JP2806271B2 - 内燃機関の触媒劣化診断装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化診断装置

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JP2806271B2
JP2806271B2 JP6220285A JP22028594A JP2806271B2 JP 2806271 B2 JP2806271 B2 JP 2806271B2 JP 6220285 A JP6220285 A JP 6220285A JP 22028594 A JP22028594 A JP 22028594A JP 2806271 B2 JP2806271 B2 JP 2806271B2
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岩野  浩
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の排出ガスの
浄化を行う触媒の劣化状態を診断する装置の改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気を清浄化する装置とし
て、酸素センサ等の空燃比センサの出力に基づいて空燃
比を理論空燃比にフィードバック制御するとともに、排
気通路にHC、COの酸化と、NOxの還元とを同時に
行う三元触媒を備えたものが広く実用化されている。
【0003】三元触媒は性能が劣化すると、転換効率が
次第に低下して排気浄化に支障を来す。性能が劣化した
触媒は交換するなどの処置を取ることが望ましく、そこ
で、このような触媒の劣化状態を判定するために、従来
から特開平3−57862号公報に提案されるような装
置が知られている。
【0004】これは、内燃機関の排気通路に介装した触
媒の上流側及び下流側にそれぞれ酸素センサを配設し、
上流側酸素センサの出力信号を主にして空燃比フィード
バック制御を実行するとともに、両センサの出力信号の
比較から触媒の劣化を診断するものである。
【0005】すなわち、空燃比フィードバック制御の実
行中には、主に上流側酸素センサの出力信号に基づいて
例えば疑似的な比例積分制御により燃料供給量が制御さ
れ、実際の空燃比は理論空燃比を境にして僅かにリッ
チ、リーンに反転し、上流側酸素センサの出力信号は図
21(a)に示すように、周期的にリッチ、リーンを繰
り返し、三元触媒の酸化、還元機能も最大に維持され
る。
【0006】一方、触媒を通過した排気の空燃比は、触
媒の働きによって酸素がストレージされるため、排気中
の残存酸素濃度の変動は非常に穏やかなものとなって、
図21(b)に示すように、下流側酸素センサの出力信
号は上流側酸素センサの出力信号に比して反転回数が小
さく、かつ周期が長くなる。
【0007】触媒の劣化によって酸素ストレージ能力が
低下してくると、触媒の上流側と下流側の排気中の酸素
濃度がそれほど変わらなくなり、下流側酸素センサの出
力信号は図21(d)に示すように、上流側酸素センサ
の出力信号に近似した周期で反転を繰り返すとともに、
反転回数も大きくなる。
【0008】したがって、上流側酸素センサのリッチ、
リーンの反転回数と、下流側酸素センサのリッチ、リー
ンの反転回数との比を求め、この反転回数比が所定値以
上となったときに触媒が劣化したものと判定する。
【0009】この種の触媒の劣化診断装置としては、特
開昭60−231155号公報にも提案されるように、
下流側酸素センサの出力信号の振幅が所定値を越えると
触媒の劣化を判定するものや、また、特開平3−286
160号公報に開示されるように、触媒の上流側及び下
流側に配設した酸素センサの出力の比較によって触媒の
劣化を診断する装置において、上流側酸素センサの出力
を監視することにより該酸素センサの応答性が低下した
場合には触媒の劣化診断を中断することで誤診断を防止
するものなどが知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空燃比フィ
ードバック制御の実行中には予め設定された振幅で空燃
比が変動するのに加え、この振幅の中央値となるベース
空燃比も内燃機関の運転条件に応じて変動するため、上
流側酸素センサの出力信号は図21の(a)に示したよ
うに理論空燃比を境にして所定の周期でリッチ、リーン
と反転し、この空燃比フィードバックによる制御周波数
を含む信号は1〜2Hzの高周波(ここでは1Hz以上
を高周波、1Hz未満を低周波とする。以下同様)とな
り、内燃機関の運転条件に応じてベース空燃比をリッチ
またはリーン側にシフトした理論空燃比からのずれに伴
う周波数は例えば0.1Hz程度の低周波数として出現
する。触媒が正常な間は触媒の酸素ストレージ機能によ
って制御周波数が吸収されて図21の(b)に示すよう
に下流側酸素センサの出力信号には理論空燃比からのず
れに伴う周波数のみが検出され、触媒の劣化の度合が大
きくなるに伴って、図21の(c)、(d)に示すよう
に制御周波数が下流側酸素センサの出力信号に加わって
振幅が増大する。
【0011】しかしながら、上記従来の装置において
は、下流側酸素センサの出力信号にベース空燃比のシフ
トに起因する理論空燃比からのずれに伴う周波数を含ん
だ状態で触媒の劣化を判定するため、空燃比フィードバ
ックの制御周波数に加えてベース空燃比のシフトに伴う
周波数が加わるため、触媒が正常な状態であっても下流
側空燃比センサの出力信号が理論空燃比をよぎるような
ベース空燃比においては、反転周期あるいは反転回数が
演算されて触媒が劣化したと誤診断する場合があった。
【0012】そこで本発明は、上記の問題点に鑑みてな
されたもので、下流側酸素センサに含まれるベース空燃
比のシフトによる周波数の影響を抑制して精度良く触媒
の劣化を診断可能な内燃機関の触媒劣化診断装置を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図1に示
すように、排気通路に介装された触媒と、触媒の上流に
配設された上流側空燃比センサ50と、触媒の下流に配
設された下流側空燃比センサ51と、機関の運転条件を
判定する手段52と、前記機関運転条件の判定結果に応
じて基本燃料噴射量を設定する基本噴射量設定手段53
と、上流側空燃比センサ50の信号に基づいてフィード
バック補正係数αを算出する補正係数算出手段54と、
このフィードバック補正係数αに応じて前記基本燃料噴
射量を補正する燃料噴射量補正手段55とを備えてなる
内燃機関において、前記機関運転条件の判定結果が所定
の触媒劣化診断領域であるときに前記上流側空燃比セン
サ50及び下流側空燃比センサ51からの信号の周波数
をそれぞれ演算する周波数演算手段56と、前記下流側
空燃比センサ51の信号を前記上流側空燃比センサ50
の信号周波数に基づいてフィルタ処理する手段57と、
このフィルタ処理された下流側空燃比センサ51の信号
と上流側空燃比センサ50の信号の振幅の比を演算する
振幅比演算手段58と、前記機関運転条件判定手段52
の判定結果に応じて前記振幅比のしきい値を演算する手
段59と、前記振幅比としきい値の比較結果に基づいて
前記触媒の劣化を判定する劣化判定手段60とを備え
る。
【0014】また、第2の発明は、図2に示すように、
排気通路に介装された触媒と、触媒の上流に配設された
上流側空燃比センサ50と、触媒の下流に配設された下
流側空燃比センサ51と、機関の運転条件を判定する手
段52と、前記機関運転条件の判定結果に応じて基本燃
料噴射量を設定する基本噴射量設定手段53と、上流側
空燃比センサ50の信号に基づいてフィードバック補正
係数αを算出する補正係数算出手段54と、このフィー
ドバック補正係数αに応じて前記基本燃料噴射量を補正
する燃料噴射量補正手段55とを備えてなる内燃機関に
おいて、前記機関運転条件判定手段52の判定結果が所
定の触媒劣化診断領域であるときに前記上流側空燃比セ
ンサ50及び下流側空燃比センサ51からの信号の周波
数をそれぞれ演算する周波数演算手段56と、前記下流
側空燃比センサ51の信号を前記上流側空燃比センサ5
0の信号周波数に基づいてフィルタ処理する手段57
と、このフィルタ処理された下流側空燃比センサ51の
信号と上流側空燃比センサ50の信号とをそれぞれ所定
のしきい値と比較して反転回数を演算する手段61と、
これら上流側空燃比センサ50の信号と前記フィルタ処
理された下流側空燃比センサ51の信号との反転回数の
比を演算する反転回数比演算手段62と、前記機関運転
条件の判定結果に応じて前記反転回数比のしきい値を演
算する手段59と、前記反転回数比としきい値の比較結
果に基づいて前記触媒の劣化を判定する劣化判定手段6
0とを備える。
【0015】また、第3の発明は、図3に示すように、
排気通路に介装された触媒と、触媒の上流に配設された
上流側空燃比センサ50と、触媒の下流に配設された下
流側空燃比センサ51と、機関の運転条件を判定する手
段52と、前記下流側空燃比センサ51の信号を上流側
空燃比センサ50の信号に基づいてフィルタ処理する手
段57と、このフィルタ処理された下流側空燃比センサ
51の信号の振幅と上流側空燃比センサ50の信号の振
幅との比を演算する振幅比演算手段58と、前記機関運
転条件の判定結果が所定の触媒劣化診断領域であるとき
に、前記振幅比と所定の基準値の比較結果に基づいて前
記触媒の劣化を判定する劣化判定手段60とを備える。
【0016】また、第4の発明は、図4に示すように、
排気通路に介装された触媒と、触媒の上流に配設された
上流側空燃比センサ50と、触媒の下流に配設された下
流側空燃比センサ51と、機関の運転条件を判定する手
段52と、前記下流側空燃比センサ51の信号を上流側
空燃比センサ50の信号に基づいてフィルタ処理する手
段57と、このフィルタ処理された下流側空燃比センサ
51の信号と上流側空燃比センサ50の信号とをそれぞ
れ所定のしきい値と比較して反転回数を演算する手段6
1と、これら上流側空燃比センサ51の信号と前記フィ
ルタ処理された下流側空燃比センサ51の信号の反転回
数の比を演算する手段62と、前記機関運転条件の判定
結果が所定の触媒劣化診断領域であるときに、前記反転
回数比と所定の基準値との比較結果に基づいて前記触媒
の劣化を判定する劣化判定手段60とを備える。
【0017】また、第5の発明は、前記第1ないし第4
の発明のうちのいずれかひとつにおいて、前記フィルタ
処理手段57が前記下流側空燃比センサ51の信号のう
ち上流側空燃比センサ50の信号周波数以上の信号を通
過させる。
【0018】また、第6の発明は、図5に示すように、
排気通路に介装された触媒と、触媒の上流に配設された
上流側空燃比センサ50と、触媒の下流に配設された下
流側空燃比センサ51と、機関の運転条件を判定する手
段52と、前記機関運転条件の判定結果に基づいて基本
燃料噴射量を設定する基本噴射量設定手段53と、上流
側空燃比センサ50の信号に基づいてフィードバック補
正係数を算出する補正係数算出手段54と、このフィー
ドバック補正係数に応じて前記基本燃料噴射量を補正す
る燃料噴射量補正手段55とを備えてなる内燃機関にお
いて、前記フィードバック補正係数の振幅を演算する手
段63と、前記下流側空燃比センサ51の信号を前記フ
ィードバック補正係数の振幅に基づいてフィルタ処理す
る手段57と、このフィルタ処理された下流側空燃比セ
ンサ51の信号の振幅と上流側空燃比センサ50の信号
の振幅もしくは前記フィードバック補正係数の振幅との
比を演算する振幅比演算手段58と、前記機関運転条件
が所定の触媒劣化診断領域であるときに、前記振幅比と
所定の基準値の比較結果に基づいて前記触媒の劣化を判
定する劣化判定手段60とを備える。
【0019】また、第7の発明は、図6に示すように、
排気通路に介装された触媒と、触媒の上流に配設された
上流側空燃比センサ50と、触媒の下流に配設された下
流側空燃比センサ51と、機関の運転条件を判定する手
段52と、前記機関運転条件の判定結果に基づいて基本
燃料噴射量を設定する基本噴射量設定手段53と、上流
側空燃比センサの信号に基づいてフィードバック補正係
数を算出する補正係数算出手段54と、このフィードバ
ック補正係数に応じて前記基本燃料噴射量を補正する燃
料噴射量補正手段55とを備えてなる内燃機関におい
て、前記フィードバック補正係数の反転回数を演算する
手段61と、前記下流側空燃比センサ51の信号を前記
フィードバック補正係数の反転回数に基づいてフィルタ
処理する手段57と、このフィルタ処理された下流側空
燃比センサ51の信号の反転回数と上流側空燃比センサ
50の信号の反転回数もしくは前記フィードバック補正
係数の反転回数との比を演算する反転回数比演算手段6
2と、前記機関運転条件が所定の触媒劣化診断領域であ
るときに、前記反転回数比と所定の基準値の比較結果に
基づいて前記触媒の劣化を判定する劣化判定手段60と
を備える。
【0020】また、第8の発明は、図7に示すように、
排気通路に介装された触媒と、触媒の上流に配設された
上流側空燃比センサ50と、触媒の下流に配設された下
流側空燃比センサ51と、機関の運転条件を判定する手
段52と、前記機関運転条件の判定結果に基づいて基本
燃料噴射量を設定する基本噴射量設定手段53と、上流
側空燃比センサ50の信号に基づいてフィードバック補
正係数を算出する補正係数算出手段54と、このフィー
ドバック補正係数に応じて前記基本燃料噴射量を補正す
る燃料噴射量補正手段55とを備えてなる内燃機関にお
いて、前記機関運転条件に基づいて通常空燃比フィード
バック制御周波数f0を演算する制御周波数演算手段6
4と、前記下流側空燃比センサ51の信号を高速フーリ
エ変換によってフィルタ処理するFFT処理手段65
と、このFFT処理された下流側空燃比センサ50の信
号の前記通常空燃比フィードバック制御周波数f0にお
ける空燃比フィードバック制御周波数成分の強度Dを演
算する強度演算手段66と、前記機関運転条件が所定の
触媒劣化診断領域であるときに、前記強度Dと予め設定
した強度スライスレベルとを比較して触媒の劣化を判定
する劣化判定手段60とを備える。
【0021】
【作用】第1の発明は、運転条件の判定結果が所定の触
媒劣化診断領域において、上流側空燃比センサの出力と
下流側空燃比センサの出力の周波数をそれぞれ演算し、
下流側空燃比センサの出力を上流側空燃比センサの周波
数に基づいてフィルタ処理を行い、下流側空燃比センサ
の出力に含まれる空燃比フィードバックの制御周波数を
抽出する。フィルタ処理によって理論空燃比からのずれ
に伴う周波数を除去して制御周波数のみを抽出された下
流側空燃比センサの出力の振幅と、上流側空燃比センサ
の出力に含まれる制御周波数の振幅の比を、運転条件に
応じて演算されたしきい値と比較した結果に基づいて触
媒の劣化を判定するため、触媒の劣化を精度よく診断す
ることができる。
【0022】また、第2の発明は、運転条件の判定結果
が所定の触媒劣化診断領域において、上流側空燃比セン
サの出力と下流側空燃比センサの出力の周波数をそれぞ
れ演算し、下流側空燃比センサの出力を上流側空燃比セ
ンサの周波数に基づいてフィルタ処理を行い、下流側空
燃比センサの出力に含まれる空燃比フィードバックの制
御周波数を抽出する。フィルタ処理によって理論空燃比
からのずれに伴う周波数を除去して制御周波数のみを抽
出された下流側空燃比センサの出力の反転回数と、上流
側空燃比センサの出力に含まれる制御周波数の反転回数
の比を、運転条件に応じて演算されたしきい値と比較し
た結果に基づいて触媒の劣化を判定するため、触媒の劣
化を精度よく診断することができる。
【0023】また、第3の発明は、運転条件の判定結果
が所定の触媒劣化診断領域において、下流側空燃比セン
サの出力を上流側空燃比センサの出力に基づいてフィル
タ処理を行い、下流側空燃比センサの出力に含まれる空
燃比フィードバックの制御周波数を抽出する。フィルタ
処理によって理論空燃比からのずれに伴う周波数を除去
して制御周波数のみを抽出された下流側空燃比センサの
出力の振幅と、上流側空燃比センサの出力に含まれる制
御周波数の振幅の比を、予め運転条件に応じて設定され
た基準値と比較した結果に基づいて触媒の劣化を判定す
るため、触媒の劣化を精度よく診断することができる。
【0024】また、第4の発明は、運転条件の判定結果
が所定の触媒劣化診断領域において、下流側空燃比セン
サの出力を上流側空燃比センサの出力に基づいてフィル
タ処理を行い、下流側空燃比センサの出力に含まれる空
燃比フィードバックの制御周波数を抽出する。フィルタ
処理によって理論空燃比からのずれに伴う周波数を除去
して制御周波数のみを抽出された下流側空燃比センサの
出力の反転回数と、上流側空燃比センサの出力に含まれ
る制御周波数の反転回数の比を、運転条件に応じて予め
設定された基準値と比較した結果に基づいて触媒の劣化
を判定するため、触媒の劣化を精度よく診断することが
できる。
【0025】また、第5の発明は、フィルタ処理手段が
下流側空燃比センサの出力のうち上流側空燃比センサの
周波数以上の成分を通過させ、下流側空燃比センサの出
力に含まれる理論空燃比からのずれに伴う低周波数は上
流側空燃比センサの出力の空燃比フィードバックの制御
周波数未満であるために除去されて、触媒の劣化診断を
空燃比フィードバックの制御周波数に基づいて正確に診
断することができる。
【0026】また、第6の発明は、運転条件の判定結果
が所定の触媒劣化診断領域において、下流側空燃比セン
サの出力をフィードバック補正係数の振幅に基づいてフ
ィルタ処理を行い、下流側空燃比センサの出力に含まれ
る空燃比フィードバックの制御周波数を抽出する。フィ
ルタ処理によって理論空燃比からのずれに伴う周波数を
除去して制御周波数のみを抽出された下流側空燃比セン
サの出力の振幅と、上流側空燃比センサの出力に含まれ
る制御周波数もしくはフィードバック補正係数の振幅の
比を、運転条件に応じて予め設定された基準値と比較し
た結果に基づいて触媒の劣化を判定するため、触媒の劣
化を精度よく診断することができる。
【0027】また、第7の発明は、運転条件の判定結果
が所定の触媒劣化診断領域において、下流側空燃比セン
サの出力をフィードバック補正係数の反転回数に基づい
てフィルタ処理を行い、下流側空燃比センサの出力に含
まれる空燃比フィードバックの制御周波数を抽出する。
フィルタ処理によって理論空燃比からのずれに伴う周波
数を除去して制御周波数のみを抽出された下流側空燃比
センサの出力の反転回数と、上流側空燃比センサの出力
に含まれる制御周波数もしくはフィードバック補正係数
の反転回数の比を、運転条件に応じて演算されたしきい
値と比較した結果に基づいて触媒の劣化を判定するた
め、触媒の劣化を精度よく診断することができる。
【0028】また、第8の発明は、運転条件の判定結果
が所定の触媒劣化診断領域において、下流側空燃比セン
サの出力から高速フーリエ変換によるフィルタ処理(以
下、FFT処理)によって空燃比フィードバックの制御
周波数を抽出する一方、機関運転条件から通常空燃比フ
ィードバックの制御周波数f0を演算し、通常空燃比フ
ィードバック制御周波数f0におけるFFT処理後の空
燃比フィードバック制御周波数の強度を演算すること
で、理論空燃比からのずれに伴う低周波成分と空燃比フ
ィードバック制御周波数とを確実に分離し、演算した空
燃比フィードバック制御周波数成分の強度と予め設定さ
れた強度スライスレベルとを比較することにより誤診断
を抑制して触媒の劣化を精度良く診断することができ
る。
【0029】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0030】図8に示すように、エンジン1の排気通路
2には三元触媒で構成された触媒コンバータ13が介装
され、この触媒コンバータ13の上流には空燃比センサ
としての上流側酸素センサ14が、同じく下流には下流
側酸素センサ15がそれぞれ配設される。
【0031】これら上流側酸素センサ14、下流側酸素
センサ15は共に排気ガス中の残存酸素濃度に応じた起
電力を発生するもので、特に理論空燃比を境にして起電
力が急変し、理論空燃比より過濃(以下、リッチ)側で
高レベル(約1V程度)になる一方、希薄(リーン)側
で低レベル(約100mmV程度)となるものである。
【0032】一方、エンジン1の吸気通路3には各吸気
ポートへ向けて燃料を供給する燃料噴射弁17が各気筒
毎に配設され、吸入空気量Qを検出するエアフローメー
タ18を通過した空気はスロットル弁19で絞られてか
ら各吸気ポートへ流入する。
【0033】4はコントロールユニットで、例えばマイ
クロプロッセッサ等により構成されて、エンジン1の吸
気通路3に燃料噴射弁17を介して供給する燃料供給量
を、基本的には理論空燃比となるようフィードバック制
御する。
【0034】このため、コントロールユニット4には、
機関回転数Neを検出するクランク角センサ19、冷却
水の水温を検出する水温センサ16、エアフローメータ
18、車速センサ20からの信号がそれぞれ入力される
とともに、上流側酸素センサ14及び下流側酸素センサ
15からの信号が入力されて、吸入空気量Qに対して所
定の比率となるよう設定した燃料供給量を上流側酸素セ
ンサ14の出力に基づいてフィードバック制御するとと
もに、さらに下流側酸素センサ15の出力に基づいて補
正して、正しく理論空燃比となるように燃料の噴射量を
補正する。
【0035】この空燃比フィードバック制御についての
概要を説明すると、まず、エアフローメータ18が検出
した吸入空気量Qとクランク角センサ19が検出した機
関回転数Neに基づいて燃料噴射弁17からの基本噴射
量を決定する基本パルス幅TpをTp=K×Q/Neに
より算出する。この基本パルス幅Tpは燃料噴射弁17
の開弁時間を制御するもので、以下この基本パルス幅T
pを燃料の基本噴射量Tpとする。
【0036】この基本噴射量Tpに増量補正やフィード
バック補正等の補正を加えて燃料噴射弁17の駆動パル
ス幅Tiを決定するのであり、この駆動パルス幅Tiは
次式により求められる。
【0037】 Ti=Tp×COEF×α+Ts (1) ここで、COEFは各種増量補正係数を示し、例えば冷
却水温度に応じた水温増量補正、高速高負荷時の空燃比
補正などからなる。また、Tsは燃料噴射弁17の無効
時間を補正するためにバッテリ電圧に応じて付加される
電圧補正係数である。
【0038】そして、αは主に上流側酸素センサ14の
検出信号に基づいて演算されたフィードバック補正係数
であり、上流側酸素センサ14の出力信号を理論空燃比
に対応する所定のスライスレベルと比較し、この出力信
号がリッチ側あるいはリーン側への反転に基づいて疑似
比例積分により求められた値であり、このαが1以上で
あればリッチ側へ、1未満であればリーン側へ空燃比が
補正される。
【0039】例えば、上流側酸素センサ14から図22
(a)に示すような出力信号が検出された場合、これに
対応するフィードバック補正係数αは図22(b)のよ
うに変化する。フィードバック補正係数αは上述したよ
うに、疑似的な比例積分により求められるもので、上流
側酸素センサ14の所定のスライスレベル(S/L)を
横切ってリッチ側からリーン側へ反転すると、フィード
バック補正係数αには所定の比例分PLが加算され、さ
らに所定の積分定数ILの傾きで積分分が徐々に加算さ
れる。このフィードバック補正係数αは上述のように基
本噴射量Tpに乗じられ、実際の空燃比は徐々に濃度を
増大させる。
【0040】そして、上流側酸素センサ14の出力信号
がリーン側からリッチ側へ反転すると、フィードバック
補正係数αから所定の比例分PRが減算されるととも
に、所定の積分定数IRの傾きで積分分が徐々に減算さ
れる。このような制御の繰り返しによって、実際の空燃
比は1〜2Hz程度の高周波数で変化しながらほぼ理論
空燃比近傍に保持される。
【0041】このフィードバックによる空燃比制御中に
なんらかの燃料の増減を行う場合、例えば低水温時や高
速高負荷時、あるいは減速中の燃料カット時等には、上
記フィードバック補正係数αが1に固定されるととも
に、実質的にオープンループ制御となるのである。
【0042】このような空燃比フィードバック制御中に
おいて、コントロールユニット4は上流側酸素センサ1
4及び下流側酸素センサ15の出力の振幅の比に基づい
て触媒コンバータ13が正常に機能しているかどうかを
判定する触媒劣化診断を行う。すなわち、上流側酸素セ
ンサ14の出力の振幅とフィルタ処理を施した下流側酸
素センサ15の出力の振幅の比に基づいて触媒の劣化を
判断し、コントロールユニット4に接続された警告灯3
0を判定結果に応じて点灯するのである。
【0043】このフィルタ処理による触媒の劣化診断制
御動作について図9、図10のフローチャートに基づい
て説明する。なお、この測定制御動作は、例えば空燃比
フィードバック制御中の所定時間毎に行われるもので、
具体的にはマイクロプロセッサのタイマ割り込み処理な
どによって実行される。
【0044】まず、ステップS1で上流側酸素センサ1
4と下流側酸素センサ15の出力をそれぞれ読み込んで
から、ステップS2で上流側酸素センサ14の出力に含
まれる空燃比フィードバック制御に伴う制御周波数を演
算する。
【0045】次に、ステップS3ではこの制御周波数で
下流側酸素センサ15の出力にフィルタ処理を行って、
下流側酸素センサ15の出力に含まれたベース空燃比の
シフトに伴う低周波成分を除去する。
【0046】低周波成分を除去するには、フィルタ処理
後の信号をZ[K]、下流側酸素センサ15の信号をX
[K]、フィルタ処理で除去される低周波成分をY
[K]とし、次式に基づいて処理を行う。
【0047】Z[K]= X[K]−Y[K] = X[K]−(X[K]+X[K−1]+X[K−
2])/3 = X[K]−X[K]×K−Y[K−1]×(1−
K) で表される微分処理を行えばよい。ここにおいて、移動
平均データ数や加重平均係数Kは除去する低周波成分の
周波数に応じて適宜設定する。
【0048】上流側酸素センサ14の出力の振幅V1
低周波成分を除去された下流側酸素センサ15の出力の
振幅V2をそれぞれ演算した後、これら振幅の比V2/V
1を演算する(ステップS4、S5)。
【0049】下流側酸素センサ15の出力信号のうち上
流側酸素センサ14の信号を構成する制御周波数以上の
周波数のみを通過させる帯域フィルタを下流側酸素セン
サ15とコントロールユニット4との間に介装してもよ
く、このようにソフトウェアあるいはハードウェアによ
ってフィルタ処理された結果、触媒コンバータ13が正
常な状態であれば、図21の(b)に示したような下流
側酸素センサ15の出力に含まれる0.1Hz程度の低
周波は、1〜2Hzの高周波を含む空燃比フィードバッ
クの制御周波数でフィルタ処理することによって図11
(b)に示すように低周波成分をカットされたものとな
り、触媒コンバータ13の劣化が進んだ場合には図11
の(c)、(d)に示すように、フィルタ処理後の下流
側酸素センサ15の出力は劣化の度合に応じて高周波成
分の振幅V2、V2′のみが増大し、これに伴って振幅比
2/V1が増大する。
【0050】こうして、空燃比フィードバック制御中に
演算された振幅比V2/V1に基づいて図10に示すステ
ップS6以降の劣化診断処理が行われる。
【0051】この劣化診断処理はクランク角センサ1
9、車速センサ20等のセンサ出力を読み込んで、内燃
機関の運転条件が所定の触媒劣化診断領域にある場合に
行われ、例えば、 1.車速VSPが所定範囲以内 2.機関回転数Neが所定範囲以内 3.機関負荷が所定値以下 等の予め設定された条件により判定を行う(ステップS
6、S7)。なお、機関負荷はコントロールユニット4
で演算された基本噴射量Tpで代用することができる。
【0052】上記条件が成立した場合には、ステップS
8で上記ステップS5で求めた振幅比V2/V1と比較す
るためのスライスレベルS/Lを予め設定したマップか
ら検索する。
【0053】このスライスレベルS/Lは図12に示す
ように、吸入空気量に応じて予め設定されたものであ
り、図12は演算を簡易にするために予め設定した吸入
空気量の区分に応じてスライスレベルS/Lを段階的に
設定したもので、エアフローメータ18あるいはクラン
ク角センサ19の出力などから演算された吸入空気量に
応じたスライスレベルS/Lが読み込まれる。
【0054】こうして、読み込んだスライスレベルS/
Lと振幅比V2/V1との比較を行って(ステップS
9)、振幅比V2/V1がスライスレベルS/L未満であ
ればステップS10の処理へ進んで触媒コンバータ13
が正常であると判定する一方、振幅比V2/V1がスライ
スレベルS/L以上の場合にはステップS11へ進んで
触媒コンバータ13が許容範囲を越えて劣化したと判定
し、警告灯30を点灯させて運転者に触媒コンバータ1
3の劣化を表示するのである。
【0055】以上のように構成され、次に全体の作用を
説明すると、空燃比フィードバック制御中に読み込んだ
下流側酸素センサ15の出力を上流側酸素センサ14の
出力周波数でフィルタ処理することによって、下流側酸
素センサ15の出力信号からベース空燃比の変動に伴う
低周波成分が除去されるため、ステップS5で演算され
た振幅比V2/V1は下流側酸素センサ15の出力信号に
含まれる空燃比フィードバックの制御周波数の大きさを
正確に示すことができ、この振幅比V2/V1の増大から
触媒コンバータ13の酸素ストレージ能力の低下の度合
を容易に検出することが可能となる。
【0056】そして、エンジン1の吸入空気量、すなわ
ち、エンジン1の運転条件に応じて予め設定されたスラ
イスレベルS/Lと振幅比V2/V1の比較によって触媒
コンバータ13の劣化の度合を判定するようにしたた
め、エンジン1の運転条件の幅広い範囲で触媒コンバー
タ13の劣化診断を行うことが可能となり、前記したよ
うなベース空燃比の変動に起因する触媒劣化の誤診断を
抑制し、診断精度を向上させることができるのである。
【0057】図13、図14は第2の実施例を示し、前
記第1の実施例における触媒コンバータ13の劣化の度
合の検出を上流側酸素センサ14及び下流側酸素センサ
15の出力の反転回数比T2/T1から行うようにしたも
ので、その他の構成は前記第1の実施例と同様である。
以下、前記第1の実施例と異なる部分について詳述す
る。
【0058】図13において、ステップA1〜A3は前
記図9に示したステップS1〜S3と同様に下流側酸素
センサ15の出力を上流側酸素センサ14の出力周波数
でフィルタ処理するもので、下流側酸素センサ15の出
力からベース空燃比の変動に伴う低周波成分が除去され
る。
【0059】ステップA4では上流側酸素センサ14の
出力とフィルタ処理された下流側酸素センサ15の出力
の反転回数をそれぞれ演算する。この反転回数の演算
は、図11に示すように、ヒステリシスを設けたスライ
スレベルS/L−H、S/L−Lを通過した回数をカウ
ントすることで演算精度を向上させている。
【0060】こうして演算された上流側酸素センサ14
の出力の反転回数T1と下流側酸素センサ15の出力の
反転回数T2とから反転回数比T2/T1を演算する(ス
テップA5)。
【0061】触媒コンバータ13の劣化診断処理は上記
ステップS6,S7と同様にエンジン1の運転条件が所
定の診断領域に入ると行われ、上記ステップS8と同様
にして反転回数比T2/T1と比較するためのスライスレ
ベルS/Lを予め設定したマップから検索する。
【0062】このスライスレベルS/Lは前記第1の実
施例に示した図12と同様に、予め設定した吸入空気量
の区分に応じてスライスレベルS/Lを段階的に設定し
たもので、運転条件に応じて演算された吸入空気量に対
応する反転回数比のスライスレベルS/Lが読み込まれ
る。
【0063】こうして、読み込んだスライスレベルS/
Lと反転回数比T2/T1との比較をステップA9で行
い、反転回数比T2/T1がスライスレベルS/L未満で
あればステップA10の処理へ進んで触媒コンバータ1
3が正常であると判定する一方、反転回数比T2/T1
スライスレベルS/L以上の場合にはステップS11へ
進んで触媒コンバータ13が許容範囲を越えて劣化した
と判定し、警告灯30を点灯させて運転者に注意を促す
のである。
【0064】このように、フィルタ処理を行った下流側
酸素センサ15の出力に基づいて演算した反転回数比T
2/T1によっても、前記第1の実施例と同様にベース空
燃比の変動による低周波成分の影響を抑制して触媒コン
バータ13の劣化診断を高精度かつ幅広い運転条件で行
うことが可能となって、劣化診断の信頼性を向上させる
ことができる。
【0065】図15、図16は第3の実施例を示し、前
記第1の実施例における触媒コンバータ13の劣化の検
出を下流側酸素センサ15の出力に含まれる空燃比フィ
ードバック制御周波数成分の強度に基づいて行うように
したもので、その他の構成は前記第1の実施例と同様で
ある。以下、前記第1の実施例と異なる部分について詳
述する。
【0066】図15、図16に示すフローチャートは、
前記図9、図10に示したフローチャートと同様に空燃
比フィードバック制御中の所定時間毎に実行されるもの
である。
【0067】まず、ステップB1ではクランク角センサ
19からの機関回転数Neまたはエアフローメータ18
からの吸入空気量Qよりエンジン1の運転条件を読み込
んで、ステップB2では読み込んだ現在の運転条件から
通常の空燃比フィードバック制御の周波数f0を所定の
範囲を備えた周波数帯f0として演算する。
【0068】通常空燃比フィードバック制御周波数帯f
0はエンジン1の吸入空気量Qに関係するものであるた
め、図17に示すように、吸入空気量Qの範囲に応じて
予め設定した通常空燃比フィードバック制御周波数帯f
0のマップに基づいて演算される。
【0069】次に、ステップB3では下流側酸素センサ
15の出力を読み込んで、ステップB4でこの出力を高
速フーリエ変換によるフィルタ処理(以下、FFT処
理)を行って、ベース空燃比の変動に伴う低周波成分か
ら空燃比フィードバック制御による高周波成分を分離す
る。
【0070】このFFT処理によって図21(b)〜
(d)に示したようなベース空燃比の変動による低周波
成分と高周波数の空燃比フィードバック制御周波数は分
離され、図11(b)〜(d)に示したように空燃比フ
ィードバック制御周波数成分のみが抽出される。
【0071】そして、ステップB5はFFT処理によっ
て抽出された下流側酸素センサ15の空燃比フィードバ
ック制御周波数成分のうち上記ステップB2で求めた通
常空燃比フィードバック制御周波数帯f0における強度
を空燃比フィードバック制御周波数成分強度Dとして演
算する。
【0072】こうして、ステップB1〜B5において、
空燃比フィードバック制御中に演算された空燃比フィー
ドバック制御周波数成分の強度Dに基づいて、図16に
示すステップB6以降の触媒劣化診断処理が次ぎのよう
に行われる。
【0073】触媒コンバータ13の劣化診断処理はステ
ップB6、B7において前記第1実施例のステップS
6、S7と同様にエンジン1の運転条件が所定の診断領
域に入ると行われ、ステップB7で診断領域であればス
テップB8で触媒コンバータ13の劣化判定を行うため
の強度スライスレベルS/Lを演算する。
【0074】この強度スライスレベルS/Lの演算は、
図18に示すように転換効率等に基づいて予め設定した
触媒コンバータ13の性能と前記強度Dとの関係から検
索されるもので、触媒コンバータ13の性能が劣化(図
中NG)したと判定される空燃比フィードバック制御周
波数成分の強度を強度スライスレベルS/Lとする。
【0075】ステップB9では上記ステップB8で演算
された強度スライスレベルS/Lと同じくステップB5
で演算された強度Dとの比較を行って、空燃比フィード
バック制御周波数成分の強度Dが強度スライスレベル未
満であればステップB10の処理へ進んで触媒コンバー
タ13が正常であると判定する一方、強度Dがスライス
レベルS/L以上の場合にはステップB11へ進んで触
媒コンバータ13が許容範囲を越えて劣化したと判定
し、警告灯30を点灯させて運転者に注意を促すのであ
る。
【0076】ここで、上記図11の(a)〜(d)に示
したように触媒コンバータ13が劣化して、空燃比フィ
ードバック制御の高周波成分が大きくなった場合、FF
T処理によって演算した空燃比フィードバック制御周波
数成分の強度Dはそれぞれ図19(a)〜(d)に示す
ようになる。
【0077】図19(a)は図11(a)に示した上流
側酸素センサ14の出力に対応した強度Dであり、この
ときの強度は最も大きくなる一方、図11(b)に示し
た触媒コンバータ13が正常な場合では、下流側酸素セ
ンサ15に空燃比フィードバック制御周波数成分が現れ
ないため図19(b)に示すように強度Dはほぼ0とな
る。すなわち、このときの強度Dは図18に示した強度
スライスレベルS/L未満となるのである。
【0078】一方、触媒コンバータ13が劣化して図1
1(c)、(d)に示したように下流側酸素センサ15
の出力中の空燃比フィードバック制御周波数成分が増大
すると、図19(c)、(d)に示すように、通常空燃
比フィードバック制御周波数帯f0における強度Dも増
大する。したがって、この強度Dを強度スライスレベル
S/Lと比較することによってベース空燃比の変動によ
る低周波成分から空燃比フィードバック制御周波数成分
を分離して触媒コンバータ13の劣化を正確に判定する
ことができるのである。
【0079】一般に上流側酸素センサ14の劣化やエン
ジン1の吸気系統に燃料が付着する壁流現象による燃料
輸送遅れなどによって空燃比フィードバック制御周波数
は低下する傾向にあり、この場合、触媒コンバータ13
自体の劣化は進行していないが、下流側酸素センサ15
の出力は図20(a′)〜(d′)に示すように触媒コ
ンバータ13の劣化とは無関係に空燃比フィードバック
制御周波数に追随する。
【0080】これら図20(a′)〜(d′)に対応し
た下流側酸素センサ15の出力に含まれる空燃比フィー
ドバック制御周波数の強度Dは図19の(a′)〜
(d′)に示すように通常空燃比フィードバック制御周
波数帯f0より低い領域で強度はほぼ等しくなる。
【0081】ここで、上記ステップB1、B2でエンジ
ン1の運転条件から通常空燃比フィードバック制御周波
数帯f0を求めているため、下流側酸素センサ15の出
力に基づいてFFT処理された信号の空燃比フィードバ
ック制御周波数成分の通常空燃比フィードバック制御周
波数帯f0における強度Dは上記図18に示した強度ス
ライスレベルS/Lより小さくなるため、触媒コンバー
タ13の劣化を判定することがなく、誤診断を防いで診
断精度を向上することが可能となるのである。
【0082】このように、FFT処理によって下流側酸
素センサ15の出力から抽出した空燃比フィードバック
制御周波数をエンジン1の運転条件から演算した通常空
燃比フィードバック制御周波数帯f0における強度Dと
して把握することで上記実施例と同様にベース空燃比の
変動による低周波成分の影響を抑制して触媒コンバータ
13の劣化診断を高精度かつ幅広い運転条件で行うこと
が可能となり、さらに、上流側酸素センサ14の故障や
吸気系の壁流現象等の外乱による誤診断を防ぐことも可
能となって劣化診断の信頼性を向上させることができる
のである。
【0083】なお、上記実施例においてステップS4ま
たはA4におけるフィルタ処理を上流側酸素センサ15
の出力周波数に基づく帯域フィルタ処理としたが、ハイ
パスフィルタとしてもよい。
【0084】また、上記実施例において、下流側空燃比
センサ15の出力のフィルタ処理をフィードバック補正
係数αの理論空燃比をしきい値とした反転回数または振
幅に基づいて行ってもよく、フィードバック補正係数α
あるいは上流側空燃比センサ14の出力とフィルタ処理
された下流側空燃比センサ15の出力の反転回数または
振幅との比に基づいて触媒コンバータ13の劣化を診断
することができ、上記と同様にベース空燃比の変動に起
因する触媒劣化の誤診断を抑制して、診断精度を向上さ
せることができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、排気
通路に介装された触媒と、触媒の上流に配設された上流
側空燃比センサと、触媒の下流に配設された下流側空燃
比センサと、機関の運転条件を判定する手段と、前記機
関運転条件の判定結果に応じて基本燃料噴射量を設定す
る基本噴射量設定手段と、上流側空燃比センサの信号に
基づいてフィードバック補正係数を算出する補正係数算
出手段と、このフィードバック補正係数に応じて前記基
本燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段とを備えて
なる内燃機関において、前記機関運転条件の判定結果が
所定の触媒劣化診断領域であるときに前記上流側空燃比
センサ及び下流側空燃比センサからの信号の周波数をそ
れぞれ演算する周波数演算手段と、前記下流側空燃比セ
ンサの信号を前記上流側空燃比センサの信号周波数に基
づいてフィルタ処理する手段と、このフィルタ処理され
た下流側空燃比センサの信号と上流側空燃比センサの信
号の振幅の比を演算する振幅比演算手段と、前記機関運
転条件の判定結果に応じて前記振幅比のしきい値を演算
する手段と、前記振幅比としきい値の比較結果に基づい
て前記触媒の劣化を判定する劣化判定手段とを備え、上
流側空燃比センサの出力に含まれる空燃比フィードバッ
クの制御周波数を下流側空燃比センサの出力から抽出す
ることができ、制御周波数に基づいて触媒の劣化の度合
を正確に検出することが可能となって、誤診断を抑制し
て診断精度を向上させることができ、上流側空燃比セン
サの出力と抽出された下流側空燃比センサの出力の比を
運転条件に応じたしきい値と比較することで、幅広い運
転条件においても正確に触媒の劣化を診断することがで
きる。
【0086】また、第2の発明は、排気通路に介装され
た触媒と、触媒の上流に配設された上流側空燃比センサ
と、触媒の下流に配設された下流側空燃比センサと、機
関の運転条件を判定する手段と、前記機関運転条件の判
定結果に応じて基本燃料噴射量を設定する基本噴射量設
定手段と、上流側空燃比センサの信号に基づいてフィー
ドバック補正係数を算出する補正係数算出手段と、この
フィードバック補正係数αに応じて前記基本燃料噴射量
を補正する燃料噴射量補正手段とを備えてなる内燃機関
において、前記機関運転条件の判定結果が所定の触媒劣
化診断領域であるときに前記上流側空燃比センサ及び下
流側空燃比センサからの信号の周波数をそれぞれ演算す
る周波数演算手段と、前記下流側空燃比センサの信号を
前記上流側空燃比センサの信号周波数に基づいてフィル
タ処理する手段と、このフィルタ処理された下流側空燃
比センサの信号と上流側空燃比センサの信号とをそれぞ
れ所定のしきい値と比較して反転回数を演算する手段
と、これら上流側空燃比センサの信号と前記フィルタ処
理された下流側空燃比センサの信号との反転回数の比を
演算する反転回数比演算手段と、前記機関運転条件の判
定結果に応じて前記反転回数比のしきい値を演算する手
段と、前記反転回数比としきい値の比較結果に基づいて
前記触媒の劣化を判定する劣化判定手段とを備え、上流
側空燃比センサの出力に含まれる空燃比フィードバック
の制御周波数を下流側空燃比センサの出力から抽出する
ことができ、制御周波数に基づいて触媒の劣化を正確に
判定することが可能となって、誤診断を抑制して診断精
度を向上させることができ、上流側空燃比センサの出力
と抽出された下流側空燃比センサの出力の反転回数の比
を運転条件に応じたしきい値と比較することで幅広い運
転条件においても正確に触媒の劣化を診断することがで
きる。
【0087】また、第3の発明は、排気通路に介装され
た触媒と、触媒の上流に配設された上流側空燃比センサ
と、触媒の下流に配設された下流側空燃比センサと、機
関の運転条件を判定する手段と、前記下流側空燃比セン
サの信号を上流側空燃比センサの信号に基づいてフィル
タ処理する手段と、このフィルタ処理された下流側空燃
比センサの信号の振幅と上流側空燃比センサの信号の振
幅との比を演算する振幅比演算手段と、前記機関運転条
件の判定結果が所定の触媒劣化診断領域であるときに、
前記振幅比と所定の基準値の比較結果に基づいて前記触
媒の劣化を判定する劣化判定手段とを備え、上流側空燃
比センサの出力に含まれる空燃比フィードバックの制御
周波数を下流側空燃比センサの出力から抽出することが
でき、振幅比に基づいて触媒の劣化を正確に判定するこ
とが可能となって、誤診断を抑制して診断精度を向上さ
せることができる。
【0088】また、第4の発明は、排気通路に介装され
た触媒と、触媒の上流に配設された上流側空燃比センサ
と、触媒の下流に配設された下流側空燃比センサと、機
関の運転条件を判定する手段と、前記下流側空燃比セン
サの信号を上流側空燃比センサの信号に基づいてフィル
タ処理する手段と、このフィルタ処理された下流側空燃
比センサの信号と上流側空燃比センサの信号とをそれぞ
れ所定のしきい値と比較して反転回数を演算する手段
と、これら上流側空燃比センサの信号と前記フィルタ処
理された下流側空燃比センサの信号の反転回数の比を演
算する手段と、前記機関運転条件の判定結果が所定の触
媒劣化診断領域であるときに、前記反転回数比と所定の
基準値との比較結果に基づいて前記触媒の劣化を判定す
る劣化判定手段とを備え、上流側空燃比センサの出力に
含まれる空燃比フィードバックの制御周波数を下流側空
燃比センサの出力から抽出することができ、反転回数比
に基づいて触媒の劣化を正確に判定することが可能とな
って、誤診断を抑制して診断精度を向上させることがで
きる。
【0089】また、第5の発明は、前記第1ないし第4
の発明のうちのいずれかひとつにおいて、前記フィルタ
処理手段が前記下流側空燃比センサの信号のうち上流側
空燃比センサの信号周波数以上の信号を通過させ、下流
側空燃比センサの出力に含まれるベース空燃比のシフト
に伴う低周波成分が除去されるため、誤診断を抑制して
精度よく触媒の劣化診断を行うことが可能となる。
【0090】また、第6の発明は、排気通路に介装され
た触媒と、触媒の上流に配設された上流側空燃比センサ
と、触媒の下流に配設された下流側空燃比センサと、機
関の運転条件を判定する手段と、前記機関運転条件の判
定結果に基づいて基本燃料噴射量を設定する基本噴射量
設定手段と、上流側空燃比センサの信号に基づいてフィ
ードバック補正係数を算出する補正係数算出手段と、こ
のフィードバック補正係数に応じて前記基本燃料噴射量
を補正する燃料噴射量補正手段とを備えてなる内燃機関
において、前記フィードバック補正係数の振幅を演算す
る手段と、前記下流側空燃比センサの信号を前記フィー
ドバック補正係数の振幅に基づいてフィルタ処理する手
段と、このフィルタ処理された下流側空燃比センサの信
号の振幅と上流側空燃比センサの信号の振幅もしくは前
記フィードバック補正係数の振幅との比を演算する振幅
比演算手段と、前記機関運転条件が所定の触媒劣化診断
領域であるときに、前記振幅比と所定の基準値の比較結
果に基づいて前記触媒の劣化を判定する劣化判定手段と
を備え、フィードバック補正係数の振幅に基づくフィル
タ処理によって下流側空燃比センサの出力に含まれた空
燃比フィードバックの制御周波数を抽出し、抽出した制
御周波数の振幅比に基づいて触媒の劣化を正確に判定す
ることが可能となって、誤診断を抑制して診断精度を向
上させることができる。
【0091】また、第7の発明は、排気通路に介装され
た触媒と、触媒の上流に配設された上流側空燃比センサ
と、触媒の下流に配設された下流側空燃比センサと、機
関の運転条件を判定する手段と、前記機関運転条件の判
定結果に基づいて基本燃料噴射量を設定する基本噴射量
設定手段と、上流側空燃比センサの信号に基づいてフィ
ードバック補正係数を算出する補正係数算出手段と、こ
のフィードバック補正係数に応じて前記基本燃料噴射量
を補正する燃料噴射量補正手段とを備えてなる内燃機関
において、前記フィードバック補正係数の反転回数を演
算する手段と、前記下流側空燃比センサの信号を前記フ
ィードバック補正係数の反転回数に基づいてフィルタ処
理する手段と、このフィルタ処理された下流側空燃比セ
ンサの信号の反転回数と上流側空燃比センサの信号の反
転回数もしくは前記フィードバック補正係数の反転回数
との比を演算する反転回数比演算手段と、前記機関運転
条件が所定の触媒劣化診断領域であるときに、前記反転
回数比と所定の基準値の比較結果に基づいて前記触媒の
劣化を判定する劣化判定手段とを備え、フィードバック
補正係数の反転回数に基づくフィルタ処理によって下流
側空燃比センサの出力に含まれた空燃比フィードバック
の制御周波数を抽出し、抽出した制御周波数の振幅比に
基づいて触媒の劣化を正確に判定することが可能となっ
て、誤診断を抑制して診断精度を向上させることができ
る。
【0092】また、第8の発明は、排気通路に介装され
た触媒と、触媒の上流に配設された上流側空燃比センサ
と、触媒の下流に配設された下流側空燃比センサと、機
関の運転条件を判定する手段と、前記機関運転条件の判
定結果に基づいて基本燃料噴射量を設定する基本噴射量
設定手段と、上流側空燃比センサの信号に基づいてフィ
ードバック補正係数を算出する補正係数算出手段と、こ
のフィードバック補正係数に応じて前記基本燃料噴射量
を補正する燃料噴射量補正手段とを備えてなる内燃機関
において、前記機関運転条件に基づいて通常空燃比フィ
ードバック制御周波数を演算する制御周波数演算手段
と、前記下流側空燃比センサの信号を高速フーリエ変換
によってフィルタ処理するFFT処理手段と、このFF
T処理された下流側空燃比センサの信号の前記通常空燃
比フィードバック制御周波数における空燃比フィードバ
ック制御周波数成分の強度を演算する強度演算手段と、
前記機関運転条件が所定の触媒劣化診断領域であるとき
に、前記強度と予め設定した強度スライスレベルとを比
較して触媒の劣化を判定する劣化判定手段とを備え、下
流側空燃比センサの出力から高速フーリエ変換によって
空燃比フィードバック制御周波数成分を抽出し、この抽
出した周波数成分の機関運転条件から演算した通常空燃
比フィードバック制御周波数f0における強度を演算
し、この強度を所定の強度スライスレベルと比較して触
媒の劣化を判定するようにしたため、理論空燃比からの
ずれに伴う低周波成分から空燃比フィードバック制御周
波数成分を確実に分離して触媒の劣化を精度よく行うこ
とが可能となり、さらに、上流側空燃比センサの故障や
壁流の影響等の外乱による誤診断を防ぐことが可能とな
って、触媒劣化の診断精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に対応するクレーム対応図である。
【図2】第2の発明に対応するクレーム対応図である。
【図3】第3の発明に対応するクレーム対応図である。
【図4】第4の発明に対応するクレーム対応図である。
【図5】第6の発明に対応するクレーム対応図である。
【図6】第7の発明に対応するクレーム対応図である。
【図7】第8の発明に対応するクレーム対応図である。
【図8】本発明の一実施例を示すブロック図。
【図9】触媒劣化診断の制御の一例を示すフローチャー
トである。
【図10】同じく触媒劣化診断の制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図11】上流側酸素センサの出力とフィルタ処理後の
下流側酸素センサの出力を示すグラフである。
【図12】吸入空気量と振幅比または反転回数比のスラ
イスレベルとの関係を示すグラフである。
【図13】第2の実施例を示す触媒劣化診断の制御の一
例を示すフローチャートである。
【図14】同じくフローチャートである。
【図15】第3の実施例を示す触媒劣化診断の制御の一
例を示すフローチャートである。
【図16】同じくフローチャートである。
【図17】空燃比フィードバック制御周波数帯f0と吸
入空気量との関係を示すグラフである。
【図18】同じく強度Dと触媒の劣化度合の関係を示す
グラフである。
【図19】強度Dと周波数の関係を示すグラフである。
【図20】応答遅れが大きくなった場合の上流側酸素セ
ンサの出力と下流側酸素センサの出力を示すグラフであ
る。
【図21】上流側酸素センサの出力と下流側酸素センサ
の出力を示すグラフである。
【図22】上流側酸素センサの出力と補正係数αの関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
4 コントロールユニット 13 触媒コンバータ 14 上流側酸素センサ 15 下流側酸素センサ 50 上流側空燃比センサ 51 下流側空燃比センサ 52 運転条件判定手段 53 基本噴射量設定手段 54 補正係数演算手段 55 燃料補正量演算手段 56 周波数演算手段 57 フィルタ処理手段 58 振幅比演算手段 59 しきい値演算手段 60 劣化判定手段 61 反転回数演算手段 62 反転回数比演算手段 63 振幅演算手段 64 制御周波数演算手段 65 FFT処理手段 66 強度演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−50204(JP,A) 特開 平5−187297(JP,A) 特開 平5−280402(JP,A) 特開 平6−129240(JP,A) 特開 平4−292554(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/20 F02D 41/14 310 F02D 45/00 368

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に介装された触媒と、触媒の上
    流に配設された上流側空燃比センサと、触媒の下流に配
    設された下流側空燃比センサと、機関の運転条件を判定
    する手段と、前記機関運転条件の判定結果に応じて基本
    燃料噴射量を設定する基本噴射量設定手段と、上流側空
    燃比センサの信号に基づいてフィードバック補正係数を
    算出する補正係数算出手段と、このフィードバック補正
    係数に応じて前記基本燃料噴射量を補正する燃料噴射量
    補正手段とを備えてなる内燃機関において、前記機関運
    転条件の判定結果が所定の触媒劣化診断領域であるとき
    に前記上流側空燃比センサ及び下流側空燃比センサから
    の信号の周波数をそれぞれ演算する周波数演算手段と、
    前記下流側空燃比センサの信号を前記上流側空燃比セン
    サの信号周波数に基づいてフィルタ処理する手段と、こ
    のフィルタ処理された下流側空燃比センサの信号とフィ
    ルタ処理以前の上流側空燃比センサの信号の振幅の比を
    演算する振幅比演算手段と、前記機関運転条件の判定結
    果に応じて前記振幅比のしきい値を演算する手段と、前
    記振幅比としきい値の比較結果に基づいて前記触媒の劣
    化を判定する劣化判定手段とを備えたことを特徴とする
    内燃機関の触媒劣化診断装置。
  2. 【請求項2】 排気通路に介装された触媒と、触媒の上
    流に配設された上流側空燃比センサと、触媒の下流に配
    設された下流側空燃比センサと、機関の運転条件を判定
    する手段と、前記機関運転条件の判定結果に応じて基本
    燃料噴射量を設定する基本噴射量設定手段と、上流側空
    燃比センサの信号に基づいてフィードバック補正係数を
    算出する補正係数算出手段と、このフィードバック補正
    係数に応じて前記基本燃料噴射量を補正する燃料噴射量
    補正手段とを備えてなる内燃機関において、前記機関運
    転条件の判定結果が所定の触媒劣化診断領域であるとき
    に前記上流側空燃比センサ及び下流側空燃比センサから
    の信号の周波数をそれぞれ演算する周波数演算手段と、
    前記下流側空燃比センサの信号を前記上流側空燃比セン
    サの信号周波数に基づいてフィルタ処理する手段と、こ
    のフィルタ処理された下流側空燃比センサの信号とフィ
    ルタ処理以前の上流側空燃比センサの信号とをそれぞれ
    所定のしきい値と比較して反転回数を演算する手段と、
    これら上流側空燃比センサの信号と前記フィルタ処理さ
    れた下流側空燃比センサの信号との反転回数の比を演算
    する反転回数比演算手段と、前記機関運転条件の判定結
    果に応じて前記反転回数比のしきい値を演算する手段
    と、前記反転回数比としきい値の比較結果に基づいて前
    記触媒の劣化を判定する劣化判定手段とを備えたことを
    特徴とする内燃機関の触媒劣化診断装置。
  3. 【請求項3】 排気通路に介装された触媒と、触媒の上
    流に配設された上流側空燃比センサと、触媒の下流に配
    設された下流側空燃比センサと、機関の運転条件を判定
    する手段と、前記下流側空燃比センサの信号を上流側空
    燃比センサの信号に基づいてフィルタ処理する手段と、
    このフィルタ処理された下流側空燃比センサの信号の振
    幅と上流側空燃比センサの信号の振幅との比を演算する
    振幅比演算手段と、前記機関運転条件の判定結果が所定
    の触媒劣化診断領域であるときに、前記振幅比と所定の
    基準値の比較結果に基づいて前記触媒の劣化を判定する
    劣化判定手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の触
    媒劣化診断装置。
  4. 【請求項4】 排気通路に介装された触媒と、触媒の上
    流に配設された上流側空燃比センサと、触媒の下流に配
    設された下流側空燃比センサと、機関の運転条件を判定
    する手段と、前記下流側空燃比センサの信号を上流側空
    燃比センサの信号に基づいてフィルタ処理する手段と、
    このフィルタ処理された下流側空燃比センサの信号と上
    流側空燃比センサの信号とをそれぞれ所定のしきい値と
    比較して反転回数を演算する手段と、これら上流側空燃
    比センサの信号と前記フィルタ処理された下流側空燃比
    センサの信号の反転回数の比を演算する手段と、前記機
    関運転条件の判定結果が所定の触媒劣化診断領域である
    ときに、前記反転回数比と所定の基準値との比較結果に
    基づいて前記触媒の劣化を判定する劣化判定手段とを備
    えたことを特徴とする内燃機関の触媒劣化診断装置。
  5. 【請求項5】 前記フィルタ処理手段が前記下流側空燃
    比センサの信号のうち上流側空燃比センサの信号周波数
    以上の信号を通過させることを特徴とする請求項1ない
    し請求項4のいずれかひとつに記載の内燃機関の触媒劣
    化診断装置。
  6. 【請求項6】 排気通路に介装された触媒と、触媒の上
    流に配設された上流側空燃比センサと、触媒の下流に配
    設された下流側空燃比センサと、機関の運転条件を判定
    する手段と、前記機関運転条件の判定結果に基づいて基
    本燃料噴射量を設定する基本噴射量設定手段と、上流側
    空燃比センサの信号に基づいてフィードバック補正係数
    を算出する補正係数算出手段と、このフィードバック補
    正係数に応じて前記基本燃料噴射量を補正する燃料噴射
    量補正手段とを備えてなる内燃機関において、前記フィ
    ードバック補正係数の振幅を演算する手段と、前記下流
    側空燃比センサの信号を前記フィードバック補正係数の
    振幅に基づいてフィルタ処理する手段と、このフィルタ
    処理された下流側空燃比センサの信号の振幅と上流側空
    燃比センサの信号の振幅もしくは前記フィードバック補
    正係数の振幅との比を演算する振幅比演算手段と、前記
    機関運転条件が所定の触媒劣化診断領域であるときに、
    前記振幅比と所定の基準値の比較結果に基づいて前記触
    媒の劣化を判定する劣化判定手段とを備えたことを特徴
    とする内燃機関の触媒劣化診断装置。
  7. 【請求項7】 排気通路に介装された触媒と、触媒の上
    流に配設された上流側空燃比センサと、触媒の下流に配
    設された下流側空燃比センサと、機関の運転条件を判定
    する手段と、前記機関運転条件の判定結果に基づいて基
    本燃料噴射量を設定する基本噴射量設定手段と、上流側
    空燃比センサの信号に基づいてフィードバック補正係数
    を算出する補正係数算出手段と、このフィードバック補
    正係数に応じて前記基本燃料噴射量を補正する燃料噴射
    量補正手段とを備えてなる内燃機関において、前記フィ
    ードバック補正係数の反転回数を演算する手段と、前記
    下流側空燃比センサの信号を前記フィードバック補正係
    数の反転回数に基づいてフィルタ処理する手段と、この
    フィルタ処理された下流側空燃比センサの信号の反転回
    数と上流側空燃比センサの信号の反転回数もしくは前記
    フィードバック補正係数の反転回数との比を演算する反
    転回数比演算手段と、前記機関運転条件が所定の触媒劣
    化診断領域であるときに、前記反転回数比と所定の基準
    値の比較結果に基づいて前記触媒の劣化を判定する劣化
    判定手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の触媒劣
    化診断装置。
  8. 【請求項8】 排気通路に介装された触媒と、触媒の上
    流に配設された上流側空燃比センサと、触媒の下流に配
    設された下流側空燃比センサと、機関の運転条件を判定
    する手段と、前記機関運転条件の判定結果に基づいて基
    本燃料噴射量を設定する基本噴射量設定手段と、上流側
    空燃比センサの信号に基づいてフィードバック補正係数
    を算出する補正係数算出手段と、このフィードバック補
    正係数に応じて前記基本燃料噴射量を補正する燃料噴射
    量補正手段とを備えてなる内燃機関において、前記機関
    運転条件に基づいて通常空燃比フィードバック制御周波
    数を演算する制御周波数演算手段と、前記下流側空燃比
    センサの信号を高速フーリエ変換によってフィルタ処理
    するFFT処理手段と、このFFT処理された下流側空
    燃比センサの信号の前記通常空燃比フィードバック制御
    周波数における空燃比フィードバック制御周波数成分の
    強度を演算する強度演算手段と、前記機関運転条件が所
    定の触媒劣化診断領域であるときに、前記強度と予め設
    定した強度スライスレベルとを比較して触媒の劣化を判
    定する劣化判定手段とを備えたことを特徴とする内燃機
    関の触媒劣化診断装置。
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