JP2606572Y2 - 無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器 - Google Patents

無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器

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JP2606572Y2
JP2606572Y2 JP1993032852U JP3285293U JP2606572Y2 JP 2606572 Y2 JP2606572 Y2 JP 2606572Y2 JP 1993032852 U JP1993032852 U JP 1993032852U JP 3285293 U JP3285293 U JP 3285293U JP 2606572 Y2 JP2606572 Y2 JP 2606572Y2
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功 大塚
孝義 今枝
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は積層発泡シート製容器、
特に充分な保温性及び強度を備えた薄肉の無架橋プロピ
レン系樹脂積層発泡シート製容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】従来よ
りポリスチレン系樹脂発泡シートと樹脂シートとの積層
シートよりなる、容器開口部の径に対して容器深さが比
較的深い食品容器や包装容器が広く用いられている。し
かしながらこれらの容器は耐熱性及び剛性において不充
分であり、近年の電子レンジ加熱食品の普及に伴い加熱
調理用食品容器としての耐熱性、保温性が要求されてき
ていると共に、保管場所をとらないように積み重ねた際
の嵩を小さくするための薄肉化及び容器底面隅部の剛性
が要求されてきている。
【0003】そこで耐熱性を改善するために発泡シート
の基材樹脂をスチレン−無水マレイン酸共重合体、スチ
レン−メタクリル酸共重合体等のスチレン系樹脂や架橋
プロピレン系樹脂等としたものが提案されている。上記
スチレン系樹脂共重合体を基材樹脂とした発泡シートを
用い、これに従来の樹脂シートを積層した積層シートを
深絞り成形して容器とした場合は、スチレン成分に対す
るコモノマーの成分量を増加させることによって耐熱性
を向上することはできるものの、反面成形性が低下して
しまい、深絞り成形時に容器表面のスキン層に亀裂が入
るなどの不良品が発生するという問題がある。
【0004】また、架橋プロピレン系樹脂を基材樹脂と
した発泡シートを用い、これに従来の樹脂シートを積層
した積層シートを成形して容器とした場合は、発泡シー
トの製造工程において樹脂を架橋させた後に発泡を行う
ためにシートに殆ど延伸がかかっておらず、また発泡後
に延伸をかけることも困難であるため保形性に乏しく、
型崩れが生じ易いために深絞り形状に形成した容器を得
ることが困難で、特に薄肉であるとその傾向はより顕著
であった。
【0005】また、Tダイス法による無架橋プロピレン
系樹脂発泡シート等のように独立気泡率の低いシートを
成形して得た容器は断熱性に乏しく保温性が不充分なも
のとなってしまう問題があった。
【0006】更に、上記種々の手段によっては容器底面
部において充分な剛性を有する薄肉の深絞り容器を得る
ことはできなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は上記従来の課題
を解決するためになされたもので、薄肉でしかも成形
性、耐熱性、保温性に優れ、容器表面の割れもなく、更
に容器の強度も充分で底面隅部の剛性などは特に優れた
容器を提供することを目的とする。
【0008】即ち、本考案無架橋プロピレン系樹脂積層
発泡シート製容器は、(1)ドローダウン性が60m/
分以下の無架橋ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とする
密度0.04〜0.4g/cm3、厚さ0.5〜3mm、独
立気泡率80%以上の無架橋プロピレン系樹脂発泡シー
トの少なくとも片面に厚さ200〜1000μm、無機
フィラー含有量5〜70重量%の樹脂シートが積層され
ていることを特徴とする無架橋プロピレン系樹脂積層発
泡シート製容器、(2)樹脂シートの基材樹脂が、ポリ
プロピレン系樹脂である上記(1)記載の記載の無架橋
プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器、及び(3)容
器開口部の最小径Lに対する容器最大深さDの比率D/L
が、0.5以上である上記(1)又(2)記載の無架橋
プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器系樹脂積層発泡
シート製容器、を特徴とする。
【0009】尚、本考案において後述する深絞り容器と
は、特に容器開口部の最小径に対する容器最大深さの比
率が0.5以上のものをいう。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図面は本考案の一実施例を示すものであ
る。本考案無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート製容
器1は、例えば図1に示すように、無架橋プロピレン系
樹脂発泡シート2と樹脂シート3とを積層してなる無架
橋プロピレン系樹脂積層発泡シート4の、上記樹脂シー
ト3側が外面側になるように円錐台形状に形成されてい
る。そして容器開口部の最小径Lに対する容器最大深さ
Dの比率D/Lが0.5以上の深絞り容器である。
【0011】無架橋プロピレン系樹脂発泡シート2の密
度は0.04〜0.4g/cm3 である。密度が0.0
4g/cm3 未満の場合は保形性及び剛性が乏しく、ま
た0.4g/cm3 を越える場合は容器の柔軟性、保温
性が低い。
【0012】また、厚さは0.5〜3mmで、好ましく
は0.5mm〜1.8mmである。厚さが0.5mm未
満の場合は加熱時の伸びの問題が起こり易く成形性に悪
影響を及ぼし、また3mmを越える場合は通常薄肉とは
言えなくなり、極端な場合は容器を積み重ねた時の高さ
(一般に「スタック高さ」と称する)が高くなり過ぎて
保管が困難となる等の問題が生じる。
【0013】また、独立気泡率は80%以上であり、独
立気泡率が80%未満の場合は充分な保温性が得られな
い。
【0014】無架橋プロピレン系樹脂発泡シート2に用
いられる無架橋プロピレン系樹脂は単独共重合体、ブロ
ック共重合体、ランダム共重合体のいずれであってもよ
く、プロピレンとプロピレン以外の少量のオレフィンと
の共重合体が好ましい。このオレフィンとしては、エチ
レン或いは炭素数4〜10のα−オレフィンが挙げら
れ、これらは1種又は2種以上組み合わせて使用するこ
とができる。炭素数4〜10のα−オレフィンとしては
例えば1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−
メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテ
ン、3−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。
【0015】上記オレフィンは、通常共重合体中に0.
5〜30重量%、特に1〜10重量%の割合で含有され
ることが好ましい。
【0016】また、上記無架橋プロピレン系樹脂として
は、主鎖に長鎖分岐を有するものが好ましい。
【0017】上記、主鎖に長鎖分岐を有するプロピレン
系樹脂は、通常の結晶性線状プロピレン系樹脂(通常、
重量平均分子量100000以上)であって、しかもそ
の中にアタクチック成分又は/及びアイソタクチックで
はあるが結晶していない成分を含む樹脂に対し、低温分
解型(分解温度:室温〜120℃程度)の過酸化物を混
合して120℃以下に加熱し、通常のプロピレン系樹脂
の主鎖にアタクチック又は/及び結晶していないアイソ
タクチック成分を分岐鎖として結合せしめる等の方法に
より得ることができ、通常、主として主鎖の端部に長鎖
分岐を有する枝分かれ状構造を有するものである。
【0018】上記低温分解型の過酸化物としては、ジ
(s−ブチル)ペルオキシジカーボネート、ビス(2−
エトキシ)ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシ
ルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオ
キシジカーボネート、ジ−n−ブチルペルオキシジカー
ボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、
t−ブチルペルオキシネオデカノアート、t−アミルペ
ルオキシネオデカノアート、およびt−ブチルペルオキ
シピバラート等が例示される。
【0019】また、上記無架橋プロピレン系樹脂として
は、ドローダウン性が60m/分以下のものである。ド
ローダウン性とは230℃に加熱した溶融プロピレン系
樹脂をメルトインデクサーのノズル(口径2.095m
m、長さ8mm)より10mm/分の一定速度で紐状に押し
出し、次いで該紐状物を上記ノズルの下方に位置する張
力検出プーリーの上方に位置する送りロールを通過させ
た後、巻き取りロールで巻き取る一方で巻き取りロール
の巻き取り速度を徐々に増加させていって紐状物を切断
させ、この切断時における紐状物の巻き取り速度をい
う。
【0020】一般に、長鎖分岐の数や長さとドローダウ
ン性との間には次のような関係がある。即ち、長鎖分岐
の数が多い程、また分岐の長さが長い程、ドローダウン
性の値は低下する。従って長鎖分岐の数や長さを増加さ
せることにより2次的にドローダウン性の値を低下させ
ることができる。従って所望のドローダウン性の値を呈
する共重合体を得るには、これらを考慮して適当な長鎖
分岐の数や長さを有する無架橋プロピレン系樹脂が得ら
れるような反応条件を設定すればよい。
【0021】主鎖に分岐を有しないか、また分岐を有し
ていても短すぎたり分岐の数が僅かであるものは、通常
ドローダウン性も60m/分を上回ってしまう。このよ
うなプロピレン系樹脂を使用して押出し発泡を行って、
密度0.03〜0.4g/cm3 の発泡シートを得よう
としても、得られる発泡シートはコルゲートや表面凹凸
が多く商品価値のないものになってしまう。
【0022】主鎖に長鎖分岐を有し、しかもドローダウ
ン性が60m/分以下である無架橋プロピレン系樹脂を
得るには例えば、通常の(主鎖に長鎖分岐を有しない)
プロピレン系樹脂を、攪拌機を備えた反応器中で攪拌し
ながらアルゴン等の不活性ガスで反応器内を置換し、次
いで上記過酸化物を樹脂1kg当たり通常5〜50ミリ
モル添加し、攪拌を続けながら120℃程度まで、好ま
しくは70〜105℃程度に加熱して反応させ(通常3
0〜120分間)、しかる後反応を停止させる等の方法
を用いることができる。反応停止に当たってはメチルメ
ルカプタンのような反応停止剤を反応容器に導入した
り、或いは反応生成物を130〜150℃程度に20〜
40分間加熱する等の方法を採用することができる。
【0023】無架橋プロピレン系樹脂発泡シート2に用
いられる無架橋プロピレン系樹脂はまた、その結晶化温
度+15℃における半結晶化時間が800秒以上である
ことが好ましく、特に1000秒以上であることが好ま
しい。この半結晶化時間の測定には結晶化速度測定器を
用いることができる。
【0024】半結晶化速度を測定するには、まずフィル
ム状の試料を保持した支持体を、結晶化速度測定器のエ
アバス内に入れて試料を完全に溶融させ、次いで溶融試
料を支持体ごと試料の結晶化温度+15℃の温度に保持
されたオイルバス中に、光源と光りセンサーとの間の光
路を遮るように浸漬し、溶融試料が再度固化するまでの
間、光りセンサーにおいて常に一定の光量が検出される
ように光源の電圧を調整し、図2に示す如き電圧〜時間
曲線を得る。この曲線における電圧が一定値となった時
の電圧をV0 とした時、電圧が1/2V0 となるまでの
時間を半結晶化時間とした。
【0025】無架橋プロピレン系樹脂発泡シート2を得
る方法としては、押出機内で無架橋プロピレン系樹脂と
発泡剤とを溶融混練した後、この溶融混練物を押出機先
端に取り付けた、環状のリップを有するサーキュラーダ
イスを用い、このダイスのリップより押出発泡してチュ
ーブ状の発泡体を得、次いでこのチューブを切り開いて
シート状とする方法等を採用することができる。
【0026】上記発泡剤としては、無機発泡剤、揮発性
発泡剤、分解型発泡剤等を用いることができる。無機発
泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素等が挙げられ
る。
【0027】また、揮発性発泡剤としてはプロパン、n
−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族
炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪
族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロ
ロメタン、ジクロロテトラフロロエタン、メチルクロラ
イド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロ
ゲン化炭化水素等が挙げられる。
【0028】また、分解型発泡剤としては、アゾジカル
ボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ア
ゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等が挙げ
られる。これらの発泡剤は適宜混合して用いることがで
きる。
【0029】発泡剤の使用量は、発泡剤の種類、所望す
る発泡倍率等によっても異なるが、密度0.03〜0.
4g/cm3 の発泡シート2を得るための発泡剤の使用
量の目安は、樹脂100重量部当たり無機発泡剤で0.
2〜2.7重量部(二酸化炭素換算)程度、揮発性発泡
剤で0.5〜7重量部(ブタン換算)程度、分解型発泡
剤で0.1〜11重量部程度である。尚、本考案容器を
構成する密度0.04〜0.4g/cm3 、厚さ0.5
〜3mmの発泡シートの調整は、容器成形前の発泡シー
トの倍率、厚さが、熱による積層や熱成形工程を経て減
少する場合があるので、このことを充分に考慮して行わ
なければならない。
【0030】発泡シート2を製造する際の樹脂と発泡剤
との溶融混練物中に、必要に応じて気泡調整剤を添加す
ることができる。気泡調整剤としてはタルク、シリカ等
の無機粉末や多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸
と炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムとの反応混合
物等が挙げられる。気泡調整剤は樹脂100重量部当た
り13重量部以下で添加するのが好ましい(但し無機フ
ィラーを樹脂に多量に含有させる場合は除く)。また必
要に応じて更に安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着
色剤等の添加剤を添加することもできる。
【0031】また予め樹脂中に、可能な範囲で無機充填
剤を含有させても良い。無機充填剤としては後述する樹
脂シート3に含有させるものと同様のものを用いること
ができる。これら無機充填剤の平均粒径は1〜70μm
であるのが好ましい。
【0032】本考案においては発泡シート2の基材樹脂
として無架橋プロピレン系樹脂を用いたことによって、
スチレン系樹脂共重合体を基材樹脂とした場合と比較し
て成形性、耐熱性が共によく、また該発泡シート2は延
伸がかけられたものとすることができるので、本考案無
架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器は保形性に
優れ、容易に型崩れしない。また、密度0.04〜0.
4g/cm3、独立気泡率80%以上の表面状態の良好な発
泡シートが得られ、特に主鎖に長鎖分岐を有し且つドロ
ーダウン性が60m/分以下の無架橋プロピレン系樹脂
を用いることにより、上記の発泡シートが容易に得られ
るため、厚さ0.5〜3mmの薄肉であっても樹脂シート
3と積層されていることによって充分な剛性、耐熱性及
び保温性を有する。
【0033】樹脂シート3は無機フィラーを総重量に対
して5〜70重量%、好ましくは15〜50重量%含有
していて、該無機フィラーが容器1の剛性向上に大きく
寄与している。特に深絞り容器の場合は顕著な効果が見
られる。無機フィラー含有量が5重量%未満の場合は剛
性向上効果が乏しく、70重量%を越えると成形性に悪
影響を及ぼす。上記無機フィラーとしてはタルク、シリ
カ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、
硫酸バリウム、ガラス等が挙げられる。
【0034】樹脂シート3の厚さは200〜1000μ
mである。厚さが200μm未満の場合は保形性、剛性
が乏しく、1000μmを越える場合は柔軟性が低く積
層等の加工性が良くない。本考案においては、樹脂シー
ト3に上記無機フィラーが含有されているため、厚さを
最小200μmと薄くしても充分な剛性が得られると共
に耐熱性が得られる。
【0035】樹脂シート3の基材樹脂としては、ポリエ
チレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等を用いること
ができる。特にリサイクル性、接着性、耐熱性、耐油
性、剛性等の点からポリプロピレン系樹脂が好ましく、
発泡シート2を構成する樹脂と同種であるのがより好ま
しい。即ち例えば、発泡シート2の基材樹脂がプロピレ
ン−エチレンブロック共重合体ならば、樹脂シート3の
基材樹脂もプロピレン−エチレンブロック共重合体であ
るのが好ましい。
【0036】無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート4
は、上記無架橋プロピレン系樹脂発泡シートと樹脂シー
トとを積層し、成形することにより得られる。積層方法
としては、エクストルージョンラミネート法、サーマル
ラミネート法、ホットメルト等の接着剤によるラミネー
ト法等一般的な方法を採用することができるが、本考案
において用いられる樹脂シート3は通常のものより厚い
ものであるため、サーマルラミネート法を採用する場合
は、独立気泡率、発泡倍率、厚み低下につながる発泡シ
ート側の溶融脱泡を考慮して本考案の特定範囲から外れ
ないように行う必要がある。また接着剤によるラミネー
ト法を採用する場合は通常使用される接着剤を用いるこ
とができ、特にEVA系の接着剤が好ましい。
【0037】無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート4
としては、無架橋プロピレン系樹脂発泡シート2の少な
くとも片面に樹脂シート3が積層されていれば良く、樹
脂シート3が無架橋プロピレン系樹脂発泡シート2の両
面に積層されていてもよい。但し、両面に積層されてい
る場合、樹脂シート3は通常のものより厚いために、ス
タック高さを考慮するとあまり好ましくない。
【0038】本考案無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シ
ート製容器1を成形するには、上記無架橋プロピレン系
樹脂積層発泡シートを真空成形、圧空成形やこれらの応
用としてフリードローイング成形、プラグ・アンド・リ
ッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、スト
レート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エア
スリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリ
バースドロー成形等やこれらを組み合わせた方法等を用
いて所望の容器形状に成形する。
【0039】上記の如く容器1を成形するにあたって、
無架橋プロピレン系樹脂発泡シートの片面だけに樹脂シ
ートが積層された無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シー
トを用いて成形する場合は、図1に示すように、無架橋
プロピレン系樹脂発泡シート2側が容器の内面側にな
り、樹脂シート3側が容器の外面側になるようにして成
形しても、また上記と逆になるように成形してもどちら
でもよい。
【0040】次に、具体的実施例を挙げて本考案を更に
詳細に説明する。 〔実施例1〜5、比較例1〜5〕 実施例1〜5、比較例1〜5の容器は、下記の樹脂Aを
基材とする発泡シートと樹脂B(1、2)を基材とする
樹脂シートとを表1及び表2に示す方法で積層した樹脂
積層発泡シートを用いて、樹脂シートが外面に位置する
ようにして開口部最小径120mm、最大深さ70mm
の、外径形状が円錐台形の薄肉の深絞り容器に成形した
ものである。容器を成形する際の成形性、及び得られた
容器の底面隅部の剛性、保温性、並びに発泡シート2と
樹脂シート3の厚み等を表1及び表2に併せて示す。
【0041】樹脂A:主鎖に長鎖分岐を有するプロピレ
ン/エチレンブロック共重合体(米国ハイモンド社製
「SD−632」:融点159.9℃、ドローダウン性
3.1m/分、メルトテンション13.0gf) 樹脂B1:プロピレン単独共重合体(日本石油化学社製
「E120G」) 2:樹脂Aと同じ樹脂
【0042】尚、評価内容については以下の通りであ
る。 ◎・・・極めて良好である。 ○・・・概ね良好である。 ×・・・不充分である。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】本考案の容器は、剛性に優れるため、食品
容器はもとよりカメラ等の精密機器、またオーディオや
そのパーツ等の電子部品の包装にも好適に使用される。
【0046】
【考案の効果】以上説明した如く本考案無架橋プロピレ
ン系樹脂積層発泡シート製容器は、発泡シートの少なく
とも片面に樹脂シートが積層された樹脂積層発泡シート
製とし、上記発泡シートとしては、無架橋プロピレン系
樹脂を基材樹脂として用いたため発泡シートの耐熱性、
成形性に優れ、しかも該発泡シートに延伸加工を施され
たものとすることができるので容器に成形した際の保形
性がよいという利点がある。また上記発泡シートは、ド
ローダウン性が60m/分以下の無架橋プロピレン系樹
脂を基材樹脂とし、密度0.04〜0.4g/cm3、独立
気泡率80%以上に構成したので、上記発泡シートと樹
脂シートとが積層されている無架橋プロピレン系樹脂積
層発泡シート製容器は保温性に優れるという利点があ
る。
【0047】また、上記樹脂シートに無機フィラーを5
〜70%含有せしめたため、該樹脂シートが積層されて
いる無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器は深
絞り成形性、剛性に優れ、特に容器底面隅部の強度に優
れると共に耐熱性も更に高くなるという利点がある。ま
た上記容器を焼却処分する際の燃焼カロリーを低くする
ことができる。
【0048】また、上記無架橋プロピレン系樹脂積層発
泡シート製容器は肉厚が0.5〜3mmの発泡シート
と、同じく肉厚が200〜1000μmの樹脂シートと
が積層されている樹脂積層発泡シート製であり、全体と
して薄肉であるので、容器を積み重ねた際の高さ(スタ
ック高さ)が小さくなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート
製容器の一部切欠斜視図である。
【図2】結晶化速度測定によって得られた電圧〜時間曲
線である。
【符号の説明】 1 無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器 2 無架橋プロピレン系樹脂発泡シート 3 樹脂シート 4 無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート L 容器開口部の最小径 D 容器最大深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−99984(JP,A) 特開 昭61−242841(JP,A) 特開 平6−192460(JP,A) 実開 昭60−43566(JP,U) 特表 平8−504471(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 9/00 - 9/42 B65D 1/00 - 1/48

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドローダウン性が60m/分以下の無架
    橋プロピレン系樹脂を基材樹脂とする密度0.04〜
    0.4g/cm3、厚さ0.5〜3mm、独立気泡率80%以
    上の無架橋プロピレン系樹脂発泡シートの少なくとも片
    面に厚さ200〜1000μm、無機フィラー含有量5
    〜70重量%の樹脂シートが積層されていることを特徴
    とする無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器。
  2. 【請求項2】 樹脂シートの基材樹脂が、ポリプロピレ
    ン系樹脂である請求項1記載の記載の無架橋プロピレン
    系樹脂積層発泡シート製容器。
  3. 【請求項3】 容器開口部の最小径Lに対する容器最大
    深さDの比率D/Lが、0.5以上である請求項1又2記
    載の無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器。
JP1993032852U 1993-05-26 1993-05-26 無架橋プロピレン系樹脂積層発泡シート製容器 Expired - Fee Related JP2606572Y2 (ja)

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