JP2607762Y2 - 電子制御式液体封入ブッシュ - Google Patents
電子制御式液体封入ブッシュInfo
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- JP2607762Y2 JP2607762Y2 JP1993040132U JP4013293U JP2607762Y2 JP 2607762 Y2 JP2607762 Y2 JP 2607762Y2 JP 1993040132 U JP1993040132 U JP 1993040132U JP 4013293 U JP4013293 U JP 4013293U JP 2607762 Y2 JP2607762 Y2 JP 2607762Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は自動車のエンジン等の
振動体を防振支持する防振装置に関し、特に、アイドリ
ング回転域における振動を減衰するのに有効な電子制御
式液体封入ブッシュに関するものである。
振動体を防振支持する防振装置に関し、特に、アイドリ
ング回転域における振動を減衰するのに有効な電子制御
式液体封入ブッシュに関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】一般に、自動車等のエン
ジンにあっては、アイドリング時に大振幅、走行時に小
振幅の振動が発生するため、これらの振動を効果的に減
衰し得る防振装置が強く要望されている。
ジンにあっては、アイドリング時に大振幅、走行時に小
振幅の振動が発生するため、これらの振動を効果的に減
衰し得る防振装置が強く要望されている。
【0003】このような振動を減衰する防振装置として
は、例えば、実願平3−107524号公報に開示され
た防止装置等が既に知られており、この防振装置は、い
わゆる電子制御式液体封入ブッシュであって、オリフィ
スを介して第1の液体室と第2の液体室との間で液体が
移動し合う際の液柱共振作用により、低周波域の振動
(ショック振動等)を減衰し、アクチュエータの金属ダ
イアフラムの駆動により、第1の液体室内の液体に入力
する振動と逆位相の脈動を発生させることにより、中・
高周波域の振動(アイドル振動等)を減衰するようにな
っている。
は、例えば、実願平3−107524号公報に開示され
た防止装置等が既に知られており、この防振装置は、い
わゆる電子制御式液体封入ブッシュであって、オリフィ
スを介して第1の液体室と第2の液体室との間で液体が
移動し合う際の液柱共振作用により、低周波域の振動
(ショック振動等)を減衰し、アクチュエータの金属ダ
イアフラムの駆動により、第1の液体室内の液体に入力
する振動と逆位相の脈動を発生させることにより、中・
高周波域の振動(アイドル振動等)を減衰するようにな
っている。
【0004】しかしながら、エンジンから入力する振動
がアクチュエータのキャンセル能力を超えた場合(金属
ダイアフラムの駆動範囲を超える振幅の振動が入力した
場合)、入力する振動を減衰するに十分な低動ばねを得
ることができず、振動の一部が車体側に伝達してしま
う。もっとも、アクチュエータの容量を大きくして金属
ダイアフラムの駆動範囲を大きくすれば入力する振動を
減衰するに十分な低動ばねを得ることができるが、省エ
ネルギ化が要求される自動車等のエンジンにおいては実
用的ではなく、特に、電気系によるエネルギ発生量が少
ないアイドリング回転域においては殆ど実用価値がない
ものとなってしまう。
がアクチュエータのキャンセル能力を超えた場合(金属
ダイアフラムの駆動範囲を超える振幅の振動が入力した
場合)、入力する振動を減衰するに十分な低動ばねを得
ることができず、振動の一部が車体側に伝達してしま
う。もっとも、アクチュエータの容量を大きくして金属
ダイアフラムの駆動範囲を大きくすれば入力する振動を
減衰するに十分な低動ばねを得ることができるが、省エ
ネルギ化が要求される自動車等のエンジンにおいては実
用的ではなく、特に、電気系によるエネルギ発生量が少
ないアイドリング回転域においては殆ど実用価値がない
ものとなってしまう。
【0005】この考案は前記のような従来のもののもつ
問題点を解決したものであって、アクチュエータの容量
を大きくすることなく、中・高周波域における振動を減
衰するに十分な低動ばねが得られる電子制御式液体封入
ブッシュを提供することを目的とするものである。
問題点を解決したものであって、アクチュエータの容量
を大きくすることなく、中・高周波域における振動を減
衰するに十分な低動ばねが得られる電子制御式液体封入
ブッシュを提供することを目的とするものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るためにこの考案は、内筒の外周面にゴム状弾性材を所
望の形状に加硫成形して所望の形状の加硫成形体を形成
するとともに、この加硫成形体の外周側に筒状の金属ダ
イアフラムと外筒とをそれらの順に被嵌させ、加硫成形
体と金属ダイアフラムとの間に入力する振動によって容
積を変化させる主液室と、この主液室に第1のオリフィ
スを介して連通する容積変化可能な第1の副液室と、こ
の主液室に第2のオリフィスを介して連通する容積変化
可能な第2の副液室とを形成し、さらに、前記主液室に
面する前記金属ダイアフラムの部分の全体を前記主液室
の方向に変位可能な被駆動部材とし、この被駆動部材に
対応する前記外筒の部分に被駆動部材を駆動させる駆動
部材を設け、さらに、前記第1のオリフィスの共振周波
数を低周波域の所望の周波数に設定し、前記第2のオリ
フィスの共振周波数を中・高周波域のエンジンアイドリ
ング回転時の主危険次数の周波数に設定し、第2のオリ
フィスの共振周波数を前記被駆動部材の駆動を開始させ
る周波数としたという手段を採用したものである。
るためにこの考案は、内筒の外周面にゴム状弾性材を所
望の形状に加硫成形して所望の形状の加硫成形体を形成
するとともに、この加硫成形体の外周側に筒状の金属ダ
イアフラムと外筒とをそれらの順に被嵌させ、加硫成形
体と金属ダイアフラムとの間に入力する振動によって容
積を変化させる主液室と、この主液室に第1のオリフィ
スを介して連通する容積変化可能な第1の副液室と、こ
の主液室に第2のオリフィスを介して連通する容積変化
可能な第2の副液室とを形成し、さらに、前記主液室に
面する前記金属ダイアフラムの部分の全体を前記主液室
の方向に変位可能な被駆動部材とし、この被駆動部材に
対応する前記外筒の部分に被駆動部材を駆動させる駆動
部材を設け、さらに、前記第1のオリフィスの共振周波
数を低周波域の所望の周波数に設定し、前記第2のオリ
フィスの共振周波数を中・高周波域のエンジンアイドリ
ング回転時の主危険次数の周波数に設定し、第2のオリ
フィスの共振周波数を前記被駆動部材の駆動を開始させ
る周波数としたという手段を採用したものである。
【0007】
【作用】この考案は前記のような手段を採用したことに
より、低周波域においては第1のオリフィスを介して主
液室と第1の副液室との間で液体が互いに移動し合う際
の液柱共振作用により、入力する振動が減衰される。第
1のオリフィスの共振周波数を超えると、液柱慣性が大
きくなるため第1のオリフィスを介して主液室と第1の
副液室との間での液体の移動がなくなり、入力してくる
振動によって主液室の液圧が高まる。ここで、駆動部材
により駆動部材を駆動させると、主液室の液体に入力し
てくる振動と逆位相の脈動を生じさせることができる。
しかし、これだけでは十分でないが、ここで、第2のオ
リフィスを介して主液室と第2の副液室との間で液体の
移動が始まり、このときの第2のオリフィスの液柱共振
作用を利用することにより、被駆動部材の駆動で吸収し
きれなかった分が吸収されることになる。第2のオリフ
ィスの共振周波数を超えると、液柱慣性が大きくなるた
め、第2のオリフィスを介して主液室と第2の液室との
間で液体の移動がなくなるが、入力してくる振動の振幅
も徐々に小さくなるので、被駆動部材の駆動だけでも十
分にこの周波数域の振動を減衰することができることに
なる。
より、低周波域においては第1のオリフィスを介して主
液室と第1の副液室との間で液体が互いに移動し合う際
の液柱共振作用により、入力する振動が減衰される。第
1のオリフィスの共振周波数を超えると、液柱慣性が大
きくなるため第1のオリフィスを介して主液室と第1の
副液室との間での液体の移動がなくなり、入力してくる
振動によって主液室の液圧が高まる。ここで、駆動部材
により駆動部材を駆動させると、主液室の液体に入力し
てくる振動と逆位相の脈動を生じさせることができる。
しかし、これだけでは十分でないが、ここで、第2のオ
リフィスを介して主液室と第2の副液室との間で液体の
移動が始まり、このときの第2のオリフィスの液柱共振
作用を利用することにより、被駆動部材の駆動で吸収し
きれなかった分が吸収されることになる。第2のオリフ
ィスの共振周波数を超えると、液柱慣性が大きくなるた
め、第2のオリフィスを介して主液室と第2の液室との
間で液体の移動がなくなるが、入力してくる振動の振幅
も徐々に小さくなるので、被駆動部材の駆動だけでも十
分にこの周波数域の振動を減衰することができることに
なる。
【0008】
【実施例】以下、図面に示すこの考案の実施例について
説明する。図1及び図2には、この考案による電子式液
体封入ブッシュの一実施例が示されていて、この電子式
封入ブッシュ1は、内筒2の外周面にゴム状弾性材を所
望の形状に加硫成形して、所望の形状の加硫成形体3を
形成するとともに、この加硫成形体3の外周側に筒状の
金属ダイアフラム15と筒状の外筒20とをそれらの順
に被嵌させ、加硫成形体3と金属ダイアフラム15との
間に入力する振動によって容積を変化させる主液室10
と、主液室10に第1のオリフィス13を介して連通す
る容積変化可能な第1の副液室11と、主液室10に第
2のオリフィス14を介して連通する容積変化可能な第
2の副液室12を形成し、さらに、前記金属ダイアフラ
ム15の前記主液室10に面する部分の全体を径方向に
変位可能な被駆動部材15とし、この被駆動部材15に
対応する前記外筒20の部分に被駆動部材15を駆動さ
せる駆動部材16を設けたものであって、前記各液室1
0、11、12内にはそれぞれ水、油等の非圧縮性の液
体が封入されるようになっている。
説明する。図1及び図2には、この考案による電子式液
体封入ブッシュの一実施例が示されていて、この電子式
封入ブッシュ1は、内筒2の外周面にゴム状弾性材を所
望の形状に加硫成形して、所望の形状の加硫成形体3を
形成するとともに、この加硫成形体3の外周側に筒状の
金属ダイアフラム15と筒状の外筒20とをそれらの順
に被嵌させ、加硫成形体3と金属ダイアフラム15との
間に入力する振動によって容積を変化させる主液室10
と、主液室10に第1のオリフィス13を介して連通す
る容積変化可能な第1の副液室11と、主液室10に第
2のオリフィス14を介して連通する容積変化可能な第
2の副液室12を形成し、さらに、前記金属ダイアフラ
ム15の前記主液室10に面する部分の全体を径方向に
変位可能な被駆動部材15とし、この被駆動部材15に
対応する前記外筒20の部分に被駆動部材15を駆動さ
せる駆動部材16を設けたものであって、前記各液室1
0、11、12内にはそれぞれ水、油等の非圧縮性の液
体が封入されるようになっている。
【0009】前記内筒2は、断面が略長円形状をなすと
ともに、断面中心に対して偏心した位置に軸線方向に貫
通する取付け用の孔2aが穿設されており、この孔2a
を介して自動車のエンジン等の振動体に取り付けられる
ようになっている。
ともに、断面中心に対して偏心した位置に軸線方向に貫
通する取付け用の孔2aが穿設されており、この孔2a
を介して自動車のエンジン等の振動体に取り付けられる
ようになっている。
【0010】前記加硫成形体3は、内筒2を中心として
径方向外方にV字状に延出するとともに、外筒20を嵌
合した際に内筒2と外筒20との間を弾性支持する支持
ばね4と、この支持ばね4の上面側に一体に形成される
薄肉の側壁5と、支持ばね4の下面側に一体に形成され
る薄肉の側壁6と、支持ばね4の下面側に一体に形成さ
れる略V字状の仕切り壁7とを具えており、支持ばね4
の上面と前記側壁5によって囲まれた部分に前記主液室
10が形成されるとともに、支持ばね4の下面と前記側
壁6によって囲まれた部分に、前記第1の副液室11と
第2の副液室12とが前記仕切り壁7によって区画され
た状態で形成されるようになっている。
径方向外方にV字状に延出するとともに、外筒20を嵌
合した際に内筒2と外筒20との間を弾性支持する支持
ばね4と、この支持ばね4の上面側に一体に形成される
薄肉の側壁5と、支持ばね4の下面側に一体に形成され
る薄肉の側壁6と、支持ばね4の下面側に一体に形成さ
れる略V字状の仕切り壁7とを具えており、支持ばね4
の上面と前記側壁5によって囲まれた部分に前記主液室
10が形成されるとともに、支持ばね4の下面と前記側
壁6によって囲まれた部分に、前記第1の副液室11と
第2の副液室12とが前記仕切り壁7によって区画され
た状態で形成されるようになっている。
【0011】前記加硫成形体3の外周面のうち軸線方向
の両端部には、それぞれ断面が略L字状で環状をなす補
強部材8、9が埋設されていて、これらの補強部材8、
9により加硫成形体3の外周面上には前記主液室10と
前記第1の副液室11との間を連通する第1のオリフィ
ス13および前記主液室10と前記第2の副液室12と
の間を連通する第2のオリフィス14が形成されるよう
になっている。
の両端部には、それぞれ断面が略L字状で環状をなす補
強部材8、9が埋設されていて、これらの補強部材8、
9により加硫成形体3の外周面上には前記主液室10と
前記第1の副液室11との間を連通する第1のオリフィ
ス13および前記主液室10と前記第2の副液室12と
の間を連通する第2のオリフィス14が形成されるよう
になっている。
【0012】被駆動部材15に対応する部分の前記外筒
20の部分には、永久磁石17と電磁石18とからなる
駆動部材16が装着されている。この場合、被駆動部材
15と駆動部材16とでアクチュエータ19が構成され
るとともに、駆動部材16の永久磁石17と電磁石18
との協働により、前記被駆動部材15が径方向内外に振
動するようになっている。また、前記電磁石18は、図
示しない制御ユニットに接続され、制御ユニットからの
信号により電流制御されることで前記被駆動部材15の
振動が制御されるようになっている。
20の部分には、永久磁石17と電磁石18とからなる
駆動部材16が装着されている。この場合、被駆動部材
15と駆動部材16とでアクチュエータ19が構成され
るとともに、駆動部材16の永久磁石17と電磁石18
との協働により、前記被駆動部材15が径方向内外に振
動するようになっている。また、前記電磁石18は、図
示しない制御ユニットに接続され、制御ユニットからの
信号により電流制御されることで前記被駆動部材15の
振動が制御されるようになっている。
【0013】次に、前記に示すものの作用について説明
する。上記のように構成した電子制御式液体封入ブッシ
ュ1の内筒2をその取付け用の孔2aを介して図示しな
い自動車のエンジン等の振動体に連結し、外筒20を図
示しないブラケット等を介して図示しない車体側に連結
してエンジンを作動させると、エンジンから種々の振動
が内筒2を介して加硫成形体3の支持ばね4に入力す
る。
する。上記のように構成した電子制御式液体封入ブッシ
ュ1の内筒2をその取付け用の孔2aを介して図示しな
い自動車のエンジン等の振動体に連結し、外筒20を図
示しないブラケット等を介して図示しない車体側に連結
してエンジンを作動させると、エンジンから種々の振動
が内筒2を介して加硫成形体3の支持ばね4に入力す
る。
【0014】ここで、予め、第1のオリフィス13の共
振周波数を低周波域の所望の周波数(例えば10Hz)
に設定し、第2のオリフィス14の共振周波数を中・高
周波域の所望の周波数(エンジンアイドリング回転時の
主危険次数(爆発1次成分)の周波数、例えば20H
z)に設定しておくと、0〜10Hzの周波数域では、
第1のオリフィス13を介して主液室10と第1の副液
室11との間で液体が自由に移動し合い、主液室10の
液圧の上昇はなく、動ばねは支持ばね4に等しくなる。
振周波数を低周波域の所望の周波数(例えば10Hz)
に設定し、第2のオリフィス14の共振周波数を中・高
周波域の所望の周波数(エンジンアイドリング回転時の
主危険次数(爆発1次成分)の周波数、例えば20H
z)に設定しておくと、0〜10Hzの周波数域では、
第1のオリフィス13を介して主液室10と第1の副液
室11との間で液体が自由に移動し合い、主液室10の
液圧の上昇はなく、動ばねは支持ばね4に等しくなる。
【0015】そして、第1のオリフィス13の共振周波
数付近になると、第1のオリフィス13を通る液体の慣
性により、入力してくる振動に対して液体の移動の位相
にずれが生じ、ブッシュ内の液圧が脈動を起こす。この
脈動は、周波数の上昇に伴って徐々に増加し、10HZ
の共振付近で振動による液圧の上昇と逆に作用し、液体
の移動量と位相の効果が最大となってピークとなる。し
たがって、第1のオリフィス13の共振周波数を所望の
値に設定しておくことにより、走行中のショック振動等
を効果的に減衰できることになる。
数付近になると、第1のオリフィス13を通る液体の慣
性により、入力してくる振動に対して液体の移動の位相
にずれが生じ、ブッシュ内の液圧が脈動を起こす。この
脈動は、周波数の上昇に伴って徐々に増加し、10HZ
の共振付近で振動による液圧の上昇と逆に作用し、液体
の移動量と位相の効果が最大となってピークとなる。し
たがって、第1のオリフィス13の共振周波数を所望の
値に設定しておくことにより、走行中のショック振動等
を効果的に減衰できることになる。
【0016】また、10HZ 〜20HZ の周波数域で
は、第1のオリフィス13の液柱慣性が大きくなるた
め、第1のオリフィス13を介して主液室10と第1の
副液室11との間での液体が移動がなくなり、エンジン
から入力してくる振動によって主液室10の液圧が徐々
に上昇し、この周波数域における動ばねは、支持ばね4
が変位することにより生じる荷重に主液室10の液圧が
上昇することにより生じる荷重がプラスされたものにな
る。
は、第1のオリフィス13の液柱慣性が大きくなるた
め、第1のオリフィス13を介して主液室10と第1の
副液室11との間での液体が移動がなくなり、エンジン
から入力してくる振動によって主液室10の液圧が徐々
に上昇し、この周波数域における動ばねは、支持ばね4
が変位することにより生じる荷重に主液室10の液圧が
上昇することにより生じる荷重がプラスされたものにな
る。
【0017】ここで、アクチュエータ19の駆動部材1
6により被駆動部材15を駆動させると、すなわち電磁
石18と永久磁石17との協働により被駆動部材15を
振動させると、主液室10内の液体に入力する振動と逆
位相の脈動が発生する。しかし、これだけでは入力する
振動による荷重を完全に吸収することができず、取り残
された分が仕切り壁7を介して外筒20側に伝達しよう
とする。
6により被駆動部材15を駆動させると、すなわち電磁
石18と永久磁石17との協働により被駆動部材15を
振動させると、主液室10内の液体に入力する振動と逆
位相の脈動が発生する。しかし、これだけでは入力する
振動による荷重を完全に吸収することができず、取り残
された分が仕切り壁7を介して外筒20側に伝達しよう
とする。
【0018】ここで、主液室10内の液体は第2のオリ
フィス14内に流れ込み、第2のオリフィス14を介し
て主液室10と第2の液室12との間で液体が移動し合
い、取り残された分の荷重が吸収されることになる。
フィス14内に流れ込み、第2のオリフィス14を介し
て主液室10と第2の液室12との間で液体が移動し合
い、取り残された分の荷重が吸収されることになる。
【0019】そして、第2のオリフィス14の共振周波
数付近になると、第2のオリフィス14を通る液体の慣
性により、入力してくる振動に対して液体の移動の位相
にずれが生じ、ブッシュ内の液圧が脈動を起こす。この
脈動は、周波数の上昇に伴って徐々に増加し、20Hz
の共振付近では振動による液圧の上昇と逆に作用し、液
体の移動量と位相の効果が最大となってピークとなる。
したがって、第2のオリフィス14の共振周波数を所望
の値(エンジンアイドリング回転時の主危険次数(爆発
1次成分)の周波数、例えば20Hz)に設定しておく
ことにより、エンジンアイドリング回転時の振動を効果
的に減衰することができる。
数付近になると、第2のオリフィス14を通る液体の慣
性により、入力してくる振動に対して液体の移動の位相
にずれが生じ、ブッシュ内の液圧が脈動を起こす。この
脈動は、周波数の上昇に伴って徐々に増加し、20Hz
の共振付近では振動による液圧の上昇と逆に作用し、液
体の移動量と位相の効果が最大となってピークとなる。
したがって、第2のオリフィス14の共振周波数を所望
の値(エンジンアイドリング回転時の主危険次数(爆発
1次成分)の周波数、例えば20Hz)に設定しておく
ことにより、エンジンアイドリング回転時の振動を効果
的に減衰することができる。
【0020】また、20Hzを超える周波数域になる
と、第2のオリフィス14の液柱慣性が大きくなるた
め、第2のオリフィス14を介して主液室10と第2の
副液室12との間で液体の移動はなくなる。しかし、こ
の周波数域では、エンジンから入力してくる振動の振幅
が徐々に小さくなるため、アクチュエータ19による液
圧の変化だけでも十分に対応できることになる。したが
って、駆動部材16を構成する電磁石18と永久磁石1
7との協働により被駆動部材15を駆動させ、入力して
くる振動と逆位相の脈動を主液室10内の液体に生じさ
せれば、動ばねをほぼ0に近い値とすることができる。
と、第2のオリフィス14の液柱慣性が大きくなるた
め、第2のオリフィス14を介して主液室10と第2の
副液室12との間で液体の移動はなくなる。しかし、こ
の周波数域では、エンジンから入力してくる振動の振幅
が徐々に小さくなるため、アクチュエータ19による液
圧の変化だけでも十分に対応できることになる。したが
って、駆動部材16を構成する電磁石18と永久磁石1
7との協働により被駆動部材15を駆動させ、入力して
くる振動と逆位相の脈動を主液室10内の液体に生じさ
せれば、動ばねをほぼ0に近い値とすることができる。
【0021】上記のように、この実施例による電子制御
式液体封入ブッシュ1にあっては、第1のオリフィス1
3の液柱共振を利用することにより、低周波域の振動を
減衰できるとともに、第2のオリフィス14の液柱共振
と被駆動部材15による液圧の変化との組合わせによ
り、中・高周波域の振動を減衰することができ、さら
に、第2のオリフィス14の共振周波数を超える周波数
域においては、被駆動部材15の液圧の変化により動ば
ねをほぼ0に近い値にすることができることになる。
式液体封入ブッシュ1にあっては、第1のオリフィス1
3の液柱共振を利用することにより、低周波域の振動を
減衰できるとともに、第2のオリフィス14の液柱共振
と被駆動部材15による液圧の変化との組合わせによ
り、中・高周波域の振動を減衰することができ、さら
に、第2のオリフィス14の共振周波数を超える周波数
域においては、被駆動部材15の液圧の変化により動ば
ねをほぼ0に近い値にすることができることになる。
【0022】したがって、アクチュエータ19の容量を
大きくすることなく、小容量のアクチュエータ19でも
十分に中・高周波域の振動(アイドル振動等)を減衰す
ることができるので、自動車等のエンジンのように、省
エネルギ化が要求されるような箇所においても有効に用
いることできる。
大きくすることなく、小容量のアクチュエータ19でも
十分に中・高周波域の振動(アイドル振動等)を減衰す
ることができるので、自動車等のエンジンのように、省
エネルギ化が要求されるような箇所においても有効に用
いることできる。
【0023】
【考案の効果】この考案は前記のように構成して、第1
のオリフィスの共振周波数を低周波域の所望の周波数に
設定したことにより、低周波域においては、第1のオリ
フィスを介して主液室と第1の副液室との間で液体が移
動し合う際の液柱共振作用を利用することにより、この
周波数域におけるショック振動等に対して高減衰が得ら
れることになる。また、前記第2のオリフィスの共振周
波数を中・高周波域のエンジンアイドリング回転時の主
危険次数の周波数に設定し、この第2のオリフィスの共
振周波数を被駆動部材の駆動を開始させる周波数とした
ことにより、中・高周波域のエンジンアイドリング回転
時には、被駆動部材の駆動により主液室の液体に入力す
る振動と逆位相の脈動を生じさせるとともに、第2のオ
リフィスを介して主液室と第2の副液室との間で液体が
移動し合う際の液柱共振作用を利用することができるの
で、エンジンアイドリング回転時の振動に対して良好な
減衰効果が得られることになる。さらに、第2のオリフ
ィスの共振周波数を超える周波数域においては、液柱慣
性が大きくなるため、第2のオリフィスを介して主液室
と第2の副液室との間での液体の移動はなくなる。しか
し、入力してくる振動の振幅も徐々に小さくなるため、
被駆動部材の駆動により主液室の液圧を変化させるだけ
でも十分に入力する振動を減衰することができ、動ばね
をほぼ0に近い値にすることができることになる。した
がって、駆動部材の容量を大きくすることなく、通常の
駆動範囲の被駆動部材でも十分に中・高周波域の振動を
減衰することができることになり、省エネルギー化が要
求される自動車等のエンジンにも有効に用いることがで
きることになる等の優れた効果を有するものである。
のオリフィスの共振周波数を低周波域の所望の周波数に
設定したことにより、低周波域においては、第1のオリ
フィスを介して主液室と第1の副液室との間で液体が移
動し合う際の液柱共振作用を利用することにより、この
周波数域におけるショック振動等に対して高減衰が得ら
れることになる。また、前記第2のオリフィスの共振周
波数を中・高周波域のエンジンアイドリング回転時の主
危険次数の周波数に設定し、この第2のオリフィスの共
振周波数を被駆動部材の駆動を開始させる周波数とした
ことにより、中・高周波域のエンジンアイドリング回転
時には、被駆動部材の駆動により主液室の液体に入力す
る振動と逆位相の脈動を生じさせるとともに、第2のオ
リフィスを介して主液室と第2の副液室との間で液体が
移動し合う際の液柱共振作用を利用することができるの
で、エンジンアイドリング回転時の振動に対して良好な
減衰効果が得られることになる。さらに、第2のオリフ
ィスの共振周波数を超える周波数域においては、液柱慣
性が大きくなるため、第2のオリフィスを介して主液室
と第2の副液室との間での液体の移動はなくなる。しか
し、入力してくる振動の振幅も徐々に小さくなるため、
被駆動部材の駆動により主液室の液圧を変化させるだけ
でも十分に入力する振動を減衰することができ、動ばね
をほぼ0に近い値にすることができることになる。した
がって、駆動部材の容量を大きくすることなく、通常の
駆動範囲の被駆動部材でも十分に中・高周波域の振動を
減衰することができることになり、省エネルギー化が要
求される自動車等のエンジンにも有効に用いることがで
きることになる等の優れた効果を有するものである。
【図1】この考案による電子制御式液体封入ブッシュの
一実施例を示した概略縦断面図である。
一実施例を示した概略縦断面図である。
【図2】図1に示すものの概略横断面図である。
【図3】図1に示すものの動ばねと周波数との関係を示
した説明図である。
した説明図である。
【図4】従来の電子制御式液体封入ブッシュの動ばねと
周波数との関係を示した説明図である。
周波数との関係を示した説明図である。
1……電子制御式液体封入ブッシュ 2……内筒 2a……孔 3……加硫成形体 4……支持ばね 5、6……側壁 7……仕切り壁 8、9……補強部材 10……主液室 11……第1の副液室 12……第2の副液室 13……第1のオリフィス 14……第2のオリフィス 15……被駆動部材(金属ダイアフラム) 16……駆動部材 17……永久磁石 18……電磁石 19……アクチュエータ 20……外筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−302733(JP,A) 特開 平5−10379(JP,A) 特開 平2−42227(JP,A) 特開 平4−321834(JP,A) 特開 平5−149372(JP,A) 特開 平5−126203(JP,A) 実開 平3−68651(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】 内筒の外周面にゴム状弾性材を所望の形
状に加硫成形して所望の形状の加硫成形体を形成すると
ともに、この加硫成形体の外周側に筒状の金属ダイアフ
ラムと外筒とをそれらの順に被嵌させ、加硫成形体と金
属ダイアフラムとの間に入力する振動によって容積を変
化させる主液室と、この主液室に第1のオリフィスを介
して連通する容積変化可能な第1の副液室と、この主液
室に第2のオリフィスを介して連通する容積変化可能な
第2の副液室とを形成し、さらに、前記主液室に面する
前記金属ダイアフラムの部分の全体を前記主液室の方向
に変位可能な被駆動部材とし、この被駆動部材に対応す
る前記外筒の部分に被駆動部材を駆動させる駆動部材を
設け、さらに、前記第1のオリフィスの共振周波数を低
周波域の所望の周波数に設定し、前記第2のオリフィス
の共振周波数を中・高周波域のエンジンアイドリング回
転時の主危険次数の周波数に設定し、第2のオリフィス
の共振周波数を前記被駆動部材の駆動を開始させる周波
数としたことを特徴とする電子制御式液体封入ブッシ
ュ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993040132U JP2607762Y2 (ja) | 1993-07-22 | 1993-07-22 | 電子制御式液体封入ブッシュ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993040132U JP2607762Y2 (ja) | 1993-07-22 | 1993-07-22 | 電子制御式液体封入ブッシュ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0710578U JPH0710578U (ja) | 1995-02-14 |
JP2607762Y2 true JP2607762Y2 (ja) | 2002-07-08 |
Family
ID=12572284
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993040132U Expired - Fee Related JP2607762Y2 (ja) | 1993-07-22 | 1993-07-22 | 電子制御式液体封入ブッシュ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2607762Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-07-22 JP JP1993040132U patent/JP2607762Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0710578U (ja) | 1995-02-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |