二次監視
レーダの送受信装置、５はロータリジョイント、６は機
械回転による二次監視レーダ・アンテナである。第４図
（ｂ）は二次監視レーダの方位方向ビーム走査概念図、
第４図（ｃ）は一次監視レーダの方位方向ビーム走査概
念図である。

次に動作について説明する。第４図（ａ）の系統図
で、二次監視レーダ・アンテナ６は一次監視レーダ・ア
ンテナ１とは別の場所に設置され、機械回転により方位
方向の走査を行っている。機上からの応答信号は二次監
視レーダ・アンテナ６で受信され、ロータリジョイント
５を経て、二次監視レーダ送受信装置４でビデオ信号と
なり、信号処理装置３で処理される。機上への質問信号
は同様の経路で逆方向である。

第４図（ｂ）は二次監視レーダの方位方向ビーム走査
を概念的に表わしたもので、二次監視レーダ・アンテナ
により形成されたビームは一定速度で方位方向に走査さ
れる。従って覆域は方位方向全周である。

第４図（ａ）の系統図で目標からの受信信号はフェー
ズド・アレイ方式の一次監視レーダ・アンテナ１で受信
され、ロータリジョイント及びスリップリング２を経
て、信号処理装置３で処理される。一次監視レーダ・ア
ンテナ１のビーム形成はアンテナ開口面に多数配置され
た素子アンテナに続く移相器により任意に行われるた
め、その方位方向ビーム走査は第４図（ｃ）の概念図に
示すように方位方向に連続して行う場合も不連続に行う
場合もある。また、覆域は静止した一次監視レーダ・ア
ンテナの背面にビームを形成することができないので、
方位方向に関して180゜より小さい。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の二次監視レーダ・アンテナは前記説明のように
機械回転であるため、方位方向電子走査を行う一次監視
レーダ・アンテナとは別の場所に設置しなければならな
いという問題点があった。また、一次監視レーダと二次
監視レーダの方位方向走査方法が全く異なるため、二次
監視レーダの走査に無駄が多い上、一次監視レーダから
得られる情報と二次監視レーダから得られる情報の相関
が基本的にできないため、信号処理装置の負荷増大を招
くという問題点もあった。

この発明は前記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、一次監視レーダ・アンテナと二次監視レー
ダ・アンテナを同一の場所に設置でき、二次監視レーダ
の走査に無駄がなく、信号処理の容易な二次監視レーダ
装置を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係るフェーズド・アレイ・アンテナによる
二次監視レーダ装置は、連続あるいは不連続な方位走査
が可能で、方位走査を連続して行う時は方位中心付近で
速く、方位端で遅い走査を行うフェーズド・アレイ一次
監視レーダと組み合わせて使用する二次監視レーダ装置
において、方位方向に一定の走査速度で電子走査を行な
うフェーズド・アレイ二次監視レーダ、アンテナと、上
記一次監視レーダ・アンテナが連続して方位走査を行う
ときは該一次監視レーダの指向方位と上記二次監視レー
ダ・アンテナの指向方位との間の時間的なずれが小さく
なるように，該一次監視レーダ・アンテナの走査範囲よ
り広い走査範囲について上記二次監視レーダ・アンテナ
が連続走査を行い、また上記一次監視レーダが不連続な
方位走査を行うときは当該不連続走査時の一次監視レー
ダの指向方位を含む走査範囲について上記二次監視レー
ダ・アンテナが走査を行うように、上記一次監視レーダ
よりも細かい走査間隔で方位走査を実行させるための指
向方位信号を発生する信号処理装置と、上記指向方位信
号に基づいて，上記フェーズド・アレイ二次監視レーダ
・アンテナに対し所望の方位方向ビーム・パターンを形
成するのに必要な位相信号を供給する制御部とを備える
ようにしたものである。

〔作用〕

この発明における二次監視レーダ装置は、フェーズド
・アレイ一次監視レーダ装置に同期した方位走査を行
う。一次監視レーダの方位走査が連続して行われる時は
二次監視レーダは一次監視レーダの走査範囲に応じた走
査範囲について連続走査を行い、かつ一次監視レーダの
指向方位と二次監視レーダの指向方位の時間的ずれが小
さくなるように二次監視レーダの走査範囲走査間隔を決
定する。一次監視レーダの方位走査が不連続で、一定時
間ある方位に指向し、次に全く別の方位に指向する時は
一次監視レーダの該当方位に応じた走査範囲を適切な走
査速度，走査間隔で走査し、次に別の該当方位について
同様に行う。

〔実施例〕

以下、この発明の第１の実施例を図について説明す
る。

第１図（ａ）において、１はフェーズド・アレイ方式
の一次監視レーダ・アンテナ、２はロータリジョイント
及びスリップリング、３は一次監視レーダ及び二次監視
レーダの制御及び受信処理等を行う信号処理装置であ
り、かつ二次監視レーダに対しては、一次監視レーダの
方位方向電子走査に同期し、かつ一次監視レーダより細
かい走査間隔で指向方位信号を発生する。４は二次監視
レーダの送受信装置、７はフェーズド・アレイ方式の二
次監視レーダ・アンテナ、８は指向方位信号から二次監
視レーダ・アンテナ７に所望の方位方向ビーム・パター
ンを形成するのに必要な位相信号を供給する制御部であ
る。

第１図（ｂ）は二次監視レーダの方位方向ビーム走査
概念図であり、第１図（ｃ）は一次監視レーダの方位方
向ビーム走査概念図を示す。

第２図（ａ）は一次監視レーダの方位走査が連続して
行われる場合について、第２図（ｂ）は一次監視レーダ
の方位走査が不連続に行われる場合について、それぞれ
一次監視レーダと二次監視レーダの指向方位と時間の関
係を示す。

次にこの第１の実施例の動作について説明する。第１
図（ａ）の系統図で二次監視レーダ・アンテナ７は一次
監視レーダ・アンテナ１と同一場所に設置され、一次監
視レーダ・アンテナ１用のロータリジョイント及びスリ
ップリング２を共用（但し、別チャンネル）している。
機上からの応答信号は二次監視レーダ・アンテナ７で受
信され、ロータリジョイント及びスリップリング２を経
て、二次監視レーダ送受信装置４でビデオ信号となり、
信号処理装置３で処理される。機上への質問信号は同様
の経路で逆方向である。ここで二次監視レーダ・アンテ
ナ７はフェーズド・アレイ方式であるため、そのビーム
形成はアンテナ開口面に多数配置された素子アンテナに
続く移相器により任意に行われる。この移相器に適切な
タイミングで送信時の位相、受信時の位相を供給するの
が制御部８である。制御部８への指向方位信号は信号処
理装置３からロータリジョイント及びスリップリング2,
一次監視レーダ・アンテナ１の中のタイミング関係回路
を経て供給される。

第１図（ｂ）は二次監視レーダの方位方向ビーム走査
概念図である。前記のように二次監視レーダ・アンテナ
のビーム形成は任意に行えるため、第１図（ｃ）の一次
監視レーダの方位方向ビーム走査と同期したビーム走査
となっている。

次に二次監視レーダの方位方向ビーム走査に関して、
一次監視レーダの方位方向ビーム走査と関連して詳しく
説明する。一次監視レーダのビーム走査が連続して行わ
れる場合について一次監視レーダと二次監視レーダのア
ンテナ指向方位と時間の関係の例を第２図（ａ）に示
す。一次監視レーダの走査速度は方位中心付近で速く、
方位端で遅くなっている。この場合、二次監視レーダの
走査速度（一定）及び走査間隔は第２図（ａ）に示す時
間のずれが小さくなる最適値に決定している。また、二
次監視レーダの方位走査範囲は一次監視レーダより若干
広くし、二次監視レーダのヒット・ミス検定に支障のな
いようにしている。一次監視レーダの方位方向走査の幅
あるいは走査速度が任意に変わっても二次監視レーダの
走査速度（一定）及び走査間隔は前記同様に常に最適値
に決定している。

一次監視レーダのビーム走査が不連続に行われる場合
について、一次監視レーダと二次監視レーダのアンテナ
指向方位と時間の関係の例を第２図（ｂ）に示す。一次
監視レーダが一定時間一定方位に指向し、次に全く別の
方向に指向している。この時二次監視レーダの方位走査
は一次監視レーダの該当方位を含む走査範囲を適切な走
査速度，走査間隔で行うように設定している。

このように、上記実施例によれば、フェーズド・アレ
イ二次監視レーダ・アンテナを方位方向に一定の走査速
度で電子走査を行なうものとするとともに、連続あるい
は不連続な方位走査が可能で、方位走査を連続して行う
時は方位中心付近で速く、方位端で遅い走査を行うフェ
ーズド・アレイ一次監視レーダ・アンテナが連続な方位
走査を行うときは一次監視レーダと二次監視レーダ・ア
ンテナとが同一の方位を指向するのに要する時間のずれ
が小さくなるように、上記一次監視レーダが不連続な方
位走査を行うときは一次監視レーダの該当方位を含む走
査範囲を走査するように、一次監視レーダより細かい走
査間隔で方位走査を行うようにしたので、一次レーダと
二次レーダとを別の場所に設置する必要がなくなり、二
次レーダが機械回転であった場合と同等の方位走査間隔
が得られるとともに、二次レーダの走査に無駄がなく、
信号処理を容易に行うことができるとともに、方位によ
って走査速度が異なる一次レーダと走査速度が一定の二
次レーダとが同一の方位を指向するのに要する時間のず
れを小さくでき、かつ一次レーダが不連続な方位走査を
行うときは一次レーダの該当方位を含む走査範囲を走査
するように方位走査を行うことができるものである。

なお前記第１の実施例では第２図（ａ）のように、二
次監視レーダの走査速度を一定として一次監視レーダの
走査の時間のずれを小さくするように二次監視レーダの
走査速度，走査間隔を決定したが、一次監視レーダの方
位による走査速度の変化が大きい場合は二次監視レーダ
の走査速度を方位により変えて、時間のずれをさらに小
さくすることもできる。この場合の第２の実施例を第３
図に示す。

また前記第１、第２の実施例ではフェーズド・アレイ
一次監視レーダと組み合わせて使用する二次監視レーダ
装置について説明したが、本発明はフェーズド・アレイ
一次監視レーダと組合せて使用するモノパルス測角を行
わない装置であってもよく、例えば妨害方位検出用の装
置であってもよく、前記実施例と同様の効果を奏する。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明に係るフェーズド・アレイ・
アンテナによる二次監視レーダ装置によれば、連続ある
いは不連続な方位走査が可能で、方位走査を連続して行
う時は方位中心付近で速く、方位端で遅い走査を行うフ
ェーズド・アレイ一次監視レーダと組み合わせて使用す
る二次監視レーダ装置において、方位方向に一定の走査
速度で電子走査を行なうフェーズド・アレイ二次監視レ
ーダ・アンテナと、上記一次監視レーダ・アンテナが連
続して方位走査を行うときは該一次監視レーダの指向方
位と上記二次監視レーダ・アンテナの指向方位との間の
時間的なずれが小さくなるように，該一次監視レーダ・
アンテナの走査範囲より広い走査範囲について上記二次
監視レーダ・アンテナが連続走査を行い、また上記一次
監視レーダが不連続な方位走査を行うときは当該不連続
走査時の一次監視レーダの指向方位を含む走査範囲につ
いて上記二次監視レーダ・アンテナが走査を行うよう
に、上記一次監視レーダよりも細かい走査間隔で方位走
査を実行させるための指向方位信号を発生する信号処理
装置と、上記指向方位信号に基づいて，上記フェーズド
・アレイ二次監視レーダ・アンテナに対し所望の方位方
向ビーム・パターンを形成するのに必要な位相信号を供
給する制御部とを備えるようにしたので、機構関係及び
信号処理関係において装置が安価にでき、一次監視レー
ダと二次監視レーダの時間的ずれが小さく両者の相関が
容易に得られることから、信号処理装置の負荷増大を招
くことなく有用な二次監視レーダ情報が得られる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明の第1,第２の実施例に共通する系統図
及びビーム走査概念図、第２図はこの発明の第１実施例
の一次監視レーダと二次監視レーダの指向方位と時間の
関係を示す図、第３図はこの発明の第２実施例の一次監
視レーダと二次監視レーダの指向方位と時間の関係を示
す図、第４図は従来技術の例を示す系統図及びビーム走
査概念図である。 図において、１は一次監視レーダ・アンテナ、２はロー
タリジョイント及びスリップリング、３は信号処理装
置、４は二次監視レーダ送受信装置、５は二次監視レー
ダ専用のロータリジョイント、６は従来の二次監視レー
ダ・アンテナ、７はフェーズド・アレイ方式の二次監視
レーダ・アンテナ、８はフェーズド・アレイ方式の二次
監視レーダ・アンテナ用の制御部である。 なお図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】連続あるいは不連続な方位走査が可能で、
   方位走査を連続して行う時は方位中心付近で速く、方位
   端で遅い走査を行うフェーズド・アレイ一次監視レーダ
   と組み合わせて使用する二次監視レーダ装置において、 方位方向に一定の走査速度で電子走査を行なうフェーズ
   ド・アレイ二次監視レーダ、アンテナと、 上記一次監視レーダ・アンテナが連続して方位走査を行
   うときは該一次監視レーダの指向方位と上記二次監視レ
   ーダ・アンテナの指向方位との間の時間的なずれが小さ
   くなるように，該一次監視レーダ・アンテナの走査範囲
   より広い走査範囲について上記二次監視レーダ・アンテ
   ナが連続走査を行い、また上記一次監視レーダが不連続
   な方位走査を行うときは当該不連続走査時の一次監視レ
   ーダの指向方位を含む走査範囲について上記二次監視レ
   ーダ・アンテナが走査を行うように、上記一次監視レー
   ダよりも細かい走査間隔で方位走査を実行させるための
   指向方位信号を発生する信号処理装置と、 上記指向方位信号に基づいて，上記フェーズド・アレイ
   二次監視レーダ・アンテナに対し所望の方位方向ビーム
   ・パターンを形成するのに必要な位相信号を供給する制
   御部とを備えたことを特徴とするフェーズド・アレイ・
   アンテナによる二次監視レーダ装置。