JP2606389B2 - 空燃比制御装置の診断装置 - Google Patents

空燃比制御装置の診断装置

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JP2606389B2
JP2606389B2 JP1315545A JP31554589A JP2606389B2 JP 2606389 B2 JP2606389 B2 JP 2606389B2 JP 1315545 A JP1315545 A JP 1315545A JP 31554589 A JP31554589 A JP 31554589A JP 2606389 B2 JP2606389 B2 JP 2606389B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はエンジンの空燃比制御装置の診断装置、特
に触媒コンバータの性能について診断を行うものに関す
る。
(従来の技術) 触媒コンバータの上流と下流にそれぞれ酸素センサ
(O2センサ)を設けた、いわゆダブルO2センサシステム
の装置があり、こうした装置に対して、触媒コンバータ
についての診断を行う装置が提案されている(特開昭63
−97852号公報参照)。
これを第9図で説明すると、同図は触媒コンバータの
性能劣化を判定するためのルーチンで、所定時間ごと
(たとえば4msごと)に行なわれる。S21ではエンジンの
回転数が所定の範囲(1000rpm≦Ne≦300rpm)にあるか
どうか、S22ではエンジン負荷相当量(吸入空気量Qa/回
転数Ne)が所定の範囲(0.5リットル/rev≦Qa/Ne≦1.5
リットル/rev)にあるかどうかを判定する。つまり、ア
イドル状態,加減速状態,燃料増量域等を除いた定常状
態にある場合のみS23に進む。
S23では、タイマのカウンタ値CTを1だけインクリメ
ントし、S24にてCT≦CT0かどうかにより所定時間CT0×4
ms経過したかどうかを判定する。所定時間経過前(CT≦
CT0)であれば、S25,S26に進んで下流側O2センサ出力の
反転回数をカウントにより計数する。すなわち、S25に
て下流側O2センサ出力が反転したかどうかをみて、反転
すればS26で反転ごとにカウンタ値CSを1だけインクリ
メントする。
S24で所定時間経過すると(CT>CT0)、S27に進む。S
27ではカンウタ値(下流側O2センサの反転回数)CSが所
定値CS0以上かどうかをみて、CS<CS0であれば、触媒コ
ンバータに性能劣化を生じていないと判断してS28に進
む。S28ではアラームを停止(もしくは解除)する。
他方CS≧CS0であれば性能劣化を生じたと判断して、S
30に進み、ここでアラームを鳴らす。
S32ではカウンタ値CT,CSをともにクリアする。
触媒コンバータに性能劣化を生じていない場合は、上
流側O2センサ出力が高い応答速度(周波数)を有するの
に対し、下流側O2センサの出力は低い応答速度を有す
る。ところが、触媒コンバータに性能劣化を生じると、
触媒がO2を蓄えておく効果(O2ストレージ効果)が減少
するので、下流側O2センサ出力の応答速度が高くなる。
第9図のルーチンによれば、このような下流側O2センサ
の応答速度が高くなった場合に性能劣化を生じたと診断
しているのである。
(発明が解決しようとする課題) ところで、所定の運転条件で触媒転化率(特にHCに対
する転化率)が半分程度(たとえば50%)まで落ちた場
合にこれを触媒コンバータの性能劣化であると判断して
診断モニターに表示させることを法律にて義務づけてい
る国がある。こうした国の法律に適合させるためには、
下流側O2センサ出力の反転回数が、第10図において触媒
転化率が50%の位置で急変する(一点鎖線で示す)必要
がある。
なお、第10図において、「Rr−O2反転回数」は下流側
O2センサ出力の反転回数、「Fr−O2反転回数」は上流側
O2センサ出力の反転回数の略である(第11図いおいて同
じ)。
しかしながら、従来例では車重や車速等の相違により
下流側O2センサの反転回数の急変する位置が第10図実線
で示すように、触媒転化率50%を外れる。たとえば車速
が中程度、触媒容量も中程度のエンジン(このエンジン
を標準エンジンとする)に対して、車重がそれよりも軽
くて触媒容量が相対的に大きなエンジンでは、標準エン
ジンよりもガスボリュームが小さいため、標準エンジン
と同じ程度に性能劣化を生じていても、触媒容量に余裕
があるので、下流側O2センサの反転回数の急変する位置
が50%よりも小さな触媒転化率のほうにずれる。この逆
に、車重が標準エンジンよりも重くて触媒容量が相対的
に小さなエンジンでは、50%よりも大きな触媒転化率の
ほうにずれてしまうのである。
この場合に、一点鎖線の位置では反転回数が所定値よ
りもわずかだけ小さく、したがって性能劣化は生じてい
ないと判断されていたものが、車速を大きくしたために
その急変する位置が、みかけ上の触媒転化率の小さな側
にずれると、反転回数が所定値を上回り、この場合には
性能劣化を生じたと判断される。つまり、同じ程度の性
能劣化でありながら、車速が違うと判定結果の違う事態
が生ずることから、所定の運転条件における触媒転化率
が50%に落ちたことを精度良く検出できなくなるのであ
る。
特に、特開昭63−97845号公報では、上流側O2センサ
の出力特性のばらつき等を補償するため、上流側O2セン
サによる空燃比フィードバック制御に加えて下流側O2
ンサによる空燃比フィードバック制御を行うようにして
あり、このものによれば、空燃比の制御精度が高まっ
て、制御点がほぼ完全な三元点へと制御されるので、こ
うした装置では、第11図に示すように、下流側O2センサ
の反転回数の急変する位置が、車重や車速に関係なく、
触媒転化率50%よりも大きな側にずれてしまう。
なお、特開昭64−45913号公報では、全域空燃比セン
サを用いて触媒コンバータの性能劣化を診断している
が、このものでは、センサが高価のため、コストアップ
となる。
この発明はこのような従来の課題に着目してなされた
もので、上流側O2センサによる空燃比フィードバック制
御に加えて下流側O2センサによる空燃比フィードバック
制御を行うものにおいて、下流側O2センサの出力の急変
する位置がHCまたはCOに対する所定の触媒転化率の位置
へと制御されるように、空燃比制御点を強制的に車重ま
たは車速に応じた所定値だけシフトさせることにより、
診断精度の向上を図るようにした装置を提供することを
目的とする。
なお、特願平1−190632号(特開平3−57862号)に
は、上流側空燃比センサ出力の反転周期と下流側空燃比
センサ出力の反転周期の比を演算し、この比と基準値と
の比較により触媒に劣化が生じかどうかを判定するもの
において、上流側O2センサの反転周期は排気流速の影響
を、他方、下流側O2センサの反転周期が排気流量の影響
をそれぞれ強く受けることから、上記の基準値が一定だ
と劣化判定精度が低下するので、これを防止するため、
上記の基準値をエンジンの負荷と回転数に応じて設定す
るようにしたものが開示されている。しかしながら、こ
のものは、触媒に劣化が生じたかどうかを単に判定する
だけのものにすぎず、特にHCまたはCOに対する触媒転化
率が所定値にまで落ちたかどうかを具体的に判定するよ
うにした本発明とは技術的思想が異なる。
(課題を解決するための手段) この発明は、第1図に示すように、エンジンの負荷
(たとえば吸入空気量Qa)と回転数Neをそれぞれ検出す
るセンサ31,32とこれらの検出値に応じて基本噴射量Tp
を計算する手段33と、触媒コンバータ上流の排気通路に
介装され理論空燃比を境に急変する特性を有する酸素セ
ンサ34と、このセンサ出力と理論空燃比相当のスライス
レベルS/Lとの比較により空燃比が反転したかどうかを
判定する手段35と、前記触媒コンバータ下流の排気通路
に介装され理論空燃比を境に急変する特性を有する第2
の酸素センサ40と、このセンサ出力と理論空燃比相当の
スライスレベルS/L2との比較により空燃比がリッチにあ
るかリーンにあるかを判定する手段46と、このリッチに
あるかリーンにあるかの判定結果と前記反転したかどう
かの判定結果に応じ空燃比が理論空燃比の近傍へと制御
されるように空燃比のフィードバック補正量αを計算す
る手段36と、この空燃比フィードバック補正量αにて前
記基本噴射量Tpを補正して燃料噴射量Tiを決定する手段
37と、この噴射量Tiを燃料噴射装置39に出力する手段38
とを備えるエンジンの空燃比制御装置において、所定の
運転条件にあるかどうかを判定する手段41と、所定の運
転条件にあることが判定された場合に所定の触媒転化率
(たとえば50%)で前記第2の酸素センサ出力が急変す
るように前記空燃比フィードバック補正量αにて制御さ
れる空燃比を強制的に車速または車重に応じた所定量だ
けシフトさせる手段(たとえば空燃比フィードバック補
正量のうち比例分,積分分もしくは微分分を増減しもし
くは空燃比フィードバック補正量の信号を所定時間だけ
進遅させる手段42Aまたは前記スライスレベルS/Lを上下
する手段42B)と、この強制的シフトにより変化する所
定時間当たりの前記第2の酸素センサ出力(たとえば酸
素センサ出力の反転回数,振幅または平均値)を計測す
る手段43と、この計測値に基づいて前記触媒コンバータ
に性能劣化を生じたかどうかを判定する手段44と、この
判定結果を出力する手段45とを設けた。
(作用) 上流側O2センサによる空燃比フィードバック制御に加
えて下流側O2センサによる空燃比フィードバック制御を
行うものでは、空燃比の制御精度が高まって、制御点が
ほぼ完全な三元点へと制御されるので、下流側O2センサ
出力がスライスレベル付近で振れることになり、スライ
スレベルを横切る回数が増えるため、反転回数比が大き
くなり、下流側O2センサの反転回数の急変する位置が、
HC(またはCO)に対する所定の触媒転化率より大きなほ
うへずれる。
このとき本発明では、所定の運転条件が満足される
と、制御空燃比が強制的にシフト、たとえばリッチ側に
シフトされる。このリッチシフトにより、下流側O2セン
サ出力がリッチ側にかたより(つまり下流側O2センサ出
力の波形がスライスレベルよりO2センサ出力の大きくな
る側に遠ざかり)、下流側O2センサ出力がスライスレベ
ルを横切る回数が減って反転回数比が小さくなるため、
下流側O2センサ出力の反転回数の急変する位置が、HC
(またはCO)に対する触媒転化率の小さくなる方へと移
り、所定の触媒転化率の位置へと戻る。
なお、リーン側にシフトしてもかまわない。このとき
は、下流側O2センサ出力がリーン側にかたよることで、
下流側O2センサ出力の波形がスライスレベルよりO2セン
サ出力の小さくなる側に遠ざかり、このときも下流側O2
センサ出力がスライスレベルを横切る回数が減って反転
回数比が小さくなるため、下流側O2センサ出力の反転回
数の急変する位置が、HC(またはCO)に対する触媒転化
率の小さくなる方へと移り、所定の触媒転化率の位置へ
と戻る。
この場合に、車重または車速が大きくなるほど所定の
触媒転化率からのずれ量が大きくなることを見いだして
いるので、空燃比の強制的シフト量を車重または車速に
応じて与えてやることで、車重または車速に関係なく、
下流側O2センサ出力の反転回数の急変する位置をHC(ま
たはCO)に対する所定の触媒転化率の位置へと制御でき
る。
このようにして本発明では、空燃比制御点を強制的に
車重または車速に応じた所定値だけシフトさせることに
より、車重や車速の相違によらず、下流側O2センサ出力
の急変する位置を、HC(またはCO)に対して規制条件な
どにより予め定まる触媒転化率の位置へと常に制御でき
るようにしたため、車重や車速が相違しても、安定して
高精度に触媒コンバータについての性能劣化の診断を行
うことができる。
(実施例) 第2図は一実施例のシステム図である。
図において、吸入空気はエアクリーナ2から吸気管3
を通ってシリンダに導入され、燃料はコントロールユニ
ット20からの噴射信号に基づきインジェクタ(燃料噴射
装置)4からエンジン1の吸気ポートに向けて噴射され
る。シリンダ内で燃焼したガスは排気管5を通して触媒
コンバータ6に導入され、ここで燃焼ガス中の有害成分
(CO,HC,NOx)が三元触媒により清浄化されて排出され
る。
吸入空気の流量Qaはホットワイヤ式のエアフローメー
タ7により検出され、アクセルペダルと連動する吸気絞
り弁8によってその流量が制御される。
エンジン1の回転数Neはクランク角センサ10により検
出され、ウォータジャケットの冷却水温Twは水温センサ
11により検出される。
触媒コンバータ6の上流と下流の排気管にそれぞれ設
けられた酸素センサ12A,12Bは理論空燃比を境にして急
変する特性を有し、理論空燃比の混合気よりもリッチで
あるかリーンであるかのいわゆる2値を検出する。
さらに、スロットル弁8の全閉位置はスロットル弁ス
イッチ9により検出される。
上記エアフローメータ7,クランク角センサ10,水温セ
ンサ11,酸素センサ12A,12Bからの出力はコントロールユ
ニット20に入力される。
コントロールユニット20では空燃比のフィードバック
制御を行うとともに、触媒コンバータの性能劣化の診断
を行い、その診断結果をたとえば運転席に設けた診断モ
ニター21に表示する。
なお、コントロールユニット20は第1図の手段33,35
〜38,41〜46としての全機能を有し、CPU,ROM,RAMおよび
I/Oポートにより構成される。CPUはROMに書き込まれて
いるプログラムにしたがってI/Oポートより必要とする
外部データを取り込んだり、またRAMとの間でデータの
授受を行ったりしながら燃料噴射制御に必要な値を演算
処理し、必要に応じて処理したデータをI/Oポートへ出
力する。
I/Oポートには各種センサやスイッチからの信号が入
力されるとともに、I/Oポートからは噴射信号が出力さ
れる。I/Oポートは第1図の出力手段38の機能を果た
す。
ROMはCPUにおける演算プログラムを格納しており、RA
Mは演算に使用するデータをテーブルやマップ等の形で
記憶している。
第3図は触媒コンバータの性能劣化診断を行うための
ルーチンで、たとえばタイマ同期で実行される。所定の
回転角ごとに実行するように構成しても構わない。
S1は第1図の所定運転条件判定手段41の機能を果たす
部分で、ここでは所定の運転条件にあるかどうかをみ
て、そうであればS2に進む。これに対して、所定の運転
条件になければS17,S18に進み、カウンタ値CF1とフラグ
の値FLAG1を“0"に戻す。
S1での所定運転条件は、法律等の規制条件に対応して
定める。たとえば規制条件がO2センサ出力が安定する定
常状態であるとすれば、エアフローメータ7の出力Qaが
所定の範囲内にあること、クランク角センサ10にて検出
されるエンジン回転数Neが所定の範囲内にあること、ス
ロットル弁8が開いた直後等の過渡時でないこと、燃料
噴射パルス幅Tiが所定の範囲内にあること、水温センサ
11の出力が所定値以上であること等の総ての条件を満た
す場合である。
S2ではFLAG1の値をみて、これが“0"であれば性能劣
化判定モードにない、つまり所定の運転条件が成立した
直後にあるとして、S3に進む。これに対して、FLAG1の
値が“1"であれば性能劣化判定モードにあるとしてS6に
進む。つまり、FLAG1=1は性能劣化判定モードにある
ことを、FLAG1=0は性能劣化判定モードに入っていな
いことを表す。
S3は第1図の強制的シフト手段42Aの機能を果たす部
分である。ここでは制御空燃比を所定値だけシフトさせ
るため、空燃比がリッチからリーンに反転した直後に与
える比例分PLを次式により、所定値PLだけ大きくす
る。
PL=PL+PLS …… なお、式においての右辺のPLは、公知の空燃比フィ
ードバック制御により、上流側O2センサ出力に基づいて
計算される値である。公知の空燃比フィードバック制御
で計算される空燃比フィードバック補正係数αは、第4
図で示す周期的波形(空燃比がリーンからリッチへとあ
るいはこの逆にリッチからリーンへと反転した直後にそ
れぞれ与えられる比例分PR,PLとリッチ継続中あるいは
リーン継続中に与える積分分IR,ILとからなる)をも
ち、値の大きさについてはPR=PL,IR=ILとされる。
これら比例分,積分分からは次式〜によりαが定
まる。
(i)空燃比がリーンからリッチに反転した直後 α=α−PR …… (ii)リッチ継続中 α=α−IR …… (iii)空燃比がリッチからリーンに反転した直後 α=α+PL …… (iv)リーン継続中 α=α+IL …… なお、図示しないが、特開昭63−97845号公報と同様
に、比例分PR,PLはさらに下流側O2センサ出力とスライ
スレベルの比較によっても修正される。たとえば、下流
側O2センサ出力とスライスレベルの比較により、下流側
O2センサ出力がスライスレベルより大きいとき(つまり
リッチ側にあるとき)、空燃比がリーン側に戻るよう
に、また下流側O2センサ出力がスライスレベルより小さ
いとき(つまりリーン側にあるとき)、空燃比がリッチ
側に戻るように、比例分PR、PLなどがそれぞれ修正され
る。
このαを用い次式により最終的な燃料噴射パルス幅
Tiが決定される。
Ti=Tp×Co×α+Ts …… ただし、式において、Tpはエアフローメータ出力Qa
とエンジン回転数Neから定まる基本噴射パルス幅、Coは
1と水温増量補正係数等との和、Tsはインジェクタ4の
無効パルス幅である。
こうした公知の空燃比フィードバック制御にて、第1
図の空燃比反転判定手段35,空燃比フィードバック補正
量計算手段36,基本噴射量計算手段33,燃料噴射量決定手
段37およびリッチ・リーン判定手段46の各機能が果たさ
れる。
S3にてPLだけが大きくされるため、PL>PRとなる。こ
の場合に、PLを増加させる理由は次のようである。
上流側O2センサによる空燃比フィードバック制御に加
えて下流側O2センサによる空燃比フィードバック制御を
行うものでは、空燃比の制御精度が高まって、制御点が
ほぼ完全な三元点へと制御されるので、下流側O2センサ
出力がスライスレベル付近で振れることになり、スライ
スレベルを横切る回数が増えるため、反転回数比が大き
くなり、下流側O2センサの反転回数の急変する位置が、
HCに対する50%の触媒転化率より大きなほうへずれる。
そこで、制御空燃比を所定値だけリッチ側にシフトして
やると、下流側O2センサ出力がリッチ側にかたより(つ
まり下流側O2センサ出力の波形がスライスレベルよりO2
センサ出力の大きくなる側に遠ざかり)、下流側O2セン
サ出力がスライスレベルを横切る回数が減って反転回数
比が小さくなるため、下流側O2センサ出力の反転回数の
急変する位置が、HCに対する触媒転化率の小さくなる方
へと移り、50%の触媒転化率の位置へと戻すことができ
るのである。
なお、リーン側にシフトしてもかまわない。このとき
は、下流側O2センサ出力がリーン側にかたよることで、
下流側O2センサ出力の波形がスライスレベルよりO2セン
サ出力の小さくなる側に遠ざかり、このときも下流側O2
センサ出力がスライスレベルを横切る回数が減って反転
回数比が小さくなるため、下流側O2センサ出力の反転回
数の急変する位置が、HCに対する触媒転化率の小さくな
る方へと移り、50%の触媒転化率の位置へと戻る。
この場合、車重または車速が大きくなるほど所定の触
媒転化率からのずれ量が大きくなることを見いだしてい
るので、ここでは車重と触媒容量に応じてPLSの値を定
める。
S4,6〜12は第1図の計測手段43の機能を果たす部分で
ある。
まず、S4ではカウンタ値CFを1だけインクリメントす
る。
S5ではFLAG1の値を“1"とする。これにて、所定の運
転条件が継続される限り、次回はS2よりS6へと進み、性
能劣化判定モードの動作に移る。このモード移ってから
はS6においてカウンタ値CF1を1だけインクリメントす
る。これより、このカウンタ値は所定運転条件が満足さ
れてからの経過時間を表す。
S7とS8では下流側O2センサ出力(図では「RrO2」で略
している)とスライスレベルとの比較により、下流側O2
センサ出力が理論空燃比を境に反転したかどうかをみ
て、反転したらS8でカウンタ値O2Fを1だけインクリメ
ントする。このカウンタ値O2Fは下流側O2センサ出力の
反転回数を表す。
S9では所定期間のモニタリングを行ったかどうかをみ
る部分で、CF1の値と所定値(一定値)CF0#を比較し、
CF1≧CF0#ならS3での強制的シフトから所定時間経過し
たと判断してS10に進む。
S10〜S12,S16は性能劣化判定モードを終了させるた
め、各パラメータを元に戻す部分である。S10とS12では
CF1とFLAG1の値を“0"に戻し、S11ではS3でした強制的
シフトを解除する(比例分PLから増加分PLSを差し引
く)。
S13は第1図の性能劣化判定手段44の機能を果たす部
分で、ここではS8でカウントしたO2Fの値と所定値(一
定値)O2CF#を比較し、O2F≧O2FC#であれば触媒コン
バータに性能劣化を生じたと判断して、S14に進み、こ
の逆にO2F<O2FC#であれば、S15に進む。
S14とS15は第1図の判定結果出力手段45の機能を果た
す部分である。S14では、診断モニター21(たとえばラ
ンプやブザー)が性能劣化を生じたことを表示するよう
に、診断モニターに信号を出力する。S15ではこの逆に
診断モニターの表示を解除する信号を出力する。
S16ではO2Fの値を“0"に戻す。
ここで、この例の作用を説明する。
上流側O2センサによる空燃比フィードバック制御に加
えて下流側O2センサによる空燃比フィードバック制御を
行うものでは、空燃比の制御精度が高まって、制御点が
ほぼ完全な三元点へと制御されるので、下流側O2センサ
出力がスライスレベル付近で振れることになり、スライ
スレベルを横切る回数が増えるため、反転回数比が大き
くなり、図11で示したように、下流側O2センサの反転回
数の急変する位置が、HCに対する50%の触媒転化率より
大きなほうへずれている。
本発明では所定の運転条件(エンジンの定常状態等)
が満足されると、比例分PLが所定値PLSだけ大きくされ
る。このPLの増加により、空燃比フィードバック補正係
数αは第4図で破線から実線へと変化することになり、
制御空燃比が全体としてリッチ側にシフトされる。
このリッチシフトにより下流側O2センサ出力の波形が
スライスレベルよりO2センサ出力の大きくなる側に遠ざ
かり、下流側O2センサ出力がスライスレベルを横切る回
数が減って反転回数比が小さくなるので、下流側O2セン
サ出力の反転回数の急変する位置が第11図において触媒
転化率の小さくなる方(図で左側)へと移り、HCに対す
る触媒転化率50%の位置へと戻る。
この場合に、図11に示したように車重が大きくなるほ
ど触媒転化率50%の位置からのずれ量が大きくなること
を見いだしているので、任意の車重や触媒容量をもつエ
ンジンであっても、その車重や触媒容量に合わせて比例
分の増量分を適切に定めることにより、下流側O2センサ
出力の反転回数の急変する位置を常にHCに対する触媒転
化率50%の位置にもってくることができ、これにてHCに
対する触媒転化率が50%にまで落ちたという触媒コンバ
ータについての性能劣化を高精度に診断することができ
る。
また、この例では増加分PLSを車重と触媒容量に応じ
て予め定めることにより、下流側O2センサ出力の反転回
数の急変する位置を触媒転化率50%の位置にもってくる
ことができるものの、第11図でも示したように、車重と
触媒容量以外の要因、たとえば車速等の運転条件が相違
すると、その急変する位置が触媒転化率50%の位置から
再び外れてしまう。つまり、下流側O2センサ出力の反転
回数の急変する位置が触媒転化率50%の位置より外れる
ことになる車速域では、性能劣化の判定精度が低下す
る。これに対処するには、車速が相違してもその急変す
る位置が50%の位置にくるように車速に応じてもPLSの
値を定めれば良い。たとえば、車速に対するPLSのマッ
プを予め用意しておくのである。
実施例では、下流側O2センサ出力の所定時間当たりの
反転回数が、所定値を越えた場合に性能劣化を生じたと
判断するものであるが、この場合の下流側O2センサ出力
については、センサ出力の反転回数に限らず、センサ出
力の振幅や平均値を計測し、この計測値と所定値との比
較により性能劣化判定を行うようにすることもできる。
また、実施例では、比例分を増減シフトさせるもので
あったが、同様の効果は、積分分や微分分を増減シフト
させる、αの信号を進遅シフトさせるまたは上流側O2
ンサと比較するスライスレベルを上下にシフトさせるこ
とによっても得られる。なお、上流側O2センサと比較す
るスライスレベルを上下にシフトさせることにより、第
1図の強制的シフト手段42Bの機能が果たされる。
たとえば、第4図と同様に、空燃比をリッチシフトさ
せる場合の波形を第5図〜第8図に示す。第5図では積
分分ILが所定値だけ大きくされ、第6図では微分分Dが
所定値だけ加えられ、第7図ではαの信号が所定時間遅
らされ、第8図では上流側O2センサ出力Vと比較するス
ライスレベルS/Lが所定値だけ低くされている。
最後に、実施例では下流側O2センサ出力の反転回数の
急変する位置を、HCに対する触媒転化率50%の位置へ移
す場合で説明したが、下流側O2センサ出力の反転回数の
急変する位置を、COに対する触媒転化率50%の位置へ移
す場合にもこの発明を適用することができる。
(発明の効果) この発明は、上流側O2センサによる空燃比フィードバ
ック制御に加えて下流側O2センサによる空燃比フィード
バック制御を行うものにおいて、空燃比制御点を強制的
に車速または車重に応じた所定値だけシフトさせること
により、車重や車速の相違によらず下流側酸素センサ出
力の急変する位置を規制条件などにより予め定まる触媒
転化率の位置へと制御するようにしたため、車重や車速
が相違しても所定の運転条件におけるHCまたはCOに対す
る触媒転化率が前記所定の転化率が落ちたことを精度良
く検出でき、これによってHCまたはCOに対する触媒転化
率が所定の転化率に落ちたかどうかの触媒コンバータに
ついての性能劣化の診断を安定して高精度に行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のクレーム対応図、第2図は一実施例
の制御システム図、第3図はこの実施例の制御動作を説
明するための流れ図、第4図はこの実施例の空燃比フィ
ードバック補正係数αの波形図、第5図ないし第8図は
それぞれ他の実施例の作用を説明するための波形図であ
る。 第9図は従来例の作用を説明するための流れ図、第10図
と第11図はそれぞれ従来例の作用を説明するための特性
図である。 1……エンジン、3……吸気管、4……インジェクタ
(燃料噴射装置)、5……排気管、6……触媒コンバー
タ、7……エアフローメータ(エンジン負荷センサ)、
10……クランク角センサ(エンジン回転数センサ)、11
……水温センサ、12A……上流側O2センサ、12B……下流
側O2センサ、20……コントロールユニット、21……診断
モニター、31……エンジン負荷センサ、32……エンジン
回転数センサ、33……基本噴射量設定手段、34……上流
側酸素センサ、35……空燃比反転判定手段、36……空燃
比フィードバック補正量計算手段、37……燃料噴射量決
定手段、38……出力手段、39……燃料噴射装置、40……
下流側酸素センサ、41……所定運転条件判定手段、42A,
42B……強制的シフト手段、43……計測手段、44……性
能劣化判定手段、45……判定結果出力手段,46……リッ
チ・リーン判定手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの負荷と回転数をそれぞれ検出す
    るセンサと、 これらの検出値に応じて基本噴射量を計算する手段と、 触媒コンバータ上流の排気通路に介装され理論空燃比を
    境に急変する特性を有する酸素センサと、 このセンサ出力と理論空燃比相当のスライスレベルとの
    比較により空燃比が反転したかどうかを判定する手段
    と、 前記触媒コンバータ下流の排気通路に介装され理論空燃
    比を境に急変する特性を有する第2の酸素センサと、 このセンサ出力と理論空燃比相当のスライスレベルとの
    比較により空燃比がリッチにあるかリーンにあるかを判
    定する手段と、 このリッチにあるかリーンにあるかの判定結果と前記反
    転したかどうかの判定結果に応じ空燃比が理論空燃比の
    近傍へと制御されるように空燃比のフィードバック補正
    量を計算する手段と、 この空燃比フィードバック補正量にて前記基本噴射量を
    補正して燃料噴射量を決定する手段と、 この噴射量を燃料噴射装置に出力する手段と を備えるエンジンの空燃比制御装置において、 所定の運転条件にあるかどうかを判定する手段と、 所定の運転条件にあることが判定された場合に所定の触
    媒転化率で前記第2の酸素センサ出力が急変するように
    前記空燃比フィードバック補正量にて制御される空燃比
    を強制的に車速または車重に応じた所定量だけシフトさ
    せる手段と、 この強制的シフトにより変化する所定時間当たりの前記
    第2の酸素センサ出力を計測する手段と、 この計測値に基づいて前記触媒コンバータに性能劣化が
    生じたかどうかを判定する手段と、 この判定結果を出力する手段と を設けたことを特徴とする空燃比制御装置の診断装置。
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