JP2605964B2 - フッ素樹脂積層物およびその製造方法、並びにフッ素樹脂積層物を有する容器 - Google Patents
フッ素樹脂積層物およびその製造方法、並びにフッ素樹脂積層物を有する容器Info
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B65—CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
- B65D—CONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
- B65D1/00—Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
- B65D1/02—Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
- B65D1/0207—Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features
- B65D1/0215—Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features multilayered
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、文字・図形等を表示し
たフッ素樹脂積層物およびその製造方法、並びにフッ素
樹脂積層物を有する容器に関するものである。
たフッ素樹脂積層物およびその製造方法、並びにフッ素
樹脂積層物を有する容器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】以下、フッ素樹脂積層物を使用した調理
器具に対する文字・図形等の表示方法について、図５に
基づいて説明する。１はフッ素樹脂層、２はアルミニウ
ム層からなる基材、３は刻印部である。すなわち従来
は、予めフッ素樹脂を積層した積層物のフッ素樹脂面も
しくはその反対面から刻印等の手段によって凹凸による
表示を形成しているものであった。または予め刻印等の
手段によって凹凸を形成した基材の表面にフッ素樹脂層
を形成するものであった。例えば炊飯器を例に採れば、
内鍋には水位・米量等の表示が前記した方法で付けられ
ている。使用者はこの表示を見て水加減等の調整を行っ
ているものである。
器具に対する文字・図形等の表示方法について、図５に
基づいて説明する。１はフッ素樹脂層、２はアルミニウ
ム層からなる基材、３は刻印部である。すなわち従来
は、予めフッ素樹脂を積層した積層物のフッ素樹脂面も
しくはその反対面から刻印等の手段によって凹凸による
表示を形成しているものであった。または予め刻印等の
手段によって凹凸を形成した基材の表面にフッ素樹脂層
を形成するものであった。例えば炊飯器を例に採れば、
内鍋には水位・米量等の表示が前記した方法で付けられ
ている。使用者はこの表示を見て水加減等の調整を行っ
ているものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記従来の表示
方法は、第一に凹凸のみによる表現であって表示内容が
わかりにくいものであった。また第二に長期間繰り返し
使用すると表面のフッ素樹脂層が磨耗して、刻印部で剥
離が生ずるものであった。本発明は上記従来の問題点を
解決しようとするもので、表示内容が見やすくて長期間
繰り返し使用しても磨耗しにくいフッ素樹脂積層物を提
供することを第一の目的としている。また、製造方法が
簡単で生産性を向上させるとともに、生産コストが低減
できるフッ素樹脂積層物の製造方法を提供することを第
二の目的としている。更に、表示内容が見やすくて長期
間繰り返し使用しても摩耗しにくく、しかも表示位置の
精度の高い容器を提供することを第三の目的としてい
る。
方法は、第一に凹凸のみによる表現であって表示内容が
わかりにくいものであった。また第二に長期間繰り返し
使用すると表面のフッ素樹脂層が磨耗して、刻印部で剥
離が生ずるものであった。本発明は上記従来の問題点を
解決しようとするもので、表示内容が見やすくて長期間
繰り返し使用しても磨耗しにくいフッ素樹脂積層物を提
供することを第一の目的としている。また、製造方法が
簡単で生産性を向上させるとともに、生産コストが低減
できるフッ素樹脂積層物の製造方法を提供することを第
二の目的としている。更に、表示内容が見やすくて長期
間繰り返し使用しても摩耗しにくく、しかも表示位置の
精度の高い容器を提供することを第三の目的としてい
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、基材と、この基材の上に設
けられ基材との密着性を確保するためのプライマー層
と、このプライマー層の上に設けられた印刷層と、この
印刷層の上に設けられたフッ素樹脂からなるトップ層と
を有し、前記印刷層は少なくともアクリル樹脂をバイン
ダーとしてカーボンブラックまたは酸化チタンとともに
フッ素樹脂を分散させたタンポ印刷用インキを含有する
ことを特徴とするフッ素樹脂積層物とするものである。
第二の目的を達成する本発明の第二の手段は、基材上に
プライマー層を塗布し乾燥処理をした後に、少なくとも
アクリル樹脂をバインダーとしてカーボンブラックまた
は酸化チタンとともにフッ素樹脂を分散させたタンポ印
刷用インキを含有する印刷層をタンポ印刷により形成
し、その後、フッ素樹脂からなるトップ層を塗布し焼成
することを特徴とするフッ素樹脂積層物の製造方法とす
るものである。第三の目的を達成する本発明の第三の手
段は、請求項１記載のフッ素樹脂積層 物を有する容器と
するものである。
めの本発明の第一の手段は、基材と、この基材の上に設
けられ基材との密着性を確保するためのプライマー層
と、このプライマー層の上に設けられた印刷層と、この
印刷層の上に設けられたフッ素樹脂からなるトップ層と
を有し、前記印刷層は少なくともアクリル樹脂をバイン
ダーとしてカーボンブラックまたは酸化チタンとともに
フッ素樹脂を分散させたタンポ印刷用インキを含有する
ことを特徴とするフッ素樹脂積層物とするものである。
第二の目的を達成する本発明の第二の手段は、基材上に
プライマー層を塗布し乾燥処理をした後に、少なくとも
アクリル樹脂をバインダーとしてカーボンブラックまた
は酸化チタンとともにフッ素樹脂を分散させたタンポ印
刷用インキを含有する印刷層をタンポ印刷により形成
し、その後、フッ素樹脂からなるトップ層を塗布し焼成
することを特徴とするフッ素樹脂積層物の製造方法とす
るものである。第三の目的を達成する本発明の第三の手
段は、請求項１記載のフッ素樹脂積層 物を有する容器と
するものである。
【０００５】
【作用】本発明の第一の手段は、図形や文字を表示した
印刷層をプライマー層とフッ素樹脂からなるトップ層と
の間に位置させたもので、印刷層はトップ層がすべて摩
滅するまで保護されているものである。従って印刷層の
表示は、刻印等による衝撃を加えていないこともあって
極めて明瞭であり、また初期の表示状態を高い耐久性を
有して維持することができるものである。また本発明の
第二の手段によれば、製造方法が簡単で生産性を向上さ
せるとともに、生産コストの低減できるフッ素樹脂積層
物の製造方法を提供することができるものである。 更
に、本発明の第三の手段によれば、成型容器の内面に印
刷層を形成することが必要となるような、例えば炊飯器
の内鍋の水位の表示等に適用した場合、表示精度の高い
フッ素樹脂積層物を有する容器とすることができる。
印刷層をプライマー層とフッ素樹脂からなるトップ層と
の間に位置させたもので、印刷層はトップ層がすべて摩
滅するまで保護されているものである。従って印刷層の
表示は、刻印等による衝撃を加えていないこともあって
極めて明瞭であり、また初期の表示状態を高い耐久性を
有して維持することができるものである。また本発明の
第二の手段によれば、製造方法が簡単で生産性を向上さ
せるとともに、生産コストの低減できるフッ素樹脂積層
物の製造方法を提供することができるものである。 更
に、本発明の第三の手段によれば、成型容器の内面に印
刷層を形成することが必要となるような、例えば炊飯器
の内鍋の水位の表示等に適用した場合、表示精度の高い
フッ素樹脂積層物を有する容器とすることができる。
【０００６】
【実施例】以下本発明の第一の実施例について、図１を
参照しながら説明する。４はアルミニウム基板等の基
材、５は基材４の上に形成したプライマー層、６は印刷
層、７はフッ素樹脂で形成したトップ層、８は印刷層６
に分散された無機系の顔料である。本実施例ではプライ
マー層５としてデュポン社製ＰＥＳ系プライマー462-Z-
68501を使用している。また印刷層６として、耐熱性の
カーボンブラックを３０重量％添加したビデオジェット
社製インクジェットインキ16-8700を使用している。ま
たトップ層７として、ダイキン工業社製ＰＦＡ塗料AD-2
CRを使用している。
参照しながら説明する。４はアルミニウム基板等の基
材、５は基材４の上に形成したプライマー層、６は印刷
層、７はフッ素樹脂で形成したトップ層、８は印刷層６
に分散された無機系の顔料である。本実施例ではプライ
マー層５としてデュポン社製ＰＥＳ系プライマー462-Z-
68501を使用している。また印刷層６として、耐熱性の
カーボンブラックを３０重量％添加したビデオジェット
社製インクジェットインキ16-8700を使用している。ま
たトップ層７として、ダイキン工業社製ＰＦＡ塗料AD-2
CRを使用している。
【０００７】本実施例の構成のフッ素樹脂積層物を、例
えば炊飯器の内鍋に使用した場合は、図形や文字を表示
した印刷層６がプライマー層５とフッ素樹脂からなるト
ップ層７との間に位置するため、炊飯時の米粒の対流運
動による摩擦や、たわし等を使用した洗浄時の摩擦等に
対して極めて高い耐久性を有している。つまり、印刷層
６の上部を覆っているトップ層７がすべて摩滅するまで
保護されているものである。従って印刷層６は、初期の
表示状態を高い耐久性を有して維持することができるも
のである。次に本実施例のフッ素樹脂積層物の製造法に
ついて説明する。表面を有機溶剤で脱脂処理した3004系
アルミニウム板を、粒度100番のモランダム系ブラスト
剤を用い、空気圧5kg/cm2でブラスト処理により粗面化
し基材４を準備する。この上に、デュポン社製ＰＥＳ系
プライマー462-Z-68501を焼成後の厚さで8μとなるよう
にスプレー塗装し、100℃で10分間乾燥する。こうして
プライマー層５が乾燥すると、この上に耐熱性のカーボ
ンブラックを３０重量％添加したビデオジェット社製イ
ンクジェットインキ16-8700をビデオジェット社製イン
クジェット機エクセルシリーズ100を用いて印刷する。
こうして印刷層６が完成すると、この上に、ダイキン工
業社製ＰＦＡ塗料AD-2CRを焼成後の厚さで25μになるよ
うにスプレー塗装し、380℃で20分間焼成して、トップ
層７を形成する。
えば炊飯器の内鍋に使用した場合は、図形や文字を表示
した印刷層６がプライマー層５とフッ素樹脂からなるト
ップ層７との間に位置するため、炊飯時の米粒の対流運
動による摩擦や、たわし等を使用した洗浄時の摩擦等に
対して極めて高い耐久性を有している。つまり、印刷層
６の上部を覆っているトップ層７がすべて摩滅するまで
保護されているものである。従って印刷層６は、初期の
表示状態を高い耐久性を有して維持することができるも
のである。次に本実施例のフッ素樹脂積層物の製造法に
ついて説明する。表面を有機溶剤で脱脂処理した3004系
アルミニウム板を、粒度100番のモランダム系ブラスト
剤を用い、空気圧5kg/cm2でブラスト処理により粗面化
し基材４を準備する。この上に、デュポン社製ＰＥＳ系
プライマー462-Z-68501を焼成後の厚さで8μとなるよう
にスプレー塗装し、100℃で10分間乾燥する。こうして
プライマー層５が乾燥すると、この上に耐熱性のカーボ
ンブラックを３０重量％添加したビデオジェット社製イ
ンクジェットインキ16-8700をビデオジェット社製イン
クジェット機エクセルシリーズ100を用いて印刷する。
こうして印刷層６が完成すると、この上に、ダイキン工
業社製ＰＦＡ塗料AD-2CRを焼成後の厚さで25μになるよ
うにスプレー塗装し、380℃で20分間焼成して、トップ
層７を形成する。
【０００８】こうして製造されたフッ素樹脂積層物は、
印刷層６がプライマー層５とトップ層７との間にサンド
イッチされており、刻印等による衝撃を基材４あるいは
トップ層７に加えていないため、印刷層の表示がきわめ
て明瞭であり、しかも耐久性が高いものである。しかも
印刷層６内には無機系の顔料であるカーボンブラックが
分散されているため、トップ層７を380℃で20分間焼成
する工程で印刷インキ中のバインダー樹脂がたとえ分解
したとしても、カーボンブラックが残存して目的の表示
ができるものである。また、印刷インキのバインダー
は、印刷性に対する適正度から選定でき、工程品質の管
理が容易になるメリットもある。なお印刷層６に添加す
る顔料としては、カーボンブラックだけではなく酸化チ
タンなどの無機顔料、もしくは380℃付近の温度で分解
しにくい顔料なら何でも良い。
印刷層６がプライマー層５とトップ層７との間にサンド
イッチされており、刻印等による衝撃を基材４あるいは
トップ層７に加えていないため、印刷層の表示がきわめ
て明瞭であり、しかも耐久性が高いものである。しかも
印刷層６内には無機系の顔料であるカーボンブラックが
分散されているため、トップ層７を380℃で20分間焼成
する工程で印刷インキ中のバインダー樹脂がたとえ分解
したとしても、カーボンブラックが残存して目的の表示
ができるものである。また、印刷インキのバインダー
は、印刷性に対する適正度から選定でき、工程品質の管
理が容易になるメリットもある。なお印刷層６に添加す
る顔料としては、カーボンブラックだけではなく酸化チ
タンなどの無機顔料、もしくは380℃付近の温度で分解
しにくい顔料なら何でも良い。
【０００９】次に本発明の第二の実施例について、図２
に基づいて説明する。本実施例の構成は、前記第一の実
施例と同様であり説明を省略する。本実施例では印刷層
９として、デュポン社製フッ素塗料420-105に、ＰＦＡ
粉体塗料MP-102を20重量％添加したタンポ印刷用インキ
を使用している。本実施例の構成とすることによって、
印刷層９自体がフッ素樹脂を含有したものとなってお
り、プライマー層５・トップ層７との密着性が非常に高
いものとなる。従って、前記第一の実施例の構成のもの
よりも一層印刷層９の耐久性が高いフッ素樹脂積層物を
実現するものである。以下、本実施例のフッ素樹脂積層
物の製造法を説明する。表面を有機溶剤で脱脂処理した
3004系アルミニウム板を、粒度100番のモランダム系ブ
ラスト剤を用い、空気圧5kg/cm2でブラスト処理により
粗面化して基材４を準備する。この上に、デュポン社製
ＰＥＳ系プライマー462-Z-68501を焼成後の厚さで8μと
なるようにスプレー塗装し、100℃で10分間乾燥する。
こうしてプライマー層５が乾燥すると、この上にデュポ
ン社製フッ素塗料420-105にＰＦＡ粉体塗料MP-102を２
０重量％添加したタンポ印刷用インキを使用してタンポ
印刷する。こうして印刷層９が完成すると、この上に、
ダイキン工業社製ＰＦＡ塗料AD-2CRを焼成後の厚さで25
μになるように静電塗装し、380℃で20分間焼成してト
ップ層７を形成する。
に基づいて説明する。本実施例の構成は、前記第一の実
施例と同様であり説明を省略する。本実施例では印刷層
９として、デュポン社製フッ素塗料420-105に、ＰＦＡ
粉体塗料MP-102を20重量％添加したタンポ印刷用インキ
を使用している。本実施例の構成とすることによって、
印刷層９自体がフッ素樹脂を含有したものとなってお
り、プライマー層５・トップ層７との密着性が非常に高
いものとなる。従って、前記第一の実施例の構成のもの
よりも一層印刷層９の耐久性が高いフッ素樹脂積層物を
実現するものである。以下、本実施例のフッ素樹脂積層
物の製造法を説明する。表面を有機溶剤で脱脂処理した
3004系アルミニウム板を、粒度100番のモランダム系ブ
ラスト剤を用い、空気圧5kg/cm2でブラスト処理により
粗面化して基材４を準備する。この上に、デュポン社製
ＰＥＳ系プライマー462-Z-68501を焼成後の厚さで8μと
なるようにスプレー塗装し、100℃で10分間乾燥する。
こうしてプライマー層５が乾燥すると、この上にデュポ
ン社製フッ素塗料420-105にＰＦＡ粉体塗料MP-102を２
０重量％添加したタンポ印刷用インキを使用してタンポ
印刷する。こうして印刷層９が完成すると、この上に、
ダイキン工業社製ＰＦＡ塗料AD-2CRを焼成後の厚さで25
μになるように静電塗装し、380℃で20分間焼成してト
ップ層７を形成する。
【００１０】こうして、印刷層９がトップ層７とプライ
マー層５と高い密着性を有し、印刷層部での剥離やフク
レが無いフッ素樹脂積層物が得られるものである。次に
本発明の第三の実施例であるフッ素樹脂積層物につい
て、図３に基づいて説明する。図１で説明したものと共
通の部材には共通の番号を付け、説明を省略する。本実
施例では、印刷層１０の文字・図形はドットのサイズが
2mm角以内のものの組合せで構成しているものである。
本実施例のフッ素樹脂積層物は、印刷層１０がプライマ
ー層５とトップ層７との間にサンドイッチされており、
また文字や図形を構成している各ドットが2mm角以内で
あるため、たとえ印刷層１０がトップ層７及びプライマ
ー層５との密着性が悪くても、各ドットの周辺はトップ
層７とプライマー層５と高い密着性を有している。この
ため、印刷層１０部の密着性は確保されるものである。
この場合ドットのサイズは2mm角以内が密着性を確保す
る上で最適である。本実施例のフッ素樹脂積層物の製造
法を以下に説明する。表面を有機溶剤で脱脂処理した30
04系アルミニウム板を、粒度100番のモランダム系ブラ
スト剤を用い、空気圧5kg/cm2でブラスト処理により粗
面化して基材４を準備する。この上に、ダイキン工業社
製ポリアミドイミド系プライマーEK-1909BKを焼成後の
厚さで8μとなるようにスプレー塗装し、100℃で10分間
乾燥する。こうしてプライマー層５が乾燥すると、この
上に耐熱性のカーボンブラックを30重量％添加したビデ
オジェット社製インクジェットインキ16-8700をビデオ
ジェット社製インクジェット機エクセルシリーズ100を
用いて１ドットが１mm角になるように印刷する。こうし
て印刷層１０が完成すると、この上に、ダイキン工業社
製ＰＦＡ塗料AD-2CRを焼成後の厚さで25μになるように
スプレー塗装し、380℃で20分間焼成してトップ層７を
形成する。こうして、非常に高い密着性を有する印刷層
１０を持ったフッ素樹脂積層物が完成する。
マー層５と高い密着性を有し、印刷層部での剥離やフク
レが無いフッ素樹脂積層物が得られるものである。次に
本発明の第三の実施例であるフッ素樹脂積層物につい
て、図３に基づいて説明する。図１で説明したものと共
通の部材には共通の番号を付け、説明を省略する。本実
施例では、印刷層１０の文字・図形はドットのサイズが
2mm角以内のものの組合せで構成しているものである。
本実施例のフッ素樹脂積層物は、印刷層１０がプライマ
ー層５とトップ層７との間にサンドイッチされており、
また文字や図形を構成している各ドットが2mm角以内で
あるため、たとえ印刷層１０がトップ層７及びプライマ
ー層５との密着性が悪くても、各ドットの周辺はトップ
層７とプライマー層５と高い密着性を有している。この
ため、印刷層１０部の密着性は確保されるものである。
この場合ドットのサイズは2mm角以内が密着性を確保す
る上で最適である。本実施例のフッ素樹脂積層物の製造
法を以下に説明する。表面を有機溶剤で脱脂処理した30
04系アルミニウム板を、粒度100番のモランダム系ブラ
スト剤を用い、空気圧5kg/cm2でブラスト処理により粗
面化して基材４を準備する。この上に、ダイキン工業社
製ポリアミドイミド系プライマーEK-1909BKを焼成後の
厚さで8μとなるようにスプレー塗装し、100℃で10分間
乾燥する。こうしてプライマー層５が乾燥すると、この
上に耐熱性のカーボンブラックを30重量％添加したビデ
オジェット社製インクジェットインキ16-8700をビデオ
ジェット社製インクジェット機エクセルシリーズ100を
用いて１ドットが１mm角になるように印刷する。こうし
て印刷層１０が完成すると、この上に、ダイキン工業社
製ＰＦＡ塗料AD-2CRを焼成後の厚さで25μになるように
スプレー塗装し、380℃で20分間焼成してトップ層７を
形成する。こうして、非常に高い密着性を有する印刷層
１０を持ったフッ素樹脂積層物が完成する。
【００１１】次に本発明の第四の実施例である前述のフ
ッ素樹脂積層物を有する容器について、図４に基づいて
説明する。１１はアルミニウムとステンレスのクラッド
材で構成した基材で、本実施例では曲面を有する鍋状と
して成型加工している。１２は基材１１の上に形成した
プライマー層、１３はプライマー層１２の上に文字・図
形等を表示した印刷層、１４はトップ層である。本実施
例では、前記容器を以下のようにして製造している。先
ず、厚さ1.5mmの1100系アルミニウムと、厚さ0.5mmのフ
ェライト系ステンレスのクラッド板を、炊飯器の内鍋状
にプレス成型する。次いで、この成型品の基材１１の内
面を粒度100番のモランダム系ブラスト材を使用して、
空気圧5kg/cm2でブラスト処理し、粗面化する。この上
に、デュポン社製プライマー462-Z-68501を焼成後の厚
さが８μ程度となるようにスプレー塗装する。その後15
0℃で10分間乾燥し、プライマー層１２を形成する。次
に、空冷または水冷によって約50℃程度に達してから、
アクリル樹脂をバインダーとしてＴiＯ2を分散させたタ
ンポインキを、所定のパターンにタンポ印刷して印刷層
１３を形成する。この印刷層１３は、常温で自然乾燥さ
せる。この後デュポン社製ＰＦＡ粉体塗料ＭＰ１０２
を、焼成後の厚さが50μ程度となるように静電塗装し、
380℃20分間焼成してトップ層１４を形成する。以上の
構成で、本実施例の容器は表示内容が非常に明瞭で、耐
久性が高く、しかも表示位置の精度の高いものとするこ
とができる。つまり従来の容器にあっては、平板状の基
材１１の上にプライマー層１２を形成し、この上に印刷
層１３とさらにトップ層１４を形成して、その後所定の
形状に成型するものであった。このような製造法では、
基材１１を構成するクラッド材の材質の変動等によっ
て、基材１１の成型後の伸び率が変動したり、成型条件
の変動等によって基材１１の寸法が変動したりして、印
刷層１３の印刷位置の精度が低いものとなっていた。こ
の点本実施例によれば、基材１１の成型加工が終了して
から、プライマー層１２・印刷層１３・トップ層１４を
形成しているため、表示内容が非常に明瞭で、耐久性が
高く、しかも表示位置の精度の高い容器とすることがで
きるものである。
ッ素樹脂積層物を有する容器について、図４に基づいて
説明する。１１はアルミニウムとステンレスのクラッド
材で構成した基材で、本実施例では曲面を有する鍋状と
して成型加工している。１２は基材１１の上に形成した
プライマー層、１３はプライマー層１２の上に文字・図
形等を表示した印刷層、１４はトップ層である。本実施
例では、前記容器を以下のようにして製造している。先
ず、厚さ1.5mmの1100系アルミニウムと、厚さ0.5mmのフ
ェライト系ステンレスのクラッド板を、炊飯器の内鍋状
にプレス成型する。次いで、この成型品の基材１１の内
面を粒度100番のモランダム系ブラスト材を使用して、
空気圧5kg/cm2でブラスト処理し、粗面化する。この上
に、デュポン社製プライマー462-Z-68501を焼成後の厚
さが８μ程度となるようにスプレー塗装する。その後15
0℃で10分間乾燥し、プライマー層１２を形成する。次
に、空冷または水冷によって約50℃程度に達してから、
アクリル樹脂をバインダーとしてＴiＯ2を分散させたタ
ンポインキを、所定のパターンにタンポ印刷して印刷層
１３を形成する。この印刷層１３は、常温で自然乾燥さ
せる。この後デュポン社製ＰＦＡ粉体塗料ＭＰ１０２
を、焼成後の厚さが50μ程度となるように静電塗装し、
380℃20分間焼成してトップ層１４を形成する。以上の
構成で、本実施例の容器は表示内容が非常に明瞭で、耐
久性が高く、しかも表示位置の精度の高いものとするこ
とができる。つまり従来の容器にあっては、平板状の基
材１１の上にプライマー層１２を形成し、この上に印刷
層１３とさらにトップ層１４を形成して、その後所定の
形状に成型するものであった。このような製造法では、
基材１１を構成するクラッド材の材質の変動等によっ
て、基材１１の成型後の伸び率が変動したり、成型条件
の変動等によって基材１１の寸法が変動したりして、印
刷層１３の印刷位置の精度が低いものとなっていた。こ
の点本実施例によれば、基材１１の成型加工が終了して
から、プライマー層１２・印刷層１３・トップ層１４を
形成しているため、表示内容が非常に明瞭で、耐久性が
高く、しかも表示位置の精度の高い容器とすることがで
きるものである。
【００１２】
【発明の効果】以上のように本発明の第一の手段によれ
ば、基材と、この基材の上に設けられ基材との密着性を
確保するためのプライマー層と、このプライマー層の上
に設けられた印刷層と、この印刷層の上に設けられたフ
ッ素樹脂からなるトップ層とを有し、前記印刷層は少な
くともアクリル樹脂をバインダーとしてカーボンブラッ
クまたは酸化チタンとともにフッ素樹脂を分散させたタ
ンポ印刷用インキを含有することを特徴とするので、表
示内容が見やすくて長期間繰り返し使用しても磨耗しに
くいフッ素樹脂積層物が実現できるものである。また、
本発明の第二の手段によれば、少なくともアクリル樹脂
をバインダーとしてカーボンブラックまたは酸化チタン
とともにフッ素樹脂を分散させたタンポ印刷用インキを
含有する印刷層をタンポ印刷により形成することによ
り、製造方法が簡単で生産性を向上させるとともに生産
コストの低減でき、さらに、容器等に印刷する場合、表
示位置の精度の高いものを実現することができるもので
ある。 更に、本発明の第三の手段によれば、請求項１記
載のフッ素樹脂積層物を容器に施すことにより、成型容
器の内面に印刷層を形成することが必要となるような、
例えば炊飯器の内鍋の水位の表示等に適用した場合、表
示精度の高いフッ素樹 脂積層物を有する容器とすること
ができる。
ば、基材と、この基材の上に設けられ基材との密着性を
確保するためのプライマー層と、このプライマー層の上
に設けられた印刷層と、この印刷層の上に設けられたフ
ッ素樹脂からなるトップ層とを有し、前記印刷層は少な
くともアクリル樹脂をバインダーとしてカーボンブラッ
クまたは酸化チタンとともにフッ素樹脂を分散させたタ
ンポ印刷用インキを含有することを特徴とするので、表
示内容が見やすくて長期間繰り返し使用しても磨耗しに
くいフッ素樹脂積層物が実現できるものである。また、
本発明の第二の手段によれば、少なくともアクリル樹脂
をバインダーとしてカーボンブラックまたは酸化チタン
とともにフッ素樹脂を分散させたタンポ印刷用インキを
含有する印刷層をタンポ印刷により形成することによ
り、製造方法が簡単で生産性を向上させるとともに生産
コストの低減でき、さらに、容器等に印刷する場合、表
示位置の精度の高いものを実現することができるもので
ある。 更に、本発明の第三の手段によれば、請求項１記
載のフッ素樹脂積層物を容器に施すことにより、成型容
器の内面に印刷層を形成することが必要となるような、
例えば炊飯器の内鍋の水位の表示等に適用した場合、表
示精度の高いフッ素樹 脂積層物を有する容器とすること
ができる。
【図１】本発明の第一の実施例であるフッ素樹脂積層物
の断面図
の断面図
【図２】同第二の実施例であるフッ素樹脂積層物の断面
図
図
【図３】同第三の実施例であるフッ素樹脂積層物の断面
図
図
【図４】同第四の実施例である炊飯器の内鍋の断面図
【図５】従来のフッ素樹脂積層物の表示法を示す断面図
４・１１ 基材 ５・１２ プライマー層 ６・９・１０・１３ 印刷層 ７・１４ トップ層
フロントページの続き (72)発明者 玉木 昌子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−180221（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−227238（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−331150（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−77977（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−140210（ＪＰ，Ｕ)
Claims (3)
- 【請求項１】基材と、この基材の上に設けられ基材との
密着性を確保するためのプライマー層と、このプライマ
ー層の上に設けられた印刷層と、この印刷層の上に設け
られたフッ素樹脂からなるトップ層とを有し、前記印刷
層は少なくともアクリル樹脂をバインダーとしてカーボ
ンブラックまたは酸化チタンとともにフッ素樹脂を分散
させたタンポ印刷用インキを含有することを特徴とする
フッ素樹脂積層物。 - 【請求項２】基材上にプライマー層を塗布し乾燥処理を
した後に、少なくともアクリル樹脂をバインダーとして
カーボンブラックまたは酸化チタンとともにフッ素樹脂
を分散させたタンポ印刷用インキを含有する印刷層をタ
ンポ印刷により形成し、その後、フッ素樹脂からなるト
ップ層を塗布し焼成することを特徴とするフッ素樹脂積
層物の製造方法。 - 【請求項３】請求項１記載のフッ素樹脂積層物を有する
容器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20923291A JP2605964B2 (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | フッ素樹脂積層物およびその製造方法、並びにフッ素樹脂積層物を有する容器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20923291A JP2605964B2 (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | フッ素樹脂積層物およびその製造方法、並びにフッ素樹脂積層物を有する容器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0549541A JPH0549541A (ja) | 1993-03-02 |
| JP2605964B2 true JP2605964B2 (ja) | 1997-04-30 |
Family
ID=16569549
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20923291A Expired - Lifetime JP2605964B2 (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | フッ素樹脂積層物およびその製造方法、並びにフッ素樹脂積層物を有する容器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2605964B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013036283A1 (en) | 2011-09-09 | 2013-03-14 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | An ink composition for a non-stick coating and a coated substrate comprising the pattern therefrom |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2791517B2 (ja) * | 1991-10-24 | 1998-08-27 | 松下電器産業株式会社 | フッ素樹脂積層物の製造方法 |
| JP3872998B2 (ja) * | 2001-04-09 | 2007-01-24 | 関西ペイント株式会社 | 塗装金属板及びそれを用いた絞りしごき缶 |
| CN100473310C (zh) * | 2004-05-31 | 2009-04-01 | 松下电器产业株式会社 | 电饭煲 |
| JP4239978B2 (ja) * | 2004-05-31 | 2009-03-18 | パナソニック株式会社 | 炊飯器 |
| JP4094016B2 (ja) * | 2005-07-08 | 2008-06-04 | 玲 金 | ワンコーティングまたはスリーコーティング層にインク顔料を塗布してコーティング層を形成した器具およびその形成方法 |
| FR2969533B1 (fr) * | 2010-12-23 | 2016-11-18 | Seb Sa | Article comprenant un revetement thermostable dote d'un decor au moins bichrome en tons continus et procede de fabrication d'un tel article. |
| FR3031027B1 (fr) * | 2014-12-30 | 2017-06-09 | Seb Sa | Procede de decoration d'un article culinaire par traitement mecanique |
| FR3048624B1 (fr) * | 2016-03-10 | 2018-03-09 | Seb S.A. | Procede de fabrication d'un revetement thermostable par impression digitale |
| KR102085595B1 (ko) * | 2019-05-22 | 2020-03-09 | 주식회사 셰프라인 | 열변색성 복합코팅층을 포함하는 조리기구 제조방법 및 이에 의해 제조된 조리기구 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02180221A (ja) * | 1988-12-29 | 1990-07-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 加熱調理器用調理容器とその製造法および絵柄の製造法 |
| JPH07102655B2 (ja) * | 1990-01-31 | 1995-11-08 | 住友電気工業株式会社 | 目盛、模様、文字等を表示した弗素樹脂被覆物 |
| JP3146536B2 (ja) * | 1991-05-02 | 2001-03-19 | 住友電気工業株式会社 | 目盛、模様、文字等を表示した弗素樹脂被覆物の製造方法 |
-
1991
- 1991-08-21 JP JP20923291A patent/JP2605964B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013036283A1 (en) | 2011-09-09 | 2013-03-14 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | An ink composition for a non-stick coating and a coated substrate comprising the pattern therefrom |
| EP3381990A1 (en) | 2011-09-09 | 2018-10-03 | The Chemours Company FC, LLC | An ink composition for a non-stick coating and a coated substrate comprising the pattern therefrom |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0549541A (ja) | 1993-03-02 |
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