JP2606420Y2 - 繊維マット素材 - Google Patents

繊維マット素材

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JP2606420Y2
JP2606420Y2 JP3553893U JP3553893U JP2606420Y2 JP 2606420 Y2 JP2606420 Y2 JP 2606420Y2 JP 3553893 U JP3553893 U JP 3553893U JP 3553893 U JP3553893 U JP 3553893U JP 2606420 Y2 JP2606420 Y2 JP 2606420Y2
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源吾 品田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、複数の素材からなる複
合防音材に用いる繊維マット素材に関し、制振鉄板,カ
ーペット,機器フレームなどの防音材料の裏面に貼り合
わせて防音効果を付与する繊維マット素材に関する。
【0002】
【従来の技術】新幹線や在来線などでは、近年、路線の
沿線にも住宅や店舗が数多く建設されるようになり、列
車や電車から発生する騒音が生活に及ぼす悪影響が問題
視されている。鉄道車輌におけるモータ部などの騒音発
生源は、制振鉄板や遮音板などの防音材で囲むだけでは
遮音効果が不十分であり、よりいっそう騒音を低下させ
ることが急務の課題でなっている。
【0003】 従来の防音材における遮音効果を高める
ために、鉄道車輌や自動車の一部では、ポリウレタンを
制振鉄板や機器フレームなどの裏面に貼り合わせて用い
ている。ポリウレタンは、一般に断熱材及びクッション
材としても優れた性能を有し、構造体として用いて強度
が要求される場合には、ガラス繊維やロック繊維で強化
することも可能である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ポリウレタンは、苛酷
な使用環境では機械的性質及び耐熱性の点で不十分であ
り、特に高温雰囲気中で強度が著しく低下する。このた
め、ポリウレタンを貼着した防音材は、主として建材又
は住宅構成材として防火の必要のない場所に用いるだけ
であり、しかも販売コストの高くなる場合が多い。
【0005】 本考案は、ポリウレタンを貼着した従来
の防音材に関する機械的性質及び耐熱性の点を改善する
ために提案されたものである。本考案は、鉄道車輌,自
動車や建材などに用いる複合防音材の一部として好適な
繊維マット素材を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案に係る繊維マット素材1は、図1から図3に
示すように、繊度1〜15デニールの合成及び/又は天
然繊維2を50〜90%及び熱融着性繊維3を10〜5
0%含み、全体を均一に混綿したカードラップからな
る。このカードラップは、ニードルパンチングなどを行
なわずに水平又は垂直に積層して加熱し、密度0.01
〜0.20g/cm3で厚さ5〜50mmに定める。この
カードラップは、水平積層の場合は従来と同様に積み重
ね、垂直積層の場合にはバーチカルラップフォーマなど
を用いて積み重ねればよい。
【0007】 合成及び/又は天然繊維2は、熱融着性
繊維3よりも約40℃以上、好ましくは70℃以上融点
が高ければよい。合成及び/又は天然繊維2は、ポリエ
ステル,ポリプロピレン,アクリル,ナイロンなどの合
成繊維、羊毛,木綿などの天然繊維,アセテートなどの
化学繊維又はこれらを混綿した繊維であり、一般にポリ
エステルが好ましい。これらの原料繊維は、一部又は全
部が反毛(回収再生綿)であってもよい。
【0008】 一方、熱融着性繊維3としては、ポリプ
ロピレンやポリエステルが好ましく、エチレン又はブテ
ンなどとのコポリマが好適である。この熱融着性繊維
は、合成及び/又は天然繊維2よりも低融点であればよ
く、融点が90〜170℃である繊維や樹脂、例えばポ
リエチレン,ポリプロピレン,低融点ポリエステル,低
融点ポリアミド又はこれらの混合物なども使用可能であ
る。
【0009】 繊維マット素材1の耐熱性を高めるに
は、図4に示すように、繊度1〜15デニールの炭素系
繊維4を50〜90%使用し、これを10〜50%の熱
融着性繊維3と混綿すればよい。炭素系繊維4として
は、一般に公知の炭素繊維,耐炎繊維,黒化繊維などが
例示できる。このマット素材には、所望に応じて、散
布,塗布,含浸処理で酸化ケイ素系樹脂を添加してもよ
い。
【0010】 本考案において、水平積層ラップ5は、
図5に示すように垂直積層ラップ6と積み重ね、両者の
間に接着剤を介して加熱接着してもよい。この接着剤
は、例えばホットメルト不織布やフィルムなどの熱融着
シート7である。また、水平又は垂直積層のラップ5又
は6は、炭素系繊維50〜90%及び熱融着性繊維10
〜50%を含むラップ8(図6)と積み重ねて接着して
もよい。得たマット素材は、全体として密度0.01〜
0.20g/cm3,厚さ5〜50mmを有する。
【0011】
【作用】本考案のマット素材1は、スピーカボックス1
1(図1)やステレオボックス12(図2)のような機
器フレーム,フロアカーペット13(図3),制振鉄板
14(図4),遮音シート15(図5)などの他の防音
材料の裏面に貼り合わせて用いる。マット素材1は、所
定の防音材における遮音効果をいっそう高め、苛酷な使
用環境における機械的性質及び耐熱性が優れている。
【0012】 繊維マット素材1は、例えば熱風で予熱
してから直ちにプレスすると、スピーカボックス11な
どのフレーム内部に応じた所望の形状に成形できる。マ
ット素材1は、炭素系繊維4を熱融着性繊維3と混綿・
加熱して得た場合には難燃性であり、一般に熱伝導率が
低くなって防火性能を有する。
【0013】
【実施例】次に、本考案を実施例に基づいて説明する。 実施例1 図1に示す複合防音材20を製造するため、羊毛80%
と、4デニールであるポリエステル系熱融着性繊維(商
品名:メルティー、ユニチカ製)20%とを相互に混綿
して得たカードラップを水平に積層する。さらに、15
0℃で2分間加熱処理して、目付500g/m2で見掛
け厚さ20mmのマット素材1を得る。
【0014】 マット素材1は、加熱処理時にスピーカ
ボックス11の内部に応じた形状に成形し、スピーカボ
ックス11のフレーム裏面にアクリル系樹脂の接着剤を
塗布して貼り合わせる。マット素材1は、スピーカボッ
クス11のフレームにおける遮音効果をいっそう高め
る。
【0015】実施例2 図2に示す複合防音材21を製造するため、3デニール
のポリエステル50%と、6デニールのポリエステル2
0%と、4デニールであるポリエステル系熱融着性繊維
(商品名:メルティー)30%とを相互に混綿して得た
カードラップをバーチカルラップフォーマで垂直に積層
する。さらに、150℃で2分間加熱処理して、目付6
00g/m2で見掛け厚さ40mmのマット素材22を
得る。
【0016】 マット素材22は、加熱処理時にステレ
オボックス12の内部に応じた形状に成形し、ステレオ
ボックス12のフレーム裏面にアクリル系樹脂の接着剤
を塗布して貼り合わせる。マット素材22は、ステレオ
ボックス12のフレームにおける遮音効果をいっそう高
める。
【0017】 マット素材22は、図3に示すように、
フロアカーペット13の裏面にアクリル系樹脂の接着剤
を塗布して貼り合わせてもよい。マット素材22は、加
熱処理によって自動車内部に応じた形状に成形でき、高
級自動車用の防音材及び緩衝材として使用する。
【0018】実施例3 図4に示す複合防音材23を製造するため、1.9デニ
ールであるアクリル焼成耐炎繊維(商品名:ラスタン)
70%、4デニールであるポリエステル系熱融着性繊維
(商品名:メルティー)30%とを相互に混綿して得た
カードラップを水平に積層する。さらに、150℃で3
分間加熱処理して、目付1000g/m2で見掛け厚さ
50mmのマット素材24(密度0.02g/cm3)を
得る。
【0019】 マット素材24の熱伝導率を試験方法A
法(JIS L 1096)によって測定すると、0.0
50(kcal/m,Hr,℃)であり、該マット素材
は防火性能を有するとともにほぼ難燃性である。マット
素材24は、厚さ1mmの制振鉄板14の上側にウレタ
ン系樹脂の接着剤を塗布して貼り合わせ、新幹線車両に
おけるモータ部用の防音材として使用する。
【0020】実施例4 図5に示す複合防音材25を製造するため、6デニール
のポリエステル70%と、4デニールであるポリエステ
ル系熱融着性繊維(商品名:メルティー)30%とを相
互に混綿して得たカードラップを水平に積層する。さら
に、150℃で2分間加熱処理して、目付300g/m
2で見掛け厚さ15mmのマット素材26を得る。
【0021】 マット素材26は、実施例2で製造した
マット素材22(目付300g/m2,見掛け厚さ15
mm)の上側に配置し、中間に25g/m2のホットメ
ルト不織布を介在させて150℃で1分間加熱接着す
る。得た複合マット素材は、厚さ3mmのポリ塩化ビニ
ル系の遮音シート15と貼り合わせ、自動車におけるダ
ッシュボード用の防音材として使用する。
【0022】実施例5 図6に示す複合防音材27を製造するため、実施例4で
製造したマット素材26を、実施例3で製造したマット
素材24(目付400g/m2,見掛け厚さ30mm)
の下側に配置し、中間に25g/m2のホットメルト不
織布を介在させて150℃で1分間加熱接着する。得た
複合マット素材は、厚さ1mmの制振鉄板14の上側に
ウレタン系樹脂の接着剤を塗布して貼り合わせ、通勤電
車車両におけるモータ部用の防音材として使用する。
【0023】
【考案の効果】本考案に係る繊維マット素材は、他の防
音材料の裏面に貼り合わせて用い、所定の防音材におけ
る遮音効果をいっそう高めるとともに、断熱材及びクッ
ション材としても優れた性能を有する。本考案のマット
素材は、苛酷な使用環境において機械的性質及び耐熱性
に優れ、ポリウレタンに比べて高温雰囲気中でも強度が
殆ど低下せず、密度は0.01〜0.20g/cm3であ
るから厚さに比べて軽く、多量に使用しても複合防音材
全体の重量はそれほど増加しない。
【0024】 本考案の繊維マット素材は、熱風などで
予熱してからプレスで圧縮成形すると所望の形状に成形
でき、車輌内部などの狭い設置個所では自由に変形させ
て容易に施工できる。本考案のマット素材は、施工作業
の裁断時にガラス粉のような粉塵が発生しないので作業
環境が悪化せず、比較的安価であるので複合防音材全体
のコストを引き上げることが少ない。
【0025】 本考案の繊維マット素材は、炭素系繊維
を熱融着性繊維と混綿・加熱して得た場合には難燃性に
なる。得た複合防音材は、熱伝導率が低くなって防火性
を有することにより、特に鉄道車輌や自動車用として好
適であり、建材又は住宅構成材の一部として使用しても
安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る繊維マット素材を拡大して示す
部分断面図である。
【図2】 本考案の変形例を示す部分断面図である。
【図3】 図2のマット素材の別の変形例を示す部分断
面図である。
【図4】 本考案の第3の変形例を示す部分断面図であ
る。
【図5】 本考案の第4の変形例を示す部分断面図であ
る。
【図6】 本考案の第5の変形例を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 繊維マット素材 2 合成及び/又は天然繊維 3 熱融着性繊維 4 炭素系繊維 5 水平積層ラップ 6 垂直積層ラップ 7 熱融着シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/16 - 11/175 D04H 1/42 D04H 1/54 - 1/56 B61D 49/00

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーチカルラップフォーマによってカー
    ドラップを垂直に積層した垂直積層ラップを用い、合成
    及び/又は天然繊維50〜90%と熱融着性繊維10〜
    50%とを混綿したカードラップを垂直に積層して加熱
    することにより、密度0.01〜0.20g/cm3,厚
    さ5〜50mmに定め、他の防音材料の裏面に貼り合わ
    せて用いる繊維マット素材。
  2. 【請求項2】 バーチカルラップフォーマによってカー
    ドラップを垂直に積層した垂直積層ラップを用い、合成
    及び/又は天然繊維50〜90%及び熱融着性繊維10
    〜50%を含む水平積層ラップと、合成及び/又は天然
    繊維50〜90%及び熱融着性繊維10〜50%を含む
    垂直積層ラップとを接着剤を介して加熱接着することに
    より、密度0.01〜0.20g/cm3,厚さ5〜5
    0mmを有する繊維マット素材。
  3. 【請求項3】 バーチカルラップフォーマによってカー
    ドラップを垂直に積層した垂直積層ラップを用い、合成
    及び/又は天然繊維50〜90%及び熱融着性繊維10
    〜50%を含む垂直積層ラップと、炭素系繊維50〜9
    0%及び熱融着性繊維10〜50%を含むラップとを接
    着剤を介して加熱接着することにより、密度0.01〜
    0.20g/cm3,厚さ5〜50mmを有する難燃性
    の繊維マット素材。
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KR102131079B1 (ko) * 2018-10-29 2020-07-08 주식회사 서연이화 차음재용 카페트

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