JP2607571B2 - 新規な導電性高分子およびそれを正極材料に用いた二次電池 - Google Patents

新規な導電性高分子およびそれを正極材料に用いた二次電池

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JP2607571B2 JP62320621A JP32062187A JP2607571B2 JP 2607571 B2 JP2607571 B2 JP 2607571B2 JP 62320621 A JP62320621 A JP 62320621A JP 32062187 A JP32062187 A JP 32062187A JP 2607571 B2 JP2607571 B2 JP 2607571B2
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secondary battery
positive electrode
electrode material
novel conductive
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幸司 花房
亨 柏木
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は新規な導電性高分子およびそれを正極材料
に用いた二次電池に関するものであり、特に、従来にな
い良好な充放電が可能である新規な導電性高分子および
それを正極材料に用いた二次電池に関するものである。
[従来の技術] 各種アルカリ金属またはアルカリ土類金属を負極材料
とし、導電性高分子を正極材料に用いた二次電池が検討
されている。これは、正極と負極を、適当な電解質を溶
解した電解液中に、対向させて設置したものである。充
電時には、電解質カチオンが負極上に析出し、電解質ア
ニオンが正極中にドープされ、放電時には、この逆反応
が起こることで、可逆的な充放電を継続することができ
る。
電解質アニオンがドープ、脱ドープ可能な正極材料
は、一般に、ピロール、チオフェン、アニリン等のヘテ
ロ原子を含む五員環構造または芳香環構造のモノマーを
電解重合法により重合させて作製される。
負極材料にはリチウムが最も一般的に使用される。リ
チウムを用いたときには、単電池の起電力が3Vに近いも
のになるため、実用的に利点が大きいと考えられるから
である。但し、リチウムは空気中の酸素および水と容易
に反応し、その活性を落とすため、電池の構成には十分
な注意が払われている。
[発明が解決しようとする問題点] 以上のように、従来より、ピロール、チオフェン,ア
ニリン等の分子の基本骨格構造を保有したモノマーを電
解重合法により重合して得た導電性高分子を、正極材料
に用いた二次電池が検討されている。
しかしながら、良好な二次電池性能を示すモノマーは
ごく少なく、実際に、二次電池の正極材料として実用性
を持つのは、ピロールとアニリンのみであった。そし
て、このピロールとアニリンを用いた場合においても、
未だ十分な電池性能を発現するには至っていなかった。
したがって、実用的に性能の高い二次電池を構成するた
めに、正極材料の選択の幅を増やして、検討することが
必要であると考えられる。
この発明はこのような観点に立ってなされたものであ
り、従来にない良好な性能を有する新規な導電性高分子
およびそれを正極材料に用いた二次電池を提供すること
を目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は二次電池の正極として有効に働く正極材
料を得るため鋭意検討したところ、アミノ基で置換され
たアゾベンゼン誘導体を電解酸化重合または化学酸化重
合して得た導電性高分子を用いたとき、極めて良好な性
能を示すことを見い出し、本発明に到達したものであ
る。
すなわち、特許請求の範囲記載の第1の発明の新規な
導電性高分子は、4−アミノアゾベンゼンまたは4,4′
−ジアミノアゾベンゼンを電解酸化重合または化学酸化
重合して得られる新規の導電性高分子に係るものであ
る。
特許請求の範囲記載の第2の発明は、上記第1の発明
の新規な導電性高分子を正極材料に用いた二次電池に係
るものである。
本発明に係る電解液の溶媒にはプロピレンカーボネー
トまたはプロピレンカーボネートを含む混合溶媒が好ま
しく用いられるが、これに限定されるものではない。
本発明に係る二次電池の負極材料にはリチウム金属ま
たはリチウムを含む合金が好ましく用いられるが、これ
に限定されるものではない。
本発明に係る二次電池の電解質としては、LiBF4、LiC
lO4、LiPF6、LiI、LiBrおよびLiNO3からなる群より選ば
れた化合物またはこれらの2種以上の混合物が好ましく
用いられるが、これに限定されない。
[作用] アゾベンゼンは下記に示す分子構造を持っており、 二重結合が1つおきに存在するため、分子全体がπ電
子によって共役化している。よって、分子全体への電子
移動が可能であり、導電性高分子を作る際の基本骨格と
して非常に適している。アゾベンゼンそのものを電解酸
化重合しても二次電池の正極材料とすることは可能であ
るが、アゾベンゼンのフェニル基に1つ以上のアミノ基
(−NH2)を導入した化合物を電解酸化重合または化学
酸化重合すると、より良好な正極材料が得られることを
見い出した。これは、アミノ基を導入することによっ
て、電解酸化重合または化学酸化重合によって得た導電
性高分子の中に、アニオンの可逆的なドープ、脱ドープ
反応が可能となる基が生成するためと推定できる。既
に、既存の導電性高分子の中で最も安定で深いドープ、
脱ドープ反応が可能であるポリアニリンの、ポリマー中
の窒素原子の酸化還元による、ドープ、脱ドープ機構
が報告されている。アゾベンゼンにおけるアミノ基の導
入の効果は、ポリアニリンの場合と同様と考えられる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものでない。
実施例1 4,4′−ジアミノアゾベンゼン0.2M、n−Bu4NBF40.1M
を含有するプロピレンカーボネート溶液を電解液とし
て、陰極にPtを用いて定電流法5mA/cm2の電流密度の条
件で電解酸化重合を行なった。このようにして作製した
4,4′−ジアミノアゾベンゼン重合物は正極Pt上での密
着力が弱いためか、Pt上には析出せず、溶液中に黒色の
沈澱物として生成した。この生成分をろ過した後、メタ
ノールで2回洗浄し、80℃で減圧乾燥すると、黒色粉末
が得られた。このようにして得られた4,4′−ジアミノ
アゾベンゼン重合物に導電剤としてのアセチレンブラッ
クと、結着材としてのテロラフルオロエチレン粉末とを
90:5:5の重量比で混合した後、この混合物を加圧成形
し、正極活物質とした。リチウム金属を負極に用いて、
電池を組立て、電流密度0.1mA/cm2、充電時間30分の条
件で充放電を行なったところ、90.6%のエネルギ効率を
得た。
実施例2 Fe(ClO4・6H2Oを0.1Mの濃度となるように純水に
溶解し、均一な溶液とした。次いで、攪拌をしながら、
窒素気流下、温度25℃で4,4′−ジアミノアゾベンゼン
を0.1Mの濃度となるように加え、1時間攪拌を継続し
た。すると沈澱物が生成した。このようにして得られた
生成物をろ過した後、メタノールで2回洗浄し、80℃で
減圧乾燥すると、黒色の粉末が得られた。このようにし
て得られた4,4′−ジアミノアゾベンゼン重合物に導電
剤としてのアセチレンブラックと、結着材としてのテト
ラフルオロエチレン粉末とを90:5:5の重量比で混合した
後、この混合物を加圧成形し、正極活物質とした。リチ
ウム金属を負極に用いて電池を組立て、電流密度0.1mA/
cm2、充電時間30分の充放電測定を行なったところ、91.
5%のエネルギ効率を得た。
[発明の効果] 以上説明したとおり、本発明による新規な導電性高分
子を用いれば、従来にない良好な充放電が可能な二次電
池を作製できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は4−アミノアゾベンゼン重合物/リチウム電池
の充放電曲線である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4−アミノアゾベンゼンまたは4,4′−ジ
    アミノアゾベンゼンを電解酸化重合または化学酸化重合
    して得られる新規な導電性高分子。
  2. 【請求項2】4−アミノアゾベンゼンまたは4,4′−ジ
    アミノアゾベンゼンを電解酸化重合または化学酸化重合
    して得られる新規な導電性高分子を、正極材料に用いた
    二次電池。
  3. 【請求項3】負極材料として、リチウム金属またはリチ
    ウムを含む合金を用いる特徴請求の範囲第2項に記載
    の、新規な導電性高分子を正極材料に用いた二次電池。
  4. 【請求項4】電解質としてLiBF4、LiClO4、LiPF6、Li
    I、LiBrおよびLiNO3からなる群より選ばれた化合物また
    はこれらの2種以上の混合物を用いる特許請求の範囲第
    2項または第3項に記載の、新規な導電性高分子を正極
    材料に用いた二次電池。
  5. 【請求項5】電解液の溶媒はプロピレンカーボネートを
    含む特許請求の範囲第2項〜第4項のいずれか1項に記
    載の、新規な導電性高分子を正極材料に用いた二次電
    池。
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