JP2606607B2 - 潜像電荷保持媒体 - Google Patents

潜像電荷保持媒体

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JP2606607B2
JP2606607B2 JP27883494A JP27883494A JP2606607B2 JP 2606607 B2 JP2606607 B2 JP 2606607B2 JP 27883494 A JP27883494 A JP 27883494A JP 27883494 A JP27883494 A JP 27883494A JP 2606607 B2 JP2606607 B2 JP 2606607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリンター、ファック
ス、複写機、表示板等に適用される画像記録装置の電荷
保持媒体に関し、さらに詳しくは、焦電効果を利用して
形成した静電潜像を帯電着色媒体により現像することに
より画像形成を行う画像記録装置の潜像電荷保持媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】加熱により材料表面に電荷を発生させる
焦電性材料を利用して静電潜像を形成し、これを帯電さ
せた着色媒体で顕像化することによって画像記録を行う
方法が、これまでに幾つか開示されている。例えば、米
国特許第3824098号においてバーグマン(Ber
gman)らは、焦電材料にポリフッ化ビニリデン(P
VDF)を使用した複写装置を提案している。この装置
では、図6に示すように、光源41より照射されたラン
プ光を原稿42に透過させ、焦電体層43と導電層44
を積層した潜像電荷保持板45に照射して画像パターン
に応じた加熱を行う。焦電体層43表面には焦電効果に
より潜像電荷46が発生し、これを帯電させた着色粒子
(トナー)47によって現像することによりトナー画像
が得られる。得られたトナー画像は記録紙等に転写され
ることにより原稿の複写が得られる。
【0003】また、バーグマンらは、アプライド・フィ
ジックス・レターズ(Applied Physics
Letters)、Vol.21(10)、1972
年、497〜499頁において、逆極性電荷による潜像
形成について触れている。すなわち、焦電材料の加熱を
行った直後に、焦電材料表面に発生した電荷を中和させ
ると、焦電材料を室温に冷却した際に加熱時と逆極性の
電荷が焦電材料表面に発生する。こうして形成された逆
極性電荷による潜像は、加熱時に発生する電荷と比較し
て、時間経過に対して安定に保持することができる利点
がある。
【0004】また、山崎らは、特開昭56−15835
0号公報の中において、焦電材料の加熱をレーザ光ある
いはサーマルヘッドにより行う方法を開示している。彼
らの記録方式においても、焦電材料が冷却された際に発
生する逆極性電荷による潜像形成が用いられている。
【0005】一方、テイラー(Taylor)は米国特
許第3935327号の実施例において、導電性ブラシ
からなる電荷中和手段を用いて加熱中の焦電性材料表面
を積極的に電荷中和する方法を開示している。また、ス
ネリング(Snelling)は特開平5−13450
6号公報および米国特許第5185619号において、
加熱手段に加熱針を用い、この加熱針の表面に接地され
た導電体層を設けることによって、加熱時に発生する電
荷を中和する方法を開示している。
【0006】図7を参照してスネリングの提案した画像
記録装置の基本構成を説明する。潜像が形成される潜像
電荷保持媒体51は、焦電体層52および導電層53か
ら成る。焦電体層52に接した加熱針54はコントロー
ラ55によって制御され、焦電体層52表面を画像信号
に応じて選択的に加熱する。加熱針54の表面には電荷
中和手段として接地された導電体層56が形成されてお
り、加熱によって焦電体層52表面に発生した電荷はこ
の導電体層56を通して中和される。潜像電荷保持媒体
51が冷却されると、逆極性の電荷が発生し潜像57を
形成する。形成された潜像57は、現像装置58によっ
てトナー現像され、次いで、転写手段59(スネリング
の方式では、この転写手段にも焦電効果を利用してい
る)によって記録媒体60に転写され、画像61が形成
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、逆極性
電荷による潜像形成を実行する場合、十分な潜像電荷密
度を得るためには、加熱時に焦電体層表面を効率的に電
荷中和することが重要である。
【0008】ところで、スネリングの方式では、電荷中
和手段(導電体層)を直接焦電体層表面に接触させて電
荷中和を行っているが、こうした従来の方法では焦電体
層表面の電荷中和を効率よく実行することは極めて困難
であった。
【0009】その第一の理由は、電荷中和手段と焦電体
層表面との間に完全に近い接触状態が要求される点にあ
る。すなわち、焦電体層表面の電荷中和は、電荷中和手
段との接触部分、若しくは十分に近接した部分のみで生
じるため、両者の間に“接触むら”が発生すると、電荷
中和に“むら”が生じ、最終的には画像濃度の不均一を
発生させてしまう。従って、電荷中和手段と焦電体層表
面は全面にわたって均一に密着させることが必要とな
る。ところが、電荷中和手段(導電体部材)表面および
焦電体層表面には細かい凹凸が存在するため、全面にわ
たって完全な接触を得ることは一般に極めて困難であ
る。接触状態を改善する方策としては、電荷中和手段表
面および焦電体層表面を極めて高い平面度ならびに表面
粗さを有する面精度に仕上げるか、または、両者を高い
圧力で押圧させることにより、弾性変形を利用して密着
させる方法などが考えられる。しかし、これらの方法は
装置のコスト増や、大型化(剛性を増すため)等の課題
が生じ、現実的には極めて困難である。このように、従
来の装置では、焦電体層表面と電荷中和手段との間に十
分な接触状態を確保することが難しく、均一で安定した
電荷中和を実行することが困難であった。
【0010】第二の理由は、電荷中和手段に材質面での
制約が生じるという点にある。すなわち、電荷を帯びた
絶縁材料(焦電材料を含む)に導電性材料(電荷中和手
段)を接触させた場合、得られる電荷中和の効率は両材
料の材料特性(仕事関数)や表面状態等に依存する。従
って、焦電体層表面の電荷中和を加熱と同時に瞬時に実
行するためには、電荷中和手段の材質として適切な材料
を選択する必要がある。しかし、このような材質面での
条件を満足し、かつ、装置構成、信頼性、耐久性などに
ついての条件を同時に満足できるような材料を得ること
は非常に難しく、効率の良い電荷中和を実行することが
困難であった。
【0011】従来方法における他の問題点として、焦電
体層の最大許容加熱温度との関係で、十分な記録濃度が
得られにくいという問題が挙げられる。すなわち、焦電
性材料は或る温度(材料のキューリー温度)を越えると
初期に形成された分極状態が崩壊し、得られる焦電効果
が減少もしくは消失してしまう。そのため、焦電材料の
加熱はキューリー温度以下で為される必要がある。しか
し、加熱手段としてサーマルヘッドやレーザ光を用いた
場合、記録画素の中心部の温度が上がりやすく、その結
果、画素全体としての平均濃度が十分に得られず、高い
画像記録濃度を得ることが困難であるという問題があっ
た。
【0012】本発明は上述のような問題点に鑑がみてな
されたものであり、潜像形成時において均一かつ高効率
な電荷中和を可能とし、記録濃度や濃度均一性に優れた
画像記録を実行できる潜像電荷保持媒体を提供すること
を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の潜像電荷保持媒
体は、焦電効果を用いた画像記録装置の潜像電荷保持媒
体において、前記潜像電荷保持媒体は焦電体層と導電層
と複数の微少電極からなり、前記微少電極は導電層と対
向する焦電体層の表面に形成されていることを特徴とす
る。また前記微小電極は記録画素と同等若しくはそれ以
下の大きさからなることを特徴とする。また前記微少電
極を有する側の潜像電荷保持媒体の表面に前記微小電極
と同等の厚さの絶縁体層を形成することを特徴とする。
また前記微小電極のかわりに焦電体層に付着せしめた導
電性微粒子を用いることを特徴とする。また前記導電性
微粒子は熱可塑性高分子中に均一に分散させて焦電体層
表面上に形成されることを特徴とする。
【0014】
【作用】図5を参照しながら、本発明の作用について説
明する。
【0015】潜像電荷保持媒体31は、焦電体層32、
導電層33、および焦電体層32表面に形成された複数
の微小電極34からなる。焦電体層32は分子の自発分
極により表面に分極電荷36を有しているが、初期状態
においてこの潜像電荷保持媒体31の表面(微小電極が
形成されている側を表面とする)は電気的に中和された
状態となっている。すなわち、空気中に存在する浮遊電
荷や、導電性ブラシ等の中和手段から供給された電荷3
7が微小電極34内に蓄積されることにより分極電荷3
6による電界が打ち消され、結果的に微小電極34の電
位は接地電位と等しくなっている(図5(a)参照)。
ここでは仮に、焦電体の自発分極により焦電体層32表
面に発生する分極電荷36を正極性とし、この正極性電
荷と釣り合うように負極性の電荷37が微小電極34内
に蓄積されて中和状態となっていると想定して説明を続
ける。
【0016】潜像電荷保持媒体31は、画像信号に応じ
て加熱手段によって局所的に加熱される。潜像電荷保持
媒体の被加熱部では、焦電体層32内の分子配向状態が
変化し、焦電体層32表面に発生する分極電荷の量が減
少する。そのため、微小電極34内に蓄積された負電荷
の量が過剰となり、結果的に微小電極34は負極性に帯
電することになる(図5(b)参照)。
【0017】潜像電荷保持媒体31の被加熱部の温度が
上昇している間に、微小電極34には電荷中和手段35
が接触される。微小電極34内に発生した過剰の負電荷
は、この電荷中和手段35によって除去され、潜像電荷
保持媒体31表面は再び中和状態となる(図5(c)参
照)。このとき、電荷中和手段35と微小電極34表面
の間に完全な密着状態を得ることは困難であるが、個々
の微小電極内では電荷が自由に移動できるため、それぞ
れの微小電極の一部分でも電荷中和手段35と導通すれ
ば、その微小電極内の電荷中和は均一に実行される。
【0018】加熱が終了し、潜像電荷保持媒体31が初
期温度に冷却されると、焦電体層32内部の分極状態も
初期状態に戻る。このとき微小電極34は既に電荷中和
手段35から分離されているため、先に加熱された部分
の微小電極34では負電荷量が不足となり、見かけ上、
微小電極は正極性に帯電することになる(図5(d)参
照)。つまり、潜像電荷保持媒体31の被加熱部分に
は、冷却後に正極性の潜像が形成されることになる。
【0019】こうして形成された潜像は、空気中に存在
する浮遊電荷が微小電極34内に蓄積されることにより
徐々に消失されていくが、こうした現象は一般に多くの
時間を要し、通常は数時間〜数十時間程度保持される。
【0020】潜像が形成された潜像電荷保持媒体は、帯
電された着色媒体と近接あるいは接触されることにより
着色媒体が焦電体層表面に選択的に付着され、潜像の顕
像化(現像)が行われる。潜像電荷保持媒体上に付着さ
せられた着色媒体は、次いで記録媒体に転写・定着さ
れ、記録媒体上に所望とする画像形成が行われる。
【0021】なお、微小電極は導電性材料から成るた
め、焦電材料に比べて熱伝導性に優れる。そのため、加
熱手段から供給された熱は微小電極内を高速に拡散する
ことが可能となり、焦電体層を直接加熱する場合に比べ
て、局所的な温度上昇を抑制することが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、図1〜図4を参照して本発明の実施例
について説明する。
【0023】(実施例1)図2は、本発明の潜像電荷保
持媒体を用いた画像記録装置を示した図であり、図1は
その潜像電荷保持媒体の第1の実施例の構成を示した図
である。
【0024】図2を参照すると、この画像記録装置は、
無端ベルト状の潜像電荷保持媒体1、加熱手段としての
サーマルヘッド7、電荷中和手段としての導電体層8、
現像手段としての現像器9、転写手段としての転写ロー
ラ10、および定着器11から構成される。
【0025】潜像電荷保持媒体1は、図1に示すよう
に、焦電体層2、導電層3、および焦電体層2表面に形
成された孤立した複数の微小電極4から構成される(図
2には微小電極を図示せず)。焦電体層2および導電体
層3の材料には、それぞれPVDF(厚さ約30μm )
およびアルミニウム膜(厚さ約1000A(オングスト
ローム))を用いた。微小電極4は、焦電体層2表面に
形成した金属膜(厚さ約1000A(オングストロー
ム))を、直径20μm 、ピッチ約25μm の円型電極
としてパターニングすることにより形成した。微小電極
4の材料には、アルミニウムおよびニッケルを用いた。
導電体層3は導電ローラ12を介して常に接地電位に保
った。
【0026】本実施例で使用したサーマルヘッド7は熱
転写記録用として一般に用いられているライン型サーマ
ルヘッドであり、ジュール熱により発熱する微小発熱素
子が、約83μm ピッチ(300dot/inch)で
潜像電荷保持媒体1の幅方向に一列に並んだ構造をして
いる。これらの発熱素子を、コントローラ13により画
像信号に応じて選択的に発熱させ、潜像電荷保持媒体1
の加熱を行った。
【0027】サーマルヘッド7の表面には、電荷中和手
段としての導電体層8が発熱部を覆うように形成されて
いる。本実施例では、サーマルヘッド表面に厚さ約10
00A(オングストローム)のニッケルもしくはクロム
の金属薄膜を蒸着により形成し、これを導電体層として
用いた。なお、電荷中和手段には、本実施例のように加
熱手段表面に形成した金属膜を用いる方法以外に、加熱
手段と潜像電荷保持媒体の間に挟んだ導電性フィルムを
用いるなど、他の様々な方式を用いることによっても同
様の効果を得ることができる。
【0028】潜像電荷保持媒体1の被加熱部分表面の微
小電極4には、焦電体層2の焦電効果に起因した電荷
(作用の項で述べた過剰負電荷)が発生するが、これは
導電体層8を通して瞬時に中和される。このとき、各微
小電極4表面の一部が導電体層8と電気的に接触するこ
とにより、その微小電極全体の電荷中和が完全に実行さ
れる。
【0029】加熱が終了した潜像電荷保持媒体1を自然
冷却により室温に戻し、逆極性電荷による潜像14を形
成した。なお、潜像電荷保持媒体の冷却は、自然冷却の
他、強制空冷あるいはヒートシンクとの熱伝導など、強
制的な冷却手段を用いることも可能である。
【0030】潜像電荷保持媒体1上に形成された潜像1
4は、現像器9を用いて現像した。本実施例では、現像
方法に二成分磁気ブラシ現像を用いた。すなわち、絶縁
性および非磁性の着色粒子(トナー)を磁性キャリヤ粒
子と混合し、両者の摩擦によりトナーを帯電させ、キャ
リヤ表面に付着させた状態の現像剤15を、マグネット
ローラ16を内包したスリーブ17上に保持し、潜像電
荷保持媒体1と接触させることにより、潜像電荷保持媒
体1上の電荷分布に応じて選択的にトナーを付着させ、
潜像の顕像化を行った。
【0031】現像を終えた潜像電荷保持媒体1は、記録
媒体である記録紙18と重ね合わせ、電圧を印加した転
写ローラ10を記録紙18背面より押し当てることによ
り、トナーを記録紙18表面に静電転写した。本実施例
では、転写ローラ10に導電性ゴムローラを用い、これ
に約+1kVの電圧を印加してトナーの静電転写を行っ
た。
【0032】トナーを転写された記録紙18を、ヒート
ローラ19と圧力ローラ20からなる定着器11に通す
ことにより、記録紙18表面のトナーを一旦溶融状態と
し、記録紙18上へ定着した。以上のような記録プロセ
スにより、記録紙18上に画像21を形成した。
【0033】なお、潜像の現像方法、現像剤の種類、記
録媒体への転写方法、および記録媒体への定着方法など
については、本実施例で用いた方式に限定されるもので
はなく、従来の電子写真記録で用いられるような他の方
式を用いても同様の効果を得ることが可能である。
【0034】トナーを記録紙18に転写した後、潜像電
荷保持媒体1は再び潜像形成部(サーマルヘッド部)に
搬送され、次の潜像形成が実行される。これに先立ち、
潜像電荷保持媒体1上に未転写トナーが残存する場合に
は、必要に応じてクリーナー(図示せず)を用いた除去
が行われる。また、潜像電荷が残存している場合には、
必要に応じて接地した導電性ブラシ(図示せず)等の除
電手段を潜像電荷保持媒体1表面に接触させることによ
り、簡単に潜像電荷の中和を行うことができる。なお、
転写後のトナーおよび潜像電荷の残存が少ない場合に
は、クリーナーや除電手段は必ずしも必要ではない。
【0035】上記のような装置構成のもとで記録実験を
実行した結果、平滑性の低い普通紙上に十分な記録濃度
(OD値約1.7)および高い濃度均一性を有する画像
記録が可能であることが確認された。
【0036】なお、本実施例では、サーマルヘッド1画
素の発熱素子サイズは75μm ×100μm であり、潜
像電荷保持媒体上の微小電極の大きさの径が20μm で
あるため、約20個の微小電極により1画素が構成され
ることになる。このように、微小電極の大きさを記録画
素の大きさよりも小さくすることにより、加熱手段によ
り形成した温度分布に忠実な濃度分布を得ることが可能
となり、解像度および鮮鋭度の高い画像記録が可能とな
る。
【0037】(実施例2)図3は、本発明の第2の実施
例における潜像電荷保持媒体の構成を示した図である。
【0038】実施例2では、潜像電荷保持媒体1は、焦
電体層2、導電層3、微小電極4、および微小電極4周
囲に形成した絶縁層5より構成される。絶縁層5を除く
構成要素は、実施例1で示したものと同一である。絶縁
層5は、耐熱性および絶縁性を有する高分子材料からな
り、微小電極4とほぼ等しい厚さに形成されているた
め、潜像電荷保持媒体1の表面は高い平滑性を有してい
る。画像記録は実施例1と同様のプロセスによって実行
される。
【0039】本実施例のように、絶縁層5の形成により
潜像電荷保持媒体の表面平滑性を向上させることは、潜
像電荷保持媒体の耐久性や記録画像の品質を向上させる
上で有効である。すなわち、実施例1で示したように焦
電体層表面に微小電極のみを形成した場合には、潜像電
荷保持媒体の表面に凹凸が発生し、潜像電荷保持媒体の
表面平滑度は悪化する。すると、潜像電荷保持媒体の凹
部に付着した着色媒体のクリーニングが困難となり、こ
れが画像品質劣化の原因となる場合がある。また、潜像
形成部やクリーニング部などにおいて、微小電極が大き
な応力に曝されやすいため、電極の摩耗・損傷が発生
し、潜像電荷保持媒体に十分な耐久性が得られない場合
がある。これに対し、本実施例の潜像電荷保持媒体構造
では、潜像電荷保持媒体に高い表面平滑度が得られるた
め、上記のような問題を回避することができ、信頼性お
よび耐久性の高い装置を実現することが可能となる。
【0040】(実施例3)図4は、本発明の第3の実施
例における潜像電荷保持媒体の構成を示した図である。
【0041】実施例3では、潜像電荷保持媒体1は、焦
電体層2、導電層3、絶縁層5、および微小電極として
の導電性微粒子6より構成される。導電性微粒子6には
粒径約10μm のアルミニウム粉を用い、これを熱可塑
性高分子中に均一に分散したものを焦電体層2表面に塗
布した後、硬化させることにより形成した。このとき、
絶縁層5の厚さは導電性微粒子6の径よりも薄くし(約
8μm )、導電性微粒子6が表面に露出するような構造
とした。本潜像電荷保持媒体を用いた画像記録は、実施
例1と同様のプロセスによって実行することができる。
【0042】本実施例で示したような潜像電荷保持媒体
構造を用いることにより、安価で微小電極の形成を行う
ことができ、また、極めて小さな微小電極を形成できる
ことから、解像度の高い画像記録が可能となる。
【0043】なお、導電性微粒子を焦電体層表面に付着
させる方法としては、本実施例のように熱可塑性の高分
子材料を用いる以外に、焦電体層表面に直接導電性微粒
子を埋め込むなど、他の方法を用いることも可能であ
る。また、導電性微粒子6の一部が潜像電荷保持媒体表
面に露出させることができれば、絶縁層5’の厚さは、
必ずしも導電性微粒子6以下にする必要はない。
【0044】以上、実施例をもって本発明を詳細に説明
したが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。例えば、上記の実施例において加熱手段に全
てライン型サーマルヘッドを用いたが、シリアル型サー
マルヘッド、レーザ光、光シャッタ等を用いたランプ加
熱、フラッシュ加熱など、あらゆる加熱手段を用いるこ
とが可能である。
【0045】また、上記の実施例において、潜像電荷保
持媒体はベルト状としたが、ドラム状、平板状など、他
の形状のものを用いても同様の効果を得ることが可能で
ある。
【0046】さらに、上記の実施例において、記録媒体
は全て紙としたが、その他様々な記録媒体に対して本発
明が有効であることは明白である。また、記録媒体に対
する着色媒体の転写および定着は必ずしも必要でなく、
一時的に記録媒体上あるいは潜像電荷保持媒体上に着色
媒体を保持することにより、表示板等、一時的に情報表
示する機器への応用も可能である。
【0047】また、上記の実施例において、着色媒体は
全て着色粒子(粉体トナー)としたが、液体トナー、液
状インクなど、他の形態の着色媒体を使用してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
潜像電荷保持媒体の潜像形成面上に電気的に遊離した複
数の微小電極を備えることにより、潜像形成過程におけ
る過剰電荷の中和を導電性部材同士の接触によって行う
ことができるため、均一かつ効率的な電荷中和を実行す
ることができる。そのため、記録濃度、濃度均一性、記
録速度に優れた画像記録を実行することが可能となる。
また、加熱手段より供給された熱が微小電極面内で高速
に拡散されるため、焦電体層の局所的な過剰温度上昇を
防ぐことが可能となる。そのため、焦電体層の特性を劣
化させることなく、潜像電荷保持媒体の加熱に十分な大
きな熱量を投入が可能となり、十分な記録濃度を得るこ
とができる。
【0049】また、本発明によれば、記録画素と同等若
しくはそれ以下の大きさの微小電極を備えることによ
り、加熱手段により形成された温度分布に忠実な濃度分
布、および高い解像度を有する画像記録が可能となる。
【0050】また、本発明によれば、潜像電荷保持媒体
表面の各微小電極間の間隙部分に、微小電極と同等の厚
さを有する絶縁体層を備えることにより、装置の耐久性
および信頼性を向上させることが可能となる。
【0051】また、本発明によれば、微小電極を導電性
微粒から構成することにより、潜像電荷保持媒体を安価
で製造することが可能となり、かつ解像度の高い画像記
録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における潜像電荷保持媒
体の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す構成図である。
【図3】本発明の第2の実施例における潜像電荷保持媒
体の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例における潜像電荷保持媒
体の構成を示す図である。
【図5】潜像の形成過程を説明するための図である。
【図6】第1の従来例を示す構成図である。
【図7】第2の従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 潜像電荷保持媒体 2 焦電体層 3 導電層 4 微小電極 5 絶縁層 6 導電性微粒子 7 サーマルヘッド 8 導電体層 9 現像器 10 転写ローラ 11 定着器 12 導電ローラ 13 コントローラ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焦電効果を用いた画像記録装置の潜像電荷
    保持媒体において,前記潜像電荷保持媒体は焦電体層と
    導電層と複数の微少電極からなり,前記微少電極は導電
    層と対向する焦電体層の表面に形成されていることを特
    徴とする潜像電荷保持媒体。
  2. 【請求項2】前記微小電極は記録画素と同等若しくはそ
    れ以下の大きさからなることを特徴とする請求項1記載
    の潜像電荷保持媒体。
  3. 【請求項3】前記微小電極を有する側の潜像電荷保持媒
    体の表面に前記微小電極と同等の厚さの絶縁体層を形成
    することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の潜像
    電荷保持媒体。
  4. 【請求項4】前記微小電極のかわりに焦電体層に付着せ
    しめた導電性微粒子を用いることを特徴とする請求項
    1、請求項2または請求項3記載の潜像電荷保持媒体。
  5. 【請求項5】前記導電性微粒子は熱可塑性高分子中に均
    一に分散させて焦電体層表面上に形成されることを特徴
    とする請求項4記載の潜像電荷保持媒体。
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