JP3147866B2 - エンジンの触媒劣化診断装置 - Google Patents

エンジンの触媒劣化診断装置

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JP3147866B2
JP3147866B2 JP22883198A JP22883198A JP3147866B2 JP 3147866 B2 JP3147866 B2 JP 3147866B2 JP 22883198 A JP22883198 A JP 22883198A JP 22883198 A JP22883198 A JP 22883198A JP 3147866 B2 JP3147866 B2 JP 3147866B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はエンジンの触媒劣
化診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒(三元触媒)の上流側だけでなく下
流側にもO2センサーを設け、上流側O2センサーの出力
にもとづいて空燃比のフィードバック制御を実行すると
ともに、両O2センサーの出力を比較することで触媒の
劣化を診断する装置がある(たとえば特開昭63−20
5441号公報参照)。
【0003】これについて説明すると、上流側O2セン
サーの出力にもとづく空燃比のフィードバック制御中、
上流側O2センサの出力が、図15(a)に示すように
周期的にリッチ、リーンを繰り返すのに対し、触媒の下
流では、触媒のO2ストレージ能力により残存酸素濃度
の変動が緩やかなものとなるので、下流側O2センサー
の出力は、図15(b)のように上流側O2センサーに
比べて周期が長くなり、変動幅のないほぼ一定の値をと
る。
【0004】この場合に、触媒に劣化が生じてくると、
2ストレージ能力の低下で触媒の上流側と下流側とで
酸素濃度の変化がそれほど変わらなくなるため、下流側
2センサーの出力は、図15(c)に示すように、上
流側O2センサーの出力に近似した周期で反転を繰り返
すようになる。触媒の劣化が下流側O2センサー出力の
リッチ、リーンの反転周期に現れるわけである。
【0005】したがって、上流側O2センサー出力のリ
ッチ、リーンの反転周期T1と下流側O2センサーのリ
ッチ、リーンの反転周期T2との比(T1/T2)を求
めると、この比(T1/T2)は、触媒の新品時はほぼ
0に近い値であったものが、触媒の劣化が進むほど1に
近づいていくので、この比(T1/T2)が判定基準値
(たとえば0.5)以上となったときに、触媒が劣化し
たと判断することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、触媒の劣化
にも程度があり、小劣化、中劣化、大劣化と大きく3つ
に分けた場合、中劣化の程度では触媒に排気浄化の能力
がまだ残っているので、この場合は劣化と診断する必要
がなく、中劣化の程度で劣化と診断するのでは、資源が
無駄になる。
【0007】しかしながら、上記装置において、理論空
燃比を中心にしての空燃比フィードバック制御中は下流
側O2センサー出力が最も反転を繰り返しやすい状態に
なることから、中劣化と大劣化とで下流側O2センサー
の出力がほぼ近似したものとなり、下流側O2センサー
の出力バラツキもあって、触媒が中劣化と大劣化のいず
れにあるのか、分離することができない。
【0008】そこで、空燃比を理論空燃比からリーン側
またはリッチ側にシフトさせた状態での両センサーの出
力にもとづいて触媒の劣化診断を行い、中劣化の程度で
触媒に排気浄化の能力がまだ残っているときは劣化と判
断しないことにより、触媒が大劣化と判断される直前ま
で無駄なく働かせることが考えられる。
【0009】しかしながら、平均空燃比が理論空燃比近
傍に精度良く保たれていないのに、上記の劣化の診断の
ためたとえば空燃比のリーンシフトを行うと、空燃比の
リーンシフト量が不安定となり、中劣化と大劣化の分離
精度が悪くなる。
【0010】そこでこの発明は、学習が十分進行してい
るときにかぎって、そのときの学習値から所定値を差し
引いて診断用の学習値を求め、劣化が生じたかどうかの
判定をこの診断用の学習値により理論空燃比より外れた
空燃比下で行うことにより、触媒が大劣化と判断される
直前まで無駄なく働かせるとともに、理論空燃比から外
す量を安定させて中劣化と大劣化の分離精度を向上させ
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図16に
示すように、エンジンの運転条件に応じて基本噴射量T
pを算出する手段21と、触媒上流側の排気中の酸素濃
度に応じた出力をするセンサー(たとえばO2センサー
や空燃比センサー)22と、この上流側センサー22の
出力にもとづいてフィードバック定数(たとえば比例分
や積分分)を算出する手段23と、このフィードバック
定数に対する学習値を記憶する手段41と、この記憶手
段41から読み出される学習値で前記フィードバック定
数を修正する手段42と、この修正されたフィードバッ
ク定数を用いて空燃比フィードバック補正量αを算出す
る手段24と、この空燃比フィードバック補正量αで前
記基本噴射量Tpを補正して燃料噴射量を算出する手段
25と、この噴射量の燃料を吸気管に供給する手段26
と、前記触媒下流側の排気中の酸素濃度に応じた出力を
するセンサー27と、この下流側センサー27の出力に
もとづいて空燃比を理論空燃比の側に戻す向きに前記記
憶手段41の学習値を更新する手段43と、この更新手
段43による更新回数が所定回数以上かどうかを判定す
る手段44と、この判定結果より更新回数が所定回数以
上のとき、前記更新手段43による学習値の更新を禁止
するとともに、空燃比を理論空燃比より外す向き(リー
ン、リッチのいずれかの側)に前記記憶手段41から読
み出される学習値から所定値を差し引いて診断用の学習
を求める手段45と、この診断用の学習値により理論
空燃比より外れた空燃比状態で前記2つのセンサー出力
を比較して触媒に劣化が生じたかどうかを判定する手段
29とを設けた。
【0012】第2の発明は、図17に示すように、エン
ジンの運転条件に応じて基本噴射量Tpを算出する手段
21と、触媒上流側の排気中の酸素濃度に応じた出力を
するセンサー(たとえばO2センサーや空燃比センサ
ー)22と、この上流側センサー22の出力にもとづい
てフィードバック定数(たとえば比例分や積分分)を算
出する手段23と、少なくともエンジン回転数と負荷と
をパラメーターとして複数のエリアに分割された各学習
エリアごとに独立に前記フィードバック定数に対する学
習値を記憶する手段51と、そのときのエンジン回転数
と負荷とが属する学習エリアの学習値を読み出す手段5
2と、この読み出される学習値で前記フィードバック定
数を修正する手段42と、この修正されたフィードバッ
ク定数を用いて空燃比フィードバック補正量αを算出す
る手段24と、この空燃比フィードバック補正量αで前
記基本噴射量Tpを補正して燃料噴射量を算出する手段
25と、この噴射量の燃料を吸気管に供給する手段26
と、前記触媒下流側の排気中の酸素濃度に応じた出力を
するセンサー27と、そのときのエンジン回転数と負荷
とが同じ学習エリアに所定期間とどまっているときにそ
の同じ学習エリアの学習値を前記下流側センサー27の
出力にもとづいて空燃比を理論空燃比の側に戻す向きに
更新する手段53と、この更新手段53による診断領域
と重なる学習エリアでの更新回数が所定回数以上かどう
かを判定する手段54と、この判定結果より更新回数が
所定回数以上のとき、前記更新手段53による診断領域
と重なる学習エリアでの学習値の更新を禁止するととも
に、空燃比を理論空燃比より外す向き(リーン、リッチ
のいずれかの側)に前記記憶手段51により診断領域と
重なる学習エリアから読み出される学習値から所定値を
差し引いて診断用の学習値を求める手段55と、この診
断用の学習値により理論空燃比より外れた空燃比状態で
前記2つのセンサー出力を比較して触媒に劣化が生じた
かどうかを判定する手段29とを設けた。
【0013】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、図18に示すように、前記劣化が生じたかどうか
の判定手段29が、前記各センサー出力から反転回数ま
たは反転周期を演算する手段61,62と、この反転回
数または反転周期の比または差を算出する手段63と、
この比または差の加重平均値を算出する手段64と、こ
の加重平均値と判定基準値を比較する手段65とからな
る。
【0014】
【発明の効果】空燃比フィードバック制御により平均の
空燃比が理論空燃比の近傍にあるときは、触媒が大劣化
まで進んでいるときと中劣化の程度までしか進んでいな
いときとで上流側と下流側の2つのセンサーがほぼ同様
の出力(O2センサーのときは大劣化と中劣化とでいず
れもリッチ、リーンの反転周期がほぼ同じ)となるた
め、中劣化と大劣化とを分離するのが難かしいのである
が、第1の発明において診断用のフィードバック定数に
より理論空燃比より外れた空燃比状態になると、中劣化
のときと大劣化のときとで下流側センサーの出力が異な
ってくる(理論空燃比を略中心として出力が反転するこ
とになるO2センサーのときは、大劣化のとき下流側の
2センサーの出力のリッチ、リーンの反転周期に変化
がないのに、中劣化で下流側のO2センサーの出力のリ
ッチ、リーンの反転周期が長くなる)。つまり、触媒の
劣化診断時に、空燃比を強制的に理論空燃比より外して
やることで、下流側のセンサー出力に違いが出ることか
ら、中劣化と大劣化の分離が可能となるわけである。
【0015】このようにして、中劣化と大劣化とを分離
できるとなると、大劣化にまで進行したときだけ劣化と
診断し、まだ浄化能力が残っている中劣化の程度では劣
化と診断させないようにすることができ、これによって
触媒が大劣化に進む直前まで最大限に働かせることがで
きる。
【0016】また、中劣化程度以上に触媒の性能低下が
進行している場合には、診断のため空燃比をリーンシフ
トしても排気性能が極端に低下することはない。
【0017】一方、たとえば、触媒上流側のセンサーの
出力バラツキなどにより平均の空燃比がもともとリッチ
側にはずれている場合に、学習が十分に進んでいないと
きは、このセンサーの出力バラツキなどによる空燃比の
リッチ分だけ、診断に際してのリーンシフト量が不足す
ることになるのであるが、第1の発明で、触媒下流側の
センサー出力にもとづいて空燃比を理論空燃比の側に戻
す向きに記憶手段41の学習値が更新され、この更新回
数が所定回数以上になったとき、そのときの学習値から
所定値を差し引いて診断用の学習値を求め、この診断用
の学習値により空燃比を理論空燃比より外しての劣化診
断が行われると、更新回数が所定回数以上になったタイ
ミングでは、上流側センサーの出力バラツキや触媒上流
側での非平衡ガスに伴う空燃比のバラツキがあっても、
これらに関係なく、空燃比が理論空燃比を中心として周
期変化するようになっているので、劣化診断に際して理
論空燃比から外す量が安定し、これによって中劣化と大
劣化の分離精度がよくなる。
【0018】第2の発明で、少なくともエンジン回転数
と負荷とをパラメーターとして複数のエリアに分割され
た各学習エリアごとに独立にフィードバック定数に対す
る学習値が記憶され、そのときのエンジン回転数と負荷
とが同じ学習エリアに所定期間とどまっているときにそ
の同じ学習エリアの学習値が下流側センサー27の出力
にもとづいて空燃比を理論空燃比の側に戻す向きに更新
される一方で、診断領域と重なる学習エリアでの更新回
数が所定回数以上のときに、診断領域と重なる学習エリ
アから読み出される学習値から所定値を差し引いて診断
用の学習値を求め、この診断用の学習値により空燃比を
理論空燃比より外しての劣化診断が行われると、第1の
発明よりも学習値の精度が良くなる分さらに中劣化と大
劣化の分離精度が向上する。学習エリアが細分できれば
理論空燃比への制御精度が向上することより、診断領域
での空燃比も、より理論空燃比に近づいているわけであ
るから、劣化診断精度(つまり中劣化と大劣化の分離精
度)も向上するのである。
【0019】第3の発明で、第1または第2の発明にお
いて、前記劣化が生じたかどうかの判定に加重平均値が
用いられると、さらに中劣化と大劣化の分離精度が向上
する。
【0020】
【発明の実施の形態】図1において、1はエンジン本
体、2は吸気通路、3は排気通路、4はスロットル弁、
5は燃料インジェクター、6は触媒である。燃料インジ
ェクター5には、図示しない燃料供給系統を介して一定
圧となるように調圧された燃料が供給されており、コン
トロールユニット15からの駆動パルスで開かれ、その
開弁パルス幅に比例した量の燃料が噴射供給される。
【0021】11は空気流量を検出する熱線式のエアフ
ローメーター、12はクランク角度の基準位置ごと(4
気筒では180°ごと、6気筒では120°ごと)の信
号(Ref信号)と単位クランク角度ごとの信号とを出
力するクランク角度センサー、13と14は排気中の残
存酸素濃度に応じ、理論空燃比を境に出力が急変するO
2センサー、15はエンジンの冷却水温を検出する水温
センサーであり、これらからの信号が入力されるコント
ロールユニット15で、平均空燃比が理論空燃比となる
ように空燃比制御が実行される。
【0022】マイクロコンピューターからなるコントロ
ールユニット15での空燃比制御は次の通りである。
【0023】燃料インジェクター5はRef信号に同期
して駆動される。たとえば同時噴射方式ではエンジン1
回転ごとに1回、全気筒同時に Ti=Te+Ts …(1) ただし、Te:有効パルス幅 Ts:バッテリー電圧に応じた無効パルス幅 の式で与えられる噴射パルス幅Tiでインジェクター5
が作動され、またシーケンシャル噴射方式になると、エ
ンジン2回転ごとに1回、各気筒ごとに Ti=2×Te+Ts …(2) の式で与えられる噴射パルス幅Tiでインジェクター5
が作動される。
【0024】図2は上記のTiを算出するための流れ図
で、一定周期(たとえば10msec)で実行する。
【0025】ステップ1ではエアフローメーター11で
検出した空気流量Qとクランク角度センサーで検出した
エンジン回転数Nから基本パルス幅Tpを、 Tp=(Q/N)×K …(3) ただし、K:定数 の式で計算する。このTpで決まる空燃比がベース空燃
比といわれている。
【0026】ステップ2で基本パルス幅Tpを用いて上
記(1)や(2)式の有効パルス幅Teを、 Te=Tp×α×αm×Co …(4) ただし、α:空燃比フィードバック補正係数 αm:基本空燃比学習値 Co:各種補正係数 の式で計算し、ステップ3で全気筒同時かシーケンシャ
ル噴射かに応じて異なる値のTiを計算する。
【0027】(4)式の各種補正係数Coはいろいろな
条件下で円滑な運転を確保するための値である。たとえ
ば始動時、暖機時、高負荷時などで水温センサーなどの
各センサーからの信号にもとづいて基本パルス幅Tpを
補正する。このとき、後述する空燃比フィードバック補
正係数αの値は100%にクランプされている(第3図
のステップ11,12)。
【0028】(4)式の空燃比フィードバック補正係数
αは触媒6の上流側O2センサー13の出力にもとづく
比例積分制御(フィードバック制御の一種)によってR
ef信号に同期して求められる値で、αの値が100%
を越えると(3)式より空燃比がリッチ側へ、100%
を下回ると空燃比がリーン側へと戻される。
【0029】図3は空燃比フィードック補正係数αを算
出するための流れ図で、Ref信号に同期して実行す
る。
【0030】上流側O2センサー出力は、理論空燃比よ
りリッチ側で高レベル(1V程度)、リーン側で低レベ
ル(ほぼ0V)となるので、ほぼ0.5V当たりに設け
たスライスレベルを越えていると、実際の空燃比がリッ
チ側に、またスライスレベルより小さいときリーン側に
あることになる。そこで、上流側O2センサー出力(図
では簡単に「前O2」で表示)がたとえば、 リッチ側からリーン側に反転したときは、前回のフィ
ードバック補正係数αに比例分PLを加算した値を今回
のαとして更新し(図3のステップ13,15,22,
25)、次回からはO2センサー出力がリッチ側に反転
する直前まで積分分ILを加算すると(図3のステップ
13,15,26,27)、αによる燃料増量により噴
射量(噴射パルス幅Ti)が多くなって実際の空燃比が
徐々に濃くなっていく。
【0031】この結果、O2センサー出力がリッチ側
に反転したときは、前回のαから比例分PRを減算した
値を今回のαとして更新し(図3のステップ13,1
4,16,19)、次回からはO2センサー出力がふた
たびリーン側に反転する直前まで積分分IRを減算する
(図3のステップ13,14,20,21)。
【0032】O2センサー出力がリーン側に反転した
ときは上記の、を繰り返す。
【0033】このような繰り返しによって、実際の空燃
比が所定の周期で変化することになり、平均の空燃比が
ウインドウ(理論空燃比を中心とする所定の空燃比範
囲)内に維持されるわけである。
【0034】なお、説明しなかったステップ25,19
の学習値LPについては(そのほかステップ17,1
8,23,24についても)次に述べる。
【0035】触媒6の下流側では排気中の未燃焼成分が
触媒6によって反応完了しているので、触媒6の上流側
と相違して、O2センサーにとっては安定した平衡ガス
の測定となり、理想的な出力が得られる。上流側O2
ンサー13にもとづいて空燃比フィードバック制御を実
行したとき、触媒上流側での非平衡ガスの影響で空燃比
がリッチ傾向にあれば下流側O2センサー出力がリッチ
側でほぼ一定の値を、また空燃比が逆にリーン傾向のと
きは下流側O2センサー出力がリーン側でほぼ一定の値
を示すわけである。
【0036】こうした下流側O2センサー出力を利用し
て、下流側O2センサー出力がリッチ傾向を示すとき
は、空燃比をリーン側に戻してやり、また下流側O2
ンサーがリーン傾向を示すときは、空燃比をリッチ側に
戻してやれば、平均の空燃比をより正確に理論空燃比へ
と制御することができる。
【0037】たとえば図3に示したように、比例分に対
する学習値LPによりリーン側への反転時に比例分PL
を、 PL=PL+LP …(5) の式で(図3のステップ25)、この逆にリッチ側への
反転時には比例分PRを PR=PR−LP …(6) の式で修正する(図3のステップ19)。
【0038】(5),(6)式の学習値LPは、図5に
示した学習エリアごとに読み出す。図4(図3のステッ
プ18,24のサブルーチン)において、ステップ31
でそのときのエンジン回転数Nと基本パルス幅(エンジ
ン負荷相当量)Tpの属する学習エリアを判定し、その
エリアに格納されている学習値LPをステップ32で読
み出すわけである。なお、図4のステップ33と34は
後述する。
【0039】一方、学習値LPは、エンジンの運転条件
が同じ学習エリアに一定期間とどまっていたときに更新
する。
【0040】図6(図3のステップ17,23のサブル
ーチン)は学習値LPの更新を示す流れ図で、上流側O
2センサー出力(または空燃比フィードバック補正係数
α)の反転時ごとに実行する。
【0041】図6において、ステップ41からステップ
45までは更新条件であるかどうかをみる部分で、次の
条件〈1〉下流側O2センサーについてのフィードバッ
ク制御域であること(ステップ41)、〈2〉回転数N
と基本パルス幅Tpが同じ学習エリアにあること(ステ
ップ42,43)、〈3〉同じ学習エリアにあってカウ
ンター値jRが所定値nR以上となったこと(ステップ4
4,45)、のすべてを満たした場合に、更新条件が成
立したと判断してステップ47に進む。ステップ46は
後述する。
【0042】ステップ47で下流側O2センサー出力が
リッチ側にあれば、 LP=LP−DLPR …(7) ただし、DLPR:一定値 の式で更新条件の成立している学習エリアの学習値LP
を小さくなる側に書き換えて同じ学習エリアに再ストア
し(ステップ48,49)、反対に下流側O2センサー
出力がリーン側にあるときは、 LP=LP+DLPL …(8) ただし、DLPL:一定値 の式で学習値LPを大きくなる側に書き換える(ステッ
プ50,49)。
【0043】学習値LPは、学習エリアごとに独立に格
納し、その値がエンジン停止後も消失しないように車載
バッテリーによりバックアップしておく。
【0044】このように、下流側O2センサー出力をも
空燃比制御中に利用することで、上流側O2センサーの
出力バラツキや触媒上流側での非平衡ガスに伴う空燃比
のバラツキがあっても、これらに関係なく、空燃比が理
論空燃比を中心として周期変化するようになる。
【0045】なお、上記(5),(6)式は比例分
L、PRに対する学習値を導入した例であるが、これに
代えてあるいはこれに加えて積分定数IL、IRに対する
学習値を導入することもできる。
【0046】さて、触媒が劣化してくると、触媒のO2
ストレージ能力の低下で下流側O2センサー出力のリッ
チ、リーンの反転周期(あるいは反転回数)が短くな
り、上流側O2センサー出力のリッチ、リーンの反転周
期に近づいていくので、2つのO2センサ出力のリッ
チ、リーンの反転周期の比(あるいは差)にもとづけば
触媒が劣化したかどうかを診断できるのであるが、理論
空燃比を中心にしての空燃比フィードバック制御中は下
流側O2センサー出力が最も反転を繰り返しやすい状態
になることから、中劣化と大劣化とで下流側O2センサ
ーの出力がほぼ近似したものとなり、下流側O2センサ
ーの出力バラツキもあって、触媒が中劣化と大劣化のい
ずれにあるのか、分離することができない。
【0047】これに対処するため、コントロールユニッ
ト15では、劣化診断に際して、空燃比を理論空燃比か
ら強制的にリーン側(あるいはリッチ側)にシフトさ
せ、そのシフトさせた空燃比状態での両センサーの出力
にもとづいて触媒が大劣化と中劣化のいずれにあるのか
を判定し、中劣化の程度で触媒に排気浄化の能力がまだ
残っているときは運転パネルなどに設けた警告灯16を
点灯することなく劣化診断を終了し、大劣化になったと
きだけ警告灯16を点灯させる。
【0048】まず、空燃比を理論空燃比から強制的にリ
ーン側にシフトさせ、そのシフトさせた状態での両セン
サーの出力にもとづいて触媒の劣化診断を行うのは、次
の理由からである。
【0049】図7に示したように、中劣化の触媒では、
2ストレージ能力がまだ残っているため、理論空燃比
を境にリッチ側では酸素濃度がステップ的に減少し(0
に近づく)、リーン側ではCO濃度がステップ的に減少
する(0に近づく)のに対し、劣化がさらに進行して大
劣化の状態になると、O2ストレージ能力がほとんどな
くなることから、触媒下流側での酸素濃度、CO濃度の
変化が触媒上流側とほとんど変わらなくなってくる。こ
のような両者のO2ストレージ能力の違いは、空燃比を
理論空燃比よりリーン側に少しシフトさせたときに現
れ、図8で示したように、中劣化のときだけ下流側O2
センサー出力が反転しにくくなっている。
【0050】そこで、空燃比を理論空燃比からリーン側
にシフトさせていったときに中劣化と大劣化とで反転回
数比HZRATEがどうなるかを実験したところ、図9
に示す特性が得られた。図9より、理論空燃比の近傍で
は、大劣化と中劣化とで反転回数比HZRATEの値が
近いため、両者を分離するのが難しかったのが、リーン
側の空燃比になるほど、両者を分離しやすくなってい
る。つまり、触媒の劣化診断時に、空燃比を強制的にリ
ーン側にシフトさせることで、中劣化と大劣化の分離が
可能となるのである。
【0051】一方、劣化診断に際して空燃比を強制的に
リーン側にシフトさせるには、診断領域と重なる学習エ
リアでの更新回数が所定回数以上となったとき、上記学
習値LPの更新を禁止するとともに、空燃比が理論空燃
比からシフトするようにバッテリーバックアップRAM
から読み出される学習値を診断用の学習値に変更する。
こうした空燃比の強制シフトとの関連で、図4に示した
学習値読み出しのためのサブルーチンにおいてステップ
33,34が、図6に示した学習値更新のためのサブル
ーチンにおいて、ステップ46があらたに追加されてい
る。
【0052】図10と図11は触媒の劣化診断を示すた
めの流れ図で、一回の運転(エンジンの始動からエンジ
ンの停止までのこと)につき一回だけ、上流側O2セン
サー出力(または空燃比フィードバック補正係数α)の
反転ごと、一定クランク角度ごと、あるいは一定時間ご
とに実行する。
【0053】まず、ステップ61、62、63は診断条
件かどうかをみる部分で、従来と同様である。次の条件
〈1〉診断許可条件が成立すること(ステップ61)、
〈2〉診断領域であること(ステップ62)、〈3〉診
断領域と重なる学習エリアでの更新回数カウンター値L
CNTが所定値LCNT0を越えること(ステップ6
3)を満たすかどうかみて、いずれかの条件でも満たさ
ないときは、ステップ64に進み、別のカウンター値j
2を初期値の0にし、3つの条件をすべて満たすとき
は、診断条件が成立したと判断してステップ65に進
む。
【0054】ここで、〈1〉の診断許可条件は、エン
ジン始動時の水温が所定値以上であること、エンジン
暖機完了から所定時間が経過していること、下流側O
2センサーが活性していること(これは下流側O2センサ
ー出力レベルから判定される)のすべてを満たす場合で
ある。
【0055】上記〈2〉の診断領域は、上流側O2
ンサー出力にもとづく空燃比フィードバック制御域であ
ること、運転条件が定常状態であること、の両方を満
たす場合で、さらには〈ア〉車速VSPが所定範囲内
にあること、〈イ〉エンジン回転数Nが所定範囲内にあ
ること、〈ウ〉基本パルス幅Tpが所定範囲内にあるこ
との全てを満たす場合である。
【0056】上記〈3〉の更新回数カウンター値LCN
Tは、図5に示した学習エリアごとの学習値LPの書き
換えのたびに1ずつインクリメントされる値である。診
断領域と重なる学習エリアにおいて学習が十分に進行し
ていない状態で、かつ上流側O2センサーの出力バラツ
キなどにより平均の空燃比がリッチ側もしくはリーン側
に偏っているときは、下流側O2センサー出力の反転周
期が影響を受け、後述する反転回数比HZRATEに誤
差が生じるので、LCNT≦LCNT0のときは、ステ
ップ65以降に進ませないことで、劣化診断の精度低下
を防止するわけである。したがって、結果的には、全学
習領域のうち、学習が十分に進行している学習エリアが
診断領域となる。
【0057】ステップ65では、診断条件が成立したの
が初めてかどうかみて、初めてであれば、ステップ66
に進んで、学習値LPの更新を禁止するフラグを“1”
に、ステップ67では診断用学習値への変更フラグを
“1”にそれぞれセットし、一定周期後にはステップ6
1に戻る。なお、2つのフラグとも、“0”の状態に初
期セットされている。
【0058】更新禁止フラグの“1”へのセットで、図
6の学習値更新のサブルーチンにおいて、ステップ47
以降に進むことができなくなり、学習値LPの更新が禁
止されるわけである。
【0059】また、診断用学習値への変更フラグが
“1”にセットされると、図4の学習値読出しのサブル
ーチンにおいて、ステップ33からステップ34に進
み、学習値が LP=LP−LPCNG …(9) ただし、LPCNG:正の所定値 の式で一定値だけ小さな値に変更される。(9)式右辺
の学習値LPは十分学習が進行した後の値であるから、
(9)式右辺の学習値LPによる制御空燃比(平均空燃
比)は理論空燃比の近くにきているはずである。したが
って、(9)式右辺の学習値LPからLPCNGを差し
引いた値を診断用学習値(つまり(9)式左辺の学習値
LP)とすることで、制御空燃比は理論空燃比からLP
CNGで定まる所定値だけリーン側の空燃比へとシフト
されることになる。
【0060】図10において、診断条件が成立したのが
初めてでなければ、ステップ68に進み、カウンター値
j2をインクリメントし、ステップ69でこのカウンタ
ー値j2と所定値n2を比較し、j2<n2であれば、
次の周期に備える。
【0061】診断条件が成立したままの状態が保たれて
いれば、やがてステップ69においてj2≧n2となっ
て図11のステップ70に進む。j2≧n2となるまで
ステップ70に進ませないようにしているのは、空燃比
の強制的なリーンシフトで、制御空燃比が理論空燃比を
外れたリーン側の値に落ち着くのを待つためである。な
お、図10は上流側O2センサー出力(または空燃比フ
ィードバック補正係数α)の反転ごと、一定クランク角
度ごと、あるいは一定時間ごとに実行されるので、j2
≧n2を満たす場合とは、上流側O2センサー出力(ま
たは空燃比フィードバック補正係数α)が所定回反転し
たとき、所定クランク角度が経過したときあるいは所定
時間が経過したときである。
【0062】図11においてステップ70では、上流側
2センサーと下流側O2センサーの反転回数比HZRA
TEを HZRATE=f2/f1 …(10) ただし、f2:下流側O2センサーのリッチ、リーン反
転周波数 f1:上流側O2センサーのリッチ、リーン反転周波数 の式で計算する。なお、各O2センサーの反転周期を計
測し、これらから反転回数比HZRATEを求めること
ももちろん可能である。
【0063】ステップ71では(10)式の反転回数比
HZRATEと所定の判定基準値(たとえば0.4)C
NGHZを比較し、HZRATE<CNGHZであれ
ば、触媒が中劣化の程度にあると判断し、警告灯をつけ
ることなくステップ72でカウンター値CCATNGを
初期値の0に、続いてステップ73で更新禁止フラグと
診断用学習値への変更フラグをともに“0”にそれぞれ
リセットして診断を終了する。
【0064】一方、ステップ71でHZRATE≧CN
GHZになると、ステップ74に進んでカウンター値C
CATNGをインクリメントし、これをステップ75で
所定値(たとえば3)CCATJと比較する。ステップ
75でHZRATE≧CNGHZになると、触媒が大劣
化の程度まで進んだと判断し、ステップ76で警告灯を
点灯させて診断を終了する。
【0065】このように、上流側O2センサーと下流側
2センサーの反転回数比HZRATEを用いて触媒劣
化を診断するに際して、制御空燃比を理論空燃比からリ
ーン側にシフトすることで、理論空燃比の近傍において
大劣化と分離しきれない中劣化の程度についても精度良
く分離することができ、これによって、触媒が大劣化に
進む直前まで最大限に働かせることができるのである。
【0066】また、中劣化程度以上に触媒の性能低下が
進行している場合には、診断のため空燃比をリーンシフ
トしても排気性能が極端に低下することはない。
【0067】また、診断領域と重なる学習エリアで学習
が十分に進行しているとき(つまり平均空燃比が理論空
燃比近傍に精度良く保たれているとき)にかぎって、診
断のための空燃比のリーンシフトを行うと、空燃比のリ
ーンシフト量が安定するので、中劣化と大劣化の分離精
度がよくなる。
【0068】たとえば、O2センサーの出力バラツキな
どにより平均の空燃比がもともとリッチ側にはずれてい
る場合に、診断領域と重なる学習エリアにおいて学習が
十分に進んでいないときは、このO2センサーの出力バ
ラツキなどによる空燃比のリッチ分だけ、診断に際して
のリーンシフト量が不足することになるので、このO2
センサーの出力のバラツキなどによる空燃比のリッチ分
がなければ、HZRATEの値が判定基準値CNGHZ
より小さかった(つまり中劣化と診断される)のに、こ
のリッチ分によるリーンシフト量の不足でHZRATE
の値がCNGHZより小さくならない(つまり大劣化と
診断される)ことが考えられる。これに対して、診断領
域と重なる学習エリアで学習が十分に進行した後であれ
ば、学習値LPによりO2センサーの出力バラツキなど
による空燃比のリッチ分がなくなるので、診断のための
リーンシフト量が不足することがなく、したがって、触
媒の劣化は中程度であるのに大劣化にまで進んでいると
の誤診断を避けることができるのである。
【0069】図12は第2実施形態で、第1実施形態の
図11に対応する。
【0070】この実施形態では、HZRATE≧CNG
HZでステップ121に進み、反転回数比HZRATE
の加重平均値HZRTAVを、 HZRTAV=HZRTAV-1×(1−K2)+HZRATE×K2 …(13) ただし、K2:加重平均係数(0≦K2<1) HZRTAV-1:前回の加重平均値 の式で計算し、この加重平均値HZRTAVをステップ
122で判定基準値CNGSTと比較し、HZRTAV
<CNGSTであれば、加重平均を繰り返し、HZRT
AV≧CNGSTのとき、ステップ76に進んで警告灯
をつける。
【0071】図13は上記の判定基準値CNGSTを求
めるためのサブルーチンで、反転回数比HZRATEを
演算するごとに実行する。ステップ131で加重平均を
行った回数をカウントアップし、ステップ132でこの
加重平均回数から図14を内容とするテーブルを参照し
て判定基準値CNGSTを求める。
【0072】判定基準値CNGSTは、加重平均回数が
大きくなると徐々に小さくしている。これは、加重平均
回数が増すほど、反転回数比の加重平均値HZRTAV
の信頼性が増すので、大劣化と判定するための基準値
(つまりCNGST)を小さくすることができるからで
ある。
【0073】この実施形態では、劣化診断に反転回数比
の加重平均値を用いるので、第1実施形態より診断の精
度が向上する。
【0074】実施形態では、2つの比例分PLとPRの変
更により空燃比をリーン側あるいはリッチ側にシフトさ
せているが、片方だけ比例分PLまたはPRの変更によ
り、また積分分ILとIRの両方または片方だけの変更に
より空燃比をリーン側あるいはリッチ側にシフトさせて
もかまわない。
【0075】さらに、燃料量や空気量を直接に減量した
り増量するなど、他の手段により空燃比をリーン側やリ
ッチ側にシフトさせることもできる。たとえば、スロッ
トル弁をバイパスする通路に設けた補助空気弁を所定開
度で開くことにより、空燃比をリーン側に所定量だけシ
フトさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のシステム図である。
【図2】燃料噴射パルス幅Tiの算出を説明するための
流れ図である。
【図3】空燃比フィードバック補正係数αの算出を説明
するための流れ図である。
【図4】学習値LPの読み出しを説明するための流れ図
である。
【図5】学習エリアを説明するための図である。
【図6】学習値LPの更新を説明するための流れ図であ
る。
【図7】中劣化の場合と大劣化の場合とを対照させて示
す、触媒下流での酸素濃度、CO濃度とO2センサー出
力の各特性図である。
【図8】中劣化の場合と大劣化の場合とを対照させて示
す、空燃比をリーンシフトしたときの波形図である。
【図9】空燃比に対する反転回数比HZRATEの特性
図である。
【図10】劣化診断を説明するための流れ図である。
【図11】劣化診断を説明するための流れ図である。
【図12】第2実施例の劣化診断を説明するための流れ
図である。
【図13】第2実施例の判定基準値CNGSTの算出を
説明するための流れ図である。
【図14】判定基準値CNGSTのテーブル内容を示す
特性図である。
【図15】従来例のO2センサーの波形図である。
【図16】第1の発明のクレーム対応図である。
【図17】第2の発明のクレーム対応図である。
【図18】第3の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
11 エアーフローメーター 12 クランク角度センサー 13 O2センサー(上流側センサー) 14 O2センサー(下流側センサー) 15 コントロールユニット
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 41/14 310 F02D 41/14 310H 310K (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 368 F02D 45/00 340 F01N 3/20 F02D 41/14 310

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの運転条件に応じて基本噴射量を
    算出する手段と、 触媒上流側の排気中の酸素濃度に応じた出力をするセン
    サーと、 この上流側センサーの出力にもとづいてフィードバック
    定数を算出する手段と、 このフィードバック定数に対する学習値を記憶する手段
    と、 この記憶手段から読み出される学習値で前記フィードバ
    ック定数を修正する手段と、 この修正されたフィードバック定数を用いて空燃比フィ
    ードバック補正量を算出する手段と、 この空燃比フィードバック補正量で前記基本噴射量を補
    正して燃料噴射量を算出する手段と、 この噴射量の燃料を吸気管に供給する手段と、 前記触媒下流側の排気中の酸素濃度に応じた出力をする
    センサーと、 この下流側センサーの出力にもとづいて空燃比を理論空
    燃比の側に戻す向きに前記記憶手段の学習値を更新する
    手段と、 この更新手段による更新回数が所定回数以上かどうかを
    判定する手段と、 この判定結果より更新回数が所定回数以上のとき、前記
    更新手段による学習値の更新を禁止するとともに、空燃
    比を理論空燃比より外す向きに前記記憶手段から読み出
    される学習値から所定値を差し引いて診断用の学習値
    求める手段と、 この診断用の学習値により理論空燃比より外れた空燃比
    状態で前記2つのセンサー出力を比較して触媒に劣化が
    生じたかどうかを判定する手段とを設けたことを特徴と
    するエンジンの触媒劣化診断装置。
  2. 【請求項2】エンジンの運転条件に応じて基本噴射量を
    算出する手段と、 触媒上流側の排気中の酸素濃度に応じた出力をするセン
    サーと、 この上流側センサーの出力にもとづいてフィードバック
    定数を算出する手段と、 少なくともエンジン回転数と負荷とをパラメーターとし
    て複数のエリアに分割された各学習エリアごとに独立に
    前記フィードバック定数に対する学習値を記憶する手段
    と、 そのときのエンジン回転数と負荷とが属する学習エリア
    の学習値を読み出す手段と、 この読み出される学習値で前記フィードバック定数を修
    正する手段と、 この修正されたフィードバック定数を用いて空燃比フィ
    ードバック補正量を算出する手段と、 この空燃比フィードバック補正量で前記基本噴射量を補
    正して燃料噴射量を算出する手段と、 この噴射量の燃料を吸気管に供給する手段と、 前記触媒下流側の排気中の酸素濃度に応じた出力をする
    センサーと、 そのときのエンジン回転数と負荷とが同じ学習エリアに
    所定期間とどまっているときにその同じ学習エリアの学
    習値を前記下流側センサーの出力にもとづいて空燃比を
    理論空燃比の側に戻す向きに更新する手段と、 この更新手段による診断領域と重なる学習エリアでの更
    新回数が所定回数以上かどうかを判定する手段と、 この判定結果より更新回数が所定回数以上のとき、前記
    更新手段による診断領域と重なる学習エリアでの学習値
    の更新を禁止するとともに、空燃比を理論空燃比より外
    す向きに前記記憶手段により診断領域と重なる学習エリ
    アから読み出される学習値から所定値を差し引いて診断
    用の学習値を求める手段と、 この診断用の学習値により理論空燃比より外れた空燃比
    状態で前記2つのセンサー出力を比較して触媒に劣化が
    生じたかどうかを判定する手段とを設けたことを特徴と
    するエンジンの触媒劣化診断装置。
  3. 【請求項3】前記劣化が生じたかどうかの判定手段は、
    前記各センサー出力から反転回数または反転周期を演算
    する手段と、この反転回数または反転周期の比または差
    を算出する手段と、この比または差の加重平均値を算出
    する手段と、この加重平均値と判定基準値を比較する手
    段とからなることを特徴とする請求項1または2に記載
    のエンジンの触媒劣化診断装置。
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